JP2010288344A - 遮断器引き出し装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一次断路部を可動側と固定側の軸心がずれずに投入することで、断路部の乖離や断路部の接触不良時に生じる接触子の変形や発熱による溶着などの問題を防止する遮断器引き出し装置を提供する。
【解決手段】台車1上に配置した遮断器ユニット2の背面から水平方向に突設された可動側導体3と、フレーム8に絶縁ブッシング7を介して固定された固定側導体5と、可動側導体3または固定側導体5の先端に接続された接触子4により一次断路部を形成し、台車1の水平方向への移動により、断路部を開閉する遮断器引き出し装置において、固定側導体5及び可動側導体3を中空状に形成し、固定側導体5軸心上に設けた雌ねじと、可動側導体3の軸心に一致して中空部内を貫通する、絶縁物で作られ且つ前記雌ねじに螺合する雄ねじが形成された駆動軸6とを備え、電動機12により駆動軸6を回動させて一次断路部開閉操作を行う。
【選択図】図1
【解決手段】台車1上に配置した遮断器ユニット2の背面から水平方向に突設された可動側導体3と、フレーム8に絶縁ブッシング7を介して固定された固定側導体5と、可動側導体3または固定側導体5の先端に接続された接触子4により一次断路部を形成し、台車1の水平方向への移動により、断路部を開閉する遮断器引き出し装置において、固定側導体5及び可動側導体3を中空状に形成し、固定側導体5軸心上に設けた雌ねじと、可動側導体3の軸心に一致して中空部内を貫通する、絶縁物で作られ且つ前記雌ねじに螺合する雄ねじが形成された駆動軸6とを備え、電動機12により駆動軸6を回動させて一次断路部開閉操作を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、スイッチギヤ内に収納される遮断器を水平方向に引き出し、遮断器の背部に設けた一次断路部の開閉操作を行うための引き出し装置に関するものである。
従来の引き出し装置については、遮断器フレームを貫通するねじ軸をスイッチギヤ側に取り付けられたナットに螺合させ、ねじ軸の回転力を軸方向の力へと変換し、遮断器を水平方向移動させて一次断路部の開閉操作を行っている。これについては、特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載されたねじ軸駆動方式の引き出し装置は、遮断器組立時の寸法公差等の影響や、引き出し装置を構成するローラを案内するレールの水平方向の組立誤差によって一次断路部の可動側と固定側の軸心が一致しなくなる場合がある。一次断路部の可動側には、固定側と嵌合しやすくするための案内部があるために、両者は嵌合することができるが、組立誤差が大きくなると、可動側と固定側の軸心とが若干ずれた状態で嵌合することになる。つまり、一次断路部が斜めに傾いたまま投入されることにより、斜め方向の余計な負荷がかかり、正常に投入されない、あるいは一次断路部の接触子の変形等を招く可能性があった。
また、遮断器に三相交流が流れると、各相間に相間を押し広げる方向の電磁力が作用し、事故電流等の大電流が流れると可動側導体と固定側導体を外側に押し広げる電磁力が大きくなり、一次断路部を開く方向の分力が発生する。更に断路部導体を押し広げる力が大きくなると、断路部が乖離したり、断路部の接触状態が悪くなり、接触部の発熱、溶着などの問題が生じる。
本発明は上述の課題に対し、一次断路部を投入操作時に可動側と固定側の軸心がずれることなく、正常に挿入することで、断路部の乖離や断路部の接触不良時に生じる接触子の変形や発熱による溶着などの問題を防止することを目的とする。
本発明の引き出し装置は、上記目的を達成するために、台車上に遮断器ユニットを配置し、遮断器ユニットの背面から水平方向に突設された可動側導体と、フレームに絶縁部材を介して固定された固定側導体と、前記可動側導体または前記固定側導体の先端に接続された接触子により一次断路部を形成し、前記台車を水平方向に移動させることによって、一次断路部が開閉される遮断器の引き出し装置において、前記固定側導体及び可動側導体を中空状に形成し、前記固定側導体軸心上に設けられた雌ねじと、前記可動側導体の軸心に一致して中空部内を貫通する駆動軸と、前記駆動軸を駆動する手段とを備え、前記駆動軸は絶縁物で作られ、且つ前記雌ねじに螺合するように雄ねじが形成され、前記駆動軸の回動によって一次断路部開閉操作を行うようにしたことを特徴とする。
本発明による引き出し装置は、装置の駆動に用いる駆動軸が可動側導体及び固定側導体の軸心を貫通しているため、一次断路部を投入操作時に可動側と固定側の軸心がずれることなく正常に挿入することができる。即ち、遮断器組立時の寸法公差等の影響によって、一次断路部が斜めに投入されることがなくなり、一次断路部に余計な負荷がかかり接触子が変形することを防止する。
また、事故電流等の大電流が流れ、相間を押し広げようとする電磁力が大きくなった際、固定側導体と可動側導体の中空部を貫通して駆動軸が螺合されているので、可動側導体と固定側導体を外側に押し広げる電磁力、及び一次断路部を開く方向の分力に対して大きな抗力となり、断路部の乖離及び断路部の接触不良による接触部の発熱、溶着などの問題を防止することができる。
これより実施例の説明をする。図1は本発明を実施した引き出し装置の全体図であり、スイッチギヤに遮断器を組み込んだ状態で、且つ一次断路部の断路状態を示す。1は台車であり、本引き出し機構の働きにより図示しないレール上を図上において左右に移動可能である。
2は台車1に組み込まれた遮断器ユニット、3は可動側導体で、遮断器ユニット2の背面から固定側導体5に向けて水平に突設されている。可動側導3及び固定側導体5はともに中空導体となっている。また、中空の固定側導体5内面には後述の駆動軸に形成された雄ねじと螺合する雌ねじが形成されている。4は接触子で、可動側導体3の先端に取り付けられ、固定側導体5と接触し通電する役割を果たす。この接触子4と固定側導体5とで一次断路部を構成している。ここでは接触子4を、可動側導体3の先端に設けた例を示しているが、これを固定側導体5の左端に設けても良い。なお、本発明に適用されるすべての接触子4付近の構成は、図1の上方に図示する接触子4付近及び図5で詳述する構成と同一のため、その他の図中において詳細な構成は省略する。
6は駆動軸で、可動側導体3の軸心に一致して中空部内を貫通して延びており、後述する遮断器操作箱20の内部に設けられた電動機12で駆動される。駆動軸6には後述の図5で示すように、少なくともその図上右端から可動側導体3の右端近傍にかけて、雄ねじが形成されている。
7は絶縁ブッシングで、フレーム8に取り付けられ、固定側導体5を保持し、且つ固定側導体5とフレーム8間の絶縁を保っている。絶縁ブッシング7内には、固定側導体5が保持されており、更に絶縁ブッシング7の固定側導体5の左端近傍には、固定側導体5の外径よりも大きな内径の筒状部が一体形成されている。なお、固定側導体5の図上右端は図示されていない主回路に接続されている。
図2は図1を上面から俯瞰した図である。本実施例において遮断器は三相接続を想定しており、全ての一次断路部に本引き外し装置を実施した形態である。一次断路部は断路状態に位置しており、その状態で駆動軸6先端は固定側導体5に螺合している。
図3は、駆動軸6が図1に示す遮断器操作箱20から遮断器ユニット2を貫通してスイッチギヤ側に延長される様子を説明するための図で、図1の破線で示すA部分を拡大した断面図である。9は遮断器ユニット2を構成する真空インタラプタであり、その上端は接続導体11に固定されている。
真空インタラプタ9と可動側導体3を接続する接続導体11の上端近くにベアリング10を設け、このベアリング10により駆動軸6を支持している。12は電動機で、遮断器操作箱20の筐体にL字金具13で固定されており、本実施例における一次断路部の開閉操作を行う動力として使用している。14は減速歯車機構であり、電動機12の駆動トルクを、一次断路部の開閉動作を行うのに十分な大きさまで増大する。本実施例では断路部一箇所につき1つの電動機12が使用されているが、一つの動力機構から全ての引き出し機構部にベルトや歯車等で動力を伝達して駆動してもよい。
ここで、駆動軸6は可動側導体3内部から直接遮断器操作箱20の筐体内部まで貫通しているためその材質は当然絶縁性の材料となる。その形状を例えば雄ねじ形成部以外の部分に襞を設けることによって、実質的な沿面絶縁距離を増加させることができるので接続導体11と遮断器操作箱20の左側端までの距離を小さくすることができる。また、駆動軸6が分割構造で製造され、各部の材質や形状が異なっていたとしても、遮断器ユニット2の部分と電動機12等の動力機構等を含む遮断器操作箱20に対し十分な絶縁が保たれていれば問題ない。例えば、駆動軸6の右先端に別部材である絶縁性のねじ軸を取り付け、このねじ軸を固定側導体5と螺合させる構成でも良い。
図4は本引き出し装置の一次断路部が投入状態の時の側面図を示す。一次断路部は本引き出し機構の働きにより図上を右側に移動し、接触子4は固定側導体5の左端と完全に接触して通電状態となっている。このとき図1でその大部分を露出している駆動軸6は、固定側導体5の内部に入り込んでいる。
図5は本引き出し装置の接触子4ならびに固定側導体5付近の接続を詳細に示した断面図である。可動側導体3の先端には、環状バネ15によって接触子4が固定されている。接触子4はチューリップコンタクトであり、アダプタ16により環状に保持される。また駆動軸6は図上において固定側導体5に螺合している。
これより、本引き出し装置の動作・作用の説明に移る。図1に示す一次断路部の断路状態から、図4に示す一次断路部が投入状態に至るまでの操作について説明する。
まず、電動機12により出力した駆動トルクは、減速歯車機構14により一次断路部の開閉動作に必要な程度まで増大され、ベアリング10によって保持された駆動軸6に伝達される。駆動軸6は、固定側導体5と螺合しており、駆動軸6が回転すると、駆動軸6が固定側導体5内にねじ込まれることにより、台車1を右方向へ水平移動させる力が発生する。
その結果、絶縁ブッシング7の筒状空間部に可動側導体3に接続された接触子4が侵入して、固定側導体5の左端に接触するまで、台車1が右側に移動し、図4で示す一次断路部の投入状態に至る。
このような一次断路部の投入時において、本引き出し機構は以下のような効果を発揮する。
装置の駆動に用いる駆動軸6が可動側導体3及び固定側導体5の軸心を貫通しているため、一次断路部を投入操作時に可動側と固定側の軸心がずれることなく正常に挿入することができる。即ち、従来の引き出し装置のように、遮断器組立時の寸法公差等の影響によって、一次断路部が斜めに投入され、一次断路部に余計な負荷がかかり接触子が変形することを防止する。
また、事故電流等の大電流が流れ、一次断路部導体を外側に押し広げる電磁力が大きくなった際、固定側導体と可動側導体の中空部を貫通して駆動軸が螺合されているので、相間を押し広げようとする電磁力及び一次断路部を開こうとする分力に対して大きな抗力となり、断路部の乖離及び断路部の接触不良による接触部の発熱、溶着などの問題を防止する。
次に一次断路部の断路操作を行う場合は、電動機12を逆転させれば、一次断路部を図1上左側の断路方向に移動させることができる。
また、遮断器ユニット2を点検等のためスイッチギヤ外側に取り出す場合は、本引き出し機構により完全に駆動軸6が固定側導体5内に切られた雌ねじから外れた後、手動あるいは何らかの工具等(図示せず)を使用して図上左側に移動すれば良い。
実施例1における固定側導体5の構造に変更を加えたものである。図6は本実施例における接触子4ならびに固定側導体5の接続部を詳細に示した断面図で、17は固定側導体5内に挿入される内筒である。
本実施例においては、中空状に形成された固定側導体5の中にあらかじめ雌ねじを形成した内筒を挿入し固定することによって実施例1の雌ねじと同様の効果を得ることが出来る。すなわち、内筒を金属鋳造や強化合成樹脂材料の注型等で製造することにより、実施例1のように長大な雌ねじを固定側導体5内部に機械加工で直接工作する場合に対し、コストや製造工程の簡易化の面で改善を図るものである。
図7に示す実施例で、三相のうち、中央相のみに実施例1の引き出し機構を適用し、両側の相には駆動軸6に換えて絶縁性ガイド棒18を取り付けたものである。
図7は本実施例の上面図で、18は絶縁性ガイド棒である。19は固定側導体5の軸心上に設けられたガイド穴で、雌ねじは形成されていない。このように絶縁性ガイド棒18に相対する固定側導体5内にガイド穴19を設けたことで、中央相に取り付けられた本引き出し機構により一次断路部が可動側と固定側の軸心がずれることなく正常に投入されることを補助する。即ち、一次断路部が、遮断器組立時の寸法公差等の影響や遮断器の左右の振れ等によって斜めに挿入されることを防止することができる。
また、一次断路部中心部にガイド棒が通っていることによって、事故電流通電時等に可動側導体3と固定側導体5を外側に押し広げようとする強い電磁力に対抗することができる。この場合、電磁力の一次断路部を開く方向に働く分力については、中央相に取り付けられた引き出し機構の駆動軸6と固定側導体5との螺合によって対応することになる。
そのため、本実施例では、電磁力に起因する引き外し力に対する抗力が図1の実施例1に対し若干劣るが、絶縁性ガイド棒18が取り付けられている相には、電動機12や駆動軸6などは設ける必要がなくなるので構造が簡略化でき、製造コストも低減できる。
1 台車
2 遮断器ユニット
3 可動側導体
4 接触子
5 固定側導体
6 駆動軸
7 絶縁ブッシング
8 フレーム
9 真空インタラプタ
10 ベアリング
11 接続導体
12 電動機
13 L字形金具
14 減速歯車機構
15 環状バネ
16 アダプタ
17 内筒
18 絶縁ガイド棒
19 ガイド穴
20 遮断器操作箱
2 遮断器ユニット
3 可動側導体
4 接触子
5 固定側導体
6 駆動軸
7 絶縁ブッシング
8 フレーム
9 真空インタラプタ
10 ベアリング
11 接続導体
12 電動機
13 L字形金具
14 減速歯車機構
15 環状バネ
16 アダプタ
17 内筒
18 絶縁ガイド棒
19 ガイド穴
20 遮断器操作箱
Claims (3)
- 台車上に遮断器を配置し、遮断器の背面から水平方向に突設された可動側導体と、フレームに絶縁部材を介して固定された固定側導体と、前記可動側導体または前記固定側導体の先端に接続された接触子により一次断路部を形成し、前記台車を水平方向に移動させることによって、一次断路部が開閉される遮断器の引き出し装置において、前記固定側導体及び可動側導体を中空状に形成し、前記固定側導体軸心上に設けられた雌ねじと、前記可動側導体の軸心に一致して中空部内を貫通する駆動軸と、前記駆動軸を駆動する手段とを備え、前記駆動軸は絶縁物で作られ、且つ前記雌ねじに螺合するように雄ねじが形成され、前記駆動軸の回動によって一次断路部開閉操作を行うようにしたことを特徴とする、遮断器引き出し装置。
- 前記駆動軸と螺合する前記固定側導体において、あらかじめ内部に雌ねじを形成した内筒を導体内に挿入することを特徴とする、請求項1項記載の遮断器引き出し装置。
- 一部の一次断路部において、前記固定側導体内にガイド穴を設け、前記可動側導体軸心上を貫通するように設けられ、且つ前記ガイド穴に挿入される絶縁性ガイド棒を設けた事を特徴とする、請求項1項記載の遮断器引き出し装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009139088A JP2010288344A (ja) | 2009-06-10 | 2009-06-10 | 遮断器引き出し装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009139088A JP2010288344A (ja) | 2009-06-10 | 2009-06-10 | 遮断器引き出し装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=43543633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009139088A Pending JP2010288344A (ja) | 2009-06-10 | 2009-06-10 | 遮断器引き出し装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2010288344A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102611024A (zh) * | 2011-01-24 | 2012-07-25 | 上海华通企业集团有限公司 | 主母线和馈线分支验电接地手车 |
WO2012176259A1 (ja) * | 2011-06-20 | 2012-12-27 | 三菱電機株式会社 | 真空遮断器 |
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CN105140815A (zh) * | 2015-09-10 | 2015-12-09 | 陕西宝鼎开关有限公司 | 高压开关柜用隔离车 |
-
2009
- 2009-06-10 JP JP2009139088A patent/JP2010288344A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5150013B1 (ja) * | 2011-06-20 | 2013-02-20 | 三菱電機株式会社 | 真空遮断器 |
CN103563036A (zh) * | 2011-06-20 | 2014-02-05 | 三菱电机株式会社 | 真空断路器 |
KR101510982B1 (ko) | 2011-06-20 | 2015-04-10 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 진공 차단기 |
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CN105140815A (zh) * | 2015-09-10 | 2015-12-09 | 陕西宝鼎开关有限公司 | 高压开关柜用隔离车 |
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