JP2010287864A - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透過膜に覆われた状態でも画像認識精度の低下を抑制し得るアライメントマークを備えた半導体装置、および半導体装置の製造方法を得る。
【解決手段】アライメントマーク11のマーク本体領域15にストライプ状の周期構造を形成する。その周期構造により、位置合わせのための撮像時の照射光の反射が大幅に抑制され、マーク本体領域15の輝度が低くなる。一方、マーク本体領域15の周囲のベース領域17は、反射性に優れ、輝度が高くなる。その結果、コントラストが良好になり、画像認識精度が向上する。さらに、マーク本体領域15での照射光の反射が大幅に抑制されるため、アライメントマーク11を光透過性の膜が覆っている場合でも、薄膜による干渉等によってコントラストが低下しにくくなっており、画像認識精度の低下を抑制し得る。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置の製造工程における半導体基板の位置合わせに使用されるアライメントマークを有する半導体装置及びアライメントマークの製造工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
アライメントマークは、半導体ウエハ(あるいは半導体基板)上に形成されたマークであり、IC(集積回路)等の半導体装置の製造工程(例えば、露光工程、マウント工程等)において、半導体ウエハ等を位置合わせ(アライメント)するために用いられている。その位置合わせにおいて、アライメントマークが撮像されるとともに画像認識され、アライメントマークの位置が検出される。
ところが、アライメントマークが透光性の膜(透過膜)に覆われている場合に、透過膜の厚さのばらつきによってアライメントマークの画像認識精度が低下するという問題があった。その問題に対し、アライメントマーク本体領域と、その周辺領域との輝度の差を大きくすることで、それら2つの領域のコントラストを高め、アライメントマークの画像認識精度の向上を図る技術が提案されている。
下記特許文献1には、半導体装置のマウント工程、ボンディング工程等に用いられるアライメントマークが記載されている。そのアライメントマークは、アライメントマーク本体領域が平滑な表面を有する電極材料によって形成され、マークの周辺領域にはライン幅が1μm〜3μm程度のストライプ状のパターンが形成されている。そのため、マーク本体領域は照射光を正反射することで明るく撮像され、周辺領域は照射光を拡散反射することによって暗く撮像される。その結果、マーク本体領域と周辺領域とのコントラストが高まり、アライメントマークの画像認識精度を高めることができる。また、アライメントマークが透光性の保護膜に覆われて多少コントラストが悪化した場合でも、アライメントマークを精度よく画像認識することができるとされている。
特開2000−182914号公報
近年、半導体集積回路の高集積化、高機能化、及び高速化に伴い、前述の位置合わせにおける認識精度や認識速度の向上が求められており、アライメントマークの画像認識精度のさらなる向上が求められている。例えば、アライメントマークを覆う透光性の膜(透過膜)に起因する画像認識精度の低下をさらに抑制することが求められている。なお、透過膜に起因する画像認識精度の低下は、透過膜を薄膜とする干渉が生じてコントラストが低下するために生じると推測される。コントラストが低下すると、アライメントマークを精度よく認識できず、エラーが誘発される場合がある。
また、マウント工程等以外の製造工程においても、アライメントマークが透過膜(レジスト膜、絶縁膜等)で覆われている状態で撮像されることが多く、そのような場合にも画像認識精度の低下を抑制することが求められている。
このような事情に鑑み、本発明は、透過膜に覆われた表面状態での画像認識処理において、画像認識精度の低下を抑制し得るアライメントマークを備えた半導体装置、および上記アライメントマークの製造工程を含む半導体装置の製造方法を得ることを目的とする。
(1)前記の目的を達成するため、本発明にかかる半導体装置は、半導体基板と、当該半導体基板上に形成されたアライメントマークと、そのアライメントマークの周囲の領域である周辺領域とを含み、前記アライメントマークと前記周辺領域との一方に周期構造が形成され、他方に周期構造が形成されておらず、前記周期構造が、各々の幅が可視光の最大波長以下にされ、かつ、互いに隣合うものが可視光の最大波長以下の距離を隔てて幅方向に配列された複数の第1部分と、前記隣合う第1部分の間に存する第2部分とによって構成されるとともに、前記複数の第1部分と前記第2部分との一方が導体と半導体との少なくとも一方からなる部分とされ、前記複数の第1部分と前記第2部分との他方が光透過性を有する部分とされたことを特徴とする。
(2)前記の目的を達成するため、本発明にかかる半導体装置の製造方法は、半導体ウエハ上にアライメントマークを形成するマーク形成工程を含み、前記マーク形成工程が、 前記アライメントマーク形状を成す半導体ウエハ上の領域であるマーク本体領域およびそのマーク本体領域の周囲の領域である周辺領域に、導体と半導体との少なくとも一方からなる導電膜と、光透過性の透過膜との一方を準備する準備工程と、前記マーク本体領域と前記周辺領域との一方における前記準備された膜に、各々の幅が可視光の最大波長以下にされ、かつ、互いに隣合うものが可視光の最大波長以下の距離を隔てて幅方向に配列された複数の空隙を形成する空隙形成工程と、前記マーク本体領域と前記周辺領域との前記一方に前記複数の空隙が形成され、他方に前記複数の空隙が形成されていない状態で、前記複数の空隙上に前記導電膜と前記透過膜との他方を堆積させる堆積工程とを含むことを特徴とする。
(1)本発明に係る半導体装置は、アライメントマークと周辺領域との一方に周期構造が形成されている。上記周期構造は、半導体基板等の位置合わせ時の撮像において、照射光を吸収したり乱反射したりすること等によって、照射光の反射率を大きく低下させる。そのため、周期構造が形成された領域と、周期構造が形成されていない領域との輝度の差(コントラスト)が大きくなり、アライメントマークの画像認識精度を向上させることができる。また、アライメントマークが透過膜に覆われた状態であっても、周期構造の反射率の低さゆえに、「薄膜による干渉」等の影響を受けにくく、画像認識精度の低下を抑制することができる。
したがって、本半導体装置は、位置合わせにおけるアライメントマークの画像認識精度を向上させ、ひいてはアライメント精度を向上させることができる。なお、アライメント精度の向上により、アライメントエラーの発生率の低減、アライメント速度の向上、位置合わせ精度の向上のうちの少なくとも1つの効果が得られる。
半導体装置は、例えば、IC、LSI、VLSI等の種々の集積回路を有するものとすることができる。また、例えば、半導体レーザ等、複数の半導体等の膜が積層されたものを有するものとすることもできる。
(2)本発明に係る半導体装置の製造方法は、上述のアライメントマークの形成工程を含んでいる。そのため、製造工程中の半導体ウエハ等の位置合わせにおいて、アライメントマークの画像認識精度を向上させ、ひいてはアライメント精度を向上させることができる。また、位置合わせにおいて、アライメントマークを覆う透過膜の影響を低減させることができる。
実施の形態に係る半導体チップ3が形成された半導体ウエハ1の一部を示す平面図である。 アライメントマーク11を示す平面図である。 アライメントマーク11の一部を拡大した平面図である。 アライメントマーク11の一部の断面図である。 熱酸化膜41およびシリコン窒化膜43が堆積した状態の半導体ウエハ1の断面図である。 複数の溝31が形成された半導体ウエハ1の断面図である。 複数の溝31に絶縁膜45が堆積した状態の半導体ウエハ1の断面図である。 シリコン窒化膜43上の絶縁膜45が除去された状態の半導体ウエハ1の断面図である。 シリコン窒化膜43が除去された状態の半導体ウエハ1の断面図である。 画像認識精度試験用のアライメントマーク53を示す平面図である。 画像認識精度試験の結果を示す図である。 半導体ウエハ81上の透過膜の厚さを測定した場所を示す平面図である。 半導体ウエハ81上のシリコン窒化膜の厚さを示す図である。 第2実施形態において、ゲート酸化膜103およびポリシリコン膜105が堆積した状態の半導体ウエハ101の断面図である。 溝111と隔壁113とが形成された状態の半導体ウエハ101の断面図である。 第3実施形態において、シリコン窒化膜131および絶縁膜133が堆積した状態の半導体ウエハ129の断面図である。 シリコン窒化膜131等に複数の穴135が形成された状態の半導体ウエハ129の断面図である。 シリコン窒化膜131等に複数の柱状突起139が形成された状態の半導体ウエハ129の平面図である。 複数の穴135にタングステン137が堆積した状態の半導体ウエハ129の断面図である。 シリコン窒化膜131上のタングステン137が除去された状態の半導体ウエハ129の断面図である。 第4実施形態において、配線間絶縁膜163に複数の溝165が形成された状態の半導体ウエハ161の断面図である。 複数の溝165に銅が堆積した状態の半導体ウエハ161の断面図である。 変形例において、アライメントマーク11の一部を拡大した平面図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<アライメントマーク>
まず、アライメントマークについて説明する。
図1に半導体ウエハ1の主面の一部を示す。半導体ウエハ1上には、半導体装置たる半導体チップ3(例えば、LSI)が複数形成されている。それら半導体チップ3の間にはスクライブレーン5が形成されている。また、各半導体チップ3の上面には、四隅にアライメントマーク11が設けられている。なお、半導体ウエハ1のうち、各半導体チップ3が形成される各部分が前記「半導体基板」に該当する。
(マーク形状等)
図2に示すように、アライメントマーク11は、マーク形成領域13に形成されている。マーク形成領域13は、半導体ウエハ1の位置合わせ時にアライメントマーク11として認識される平面形状のマーク本体領域15と、そのマーク本体領域15の周囲のベース領域17とを含む。マーク本体領域15には、ストライプ状の周期構造が形成されている。
一方、ベース領域17には周期構造が形成されていない。そのベース領域17は、半導体ウエハ1と平行な方向において一様な組成にされた領域とされている。また、ベース領域17の表面は比較的平滑にされている。なお、周辺領域たるベース領域17は、マーク本体領域15に隣接し、それを包囲していればよく、その形状や大きさは特に制限されない。また、マーク本体領域15のすべてが包囲されることは必要不可欠ではなく、画像認識可能であれば、マーク本体領域15の一部がベース領域17に包囲されていなくともよい。
マーク本体領域15とベース領域17との境界線21は、直角に交差する2つの直線23a,bと、それらの端部を結ぶ2つの直線25とによって構成されている。2つの直線23a,bは、図1に示す半導体チップ3の四辺27と交差する方向(本実施形態において交差角度が45度)にされている。
(周期構造)
図3に、マーク形成領域13の一部を拡大した平面図を示す。また、図4に、半導体ウエハ1のうちのマーク形成領域13が形成された部分を、ストライプと直角に切断した断面の一部を示す。なお、この図では、マーク形成領域13上には、絶縁膜等の透光性の膜(透過膜)が堆積していない状態が示されている。また、図3の一点鎖線で示す直線Mは、境界線21を構成する直線23a,bのいずれかと重なるものとする。
マーク本体領域15には、平面視ライン状の溝31が複数並列に形成され、各溝31に絶縁膜の条33が堆積させられている。各溝31(条33)は、断面形状が四角形で、マーク本体領域15の表面において幅Wが約0.2μm、深さHが0.25μmとされ、幅方向に約0.4μmの間隔(周期)で並べられている。なお、この図は、マーク形成領域13が設けられた部分を模式的に示すものであり、断面形状(縦横比等)を正確に表しているわけではない。
上記複数の溝31の間には、それらを隔てる複数の隔壁35が形成されている。各隔壁35は、平面視において上記溝31と平行なライン状にされ、半導体ウエハ1の表面において幅Vが約0.2μmとされている。また、各隔壁35は、断面視が四角形状とされている。各隔壁35は、半導体ウエハ1と同じ半導体材料たるシリコンによって構成されている。
本実施形態において、複数の溝31に堆積させられた絶縁膜の条33が、前記「平面視ライン状をなす複数の第1部分」を構成している。また、複数の溝31を隔てる複数の隔壁35が、前記「第2部分」を構成している。さらに、第1部分は光透過性を有する絶縁膜の条33によって構成され、第2部分は半導体によって構成されている。本実施形態において、溝31(条33)の配列方向は、直線Mと45度で交差する方向とされているが、直線Mと平行あるいは直角に交差する等、他の配列方向とすることができる。
<アライメントマークの製造方法>
アライメントマーク11の製造方法について、図5〜図7を用いて説明する。
アライメントマーク11は、半導体チップ3の製造工程において形成され、例えば、半導体ウエハ1上にCMOS(Complementary MOS-FET)素子を形成する工程で形成される。具体的には、STI(Shallow Trench Isolation)型の素子分離(以後、「トレンチ型素子分離」と称する)の形成工程において、以下に説明するように、トレンチ型素子分離の形成と同時進行で形成される。
(a)まず、半導体ウエハ1を準備する(準備工程)。
(b)トレンチ型素子分離を形成するために、半導体ウエハ1上に、熱酸化膜41を形成し、その表面にLPCVD(減圧化学気相成長法)により、シリコン窒化膜(SiN)43を堆積させる。この工程において、アライメントマーク11が形成されるマーク形成領域13上にも熱酸化膜41が例えば10nm形成され、シリコン窒化膜43が例えば130nm堆積させられる(図5)。
(c)次に、トレンチ型素子分離用のシャロウトレンチがリソグラフィ及びドライエッチングによって形成される。このトレンチ形成工程において、マーク本体領域15に複数の溝31が形成される(図6)。なお、図示を省略するが、熱酸化処理により、シャロウトレンチ等に薄いシリコン酸化膜が形成される。
(d)シャロウトレンチ上に、絶縁膜45としてNSG(None-doped Silicate Glass)膜をSACVD(準大気圧化学気相成長法)によって堆積させ、熱処理を行う。
この絶縁膜堆積工程において、マーク形成領域13上にも絶縁膜45が形成される。また、各溝31には、例えば900nmのNSG膜が堆積させられ、その後の熱処理により、上記NSG膜は収縮し、約7%膜厚が減少する(図7)。
(e)化学機械研磨(CMP)による平坦化が行われ、シリコン窒化膜43上の絶縁膜45が除去される。この研磨工程において、マーク形成領域13におけるシリコン窒化膜43上の絶縁膜45が除去され、各溝31の絶縁膜45(条33)の膜厚が380nmにされる(図8)。
(f)リン酸加熱溶液を用いたウェットエッチングによってシリコン窒化膜43等が除去される。この工程において、マーク形成領域13上のシリコン窒化膜43等も除去される(図9)。
(g)以上の工程により、トレンチ型素子分離と同時に、アライメントマーク11が形成される。この製造方法によれば、トレンチ型素子分離を形成するための工程に余分な工程を追加せずにアライメントマーク11を形成することができる。
<アライメント方法について>
上記アライメントマーク11を用いた位置合わせ(アライメント)について説明する。
例えば、上記(f)の工程の後、半導体チップ3の製造が進められ、半導体ウエハ1にレジスト膜が塗布され、露光装置によって所定のパターンがレジスト膜に露光される。そのレジスト膜が現像、エッチング等され、イオン注入を行うための窓が形成される。
アライメントは上記露光の前に行われる。レジスト膜が塗布された半導体ウエハ1が露光装置にセットされた後、複数のアライメントマーク11が露光装置によって撮像および画像認識処理され、各アライメントマーク11の位置が検出される。さらに、検出された各アライメントマーク11の位置に基づき、半導体ウエハ1の位置が修正され、アライメントが完了する。このアライメントによって、上述の製造工程によって形成されたトレンチ型素子分離と、CMOS素子形成のためのイオン注入が行われる箇所(上記窓)との位置関係を正確に調整することができる。
その後の半導体チップ3の製造工程においても、露光等を行う際にアライメントマーク11を用いてアライメントを行い、半導体チップ3を製造することができる。
なお、上記(f)の工程を経ずに、アライメントマーク11上にシリコン窒化膜43が堆積した状態でもアライメントを行うこともできる。
<溝(条)幅、隔壁幅と画像認識精度との関係について>
溝(条)幅および隔壁幅の異なる複数種類のアライメントマークについて、画像認識精度がどのように変化するのか画像認識精度試験(単に「精度試験」と称する場合がある)を行った結果について説明する。
図10に示すように、この精度試験では、アライメントマーク51の平面形状は上記図2のものと異なり、50μm角の四角形(正方形)とされている。また、マーク本体領域53の各溝(条)および各隔壁が、四角形の対向する2つの辺55と平行に並べられたものとされている。マーク本体領域53の周囲はベース領域57とされる。
また、マーク本体領域53の溝(条)幅Wと隔壁幅Vとは互いに等しくされ、溝幅および隔壁幅は、0.1μm、0.21μm、0.5μm、1μm、2μm、3μm、4μm、8μmの8種類のアライメントマーク51が作成された。
アライメントマーク51およびベース領域57上には、透過膜が堆積した状態で試験が行われている。なお、前述のアライメントマークの製造方法の説明において、(e)の化学機械研磨による平坦化が行われた後の状態とされている。つまり、ベース領域17には、いずれも透過膜である熱酸化膜41とシリコン窒化膜(SiN)43とが積層され、マーク本体領域53は、いずれも透過膜であるシリコン窒化膜43と絶縁膜45とによって覆われている(図8参照)。
(試験結果)
図11に、試験結果を示す。
この図から、溝(条)および隔壁の幅W,Vが0.5μm以下である場合(実施例)に、アライメントマーク51を正常に画像認識することができ、画像認識精度が最も良いことが分かる。逆に、溝幅等が1〜2μmの場合(比較例)には、非常に画像認識精度が悪化しており、アライメントマーク51を正常に画像認識することができない。また、溝幅等が3μm以上である場合(比較例)に、画像認識精度がやや良好であることが分かる。
このように溝幅等が0.5μm以下である場合に画像認識精度が向上する理由は、周期構造によって光の反射率が非常に低くなっているためだと推測される。
例えば、SWS(Sub Wavelength Structured Surface)光学素子には、光の波長と同程度以下の構造をなし、反射防止効果や特定の波長の光を選択的に反射する効果を有するものがある。アライメントマーク51の周期構造が、これらと同様な作用効果を奏している可能性がある。なお、周期構造が、特定の波長の光を選択的に反射するものであるとしても、撮像素子によって検出される可視光のうちの大部分が反射されないとすれば、全体として反射率が大幅に低下するものと考えられる。
以上に述べたように、アライメントマークの周期構造の溝幅等を0.5μm以下にした場合には、3μm以上にした場合とは異質な効果が生じていると考えられる。その結果、光の吸収等によってマーク本体領域15の反射率が大きく低下し、ベース領域17とのコントラスト比が高められ、画像認識精度が向上しているものと推測される。なお、反射率の低下は、光が吸収されることや、撮像装置とは別の方向に光が散乱させられること等によって生じると考えられる。
(透過膜の厚さのばらつきについて)
図12に示すように、半導体ウエハ1の複数の箇所(番号E1〜E13)で透過膜(シリコン窒化膜)の厚さを測定した結果について説明する。
図13に、透過膜(本精度試験においてシリコン窒化膜)の厚さのばらつきと半導体ウエハ1の中心からの距離との関係を示す。半導体ウエハ1の中心付近A(30mm:図12のE4)の厚さと比較して、外周部B(140mm:図12のE8)では透過膜が厚くなり、中心と外周部との中間部(約80mm)では少し薄くなっていることが分かる。これは、化学機械研磨によって削られる厚さが、場所によって異なるためだと考えられる。
そして、画像認識精度試験において、溝幅等が8μmにされたアライメントマーク51は、中心付近に位置するものに比べ、外周部に位置するもののコントラストが低下するために、画像認識精度が低下していることが確認された。これは、透過膜によって「薄膜による干渉」が引き起こされ、コントラストが低下しているのではないかと推測される。なお、本試験結果では外周部において画像認識精度が低下したが、透過膜の膜厚によっては中心付近で画像認識精度が低下する可能性があると考えられる。
一方、溝幅等が0.1μmにされたアライメントマーク51は、外周部においてもコントラストの低下が非常に少なく(あるいはコントラストがほとんど変化しない)ため、画像認識精度が低下しにくいことが確認された。これは、周期構造が形成されたマーク本体領域からの反射光が非常に少ないためだと推測される。
このように、アライメントマークの周期構造の溝幅等を0.5μm以下にした場合には、3μm以上にした場合に比して、透過膜の厚さの変動によるコントラストの低下が生じにくいため、優れた試験結果が得られたものと考えられる。
<作用効果について>
以上に述べたように、アライメントマークの周期構造の溝幅等W,Vを0.5μm以下、すなわち、前記「第1部分」を配列する周期を1μm以下にすることにより、マーク本体領域15において撮像時に検出される可視光の反射率を非常に低くすることができる。そのため、透過膜の厚さのばらつきによってコントラストが低下し易い状況になっても、アライメントマークのコントラストが変化しにくく、画像認識精度を良好に保つことができると考えられる。
また、アライメントマーク11のベース領域17は、照射光を正反射あるいは拡散反射して、輝度が大きくなるようにされている。具体的には、ベース領域17は、非常に反射率の高い半導体ウエハ1表面(鏡面にされたシリコンの平滑面)上に透過膜たる熱酸化膜41およびシリコン窒化膜43が積層されており、垂直に入射する照射光の反射率が大きくされている。そのため、ベース領域17とマーク本体領域15との輝度の差が大きくなり、この2つの領域のコントラストが非常に高くなる。コントラストが向上することで輪郭の検出がより高精度となり、画像認識精度を向上させることができる。
本アライメントマーク11によって画像認識精度を向上させることで、例えば、アライメントエラーを防止し、半導体装置の生産性を向上させることができる。また、例えば、マスク合わせを実施する場合にも良好なコントラストが得られる為、マスク合わせ精度が向上する。
さらに、アライメントマーク11を覆う透過膜の影響を受けにくいため、化学機械研磨(CMP)後等における透過膜の段差測定、及び膜厚測定等における初期アライメントに好適であり、例えば、単位測定あたりの所要時間を大幅に短縮することができる。同様に、例えば、プローバー測定におけるサーチ時間の短縮やサーチエラーを防止することで、生産性が向上する。
(アライメントマーク11の形状による作用効果)
前述のように、周期構造が形成されたマーク本体領域15とベース領域17との境界線21には、半導体チップ3の四辺27と交差する方向、つまり、四辺27に対して傾斜した直線23a,bが含まれている(図2参照)。半導体チップ3には、例えば、四辺27と平行にCMOS素子や配線等が形成されるなど、ほとんど四辺27のいずれかと平行な直線部分で構成されている。このため、四辺27に対して傾斜した直線23a,bは、周辺パターンとの差異が明確であり、画像認識が容易となる。その結果、画像認識精度が向上し、例えば、アライメント時のサーチ時間を短縮したり、誤認識の発生を抑制したりすることができる。なお、四辺27に対する傾斜角度(交差角度)が、45度付近(40度〜50度)である場合に、特に周辺パターンとの差異が明確になる。
さらに、直線23a,bどうしが交差しており、アライメントマーク11は2つの三角形が互いの頂点を突き合わせた形状とされている。そのため、直線23a,bの交点の位置を基準とすれば、その位置を精度よく検出することができ、アライメントの精度を向上させることができる。
<その他>
(1)画像認識精度試験結果に基づけば、各溝31(条33)および各隔壁35の幅は0.5μm以下であることが望ましい。また、各溝31(条33)と各隔壁35との少なくとも一方の幅を0.21μm以下、0.1μm以下にすると、画像認識精度をさらに向上させることができる。一方、各溝31(条33)および各隔壁35の幅を10nm以上、50nm以上と大きくすることで、周期構造の形成が容易になる。さらに、撮像対象となる光が可視光である場合は、各溝31(条33)および各隔壁35の幅が0.1μm以上であっても、マーク本体領域15の輝度を十分に低くすることができる。
本実施形態において、撮像素子によって検出される可視光の最大波長は0.75μmであるため、各溝31および各隔壁35の幅を、可視光の最大波長以下の寸法にすることにより、画像認識精度を良好にすることができると考えられる。それは、光の波長と同程度の周期構造により、反射率を低下させることができると考えられるからである。
また、周期構造をより微細にすることで反射率をさらに低下させると考えられる。したがって、各溝31(条33)と各隔壁35との少なくとも一方の幅を、可視光の最小波長(0.4μm)以下にすることにより、画像認識精度をさらに向上させることができると考えられる。さらに、各溝31(条33)および各隔壁35との少なくとも一方の幅を、可視光の最小波長(0.4μm)の半分(0.2μm)以下にすることにより、画像認識精度をさらに向上させることができると考えられる。
なお、各溝31(条33)と各隔壁35とのうち、光透過性の部分の幅を小さくすることが望ましい。また、周期構造の厚さ(溝31、条33、各隔壁35の高さ)は、撮像対象となる光の波長の4分の1以上であることが望ましい。例えば、撮像対象が可視光である場合は、0.1μm(光の最小波長の4分の1)以上であることが望ましい。
この項に記載した事項は、後述する他の実施形態に適用することができる。
(2)周期構造の溝31(条33)の面積率を60%以下(溝31の幅Wを隔壁35の幅Vの1.5倍以下)にすることで、光の反射を抑制して良好なコントラストを得ることができる。また、面積率が50% 以下であれば、さらに反射を抑制することができる。一方、溝31の面積率が過小でないことが望ましく、例えば面積率が30%以上であれば、良好なコントラストを得ることができる。
[第2の実施形態]
前記実施形態において、トレンチ型素子分離の形成と同時にアライメントマーク11が形成されていたが、ゲート電極形成工程と同時にアライメントマークを形成することもできる。本実施形態において、アライメントマークの形状(詳細には、マーク本体領域15の形状)は第1の実施形態のものと同じである。
<アライメントマークの製造方法>
以下に、ゲート電極形成工程と同時進行するアライメントマークの形成方法について説明する。なお、ゲート電極形成工程は、例えば、前述のトレンチ型素子分離の形成工程の(f)の後、イオン注入や絶縁膜45の除去等がなされた後に行われるものとする。
(a)半導体ウエハ101上に、ゲート酸化膜103を形成する。この工程において、マーク形成領域13にもゲート酸化膜103が形成される。
(b)ゲート酸化膜103上に、ゲート電極材料として例えばポリシリコン膜105を堆積させる。この工程において、マーク形成領域13のゲート酸化膜103上にポリシリコン膜105が例えば120nm堆積させられる(図14)。
(c)リソグラフィおよびドライエッチングによってゲート電極を形成する。その際、半導体ウエハ1上に前記アライメントマーク11が形成されていた場合は、それを用いてアライメントが行われる。その結果、ゲート電極と、それの下層に形成されたトレンチ型素子分離域との位置関係が調整され、精度良く重ね合わせを実施することができる。
この電極形成工程において、マーク本体領域15においてポリシリコン膜105がストライプ状に削られて、平面視ライン状の溝111が複数並列に形成される(図15)。その結果、複数の溝111の間に、それらを隔てる複数の隔壁113(ポリシリコン製)が立設される。各溝111および各隔壁113は、断面形状が四角形とされている。
各溝111の幅Wおよび各隔壁113の幅Vは、前記実施形態と同様な値(例えば、0.5μm以下)にすることが望ましい。
<作用効果>
上記製造方法によって形成されたアライメントマークは、例えば、上記(c)の工程の後、CMOS素子にN型領域やP型領域を形成するためのイオン注入用のパターンをレジスト膜に露光する前に行われるアライメントに用いられる。上記製造方法によって形成されたアライメントマークによっても、前記実施形態と同様に画像認識精度の向上が図れる。
<その他>
(1) 隔壁113の材料は、ゲート電極材料たるポリシリコンであったが、例えば、ハフニウム、チタン、ランタン、それらの酸化物、またはそれらの化合物であってもよい。
(2) 本実施形態において、複数の溝111に満たされる部分が、前記「平面視ライン状の複数の第1部分」を構成し、複数の隔壁113が前記「第2部分」を構成している。また、複数の溝111に満たされる部分は、例えば、アライメント時の雰囲気ガス、レジスト膜、絶縁膜等とされる。なお、複数の隔壁113が、前記「平面視ライン状の複数の第1部分」を構成し、複数の溝111に満たされる部分が前記「第2部分」を構成していると考えることもできる。
[第3の実施形態]
前記実施形態において、トレンチ型素子分離、ゲート電極の形成と同時にアライメントマークが形成されていたが、コンタクトプラグ形成工程と同時にアライメントマークを形成することもできる。
<アライメントマークの製造方法>
以下に、コンタクトプラグ形成工程と同時進行するアライメントマークの形成方法について説明する。なお、コンタクトプラグ形成工程は、例えば、前述のゲート電極形成工程の(c)の後、イオン注入等がなされた後に行われる。
(a)半導体ウエハ129上に、例えばLPCVD(減圧化学気相成長法)によってシリコン窒化膜131と、層間絶縁膜133としてNSG膜をSACVD(準大気圧化学気相成長法)によって堆積させる。この工程において、マーク形成領域13にもシリコン窒化膜131(例えば30nm)と層間絶縁膜133(例えば430nm)とが堆積させられる(図16参照)。なお、シリコン窒化膜131をプラズマCVD法によって堆積させることもできる。
(b)層間絶縁膜133表面に対して化学機械研磨を実施する。この工程において、マーク形成領域13の層間絶縁膜133も研磨され、膜厚が例えば230nmに調整される(図16)。
(c)ゲートやソース・ドレインとコンタクトを取るためのコンタクトホールを、リソグラフィ及びドライエッチングで形成する。この工程において、マーク本体領域15にマトリクス状に配列された複数の穴135が形成される(図17、図18参照)。なお、図18において、一点鎖線で示す直線Mは、境界線21を構成する直線23a,bのいずれかと重なるものとする。また、図17はマーク形成領域13の一部を、直線Mに直交する断面で切断した図である。
各穴135の直径Rは、層間絶縁膜133の表面位置において、約0.2μmとされる。また、配列方向において互いに隣り合う穴135の離間距離Dは約0.2μmにされる。また、各穴135の深さは、シリコン窒化膜131と層間絶縁膜133とを貫通する深さ(この例では230nm)とされる。
(d)コンタクトホールを含む層間絶縁膜133表面に、導電膜として、例えばタングステン220を堆積させる。この工程において、マーク本体領域15の層間絶縁膜133上に、例えば250nmのタングステン137が堆積させられる(図19)。
なお、図示を省略するが、タングステン220の堆積前に、コンタクトホール等に窒化チタン(TiN)の薄膜が形成されている。
(e)化学機械研磨を行い、層間絶縁膜133上に堆積したタングステン膜を除去し、タングステンプラグを形成する。この研磨工程において、絶縁膜133がストッパーとなり、タングステン膜が絶縁膜133の表面と同じ高さになるまで研磨される。
この工程において、マーク本体領域15の層間絶縁膜133上に堆積させられたタングステン137が除去される。その結果、各穴135に、柱状の突起である柱状突起139が形成される(図20)。本実施形態において、各柱状突起139は円柱状とされている。
なお、この研磨工程において、絶縁膜133をある程度(20〜100nm)削る場合がある。その場合には、予め上記穴135の深さを、研磨による減少量(20〜100nm)を加算した値にすることが好ましい。
<作用効果>
上記製造方法によって形成されたアライメントマークは、例えば、上記(e)の工程の後、各コンタクトプラグ上に堆積させられた配線間絶縁膜に、配線パターンを形成するための露光の前に行われるアライメントに用いられる。上記製造方法によって形成されたアライメントマークによっても、前記第1の実施形態と同様に、画像認識精度の向上が図れる。
<その他>
(1)柱状突起139は円柱状に限らず、角柱状とすることもできる。その底面形状は、層間絶縁膜133の表面位置において、短手方向の幅が0.5μm以下であることが望ましい。例えば、底面形状が矩形である場合、短辺の長さが0.5μm以下であることが望ましい。また、柱状突起139は、層間絶縁膜133の表面側と半導体ウエハ側とで寸法が異なるものであってもよい。
(2)本実施形態において、複数の柱状突起139が、直線Mに平行な方向と、垂直な方向との2つの方向において、離間距離が0.5μm以下になるように配列させられている。それら複数の柱状突起139を、直線Mに平行な方向と、直線Mと90度以外の角度(例えば60度)で交差する方向とに配列させること等、他の配列とすることができる。
なお、直線Mに平行な方向と、垂直な方向との2つの方向は、いずれも前記「幅方向」の一例である。
(3)また、光の反射を抑える為、マーク本体領域15において、複数の柱状突起139以外の領域である透光性の領域が占める面積率は90%以下が望ましい。また、透光性の領域が占める面積率が88% 以下であれば、さらに良好なコントラストが得られる。一方、透光性の領域が80%以上であれば、周期構造の形成が容易になる。
(4)柱状突起139の材料はコンタクトプラグ材料たるタングステンとしたが、例えば、窒化チタン、チタン、ポリシリコン、アモルファスシリコン、銅等の導体としてもよい。
(5)本実施形態において、複数の柱状突起139が、前記「平面視ドット状を成す複数の第1部分」を構成している。また、複数の柱状突起139間の層間絶縁膜133が、前記「第2部分」を構成している。
(6)本実施形態において、金属製の各柱状突起139(穴135)の直径Rは、第1実施形態の隔壁(半導体製)の幅Vと同じ値にすることができ、互いに隣合う穴135(柱状突起139)間の離間距離Dは、第1実施形態の溝(条)の幅Wと同じ値にすることができる。
(7)複数の柱状突起139を透過性の材料(絶縁材料等)で構成し、第2部分を金属等で構成することができる。その場合は、(c)の工程で、各穴135の代わりに、絶縁膜材料で構成された複数の柱状突起を形成し、それらの間にタングステンを堆積させることができる。
[第4の実施形態]
前記実施形態において、トレンチ型素子分離、ゲート電極の形成等と同時にアライメントマークが形成されていたが、配線形成工程と同時にアライメントマークを形成することもできる。
<アライメントマークの製造方法>
以下に、ダマシンプロセスによる配線形成工程と同時進行するアライメントマークの形成方法について説明する。なお、配線形成工程は、例えば、前述のコンタクトプラグ形成工程の(e)の後に行われる。
(a)半導体ウエハ161上に既に層間絶縁膜133が堆積させられており、その層間絶縁膜133上に、例えば配線間絶縁膜163としてNSG膜をSACVD(準大気圧化学気相成長法)によって堆積させる。この工程において、マーク形成領域13において、層間絶縁膜133上にも配線間絶縁膜163が堆積させられる。
(b)配線間絶縁膜163に配線を埋込むための配線パターンを、リソグラフィ及びドライエッチングで形成する。
この工程において、マーク本体領域15の配線間絶縁膜163に平面視ライン状の溝165が複数並列に形成される(図21、図3参照)。各溝165は、断面形状が四角形で、マーク本体領域15の表面において幅Wが約0.2μmとされ、ライン幅方向に約0.4μmの間隔で並べられている。複数の溝165の間には、それらを隔てる複数の隔壁167(絶縁膜製)が立設される。
(c)配線間絶縁膜163の配線パターンに、配線材料として、例えば銅を堆積させる。この工程において、マーク本体領域15の配線間絶縁膜163の各溝165に、銅が堆積させられる。
(d)化学機械研磨を行い、配線間絶縁膜163上に堆積した銅の膜を除去し、配線間絶縁膜163に銅の配線を形成する。
この工程において、マーク本体領域15(およびベース領域17)の配線間絶縁膜163上に堆積させられた銅が化学機械研磨によって除去される。その結果、各溝165の中に、平面視ライン状の銅製の条169が形成される(図22)。
<作用効果>
上記製造方法によって形成されたアライメントマークは、例えば、上記(d)の工程の後、配線の上に多層配線を形成するために堆積させられた配線間絶縁膜に、さらに配線やビアホールを形成するための露光の前に行われるアライメントに用いられる。上記製造方法によって形成されたアライメントマークによっても、前記第1の実施形態と同様に、画像認識精度の向上が図れる。
<その他>
(1)本実施形態において各溝165には金属たる銅が充填され、銅製の条169が形成されており、各溝165(条169)の幅を、第1実施形態の半導体によって形成された隔壁の幅Vと等しくすることができる。また、本実施形態において各隔壁167は光透過性の配線間絶縁膜163を構成材料としており、各隔壁167の幅を、第1実施形態の光透過性の絶縁膜45を構成材料とする条33の幅(溝31の幅)Wと等しくすることができる。
(2)マーク本体領域15の隔壁167の面積率を60%以下(隔壁167の幅を溝165の幅の1.5倍以下)にすることで、光の反射を抑制して良好なコントラストを得ることができる。また、50% 以下であれば、さらに反射を抑制することができる。一方、隔壁167の面積率が過小でないことが望ましく、例えば面積率が30%以上であれば、良好なコントラストを得ることができる。
(3)本実施形態において、配線材料を銅としたが、例えば、アルミニウム、銅アルミ化合物としてもよい。
(4)本実施形態において、複数の条169が前記「平面視ライン状の複数の第1部分」を構成し、複数の隔壁167が前記「第2部分」を構成している。
[変形例]
(1)前記第1〜第4の実施形態の4種類のアライメントマークのうち、2つ以上のものを重ね、積層して形成することにより、さらに反射光を減少させ、コントラストをさらに向上させることができる。また、アライメントマーク11が形成された場所と別の場所に本実施形態のアライメントマークを形成する場合と比較して、アライメントマークの形成に必要な半導体ウエハ(あるいは半導体基板)上の領域の増加を防止することができる。
なお、アライメントマークを重ねて形成するとは、具体的には、いずれかの実施形態のアライメントマークのマーク本体領域15に形成された周期構造の層上に、別の実施形態の周期構造の層を重ねて形成することである。なお、2つの周期構造の層の間に、例えば、絶縁膜等の透過膜の層が挟まれていてもよい。
(2)前記全ての実施形態において、マーク本体領域15に周期構造が形成されていた。それに対し、ベース領域17に周期構造を形成し、マーク本体領域15に周期構造を形成しないようにすることができる。
なお、マーク本体領域15とベース領域17とのいずれに周期構造を形成するかは、例えば、アライメントマーク11の周囲の輝度に応じて画像認識精度がよくなる方を選択することができる。
(3)前記ベース領域17は、例えば、熱酸化膜41、及びシリコン窒化膜43で覆われていたが、それらをウェットエッチング等により除去し、反射率の高い半導体ウエハ1を表面露出させることで、よりコントラストを高めることができる。
また、ベース領域17に、例えば、タングステン、銅、ニッケル化合物、ポリシリコン、その他の反射率の高い導電膜(金属と半導体との少なくとも一方によって構成される膜)を堆積させ、さらにコントラストを向上させてもよい。
(4)前記第1〜第4の実施形態において、アライメントマークが半導体チップ3に形成されていたが、半導体チップ3以外の部分、例えば、スクライブレーン5に形成することもできる。
アライメントマークを半導体チップ3に形成した場合、例えば、半導体チップ3のマウント工程やボンディング工程において、アライメントマークを用いてアライメントを行うことができる。一方、アライメントマークをスクライブレーン5に形成した場合、半導体チップ3上のアライメントマークを形成する領域を省くことができ、半導体チップ3上の領域を有効に活用することができる。
(5)前記第1、第2、第4の実施形態において、マーク本体領域15には、ストライプ状の周期構造が形成されていた。それらを、平面視ドット状の複数の第1部分が二次元配列された周期構造(平面視格子状の周期構造と称することもできる)を形成することもできる(図23)。
この図において、複数の第1部分として、角柱状の複数の柱状突起181がマトリクス状に二次元配列されている。つまり、配列方向は、直線Mに平行な方向と、直角な方向である。なお、配列方向は、直線Mと交差する方向(例えば45度で交差等)にすることもできる。
また、複数の柱状突起181以外の部分に格子部183(第2部分)が形成されている。この周期構造において、各柱状突起181と格子部183との一方を、金属と半導体との少なくとも一方からなる部分とし、他方を光透過性の部分とすることができる。
各柱状突起181の幅Sa,bと、柱状突起181の離間距離Ta,bとは、第1実施形態の溝(条)幅W、隔壁幅Vと同じ値にすることができる。なお、柱状突起181が金属等で構成されている場合は、柱状突起181の幅Sを第1実施形態の隔壁幅Vと同じ値にし、柱状突起181の離間距離Tを第1実施形態の溝(条)幅Wと同じ値にすることができる。柱状突起181が光透過性の部分とされている場合は、上記と逆にすることができる。
なお、格子部183は、縦方向および横方向の平面視ライン状の複数の条187a,bが、交差して配列されたものとみなすことができる。
格子部183を金属等で構成した場合、横方向(半導体ウエハ1の表面と平行な方向)へ進む光の進路を遮断することでコントラストをさらに向上させることができると考えられる。
(6)前記第3の実施形態においても、マーク本体領域15には、平面視ドット状の第1部分が配列された周期構造が形成されていたが、平面視ライン状の複数の第1部分(条、溝等)が配列された周期構造(平面視ストライプ状の周期構造)を形成することができる。周期構造をストライプ状にすることにより、周期構造の形成が容易になる。なお、本実施形態において、タングステン(金属)の条が形成されることから、溝(条)幅を第1実施形態の隔壁幅Vと同じ値とし、隔壁幅を第1実施形態の溝(条)幅Wと同じ値とすることができる。
(7)アライメント時に撮像対象となる光の波長が可視光以外であっても、例えば、周期構造の溝(条)や隔壁の幅を撮像対象となる光の波長以下にすることにより、光の反射を抑制し、良好なコントラストを得ることができる。
(8)前述のように、周期構造の厚さ(溝31、条33、各隔壁35の高さ)は、撮像対象となる光の波長の4分の1以上であることが望ましいが、光の波長の2分の1以上であることがさらに望ましい。例えば、撮像対象が可視光である場合は、周期構造の厚さが0.2μm(光の最小波長の2分の1)以上であれば光の反射抑制がより良好になる。一方、周期構造の厚さが0.6μm以下であれば、周期構造の形成が容易である。
本発明の半導体装置および半導体装置の製造方法は、半導体装置の製造時の画像認識によるアライメントの精度を向上させるために利用できる。
1:半導体ウエハ
3:半導体チップ
11:アライメントマーク
13:マーク形成領域
15:マーク本体領域
17:ベース領域
21:境界線
27:四辺(半導体チップ)
31:溝
33:条
35:隔壁
51:アライメントマーク
53:マーク本体領域
57:ベース領域
81:半導体ウエハ
103:ゲート酸化膜
111:溝
113:隔壁
129:半導体ウエハ
135:穴
137:タングステン
139:柱状突起
161:半導体ウエハ
163:配線間絶縁膜
165:溝
167:隔壁
169:条

Claims (17)

  1. 半導体基板と、当該半導体基板上に形成されたアライメントマークと、そのアライメントマークの周囲の領域である周辺領域とを含む半導体装置であって、
    前記アライメントマークと前記周辺領域との一方に周期構造が形成され、他方に周期構造が形成されておらず、
    前記周期構造が、
    各々の幅が可視光の最大波長以下にされ、かつ、互いに隣合うものが可視光の最大波長以下の距離を隔てて幅方向に配列された複数の第1部分と、前記隣合う第1部分の間に存する第2部分とによって構成されるとともに、前記複数の第1部分と前記第2部分との一方が導体と半導体との少なくとも一方からなる部分とされ、前記複数の第1部分と前記第2部分との他方が光透過性を有する部分とされたことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記周期構造が、前記幅方向において、前記複数の第1部分の幅と前記隣合う第1部分の離間距離との少なくとも一方が0.5μm以下にされたものである請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記複数の第1部分の各々が、平面視ライン状を成し、
    前記周期構造が、前記複数の第1部分がライン幅方向に並べられたものである請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記複数の第1部分の各々が、平面視ドット状を成し、
    前記周期構造が、前記複数の第1部分が二次元配列されたものである請求項1または2に記載の半導体装置。
  5. 前記アライメントマークと前記周辺領域との前記一方に、前記周期構造が設けられた層が複数積層された請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記アライメントマークと前記周辺領域との前記一方が、互いに交差する2つの直線によって部分的に区画された4つの領域のうちの対向する2つの領域を含み、前記アライメントマークと前記周辺領域との前記他方が、前記4つの領域のうちの残余の対向する2つの領域を含む請求項1〜5の何れか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記2つの直線の少なくとも一方が、前記半導体装置の四辺に対して傾斜させられたものである請求項6に記載の半導体装置。
  8. 半導体ウエハ上にアライメントマークを形成するマーク形成工程を含む半導体装置の製造方法であって、
    前記マーク形成工程が、
    前記アライメントマーク形状を成す半導体ウエハ上の領域であるマーク本体領域およびそのマーク本体領域の周囲の領域である周辺領域に、導体と半導体との少なくとも一方からなる導電膜と、光透過性の透過膜との一方を準備する準備工程と、
    前記マーク本体領域と前記周辺領域との一方における前記準備された膜に、各々の幅が可視光の最大波長以下にされ、かつ、互いに隣合うものが可視光の最大波長以下の距離を隔てて幅方向に配列された複数の空隙を形成する空隙形成工程と、
    前記マーク本体領域と前記周辺領域との前記一方に前記複数の空隙が形成され、他方に前記複数の空隙が形成されていない状態で、前記複数の空隙上に前記導電膜と前記透過膜との他方を堆積させる堆積工程と
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 前記空隙形成工程が、前記幅方向において、前記複数の空隙の幅と前記互いに隣り合う空隙の離間距離との少なくとも一方が0.5μm以下にされた請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記空隙形成工程が、前記複数の空隙として、平面視ライン状を成す複数の溝をライン幅方向に並べて形成するものである請求項8又は9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記空隙形成工程が、前記複数の空隙として、平面視ドット状を成す二次元配列された複数の穴を形成するものである請求項8又は9に記載の半導体装置の製造方法。
  12. さらに、前記マーク本体領域と前記周辺領域との前記一方に前記マーク形成工程を複数回行うものである請求項8〜11の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記準備工程が、前記半導体ウエハを所定の位置に位置させる工程、または、所定の位置に位置させられた前記半導体ウエハ上に前記導電膜と前記透過膜との前記一方を堆積させる工程とされた請求項8〜12の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記堆積工程が、
    前記準備された膜の前記複数の空隙に前記導電膜と前記透過膜との前記他方を堆積させる工程と、
    前記準備された膜上に堆積した前記導電膜と前記透過膜との前記他方を除去する工程と
    を含む請求項8〜13の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記マーク本体領域と前記周辺領域との前記一方が、互いに交差する2つの直線によって部分的に区画された4つの領域のうちの対向する2つの領域を含み、前記マーク本体領域と前記周辺領域との前記他方が、前記4つの領域のうちの残余の対向する2つの領域を含む請求項8〜14の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記2つの直線の少なくとも一方が、前記半導体装置の四辺に対して傾斜させられたものである請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
  17. さらに、前記アライメントマークを用いて前記半導体ウエハと前記半導体装置との少なくとも一方の位置合わせを行うアライメント工程を含む請求項8〜16の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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