JP2010504353A - Ablチロシンキナーゼ阻害剤でのフィラデルフィア陽性白血病の処置を最適化する方法 - Google Patents

Ablチロシンキナーゼ阻害剤でのフィラデルフィア陽性白血病の処置を最適化する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒト患者集団において、フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)または慢性骨髄性白血病(CML)といったようなフィラデルフィア陽性(Ph+)白血病を処置する方法であって、(a)予定固定量のBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、イマチニブ)またはその薬学的に許容され得る塩をPh+白血病に罹患しているヒト患者へ投与し;(b)該患者から少なくとも1つの血液試料を集め;(c)Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその代謝産物の血漿トラフレベル(Cmin)、さらにはまた、MMR率を測定し;(d)MMRに関するトラフ血漿濃度の識別可能性を評価して、最適感度および特異性に関するCmin閾値を同定し;そして(e)段階(d)のもとに得られるCmin閾値と同等またはそれより高いCminが各々の患者一人一人において達成される方法で、該患者集団からの個々の患者、また所望により、Ph+白血病に罹患する将来的な患者へ適用するBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;段階を含んでなる方法を提供する。

Description

本発明は、ヒト患者集団においてフィラデルフィア陽性白血病(Ph+白血病)を処置する方法に関する。ある特定の態様において、本発明は、ヒト患者集団において慢性骨髄性白血病(CML)を処置する方法に関する。
CMLでは、造血幹細胞(HSC)における相反的にバランスのとれた染色体転座がBCR−ABLハイブリッド遺伝子を産生する。後者は、発癌性Bcr−Abl融合タンパク質をコードする。ABLは、厳密に調節されたタンパク質チロシンキナーゼをコードし、これは、細胞増殖、付着およびアポトーシスを調節する際に基本的な役割を果たすが、BCR−ABL融合遺伝子は、構成的に活性化されたキナーゼとしてコードされ、これは、HSCを形質転換して、クローン増殖の調節解除、骨髄間質へ付着する能力の低下を示す表現型を産生し、また突然変異誘発性刺激に対するアポトーシス応答を低下させ、これは、それがより悪性の形質転換を次第に積み重ねることができるようにする。その結果生ずる顆粒球は、成熟リンパ球へとは発達せずに、血流中へと放出され、成熟細胞における欠損および感染に対する感受性の増大をもたらす。Bcr−AblのATP競合的阻害剤は、キナーゼが分裂促進および抗アポトーシス経路(例えば、P−3キナーゼおよびSTAT5)を活性化できないようにし、BCR−ABL表現型細胞の死をもたらして、それにより、CMLに対して有効な治療を与えることが記載されている。
2001年5月に、N−{5−[4−(4−メチル−ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミンのメシル酸塩(メシル酸イマチニブ、STI571、グリベック(Glivec)(商標))は、IFN−アルファ療法から利を得られなかった患者におけるCMLの処置に関してFDAにより承認された。2000年6月には既に、最初のCML患者がインターフェロンおよびSTI571の国際的無作為研究(International Randomized Study of Interferon and STI571)(IRIS)に登録された。この大規模な第3相試験は、規模と範囲の両方において類を見ないものであった。IRISの研究者達は、16カ国で1000人以上の患者を募集して、グリベックとインターフェロン−アルファとの間で直接比較を行った(S.G. O’Brien, F. Guilhot, R.A. Larson, et al, N. Engl. J. Med. 2003, 348: 994-1004)。イマチニブは1日400mgの用量で、新たに診断された慢性期におけるCML(CML−CP)の患者に関してIFN+Ara−Cより優れた有効性を示している。最近、5年間のIRIS追跡データは、第一選択のイマチニブを投与された患者のうち87%の完全細胞遺伝学的応答(CCR)の概算累積率および89%の全生存を示した(Druker BJ, Guilhot F, O’Brien SG, et al on behalf of the IRIS Investigators. Five-Year Follow-up of Imatinib Therapy for Newly Diagnosed Myeloid Leukemia in Chronic-Phase Shows Sustained Responses and High Overall Survival. New Eng J Med 2006; 355:2408-17)。特に、治療開始から18ヶ月以内にCCRおよび主要分子応答(MMR)に達した患者は、60ヶ月経った時点でも移行または急性転化期へと進行していない。
今なお、慢性CMLの処置でのメシル酸イマチニブに対する変動する応答は、完全には理解されていない。先の研究は、イマチニブに対する細胞耐性機構に焦点を合わせた。薬物動態のモニタリングは、神経学、心臓病学、および精神医学といったような、様々な医療専門分野において広く使用されるが、臨床腫瘍診療において適用されることは稀である。メシル酸イマチニブで処置されているCML患者での薬物動態研究は、イマチニブの血漿トラフ濃度はメシル酸イマチニブの用量と相関するが、体重または体表面はあまり重要ではないことを示した。Pengらは、イマチニブのトラフ血漿濃度を測定して、血漿濃度パラメーターに従いイマチニブのレジメンを調節した(Peng B., Hayes M., Resta, D. et al, J. Clin. Oncol. 2004, 22, 935-942)。Mahonら(Blood. 106(11, Part 1). Nov. 16 2005. 565A)は、その処置レジメンを支持してイマチニブの血中濃度を測定した。
本発明は、Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で処置されているヒトCML患者での忍容性の問題、有効性の欠如、および再発の危険性を最小限に抑えるまたは回避する方法に関する。ボルドー大学で行われた研究の解析、並びに薬物動態データを新たに診断された慢性期におけるCML(CML−CP)の患者での細胞遺伝学的および分子的応答と相関させているIRIS研究データに基づき、Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤を使用してのCMLの処置は、本発明により、驚いたことに、特異的最低血漿トラフレベル(Cmin)が各々の患者一人一人において達成される方法で、個々の患者へ適用するBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤の用量を調節することにより最適化され得ることが見出された。各々の患者に対する個々の調節は、IRIS研究において観測される、同じ用量のBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤を各々の患者へ投与する際のCmin値の高い患者相互変動性(intervariability)から考えて必要である。本発明は、生存の可能性の増大と相関することが示されたCmin下限閾値に基づき、CML患者一人一人に対して個々に応じた処置スケジュールを初めて提供する。
CMLは、Ph+白血病のグループに属する。本明細書中に記載するCML患者集団で得られる結果は、Ph+白血病のグループ全体へ直接移行され得る。その理由は、Ph+白血病の特性的な特徴がBcr−Abl融合タンパク質を引き起こすフィラデルフィア染色体の存在であることからである。後者のタンパク質は、Bcr−Abl阻害剤全ての標的である。
本明細書中で使用する“Ph+ ALL”という略語は、フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ芽球性白血病を意味する。
本明細書中で使用する“主要分子応答(MMR)”という用語は、好ましくは治療から12ヶ月後、例えば、メシル酸イマチニブ療法から12ヶ月後に、リアルタイム定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応を使用して末梢血から定量化される、BCR−ABL転写での3対数減少を意味する。
本明細書中で使用する“完全細胞遺伝学的応答(CCR)”という用語は、骨髄穿刺液中の中期にある少なくとも20または25の細胞のうち、フィラデルフィア染色体陽性の中期が0%であることを意味する(Colombat M, Fort MP, Chollet C, et al. Molecular remission in chronic myeloid leukemia patients with sustained complete cytogenetic remission after imatinib mesylate treatment. Haematologica 2006;91:162-8)。
本明細書中で使用する“処置方法”という用語はまた、本明細書中で言及する疾患の予防方法、すなわち、本明細書中で言及する疾患の発生を防ぐための、Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤を含んでなる医薬組成物の健常患者への予防的投与にも関する。
本明細書中で使用する“用量を調節する”および“...の用量を調節する”という用語は、好ましくは、言及する用量を増大させるまたは減少させることを意味する。より広い意義の本発明において、“用量を調節する”および“...の用量を調節する”という用語は、用量が変わらないままである状態を包含する。
本明細書中で使用する“Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤”という用語は、B.J. DrukerらによりNat. Med. 1996, 2, 561-566に記載されたアッセイで免疫沈降物に対して行われるインビトロでのキナーゼアッセイにおいて、トランスフェクト細胞の溶解物からc−AblまたはBcr−Ablの阻害を0.1μM未満のIC50値で示す有機化合物に関する。
従って、より広い意義において、本発明は、ヒト患者集団において、CMLまたはPh+ ALLといったようなPh+白血病を処置する方法であって、
(a)予定固定量のBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩をPh+白血病に罹患しているヒト患者へ投与し;
(b)該患者から少なくとも1つの血液試料を集め;
(c)Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその代謝産物の血漿トラフレベル(Cmin)ならびにMMR率を測定し;
(d)例えば、受信者動作特性(ROC)曲線解析により、MMRに関するトラフ血漿濃度の識別可能性を評価して、最適感度および特異性に関するCmin閾値を同定し;そして
(e)段階(d)のもとに得られるCmin閾値と同等またはそれより高いCminが各々の患者一人一人において達成される方法で、該患者集団からの個々の患者、および所望により、Ph+白血病に罹患する将来的な患者へ適用するBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
段階を含んでなる方法に関する。
より具体的には、本発明は、ヒト患者集団においてCMLを処置する方法であって、
(a)予定固定量のBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩を、それを必要とするヒトCML患者へ投与し;
(b)該患者から少なくとも1つの血液試料を集め;
(c)Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその代謝産物のCmin、さらにはまた、MMR率を測定し;
(d)例えば、ROC曲線解析により、MMRに関するトラフ血漿濃度の識別可能性を評価して、最適感度および特異性に関するCmin閾値を同定し;そして
(e)段階(d)のもとに得られるCmin閾値と同等またはそれより高いCminが各々の患者一人一人において達成される方法で、該患者集団からの個々の患者、および所望により、将来的なCML患者へ適用するBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
段階を含んでなる方法に関する。
先に記載した手順により、Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤であるイマチニブに関するCmin閾値は、約800ng/mL、より好ましくは約1000ng/mLであるはずであると見出された。血漿レベルの上限は、個々の患者において用量制限毒性(DLT)を引き起こす血液レベル以下のレベルと密接に対応する。典型的には、観測される上限は、約3500ng/mL、時に約3000ng/mLである。
従って、またさらなる態様において、本発明は、ヒト患者において、Ph+白血病、とりわけCMLまたはPh+ ALLを処置する方法であって、
(a)予定固定量のイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩、例えば、経口一日量400mgまたは800mgのイマチニブの一メシル酸塩をPh+白血病に罹患しているヒト患者へ投与し;
(b)該患者から少なくとも1つの血液試料を、例えば、処置開始より12ヶ月以内に集め;
(c)イマチニブのCminを測定し;そして
(d)該患者においてイマチニブの少なくとも800ng/mL、とりわけ約800〜約3500ng/mLの間のCmin、好ましくは1000〜約3000ng/mLの間のCminが達成される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
段階を含んでなる方法に関する。
より広い意義において、本発明は、ヒト患者において、Ph+白血病、とりわけCMLまたはPh+ ALLを処置する方法であって、該患者においてイマチニブのCminが少なくとも800ng/mL、とりわけ約800〜約3500ng/mLの間に、好ましくはCminが1000〜約3000ng/mLの間に維持される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する方法を提供する。
より具体的には、本発明は、ヒト患者においてCMLを処置する方法であって、
(a)予定固定量のイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩を、それを必要とするヒトCML患者へ投与し;
(b)該患者から少なくとも1つの血液試料を、例えば、処置開始より12ヶ月、とりわけ開始より3ヶ月、より特には開始より30日以内に集め;
(c)イマチニブの血漿トラフレベル(Cmin)を測定し;そして
(d)該患者においてイマチニブの少なくとも約800ng/mL、とりわけ約800〜約3500ng/mLの間のCminが達成される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
段階を含んでなる方法に関する。
後者の方法では、好ましくは、該患者においてイマチニブの約1000〜約3000ng/mLの間のCmin、より好ましくは約1000ng/mLのCminが達成される方法で、イマチニブの薬学的に許容され得る塩の用量を調節する。
イマチニブは、シトクロムP450系を介して代謝を受け、CYP3A4は、イマチニブ代謝を担う主要アイソザイムであるが、CYP1A2、CYP2D6、およびCYP2C19もまた、少しは寄与する。主要代謝産物の1つであるN−{5−[4−(ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミン(CGP74588)は、血中で観測され、これは、イマチニブと同様の生物活性を有し、また患者において約20%の親薬物血漿レベルを表す。CYP酵素活性の内在的変動性(Wilkinson GR, J Pharmacokinet Biopharm. 1996; 24:475-90)により、患者間の高い変動性がCML患者でのイマチニブ暴露において報告されている(Peng BM Hayes M, Resta D, et al. J Clin Oncol. 2004;22:935-42)。CYP3A4アイソザイムを阻害するまたは誘導する薬物は、イマチニブの薬物動態に影響を与えることが示されている(Bolton AE, Peng B, Hubert M, et al. Cancer Chemother Pharmacol. 2004;53:102-106; Dutreix C, Peng B, Mehring G, et al. Cancer Chemother Pharmacol. 2004;54:290-294; Smith PF, Bullock JM, Booker BM, et al. Pharmacother. 2004;24(11):1508-1514; Frye RF, Fitzgerald SM, Lagattuta TF, Hruska MW, Egorin MJ. Clin Pharmacol Thr. 2004;76:323-329)。
従って、別の態様において、本発明は、ヒト患者においてCMLを処置する方法であって、
(a)予定固定量のイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩を、それを必要とするヒトCML患者へ投与し;
(b)該患者から少なくとも1つの血液試料を処置開始より12ヶ月、とりわけ開始より3ヶ月、より特には開始より30日以内に集め;
(c)N−{5−[4−(ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミン(CGP74588)のCmin値を測定し;そして
(d)該患者においてN−{5−[4−(ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミンの少なくとも150、とりわけ約150〜約800ng/mLの間のCmin値が達成される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
段階を含んでなる方法を提供する。
後者の方法では、該患者においてN−{5−[4−(ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミンの約250〜約700ng/mLの間のCminが達成される方法で、イマチニブの薬学的に許容され得る塩の用量を調節する。
さらにまた、本発明は、Ph+白血病の処置のための薬物の製造に関するBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩の使用であって、
(a)予定固定量のBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩をPh+白血病に罹患しているヒト患者へ投与し;
(b)該患者から少なくとも1つの血液試料を集め;
(c)Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその代謝産物の血漿トラフレベル(Cmin)、さらにはまた、MMR率を測定し;
(d)MMRに関するトラフ血漿濃度の識別可能性を評価して、最適感度および特異性に関するCmin閾値を同定し;そして
(e)段階(d)のもとに得られるCmin閾値と同等またはそれより高いCminが各々の患者一人一人において達成される方法で、該患者集団からの個々の患者、また所望により、Ph+白血病に罹患する将来的な患者へ適用するBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
使用に関する。Ph+白血病は、好ましくはCMLまたはPh+ ALLである。少なくとも1つの血液試料は、処置開始より12ヶ月以内に、とりわけ処置開始より3ヶ月以内に、特に開始より30日以内に集める。
さらにまた、本発明は、Ph+白血病の処置のための薬物の製造に関するイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の使用であって、
(a)予定固定量のイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩、例えば、経口一日量400mgまたは800mgのイマチニブの一メシル酸塩をPh+白血病に罹患しているヒト患者へ投与し;
(b)該患者から少なくとも1つの血液試料を処置開始より12ヶ月以内、とりわけ開始より3ヶ月以内、例えば、開始より30日以内に集め;
(c)イマチニブの血漿トラフレベル(Cmin)を測定し;そして
(d)該患者においてイマチニブの少なくとも約800、とりわけ約800〜約3500ng/mLの間に、特に約1000〜約3000ng/mLの間のCminが達成される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
使用に関する。Ph+白血病は、フィラデルフィア染色体Ph+ ALL、または好ましくはCMLである。
別の態様において、本発明は、Ph+白血病の処置のための薬物の製造に関するイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の使用であって、
(a)予定固定量のイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩、例えば、経口一日量400mgまたは800mgのイマチニブの一メシル酸塩をPh+白血病に罹患しているヒト患者へ投与し;
(b)該患者から少なくとも1つの血液試料を処置開始より12ヶ月以内、とりわけ開始より3ヶ月以内、例えば、開始より30日以内に集め;
(c)N−{5−[4−(ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミンの血漿トラフレベル(Cmin)を測定し;そして
(d)該患者においてN−{5−[4−(ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミンの少なくとも約150、とりわけ約150〜約800ng/mLの間の、好ましくは約250〜約700ng/mLの間のCminが達成される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
使用に関する。
本発明の一態様において、段階(a)のもとに本明細書中で言及する予定固定量は、治療上有効な量を表す。
本発明を通して、好ましくは、段階(a)において、イマチニブの一メシル酸塩を、例えば、約200〜約800mgの間の経口一日量で、好ましくは約400mgの一日量で使用する。
本明細書中に記載する方法は、中間Sokalスコア(ISS)を有するCML患者にとって特に有益である。ISSを測定する方法は、当業者に知られている。
本発明の別の重要な態様は、Ph+白血病の処置のための薬物の製造に関するイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩、とりわけメシル酸イマチニブの使用であって、該患者においてイマチニブのCminが少なくとも800ng/mL、例えば、約1000ng/mLに維持される方法で、その薬学的に許容され得る塩の用量を調節する使用である。
ROC曲線解析。MMRに関するトラフ血漿イマチニブ濃度の識別可能性を評価して、最適感度および特異性に関する血漿閾値を同定するために、受信者動作特性(ROC)曲線解析を行った。ROC曲線下面積(AUC)は、1002ng/ミリリットルの血漿閾値での最高感度(76.5パーセント)および特異性(70.6パーセント)をもって、0.775であった。この1002ng/ミリリットルの閾値は、MMRの存在と有意に関連した(調節したオッズ比、7.83;95パーセント信頼区間、2.58〜23.76;P<0.001)。 ボックス−プロットグラフ。MMRは、主要分子応答(BCR−ABL転写レベルでの3ログ減少)を意味する。そのグラフは、MMRをもつ患者(34人の患者、中央値=1350.2ng/ミリリットル)およびMMRをもたない患者(34人の患者、中央値=885.5ng/ミリリットル)に関する、中央値付近の分散を示す。各々のボックスを横切る線が中央値である。下端は第1四分位数であって、上端は第3四分位数である。エラーバーは最小値および最大値を表す。下の線は、インビトロでのBCR−ABL陽性の細胞死をもたらすのに必要とされる、493.6ng/ミリリットル(1マイクロモル/リットル)の標的濃度を示す。上の線は、CML処置でのトラフイマチニブ濃度に関する1002ng/ミリリットルの有効血漿閾値を示す。 メシル酸イマチニブを400mgの同じ一日量で得る全ての患者でのIRIS研究において観測されるイマチニブのCminレベルの変動性を示す。 29日目における一日400mgでのイマチニブトラフレベルの分布を示す(n=351)。 体重(BW)または体表面積(BSA)によるイマチニブトラフレベルを示す。 イマチニブトラフレベルによるCCRまたはMMRを示す(29日目)。 CML−CP患者でのCCRおよび非CCRの達成に対応する血漿トラフレベルを示す。各々のボックスの上壁および下壁は、第75および第25のパーセンタイルを表す。そのボックスより上および下のウィスカー(エラーバー)は第90および第10のパーセンタイルを示し、そして点は第95および第5のパーセンタイルを表す。 イマチニブPKトラフレベル四分位数に基づいてグループ化された無再発生存(EFS)を示す。Q1グループは一番下の線で示され、Q2−Q3グループは真ん中の線に対応して、Q4グループは一番上の線で表される。
本発明に有用なBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤は、例えば、式(I):
Figure 2010504353
[式中、
は、4−ピラジニル;1−メチル−1H−ピロリル;アミノ−もしくはアミノ−低級アルキル−置換フェニル(ここで、そのアミノ基は各々の場合において、遊離しているか、アルキル化されているか、またはアシル化されている。);五員環炭素原子で結合した1H−インドリルもしくは1H−イミダゾリル;または環炭素原子で結合した、および置換されていない、もしくは窒素原子が酸素で置換されている、非置換ピリジルもしくは低級アルキル置換ピリジルであり;
およびRは各々互いに独立して、水素または低級アルキルであり;
基R、R、R、RおよびRのうち1つまたは2つは各々、ニトロ、フルオロ−置換低級アルコキシ、または式(II):
Figure 2010504353
(式中、
は、水素または低級アルキルであり;
Xは、オキソ、チオ、イミノ、N−低級アルキル−イミノ、ヒドロキシイミノまたはO−低級アルキル−ヒドロキシイミノであり;
Yは、酸素または基NHであり;
nは、0または1であり;そして
10は、少なくとも5つの炭素原子を有する脂肪族基、または芳香族、芳香族−脂肪族、脂環式、脂環式−脂肪族、複素環式もしくは複素環式−脂肪族基であって、残りの基R、R、R、RおよびRは各々互いに独立して、水素、置換されていない、または遊離もしくはアルキル化アミノ、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニルで、あるいはモルホリニルで置換されている低級アルキル、または低級アルカノイル、トリフルオロメチル、遊離、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、遊離、アルキル化もしくはアシル化アミノ、あるいは遊離もしくはエステル化カルボキシである。)
の基である。]
の化合物、または少なくとも1つの塩形成基を有するそのような化合物の塩である。
式(I)の化合物は、米国特許出願第5,521,184号において一般的かつ具体的に開示されており、特に特許請求する化合物および実施例の最終生成物について、この内容は、参照により本特許出願に組み込まれる。式(I)の化合物に関する先の定義において、その基および記号は、米国特許第5,521,184号に提供したものと同じ意味を有する。好ましくは、式(I)の化合物は、4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミド(イマチニブ)である。イマチニブはまた、WO 03/066613に開示されている方法に従って製造することもできる。
本発明の目的のために、イマチニブは、好ましくはその一メシル酸塩の形態で適用される。イマチニブの一メシル酸塩はまた、米国特許第6,894,051号に開示されている方法に従って製造することもでき、この内容は、参照により本特許出願に組み込まれる。同様に、その中で開示されている、対応する多形、例えば、結晶変態が含まれる。
先に記載した方法の段階(a)において、特に、イマチニブの一メシル酸塩を約200〜約800mgの間、例えば、400mgの一日量で経口投与する。イマチニブの一メシル酸塩は、米国特許第5,521,184号、米国特許第6,894,051号、米国特許第2005−0267125号またはWO 2006/121941に記載されているような投薬形態で投与することができる。
本発明に有用である、さらに適当なBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤は、米国特許第2006−0142577号、WO 2004/005281、WO 2005/123719、WO 2006/034833およびWO 2000/62778に開示されている。後者の特許出願は、ダサチニブ(BMS 354825)を開示している。本発明の一態様では、本明細書中に記載する方法において、ダサチニブをBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤として使用する。
本明細書中に記載する方法の段階(b)のもとに必要とされる、CML患者から血液試料を集めることは、技術水準である標準的な手順により成し遂げることができる。イマチニブおよびN−{5−[4−(ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミンの血漿トラフレベルCminの測定に関する適当な手順は、R. Bakhtiar RらによりJ Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci. 2002 Mar 5;768(2):325-40に記載された。
実施例
次の実施例は、説明のためのものであって、本明細書中に記載する本発明の範囲を限定するためのものではない。その実施例は、本発明を実施する方法を提唱することのみを意図するものである。各々の実施例において使用する、医薬組成物の重量パーセントで表される成分量を以下に示す。
実施例1 − ボルドー研究の研究設計、統計解析および結果
患者
研究に含まれる患者は、慢性期または移行期におけるCMLであった。彼らは、ボルドー大学病院センターの血液学および血液疾患研究部門(ボルドー大学のCHU)並びにベルゴニー研究所、地域癌センターにおいて追跡した。全ての患者を標準的な用量のメシル酸イマチニブ(すなわち、慢性期または移行期のCMLを患う患者に関して各々1日1回400mgまたは600mg)で少なくとも12ヶ月間経口処置した。その研究集団において、トラフ血漿イマチニブ濃度と処置に対する応答との間の関連性を試験するために、血液試料採集を2004年6月〜2006年3月の間に行った。除外基準は、1年前未満のメシル酸イマチニブ療法の開始、メシル酸イマチニブ療法前またはその間の急性転化、トラフ濃度制限時間外に行った血液採集、処置に対する悪いコンプライアンス、Bcr−Ablのキナーゼドメインでの遺伝子突然変異の同定であった。
治療に対する応答の定量化
骨髄中期の従来型細胞遺伝学的解析を使用して、メシル酸イマチニブ療法に対する細胞遺伝学的応答を評価した。細胞遺伝学的応答者は、CCRを有する者、すなわち、骨髄穿刺液中の中期にある少なくとも25の細胞のうち、フィラデルフィア染色体陽性の中期が0%である者として定義した(Colombat M, Fort MP, Chollet C, et al. Haematologica 2006;91:162-8)。リアルタイム定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応アッセイを使用して、BCR−ABL転写レベルを評価し、また分子応答を定量化した(Colombat M, Fort MP, Chollet C, et al. 上記参照)。簡単に言えば、EDTA抗凝固処理末梢血を集めて、RNA抽出を行った後、リアルタイム定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応を行った。標準的な方法を使用して、全てのRNAを患者の末梢血細胞から抽出した。結果の調和に関して最近提案された勧告に従って、BCR−ABL転写の定量化を行った(Hughes TP, Deininger M, Hochhaus A, et al. Blood 2006;108:28-37)。従って、その結果は、ABL遺伝子を遺伝子対照として使用し、そしてBCR−ABL/ABLのパーセントとして表すことにより提供した。慢性期のCML患者40人において何らかの処置前に集めた血液からBCR−ABL/ABLの比率を測定することにより、標準化ベースラインを計算した。各々の試料に関して、このベースラインを使用して、BCR−ABL転写減少を判定して評価した。MMRは、メシル酸イマチニブ療法から12ヶ月後の、少なくとも3ログのBCR−ABL転写レベルでの減少として定義した(Hughes TP, Kaeda J, Branford S, et al. International Randomised Study of Interferon versus STI571 (IRIS) Study Group. N Engl J Med 2003;349:1423-32)。
トラフ血漿イマチニブ濃度の定量化
イマチニブ血漿定量化のための血液試料を、最終薬物投与から21〜27時間の間に定常状態で集めた。エレクトロスプレー−イオン化タンデム質量分析に連結させた高速液体クロマトグラフィーを使用して、トラフ血漿イマチニブ濃度を測定した(Titier K, Picard S, Ducint D, et al. Ther Drug Monit 2005;27:634-40. [Erratum, Ther Drug Monit 2005;27:810.])。メシル酸イマチニブの純粋な基準試料およびその内部標準(イマチニブ−D8)は、Novartis(Rueil-Malmaison, France)から恵与された。試料調製は、液−液抽出から成り、血漿200マイクロリットルから行った。次いで、抽出物5マイクロリットルをクロマトグラフシステムへと注入した。高速液体クロマトグラフィー装置は、Masslynx(商標)ソフトウェアにより操作されるAlliance(商標)2690分離モジュール(Waters, Milford, MA, USA)から成った。イマチニブおよびイマチニブ−D8を、アセトニトリル−ギ酸緩衝液のグラジエントを用いて逆相カラム(X-Terra(商標)RP18, [100×2.1ミリメータ、5マイクロメータ], Waters)で分離した。総ラン時間解析は、流速0.3ミリリットル/分で6分であった。タンデム質量分析(QuattroMicro(商標), Watters, Milford MA, USA)をエレクトロスプレー−イオン化インターフェースと共に陽イオンモードで使用して、イマチニブ定量化を行った。イマチニブおよびその内部標準に関してコーン電圧を40ボルトに設定し、またその2つの化合物に関して衝突エネルギーを30電子ボルトに設定した。イマチニブおよびイマチニブ−D8を多重反応モニタリング推移で検出した。イマチニブを定量化するために、m/z 494.2→394.1反応(イマチニブ)に対応するピーク面積をm/z 502.2→394.1反応(内部標準)のものと比較して測定した。イマチニブの同定を別の特異的多重反応モニタリング推移:m/z 494.2→217.2により確認した。
統計解析
定量的変数に関しては、スチューデントのt検定またはウィルコクソン順位検定を適切なときには使用して、2つのグループの間で平均の比較を行った。2つ以上のグループの存在下では、分散解析またはクラスカル−ウォリス検定を使用した。定性的変数に関しては、χ検定または正確なフィッシャー検定を適切な場合に使用して、割合の比較を行った。定常状態で、トラフ血漿イマチニブ濃度における変動性を次のパラメーターで表した:平均トラフ血漿濃度、標準偏差(SD)、変動係数、中央値、第1および第3四分位数、トラフ血漿濃度を測定した最大値および最小値。
引き続き、CCRおよびMMRに関して、応答者グループおよび応答しなかった患者グループを彼らの平均トラフ血漿イマチニブ濃度に関して比較した。可能性のある関連性をMMRと次の変数との間で調査した:年齢およびSokalスコアといったような定量的特徴;並びに性別、Sokalリスクグループ、メシル酸イマチニブ療法を開始する移行期のCML、メシル酸イマチニブ処置を施す前のインターフェロンの投与、メシル酸イマチニブの一日量レベルといったような定性的特徴。BCR−ABL転写レベルとメシル酸イマチニブ処置開始日から分子解析日までの範囲時間との間の関係を評価した。
MMRに関するトラフ血漿イマチニブ濃度の識別可能性を評価して、最適感度および特異性に関する血漿閾値を同定するために、ROC曲線解析を年齢および性別で調節した多変量ロジスティック回帰モデルで行った。結果を調節したオッズ比;95パーセント信頼区間;ワルド検定のP値として表した。
両側P値を統計検定に関して報告した(P<0.05は、有意性を示した。)。SASソフトウェア(バージョン9.1, Cary, NC, USA)を使用して、全ての解析を行った。
調査に含まれる患者
95人のCML患者がその研究への参加を考慮された。急性転化にあることが見出されたことから、1人の患者を除外した。血液採集が不適切であった、すなわち、血液採集をトラフイマチニブ濃度の測定に関する制限時間外に行ったことから、24人の患者を除外した。イマチニブ療法に対する悪いコンプライアンスが認められたことから、1人の患者を除外した:この患者は、血液学的に応答せず、また10ng/ミリリットル以下のイマチニブ血漿レベルを有していた。G250E突然変異がBcr−Ablのキナーゼドメインで同定されたことから、1人の患者を除外した。最終的に、68人のCML患者が調査に含まれた。50人の患者および18人の患者を各々1日1回400mgおよび600mgのイマチニブで処置した。
患者間でのトラフ血漿イマチニブ濃度における変動性
メシル酸イマチニブの各々の一日量レジメン(400mgおよび600mg)に関してのトラフ血漿イマチニブ濃度における変動を表1.1に示す。これらのイマチニブ濃度は、181から2947ng/ミリリットルまで非常に変動し、ある一定の一日量に関してのトラフ血漿イマチニブ濃度において、先に記載した高い変動性を被験者間で確認した(Peng B, Hayes M, Resta D, et al. J Clin Oncol 2004;22:935-42)。
Figure 2010504353
イマチニブに対する応答による患者の特性
調査に含まれる68人のCML患者のうち、56人は、少なくとも1年の処置後にCCRを達成した。平均(±SD)トラフ血漿イマチニブ濃度は、CCRをもつ患者(56人の患者)およびCCRをもたない患者(12人の患者)各々において、1123.3±616.6ng/ミリリットルおよび694.2±556.0ng/ミリリットルであった(P=0.02)。分子応答に関して、MMRをもつ者またはもたない者として分類された、68人のCML患者の主要特性を表1.2に要約する。平均トラフ血漿イマチニブ濃度は、MMRをもたないグループ(869.3±427.5ng/ミリリットル、P<0.001)よりMMRをもつグループ(1452±649.1ng/ミリリットル)において有意に高かった。MMRをもつ患者またはもたない患者の間でのメシル酸イマチニブの一日量における有意差は見出されなかった。その上、イマチニブに対するMMRは、次の特徴とは関係していなかった:臨床データ(年齢、性別)、メシル酸イマチニブ療法を開始する移行期のCML、メシル酸イマチニブ処置を施す前のインターフェロンの投与。さらにまた、処置に対するMMRは、メシル酸イマチニブ療法の開始と分子解析との間に経過する時間とは統計上関連していなかった:平均(±SD)値は、MMRをもつグループおよびもたないグループ各々において、986.5±427日および966.5±560日であった(P=0.87)。4つの患者グループを(クラスカル−ウォリス検定を使用して)彼らの分子解析日により比較した:メシル酸イマチニブ処置開始より560日以内(16人の患者)、メシル酸イマチニブ処置開始後560日から900日の間(18人の患者)、メシル酸イマチニブ処置開始後900日から1325日の間(17人の患者)、1325日以上(17人の患者)。その検定は、その4つのグループの間ではBCR−ABL転写レベルにおける有意差がなかったことを示した(P=0.48)。従って、我々の調査では、分子応答率は時間依存性のものではなかった。
Figure 2010504353
主要分子応答に関するトラフ血漿イマチニブ閾値
濃度−効果ROC曲線解析は、MMRに関するトラフ血漿イマチニブ濃度の識別可能性を試験した(図1)。後半に関して、ROC曲線下面積は、イマチニブ1002ng/ミリリットルの血漿閾値での最高感度(76.5パーセント)および特異性(70.6パーセント)をもって、0.775であった。この1002ng/ミリリットルの閾値は、MMRの存在と有意に関連した(調節したオッズ比、7.83;95パーセント信頼区間、2.58〜23.76;P<0.001)。トラフ血漿イマチニブ濃度のボックス−プロットは、MMRをもつ患者(34人の患者、中央値=1350.2ng/ミリリットル)およびMMRをもたない患者(34人の患者、中央値=885.5ng/ミリリットル)に関する、中央値付近の分散を示した(図2)。MMRをもつグループでは、34人の患者のうち26人の患者(76.5パーセント)が1002ng/ミリリットルを超えるトラフ血漿イマチニブ濃度を有しており、またインビトロでのBCR−ABL陽性の細胞死をもたらすのに必要とされる、初めに記載した標的濃度である、493.6ng/ミリリットル(1マイクロモル/リットル)以下のトラフ血漿イマチニブ濃度を有する患者はいなかった。MMRをもたないグループでは、34人の患者のうち24人の患者(70.6パーセント)が1002ng/ミリリットルの閾値以下のトラフ血漿イマチニブ濃度を有し、また493.6ng/ミリリットル(1マイクロモル/リットル)以下のトラフ血漿イマチニブ濃度を有する患者が7人(20.6パーセント)いた。
実施例2 − IRIS研究データの解析
この研究では、最初の一ヶ月間処置した後(29日目)の定常状態でのイマチニブの血漿トラフレベルが、CML患者での長期臨床応答に関して有意な予後的共変動であることを証明した。
イマチニブ暴露の変動性は、臨床的意義を有する。CCRの達成は、CMLでの臨床的有益性に関する有効代替物および初期抗白血病有効性の適当な基準である。CCR患者内でのCCRおよびMMRまでの時間は、四分位数にグループ化された異なるイマチニブ血漿暴露をもつ患者の間で有意に差があった(P<0.025)。1年でCCRを達成する患者は、一ヶ月後、CCRを達成していない患者より高いイマチニブの定常状態濃度を有していた。全Cmin値は、統計上、その研究の間にCCRを達成した患者においてより有意に高かった(平均1009ng/mL 対 812ng/mL)。従って、イマチニブトラフレベルを1000ng/mLないしはそれ以上で維持することがCCRにとって重要であろう。この結果は、実施例1において見出される約100ng/mLの閾値と一致する。
この解析において、我々は、最初の一ヶ月間およびその後の数ヶ月間の間は両方とも、患者がイマチニブ療法に対する順守を維持すると仮定した。しかしながら、患者はこの試験の間に投薬記録を提出したが、これは未知の変数である。療法に対する順守は、薬物動態解析の正確性および有効性に対する重要な決定要因であるが、このよくモニターされた臨床研究において、イマチニブおよびCGP74588の血漿レベルは、29日目に定常状態であったと仮定するのが妥当であった。この研究に登録された患者は、生命にかかわる疾患であって、処置の初期段階−比較的よく許容される薬物であるイマチニブの一日量を服用する大きな動機がある時点にいると新たに診断された。この研究でのイマチニブに対する高レベルの非順守は、ほとんどの患者に関してあり得なかった。イマチニブ処置治療群に登録された553人の患者のうち、約20%の患者は、臨床的理由から一日量600−800mgまでの用量増加を有し、用量増加までの中位時間は、22ヶ月間であった(データを示さず)。イマチニブに対する非順守は、CML患者において実証されており、臨床応答および臨床応答とPKトラフ暴露との間の相関関係に影響を与えている。
我々は、MMR率とイマチニブ暴露との間の相関関係を見出した。概算MMR率は、低イマチニブレベルでの患者においてより有意に低かった;イマチニブレベル<647ng/mLでは、全患者の概算25%しか1年でMMRを達成しなかったが、より高いイマチニブレベルでは、患者の40%が1年以内にその応答を達成した。4年までに、Q4における患者の80%(および四分位(IQ)範囲内の患者の72%)に比べて低い定常状態(29日目)のイマチニブレベルにもかかわらず、Q1における患者の概算53%がMMRを達成した。MMRは、長期有効性および生存に関する予測である。MMRを欠く患者は、疾患進行率を増大させている。従って、低イマチニブ定常状態レベルでの患者に関する初期用量調節は、長期有効性を改善するであろう。
CCRおよびMMR応答率に加えて、統計上、有意差は達成されなかったが、イマチニブPKトラフレベルは、無再発生存(EFS)と幾分相関するように見えた。その無再発生存は、他の処置の利便性、処置期間より後期での患者内用量増加等といったような、多くの様々な要因と混同されがちな複雑な事象である。それにもかかわらず、低いイマチニブトラフレベルをもつ患者は、より高いイマチニブレベルをもつ患者より低いEFSを有する傾向にある。予想通り、イマチニブ暴露は、中止率と相関した。下位四分位点における患者は、四分位間および上位四分位点より最も高い中止率を有していた。興味深いことに、中止理由の1つは、不満足な治療効果と関係しており、このことは、臨床応答(CCRまたはMMR)とイマチニブ四分位数濃度との間の相関解析から得られた結果と一致した。
我々の報告は、定常状態でのイマチニブトラフレベルを記載する。主要活性代謝産物であるCGP74588に関して、同様の結果が観測された。しかしながら、その代謝産物のイマチニブ暴露への寄与が比較的小さい(<20%)ことを考慮すると、血漿中の親薬物の測定は、生物活性に関する主要活性成分を表す。もしイマチニブの代謝が、例えば、CYP誘導剤または阻害剤により変えられたなら、イマチニブおよび代謝産物の両方の測定が必要となるであろう。
結論として、最初の一ヶ月間標準的な400mg用量で処置した後に測定したイマチニブ定常状態血漿暴露は、長期細胞遺伝学的応答および分子応答と相関した。年齢、性別、および身体サイズを含め、患者人口統計は、暴露の患者間の大きな変動性を考慮するイマチニブ血漿暴露に対して僅かな影響しか及ぼさない。血漿トラフレベルを約1000ng/mLないしはそれ以上の平均集団濃度で維持することは、慢性期のCML患者におけるCCRおよびMMR応答、無病生存、並びに満足な治療有効性にとって重要であろう。薬物吸収、代謝、および処方された薬剤間での相互作用といったような、イマチニブ暴露に影響を与えるであろう要因はいずれも、それによって、最大の治療的有益性を達成する能力に影響を及ぼすであろう。治療の間のイマチニブ血液暴露に関する情報は、有益な手段として機能する可能性を有し、また予測的バリデーションに値する。
方法
この解析に含まれる患者は、IRIS試験に登録されており、またイマチニブを400mg/日で用いる初期処置に無作為に割り当てられた。年齢、性別、体重、体表面積、さらにはまた、予後を含め、イマチニブに対して無作為に選ばれた553人全ての患者に関する研究設計および患者特性は、先に記載されている(O’Brien SG, Guilhot F, Larson RA, et al. N Eng J Med. 2003;348:994-1004)。
研究集団におけるCCR率(試験した少なくとも20のうち、Ph+中期細胞が0%として定義した。)および以前にCCRを達成した被験者における主要分子応答(MMR、標準化ベースラインからのBCR−ABL/BCR比での≧3ログの減少として定義した。)は、先に報告された(O’Brien SG, Guilhot F, Larson RA, et al., 上記参照)。
この実施例は、それらの351人の患者に利用可能なPK測定をもって焦点を合わせる。無再発生存(EFS)を5年まで評価して、臨床試験への登録から次の事象のいずれかまで測定した:何らかの原因による死亡、MMRの喪失、完全血液学的応答の喪失、または移行もしくは急性転化期への進行。生きている患者を最後の経過観察で生存に関して検閲した。CCRを5年まで評価した。MMRの達成を処置開始後24ヶ月までしか解析しなかったが、これは、その時点後のデータが限定されていることによるものである。他の処置治療群に対するクロスオーバー、有害事象、不満足な治療効果、および(研究薬物(BMT)をもはや必要としない異常な手順、プロトコル違反、被験者の同意撤回、経過観察に対する無関心、および死亡を含め)他の理由に関して、(利用可能なPK情報をもつ)患者の傾向および5年処置後の中止理由を表にした。
薬物動態試料解析
血液試料を集めた後、イマチニブを2日目(すなわち、初回投与から24時間後)に投与して、29日目(定常状態トラフレベル)に再び投与した。イマチニブおよびCGP74588の血漿濃度を液体クロマトグラフィーおよびタンデム質量分析(spectronomy)(LC/MS/MS)により測定した。定量化限界は、イマチニブおよびCGP74588の両方に関して5ng/mlであった;アッセイは、十分に確認された(Bakhtiar R, Lohne J, Ramos L, Khemani L, Hayes M, Tse F; J Chromatog B Anal Technol Biomed Life Sci. 2002;768:325-40)。正確性および精度は、定量化下限で104%±6%、また全濃度範囲4−10,000ng/mlにわたり99%±5%〜108%±5%であった。
データ解析
初回投与後および定常状態でのイマチニブおよびその代謝産物のトラフ血漿濃度(Cmin値)を解析して、CCRおよびMMRが含まれる臨床応答、さらにはまた、処置から2年および5年後の患者の傾向で、相関解析を遡及的に行った。年齢、性別、体重および体表面積とPKトラフレベルの相関関係を評価した。イマチニブおよびCGP74588の両方の2日目および29日目での血漿トラフレベルを4つの四分位数へとグループ化した。下位四分位点(Q1)には、最低観測濃度値をもつ患者の25%でのデータが含まれるが、四分位点Q2およびQ3は各々、25%以下および半数濃度以上に及ぶ。上位四分位点(Q4)には、最高濃度値をもつ患者の25%が含まれる。そのデータの中央50%、すなわち、Q1およびQ4を除いては、全ての解析に組み合わされて、中間四分位点(IQ)と共同で呼ばれる。これらの3つのグループ(Q1、IQおよびQ4)を層別化に適宜使用した。カプラン・マイヤー法を使用して、細胞遺伝学的応答率および分子応答率を概算し、また層をログランク検定により試験的に(exploratively)比較した。トラフレベルと人口統計学的変数との間の相関関係をスピアマンの順位相関係数によって評価した。
結果
人口統計並びにイマチニブおよびその代謝産物の血漿トラフレベル
薬物動態データは、合計351人の患者(男性221人および女性130人)から利用可能であった。平均体重は、男性に関して85.9±16.8(SD)kg(中央値:83.6、および範囲:52.9〜163.3)、また女性に関して72.4±18.1kg(中央値:68.9、および範囲:40.0〜133.0)であった。体表面積(BSA)は、男性に関して2.0±0.2m(中央値:2.0、および範囲:1.53〜2.8)、また女性に関して1.8±0.2m(中央値:1.75、および範囲:1.35〜2.54)であった。その集団の年齢中央値は、50歳(範囲:18〜70歳)であった。PK副次研究において評価可能な試料を有していた351人の患者のうち、238人(67.8%)は研究を継続し、10人(2.8%)はクロスオーバーし、113人(32.2%)は、不満足な治療効果(n=51、14.5%)、有害事象(n=15、4.3%)、死亡(n=6、1.7%)、骨髄移植(n=11、3.1%)、同意撤回(n=15、4.3%)、または異常な手順、プロトコル違反、追跡不能、もしくは管理上の問題といったような他の理由(n=15、4.3%)から、研究でのイマチニブを中止した。
初回400mg投与後、イマチニブおよびCGP74588の24時間トラフ濃度は各々、517.7±369.6ng/mLおよび82.7±47.4ng/mLであった。29日目で、イマチニブおよびCGP74588のトラフ濃度は各々、979.0±529.6ng/mLおよび241.9±105.5ng/mLであった;親薬物に対する代謝産物の濃度比は、0.268±0.085(n=351)であった。同じ被験者に関する2日目および29日目でのトラフレベルに基づき、定常状態に対する蓄積比は、イマチニブに関して2.21±1.15、またCGP74588に関して3.38±1.54であると概算された。定常状態でのイマチニブのトラフ濃度分布を図4に示す。解析に関して第4四分位数に含まれる、29日目のトラフレベルが>2000ng/mlである患者は19人いた。
イマチニブの血漿トラフレベルは、恐らく、性別間の体重差(18.7%)により、女性でのほうが男性より僅かに高かった(各々、1078±514.5ng/mL 対 921±530.8ng/mL、また17.2%の差があった)。代謝産物CGP74588の血漿トラフレベルは同様のパターンに従ったが、代謝産物/親薬物の比率は、男性および女性において同じであった。図5に示すように、イマチニブの定常状態トラフレベルと体重(r=0.015)およびBSA(r=0.038)との間には弱い相関関係があった。体重とトラフレベルとの間の単純直線関係を仮定すると、40kgから120kgまでの体重増加は、トラフレベルにおいて約280ng/mlの概算減少をもたらすであろう。トラフレベル(または代謝産物/親薬物の比率)と患者年齢(r=0.02)との間にもまた弱い相関関係があった。再び直線関係の簡素化仮定を行うと、年齢が20歳から70歳まで上昇するにつれて、イマチニブのトラフレベルは295ng/mlまで増大した。しかしながら、血漿トラフレベルにおける個体間の大きな変動性により、年齢、性別、およびBWまたはBSAの、イマチニブトラフ暴露に対するこれらの効果は、臨床的に有意ではない可能性がある。
PK暴露の臨床応答との相関関係
表2.1に、イマチニブ、CGP74588、および四分位数によりグループ化されたそれらの比率の定常状態トラフレベルを載せる。Q2およびQ3におけるトラフ暴露をIQとして組み合わせて、集団の中央50%を表した。図6(上のパネル)は、5年でのCCR応答率が異なるイマチニブトラフレベル四分位数間で有意に差があった(P<0.025)ことを示す。その差は、主にQ1グループでのより低いCCR率(p=0.005、Q1 対 他のもの)に起因する。定常状態血漿暴露レベルに関して、同様の傾向が2年でのMMR率に観測された。統計上、有意差は3つの個々の四分位数グループ間では達成されなかった(p=0.08)が、Q1における患者は、組み合わせた他のグループより低いMMR率を有していた。CCRを最終的に達成した患者でのイマチニブトラフレベルは、CCRを達成しなかった患者より有意に高く、各々、1009±544ng/mL 対 812±409ng/mLであった(p=0.01、図7)。PK暴露における有意差は、それらのMMR応答者とMMR非応答者との間では観測されなかった。その後のデータは制限されることにより、MMR率の統計解析を24ヶ月まで行った。
イマチニブトラフレベルに関して、無再発生存(EFS)の傾向にあるらしく、EFSは、Q1グループでのほうが他の四分位数より比較的低かった。しかしながら、統計上、有意差は利用可能なデータセットで達成されなかった(図8)。同様の傾向が、患者の傾向(または中止)とPKトラフレベル間の相関関係に観測された(表2.3)。2年処置後、継続中の患者数は、IQおよびQ4グループでの84.3%および89.5%と比較して、Q1グループでは75.9%と低かった。5年処置後、継続中の患者数は、Q1、IQ、およびQ4に関して、各々、58.6%、72.5%、および76.7%であった。主な中止理由は、2年処置後、Q1、IQ、およびQ4において、各々、10.3%、6.2%、および4.7%、また5年処置後、各々、18.4%、14.6%、および8.1%、不満足な治療効果と関係しているらしい。有害事象または死亡に関係した中止率は、2年処置後または4年処置後のどちらかの異なる四分位数グループ間で同様であった。他の処置治療群(インターフェロン治療群)に対してクロスオーバーした患者は、Q1およびIQグループでの各々4.6%および3.4%と比較して、Q4グループではいなかった。クロスオーバーは、大抵、処置を開始した後の最初の1年または2年以内に起こった。
親薬物および代謝産物レベルが高度に相関した(0.76、スピアマンの相関係数)ことから、臨床応答(CCR、MMRまたは生存)または患者の傾向もまた、代謝産物CGP74588のトラフレベルと相関した。初回投与後のトラフ血漿レベルもまた、CCRおよびMMR応答との相関関係を示したが、定常状態でのトラフレベルほど予測的なものではないらしかった。
Figure 2010504353
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他のものには、研究薬物(BMT)をもはや必要としない異常な手順、プロトコル違反、被験者の同意撤回、追跡不能、管理上の問題が含まれる。

Claims (48)

  1. ヒト患者集団においてフィラデルフィア陽性(Ph+)白血病を処置する方法であって、
    (a)予定固定量のBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩をPh+白血病に罹患しているヒト患者へ投与し;
    (b)該患者から少なくとも1つの血液試料を集め;
    (c)Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその代謝産物の血漿トラフレベル(Cmin)、さらにはまた、MMR率を測定し;
    (d)MMRに関するトラフ血漿濃度の識別可能性を評価して、最適感度および特異性に関するCmin閾値を同定し;そして
    (e)段階(d)のもとに得られるCmin閾値と同等またはそれより高いCminが各々の患者一人一人において達成される方法で、該患者集団からの個々の患者、また所望により、Ph+白血病に罹患する将来的な患者へ適用するBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
    段階を含んでなる方法。
  2. ヒト患者集団において慢性骨髄性白血病(CML)を処置する方法であって、
    (a)予定固定量のBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩を、それを必要とするヒトCML患者へ投与し;
    (b)該患者から少なくとも1つの血液試料を集め;
    (c)Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその代謝産物の血漿トラフレベル(Cmin)、さらにはまた、MMR率を測定し;
    (d)例えば、受信者動作特性(ROC)曲線解析により、MMRに関するトラフ血漿濃度の識別可能性を評価して、最適感度および特異性に関するCmin閾値を同定し;そして
    (e)段階(d)のもとに得られるCmin閾値と同等またはそれより高いCminが各々の患者一人一人において達成される方法で、該患者集団からの個々の患者、また所望により、将来的なCML患者へ適用するBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
    段階を含んでなる方法。
  3. 少なくとも1つの血液試料を処置開始より12ヶ月以内に、とりわけ開始より3ヶ月以内に集める、請求項2に記載の方法。
  4. 少なくとも1つの血液試料を処置開始より30日以内に集める、請求項2に記載の方法。
  5. ヒト患者集団においてフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)を処置する方法であって、
    (a)予定固定量のBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩を、それを必要とするヒトPh+ ALL患者へ投与し;
    (b)該患者から少なくとも1つの血液試料を集め;
    (c)Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその代謝産物の血漿トラフレベル(Cmin)、さらにはまた、MMR率を測定し;
    (d)例えば、受信者動作特性(ROC)曲線解析により、MMRに関するトラフ血漿濃度の識別可能性を評価して、最適感度および特異性に関するCmin閾値を同定し;そして
    (e)段階(d)のもとに得られるCmin閾値と同等またはそれより高いCminが各々の患者一人一人において達成される方法で、該患者集団からの個々の患者、また所望により、将来的なPh+ ALL患者へ適用するBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
    段階を含んでなる方法。
  6. 少なくとも1つの血液試料を処置開始より12ヶ月以内に、とりわけ開始より3ヶ月以内に集める、請求項5に記載の方法。
  7. 少なくとも1つの血液試料を処置開始より30日以内に集める、請求項5に記載の方法。
  8. ヒト患者においてPh+白血病を処置する方法であって、
    (a)予定固定量のイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩をPh+白血病に罹患しているヒト患者へ投与し;
    (b)該患者から少なくとも1つの血液試料を処置開始より12ヶ月以内に集め;
    (c)イマチニブの血漿トラフレベル(Cmin)を測定し;そして
    (d)該患者においてイマチニブの少なくとも約800ng/mLのCminが達成される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
    段階を含んでなる方法。
  9. 該患者においてイマチニブのCminが約1000〜約3000ng/mLの間に到達する方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する、請求項8に記載の方法。
  10. ヒト患者において慢性骨髄性白血病(CML)を処置する方法であって、
    (a)予定固定量のイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩を、それを必要とするヒトCML患者へ投与し;
    (b)該患者から少なくとも1つの血液試料を処置開始より12ヶ月以内に集め;
    (c)イマチニブの血漿トラフレベル(Cmin)を測定し;そして
    (d)該患者においてイマチニブの少なくとも約800、とりわけ約800〜約3500ng/mLの間のCminが達成される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
    段階を含んでなる方法。
  11. 該患者においてイマチニブのCminが約1000〜約3000ng/mLの間に到達する方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する、請求項10に記載の方法。
  12. イマチニブの一メシル酸塩を投与する、請求項10または11に記載の方法。
  13. 段階(a)において、イマチニブの一メシル酸塩を約200〜約800mgの間の一日量で経口投与する、請求項12に記載の方法。
  14. 段階(a)において、イマチニブの一メシル酸塩を約400mgの一日量で経口投与する、請求項12に記載の方法。
  15. 少なくとも1つの血液試料を処置開始より3ヶ月以内に集める、請求項10〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 少なくとも1つの血液試料を処置開始より30日以内に集める、請求項10〜14のいずれかに記載の方法。
  17. ヒト患者においてフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)を処置する方法であって、
    (a)予定固定量のイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩を、それを必要とするヒトPh+ ALL患者へ投与し;
    (b)該患者から少なくとも1つの血液試料を処置開始より12ヶ月以内に集め;
    (c)イマチニブの血漿トラフレベル(Cmin)を測定し;そして
    (d)該患者においてイマチニブの少なくとも約800、とりわけ約800〜約3500ng/mLの間のCminが達成される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
    段階を含んでなる方法。
  18. 該患者においてイマチニブの約1000〜約3000ng/mLの間のCminが達成される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する、請求項17に記載の方法。
  19. イマチニブの一メシル酸塩を投与する、請求項17または18に記載の方法。
  20. 段階(a)において、イマチニブの一メシル酸塩を約200〜約800mgの間の一日量で経口投与する、請求項19に記載の方法。
  21. 段階(a)において、イマチニブの一メシル酸塩を約400mgの一日量で経口投与する、請求項19に記載の方法。
  22. 少なくとも1つの血液試料を処置開始より3ヶ月以内に集める、請求項17〜21のいずれかに記載の方法。
  23. 少なくとも1つの血液試料を処置開始より30日以内に集める、請求項17〜21のいずれかに記載の方法。
  24. ヒト患者において慢性骨髄性白血病(CML)を処置する方法であって、
    (a)予定固定量のイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩を、それを必要とするヒトCML患者へ投与し;
    (b)該患者から少なくとも1つの血液試料を処置開始より12ヶ月以内に集め;
    (c)N−{5−[4−(ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミンの血漿トラフレベル(Cmin)を測定し;そして
    (d)該患者においてN−{5−[4−(ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミンの少なくとも約150、とりわけ約150〜約800ng/mLの間のCminが達成される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
    段階を含んでなる方法。
  25. 該患者においてN−{5−[4−(ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミンの約250〜約700ng/mLの間のCminが達成される方法で、イマチニブの薬学的に許容され得る塩の用量を調節する、請求項24に記載の方法。
  26. イマチニブの一メシル酸塩を投与する、請求項24または25に記載の方法。
  27. 段階(a)において、イマチニブの一メシル酸塩を約200〜約800mgの間の一日量で経口投与する、請求項26に記載の方法。
  28. 段階(a)において、イマチニブの一メシル酸塩を約400mgの一日量で経口投与する、請求項26に記載の方法。
  29. 少なくとも1つの血液試料を処置開始より3ヶ月以内に集める、請求項24〜28のいずれかに記載の方法。
  30. 少なくとも1つの血液試料を処置開始より30日以内に集める、請求項24〜28のいずれかに記載の方法。
  31. 用量調節を、中間Sokalスコア(ISS)を有する患者へのみ適用する、請求項1〜30のいずれかに記載の方法。
  32. それを必要とするヒト患者においてPh+白血病を処置する方法であって、該患者においてイマチニブのCminが少なくとも800ng/mLに維持される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する方法。
  33. イマチニブの一メシル酸塩を投与する、請求項32に記載の方法。
  34. Ph+白血病の処置のための薬物の製造に関するBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩の使用であって、
    (a)予定固定量のBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩をPh+白血病に罹患しているヒト患者へ投与し;
    (b)該患者から少なくとも1つの血液試料を集め;
    (c)Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその代謝産物の血漿トラフレベル(Cmin)、さらにはまた、MMR率を測定し;
    (d)MMRに関するトラフ血漿濃度の識別可能性を評価して、最適感度および特異性に関するCmin閾値を同定し;そして
    (e)段階(d)のもとに得られるCmin閾値と同等またはそれより高いCminが各々の患者一人一人において達成される方法で、該患者集団からの個々の患者、また所望により、Ph+白血病に罹患する将来的な患者へ適用するBcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
    使用。
  35. Ph+白血病が慢性骨髄性白血病(CML)である、請求項34に記載の使用。
  36. Ph+白血病がフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)である、請求項34に記載の使用。
  37. 少なくとも1つの血液試料を処置開始より12ヶ月以内に、とりわけ開始より3ヶ月以内に集める、請求項35または36に記載の使用。
  38. 少なくとも1つの血液試料を処置開始より30日以内に集める、請求項35または36に記載の使用。
  39. Ph+白血病の処置のための薬物の製造に関するイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の使用であって、
    (a)予定固定量のイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩をPh+白血病に罹患しているヒト患者へ投与し;
    (b)該患者から少なくとも1つの血液試料を処置開始より12ヶ月以内に集め;
    (c)イマチニブの血漿トラフレベル(Cmin)を測定し;そして
    (d)該患者においてイマチニブの少なくとも約800ng/mLのCminが達成される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
    使用。
  40. 該患者においてイマチニブの約1000〜約3000ng/mLの間のCminが達成される方法で、イマチニブの薬学的に許容され得る塩の用量を調節する、請求項39に記載の使用。
  41. Ph+白血病がフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)または慢性骨髄性白血病(CML)である、請求項39または40に記載の使用。
  42. Ph+白血病の処置のための薬物の製造に関するイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の使用であって、
    (a)予定固定量のイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩をPh+白血病に罹患しているヒト患者へ投与し;
    (b)該患者から少なくとも1つの血液試料を処置開始より12ヶ月以内に集め;
    (c)N−{5−[4−(ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミンの血漿トラフレベル(Cmin)を測定し;そして
    (d)該患者においてN−{5−[4−(ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミンの少なくとも約150ng/mLのCminが達成される方法で、イマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の用量を調節する;
    使用。
  43. 該患者においてN−{5−[4−(ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミンの約250〜約700ng/mLの間のCminが達成される方法で、イマチニブの薬学的に許容され得る塩の用量を調節する、請求項42に記載の使用。
  44. イマチニブの一メシル酸塩を投与する、請求項34〜43のいずれかに記載の使用。
  45. 段階(a)において、イマチニブの一メシル酸塩を約200〜約800mgの間の一日量で経口投与する、請求項44に記載の使用。
  46. 段階(a)において、イマチニブの一メシル酸塩を約400mgの一日量で経口投与する、請求項44に記載の使用。
  47. 用量調節を、中間Sokalスコア(ISS)を有する患者へのみ適用する、請求項34〜46のいずれかに記載の使用。
  48. Ph+白血病の処置のための薬物の製造に関するイマチニブまたはその薬学的に許容され得る塩の使用であって、該患者においてイマチニブのCminが少なくとも800ng/mLに維持される方法で、その薬学的に許容され得る塩の用量を調節する使用。
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