JP2010502327A - 血液製剤から物質を除去するためのフィルター - Google Patents

血液製剤から物質を除去するためのフィルター Download PDF

Info

Publication number
JP2010502327A
JP2010502327A JP2009527099A JP2009527099A JP2010502327A JP 2010502327 A JP2010502327 A JP 2010502327A JP 2009527099 A JP2009527099 A JP 2009527099A JP 2009527099 A JP2009527099 A JP 2009527099A JP 2010502327 A JP2010502327 A JP 2010502327A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter according
polyurethane
blood
polymer
diol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009527099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5079810B2 (ja
Inventor
マッシモ・ベルトルッチ
パオロ・ボナグイディ
マルコ・ブルイーニ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fresenius Hemocare Italia SRL
Original Assignee
Fresenius Hemocare Italia SRL
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=37685319&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2010502327(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Fresenius Hemocare Italia SRL filed Critical Fresenius Hemocare Italia SRL
Publication of JP2010502327A publication Critical patent/JP2010502327A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5079810B2 publication Critical patent/JP5079810B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M1/00Suction or pumping devices for medical purposes; Devices for carrying-off, for treatment of, or for carrying-over, body-liquids; Drainage systems
    • A61M1/36Other treatment of blood in a by-pass of the natural circulatory system, e.g. temperature adaptation, irradiation ; Extra-corporeal blood circuits
    • A61M1/3621Extra-corporeal blood circuits
    • A61M1/3627Degassing devices; Buffer reservoirs; Drip chambers; Blood filters
    • A61M1/3633Blood component filters, e.g. leukocyte filters

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)

Abstract

血液製剤から物質を除去するためのフィルター
血液または血液成分から物質を除去するためのフィルターであって、特に白血球および血小板を除去するためのフィルターは、ポリウレタンが10,000Da以下の数平均分子量を有するポリウレタンコーティングを有するポリマーろ過材料を含む。ポリウレタンは、過剰のブタンジオールを用い、付加反応を化学量論的にアンバランスにすることによって、脂肪族ジイソシアネート、ポリエチレングレコールおよびブタンジオールの付加反応によって得られることが好ましい。

Description

本発明は、血液または血液成分から物質を除去するためのフィルターに関し、より詳細には、全血を白血球除去血液成分に分離するために通常用いられる血液バッグシステムのような血液精製または浄化装置で使用することに適した、白血球および血小板を除去するためのフィルターに関する。
本発明が関わる血液フィルターは通常、入口および出口を有するハウジング、ならびにそのハウジング内にあって、入口と出口との間に介在する少なくとも1つの多孔質要素を含む。多孔質要素は通常布帛(web)から成り、それはろ過材料(典型的には、ポリマー繊維材料で作られた不織布)の単一もしくは複数の層で形成されてよい。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)およびポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステルは、現在好ましいポリマー材料である。PET繊維またはPBT繊維のようなポリエステルで作られた不織布は、血小板と強く相互作用することが知られている。従って、このような不織布を血液ろ過で用いると、血小板は高い割合で除去されることになる。他方、ろ過実験において、該ポリマーは白血球の除去能力が低いこと、およびそれらの湿潤性(ぬれ性)の低さは血液成分のブリーディング速度を小さくし、プライミング時間を増大させることも明らかになっている。従って、血液ろ過装置では、ポリエステル繊維の表面修飾が非常に好ましい。
湿潤性または臨界湿潤表面張力(CWST)(材料の親水性の尺度)を増加させるために、PBTのような疎水性樹脂の繊維は、親水性のポリウレタンを含む、より親水性の高いポリマーで被覆される。
ポリウレタン(PU)は生体適合性のあるポリマーとして広く用いられる。特に、ソフトブロックとしてポリエチレングリコール鎖を有するセグメント化ポリウレタンは、血栓形成が小さい生体適合性ポリマーとして認識されている。
ポリエチレングリコール(PEG)ソフトセグメントを含むセグメント化ポリウレタンの湿潤性は、ポリマー内のPEG含有量を変えることによって調整され得ることが知られている。他方、そのような湿潤性の増大はしばしば水浸出(water leachates)の増加を伴う。さらに、より湿潤性の高い材料は血小板親和性を増加させることができ、従って、ろ過する血液成分から除去される血小板は減少する。
国際公開(WO)第2005/113136号は白血球吸着能力を向上させたポリウレタン材料を開示している。そのポリウレタン材料はジイソシアネート化合物の構造ユニット、ポリマージオール化合物の構造ユニット、および好ましくは第3アミノ基を含む鎖延長剤の構造ユニットから成る。その明細書および請求項によると、重量平均分子量が20,000より小さいポリウレタンの水溶解性は、白血球ろ過材料としてポリウレタンを使用する上で十分に低くないことが報告されているため、ポリウレタンは重量平均分子量が20,000以上、1,000,000以下でなければならない。
本発明によると、国際公開(WO)第2005/113136号の教示とは対照的に、数平均分子量が10,000Da以下であるならば、ジイソシアネート、ポリマージオール(例えばポリエチレングリコール)、およびモノマージオールの付加反応によって得られるポリウレタンは、血液フィルターに適した材料として使用するために必要な特性の最良の組み合わせを示すことが見出された。
特に本発明のポリウレタンは異なり発散する以下のようなニーズの最適化を実現する。
−白血球および血小板の除去に関する最良の歩み寄り
−関連する水浸出を生じないこと
−血液成分のフィルターを介する確実なブリーディングのための良好な湿潤性
−短いプライミング時間
従って、本発明の対象は、添付の請求項で規定されるフィルター材料を含み、血液または血液成分から物質を除去するフィルターである。
本発明の対象はまた、添付の請求項で規定されるように、そのようなフィルターを含む血液精製または浄化システムおよび装置ならびに体外(ex vivo)手順にて、全血または血液成分のいずれかから白血球および血小板を除去するフィルターの使用にも及ぶ。
本明細書で用いられる“ポリウレタン”という用語は、ポリウレタン共重合体を含む。
ポリウレタンを製造するために使用されるジイソシアネートは、脂肪族のジイソシアネートが好ましく、特にイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロエキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアノメチル)シクロエキサン、およびダイマー酸のジイソシアネートを例示できる。
ポリマージオールはポリエチレングリコールが好ましい。しかし、他のジオールポリマー、例えばポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)共重合体、ポリ(エチレングリコール/テトラメチレングリコール)共重合体を使用できる。
ポリマージオールおよび特に400Da以下の数平均分子量を有するポリエチレングリコールが好ましい。
モノマージオールはブタンジオール、特に1,4−ブタンジオールが好ましい。しかし一般的に炭素原子を2〜6個有するモノマージオール化合物を使用できる。
本発明に基づいて使用するポリウレタンは、10,000ダルトンより小さい数平均分子量を有し、好ましくは重量平均分子量も10,000ダルトンより小さい。低い重合度を得る好ましい方法は、ポリウレタン系において意図的に化学量論的にアンバランスにすることである。化学量論的にバランスのとれたポリウレタンでは、付加反応におけるイソシアネート基の数(当量)がポリマージオール(PEG)のヒドロキシル基とモノマージオール(ブタンジオール)のヒドロキシル基の合計とおよそ等しい。
他方、化学量論的にアンバランスなポリウレタンは、反応において化学量論的に過剰なモノマージオールを用い、ポリマージオールおよびモノマージオールによる反応において用いられるヒドロキシル基の合計数(当量)がイソシアネート基の数(当量)に対して過剰となるようにすることによって、得られる。
ポリウレタンは常套の方法によって合成できる。好ましい方法によると、まずジイソシアネートを化学量論的に少ない量のポリマージオール(PEG)と、無水メチルエチルケトンのような適切な有機溶媒中にて、還流温度で、ジブチルスズジアセテートのような触媒存在下で反応させる。反応混合物を還流温度とし、反応させる。次に、化学量論的に過剰なモノマージオール(ブタンジオール)を加え、反応混合物を再び還流温度で、ジイソシアネートの官能性が消失するまで反応させる。
次に、混合物を室温で冷却し、反応混合物をヘキサンのような非極性溶媒中へ滴下することによって得られたポリマーを沈殿させる。次に、得られた沈殿物を乾燥し、アセトンのような極性溶媒中に溶解する。精製度合いをより高めるため、ポリマーを水中でさらに沈殿させてよい。特に、水中でポリウレタンを二度沈殿させることで、そのポリマーが水溶性ではないこと、そしてどのような水溶性物も充分に減少していることが確実となる。
本発明で使用されるポリウレタンは、親水性疎水性バランスのため、ポリマージオール含有量(好ましくはPEG)が35重量%以下であることが好ましい。また、好ましい精製方法によって、合成されるポリウレタンは水溶性ではない。
本発明の好ましい態様において、ポリウレタンはPETまたはPBTのメルトブローン繊維から得られるポリエステル不織布上のコーティングとして塗布される。以下の湿潤性試験で記述されるように、コーティングは通常の溶液コーティング技術に従って実施してよい。
コーティングと基材(即ち、PBT)との相互作用は、疎水性相互作用だけに起因すると考えられ、コーティングのどの段階においても、コーティングと基板との間に共有結合は関与しないと思われる。
本発明を、以下の非限定的な実施例によってさらに説明する。実施例1および2は、本発明のフィルターで使われる化学量論的にアンバランスなポリウレタン(UBポリマーと表記)の製造に関し、実施例3〜6は化学量論的にバランスがとれたポリウレタン(STポリマーと表記)に関する比較例である。
実施例1
添加用漏斗および還流冷却器を備えた反応フラスコに、無水ブタノン(MEK)300ml、平均分子量204.4DaのPEG21.80g(0.107mol)、イソホロンジイソシアネート48.06g(0.216mol)およびジブチルスズジアセテート0.079gを加える。反応混合物を徐々に還流温度まで加熱した(内部温度は約82℃)。2時間後、加熱を中断し、MEK35ml中にブタンジオール10.98g(0.122mol)の溶液を滴下しながら加えた。次に、混合物が再び還流温度に達するまで再度加熱した。15時間後、IRスペクトルのイソシアネートバンドの消失を確認して、反応の完了を見極めた。混合物を室温まで冷やし、800mlのヘキサン中に反応混合物を滴下することによって、ポリマーを沈殿させた。得られた沈殿物を乾燥し、アセトン中に溶解して、20%溶液を得た。さらに精製されたポリマーを得るため、ポリマー(以後UB15)を2.2リットルの水中に沈殿させ、その後、乾燥した。
実施例2
添加用漏斗および還流冷却器を備えた反応フラスコに、無水ブタノン(MEK)300ml、平均分子量204.4DaのPEG23.11g(0.113mol)、イソホロンジイソシアネート50.05g(0.225mol)およびジブチルスズジアセテート0.073gを加える。反応混合物を徐々に還流温度まで加熱した(内部温度は約82℃)。2時間後、加熱を中断し、MEK40ml中にブタンジオール11.72g(0.130mol)の溶液を滴下しながら加えた。次に、混合物が再び還流温度に達するまで再度加熱した。15時間後、IRスペクトルのイソシアネートバンドの消失を確認して、反応の完了を見極めた。混合物を室温まで冷やし、800mlのヘキサン中に反応混合物を滴下することによって、ポリマーを沈殿させた。得られた沈殿物を乾燥し、アセトン中に溶かして、20%溶液を得た。より精製されたポリマーを得るため、ポリマー(以後UB20)を2.2リットルの水中に沈殿させ、その後、乾燥した。
実施例3−比較例
添加用漏斗および還流冷却器を備えた反応フラスコに、無水ブタノン(MEK)620ml、平均分子量202.2DaのPEG46.51g(0.230mol)、イソホロンジイソシアネート100g(0.450mol)およびジブチルスズジアセテート0.16gを加える。反応混合物を徐々に還流温度まで加熱した(内部温度は約82℃)。2時間後、加熱を中断し、MEK60ml中にブタンジオール19.83g(0.220mol)の溶液を滴下しながら加えた。次に、混合物が再び還流温度まで加熱した(内部温度は約82℃)。15時間後、IRスペクトルのイソシアネートバンドの消失を確認して、反応の完了を見極めた。混合物を室温まで冷やし、4リットルの脱イオン水中に反応混合物を滴下することによって、ポリマーを沈殿させた。得られた沈殿物を乾燥し、アセトン中に溶かして、20%溶液を得た。より精製されたポリマーを得るため、ポリマー(以後ST27)を水中に再び沈殿させ(水/ポリマー溶液=5/1重量比)、その後、乾燥した。
実施例4−比較例
添加用漏斗および還流冷却器を備えた反応フラスコに、無水ブタノン(MEK)300ml、平均分子量204.4DaのPEG29.17g(0.143mol)、イソホロンジイソシアネート44.88g(0.202mol)およびジブチルスズジアセテート0.079gを加える。反応混合物を徐々に還流温度まで加熱した(内部温度は約82℃)。2時間後、加熱を中断し、MEK30ml中にブタンジオール4.94g(0.055mol)の溶液を滴下しながら加えた。次に、混合物が再び還流温度に達するまで再度加熱した。15時間後、IRスペクトルのイソシアネートバンドの消失を確認して、反応の完了を見極めた。混合物を室温まで冷やし、800mlのヘキサン中に反応混合物を滴下することによって、ポリマーを沈殿させた。得られた沈殿物を乾燥し、アセトン中に溶かして、20%溶液を得た。より精製されたポリマーを得るため、ポリマー(以後ST37)を2.2リットルの水中に沈殿させ、その後、乾燥した。
実施例5−比較例
添加用漏斗および還流冷却器を備えた反応フラスコに、無水ブタノン(MEK)300ml、平均分子量204.4DaのPEG34.95g(0.171mol)、イソホロンジイソシアネート42.05g(0.189mol)およびジブチルスズジアセテート0.079gを加える。反応混合物を徐々に還流温度まで加熱した(内部温度は約82℃)。2時間後、加熱を中断し、MEK30ml中にブタンジオール1.3g(0.014mol)の溶液を滴下しながら加えた。次に、混合物が再び還流温度に達するまで再度加熱した。15時間後、IRスペクトルのイソシアネートバンドの消失を確認して、反応の完了を見極めた。混合物を室温まで冷やし、800mlのヘキサン中に反応混合物を滴下することによって、ポリマーを沈殿させた。得られた沈殿物を乾燥し、アセトン中に溶かして、20%溶液を得た。より精製されたポリマーを得るため、ポリマー(以後ST45)を2.2リットルの水中に沈殿させ、その後、乾燥した。
実施例6−比較例
添加用漏斗および還流冷却器を備えた反応フラスコに、無水ブタノン(MEK)130ml、平均分子量403.4DaのPEG10.61g(0.026mol)、イソホロンジイソシアネート18.00g(0.081mol)およびジブチルスズジアセテート0.043gを加える。反応混合物を徐々に還流温度まで加熱した(内部温度は約82℃)。2時間後、加熱を中断し、MEK40ml中にブタンジオール4.93g(0.055mol)の溶液を滴下しながら加えた。次に、混合物が再び還流温度に達するまで再度加熱した。15時間後、IRスペクトルのイソシアネートバンドの消失を確認して、反応の完了を見極めた。混合物を室温まで冷やし、800mlのヘキサン中に反応混合物を滴下することによって、ポリマーを沈殿させた。得られた沈殿物を乾燥し、アセトン中に溶かして、20%溶液を得た。より精製されたポリマーを得るため、ポリマー(以後ST30-400)を2.2リットルの水中に沈殿させ、その後、乾燥した。
製造したポリマーすべての分子量を、GPC分析で測定した。
分析では、PL−Gel 5μm MIXED-DカラムとR.I.ディテクタを備えた島津HPLCシステム10Avpを使用した。GPC測定を30℃で、移動相としてテトラヒドロフランを用いて行なった。単分散の標準ポリスチレンに対して、システムを検量した。
分析結果を表1にまとめる。
Figure 2010502327
ポリエチレングリコール(フィード中の重量%)
水浸出の評価
本発明に基づくフィルターで使用するコーティング済みPBTファブリック(布帛)を、水浸出の評価のための下記の実施例で記述する方法に従って、水溶性物質の除去可能性についても首尾よく試験した。この方法は、ISO EN 10993/12に示される欧州薬局方(Ph.Eur.)の方法3.2.6をモディファイしたものである。
水浸出の評価のため、表面積50cmを有するファブリック40層(アセトンを溶媒とした0.5%ポリウレタン溶液で被覆した)を、入口と出口を有するハウジングに導入する。
蒸留水250mlをペリスタポンプを用い、1リットル/hの流量で、2時間、37℃にて、1つのフィルターを介して循環させた。得られた溶液を以下のように分析した。
溶液の吸収を、230nm〜360nmで測定した。
溶液20mlを0.01Nの過マンガン酸カリウム20mlと、硫酸の存在下、沸点にて3分間反応させた。溶液を冷却した後、過剰なヨウ化カリウムを加え、生成したヨウ素を0.01Nのチオ硫酸ナトリウムで滴定した。ブランク溶液を同様に処理した。過マンガン酸塩滴定量の差(ΔO、ml)を計算する。
乾燥固体残留物の重量を測定した:溶液100mlを蒸発させ、残留物を定重量となるまで100〜105℃で乾燥した。
試験を行なったポリマーすべてに対して、測定された吸収は全測定範囲において0.2より低く、ΔO<1mlであり、乾燥固体残留物<3mgであった。
湿潤性試験
合成した材料のいずれもPBT系不織布を被覆するために用いた。アセトンを溶媒としたポリマー溶液中にファブリックを浸漬し、過剰の溶液を取り除くために絞り、その後、空気中にて70℃で16時間乾燥させた。
ファブリック上に水滴を5滴配置し、ファブリックが液滴を吸収し終えるまでに必要とする時間を測定することによって、コーティング済みファブリックの湿潤性を評価した。湿潤性測定のためのコーティング溶液のポリマー濃度は2重量%であった。
吸収時間を表2に示す。
Figure 2010502327
血液ろ過試験
健康な任意のボランティアから、CPD70mlが入ったPVCバッグに全血(範囲450ml〜550ml)を集めた。
スモールスケールにおけるろ過
2%で被覆したPBT不織布および被覆していないもののサンプルを直径3cmの円に切り抜き、ファブリックを通って血液が通過できるように入口と出口を有するホルダー内に設置した。
ヒトの全血2mlを、不織布3層を含む装置を介してろ過した。
各サンプルの細胞濃度を自動細胞計数器で測定した。
記載した結果(表3)は、少なくとも5回のろ過実験の平均である。
Figure 2010502327
記載したデータから、血小板(PLT)および白血球(WBC)を除去する最良の組み合わせは、UB系ポリウレタンで被覆したファブリックによって得られることが明らかである。
血液バンクスケールにおけるろ過
フィルターの準備:表面積50cmを有するファブリック40層(アセトンを溶媒とする0.5%ポリウレタン溶液で被覆したものまたは被覆していないもの)を入口と出口を有するハウジングに導入し、重力の影響で血液をろ過した。
献血されたすべての全血を1,4−ブタンジオールプレートの下で、20〜24℃に冷却した。全血小板(PLT)除去%を測定するために、ろ過前とろ過後の血液中の細胞濃度を自動細胞計数器で測定した。ろ過後の血液中の白血球(WBC)をナジェット(Nageotte)法で測定した。
得られた結果を表4にまとめる。
Figure 2010502327
従って、UB系ポリウレタンを使用すると、被覆したファブリックのろ過性能(細胞除去およびろ過時間)が向上することが確認される。

Claims (16)

  1. ポリウレタンを含むコーティングを有するポリマーろ過材料を有する、血液または血液成分から物質を除去するためのフィルターであって、該ポリウレタンは10,000Da以下の数平均分子量を有することを特徴とするフィルター。
  2. 該ポリウレタンはジイソシアネート、ポリマージオール、およびモノマージオールの付加反応によって得られる、請求項1に記載のフィルター。
  3. ジイソシアネートは脂肪族のジイソシアネートであり、好ましくはイソホロンジイソシアネートである、請求項2に記載のフィルター。
  4. ポリマージオールは400Da以下の数平均分子量を有する、請求項2または3に記載のフィルター。
  5. 該ポリウレタンは35重量%以下のポリマージオール含有量を有する、請求項2〜4のいずれかに記載のフィルター。
  6. ポリマージオールはポリエチレングリコールである、請求項2〜5のいずれかに記載のフィルター。
  7. モノマージオールはブタンジオールである、請求項2〜6のいずれかに記載のフィルター。
  8. 該ポリウレタンは化学量論的にアンバランスな付加反応で得られる、請求項2〜7のいずれかに記載のフィルター。
  9. 該ポリウレタンは、過剰なモノマージオールを加えることで付加反応の化学量論をアンバランスにして得られる、請求項2〜8のいずれかに記載のフィルター。
  10. 該ポリマーろ過材料は、該ポリウレタンコーティングで被覆されたポリエステル不織布を含む、前記の請求項のいずれかに記載のフィルター。
  11. 該ポリエステル不織布は、メルトブローンポリブチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレート繊維を含む、請求項10に記載のフィルター。
  12. 該ポリウレタンは10,000Da以下の重量平均分子量を有する、前記の請求項のいずれかに記載のフィルター。
  13. 体外(ex vivo)ろ過法にて、全血または血液成分から白血球および血小板を除去するための、請求項1〜12のいずれかに記載のフィルターの使用。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載のフィルターを有して成る血液精製装置。
  15. 血液を白血球除去血液成分に分離するための血液バッグ装置を有して成り、請求項1〜12のいずれかに記載の白血球フィルターを介して第2バッグと流体が流れ得る状態で接続された第1バッグを有して成る、請求項14に記載の血液精製装置。
  16. 請求項1〜12のいずれかに記載されているように、ポリウレタンコーティングを有するポリエステル繊維材料の不織布からなる多孔質基材を被覆することを含む、請求項1〜12のいずれかに記載のフィルターを製造する方法。
JP2009527099A 2006-09-06 2007-08-22 血液製剤から物質を除去するためのフィルター Expired - Fee Related JP5079810B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP06425617A EP1897571A1 (en) 2006-09-06 2006-09-06 A filter for the removal of substances from blood products
EP06425617.5 2006-09-06
PCT/EP2007/058729 WO2008028807A1 (en) 2006-09-06 2007-08-22 A filter for the removal of substances from blood products

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010502327A true JP2010502327A (ja) 2010-01-28
JP5079810B2 JP5079810B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=37685319

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009527099A Expired - Fee Related JP5079810B2 (ja) 2006-09-06 2007-08-22 血液製剤から物質を除去するためのフィルター

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20090301957A1 (ja)
EP (2) EP1897571A1 (ja)
JP (1) JP5079810B2 (ja)
CN (1) CN101600467B (ja)
AT (1) ATE529145T1 (ja)
ES (1) ES2375664T3 (ja)
PT (1) PT2073863E (ja)
WO (1) WO2008028807A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013540458A (ja) * 2010-08-06 2013-11-07 ジヴエッセ ソチエタ ぺル アチオーニ 血液または血液製剤から物質を除去するための改良されたフィルター及びその製造方法

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9968738B2 (en) 2014-03-24 2018-05-15 Fenwal, Inc. Biological fluid filters with molded frame and methods for making such filters
US9796166B2 (en) 2014-03-24 2017-10-24 Fenwal, Inc. Flexible biological fluid filters
US10376627B2 (en) 2014-03-24 2019-08-13 Fenwal, Inc. Flexible biological fluid filters
US10159778B2 (en) 2014-03-24 2018-12-25 Fenwal, Inc. Biological fluid filters having flexible walls and methods for making such filters
US9782707B2 (en) 2014-03-24 2017-10-10 Fenwal, Inc. Biological fluid filters having flexible walls and methods for making such filters
EP3185926B1 (de) 2014-08-26 2018-11-28 3M Innovative Properties Company System zur entfernung von proinflammatorischen mediatoren sowie von granulozyten und monozyten aus blut
CN105903270A (zh) * 2016-06-23 2016-08-31 广州新克力生物科技有限公司 一种高效滤除白细胞和血小板的过滤材料及其制备方法
KR102399758B1 (ko) * 2017-05-17 2022-05-20 아사히 가세이 메디컬 가부시키가이샤 혈액 처리용 인 흡착제, 혈액 처리 시스템 및 혈액 처리 방법
CN107261646B (zh) * 2017-07-10 2018-02-06 广州达济医学科技有限公司 一种白细胞和血小板的过滤材料及其制备方法
US20220355002A1 (en) * 2019-10-11 2022-11-10 Asahi Kasei Medical Co., Ltd. Blood processing filter, method for producing same, and method for removing leukocyte

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61128979A (ja) * 1984-11-26 1986-06-17 旭メデイカル株式会社 血液処理装置
JP2005034205A (ja) * 2003-07-15 2005-02-10 Terumo Corp 医療用材料および血液処理フィルター
WO2005113136A1 (en) * 2004-05-20 2005-12-01 University Of Southampton Leukocyte adsorbing material
JP4437509B2 (ja) * 1999-04-27 2010-03-24 東洋紡績株式会社 抗血栓性の向上した血液浄化膜

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0637323B1 (en) * 1992-04-24 1998-08-19 The Polymer Technology Group, Inc. Copolymers and non-porous, semi-permeable membrane thereof and its use for permeating molecules of predetermined molecular weight range
US6624240B2 (en) * 2001-12-28 2003-09-23 Sun Chemical Corporation Low molecular weight polyurethane resins
JP4863714B2 (ja) * 2003-08-07 2012-01-25 旭化成クラレメディカル株式会社 複合多孔膜とその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61128979A (ja) * 1984-11-26 1986-06-17 旭メデイカル株式会社 血液処理装置
JP4437509B2 (ja) * 1999-04-27 2010-03-24 東洋紡績株式会社 抗血栓性の向上した血液浄化膜
JP2005034205A (ja) * 2003-07-15 2005-02-10 Terumo Corp 医療用材料および血液処理フィルター
JP4297745B2 (ja) * 2003-07-15 2009-07-15 テルモ株式会社 血液処理フィルター
WO2005113136A1 (en) * 2004-05-20 2005-12-01 University Of Southampton Leukocyte adsorbing material

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013540458A (ja) * 2010-08-06 2013-11-07 ジヴエッセ ソチエタ ぺル アチオーニ 血液または血液製剤から物質を除去するための改良されたフィルター及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
ATE529145T1 (de) 2011-11-15
ES2375664T3 (es) 2012-03-05
EP2073863A1 (en) 2009-07-01
EP1897571A1 (en) 2008-03-12
US20090301957A1 (en) 2009-12-10
CN101600467A (zh) 2009-12-09
PT2073863E (pt) 2011-12-21
WO2008028807A1 (en) 2008-03-13
EP2073863B8 (en) 2012-03-21
JP5079810B2 (ja) 2012-11-21
EP2073863B1 (en) 2011-10-19
CN101600467B (zh) 2012-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5079810B2 (ja) 血液製剤から物質を除去するためのフィルター
CN100475307C (zh) 从全血或血液制剂中分离白细胞的过滤器
EP1192959B1 (en) Antithrombotic surface treating agent and medical apparatus
WO2018047929A1 (ja) 血液浄化用の材料
US6251276B1 (en) Leukocyte eliminating filter and method for manufacturing the same
KR100258305B1 (ko) 고분자재료, 의학재료 및 액상 고분자 조성물(polymeric material, medical material and liquid polymer composition)
WO1998046659A1 (fr) Polymeres biocompatibles
JP3176752B2 (ja) 血液濾過材
Venault et al. Poly (vinylidene fluoride)/poly (styrene-co-acrylic acid) nanofibers as potential materials for blood separation
US20090036322A1 (en) Leukocyte Adsorbing Material
WO2001066171A1 (fr) Nouveau filtre pour leucopherese
Yin et al. Poly (vinylpyrrolidone-co-acrylonitrile-co-vinylpyrrolidone) modified polyethersulfone hollow fiber membranes with improved blood compatibility
Zhu et al. Preparation of anionic polyurethane nanoparticles and blood compatible behaviors
TWI418373B (zh) 抗血小板貼附材料
Yoo et al. Characteristics of crosslinked blends of Pellethene® and multiblock polyurethanes containing phospholipid
JPH0425966B2 (ja)
JP3162165B2 (ja) 表面陰性荷電量測定法
JP2000037617A (ja) 抗血栓性の向上した血液浄化膜
JP6812191B2 (ja) 高分子化合物、抗血栓性高分子材料、およびそれを用いた医療機器
JPH06184266A (ja) 抗血栓性ポリウレタンエラストマーおよび医療用器具
JPH0119811B2 (ja)
Masiulanis et al. Investigation on suitability of poly (urethaneimides) as biomaterials
Natori et al. Blood cell separation using crosslinkable copolymers containing N, N‐dimethylacrylamide
WO2015146897A1 (ja) 医療用の高分子化合物、及びそれを用いた組成物、機器
EP4442287A1 (en) Medical device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100817

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120829

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees