JP2010287447A - 誘導加熱装置、誘導加熱方法、及びプログラム - Google Patents

誘導加熱装置、誘導加熱方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】逆変換装置のスイッチングロスを低減する。
【解決手段】近接して配置された複数の誘導加熱コイル20と、この誘導加熱コイルの各々に直列接続されたコンデンサ40を有し、直流電圧を矩形波電圧に変換する複数の逆変換装置30と、複数の誘導加熱コイルに流れるコイル電流の位相を揃えるように制御する制御回路15とを備え、この制御回路15は、コイル電流がゼロクロスする時に矩形波電圧の瞬時値が直流電圧又はこの反転電圧に維持するように矩形波電圧が遷移するタイミングを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の誘導加熱コイルを用いた誘導加熱装置、誘導加熱方法、及びプログラムに関する。
ウェハを熱処理する半導体製造装置は、熱ひずみ等の問題からウェハの表面温度差をできるだけ小さく(例えば、±1℃以内に)制御する必要がある。また、所望の高温(例えば、1350℃)まで高速で温度上昇(例えば、100℃/秒)させる必要がある。そこで、誘導加熱コイルを複数に分割して、分割された誘導加熱コイルごとに個別に高周波電源(例えば、インバータ)を接続して電力制御を行う誘導加熱装置が広く知られている。ところが、分割された誘導加熱コイルは互いに近接しているので、相互誘導インダクタンスMが存在し、相互誘導電圧が発生する状態となる。そのため、各インバータが相互インダクタンスを介して並列運転される状態となり、各インバータで電流位相にズレがある場合はインバータ相互間で電力の授受が生じることがある。すなわち、各インバータの電流位相のズレによって、分割された誘導加熱コイル間で磁界に位相差が生じるため、隣接する誘導加熱コイルの境界付近で磁界が弱まり、誘導加熱電力による発熱密度が低下する。その結果、被加熱物(ウェハなど)の表面に温度ムラが生じるおそれがある。
そこで、隣接する誘導加熱コイル間に相互誘導電圧が生じて相互インダクタンスが存在する状況下でも、インバータ相互間に循環電流が流れないようにすると共に、分割された誘導加熱コイルの境界付近で発熱密度が低下しないようにして、誘導加熱電力の適正な制御を行うことが可能な「ゾーンコントロール誘導加熱(Zone Controlled Induction Heating:ZCIH)」の技術が発明者等によって提案された(例えば、特許文献1参照)。このZCIHの技術によれば、各電源ユニットは、それぞれ、降圧チョッパと電圧形インバータ(以下、単にインバータという)とを備えて構成されている。そして、複数の電力供給ゾーンに分割された各電源ユニットは、分割されたそれぞれの誘導加熱コイルに個別に接続されて電力供給を行っている。
このとき、各電源ユニットにおけるそれぞれのインバータの電流同期制御(つまり、電流位相の同期制御)によって、各インバータに流れる電流位相を同期させることにより、複数のインバータ間に循環電流が流れないようにしている。言い換えると、複数のインバータ間で電流の授受がないようにして、インバータへ流れ込む回生電力によって過電圧が発生することのないようにしている。また、インバータの電流同期制御によって、分割されたそれぞれの誘導加熱コイルに流れる電流位相を同期させることにより、各誘導加熱コイルの境界付近で誘導加熱電力による発熱密度が急激に低下しないようにしている。さらに、各降圧チョッパによってそれぞれのインバータの入力電圧を制御することにより、各インバータの電流振幅制御を行い、各誘導加熱コイルへ供給する誘導加熱電力の制御を行っている。すなわち、特許文献1に開示されたZCIHの技術は、各降圧チョッパごとに電流振幅制御を行うことにより、各ゾーンごとに誘導加熱コイルの電力制御を行い、各インバータの電流同期制御によって、複数のインバータ間の循環電流の抑制と、各誘導加熱コイルの境界付近での誘導加熱電力による発熱密度の均一化とを図っている。このようなZCIHの技術を用いて、降圧チョッパの制御系とインバータの制御系とが個別の制御を行うことで、被加熱物上の発熱分布を任意に制御することが可能となる。すなわち、特許文献1に開示されたZCIHの技術によって、急速かつ精密な温度制御、及び温度分布制御を行うことが可能となる。
また、特許文献2には、複数の誘導加熱コイルに個別に接続したインバータに同時に直流電力を供給し、複数の誘導加熱コイルを同時に稼働させる技術が開示されている。具体的にこの技術は、直列共振回路に接続された各インバータからの出力電流のゼロクロスを検出し、各インバータの出力電流のゼロクロスタイミングと、基準パルスの立ち上がりタイミングとを比較するようになっている。この技術は、比較により個別に算出される基準パルスからの位相差が0となるように、あるいは0に近づくように出力電流の周波数を調整することで各インバータの出力電流を同期させるものである。また、各インバータの出力電流が同期した後には、インバータの出力電圧を増減させることで各誘導加熱コイルに供給する電流の制御を行い、加熱対象物の温度分布の均一化を図るというものである。
非特許文献1には、インバータの出力電流の位相がインバータの出力電圧に対して遅れている共振電流位相遅れモードと、インバータの出力電流の位相がインバータの出力電圧に対して進んでいる共振電流位相進みモードとを有する共振型変換回路について記載されている。共振電流位相進みモードの共振型変換回路は、零電流スイッチングでターンオンするが、スイッチング素子のターンオン時に転流ダイオードの逆回復動作を伴うので、スイッチング素子に流れる電流は共振電流の他に、転流ダイオードの逆回復電流が加算され、その結果スイッチング素子のターンオン損失が増加する旨が記載されている。これに対して、共振電流位相遅れモードの共振型変換回路は、オン動作は零電流スイッチング、オフ動作はハードスイッチングになり、スイッチング素子と並列に無損失キャパシタスナバを接続することにより、ハードスイッチングによるオフ動作を零電圧スイッチング(ZVS:Zero Voltage Switching)に改善することができる旨が記載されている。
また、非特許文献2には、電流がゼロクロスした時に出力を短絡することにより、スイッチング素子がオープン状態になることを回避して、インダクタンス負荷を安定に駆動させるZVS動作を実現したフルブリッジ回路が開示されている。
特開2007−26750号公報 特開2004−146283号公報
パワーエレクトロニクス回路、オーム社、電気学会半導体電力変換システム調査専門委員会編、第8章 共振型変換回路 トランジスタ技術、CQ出版社、2004年6月号、p.228
特許文献1の技術で使用されるインバータは、スイッチングロスを低減するために、通常、誘導加熱コイルに流れる正弦波電流の方向が反転するゼロクロスタイミングが駆動電圧の立ち上がりタイミングよりも遅れる共振電流遅れ位相モードで使用される。しかしながら、誘導加熱コイルに印加する供給電力(有効電力)を調整するために、矩形波電圧のパルス幅を短くすると、正弦波電流が負から正にゼロクロスするゼロクロスタイミングが駆動電圧の立ち上がりタイミングよりも進む、共振電流位相進みモードでスイッチングすることがある。このため、インバータ(逆変換装置)は、スイッチング素子のターンオン時に、スイッチング素子に流れる電流に転流ダイオードの逆回復電流が加算され、スイッチング損失が増加するという問題があった。
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、パルス幅にかかわらず逆変換装置のスイッチング損失を低減することができる誘導加熱装置、誘導加熱方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、近接して配置された複数の誘導加熱コイル(20)と、この誘導加熱コイルの各々に直列接続されたコンデンサ(40)と、直流電圧から変換させられた高周波電圧を各々の前記誘導加熱コイル及び前記コンデンサの直列回路に印加する複数の逆変換装置(30)と、前記高周波電圧を電圧幅制御するとともに前記複数の誘導加熱コイルに流れるコイル電流の位相を揃えるように前記複数の逆変換装置を制御する制御回路とを備える誘導加熱装置(100)であって、前記複数の逆変換装置は、各々の前記直流電圧が共通することを特徴とする。なお、括弧内の数字は例示である。
各々の誘導加熱コイルに供給する有効電力を調整するために、直流電圧を変えないで、出力電力が少ない逆変換装置の矩形波電圧のパルス幅を短くする代わりに、各逆変換装置に共通に印加される直流電圧を低下させて、出力電力が大きい逆変換装置の高周波電圧(矩形波電圧)のパルス幅を長くする。これにより、各逆変換装置は、共振電流進み位相モードが回避され、共振電流遅れ位相モードで駆動するので、高周波電圧のパルス幅にかかわらずスイッチングロスが低減する。また、コイル電流のゼロクロス時に逆変換装置の出力電圧が安定しているので、インダクタンス負荷によるサージ電圧が低減する。また、パルス幅を長くする代わりに、駆動周波数を高くして、位相遅れを増加させてもよい。
また、前記直流電圧は、前記複数の逆変換装置が変換した高周波電圧の電圧幅最大値が所定値以上になるように低下させられることが好ましい。これによれば、所定値以上の電圧幅であるような大出力の逆変換装置は、前記直列回路に印加される印加電圧の立ち上がりタイミングよりも、前記直列回路に流れる電流が負から正にゼロクロスするゼロクロスタイミングの方が遅れるように直流電圧が制御され、共振電流遅れ位相モードで動作する。一方、電圧幅が所定値未満の小出力の逆変換装置は、共振電流進み位相モードで動作するが小出力であるので、蓄積損失やサージ電圧も小さくなり、トランジスタの破壊は免れる。
前記逆変換装置は、各アームがトランジスタ(例えば、FET,IGBT)と逆並列接続されたダイオードとを備え、前記直流電圧は、チョッパ回路、又は順変換装置により発生させられる。
また、前記コイル電流が負から正にゼロクロスした後に前記高周波電圧が立ち上がった時に前記逆変換装置を停止させる異常停止部をさらに備えることが好ましい。これによれば、スイッチングロスによる発熱、或いは過電流による破壊が回避される。
また、前記複数の誘導加熱コイルは、共通の発熱体に近接させられ、前記制御回路は、各々の前記誘導加熱コイルが前記発熱体に供給する電磁エネルギーが均一になるように前記矩形波電圧のパルス幅を各々可変制御することが好ましい。
本発明によれば、パルス幅にかかわらず逆変換装置のスイッチングロスが低減する。また、スイッチング時のサージ電圧も低減する。
本発明の第1実施形態に係る誘導加熱装置の回路構成図である。 本発明の第1実施形態に係る誘導加熱装置の加熱部の断面図である。 誘導加熱コイルとコンデンサとからなる共振回路とその等価回路を示す図であり、(a)は誘導加熱コイルとコンデンサとからなる共振回路の2ゾーンZCIH、(b)は1ゾーンの等価回路であり、(c)はベクトル図である。 本発明の第1実施形態に係る誘導加熱装置に用いられる制御回路の構成図である。 Phase Shift制御を用いたときの制御法を説明するための波形図である。 共振電流位相遅れモードであって、100%DUTYのときの波形図、及び電流の流れを示す逆変換装置の回路図である。 共振電流位相進みモードであって、DUTY100%未満のときの波形図である。 共振電流位相進みモードであって、DUTY100%未満のときの電流の流れを示す逆変換装置の回路図である。 共振電流位相遅れモードであって、DUTY100%未満のときの波形図である。 共振電流位相遅れモードであって、DUTY100%未満のときの電流の流れを示す逆変換装置の回路図である。
(第1実施形態)
本発明の誘導加熱装置の構成を図1及び図2を用いて説明する。
図1において、誘導加熱装置100は、降圧チョッパ10と、複数の逆変換装置30,31,…,35と、複数の誘導加熱コイル20,21,…,25と、制御回路15とを備えて構成され、各々の誘導加熱コイル20,21,…,25が、高周波磁束を発生することにより、共通の発熱体(例えば、カーボングラファイト)(図2)に渦電流を流し、この発熱体を発熱させるものである。
また、誘導加熱装置100は、隣接する誘導加熱コイルによる相互誘導電圧の影響を低減するように、すべての誘導加熱コイル20,21,…,25の電流位相、及び周波数を揃えるように制御されている。誘導加熱コイル20,21,…,25の電流位相が揃うように制御され、発生磁界に位相差が生じないので、隣接する誘導加熱コイルの境界付近で磁界が弱まることがなく、誘導加熱電力による発熱密度が低下しない。その結果、被加熱物の表面に温度ムラが生じることがなくなる。
さらに、逆変換装置30,31,…,35は、スイッチングロスを低減するために、誘導加熱コイル20,21,…,25の等価インダクタンスと、直列接続されたコンデンサCのキャパシタンスとの共振周波数よりも、駆動周波数を高くして共振電流位相遅れモードで駆動するようになっている。
次に、図2を用いて加熱対象物について説明する。
図2は、ウェハの熱処理に用いるRTA(Rapid Thermal Annealing)装置の構成図である。RTA装置は、複数の誘導加熱コイル20,21,…,25が凹部に埋設された耐熱板と、この耐熱板の表面に設けられた共通の発熱体と、逆変換装置(図1)、及び降圧チョッパ10からなるZCIHインバータとを備え、複数の誘導加熱コイル20,21,…,25により、発熱体を複数ゾーン(例えば、6ゾーン)に分割加熱するように構成されている。このRTA装置は、誘導加熱コイル20,21,…,25の各々が高周波磁束を発生し、この高周波磁束が、例えばカーボングラファイトで形成された発熱体に渦電流を流し、この渦電流がカーボングラファイトの抵抗成分に流れることによって、発熱体が発熱するように構成されている。言い換えれば、誘導加熱コイル20,21,…,25の各々が高周波の電磁エネルギーを発生し、この電磁エネルギーにより発熱体が発熱し、この発熱体の輻射熱により被加熱物であるガラス基板やウェハが加熱する。なお、半導体の熱処理においては、この加熱は減圧雰囲気中で行われる。
また、隣接する加熱誘導コイル20,21のみを考え、図3(a)に示すような共振回路を考える。すなわち、誘導加熱コイル20,21は、等価インダクタンスLa,Lbの誘導成分と、等価抵抗値Ra,Rbの抵抗成分とが存在し、コンデンサC,Cを介して、電圧V,Vが印加されている。また、誘導加熱コイル20,21は、互いに隣接しているので、相互誘導インダクタンスM(M1)により結合されている。ここで、等価抵抗値Ra,Rbは、誘導加熱コイル20の高周波磁束によって流れる渦電流のカーボングラファイトの等価抵抗の値である。
なお、ゾーン1の誘導加熱コイル20に流れる電流をIとし、絶縁トランスTrの出力電圧をVとし、ゾーン2の誘導加熱コイル21に流れる電流をIとし、絶縁トランスTrの出力電圧をVとしている。
次に、図3(b)は、図3(a)に示す共振回路を1ゾーンの等価回路で表現したものである。この等価回路は、キャパシタンスC1と、等価インダクタンスLa1,La2と、等価抵抗値Raの直列回路を、電圧Vと相互誘導電圧V12=jωMIとのベクトル和で駆動する回路で表現される。ここで、等価インダクタンスLa=La1+La2の関係を有している。逆変換装置の駆動周波数fが共振周波数1/(2π√(La1・C))と一致する共振状態においては、等価インダクタンスLa2と等価抵抗値Raの直列回路電圧Vと、相互誘導電圧V12=jωMIとのベクトル和で駆動する回路で表現される。すなわち、図3(c)のベクトル図で表現すると、トランスTrの出力電圧Vは、等価インダクタンスLa2及び等価抵抗Raによるベクトル電圧V11と、相互誘導電圧V12とのベクトル和となり、電圧Ra・I1と電圧(V12+jωLa2・I1)とのベクトル和ともなる。
なお、図1において、隣接する誘導加熱コイル20,21,…,25の間は、相互誘導インダクタンスM1,M2,…,M5で結合されているが、この結合の影響を低減するために、逆結合インダクタ(−Mc)を接続することもある。この逆結合インダクタ(−Mc)は、例えば、インダクタンスが0.5μH以下であり、1ターン、又は鉄心貫通によりこのインダクタンスを得ることができる。
降圧チョッパ10は、電解コンデンサ46と、コンデンサ47と、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)Q1,Q2と、転流ダイオードD1,D2と、チョークコイルCHとを備えたDC/DC変換器であり、図示しない商用電源から整流・平滑された直流高電圧Vmaxを所定の低圧直流電圧Vdcにデューティ制御して変換する。このとき、降圧チョッパ10は、逆変換装置30,31,…,35が変換した矩形波電圧(高周波電圧)の電圧幅最大値が所定値以上になるような低圧直流電圧Vdcを出力する。この所定値は、電圧幅が所定値以上の大出力の逆変換装置では誘導加熱コイル20,21,…,25に流れるコイル電流のゼロクロスタイミングが駆動電圧の立ち上がりタイミングよりも遅れるように設定され、電圧幅が所定値未満の小出力の逆変換装置ではコイル電流のゼロクロスタイミングが駆動電圧の立ち上がりタイミングよりも進むように設定される。このとき小出力の逆変換装置では蓄積損失が発生するが、小出力なのでスイッチング損失が少なくサージ電圧も小さい。
ここで、電圧幅の所定値は、例えば、低圧直流電圧Vdcが直流高電圧Vmaxの1/2となるパルス幅に設定される。なお、降圧チョッパ10の最大出力電圧では、95%DUTYになるように制御し、瞬間的な短絡状態を回避している。
降圧チョッパ10は、電解コンデンサ46の正極と負極との間には整流・平滑された直流高電圧Vmaxが充電され、IGBTQ1のコレクタとIGBTQ2のエミッタとが接続され、この接続点PにはチョークコイルCHの一端が接続され、他の一端がコンデンサ47の一端に接続されている。また、コンデンサ47の他端は、IGBTQ1のコレクタ、及び電解コンデンサ46の正極に接続されている。また、電解コンデンサ46の負極は、IGBTQ2のエミッタが接続されている。
次に、降圧チョッパ10の動作を説明する。
制御回路15がゲートに矩形波電圧を印加することにより、IGBTQ1,Q2が交互にオン・オフ制御される。まず、IGBTQ1がオフし、IGBTQ2がオンすると、チョークコイルCHを介してコンデンサ47の充電が開始される。そして、次に、IGBTQ1がオンし、IGBTQ2がオフすると、チョークコイルCHに流れている電流が転流ダイオードD1を介して放電する。この充放電が所定のDUTY比で繰り返されることにより、コンデンサ47の両端の電圧が、直流高電圧VmaxとDUTY比とで決められる低圧直流電圧Vdcに収束する。
逆変換装置30,31,…,35は、それぞれ、コンデンサ47の両端の低圧直流電圧Vdcをスイッチングする複数のインバータ回路と、絶縁トランスTr,Tr,…,Trと、コンデンサ40,41,…,45とを備え、共通の低圧直流電圧Vdcから矩形波電圧(高周波電圧)を生成し、高周波電流を流す駆動回路である。ここで、絶縁トランスTr,Tr,…,Trの二次側は、誘導加熱コイル20,21,…,25と、コンデンサ40,41,…,45との各直列回路に接続されている。インバータ回路は、IGBTQ3,Q4,Q5,Q6と、IGBTQ3,Q4,Q5,Q6の各アームに逆並列接続された転流ダイオードとを備え、ゲートに矩形波電圧を印加することにより、周波数同一で、コイル電流が同位相になるように制御された矩形波電圧を生成し、絶縁トランスTr,Tr,…,Trの一次側を駆動する。
絶縁トランスTr,Tr,…,Trは、誘導加熱コイル20,21,…,25と、インバータ回路とを互いに絶縁するために設けられるものであり、誘導加熱コイル20,21,…,25同士が互いに絶縁される。また、絶縁トランスTr,Tr,…,Trは、一次側電圧と二次側電圧とが同一波形であり、矩形波電圧が出力される。また、一次側電流と二次側電流とは、同一波形となる。
コンデンサ40,41,…,45は、誘導加熱コイル20,21,…,25と共振し、キャパシタンスC、等価インダクタンスLa1,Lb1,…,Le1としたとき、インバータの駆動周波数fが共振周波数1/(2π√(La1・C)),1/(2π√(Lb1・C)),…,1/(2π√(Le1・C))と略一致したとき、絶縁トランスTr,Tr,…,Trの出力には、その基本波電圧V,V,V,V,Vを、等価インダクタンスLa2,Lb2,…,Le2、及び等価抵抗値R0,R1,…,R5の直列インピーダンスで除した値の正弦波電流が流れる。等価インダクタンスLa2,Lb2,…,Le2、及び等価抵抗値R0,R1,…,R5は、誘導負荷であるため、正弦波電流は、基本波電圧よりも位相が遅れ、基本波電圧の周波数が高くなるほど位相遅れが増加する。なお、高調波電流は、共振状態とならないため、ほとんど流れない。
なお、歪波電圧電流の有効電力Peffは、高調波電流が流れないので、基本波電圧V1、基本波電流I1、基本波電圧V1と基本波電流I1との位相差θ1として、
Peff=V1・I1・cosθ1
で表現される。したがって、歪波電圧である矩形波電圧でLCRの直列共振回路を駆動したときの有効電力Peffは、基本波の有効電力で表される。
図4に示すように、制御回路15は、パルス幅制御部91と、異常停止部92と、位相判定部93と、直流電圧制御部94とを備え、パルス幅制御部91が逆変換装置30のIGBTQ3,Q4,Q5,Q6のゲートに印加する矩形波電圧を生成し、直流電圧制御部94が降圧チョッパ10のIGBTQ1,Q2のゲートに入力される矩形波電圧を生成する。
位相判定部93は、VT(Voltage Transformer)を用いて、逆変換装置30が生成する矩形波電圧の波形を観測すると共に、CT(Current Transformer)を用いて、コイル電流の波形を観測し、これらの波形から位相遅れモードか否かを判定する。すなわち、位相差判定部93は、コイル電流が負から正にゼロクロスするゼロクロスタイミングが矩形波電圧の立ち上がりタイミングがよりも遅れていたら位相遅れモードと判定し、ゼロクロスタイミングが立ち上がりタイミングよりも進んでいたら位相進みモードであると判定する。そして、位相判定部93は、パルス幅制御部91と直流電圧制御部94と後記する異常停止部92とに判定結果を出力する。
パルス幅制御部91は、誘導加熱コイル20,21,…,25の各々に流れるコイル電流の位相(ゼロクロスタイミング)が揃うように、矩形波電圧の基本波のゼロクロスタイミングとの位相差θ(図5)を制御すると共に、矩形波電圧の立ち上がりタイミングよりも、前記直列回路に流れるコイル電流のゼロクロスタイミングの方が遅れるようにパルス幅、及び周波数を制御する。ここで、このパルス幅は、矩形波電圧の基本波のゼロクロスタイミングと、矩形波電圧の立ち上がりタイミングとの差分である制御角δ(図5)を制御して可変される。
図5の電圧電流波形図を用いて、パルス幅制御部91の動作を説明する。
図5は、矩形波電圧波形とその基本波電圧波形とコイル電流波形を示しており、縦軸は電圧・電流であり、横軸は位相(ωt)である。トランスTr二次側の矩形波電圧波形50は、実線で示される正負対称の奇関数波形であり、その基本波が、破線の基本波電圧波形51として示されている。矩形波電圧波形50は、最大振幅が±Vdcであり、基本波電圧波形51のゼロクロス点に対して制御角δの位相角が設定されている。すなわち、矩形波電圧波形50の立ち上がりタイミング及び立ち下がりタイミングの双方と、基本波電圧波形51のゼロクロスタイミングとが制御角δの位相差を有している。このとき、基本波電圧波形51の振幅は、4Vdc/π・cosδである。
また、破線で示されるコイル電流波形52は、基本波電圧波形51のゼロクロスタイミングよりも位相差θだけ遅れているいる正弦波である。しかしながら、コイル電流波形52は、矩形波電圧波形50の制御角δが大きく制御され、誘導加熱コイル20,21,…,25に供給する有効電力が小さいときには、ゼロクロスタイミングが矩形波電圧波形50の立ち上がりタイミングよりも進むこともある。
また、パルス幅制御部91は、すべての誘導加熱コイル20,21,…,25に流れるコイル電流の位相差θを揃えつつ、コイル電流の振幅を誘導加熱コイル毎に変えている。このために、パルス幅制御部91は、基本波電圧波形51のゼロクロスタイミングを基準にして制御角δを変えて、基本波電圧を振幅制御している。このため、パルス幅制御部91は、ACR(Automatic Current Regulator)を用いて、コイル電流が所定値になるように制御角δを変えている。この制御により、誘導加熱コイルに投入される有効電力を変えつつ、隣接するコイル電流による相互誘導電圧の影響が低減される。
例えば、誘導加熱コイル20には、最長のパルス幅の矩形波電圧が印加され、他の誘導加熱コイル21,22,…,25には、加熱量に応じて、より短いパルス幅の矩形波電圧が印加される。すなわち、誘導加熱コイル20には、最大有効電力が入力され、他の誘導加熱コイル21,22,…,25には、加熱量に応じて、より少ない有効電力が入力される。
このとき、矩形波電圧のパルス幅を短くすると、コイル電流のゼロクロスタイミングが矩形波電圧の立ち上がりタイミングよりも進む共振電流位相進みモードになることがある。このようなときは、駆動周波数を増加させてコイル電流をさらに遅らせたり、直流電圧Vdcを低下させて制御角δを減少させたりすることができる。
また、この矩形波電圧は、正負対称の同一パルス幅であり、矩形波周波数を同一とするために、絶縁トランスTrの一次側への印加電圧瞬時値がゼロのローレベル区間が前後に設定される。また、絶縁トランスTrの一次側への印加電圧が正負対称の同一パルス幅に設定されるので、絶縁トランスTrの直流偏磁が防止される。
図6は、共振電流位相遅れモードであって、100%DUTYのときの波形図、及び電流の流れを示すための逆変換装置30の回路図である。図6(a)は、制御角δ=0、すなわち、DUTY100%のときの電圧電流の波形図であり、図6(b)は、電流の流れを示すための逆変換装置30の回路図である。
図6(a)において、符号vは、DUTY100%の矩形波電圧波形を示し、符号iは、誘導加熱コイルに流れる正弦波電流を示す。矩形波電圧波形vの立ち上がりタイミングに対して、電流波形iのゼロクロスタイミングは遅れている。図6(b)において、逆変換装置30は、IGBTQ3(TRap),Q4(TRan),Q5(TRbp),Q6(TRbn)と、転流ダイオードD3(DIap),D4(DIan),D5(DIbp),D6(DIbn)とを備えている。
トランジスタTRap,TRbpのコレクタと、トランジスタTRan,TRbnのエミッタとの間に、低圧直流電圧Vdcが印加されている。トランジスタTRapのエミッタとトランジスタTRanのコレクタとが接続されており、トランジスタTRbpのエミッタとトランジスタTRbnのコレクタとが接続されている。また、トランジスタTRapのエミッタとトランジスタTRanのコレクタとの接続点と、トランジスタTRbpのエミッタとトランジスタTRbnのコレクタとの接続点との間に等価インダクタンスLa2のコイルとコンデンサCと等価抵抗Raとの直列回路が接続されている。この等価インダクタンスLa2のコイルと等価抵抗RaとコンデンサCとの直列回路は、トランスTr0,Tr1,…を入力側から見た等価回路である。
また、トランジスタTRap,TRan,TRbp,TRbnのアームであるコレクタとエミッタとの間に転流ダイオードDIap,DIan,DIbp,DIbnがそれぞれ接続されている。
図6(a)において、時刻ta1では、トランジスタTRap,TRbnがON状態になっており、コイル電流i(ia1)が流れる。このとき、等価インダクタンスLaのコイルと等価抵抗RaとコンデンサCとの直列回路は、誘導負荷となっており、正弦波電流のゼロクロスタイミングが矩形波電圧vの立ち上がりタイミングよりも遅れている。
時刻ta2で、トランジスタTRap,TRbnがOFF状態に遷移し、トランジスタTRan,TRbpがON状態に遷移する。これにより、コイル電流ia1と同一方向のコイル電流i(ia2)がダイオードDIan,DIbpを介して流れる。このとき、トランジスタTRap,TRbnの両端の電圧は変化しないので、零ボルトスイッチングとなる。
時刻ta3で、コイル電流ia2がゼロクロスし、コイル電流iの方向が反転する。反転したコイル電流i(ia3)は、トランジスタTRan,TRbpを介して流れ、時刻ta4=ta0で、トランジスタTRap,TRbnがON状態に遷移し、トランジスタTRan,TRbpがOFF状態に遷移する。これにより、コイル電流ia3と同一方向のコイル電流ia4がダイオードDIbn,DIapを介して流れる。時刻ta1で、コイル電流ia4がゼロクロスして、反転電流ia1がトランジスタTRap,TRbnを介して流れる。コイル電流ia4がゼロクロスする零電流スイッチングであるので、スイッチング損失は少ない。
すなわち、このとき時刻ta2の遷移では、トランジスタTRbnのON状態からOFF状態に遷移するが、ダイオードDIbnの印加電圧はゼロから逆バイアス電圧に変化するのみで、順バイアス状態から逆バイアス状態に遷移するわけではないので、キャリアの蓄積ロスは発生しない。また、時刻ta3の遷移でも、ダイオードDIbpの順バイアス状態から、トランジスタTRbpのON状態への遷移による蓄積電荷の放電が生じるが、順バイアス電流がゼロの零電流スイッチングとなり、キャリアの蓄積ロスは発生しない。
図7は、共振電流位相進みモードであって、DUTY100%未満のときの波形図である。図7(a)は、電圧幅を短縮してDUTY100%未満にしたときの電圧電流の波形図であり、図7(b)は、ゲート電圧のタイミングチャートを示した図である。図8(a),(b)は、電流の流れを示すための逆変換装置30の回路図である。図8(a)(b)の回路図は、図6(b)と電流の流れが異なるのみなので、構成の説明は省略する。
図7(a)において、コイル電流iのゼロクロスタイミングが矩形波電圧の立ち上がりタイミングよりも進んでいる共振電流位相進みモードになっている。矩形波電圧vは、時刻tb1と時刻tb2との間が正の値であり、時刻tb4と時刻tb5との間が負の値である。
すなわち、図7(b)のタイミングチャートを参照しつつ、時刻tb0から時刻tb1までは、トランジスタTRbnのみがON状態になり、時刻tb1から時刻tb2までは、トランジスタTRap,TRbnがON状態になり、時刻tb2から時刻tb4までは、TRan,TRbnがON状態になり、時刻tb4から時刻tb5までは、トランジスタTRan,TRbpがON状態になり、時刻tb5から時刻tb6までは、トランジスタTRan,TRbnがON状態になる。
すなわち、対角方向のトランジスタTRap,TRbn、又は他の対角方向のトランジスタTRbp,TRanを導通させることにより、コイル電流iを流し、他の期間は、下アームのトランジスタTRan,TRbnの何れかをON状態にし、他のトランジスタをOFF状態にすることにより、誘導加熱コイル20,21,…,25をフローティング状態にすることなく、非通電状態にしている。
より具体的に、時刻tb1から時刻tb2までは、トランジスタTRap,TRbnを介してコイル電流ib1が流れ、時刻tb2から時刻tb3までは、ダイオードDIan及びトランジスタTRbnを介してコイル電流ib1と同一方向のコイル電流ib2が流れ、コイル電流がゼロクロスする。時刻tb3から時刻tb4までは、ダイオードDIbn、及びトランジスタTRanを介して、逆方向のコイル電流ib3が流れる。時刻tb4から時刻tb5までは、トランジスタTRan,TRbpを介してコイル電流ib4が流れる。時刻tb5から時刻tb6=tb0までは、ダイオードDIan、及びトランジスタ TRbnを介してコイル電流ib6が流れ、コイル電流iがゼロクロスする。
コイル電流iがゼロクロスする時刻tb3、及び時刻tb0=tb6では、誘導加熱コイル20,21,…,25の両端の電位変化が無く、電力損失は発生しない。一方、時刻tb4においては、ダイオードDIbnに順方向電流が流れてから、トランジスタTRbpがON状態に遷移するので、ダイオードDIbnが逆バイアス状態に遷移する。したがって、ダイオードDIbnの蓄積時間の間、逆バイアス電流が流れ、トランジスタTRbpにリカバリ損失(蓄積損失)が発生する。同様に、時刻tb1では、ダイオードDIanが順方向バイアスから逆方向バイアスに遷移するので、トランジスタTRapに蓄積損失が発生する。しかしながら、低圧直流電圧Vdcが低ければ、リカバリ損失の影響は少ない。
図9は、共振電流位相遅れモードであって、DUTY100%未満のときの波形図である。図9(a)は、電圧幅を短縮させた場合の電圧電流の波形図であり、破線は矩形波電圧の基本波を示す。このときも電流波形iのゼロクロスタイミングは、印加電圧vの立ち上がりタイミングよりも遅れている。すなわち、DUTY=100%ではないが、矩形波電圧のパルス幅が広い場合である。図9(b)は、そのときのゲート電圧のタイミングチャートを示した図である。図10(a),(b)は、電流の流れを示すための逆変換装置30の回路図である。図10(a)(b)の回路図は、図6(b)と電流の流れが異なるのみなので、構成の説明は省略する。
図9(a)において、時刻tc1から時刻tc3まではトランジスタTRap、TRbnが導通状態になり、時刻tc3から時刻tc5まではトランジスタTRan、TRbnが導通状態になり、時刻tc5から時刻tc7までは、トランジスタTRbp、TRanが導通状態になり、時刻tc7から時刻tc9までの間は、トランジスタTRan、TRbnが導通状態になる。ここで、時刻tc3から時刻tc5までと時刻tc7から時刻tc9までの間は、下アームのトランジスタTRan、TRbnが導通しているので、誘導加熱コイル両端の電圧がゼロとなっており、スパイク電圧が発生しない。
図9及び図10(a)(b)を用いて動作を説明する。
時刻tc1から時刻tc2までは、ダイオードDIbn,DIapを介して、負の正弦波状のコイル電流ic1が流れ、時刻tc2で電流がゼロクロスする。時刻tc2から時刻tc3までの間は、トランジスタTRap,TRbnを介して、正の正弦波状のコイル電流ic2が流れる。時刻tc3から時刻tc5までは、ダイオードDIan、及びトランジスタTRbnを介して正のコイル電流ic3が流れる。時刻tc5から時刻tc6までは、図10(b)において、ダイオードDIan,DIbpを介して正のコイル電流ic4が流れる。そして、コイル電流が時刻tc6でゼロクロスする。時刻tc6から時刻tc7までは、トランジスタTRbp,TRanを介して、負のコイル電流ic5が流れる。時刻tc7から時刻tc1までは、ダイオードDIbn、及びトランジスタTRanを介してコイル電流ic6が流れる。
ここで、時刻tc1においては、ダイオードDIbnに電流が流れ続けるのみであるので、リカバリ損失が発生しない零電圧スイッチングになっている。時刻tc3のスイッチングにおいては、トランジスタTRapに流れている電流がダイオードDIanに流れ、ダイオードDIanがオフ状態からオン状態に変化するのみであるので、リカバリ電流は発生しない。時刻tc5のスイッチングにおいては、ダイオードDIanに流れる電流は変化しない。時刻tc7のスイッチングにおいては、ダイオードDIbnがオフ状態からオン状態に変化するのみであり、リカバリ電流は発生しない。また、時刻tc2,tc6では零電流スイッチングになっており、リカバリ損失は発生しない。
したがって、何れのスイッチングにおいても、ダイオードがオン状態からオフ状態になることはなくリカバリ電流は発生しない。
異常停止部92(図4)は、位相差判定部93の判定結果を用いて、各逆変換装置30,31,32,33,34,35の駆動を停止させる。具体的には、異常停止部92は、入力電圧である低圧直流電圧Vdcが所定値以上(例えば、直流高電圧Vmaxの50%以上)であって、駆動電圧波形の立ち上がりタイミングがコイル電流のゼロクロスタイミングよりも進んでいるときに異常停止させる。降圧チョッパ10の出力電圧(低圧直流電圧Vdc)を下げることにより、過渡電圧が低下し、IGBTの破壊が免れる。また、矩形波電圧の周波数を高くすることにより、よりインダクティブな運転となり、コイル電流のゼロクロスタイミングが遅れ、位相遅れ状態が確保される。
また、異常停止部92は、コイル電流が所定値以上(例えば、最大電流値の20%以上)であって、位相進みモードのときも異常停止させる。言い換えれば、異常停止部92は、コイル電流が所定値未満のときは、スイッチングロスが小さいので、位相進みモードであっても異常停止させない。
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記実施形態は、逆変換装置のスイッチング素子としてIGBTを使用したが、FETやバイポーラトランジスタ等のトランジスタを使用することもできる。
(2)前記実施形態は、逆変換装置に直流電力を供給するために、直流電圧から電圧を降下させる降圧チョッパ10を使用したが、商用電源から順変換装置を用いて直流電圧を発生させることもできる。また、商用電源には単相電源のみならず三相電源も使用することができる。
(3)前記実施形態は、すべての誘導加熱コイル20,21,…,25に対応する逆変換装置30,31,…,35には、共通の低圧直流電圧Vdcの電力を供給したが、最大加熱量が必要な誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルに対応する逆変換装置を追加して、追加した逆変換装置に直流電圧Vmaxの電力を供給し、逆変換装置30,31,32,…,35に低圧直流電圧Vdcの電力を供給することもできる。
10 降圧チョッパ(DC/DC変換器、チョッパ)
15 制御回路
20,21,22,23,24,25 誘導加熱コイル
30,31,32,33,34,35 逆変換装置
40,41,42,43,44,45 コンデンサ
46 電解コンデンサ
47 コンデンサ
50,60,70,80 矩形波電圧波形
51,61,71,81 基本波電圧波形
52,62,72,82 相互誘導電圧波形
53,63,73,83 コイル電流波形
91 パルス幅制御部
92 異常停止部
93 位相差判定部
94 直流電圧制御部
100 誘導加熱装置
M,M1,M2,M3,M4,M5 相互誘導インダクタンス
Tr1,Tr2,Tr3、Tr4,Tr5 絶縁トランス
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6 IGBT(スイッチング素子)
D1,D2,D3,D4,D5,D6 転流ダイオード
CH チョークコイル

Vmax 直流高電圧
Vdc 低圧直流電圧

Claims (10)

  1. 近接して配置された複数の誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルの各々に直列接続されたコンデンサと、直流電圧から変換させられた高周波電圧を各々の前記誘導加熱コイル及び前記コンデンサの直列回路に印加する複数の逆変換装置と、前記高周波電圧を電圧幅制御するとともに前記複数の誘導加熱コイルに流れるコイル電流の位相を揃えるように前記複数の逆変換装置を制御する制御回路とを備える誘導加熱装置であって、
    前記複数の逆変換装置は、各々の前記直流電圧が共通することを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記直流電圧は、前記複数の逆変換装置が変換したすべての高周波電圧の電圧幅最大値が所定値以上になるように低下させられることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 前記直流電圧は、前記直列回路に印加される印加電圧の立ち上がりタイミングよりも、前記直列回路に流れるコイル電流が負から正にゼロクロスするゼロクロスタイミングの方が遅れるように制御されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の誘導加熱装置。
  4. 前記逆変換装置は、各アームがトランジスタと逆並列接続されたダイオードとを備え、
    前記直流電圧は、チョッパ回路、又は順変換装置により発生させられることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
  5. 前記コイル電流が負から正にゼロクロスした後に前記高周波電圧が立ち上がった時に前記逆変換装置を停止させる異常停止部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
  6. 前記複数の誘導加熱コイルは、共通の発熱体に近接させられ、
    前記制御回路は、各々の前記誘導加熱コイルが前記発熱体に供給する電磁エネルギーが均一になるように前記矩形波電圧のパルス幅を各々可変制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
  7. 近接して配置された複数の誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルの各々に直列接続されたコンデンサと、直流電圧から変換させられた高周波電圧を各々の前記誘導加熱コイル及び前記コンデンサとの直列回路に印加する複数の逆変換装置と、前記高周波電圧を電圧幅制御する制御回路とを備える誘導加熱装置で実行される誘導加熱方法であって、
    前記制御回路は、前記複数の誘導加熱コイルに流れるコイル電流の位相を揃えるように、各々の前記直流電圧が共通する前記複数の逆変換装置を制御することを特徴とする誘導加熱方法。
  8. 前記直流電圧は、前記複数の逆変換装置が変換した高周波電圧の電圧幅最大値が所定値以上になるように低下させられることを特徴とする請求項7に記載の誘導加熱方法。
  9. 前記直流電圧は、前記直列回路に印加される印加電圧の立ち上がりタイミングよりも、前記直列回路に流れる電流のゼロクロスタイミングの方が遅れるように制御されることを特徴とする請求項7に記載の誘導加熱方法。
  10. 請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の誘導加熱方法を前記制御回路のコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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