JP4297745B2 - 血液処理フィルター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液処理フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、輸血が行われる際には、患者に対し必要な血液成分のみを輸血し、不要な成分は与えない成分輸血が広く行われている。
【0003】
輸血後の副作用の原因の多くは、血液製剤中に混入している白血球に由来すると考えられ、副作用を防ぐのに十分な程度に低い水準にまで、血液製剤中の白血球を除去することが必要である。
【0004】
血液をはじめとする白血球を含有する細胞浮遊液や血液製剤から、白血球を除去する方法として、他の方法に比べて、白血球除去能に優れ、操作が簡便であり、かつ、コストが低いことから、フィルターを用いる方法が広く用いられている。
【0005】
このような白血球除去フィルターとして、従来よりポリエステル繊維を含む濾材で構成されたものが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
ポリエステル繊維は、強度が比較的高く、また、それにより、繊維径を比較的小さくできることから、フィルターの血液濾過性能を高くすることができるという利点がある。
【0007】
しかしながら、このような白血球除去フィルターを用いて得られる処理液(濾液)を輸血した場合、血圧低下やショック症状等の副作用が見られることが知られている。このような副作用は、血液等を濾過する際に、ポリエステル繊維の表面に血漿が接触して、ブラジキニンが多く産生することによるものであると考えられている。
【0008】
このような問題を解決するため、ブラジキニンのような副作用の原因物質の産生を抑制し、輸血後の副作用を低減することが可能な医療用材料の開発が求められていた。
【0009】
【特許文献1】
特開平3−158168号公報(特許請求の範囲)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、血液と接触した際に、例えば、ブラジキニンのような副作用の原因物質の産生を抑制または防止できる医療用材料を備えた血液処理フィルターを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
【0012】
(1) 流入口と流出口を有するハウジングを備え、
前記ハウジング内に、ポリエステル繊維と、前記ポリエステル繊維の表面上の少なくとも一部に、分子内にウレタン結合を有する高分子化合物の被膜とを有する医療用材料から構成された濾材を収納してなる血液処理フィルターであって、
前記濾材は、前記被膜がカチオン化層を有するものであり、かつ、被処理液から実質的に白血球および血小板を除去するものであることを特徴とする血液処理フィルター。
【0013】
(2) 前記ポリエステル繊維は、ポリエステル不織布である上記(1)に記載の血液処理フィルター。
【0014】
(3) 前記高分子化合物は、ポリウレタンである上記(1)または(2)に記載の血液処理フィルター。
【0015】
(4) 前記ポリウレタンは、イソシアネート基を有する化合物と、ポリエーテルポリオールとの付加反応により得られる上記(3)に記載の血液処理フィルター。
【0016】
(5) 前記ポリエステル繊維の表面上に、前記高分子化合物の被膜を形成する際に、所定の溶媒に前記高分子化合物を溶解した溶液をコーティングする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の血液処理フィルター。
(6) 前記ポリエステル繊維の表面上に、前記高分子化合物の被膜を形成する際に、所定の溶媒に前記高分子化合物を溶解した溶液に、前記ポリエステル繊維を浸漬した後に、前記ポリエステル繊維に熱を加えて乾燥する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の血液処理フィルター。
(7) 前記高分子化合物を溶解した溶液の濃度は、1.0〜6.0wt%である上記(5)または(6)に記載の血液処理フィルター。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の血液処理フィルターの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
まず、本発明の血液処理フィルターに用いる医療用材料の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の血液処理フィルターに用いる医療用材料の第1実施形態における構成を示す断面図である。
【0019】
本実施形態の医療用材料1は、図1に示すように、ポリエステル繊維2と、ポリエステル繊維2の表面上に、分子内にウレタン結合を有する高分子化合物(以下、単に高分子化合物ともいう。)の被膜3とを有している。
【0020】
このように本発明の医療用材料は、繊維の表面上の少なくとも一部に、前述のような高分子化合物の被膜を有することを特徴とする。このような構成とすることにより、後に詳述するように、繊維自身の特長を発揮させつつ、血液成分を含む被処理液を処理する際に、ブラジキニンの産生を抑制または防止することが可能となる。
【0021】
本発明の医療用材料を構成する繊維は、医療用途(例えば、血液処理フィルター等)に用いられるものであれば、特に限定されず、いずれのものも用いることができる。
【0022】
本実施形態では、医療用材料1を構成する繊維として、代表的に、ポリエステル製の繊維(ポリエステル繊維2)を用いた場合について、以下説明する。
【0023】
ポリエステル繊維2を構成するポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
このようなポリエステル繊維2は、優れた強度や耐久性を有しており、また、成形し易いという利点を有している。また、ポリエステル繊維2は、後に詳述するような被膜3を構成する高分子化合物との親和性にも優れており、ポリエステル繊維2と被膜3との密着性を向上させることができる。さらに、安価に製造することができるという利点も有している。
【0025】
ポリエステル繊維2の平均径は、1〜30μmであるのが好ましい。また、ポリエステル繊維2の平均径は、ポリエステル繊維2の長手方向に向かって段階的にまたは連続的に小さくなっているのが好ましい。これにより、例えば、白血球の除去に用いられる場合、より効果的に白血球を除去することができる。
【0026】
上述したようなポリエステル繊維2の表面上には、分子内にウレタン結合を有する高分子化合物で構成された被膜3が設けられている。
【0027】
このように本発明の医療用材料は、繊維と、該繊維の表面上に、分子内にウレタン結合を有する高分子化合物で構成された被膜と有することを特徴とするものである。このような構成とすることにより、血液成分を含む被処理液を処理する際に、より効果的にブラジキニンの産生を抑制または防止することができる。特に、医療用材料を白血球の除去に用いる場合、このような構成とすることにより、優れた白血球除去能を保持しつつ、ブラジキニンの産生を抑制または防止するものとなる。また、血小板の回収率を向上させることもできる。
【0028】
分子内にウレタン結合を有する高分子化合物としては、ポリウレタン、ウレタン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。中でも、特に、ポリウレタンは、前述のようなポリエステル繊維2との親和性に優れているため、ブラジキニンの産生を効果的に抑制または防止しつつ、被膜3とポリエステル繊維2との密着性をより強固なものとすることができる。
【0029】
ポリウレタンとしては、イソシアネート基を有する化合物と、ポリエーテルポリオールとの付加反応により得られるポリエーテルポリウレタン、イソシアネート基を有する化合物と、ポリエステルポリオールとの付加反応により得られるポリエステルポリウレタン等が挙げられるが、特に、ポリエーテルポリウレタンを用いるのが好ましい。これにより、より効果的にブラジキニンの産生を抑制または防止することができる。
【0030】
被膜3を構成する高分子化合物の重量平均分子量は、2×104〜14×104であるのが好ましく、5×104〜11×104であるのがより好ましい。重量平均分子量が前記下限値未満であると、被膜形成力が弱くなる場合があり、また、低分子量成分が多くなり、低分子量成分の溶出等が生じる可能性がある。重量平均分子量が前記上限値を超えると、例えば、被膜3を形成する際に用いる高分子化合物が溶解した溶液(コート液)の濃度(コート濃度)が高い場合には、コート液(浸漬液)の粘度が高くなり、均一な被膜を形成するのが困難となる可能性がある。
【0031】
上述したような高分子化合物を用いた場合、後述するように被膜3を形成する際に、被膜3をより均一なものとすることができる。また、このような高分子化合物を用いた場合、得られる医療用材料1は、均一でかつ安定した被膜を形成するため、耐滅菌性が優れたものとなる。
【0032】
このような被膜3を形成する方法としては、例えば、塗布法、スプレー法、ディップ法等が挙げられる。
【0033】
例えば、ディップ法では、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアミド、ジメチルスルホキシドのような適当な有機溶媒またはこれらの混合溶媒に、前述のような高分子化合物を溶解した溶液(コート液)に、ポリエステル繊維2を浸漬した後、余分な溶液を除き、ついで風乾させるなどの簡単な操作で実施できる。また、ポリエステル繊維2の表面上に高分子化合物をより強固に固定化させるために、コーティング後のポリエステル繊維2に熱を加え、ポリエステル繊維2と被膜3との密着性を更に高めることもできる。また、このようなディップ法によれば、より均一な被膜3を形成することができる。
【0034】
また、ディップ法によって被膜3を形成する場合、前記コーティング溶液中の高分子化合物の濃度(コート濃度)は、特に限定されないが、1.0〜6.0wt%であるのが好ましく、2.0〜4.0wt%であるのがより好ましい。濃度が前記下限値未満であると、高分子化合物の種類等によっては、繊維全体に十分に被膜3を形成させるのが困難となる場合がある。一方、濃度が前記上限値を超えると、コート量(被膜量)が多過ぎ、厚さにむらが生じ易くなる可能性がある。
【0035】
なお、被膜3の成形に先立ち、ポリエステル繊維2に対して、粗面化処理、洗浄処理等を施してもよい。これにより、ポリエステル繊維2と被膜3との密着性をより向上させることができる。
【0036】
また、高分子化合物の前駆体(モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマー、プレポリマー等)を上記のような方法で、ポリエステル繊維2の表面上に供給した後、重合させて被膜3を形成させてもよい。
【0037】
以上説明したように医療用材料1は、血液と接触し得る医療器具の構成材料として用いられるものであって、例えば、白血球除去フィルター、微小凝集体除去フィルター、血漿分離フィルター、血液回路に設置されるリザーバやドリップチャンバー等の血液処理フィルターの濾材やハウジング等として用いることができるものであり、血液と接触した際に、ブラジキニンなどの副作用の原因物質の産生を十分に抑制することができる。
【0038】
特に、白血球除去フィルターの濾材として用いる場合には、ブラジキニンの産生を効果的に抑制しつつ、優れた白血球除去能を発揮する。
【0039】
医療用材料1は、上述したような被膜3が形成されたポリエステル繊維の集合体である。その集合体の形態は、不織布、織布、編布もしくはそれらの複合体であるのが好ましく、特に、不織布であるのがより好ましい。これにより、例えば、白血球の除去に用いる場合、ブラジキニンの産生を抑制しつつ、より効果的に白血球を除去することができる。
【0040】
また、本発明者らは、医療用材料1の表面電位を、0mVに近づけることによって、ブラジキニンの産生を効果的に抑制することができることを見出した。
【0041】
なお、医療用材料1は、ポリエステル繊維2の集合体(不織布、織布等)の状態で被膜3を形成したものであってもよいし、ポリエステル繊維2のそれぞれに被膜3を形成した後に集合体としたものであってもよい。
【0042】
次に、本発明の血液処理フィルターに用いる医療用材料の第2実施形態について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0043】
図2は、本発明の血液処理フィルターに用いる医療用材料の第2実施形態における構成を示す断面図である。
【0044】
本実施形態の医療用材料1は、図2に示すように、ポリエステル繊維2と、ポリエステル繊維2の表面に、分子内にウレタン結合を有する高分子化合物の被膜3’とを有している。
【0045】
被膜3’は、少なくともその表面付近が、カチオン化処理剤によりカチオン化処理されたカチオン化層31を有している。すなわち、被膜が、その表面付近にカチオン化層を有する以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0046】
このように被膜3’がカチオン化層31を有するものであると、例えば、白血球の除去に用いる場合、前述のような、ブラジキニンの産生を抑制する機能と、優れた白血球除去能とを保持しつつ、血小板の除去率も向上させることができる。このように血小板を除去できると、輸血用の血液製剤として用いた場合に、血小板由来の副作用および濾過後に保存した場合に、微小凝集の形成を防止できる利点を有する。
【0047】
カチオン化処理を施すのに用いるカチオン化処理剤としては、特に限定されず、例えば、N,N’−テトラメチル−ジ(2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル)−アルキレンジアミンジクロリド、N,N’−テトラメチル−ジ(2−カルボキシ−3−クロロプロピル)−アルキレンジアミンジクロリド、N,N’−テトラプロピル−ジ(2,3−エポキシ−2−クロロメチル)−(アルキレンジアミンジクロリド、N,N’−テトラメチル−ジ(2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル)−アルキレンジアミンジブロミド、N,N’−テトラクロロメチル−ジ(2−カルボキシ−3−クロロプロピル)−アルキレンジアミンジクロリド、N,N’−テトラメチル−ジ(3−ヒドロキシ−2−クロロブチル)−アルキレンジアミンクロリド、N,N’−テトラメチル−ジ(2,3−エポキシ−2−クロロ−3−ブロモプロピル)−アルキレンジアミンジクロリド、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトの共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトの共重合体などの(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸の4級アンモニウムエステルの共重合体や主鎖にグアニジン、エチレンイミン、イミダゾールなどを含む重合体およびそれらの塩などが挙げられる。
【0048】
上述したようなカチオン化処理剤で処理する方法としては、重合法、浸漬法(ディップ法)等の公知の方法が挙げられるが、適当な溶媒にカチオン化処理剤を溶かした溶液に、一定時間浸漬する方法(浸漬法)を用いるのが好ましい。これにより、より簡便、かつ、均一にカチオン化処理を施すことができる。
【0049】
上述したように、本発明の医療用材料は、血液成分を含む被処理液を処理した際に、ブラジキニンの産生を抑制または防止することができるものであるが、特に、カチオン化処理を施さない場合には、血小板の回収率を高くすることができる。一方、カチオン化処理を施すと、血小板の除去率を高くすることができる。従って、目的に応じて、カチオン化処理を施したもの、施さないものを使い分けることができる。また、このような簡便な処理を施すことによって、このように特性を大きく変えることができる。
【0050】
次に、本発明の血液処理フィルターを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0051】
図3は、本発明の血液処理フィルターの構成を示す分解斜視図(一部断面で示す)である。
【0052】
図3に示す血液処理フィルター7は、例えば、血液成分を含む被処理液より、白血球を除去する機能を有するものであり、ハウジング8と、ハウジング8内に設置された複数の医療用材料1とで構成されている。換言すれば、血液処理フィルター7は、ハウジング8内に、医療用材料1を収納してなるものである。
なお、以下の説明では、図3中、上側を「上部」、下側を「下部」と言う。
【0053】
ハウジング8は、有底筒状をなす第1のハウジング部材(下部ハウジング部材)81と、第1のハウジング部材81に装着(固定)される天板部(天井)を有し、ほぼ筒状をなす第2のハウジング部材(上部ハウジング部材)82とで構成されている。
【0054】
第1のハウジング部材81の底部には、ハウジング8内に連通する流出口(液体排出口)811が突出形成されている。
【0055】
第1のハウジング部材81に第2のハウジング部材82を装着し、内部に医療用材料1を収納した状態(以下、この状態を、「血液処理フィルター7の組み立て状態」と言う。)では、内腔部812と後述する第2のハウジング部材82の内腔部822とで画成される空間には、医療用材料1が設置(収納)される。
【0056】
また、第1のハウジング部材81の上部には、外周に沿って、ほぼ円筒状をなす嵌合部814が形成されている。血液処理フィルター7の組み立て状態では、この嵌合部814の内側に、第2のハウジング部材82の嵌合部824が挿入される。
【0057】
第2のハウジング部材82の天板部には、ハウジング8内に連通する流入口(液体導入口)821が突出形成されている。
【0058】
また。第2のハウジング部材82の下部には、内周に沿って、ほぼ円筒状をなす嵌合部824が形成されている。血液処理フィルター7の組み立て状態では、この嵌合部824が嵌合部814の内側に挿入され、これらが嵌合することにより、第1のハウジング部材81と第2のハウジング部材82とが固定される。
【0059】
ハウジング8の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂が挙げられる。
【0060】
本実施形態の血液処理フィルターは、図3に示すように、ハウジング8内に、複数の医療用材料1を収納してなるものである。
【0061】
各医療用材料1の平均厚さは、その構成材料、形態等により適宜設定され、特に限定されないが、例えば、0.05〜0.5mm程度とするのが好ましく、0.1〜0.3mm程度とするのがより好ましい。
【0062】
また、医療用材料1の設置数としては、平均厚さにより適宜設定され、特に限定されないが、例えば、5〜100枚程度とするのが好ましく、8〜60枚程度とするのがより好ましい。
【0063】
なお、ハウジング8内に収納される複数の医療用材料1は、互いに、同じものであってもよいが、それぞれが、例えば、医療用材料1の平均厚さ、構成材料、形態、ポリエステル繊維径等の条件のうち少なくとも1つが異なるものであってもよい。それぞれが異なるものを用いた場合、目詰まり等を効果的に防止することができる。
【0064】
以上、本発明の医療用材料および血液処理フィルターを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、医療用材料および血液処理フィルターを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0065】
また、前述した実施形態では、ハウジング8内に複数の医療用材料1が収納されたものについて説明したが、これに限定されず、1つの医療用材料1が収納されたものであってもよい。
【0066】
また、本発明の医療用材料を備えた血液処理フィルターは、医療用材料1の他に、目詰まり等を防止するためのプレフィルター等を有するものであってもよい。
【0067】
また、本発明の医療用材料を備えた血液処理フィルターは、ハウジング8の内表面等の各種部材の表面を、被膜3と同様の構成材料で構成されたものとしてもよい。これにより、ブラジキニンの産生をより効果的に抑制または防止することができる。
【0068】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0069】
(実施例1)
まず、ポリエーテルポリウレタンをテトラヒドロフランに溶解させ、ポリエーテルポリウレタンの濃度(コート濃度)が0.1wt%となるようにテトラヒドロフラン溶液を調製した。
【0070】
次に、ポリエステル不織布A(目付:30g/cm2、厚さ:0.3mm、繊維径:20〜30μm)、ポリエステル不織布B(目付:20g/cm2、厚さ:0.3mm、繊維径:10〜15μm)、ポリエステル不織布C(目付:20g/cm2、厚さ:0.3mm、繊維径:1〜5μm)を用意し、かかるポリエステル不織布を、前記ポリエーテルポリウレタン0.1wt%のテトラヒドロフラン溶液に浸漬した。
【0071】
浸漬開始より約1分後、テトラヒドロフラン溶液より前記不織布を取り出し、25℃で30分間、その後70℃で3時間乾燥し、前記ポリエーテルポリウレタンの被膜を有する医療用材料A−1、B−1、C−1を得た。
【0072】
また、各医療用材料の表面電位を、0.01NのKCl水溶液を媒液とし、流動電位測定装置((株)島津製作所社製「ZP−20H」)で測定したところ、医療用材料A−1:−11.2mV、医療用材料B−1:−9.8mV、医療用材料C−1:−10.8mVであった。
【0073】
(実施例2)
ポリエーテルポリウレタンをテトラヒドロフランに溶解させ、ポリエーテルポリウレタンの濃度(コート濃度)が1.0wt%となるようにテトラヒドロフラン溶液を調製した以外は、前記実施例1と同様にして、医療用材料A−2、B−2、C−2を得た。
【0074】
(実施例3)
ポリエーテルポリウレタンをテトラヒドロフランに溶解させ、ポリエーテルポリウレタンの濃度(コート濃度)が2.0wt%となるようにテトラヒドロフラン溶液を調製した以外は、前記実施例1と同様にして、医療用材料A−3、B−3、C−3を得た。
【0075】
(実施例4)
ポリエーテルポリウレタンをテトラヒドロフランに溶解させ、ポリエーテルポリウレタンの濃度(コート濃度)が6.0wt%となるようにテトラヒドロフラン溶液を調製した以外は、前記実施例1と同様にして、医療用材料A−4、B−4、C−4を得た。
【0076】
(比較例)
前記ポリエステル不織布A〜Cをそのまま医療用材料として用いた。
【0077】
各実施例および比較例の医療用材料の表面電位およびコート濃度を表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
[評価1]
実施例1、2、4および比較例の各医療用材料を、それぞれ直径42mm(有効面積:約13.8cm2)に切断(カット)した。
【0080】
以下、代表して、実施例1の医療用材料について説明する。
切断した3種の医療用材料A−1〜C−1を、それぞれ2枚ずつ、A−1、B−1、C−1の順に重ね合わせ、流入口側にA−1が来るようにハウジング内に収納し、図3に示すような血液処理フィルターを作製した。
【0081】
前記血液処理フィルター内に、あらかじめブラジキニン濃度(BK濃度)を測定した血液製剤(濃厚赤血球)1.6mL/minで濾過して、濾過開始から7mLの処理液が得られたところで、処理液をブラジキニン分解阻害剤入りのサンプルチューブにサンプリングして、BK濃度を測定した。なお、BK濃度は、RIAPEG法を用いて測定した。
【0082】
実施例2、4および比較例についても、同様にしてサンプリングし、ブラジキニン濃度を測定した。
【0083】
実施例1、2、4および比較例における、処理前のBK濃度、処理後のBK濃度、血液充填時間を表2に示す。なお、血液充填時間は、血液が流入口から流入し始めてから、流出口より流出し始めるまでの時間(プライミング時間)をいう。
【0084】
【表2】
【0085】
[評価2]
実施例2および比較例の各医療用材料を、それぞれ直径62mm(有効面積:約30cm2)に切断(カット)した。
【0086】
以下、代表して、実施例2の医療用材料について説明する。
切断した3種の医療用材料A−2〜C−2を、それぞれ3枚ずつ、A−2、B−2、C−2の順に重ね合わせ、流入口側にA−2が来るようにハウジング内に収納し、図3に示すような血液処理フィルターを作製した。
【0087】
前記血液処理フィルター内に、あらかじめBK濃度を測定した血液製剤(濃厚血小板)150mLを5mL/minで濾過して、濾過開始から20mLの処理液が得られたところで、処理液をブラジキニン分解阻害剤入りのサンプルチューブにサンプリングして、前述と同様にしてBK濃度を測定した。
【0088】
さらに、回収した処理液全体について、白血球および血小板の濃度を測定し、白血球除去率および血小板回収率を下記式(I)および(II)により算出した。
【0089】
白血球除去率={1−(処理後の濃度×処理後の血液製剤の量)/(処理前の濃度×処理前の血液製剤の量)}×100 ……(I)
血小板回収率={(処理後の濃度×処理後の血液製剤の量)/(処理前の濃度×処理前の血液製剤の量)}×100 ……(II)
【0090】
なお、白血球濃度は、処理前においてSYSTEMEX XE2000(Sysmex社製)を用いて測定し、処理後においては、Nageotte法により測定した。また、血小板濃度は、処理前および処理後ともに、前記SYSTEMEX XE2000を用いて測定した。
【0091】
比較例についても、同様にして、ブラジキニン濃度、白血球除去率および血小板回収率を求めた。
【0092】
実施例2および比較例における、処理前のBK濃度、処理後のBK濃度、白血球除去率および血小板回収率を表3に示す。
【0093】
【表3】
【0094】
[評価3]
実施例3および比較例の各医療用材料を、それぞれ直径73mm(有効面積:約42cm2)に切断(カット)した。
【0095】
以下、代表して、実施例3の医療用材料について説明する。
まず、切断した医療用材料C−3を、カチオン化処理剤:エレタットU52(一方社製)の0.05wt%水溶液に浸漬し、乾燥後、水洗し、再度乾燥させ、カチオン化層を有する処理剤C−3’を作製した。
【0096】
切断した3種の医療用材料A−3、B−3、C−3’を、それぞれ5枚ずつ、A−3、B−3、C−3’の順に重ね合わせ、流入口側にA−3が来るようにハウジング内に収納し、図3に示すような血液処理フィルターを作製した。
【0097】
前記血液処理フィルター内に、あらかじめBK濃度を測定した血液製剤(濃厚赤血球)250mLを5mL/minで濾過して、濾過開始から20mLの処理液が得られたところで、処理液をブラジキニン分解阻害剤入りのサンプルチューブにサンプリングして、前述と同様にしてBK濃度を測定した。
【0098】
さらに、回収した処理液全体について、白血球および血小板の濃度を測定し、白血球除去率および血小板除去率を前記式(I)および下記式(III)により算出した。
【0099】
血小板除去率={1−(処理後の濃度×処理後の血液製剤の量)/(処理前の濃度×処理前の血液製剤の量)}×100 ……(III)
【0100】
比較例については、ポリエーテルポリウレタンの被膜が形成されていない以外は、同様にして、ブラジキニン濃度、白血球除去率および血小板除去率を求めた。
【0101】
実施例3および比較例における、処理前のBK濃度、処理後のBK濃度、白血球除去率および血小板除去率を表4に示す。
【0102】
【表4】
【0103】
表2に示すように、本発明の医療用材料を用いた血液処理フィルターは、十分にブラジキニンの産生を抑制するものであった。
【0104】
特に、好ましい範囲の表面電位を有する医療用材料では、ブラジキニンの産生を抑制する効果が特に優れていた。
【0105】
これに対し、比較例の医療用材料を用いた血液処理フィルターでは、ブラジキニンの産生を十分に抑制するのが困難であった。
【0106】
また、表3に示すように、本発明の医療用材料を用いた血液処理フィルターは、ブラジキニンの産生を十分に抑制するもので、かつ、比較例と同等の優れた白血球除去能を有するものであった。また、血小板回収率も、比較的高いものであった。
【0107】
また、表4に示すように、カチオン化層を有する本発明の医療用材料は、ブラジキニンの産生を抑制しつつ、さらに、高い除去率で白血球および血小板を除去するものであった。
【0108】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、血液成分を含む被処理液を処理した際に、ブラジキニンの産生を抑制または防止することができる。
【0109】
また、医療用材料の表面をカチオン化処理剤で処理したものを用いると、血小板の除去能も高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の血液処理フィルターに用いる医療用材料の第1実施形態における構成を示す断面図である。
【図2】 本発明の血液処理フィルターに用いる医療用材料の第2実施形態における構成を示す断面図である。
【図3】 本発明の血液処理フィルターの構成を示す分解斜視図(一部断面で示す)である。
【符号の説明】
1 医療用材料
2 ポリエステル繊維
21 カチオン化層
3、3’ 被膜
31 カチオン化層
7 血液処理フィルター
8 ハウジング
81 第1のハウジング部材
811 流出口
812 内腔部
814 嵌合部
82 第2のハウジング部材
821 流入口
822 内腔部
824 嵌合部
Claims (7)
- 流入口と流出口を有するハウジングを備え、
前記ハウジング内に、ポリエステル繊維と、前記ポリエステル繊維の表面上の少なくとも一部に、分子内にウレタン結合を有する高分子化合物の被膜とを有する医療用材料から構成された濾材を収納してなる血液処理フィルターであって、
前記濾材は、前記被膜がカチオン化層を有するものであり、かつ、被処理液から実質的に白血球および血小板を除去するものであることを特徴とする血液処理フィルター。 - 前記ポリエステル繊維は、ポリエステル不織布である請求項1に記載の血液処理フィルター。
- 前記高分子化合物は、ポリウレタンである請求項1または2に記載の血液処理フィルター。
- 前記ポリウレタンは、イソシアネート基を有する化合物と、ポリエーテルポリオールとの付加反応により得られる請求項3に記載の血液処理フィルター。
- 前記ポリエステル繊維の表面上に、前記高分子化合物の被膜を形成する際に、所定の溶媒に前記高分子化合物を溶解した溶液をコーティングする請求項1ないし4のいずれかに記載の血液処理フィルター。
- 前記ポリエステル繊維の表面上に、前記高分子化合物の被膜を形成する際に、所定の溶媒に前記高分子化合物を溶解した溶液に、前記ポリエステル繊維を浸漬した後に、前記ポリエステル繊維に熱を加えて乾燥する請求項1ないし4のいずれかに記載の血液処理フィルター。
- 前記高分子化合物を溶解した溶液の濃度は、1.0〜6.0wt%である請求項5または6に記載の血液処理フィルター。
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