JP2010287546A - バックライトユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】形状の異なる複数の凸状の畝部等の組を繰り返し表面に配列形成した第1の光学シート1に第2の光学シート2を重畳させて用いることにより、CCFL3の配置に依存せず複数のCCFL3の光源間距離Dを広げることもできるバックライトユニットを提供する。
【解決手段】光学シート1,2を重畳させた背後に、所定の光源間距離の間隔で複数のCCFL3を配置した直下ライト方式のバックライトユニットにおいて、第1の光学シート1が、透光性シートにおけるCCFL3からの光が出射する側の表面に、このCCFL3の長尺方向に沿った凸状の畝部等を多数配列形成したものであり、かつ、各CCFL3に対応する領域内のこれら畝部等が、相互に形状の異なる複数の畝部等の配列の組をさらに繰り返し配列したものからなる構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】光学シート1,2を重畳させた背後に、所定の光源間距離の間隔で複数のCCFL3を配置した直下ライト方式のバックライトユニットにおいて、第1の光学シート1が、透光性シートにおけるCCFL3からの光が出射する側の表面に、このCCFL3の長尺方向に沿った凸状の畝部等を多数配列形成したものであり、かつ、各CCFL3に対応する領域内のこれら畝部等が、相互に形状の異なる複数の畝部等の配列の組をさらに繰り返し配列したものからなる構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、透光性シートの少なくとも出射側の表面に凸状の畝部又は凹状の溝部が多数配列形成された光学シートを用いた液晶ディスプレイ等のバックライトユニットに関するものである。
テレビ受像機やパーソナルコンピュータ等に用いられる液晶ディスプレイのバックライトは、液晶パネルの背後に直管形のCCFL(冷陰極管)等からなる線光源を所定の間隔をあけて複数本配置した直下ライト方式と、液晶パネルの背後に導光板を配置し、この導光板の側方に線光源を配置したエッジライト方式等がある。
従来の直下ライト方式のバックライトユニットは、線光源と液晶パネルとの間に、光拡散シート等と共に、平凸型リニアフレネルレンズ状の光学シートを配置する場合があった(例えば、特許文献1参照。)。平凸型リニアフレネルレンズ状の光学シートを用いると、平凸型シリンドリカルレンズを配置した場合と同様に、線光源から放射状に出射される光を集光して平行光として液晶パネルに導くことができる。しかも、この光学シートは、平凸型シリンドリカルレンズよりもレンズ厚を薄くできるので、バックライトユニットの大幅な軽量小型化とコストダウンを図ることができる。
また、上記光学シートに代えて、透光性シートの表面に、線光源からの距離(線光源の長尺方向に直交し、かつ、シート面方向に沿った方向の距離)が遠いほど底角が大きい凹状三角形の溝部(凸状三角形の畝部)を多数配列形成した光学シートを用いる場合もあった(例えば、特許文献2参照。)。この光学シートを用いた場合も、線光源からの距離が遠くなり光が斜めに入射するほど、溝部での屈折が大きくなるので、出射する光を正面向きの平行光に近づけて液晶パネルに導くことができる。
さらに、直下ライト方式やエッジライト方式のバックライトユニットでは、透光性シートの表面に円錐形やピラミッド形(四角錐形)の凸部を縦横に多数配列形成した光学シート(マイクロレンズ付き光拡散シート)を用いる場合もあった(例えば、特許文献3参照。)。この光学シートを用いると、直下ライト方式の線光源から入射した光や、エッジライト方式の導光板を介して入射した光をできるだけ正面向きに変えて出射し液晶パネルに導くことができる。
ところが、前記円錐形等の凸部を縦横に配列形成した光学シート(特許文献3)は、本来様々な方向の成分を有する散乱光を正面を向く方向成分の多い光に変えて出射することにより正面輝度を高める働きをするものである。従って、図23に示すように、このような光学シート6を直下ライト方式のバックライトユニットに用いた場合、CCFL3の真上の位置E0では光学シート6の上面のプリズム状の凸部での全反射が多くなり、左右方向にある程度離れた位置E1では上向き成分の多い光が出射するものの、さらに左右方向に離れた位置E2ではこれら左方向や右方向に出射光が傾斜することになるので、CCFL3の配置位置に応じた大きな輝度ムラが発生するという問題があった。
これに対して、図24に示すように、直下ライト方式のバックライトユニットに前記平凸型リニアフレネルレンズ状の光学シート7(特許文献1)や底角が変化する凹状三角形の溝部等を配列形成した光学シート8(特許文献2)を用いた場合には、CCFL3からの距離が遠くなるほど光学シート7,8の上面での屈折角が大きくなるので、このCCFL3からの距離にかかわらず、上向きの光を出射することができる。
しかしながら、これらの光学シート7,8は、上面の凹凸パターンに対応して下方のCCFL3の配置位置が決まっているので、図25に示すように、このCCFL3が光学シート7,8の中央位置Cよりも左右方向にずれると、出射光が上向きにはならず傾斜する。このため、従来は、光学シート7,8の裁断位置にずれが生じないようにしたり、CCFL3の取り付け位置にずれが生じないようにする精密な作業が要求されるだけでなく、CCFL3の本数を増減する等の設計変更に対応できないという問題があった。
さらに、上記光学シート6〜8は、いずれもCCFL3の配置間隔、即ち光源間距離が広くなると均斉度が極端に低下するために、バックライトユニットに使用するCCFL3の本数を減らしてコストダウンや省電力化を図ることができないという問題もあった。
本発明は、形状の異なる複数の凸状の畝部等の組を繰り返し表面に配列形成した第1の光学シートに構成の異なる光学シートを重畳させて用いることにより、線光源の配置に依存せず複数の線光源の光源間距離を広げることもできるバックライトユニットを提供しようとするものである。
請求項1の発明は、光学シートを2枚以上重畳させた背後に、シート面方向に沿って所定の光源間距離の間隔で複数の線光源を配置した直下ライト方式のバックライトユニットにおいて、2枚以上のうちの第1の光学シートが、透光性シートにおける線光源からの光が出射する側の表面に、この線光源の長尺方向に沿った凸状の畝部又は凹状の溝部を多数配列形成したものであり、かつ、各線光源に対応する領域内のこれら畝部又は溝部が、相互に形状の異なる複数の畝部又は溝部の配列の組をさらに繰り返し配列したものからなることを特徴とする。
請求項2の発明は、前記光学シートが2枚を重畳させたものであり、この2枚のうちの第2の光学シートが前記第1の光学シートとは構成が異なるものであって、透過光を拡散して出射する光拡散シートであり、前記複数の線光源の光源間距離が50mm以上、70mm以下であることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記第2の光学シートがマイクロレンズ付き光拡散シート又はプリズムシートであることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記光学シートが3枚以上を重畳させたものであり、この3枚以上のうちの、前記第1の光学シートを除いた他の光学シートがそれぞれ前記第1の光学シートとは構成の異なるものであり、これら他の光学シートの全部又は一部がそれぞれ透過光を拡散して出射する光拡散シートであり、前記複数の線光源の光源間距離が50mm以上、80mm以下であることを特徴とする。
請求項5の発明は、前記他の光学シートにおける光拡散シートの全部又は一部がそれぞれマイクロレンズ付き光拡散シート又はプリズムシートであることを特徴とする。
請求項6の発明は、前記他の光学シートにおける光拡散シート以外のものの全部又は一部がそれぞれ偏光分離シートであることを特徴とする。
請求項7の発明は、前記第1の光学シートにおける複数の畝部又は溝部の配列の組において、形状の異なる畝部又は溝部の配列の順序が組ごとに相違している場合があることを特徴とする。
請求項8の発明は、前記第1の光学シートにおける各畝部又は溝部の形状が、配列方向に直交する面を中心に左右対称形であることを特徴とする。
請求項9の発明は、前記第1の光学シートにおける複数の畝部又は溝部の配列の各組において、形状の異なる畝部の畝幅又は溝部の溝幅がそれぞれ異なっていることを特徴とする。
請求項10の発明は、前記第1の光学シートにおける各畝部の畝長又は溝部の溝長方向に直交する縦断面形状が、底辺の両内角がそれぞれ90°未満の三角形状であることを特徴とする。
請求項11の発明は、前記第1の光学シートにおける各畝部の畝長又は溝部の溝長方向に直交する縦断面形状が二等辺三角形であり、この第1の光学シートにおける複数の畝部又は溝部の配列の各組において、各畝部又は溝部の形状の相違が、この二等辺三角形の底角の相違であることを特徴とする。
請求項12の発明は、前記第1の光学シートにおける複数の畝部又は溝部の配列の各組において、形状の異なる各畝部又は溝部が、これら畝部の畝長又は溝部の溝長方向に直交する縦断面形状の三角形の底辺の両内角の和が大きいものほど、これら畝部の畝幅又は溝部の溝幅が広いものであることを特徴とする。
請求項13の発明は、前記第1の光学シートにおける各畝部の畝長又は溝部の溝長方向に直交する縦断面形状が、底辺の両内角がそれぞれ90°以下の四角以上の多角形、又は、半円弧以下の円弧形状であることを特徴とする。
請求項14の発明は、前記第1の光学シートにおける複数の畝部又は溝部の配列の各組に2以上、10以下の畝部又は溝部が配列されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、第1の光学シートの表面に、形状の異なる複数の凸状の畝部や凹状の溝部の組が繰り返し配列形成されるので、線光源からの距離(線光源の長尺方向に直交し、かつ、シート面方向に沿った方向の距離)が相違しても、各組のいずれかの畝部や溝部から出射する光がある程度正面側を向くようになり、この線光源からの距離に応じた輝度ムラをなくすことができる。また、各組にはそれぞれ同じ形状の畝部や溝部が存在するので、線光源の配置位置(線光源の長尺方向に直交し、かつ、シート面方向に沿った方向の配置位置)も任意となり、この線光源の位置ずれの影響がなくなるだけでなく、この線光源の本数の増減等の設計変更にも容易に対応することができるようになる。
さらに、このような第1の光学シートに、1枚以上の他の光学シートを重畳させることにより、複数の線光源の光源間距離を従来以上に広げても高い均斉度を得ることができるので、バックライトユニットに使用する線光源の本数を減らしてコストダウンや省電力化を図ることができる。
請求項2の発明によれば、第1の光学シートに加えて、他の構成の光拡散シートである第2の光学シートを重畳させることにより、複数の線光源の光源間距離を従来よりも広い50mm以上、70mm以下に広げても高い均斉度を得ることができる。
請求項3の発明によれば、第2の光学シートをマイクロレンズ付き光拡散シート又はプリズムシートとすることにより、第1の光学シートと第2の光学シートがそれぞれの欠点を補い合って、より高い均斉度を得ることができる。
請求項4の発明によれば、第1の光学シートに加えて、他の構成の2枚以上の他の光学シート(少なくとも1枚は光拡散シート)を重畳させることにより、複数の線光源の光源間距離を従来よりも広い50mm以上、80mm以下に広げても高い均斉度を得ることができる。
請求項5の発明によれば、他の光学シートにマイクロレンズ付き光拡散シート又はプリズムシートを含むようにすることにより、第1の光学シートと他の光学シートがそれぞれの欠点を補い合って、より高い均斉度を得ることができる。
請求項6の発明によれば、他の光学シートの一部に偏光分離シートを含むようにすることにより、バックライトユニットを液晶ディスプレイに用いた場合に、この液晶ディスプレイの輝度を高めることができるようになる。
請求項7の発明によれば、第1の光学シートは、各組に同じ形状の畝部や溝部が存在すればよく、これら畝部や溝部の配列の順序は任意であるから、この配列順序が相違している場合があっても本発明の効果に影響は生じない。
請求項8の発明によれば、第1の光学シートは、各畝部や溝部の形状が左右対称であるため、線光源の左右いずれの側であるかに応じた輝度ムラが発生するのを防止することができる。また、複数の線光源の間では、左右双方の線光源からの光を有効に利用することができるようになる。
請求項9の発明によれば、第1の光学シートは、畝部又は溝部の形状に応じて畝幅又は溝幅の広狭を調整できる。ここで、畝幅又は溝幅が広ければ、線光源からの光をより多くその畝部又は溝部に取り込むことができる。従って、畝幅又は溝幅が全て等しいとすると、各畝部又は溝部の形状によっては入射光の利用率(畝部又は溝部における、全入射光に対する、ある程度正面側を向いて出射する光の割合)に相違がある場合に、この畝幅又は溝幅を調整することにより、入射光の利用率をできるだけ均一にすることが可能となる。
なお、ここで、畝幅又は溝幅とは、第1の光学シートのシート面(畝部又は溝部を均して平均化した平坦面に平行な面であり、下面がフラットな場合はこの下面に平行な面)に沿った、畝部又は溝部の配列方向(第1の光学シートのシート面上における畝長又は溝長に直交する方向)の長さをいう。
請求項10の発明によれば、第1の光学シートの畝部又は溝部が畝部の場合には三角柱状となり、溝部の場合には三角筒内面状となるので、この第1の光学シートに入射した光の多くを出射することができ、各組のいずれかの畝部や溝部で確実にある程度正面側を向いた光を出射することができるようになる。
なお、ここで、底辺とは、第1の光学シートの畝部又は溝部の両斜面を縦断面形状の両斜辺とした三角形における第1の光学シートのシート面に沿った仮想的な辺をいう。
請求項11の発明によれば、第1の光学シートは、各畝部や溝部の形状が左右対称であり、畝部の場合には三角柱状となり、溝部の場合には三角筒内面状となるので、線光源の左右いずれの側であるかに応じた輝度ムラが発生するのを防止するだけでなく、この第1の光学シートに入射した光の多くを出射することができ、各組のいずれかの畝部や溝部で確実にある程度正面側を向いた光を出射することができるようになる。
なお、ここで、二等辺三角形の底角とは、二等辺三角形の底辺の内角(両内角は等しい)のことである。
請求項12の発明によれば、第1の光学シートの各組の畝部又は溝部は、縦断面形状の三角形の頂角が小さく尖ったものほど畝幅又は溝幅が広くなるので、入射光を多く取り込むことができる。そして、頂角が小さく尖った畝部又は溝部ほど、入射光の利用率は低下するので、このような畝部又は溝部ほど入射光を多く取り込むようにすれば、頂角の異なる各畝部又は溝部における入射光の利用率を均一化することができるようになる。
請求項13の発明によれば、第1の光学シートの畝部又は溝部が畝部の場合には半多角柱状や半円柱状となり、溝部の場合には半多角筒内面状や半円筒内面状となるので、光学シートに入射した光の多くを出射することができ、各組のいずれかの畝部や溝部で確実にある程度正面側を向いた光を出射することができるようになる。
請求項14の発明によれば、第1の光学シートは、各組に2以上の形状の異なる畝部や溝部があるので、各組のいずれかの畝部や溝部から出射する光を確実にある程度正面側を向くようにすることができる。しかも、各組の畝部や溝部は10以下であるため、1組の畝部や溝部の範囲を十分に狭くすることができ、組ごとの輝度ムラを抑制することができる。
以下、本発明の最良の実施形態について図1〜図13を参照して説明する。なお、これらの図においても、図23〜図25に示した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
本実施形態は、図1に示すように、液晶ディスプレイにおける直下ライト方式のバックライトユニットについて説明する。このバックライトユニットは、2枚の光学シート1,2の下方(背後側)に、長手方向を前後方向に向けた直管型のCCFL3を複数本、間隔をあけて左右方向に平行に並べて配置したものである。これらのCCFL3は、一定の光源間距離Dの配置間隔で配置されている。
また、このバックライトユニットは、CCFL3の下方に、これらのCCFL3から下向きに出射された光を有効利用するための反射板4を配置している。そして、液晶パネル5は、このバックライトユニットにおける光学シート1,2の上方に配置される。
上記2枚の光学シート1,2は、第1の光学シート1と第2の光学シート2からなり、これらは隙間なく又は隙間をあけて上下に重畳させている。また、これらの光学シート1,2は、いずれも透明な樹脂シートからなる。そして、第2の光学シート2は、従来からのマイクロレンズ付き光拡散シート又はプリズムシートからなる。これらのマイクロレンズ付き光拡散シートやプリズムシートは、いずれも透過光を拡散して出射する光拡散シートである。ここで、マイクロレンズ付き光拡散シートは、透光性シートの表面に円錐形やピラミッド形(四角錐形)、半球状、凸レンズ等の凸部を縦横に多数配列形成した光学シートであり、プリズムシートは、透光性シートの表面に線光源の長尺方向に沿った同一形状の凸状の畝部又は凹状の溝部を多数配列形成した光学シートである。
第1の光学シート1は、図2に示すように、CCFL3からの光が入射する下面はフラット面となっている。また、CCFL3からの光が出射するこの第1の光学シート1の上面は、上下左右方向に沿う面での縦断面形状が二等辺三角形となる凸状であって、前後方向に長い畝部1a〜1cが左右方向に多数配列形成されている。しかも、これらの畝部1a〜1cは、各CCFL3に対応する第1の光学シート1の領域内において、二等辺三角形の底角が異なる複数の畝部1a〜1cを配列した組Sがさらに多数組繰り返し配列されるようになっている。
本実施形態の場合、第1の光学シート1の上面の1つの組Sは、図3に示すように、底角θ1が55°の畝部1aと、底角θ2が45°の畝部1bと、底角θ3が25°の畝部1cとの3種類の畝部1a〜1cを1つずつ右から左に並べて配列している。また、これらの畝部1a〜1cは、二等辺三角形の底辺に相当する部分の長さである畝幅Bが等しくなるようにしている。従って、これらの畝部1a〜1cは、最大の底角θ1を有する畝部1aの凸状が最も上方に突出して高く、最小の底角θ3を有する畝部1cの凸状が最も低くなり、中間の底角θ2を有する畝部1bの凸状は中間の高さとなる。
なお、本発明において1組として配列される畝部の数は、2以上、10以下が適当であり、より好ましくは3以上、5以下である。また、各CCFL3に対応する第1の光学シート1の領域内の組数は、図2では各畝部1a〜1cの凸状を拡大して見やすくするために9組示しているが、実際にはさらに多数の組を配列することが好ましい。
ここで、各CCFL3に対応する第1の光学シート1の領域とは、CCFL3が1本の場合には、第1の光学シート1の光学的有効部分の全領域をいい、CCFL3が複数本ある場合には、これらのCCFL3の丁度中央にある左右方向に直交する面で区切られた第1の光学シート1の光学的有効部分の各領域、即ち各CCFL3を中心に左右の幅が光源間距離Dとなる領域をいう。ただし、この第1の光学シート1の領域の境界に畝部1aの組の境界が正確に一致している必要はなく、組の左右の端の内側や畝部1aの左右の端の内側にこの第1の光学シート1の領域の境界があってもよい。従って、各CCFL3に対応する第1の光学シート1の領域内の組数も、必ずしも整数である必要はない。
このような構成の第1の光学シート1を用いれば、図2に示すCCFL3の真上の位置E0の付近では、図4(a)に示すように、このCCFL3からの光が底角の大きな畝部1aや畝部1bでは全反射することも多くなるが、底角が最小の畝部1cから出射する光はほぼ上向きとなる。また、第1の光学シート1におけるCCFL3の真上より少し左右方向に離れた位置E1の付近では、図4(b)に示すように、このCCFL3からの光が底角の最大の畝部1aと最小の畝部1cでは左右方向に傾斜するが、底角が中間の畝部1bから出射する光はほぼ上向きとなる。しかも、第1の光学シート1におけるさらに左右方向に遠く離れた位置E2の付近では、図4(c)に示すように、このCCFL3からの光が底角の小さい畝部1bや畝部1cでは左右方向に傾斜するが、底角が最大の畝部1aから出射する光はほぼ上向きとなる。なお、図4では、第1の光学シート1の下面での入射光の屈折は省略して示している。
上記構成によれば、本実施形態のバックライトユニットにおける第1の光学シート1は、凸状の縦断面形状である二等辺三角形の底角が異なる複数の畝部1a〜1cからなる組Sが上面に繰り返し配列形成されているので、CCFL3からの左右方向の距離が相違しても、各組Sのいずれかの畝部1a〜1cから出射する光がほぼ上向きとなる。このため、CCFL3から左右方向に離れた距離に応じて輝度にムラが生じるのを防止できるので、均斉度を高めることができる。しかも、CCFL3から左右方向に大きく離れた位置でも輝度の低下を少なくすることができる。
また、この第1の光学シート1は、複数の畝部1a〜1cが配列された組Sが多数上面に配列形成されるので、CCFL3の左右方向の配置位置が任意となり、このCCFL3の位置ずれの影響がなくなるだけでなく、このCCFL3の本数の増減等の設計変更にも容易に対応することができるようになる。
さらに、このような第1の光学シート1に第2の光学シート2を重畳させることにより、複数のCCFL3の光源間距離Dを従来以上に広げても高い均斉度を得ることができるので、バックライトユニットに使用する線光源の本数を減らしてコストダウンや省電力化を図ることができる。なお、同じCCFL3を本数だけ減らしたのではバックライトユニット全体の輝度も低下するので、この全体の輝度を維持しようとすると各CCFL3の輝度を高める必要があり消費電力も大きくなる。しかし、全体の輝度が同じであれば、1本ごとのCCFL3の消費電力は大きくなっても、本数が少ない方が全体の効率は高まり、バックライトユニット全体の消費電力は低下する。
なお、上記実施形態の第1の光学シート1では、各組Sの複数の畝部1a〜1cの畝幅Bを一定とする場合を示したが、図5に示すように、各畝部1a〜1cの畝幅B1〜B3が相違するようにしてもよい。特に、この図5に示すように、畝部1a〜1cにおける凸状の縦断面形状の三角形の底辺の両内角の和が大きいものほど、即ち、ここでは二等辺三角形の底角が大きいものほど畝幅B1〜B3が広くなるようにすれば、この二等辺三角形の頂角が小さく尖った畝部1a〜1cほど畝幅B1〜B3が広くなるので、入射光を多く取り込むことができる。そして、頂角が小さく尖った畝部1a〜1cほど、入射光の利用率は低下するので、頂角の異なる複数の畝部1a〜1cにおける入射光の利用率を均一化することができるようになり、均斉度を高めることができるようになる。
また、上記実施形態の第1の光学シート1では、各組Sの複数の畝部1a〜1cの凸状の高さが相違する場合を示したが、図6に示すように、凸状の高さを揃えるようにしてもよい。ただし、この場合には、図5に示した場合とは逆に、二等辺三角形の頂角が小さく尖った畝部1a〜1cの畝幅B1〜B3ほど狭くなるので、CCFL3からの左右方向の距離が遠い位置では輝度を十分に得られないおそれがある。そこで、図7に示すように、もともと凸状の高さが低い畝部1bや畝部1cについては、上方に平行移動して嵩上げを図ることにより、畝部1a〜1cの畝幅Bは一定としながら、凸状の高さも揃えるようにすることができる。
また、上記実施形態の第1の光学シート1では、各畝部1a〜1cの底角θ1〜θ3が55°と45°と25°である場合を示したが、これらの底角θ1〜θ3は、互いに相違すればよいので、具体的な角度の値は任意である。ただし、この底角の最大値は、40°以上70°以下であることが好ましく、50°以上70°以下であればより好ましく、55°以上60°以下であればさらに好ましい。この底角の最大値が60°を超え、特に70°を超えて大きくなりすぎると、畝部1a〜1cの畝幅Bを十分な広さとした場合に、凸状の高さが高くなりすぎて、第1の光学シート1の成形性が悪くなり、取り扱いも難しくなる。そして、この底角の最大値が55°より小さく、特に40°より小さくなると、各畝部1a〜1cの底角の差も少なくなるので、輝度ムラをなくして均斉度を高める効果が十分に得られなくなる。
しかも、この底角の最小値は、25°以下であることが好ましく、20°以下であればより好ましい。この底角の最小値が20°を超え、特に25°を超えて大きくなりすぎると、各畝部1a〜1cの底角の差も少なくなるので、輝度ムラをなくして均斉度を高める効果が十分に得られなくなる。この底角の最小値は、0°であってもよく、従って、各組Sのいずれか一つの畝部は平坦面であってもよい。
また、上記実施形態の第1の光学シート1では、畝部1a〜1cの縦断面形状が二等辺三角形(又はこの二等辺三角形を基礎とした形状)である場合を示したが、図8に示すように、これらの二等辺三角形の頂部を水平に切り取った等脚台形状としてもよい。さらに、この切り取った頂部に底角の小さい二等辺三角形を載置した将棋の駒形状の五角形としてもよく、六角以上の多角形とすることもできる。
また、上記実施形態の第1の光学シート1では、畝部1a〜1cの縦断面形状の三角形等における各角部が尖った状態である場合を示したが、現実には製造上の都合で、各角部が多少鈍った状態や丸みを帯びた状態になっていてもよく、また、面取り等が施されていてもよい。なぜなら、本実施形態では、各組に相互に形状の異なる、即ち角度の異なる傾斜面を有する複数の畝部1a〜1cがあることが重要であり、これらの傾斜面が接する境界部分である角部の細部の状態は重要ではないからである。
また、上記実施形態の第1の光学シート1では、各組Sの3種類の畝部1a〜1cが同じ順序で配列されている場合を示したが、第1の光学シート1上の組数が十分に多ければこの配列順序が本発明の効果に影響することはないので、図9に示すように、この配列順序が組Sごとに相違していてもよく、この場合の配列順序の相違は不規則であることが好ましい。
また、上記実施形態の第1の光学シート1では、各組Sに3種類の畝部1a〜1cが配列されている場合を示したが、4種類以上の畝部が配列されていてもよい。さらに、2種類の畝部が配列されているだけでも、特に縦断面形状が四角以上の多角形であれば、本発明の効果をある程度期待することができる。
また、上記実施形態の第1の光学シート1では、畝部1a〜1cの縦断面形状が左右対称の二等辺三角形や四角以上の多角形である場合を示したが、必ずしも左右対称の形状に限定されるものではない。ただし、第1の光学シート1がCCFL3の左右方向の位置に依存しない特性を示すためには、左右非対称の形状が右方向又は左方向に偏りすぎることは好ましくなく、この偏りが大きすぎると、第1の光学シート1全体として考えた場合に、CCFL3からの左右の距離に応じた輝度ムラが生じるおそれもある。従って、個々の畝部1a〜1cの縦断面形状に左右非対称のものがあっても、偏りの程度を数値化して左右方向を正負とすると、各組Sの全ての畝部1a〜1cの偏りを合計したときにできるだけ0に近づくように偏りを分散させて平均化させることが好ましい。つまり、図10に示すように、各組Sに5種類の畝部1a〜1eがあったとすると、例えば畝部1a,1eは左方向に一定量だけ偏り、畝部1cは偏りのない左右対称形であり、畝部1b,1dは右方向に一定量だけ偏っているというように、偏りが分散して平均化していることが好ましい。そして、図11は、これら5種類の畝部1a〜1eの配列順序が隣接する組Sで相違している場合を示す。
また、上記実施形態の第1の光学シート1では、凸状の畝部を配列形成した場合を示したが、凹状の溝部が配列形成されたものであっても、同様に本発明の効果を得ることができる。この場合、凹状の縦断面形状は、上記凸状の場合の縦断面形状の上下を逆にしたものを任意に用いることができる。
また、上記実施形態の第1の光学シート1では、下面がフラットな場合を示したが、この第1の光学シート1の下面の構成は任意であり、例えば微細な凹凸からなるシボ状に加工することにより光拡散性を高めたものであってもよい。
また、上記実施形態の第1の光学シート1や第2の光学シート2では、これらの光学シート1,2が透明な樹脂シートからなる場合を示したが、光を透過する透光性を有するものであればよいので、必ずしも透明である必要はない。さらに、これらの光学シート1,2の厚さも特に限定されるものではなく、一般的には厚さ0.3〜5mm程度のものが好適に使用される。
上記のような光学シート1,2の樹脂シートとしては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合体(例えばポリ−4−メチルペンテン−1等)、ポリ塩化ビニル、環状ポリオレフィン(例えばノルボルネン構造等)、アクリル樹脂、ポリスチレン、アイオノマー、スチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂(MS樹脂)等の透光性の熱可塑性樹脂からなるものが使用できる。特に、熱可塑性樹脂からなる樹脂シートの中でも、ポリカーボネート、ポリエステル(特にポリエチレンテレフタレート)、環状ポリオレフィンからなるものは、耐熱性が良好であり、バックライトユニットに用いられた際にCCFL3からの放熱によって変形や皺等を生じ難いので好ましく使用される。しかも、ポリカーボネートからなる樹脂シートは、ポリカーボネート自体が透明性の良好な樹脂であり、吸湿性が少なく、高輝度で、反りが少ないため、極めて好ましく使用される。さらに、この樹脂シートは、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂等の透光性の熱硬化性樹脂からなるものであってもよい。しかも、この樹脂シートは、2種以上の樹脂材料を混合し、アロイ化し、複合化したものを使用することもできる。
また、上記実施形態の光学シート1,2は、例えば両面がフラットな樹脂シートを型で押さえ付けて成形するプレス製法を用いて作製することができるが、他のプレス製法やキャスティング法等又は射出成形法の成形法、型ロールを通すことによるロール成形法や押出成形法等による連続成形法等、任意の製法で作製してもよい。
また、上記実施形態の光学シート1,2の樹脂シートは、成形に必要な安定剤、滑剤、耐衝撃改良剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、着色剤、蛍光増白剤等が適宜含有されていてもよい。さらに、これらの光学シート1,2の樹脂シートを多層構成とする場合、これらの添加剤は、例えば基材層と表面層の間で添加剤の種類や配合比率を適宜変更してもよい。例えば図12は、基材層11の上層の表面層12に凸状の畝部を配列形成した2層の第1の光学シート1の例を示し、図13は、これらの下層に裏面層13を加えた3層の第1の光学シート1の例を示す。第1の光学シート1の下面は、CCFL3から紫外線が直接照射されるので、この裏面層13を紫外線吸収剤が含有された耐候層とすることで、上層の基材層11や表面層12を紫外線から保護することができる。
また、上記実施形態の光学シート1,2の樹脂シートは、光拡散剤が含有されていてもよい。この光拡散剤としては、樹脂シートの樹脂材料との光屈折率が異なる無機質粒子、金属酸化物粒子、有機ポリマー粒子等が単独で又は適宜組合わせて使用される。無機質粒子としては、ガラス[Aガラス(ソーダ石灰ガラス)、Cガラス(硼珪酸ガラス)、Eガラス(低アルカリガラス)]、シリカ、マイカ、合成マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、モンモリロナイト、カオリンクレー、ベントナイト、ヘクトライト、シリコーン等の粒子が使用される。そして、金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等の粒子が使用され、また、有機ポリマー粒子としては、アクリルビーズ、スチレンビーズ、ベンゾグアナミン等の粒子が使用される。
上記光拡散剤は、その平均粒径が0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、更に好ましくは1〜30μmであるものが使用される。粒径が0.1μmより小さい光拡散剤は、凝集しやすいため分散性が悪く、均一に分散できたとしても光の波長の方が大きいので光散乱効率が悪くなる。それゆえ、0.5μm以上の、更には1μm以上の大きさの粒子が好ましいのである。一方、粒径が100μmより大きい光拡散剤は、光散乱が不均一になったり、光線透過率が低下したり、粒子が肉眼で見えたりするようになる。このため、50μm以下の粒子、特に30μm以下の粒子が好ましい。
また、上記実施形態の第1の光学シート1では、この第1の光学シート1が樹脂シートである場合を示したが、透光性シートであればよいので、必ずしも樹脂シートである必要はない。また、本願では、光学シート等のように、表裏面の面積が比較的広く、厚さが比較的薄い透光性の部材をシートと称しているが、例えばフィルムや板等も、このシートとは厚さや硬さ/可撓性の程度の相違にすぎないので、本願でいうシートには、フィルムや板等も含まれる。即ち、例えば本願でいう光学シートには、光学フィルムや光学板も含まれる。
また、上記実施形態のバックライトユニットでは、線光源として直管型のCCFL3を用いる場合を示したが、必ずしも直管型である必要はなく、例えばU字管等を用いることもできる。さらに、必ずしもCCFL3である必要はなく、一般照明用の蛍光灯と同様のHCFL(熱陰極管)等を用いたり、LED(発光ダイオード)を並べて用いることもでき、線光源の種類は限定されない。HCFLは、本来CCFLよりも効率が高く、最近では外径もCCFLのように細いものが開発されているので、省電力化を図ることができ、LEDは、現状ではまだ高価であるが、効率が極めて高いので、将来はこの省電力化を図る上で大いに期待されている。
また、上記実施形態のバックライトユニットでは、CCFL3を一定の光源間距離Dの配置間隔で配置する場合を示したが、この光源間距離Dは必ずしもすべての線光源間で一定である必要はなく、例えばバックライトユニットの両端部と中央部ではそれぞれ異なる所定の光源間距離Dとなっていてもよい。さらに、反射板4も必須ではなく、例えば上記実施形態のCCFL3の下方に別の第1の光学シート1を配置して、上下双方に光を供給することも可能である。
また、上記実施形態では、第1の光学シート1の上方に第2の光学シート2を重畳する場合を示したが、この第2の光学シート2は、第1の光学シート1の下方に配置することもできる。さらに、上記実施形態では、第2の光学シート2がマイクロレンズ付き光拡散シート又はプリズムシートからなる光拡散シートである場合を示したが、第1の光学シート1とは構成の異なる他の光拡散シートであってもよい。ここで、光拡散シートとは、透過光を拡散して出射する光学シートであればよいので、例えば両面がフラットな透光性シートに光拡散剤は含有させたり、この透光性シートの表面に光拡散剤を含有する塗料を塗布したものも含まれる。さらに、この透光性シートの表面に光拡散剤を含有する塗料を塗布することにより、この光拡散剤の粒子の一部が突出して表面が凹凸状になったものであってもよい。ただし、均斉度を高めたままで光源間距離Dを少しでも広げるためには、第2の光学シート2としてマイクロレンズ付き光拡散シート又はプリズムシートを用いることが好ましい。
また、上記実施形態では、第1の光学シート1に1枚の第2の光学シート2のみを重畳する場合を示したが、第1の光学シート1とは構成の異なる2枚以上の他の光学シートを重畳することもでき、第1の光学シート1を含むこれらの光学シートの重畳順序も任意である。これら2枚以上の他の光学シートは、第1の光学シート1の光拡散性を補完するために、少なくとも1枚は光拡散シートでなければならない。他の光学シートのうちで光拡散シートではないものについては、少なくとも1枚が偏光分離シートであることが好ましい。偏光分離シートは、バックライトユニットを液晶ディスプレイに用いる場合に、液晶パネル5で利用効率の高い偏光特性の光を分離して透過するので、この液晶ディスプレイの輝度を高めることができる。
また、上記実施形態のバックライトユニットは、上方に液晶パネル5を配置する場合を示したが、このような液晶パネル5を用いた液晶ディスプレイに限らず、その他の機器のバックライトとして用いることもできる。
まず、上記実施形態で示した第1の光学シート1と、従来からのプリズムシートとを比較するために、この第1の光学シート1だけを光学シートとして用いたバックライトユニットの使用例1〜4と、プリズムシートだけを光学シートとして用いたバックライトユニットの比較例1〜2を作製した。そして、これら使用例1〜4と比較例1〜2のバックライトユニットの輝度と均斉度を測定した結果を表1に示す。
ここで、使用例1は、図2〜図4で示したものと同じく、上面に底角が55°と45°と25°の二等辺三角形の縦断面形状を有する3種類の畝部を配列形成し、下面をフラットとした第1の光学シート1を用い、使用例2は、この使用例1の下面をシボ状(25μmの凹凸)に加工した第1の光学シート1を用い、使用例3は、上面に底角が55°と45°と35°と25°と10°の二等辺三角形の縦断面形状を有する5種類の畝部を配列形成し、下面をフラットとした第1の光学シート1を用い、使用例4は、上面に底角が40°と25°と10°の二等辺三角形の縦断面形状を有する3種類の畝部を配列形成し、下面をフラットとした第1の光学シート1を用いた。また、比較例1は、上面に底角が45°の二等辺三角形の縦断面形状を有する畝部だけを配列形成し、下面をフラットとしたプリズムシートを用いた。さらに、比較例2は、上面に底角が25°の二等辺三角形の縦断面形状を有する畝部だけを配列形成し、下面をフラットとしたプリズムシートを用いた。
使用例1〜4と比較例1〜2の光学シートは、各畝部の畝幅を全て200μmとし、いずれも光拡散剤は含有させていない。また、これらの光学シートを用いたバックライトユニットは、複数のCCFL3の間隔距離である光源間距離Dを24mmとし、各CCFL3(放電管の中心を起点)から光学シートまでの距離である光源・シート間距離を14.5mmとしている。
使用例1〜4と比較例1〜2のバックライトユニットの輝度と均斉度の測定には、株式会社トプコン製の色彩輝度計BM−7を用い、室温23℃、湿度50%RHの環境で測定を行った。そして、表1の輝度は、CCFL3の真上とCCFL3間の計9点の測定ポイントで測定した輝度の平均値を示す。また、表1の均斉度は、これら各測定ポイントで測定した輝度のうちで最も高輝度の値に対する最も低輝度の値の割合を示す。
この表1から明らかなように、比較例1の輝度と比較すると、使用例1〜4の輝度はある程度低くなっているが、比較例2の輝度と比較すると、使用例1〜4の輝度はほぼ同じか少し上回っていて、しかも、これら使用例1〜4の均斉度は、比較例1〜2の均斉度に比べて格段に高くなっていることが分かる。
また、上記使用例1〜4と比較例1〜2では、光学シートの各畝部の畝幅を全て200μmとした場合を示したが、これと同様の第1の光学シート1を用いたバックライトユニットの使用例5〜8と共に、二等辺三角形の底角が大きくなるほど畝幅も広がる第1の光学シート1を用いたバックライトユニットの使用例9〜12も作製した。そして、これらの使用例5〜12のバックライトユニットと、別に作製した比較例3〜6のバックライトユニットについて、光源・シート間距離を変えたときの輝度と均斉度を測定した結果を表2に示す。
ここで、使用例5〜8のバックライトユニットには同一の第1の光学シート1を用い、使用例9〜12のバックライトユニットにも同一の第1の光学シート1を用い、比較例3〜6のバックライトユニットにも同一のプリズムシートを用いている。また、使用例5〜8と使用例9〜12に用いる第1の光学シート1は、上面に底角が60°と45°と20°の二等辺三角形の縦断面形状を有する3種類の畝部を配列形成したものである。ただし、使用例9〜12に用いる第1の光学シート1は、底角が60°の畝部の畝幅は400μm、底角が45°の畝部の畝幅は200μm、底角が20°の畝部の畝幅は100μmとしている。これに対して、使用例5〜8に用いる第1の光学シート1は、表1に示した使用例1〜4と同様に各畝部の畝幅を全て200μmとしたものである。使用例5〜8で使用例1〜4の第1の光学シート1を用いなかったのは、使用例9〜12に用いる第1の光学シート1との比較のために畝部の形状を揃える必要があったからである。比較例3〜6に用いるプリズムシートは、上面に底角が25°の二等辺三角形の縦断面形状を有する畝部であって、各畝部の畝幅を全て200μmとしたものであり、表1に示した比較例2と同じものである。
上記使用例5〜8と使用例9〜12と比較例3〜6に用いる光学シートは、下面が全てフラットであり、いずれも光拡散剤は含有させていない。また、これらの光学シートを用いたバックライトユニットは、複数のCCFL3の光源間距離Dを24mmとしている。ただし、光源・シート間距離は、使用例5〜8と使用例9〜12と比較例3〜6において、それぞれ14.5mmと6mmと5mmと4mmに変えている。従って、比較例3は、光源・シート間距離が14.5mmとなるので、表1に示した比較例2の測定条件と同一のものとなる。これら使用例5〜8と使用例9〜12と比較例3〜6の測定に用いる測定機器や測定環境、測定条件は、表1の場合と同じである。
この表2において、使用例5〜8と使用例9〜12と比較例3〜6とのそれぞれで、光源・シート間距離を変えて測定した均斉度を図14に示し、光源・シート間距離を変えて測定した輝度を図15に示す。
この表2と図15から明らかなように、輝度は、いずれの光源・シート間距離においても、使用例5〜8と使用例9〜12が比較例3〜6に劣ることはほとんどなく、むしろ特に光源・シート間距離が長い場合には、使用例5〜8と使用例9〜12の方が比較例3〜6よりも上回っている。また、この表2と図14から明らかなように、均斉度は、いずれの光源・シート間距離においても、使用例5〜8と使用例9〜12の方が比較例3〜6よりも格段に高くなっている。
しかも、使用例5〜8の場合には、光源・シート間距離が14.5mmから6mmや5mm、4mmと短くなるほど、この均斉度も大きく低下するが、使用例9〜12では、光源・シート間距離が14.5mmの場合だけでなく、6mmや5mmの場合にも均斉度が高いレベルを維持していることが分かる。比較例3〜6の場合、光源・シート間距離が14.5mmから6mmや5mm、4mmと短くなると、もともとそれほど高くない均斉度がさらに低下して実用的に十分な均斉度が得られなくなるので、従来、この光源・シート間距離は14〜20mm程度とするのが一般的であった。しかしながら、底角が大きくなるほど畝部の畝幅も広がるようにした第1の光学シート1を用いた使用例9〜12の場合には、この光源・シート間距離を従来よりもさらに短くすることができるようになり、バックライトユニットの薄型化に貢献できる。
ただし、この使用例9〜12の場合であっても、光源・シート間距離を4mmまで短くすると、均斉度が急激に低下するので、光源・シート間距離は5mm以上であることが好ましい。また、このように光源・シート間距離を短くする場合には、第1の光学シート1がCCFL3からの放熱の影響をさらに受けやすくなるので、この第1の光学シート1には、耐熱性の特に高いポリカーボネートからなる樹脂シートを用いることが好ましい。
次に、上記実施形態で示した第1の光学シート1だけを用いたバックライトユニットの使用例13と、この第1の光学シート1に第2の光学シート2を重畳したバックライトユニットの実施例1〜2と、この第1の光学シート1に2枚以上の他の光学シートを重畳したバックライトユニットの実施例3〜4とを作製した。そして、これら使用例13と実施例1〜4のバックライトユニットにおいて、CCFL3の光源間距離Dを変化させたときの均斉度を測定した結果を表3と表4に示す。
ここで、使用例13と実施例1〜4のバックライトユニットは、いずれも第1の光学シート1として、上面に底角が60°と45°と20°の二等辺三角形の縦断面形状を有する3種類の畝部であって、底角が60°の畝部の畝幅は400μm、底角が45°の畝部の畝幅は200μm、底角が20°の畝部の畝幅は100μmのものを配列形成し、下面をフラットとした光学シートを用いている。また、これらの第1の光学シート1は、いずれも光拡散剤は含有させない厚さ1.2mmのポリカーボネート製の光学シートである。
そして、使用例13は、この第1の光学シート1のみを用いたバックライトユニットである。また、実施例1は、この第1の光学シート1の上方に、第2の光学シート2としてマイクロレンズ付き光拡散フィルム(韓国Shinwha Intertek Corporation社製:PTR863)を重畳したバックライトユニットである。さらに、実施例2は、この第1の光学シート1の上方に、第2の光学シート2として光拡散シート(韓国SKC Co., Ltd.社製:CH283T)を重畳したバックライトユニットである。この光拡散シートは、両面がフラットで透明なPETフィルム上に光拡散剤と樹脂バインダからなる塗料を塗布したものであり、多くの場合は、光拡散剤の粒子の一部が樹脂バインダから突出しているために塗布面は凹凸になっている。さらに、実施例3は、この第1の光学シート1の上方に、他の光学シートとして光拡散フィルム(韓国SKC Co., Ltd.社製:CH283T)とプリズムシート(住友スリーエム株式会社製:BEF III)と偏光分離シート(住友スリーエム株式会社製:DBEF−D400)を重畳したバックライトユニットであり、実施例4は、この第1の光学シート1の上方に、他の光学シートとして光拡散フィルム(韓国SKC Co., Ltd.社製:CH283T)と2枚のマイクロレンズ付き光拡散フィルム(韓国Shinwha Intertek Corporation社製:PTR863)を重畳したバックライトユニットである。
また、使用例13と実施例1〜4のバックライトユニットは、各CCFL3(放電管の中心を起点)から第1の光学シート1までの距離である光源・シート間距離を21.0mmとし、反射板4までの距離を3.5mmとしている。そして、各CCFL3のランプ径は4mmである。
また、使用例13と実施例1〜4のバックライトユニットの均斉度の測定には、株式会社アイ・システム社製EYESCALE−3Wを用いた。均斉度は、CCFL3の直上の輝度と2本のCCFL3の中間位置の直上の輝度の比を求めて示した。そして、複数のCCFL3の光源間距離Dを10mmから90mmまで10mm間隔で変化させながら、それぞれの光源間距離Dについて均斉度を測定した。
また、表3の使用例13において、「使用例」の均斉度に併記した「比較例」の均斉度は、バックライトユニットの第1の光学シート1に代えて、厚さ1.5mmの一般光拡散板を用いて測定した均斉度を示す。さらに、表3と表4の実施例1〜4において、「実施例」の均斉度に併記した「比較例」の均斉度も、同様にバックライトユニットの第1の光学シート1に代えて、厚さ1.5mmの一般光拡散板を用いて測定した均斉度を示す。なお、ここで用いた一般光拡散板は、ポリカーボネート99.1wt%に光拡散剤を0.9wt%含有させた両面がフラットな板状の光拡散シートである。
表3の使用例13と図16に示すように、第1の光学シート1のみを用いたバックライトユニットでは、光源間距離Dが20mmを超えて広がると均斉度が96%を下回り、特に光源間距離Dが40mmの場合には極端に均斉度が低下するので、ほとんどの光源間距離Dにおいて一般光拡散板を用いた比較例よりも均斉度が劣る結果となった。
しかし、この表3の実施例1〜2と図17及び図18に示すように、第1の光学シート1に第2の光学シート2を重畳したバックライトユニットでは、光源間距離Dが40mmまで広がると一旦均斉度が96%を下回るが、光源間距離Dが50mm以上、70mm以下の領域では再び96%を上回る高い均斉度が得られる。これに対して、一般光拡散板を用いた比較例では、光源間距離Dが40mmまで広がると均斉度が96%を下回り、さらに光源間距離Dが広がるほど均斉度も低下するので、従来は光源間距離Dを40mm以上に広げることができなかった。
また、表4の実施例3〜4と図19及び図20に示すように、第1の光学シート1に3枚の他の光学シートを重畳したバックライトユニットでは、光源間距離Dが40mm以下の領域だけでなく、この光源間距離Dが50mm以上に広がっても、80mm以下の領域まで96%を上回る高い均斉度が得られる。これに対して、一般光拡散板を用いた比較例では、光源間距離Dが40mm乃至50mmまで広がると均斉度が96%を下回り、さらに光源間距離Dが広がるほど均斉度も低下するので、従来は光源間距離Dを40mm乃至50mm以上に広げることができなかった。
さらに、図21は、表3と表4の使用例13と実施例1〜4の「使用例」と「実施例」の均斉度だけを示したものであり、この図によっても、第1の光学シート1のみを用いた使用例13に対して、第2の光学シート2や他の光学シートを重畳した実施例1〜4の方が均斉度が全体に向上していることが分かる。しかも、第2の光学シート2を重畳した実施例1〜2の場合には、光源間距離Dの50mm以上、70mm以下の領域において96%を上回る高い均斉度が得られ、3枚の他の光学シートを重畳した実施例3〜4の場合には、光源間距離Dが50mm未満の領域のみならず、50mm以上、80mm以下の領域においても96%を上回る高い均斉度が得られることが分かる。
そして、この図21で実施例1と実施例2を比較すると、第2の光学シート2としてマイクロレンズ付き光拡散フィルムを用いた実施例1の方が、特に光源間距離Dの70mmの場合に均斉度が向上しているので、第1の光学シート1に重畳する光学シートにはマイクロレンズ付き光拡散フィルムがより適していることが分かる。また、実施例3と実施例4を比較すると、特に光源間距離Dの70mmの場合や80mmの場合に実施例3の方が均斉度が向上していることと、この実施例3で用いている偏光分離シートは光拡散シートではないことから、マイクロレンズ付き光拡散フィルムだけでなくプリズムシートも、第1の光学シート1との重畳に適していることが分かる。
図22は、表3と表4の使用例13と実施例1〜4の「比較例」の均斉度だけを示したものであり、この図によると、第1の光学シート1とは構成の異なる光学シートの場合には、このような光学シートを複数枚重畳させても、均斉度の顕著な向上は得られないことが分かる。
1 第1の光学シート
1a 畝部
1b 畝部
1c 畝部
1d 畝部
1e 畝部
11 基材層
12 表面層
13 裏面層
2 第2の光学シート
3 CCFL
4 反射板
5 液晶パネル
6 光学シート
7 光学シート
8 光学シート
1a 畝部
1b 畝部
1c 畝部
1d 畝部
1e 畝部
11 基材層
12 表面層
13 裏面層
2 第2の光学シート
3 CCFL
4 反射板
5 液晶パネル
6 光学シート
7 光学シート
8 光学シート
Claims (14)
- 光学シートを2枚以上重畳させた背後に、シート面方向に沿って所定の光源間距離の間隔で複数の線光源を配置した直下ライト方式のバックライトユニットにおいて、
2枚以上のうちの第1の光学シートが、透光性シートにおける線光源からの光が出射する側の表面に、この線光源の長尺方向に沿った凸状の畝部又は凹状の溝部を多数配列形成したものであり、かつ、各線光源に対応する領域内のこれら畝部又は溝部が、相互に形状の異なる複数の畝部又は溝部の配列の組をさらに繰り返し配列したものからなることを特徴とするバックライトユニット。 - 前記光学シートが2枚を重畳させたものであり、この2枚のうちの第2の光学シートが前記第1の光学シートとは構成が異なるものであって、透過光を拡散して出射する光拡散シートであり、前記複数の線光源の光源間距離が50mm以上、70mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のバックライトユニット。
- 前記第2の光学シートがマイクロレンズ付き光拡散シート又はプリズムシートであることを特徴とする請求項2に記載のバックライトユニット。
- 前記光学シートが3枚以上を重畳させたものであり、この3枚以上のうちの、前記第1の光学シートを除いた他の光学シートがそれぞれ前記第1の光学シートとは構成の異なるものであり、これら他の光学シートの全部又は一部がそれぞれ透過光を拡散して出射する光拡散シートであり、前記複数の線光源の光源間距離が50mm以上、80mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のバックライトユニット。
- 前記他の光学シートにおける光拡散シートの全部又は一部がそれぞれマイクロレンズ付き光拡散シート又はプリズムシートであることを特徴とする請求項4に記載のバックライトユニット。
- 前記他の光学シートにおける光拡散シート以外のものの全部又は一部がそれぞれ偏光分離シートであることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のバックライトユニット。
- 前記第1の光学シートにおける複数の畝部又は溝部の配列の組において、形状の異なる畝部又は溝部の配列の順序が組ごとに相違している場合があることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のバックライトユニット。
- 前記第1の光学シートにおける各畝部又は溝部の形状が、配列方向に直交する面を中心に左右対称形であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のバックライトユニット。
- 前記第1の光学シートにおける複数の畝部又は溝部の配列の各組において、形状の異なる畝部の畝幅又は溝部の溝幅がそれぞれ異なっていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のバックライトユニット。
- 前記第1の光学シートにおける各畝部の畝長又は溝部の溝長方向に直交する縦断面形状が、底辺の両内角がそれぞれ90°未満の三角形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のバックライトユニット。
- 前記第1の光学シートにおける各畝部の畝長又は溝部の溝長方向に直交する縦断面形状が二等辺三角形であり、この第1の光学シートにおける複数の畝部又は溝部の配列の各組において、各畝部又は溝部の形状の相違が、この二等辺三角形の底角の相違であることを特徴とする請求項10に記載のバックライトユニット。
- 前記第1の光学シートにおける複数の畝部又は溝部の配列の各組において、形状の異なる各畝部又は溝部が、これら畝部の畝長又は溝部の溝長方向に直交する縦断面形状の三角形の底辺の両内角の和が大きいものほど、これら畝部の畝幅又は溝部の溝幅が広いものであることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のバックライトユニット。
- 前記第1の光学シートにおける各畝部の畝長又は溝部の溝長方向に直交する縦断面形状が、底辺の両内角がそれぞれ90°以下の四角以上の多角形、又は、半円弧以下の円弧形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のバックライトユニット。
- 前記第1の光学シートにおける複数の畝部又は溝部の配列の各組に2以上、10以下の畝部又は溝部が配列されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載のバックライトユニット。
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