JP2010286563A - レンズ装置、撮像装置およびレンズ装置の組立方法 - Google Patents

レンズ装置、撮像装置およびレンズ装置の組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レンズどうしの固定に際してのレンズどうしの位置のずれあるいはレンズの歪みを防止し、レンズ装置における光学性能の低下を防ぐこと。
【解決手段】レーザ光を吸収する樹脂材料によって形成された第1レンズ101および第2レンズ111は、有効光学面の外側の第1非レンズ部102および第2非レンズ部112に、他方のレンズとの相対位置を決定するための第1斜面部103および第2斜面部113を備えている。また、第2非レンズ部112の第2斜面部113が設けられた面と反対側の面には、外斜面部114が設けられている。第1レンズ101および第2レンズ111は、第1斜面部103および第2斜面部113によってのみ当接されており、外斜面部114から照射されたレーザ光により溶着されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、互いの位置関係が固定される複数のレンズを備えたレンズ装置、撮像装置およびレンズ装置の組立方法に関する。
近年、携帯型電話機やコンパクトカメラなど、撮影機能を備えた各種装置(以下「撮像装置」という)に対する小型化の要望にともなって、当該撮像装置が搭載するレンズなどの光学部材あるいは当該光学部材を複数用いて構成される光学装置(光学系)が小型化される傾向にある。また、近年、携帯型電話機やコンパクトカメラなどのような小型の撮像装置においては撮像素子の高画素化が図られる傾向にあり、撮像素子の高画素化にともなって、小型でありながらも精度の高い光学装置が望まれている。
一般的には、光学装置は、少なくとも2枚以上のレンズで構成されている。また、光学装置内には、撮影に不要な光線が結像系に影響を与えないように、これらの光線を遮断するための絞り部材が配置されていてもよい。絞り部材は、結像に有効な光線のみが透過するような開口を備えており、結像に有害な光線を効果的にカットすることができる。このため、光学装置に絞り部材を配置することで、内面反射やゴーストの発生を防止し、良好な画像を得ることができる。
光学装置の精度を高める方法としては、絞り部材の組み込みの他に、各光学部材の精度の向上や、各光学部材の位置決め精度の向上、各光学部材の歪みを防止する構造、安定した組み立て方式などが挙げられる。その理由は、光学装置を構成する各光学部材の変形や位置ずれ、組み立て作業による部品の歪み等は、光学性能を著しく低下させるためである。
具体的には、たとえば光学装置を組み立てる方式としては、個々の光学部材が所定の位置に配置されるように構成されたレンズ鏡筒に、それぞれの光学部材を積み上げる方式がある。この積み上げ方式によれば、各光学部材がレンズ鏡筒における所定の位置に配置されるため、所望の光学性能を得ることができる。
しかしながら、光学部材がそれぞれレンズ鏡筒に保持されるため、良好な光学性能を得るためには、個々の光学部材がそれぞれ高精度に製作される必要があり、部品コストが増大するという問題がある。また、個々の光学部材を高精度に製作しても、レンズ鏡筒へ積み上げただけでは、組み立てによる位置精度を確保することが難しい。このため、レンズ鏡筒に光学部材を積み上げる際に、レンズどうしの間隔を微調整したり、光軸の調芯作業をしたりすることが必要となり、組み立てコストが増大するという問題がある。
このような問題を解決するため、光学部材の形態を、相互に隣接する光学部材によって光学系の位置出しが可能な形態として、隣接する光学部材どうしを接着剤によって固着したレンズユニットが提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。このようなレンズユニットにおいては、隣接する光学部材が固着されることで光学系の位置精度が確保されるため、光学部材の光学系の位置精度が向上する。また、あらかじめ複数の光学部材が固着されており、レンズ鏡筒に配置させる位置が減少するため、組み立て精度が向上し、かつ光学装置をより小型化することができる。
図6は、従来のレンズ装置の構造について示す断面図である。図6に示すように、従来のレンズ装置600は、第1レンズ601と、第2レンズ611と、固定絞り620とを備えている。第1レンズ601および第2レンズ611は、たとえば透明なプラスチックなどの樹脂材料を金型を用いて射出成形することによって得られる。
第1レンズ601および第2レンズ611の外周には、他方のレンズおよび固定絞り620と一体的に組み立てるため、および、それぞれのレンズをレンズ鏡筒に組み込むための非レンズ部602,612を備えている。非レンズ部602,612には、他方のレンズと対向する側に、光軸に対して所定の角度、たとえば、45度で傾斜するテーパ面603,613が形成されている。第1レンズ601のテーパ面603と第2レンズ611のテーパ面613とは、嵌合することにより、第1レンズ601および第2レンズ611の光軸が合致する。
また、テーパ面603,613の外周には、光軸に直交する当接面604,614が形成されている。第1レンズ601の当接面604と第2レンズ611の当接面614とが当接することにより、第1レンズ601および第2レンズ611の光軸方向の相対位置が決定される。なお、第1レンズ601の当接面604と第2レンズ611の当接面614とが当接した状態において、第1レンズ601のテーパ面603と第2レンズ611のテーパ面613との間には、レンズ装置600に要求される光学性能を満足させる範囲でクリアランスをもつように形成されている。
固定絞り620は、たとえば2枚の同じ形状の固定絞り部材621を重ね合わせて構成されている。これら2枚の固定絞り部材621は、たとえば、ポリカーボネートにガラスを添加した黒色の樹脂から成形されている。固定絞り部材621は、円板状の部材からなり、中心部に開口孔622を備えている。この開口孔622は、内周面の直径が外側から内側に向けて拡径する傾斜面623となっている。
固定絞り部材621の外周には、第1レンズ601のテーパ面603の内周に嵌合する、テーパ面603と同じ角度で開口孔622の中心軸に対して傾斜したテーパ面624が形成されている。この固定絞り部材621のテーパ面624が第1レンズ601のテーパ面603に嵌合することにより、開口孔622の中心軸と第1レンズ601の光軸が合致する。さらに、固定絞り部材621と第1レンズ601との光軸方向の相対位置が決定される。
2枚の固定絞り部材621のうち、一方の固定絞り部材621のテーパ面624は第1レンズ601のテーパ面603に嵌合する。一方、他方の固定絞り部材621のテーパ面624は、第1レンズ601のテーパ面603に嵌合するテーパ面624の背面側に位置している。この他方の固定絞り部材621のテーパ面624と、第2レンズ611の端面615の一部および第1レンズ601のテーパ面603との間には、接着剤Gを収容する空間が形成されている。この空間に充填された接着剤Gにより、第1レンズ601、第2レンズ611および固定絞り620は互いに接合されている。
このようなレンズ装置600を組み立てる際には、重ね合わせた2枚の固定絞り部材621のうち、第1レンズ601のテーパ面603に嵌合していない固定絞り部材621のテーパ面624と第1レンズ601のテーパ面603との間に形成される凹部に、たとえば、ディスペンサーを用いて接着剤Gを適量塗布する。
つぎに、接着剤Gが塗布された状態の第1レンズ601に対して、第2レンズ611を組付ける。第1レンズ601に対して第2レンズ611を組付けると、第1レンズ601のテーパ面603に第2レンズ611のテーパ面613が嵌合するとともに、第1レンズ601の当接面604に第2レンズ611の当接面614が当接する。これにより、第1レンズ601と第2レンズ611の光軸が合致し、かつ、光軸方向の相対位置が決定される。
また、第2レンズ611の端面615の一部は、固定絞り部材621のテーパ面624と第1レンズ601のテーパ面603との間に形成される凹部に塗布された接着剤Gに接触する。接着剤Gが固化すると、第2レンズ611の端面615の一部と、固定絞り部材621のテーパ面624の一部と、第1レンズ601のテーパ面603の一部とが接合される。これにより、レンズ装置600の組み立てが完了する。
ここで、接着剤としては、たとえば高い作業性を確保できる、UV硬化型の接着剤を用いることができる。UV硬化型の接着剤は紫外線が照射されることによって硬化反応を開始するため、接着剤を塗布してから紫外線を照射するまでの間は押さえ用の治具によって第1レンズ601、第2レンズ611および固定絞り620などの光学部材の位置関係を仮固定している。押さえ用の治具は、一般的に、塗布された接着剤に紫外線を照射して1次硬化させた後に取り外す。
UV硬化型の接着剤は、紫外線の照射による硬化反応の開始から硬化反応が完了するまでの間に収縮する性質を有している。このため、UV硬化型の接着剤における硬化反応が完了する前に押さえ用の治具を取り外すと、硬化反応が完了するまでに進行する接着剤の収縮によって、各光学部材の相対的な位置関係がずれてしまうことがあった。具体的には、接着剤Gの硬化にともなう体積収縮のばらつきにより、接着剤Gを収容する空間に位置ずれが生じる。このため、テーパ面603,613や当接面604,614に応力がかかり、ずれが生じたり、光学面に変形や傾きが生じたりするため、光学性能が低下してしまう。
また、接着剤を複数箇所に塗布することによって光学部材どうしの位置関係を固定する場合、複数箇所において接着剤の塗布状態を一様にすることは困難であり、接着剤の塗布状態が塗布された箇所ごとにばらついてしまうことがあった。塗布状態のばらつきによっては、レンズにおける光学的な有効範囲内にまで接着剤がはみ出してしまうことがあった。レンズにおける光学的な有効範囲内に接着剤がはみ出した場合、当該レンズを用いた光学装置における光学性能が低下してしまう。
この対策として、従来、硬化反応が完了するまで治具を取り付けておくようにした技術があった。一方で、硬化反応が完了するまで治具を取り付けておくと、光学部材あるいは接着剤に当該接着剤の収縮に起因する応力が生じ、接着剤の収縮に起因する応力によって光学部材あるいは接着剤に歪みが発生してしまう。光学部材あるいは接着剤に歪みが発生すると光学部材どうしの位置関係にずれが生じ、光学装置における光学性能が低下してしまう。
また、硬化反応が完了するまでの間治具を取り付けておく場合、押さえ用の治具を取り外すまでの長時間にわたって、組み立て作業を継続することができず、光学装置や撮像装置の量産における歩留まりが低下してしまうという問題が生じる。また、この場合、押さえ用の治具を取り外すまでの長時間にわたって、押さえ用の治具が取り付けられた光学部材を保管する場所を確保しなくてはならず、生産コストが増加する一因となる。
さらに、接着剤を収容する空間がレンズ装置600の内部に設けられているため、接着剤の硬化時に発生するガスがレンズ装置600内にこもり、光学面を腐食させるため、光学性能が低下してしまう。また、たとえばレンズとしてポリカーボネイト樹脂性のレンズを用いた場合、これらのレンズは、紫外線硬化型の接着剤を硬化させるために有効な紫外線波長域を透過させないものが多い。これによって、作業性が著しく低下し、硬化速度や接合強度がばらつくため、硬化に時間がかかり、かつ光学性能が低下してしまう。
光学部材どうしの位置関係を固定する方法としては、レーザ溶着を用いて光学部材どしを接合することも考えられる。具体的には、たとえばレーザ光を透過する樹脂材料を用いてレンズを形成するとともに、熱を与えると接着力を増すような材料を用いて中間部材を形成する。そして、レンズの間に中間部材を介在させ、レーザ光の照射によって溶解させた中間部材を介してレンズどうしを溶着するようにした技術が提案されている(たとえば、下記特許文献2参照。)。レーザ溶着を用いることによって、接着剤を用いる場合に生じる各種の不具合を防止することができる。
特開2002−196211号公報 特開2006−184464号公報
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、第1レンズ601のテーパ面603と第2レンズ611のテーパ面613とが嵌合することにより、第1レンズ601および第2レンズ611の光軸が合致するが、第1レンズ601のテーパ面603と第2レンズ611のテーパ面613との間には、クリアランスが形成されている。このように、光軸方向および光軸と垂直な方向の位置決めをおこなうテーパ面603,613と当接面604,614が異なるため、テーパ面603,613にずれが生じてしまう。また、当接面604,614において接着されていないため、当接面604,614にも位置ずれが生じる可能性がある。このテーパ面603,613や当接面604,614のずれによる光軸ずれや面間隔ずれ(光軸に垂直な方向のずれ)によって、光学性能が低下するという問題がある。
また、当接面604,614に加え、テーパ面603,613を当接させるためには、極めて高精度なゼロ公差に近い部品が必要となり、光学部材を加工するのに時間がかかり、コストも増大するという問題がある。
さらに、特許文献2の技術では、中間部材を介在させなければレンズどうしを溶着できないという問題がある。また、中間部材を介してレンズを溶着させるため、レンズの光学系の位置決めが困難であるという問題がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、レンズどうしの相対的な位置関係のずれに起因する光学性能の低下を抑えることができるレンズ装置、撮像装置およびレンズ装置の組立方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるレンズ装置は、第1レンズと第2レンズとが一体的に組み立てられたレンズ装置において、前記第1レンズは、レーザ光を吸収する樹脂材料によって形成され、前記第2レンズとの相対的な位置を決定するための第1斜面部を備え、前記第2レンズは、前記レーザ光を吸収するとともに前記第1レンズを形成する材料に対して相溶性を有する樹脂材料によって形成され、前記第1斜面部に対してレーザ溶着によって固定された、前記第1レンズとの相対的な位置を決定するための第2斜面部を備えることを特徴とする。
この請求項1の発明によれば、第1レンズと第2レンズとが、互いに相対的な位置を決定する斜面部のみで当接する。また、当接部とレーザ溶着によって溶着される部分が同じである。したがって、第1レンズおよび第2レンズの相対的な位置関係のずれを抑えることができる。
また、請求項2の発明にかかるレンズ装置は、請求項1に記載の発明において、前記第2レンズは、前記第2斜面部が設けられた面と反対側の面に、当該第2斜面部と平行な斜面を有する外斜面部をさらに備えることを特徴とする。
この請求項2の発明によれば、レーザ溶着に用いるレーザの種類や強さ、第2レンズの樹脂材料の種類に応じて、レーザ光の入射位置から第1斜面部と第2斜面部との界面までの距離を変更し、第2レンズの透過率を変更することができる。これによって、レーザ溶着の条件が異なっても、最適な溶着状態を得ることができる。
また、請求項3の発明にかかるレンズ装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記第1レンズおよび前記第2レンズは、遠赤外領域の一酸化炭素レーザまたは二酸化炭素レーザを吸収する材料によって形成されていることを特徴とする。
この請求項3の発明によれば、遠赤外領域の一酸化炭素レーザまたは二酸化炭素レーザを用いたレーザ溶着によって、第1レンズと第2レンズとの透明なレンズどうしを固定することができる。
また、請求項4の発明にかかるレンズ装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記第1レンズおよび前記第2レンズは、透明なポリカーボネイトによって形成されていることを特徴とする。
この請求項4の発明によれば、透明なポリカーボネイトによって形成された第1レンズおよび第2レンズを固定することができる。
また、請求項5の発明にかかるレンズ装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記第1レンズまたは前記第2レンズは、前記第1斜面部または前記第2斜面部における、互いの斜面部がレーザ溶着によって固定された領域の周囲に、外部へ開放された溝部を備えることを特徴とする。
この請求項5の発明によれば、レーザ溶着によって生じたガスをレンズ装置の外部に排出することができる。これによって、レンズ装置内にガスが進入することを防ぎ、ガスに起因する光学面の腐食や変色などによる光学性能の低下を防ぐことができる。
また、請求項6の発明にかかるレンズ装置は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記第1レンズと前記第2レンズとの間に、レーザ光を吸収する樹脂材料によって形成され、中央に有効光線を透過させる開口部が設けられた絞り部材をさらに備え、前記第1レンズまたは前記第2レンズは、前記絞り部材の相対位置を決定するための、光軸に垂直な平面を備え、前記絞り部材は、レーザ溶着によって前記光軸に垂直な平面に固定されていることを特徴とする。
この請求項6の発明によれば、第1レンズまたは第2レンズと、絞り部材とを、レーザ溶着によって固定するため、レンズ装置内に絞り部材を確実に固定することができる。また、絞り部材の開口部の中心軸と、光学面の中心軸を合致させることができる。
また、請求項7の発明にかかる撮像装置は、第1レンズと第2レンズとを有する撮像装置において、レーザ光を吸収する樹脂材料によって形成され、前記第2レンズとの相対的な位置を決定するための第1斜面部を備えた前記第1レンズと、前記レーザ光を吸収するとともに前記第1レンズを形成する材料に対して相溶性を有する樹脂材料によって形成され、前記第1レンズとの相対的な位置を決定するための第2斜面部を備えた前記第2レンズとの、前記第1斜面部および前記第2斜面部がレーザ溶着によって固定されたレンズ装置と、前記レンズ装置を介して受光した外光を電気信号に変換する撮像用の光電変換素子と、を備えることを特徴とする。
この請求項7の発明によれば、第1レンズと第2レンズとが、互いに相対的な位置を決定する斜面部のみで当接する。また、当接部とレーザ溶着によって溶着される部分が同じである。したがって、第1レンズおよび第2レンズの相対的な位置関係のずれを防止し、安定した撮像画像を確保することができる。
また、請求項8の発明にかかるレンズ装置の組立方法は、第1レンズと第2レンズとを一体的に組み立てるレンズ装置の組立方法において、レーザ光を吸収する樹脂材料によって形成され、前記第2レンズとの相対的な位置を決定するための第1斜面部を備えた前記第1レンズと、前記レーザ光を吸収するとともに前記第1レンズを形成する材料に対して相溶性を有する樹脂材料によって形成され、前記第1レンズとの相対的な位置を決定するための第2斜面部を備えた第2レンズとの、前記第1斜面部と前記第2斜面部とを当接させて、前記第1レンズおよび前記第2レンズの光軸に平行な方向および前記光軸に垂直な方向の相対位置を決定する位置決め工程と、前記第1斜面部と前記第2斜面部との界面に達するように、前記第2レンズを介してレーザ光を照射することで、前記第1レンズおよび前記第2レンズの当該レーザ光の照射領域の材料を溶融させて、前記第1レンズの材料と前記第2レンズの材料とを混ぜ合わせる溶融工程と、前記レーザ光の照射を停止して、前記第1レンズの材料と前記第2レンズの材料が混ぜ合わされた領域を固化する固化工程と、を含むことを特徴とする。
この請求項8の発明によれば、第1レンズと第2レンズとを、互いに相対的な位置を決定する斜面部のみで当接させることができる。また、当接部をレーザ溶着によって溶着することができる。したがって、第1レンズおよび第2レンズの相対的な位置関係のずれを抑えることができる。
また、請求項9の発明にかかるレンズ装置の組立方法は、請求項8に記載の発明において、前記溶融工程の前に、前記第2レンズにおける前記第2斜面部が設けられた面と反対側の面に、前記レーザ光を透過し、レーザ照射による熱を放熱する金属部材を密着させる工程を含み、前記溶融工程においては、前記レーザ光を前記金属部材を介して前記第2レンズに照射することを特徴とする。
この請求項9の発明によれば、レーザ光が照射された第2レンズの表面に生じた熱を放熱することができる。したがって、第2レンズの表面におけるレーザ光の入射領域に形成される溶着痕が、品位ある溶着痕となり、レンズ装置の外形の美観を損ねるのを防ぐことができる。
また、請求項10の発明にかかるレンズ装置の組立方法は、請求項8または9に記載の発明において、前記溶融工程においては、前記レーザとして、遠赤外領域の一酸化炭素レーザまたは二酸化炭素レーザを照射することを特徴とする。
この請求項10の発明によれば、遠赤外領域の一酸化炭素レーザまたは二酸化炭素レーザを用いたレーザ溶着によって、第1レンズと第2レンズとの透明なレンズどうしを固定することができる。
本発明にかかるレンズ装置、撮像装置およびレンズ装置の組立方法によれば、レンズどうしの固定に際してのレンズどうしの位置のずれ、あるいはレンズの歪みを防止し、レンズ装置における光学性能の低下を防ぐことができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかるレンズ装置の構造について示す説明図である。 実施の形態1にかかるレンズ装置の構造について示す説明図である。 実施の形態1にかかるレンズ装置の組み立て方法について示す説明図である。 実施の形態1にかかるレンズ装置の組み立て方法について示す説明図である。 実施の形態2にかかるレンズ装置の構造について示す説明図である。 従来のレンズ装置の構造について示す断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるレンズ装置、撮像装置およびレンズ装置の組立方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
まず、この発明にかかるレンズ装置の概略構成について説明する。この発明にかかるレンズ装置は、光学部材としてのレンズを少なくとも2枚以上備えている。また、レンズ装置は、図示を省略する撮像装置本体が備えるマウントなどに取り付けられる。撮像装置本体内には、撮像用の光電変換素子すなわち撮像素子(図示を省略する)が配置されている。撮像素子は、レンズ装置を介して入射した外光を光電変換し、入射光量に応じた電気信号を出力する。
撮像素子は、具体的には、たとえばCCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)などの固体撮像素子によって実現することができる。
(実施の形態1)
つぎに、実施の形態1にかかるレンズ装置の構造について説明する。図1および図2は、実施の形態1にかかるレンズ装置の構造について示す説明図である。図1においては、実施の形態1にかかるレンズ装置100を光軸Cに直交する方向から見た状態を示している。図2においては、実施の形態1にかかるレンズ装置100を、光軸Cを通り光軸Cに平行な平面で切断した断面(図1におけるA−A'断面)を示している。図1または図2に示すように、実施の形態1にかかるレンズ装置100は、第1レンズ101と、第2レンズ111と、絞り部材120と、を備えている。なお、レンズ装置100は、使用用途によっては絞り部材120を備えていなくてもよい。
第1レンズ101、第2レンズ111および絞り部材120は、樹脂材料を用いた金型による射出成形によって形成されている。樹脂材料を用いた射出成形によって形成することにより、第1レンズ101、第2レンズ111および絞り部材120を高精度に製造することができる。
第1レンズ101、第2レンズ111および絞り部材120を形成する樹脂材料は、レーザ光を吸収する性質を有する。第1レンズ101および第2レンズ111はたとえば透明であり、絞り部材120はたとえば黒色である。レーザ光を吸収する性質を有する樹脂材料は、たとえば基剤となる樹脂材料に、レーザ光を吸収する性質を有する物質を混合あるいは分散させることによって実現することができる。第1レンズ101および第2レンズ111を形成する樹脂材料は、具体的には、たとえば遠赤外光COレーザあるいはCO2レーザを吸収する性質を有する透明なポリカーボネイトである。また、絞り部材120を形成する樹脂材料は、具体的には、たとえば第1レンズ101を透過するような近赤外光レーザを吸収する黒色の樹脂材料である。
また、第2レンズ111および絞り部材120を形成する樹脂材料は、第1レンズ101を形成する樹脂材料に対する相溶性を有している。実施の形態1においては、第1レンズ101と第2レンズ111は、同一種類の樹脂材料によって形成されているが、上述の条件を満たせば異なる種類の樹脂材料によって形成されてもよい。
なお、第1レンズ101を形成する際に射出成形に使用される金型は、レンズ装置600の光学面の中心軸と、第1斜面部103および棚部104の中心軸の位置が保たれるように加工することが可能な形態である。また、第2レンズ111を形成する際に射出成形に使用される金型は、光学面の中心軸と、第2斜面部113の中心軸の位置が保たれるように加工することが可能な形態である。
第1レンズ101は、有効光学面の外側に、第2レンズ111および絞り部材120と一体に組み立てるための第1非レンズ部102を備えている。第1非レンズ部102の第2レンズ111と対向する面には、光軸Cに対して所定角度で傾斜する第1斜面部103が設けられている。
また、第1非レンズ部102の第2レンズ111と対向する面には、絞り部材120と当接する棚部104が設けられていてもよい。棚部104と絞り部材120との境界部分には、棚部104の一部と絞り部材120の一部が混ざり合った第1溶融プール105が設けられている。この第1溶融プール105によって、棚部104と絞り部材120が溶着されている。この棚部104が絞り部材120の外形で整合し、絞り部材120と当接することにより、第1レンズ101および絞り部材120の光軸Cに平行な方向(光学面との調芯方向)の相対位置および光軸Cに垂直な偏芯方向(光学面との面間隔方向)の相対位置が決定される。
第2レンズ111は、有効光学面の外側に、第1レンズ101と一体に組み立てるための第2非レンズ部112を備えている。第2非レンズ部112の第1レンズ111と対向する面には、第1レンズ101の第1斜面部103と同じ角度で光軸Cに対して傾斜する第2斜面部113が設けられている。
第1レンズ101の第1斜面部103と第2レンズ111の第2斜面部113とが当接することにより、第1レンズ101および第2レンズ111の光軸Cに平行な方向の相対位置および光軸Cに垂直な偏芯方向の相対位置が決定される。
第1レンズ101の第1斜面部103と第2レンズ111の第2斜面部113とのそれぞれの境界の領域には、第1斜面部103の一部と第2斜面部113の一部とが混ざり合った第2溶融プール106が設けられている。この第2溶融プール106によって、第1レンズ101と第2レンズ111とが溶着されている。なお、第1レンズ101と第2レンズ111とは、第1斜面部103および第2斜面部113のみが当接しており、それ以外の領域では当接していない。
また、第2非レンズ部112の第1レンズ101と対向する面とは反対側の面には、第2斜面部113と平行な斜面を有する外斜面部114が選択的に設けられている。図1に示すように、外斜面部114は、それぞれ、光軸Cを中心とする同心円上において等間隔に設けられている。なお、外斜面部114は、第2非レンズ部112の全周囲に設けられていてもよいし、少なくとも、後述する第2レーザ光301を照射する領域、すなわち第2溶融プール106を形成する領域に形成されていればよい。また、外斜面部114と第2斜面部113との厚さは、後述する第2レーザ光301が第1レンズ101に到達するような厚さであればよい。したがって、外斜面部114と第2斜面部113との厚さは、照射するレーザの種類や照射量によって適宜変更可能である。
絞り部材120は、第1レンズ101と第2レンズ111との間に配置されている。絞り部材120は、円板状の部材からなり、中央に有効光線を透過させる開口部121が設けられている。開口部121は、外形部122と同軸度が保たれており、この外形部122と第1レンズ101の棚部104とを整合させることで、第1レンズ101および開口部121の光軸Cに平行な方向および光軸Cに垂直な方向の相対位置が決定される。
ここで、第1溶融プール105および第2溶融プール106は、レーザ溶着されることによって形成される。レーザ溶着は、熱可塑性の樹脂材料によって形成された接合対象部材を、当該樹脂材料の融点を超えるまでレーザ光を用いて昇温し、昇温した状態で圧力を加えることによって、複数の接合対象部材を分子レベルで結合する技術として知られている。
レーザ(LASER:Light Amplification Stimulated Emission of Radiation)光は、光(電磁波)を増幅したコヒーレントな光である。レーザ光は、たとえば透明な接合対象部材および黒色の接合対象部材を接合させる場合、透明な接合対象部材を透過し、黒色の接合対象部材で吸収される近赤外線領域の波長を用いることができる。また、たとえば透明な接合対象部材どうしを接合させる場合、透明な接合対象部材どうしの界面で吸収される遠赤外領域の波長を用いることができる。遠赤外光領域の波長のレーザ光は、具体的には、たとえば一酸化炭素(CO)レーザあるいは二酸化炭素(CO2)レーザである。
熱可塑性の樹脂材料によって形成された接合対象部材を分子レベルで結合する技術としては、レーザ溶着の他にインパルス溶着、熱板溶着、非接触熱板溶着、超音波溶着、高周波溶着、振動溶着、赤外線溶着などがあるが、レーザ光の照射範囲を極めて小さくすることができるので、レーザ溶着を用いることによって接合対象部材が小さい場合にも確実に接合することができる。また、レーザ溶着は振動を利用することなく接合することができるので接合時における振動によって接合対象部材が破損するなどの悪影響の発生を防止することができる。
レーザ溶着は、照射したレーザ光を接合対象部材どうしの界面まで到達させ、この界面の温度を接合対象部材の融点より高く昇温させる。そして、接合対象部材どうしの溶解した部分において、お互いの分子が混ざり合う。レーザ光の照射を停止すると、溶解した樹脂材料の温度が融点よりも下がり、溶着が完了する。
レーザ溶着を用いて接合対象部材どうしを接合することによって、接着剤を使用することなく接合対象部材どうしを接合することができる。これによって、接着剤を用いることに由来する、環境に対する悪影響を抑制することができる。また、接着剤が不要であるため、接着剤を用いる場合と比較して軽量化することができる。
つぎに、実施の形態1にかかるレンズ装置の組み立て方法について説明する。図3および図4は、実施の形態1にかかるレンズ装置の組み立て方法について順に示す説明図である。まず、図3に示すように、たとえば透明なポリカーボネイトによって形成された第1レンズ101に、黒色の樹脂材料によって形成された絞り部材120を挿入し、密着させる。このとき、押さえ治具などで加圧保持してもよい。このようにすることで、第1レンズ101の棚部104と絞り部材120とが当接する。
つぎに、棚部104と絞り部材120とを当接した状態で、棚部104と絞り部材120との当接位置(溶着面)に第1レーザ光201を照射する。第1レーザ光201は、たとえば第1レンズ101を透過して棚部104と絞り部材120との当接位置(溶着面)を照射するように、第1レンズ101の絞り部材120が当接している面とは反対側の面から照射する。第1レーザ光201は、具体的には、たとえば第1レンズ101を透過し、絞り部材120によって吸収される近赤外光レーザである。
第1レーザ光201の照射は、図示省略する、所定のレーザ光照射装置を用いておこなう。レーザ光照射装置は、レーザ光源やレーザ光源から発光されたレーザ光を集光する第1集光レンズ202などを備える。レーザ光照射装置については、公知の各種技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。
棚部104と絞り部材120との当接位置に照射されたレーザ光201は、第1レンズ101を透過し、絞り部材120で吸収され、熱エネルギーに変換される。絞り部材120において光エネルギーから変換された熱エネルギーは、絞り部材120における第1レーザ光201の照射部分を急速に昇温し、この部分の樹脂材料を溶融する。さらに、熱エネルギーが棚部104に伝熱し、棚部104の昇温箇所の樹脂材料を溶融する。このとき、絞り部材120の溶融した樹脂材料と、棚部104の溶融した樹脂材料とは、相溶性を有しているため均一にムラなく混ざり合い、第1溶融プール105を形成する。
つぎに、第1レーザ光201の照射を停止すると、第1溶融プール105における樹脂材料の温度が低下して固化する。固化した第1溶融プール105は、第1レンズ101の一部をなすとともに、絞り部材120の一部をなす。これによって、第1レンズ101と絞り部材120とが接合される。
なお、第1レーザ光201の照射は、同心円状の棚部104における全周囲に照射してもよいし、たとえば120度ごとの3分割など均等分割となる位置でスポット照射してもよい。
つぎに、図4に示すように、第1レンズ101に、透明なポリカーボネイトによって形成された第2レンズ111を取り付ける。このとき、第1レンズ101の第1斜面部103と、第2レンズ111の第2斜面部113と、のみが当接するように取り付ける。
つぎに、第1斜面部103と第2斜面部113とを当接した状態で、第1斜面部103と第2斜面部113との当接位置(溶着面)に第2レーザ光301を照射する。第2レーザ光301は、たとえば第2レンズ111を透過して第1斜面部103と第2斜面部113との当接位置(溶着面)を照射するように、第2レンズ111の外斜面部114から照射する。第2レーザ光301は、具体的には、たとえば第1レンズ101および第2レンズ111によって吸収される遠赤外領域のCOレーザあるいはCO2レーザである。第2レーザ光301の照射は、第1レーザ光201の照射と同様に、たとえば第2集光レンズ302を備えるレーザ光照射装置を用いておこなう。
外斜面部114に照射された第2レーザ光301は、第2レンズ111で吸収され熱エネルギーに変換される。第2レンズ111において光エネルギーから変換された熱エネルギーは、第2レンズ111における第2レーザ光301の照射部分を急速に昇温し、この部分の樹脂材料を溶融する。さらに、第2レーザ光301は、第1斜面部103に到達し、第1レンズ101で吸収され、熱エネルギーに変換される。第1レンズ101において光エネルギーから変換された熱エネルギーは、第1レンズ101における第2レーザ光301の照射部分を急速に昇温し、この部分の樹脂材料を溶融する。
すなわち、第2レンズ111の外斜面部114の表面から第2レンズ111の第2斜面部113と第1レンズ101の第1斜面部103との界面を越えて、第1レンズ101の一部までが溶融する。このとき、第1レンズ101の樹脂材料と第2レンズ111の樹脂材料とは、相溶性を有しているため均一にムラなく混ざり合い、第2溶融プール106を形成する。このように、第2レンズ111における第2斜面部113と外斜面部114との厚さは、第2レーザ光301が第1レンズ101に到達するような厚さであればよい。
つぎに、第2レーザ光301の照射を停止すると、第2溶融プール106における樹脂材料の温度が低下して固化する。固化した第2溶融プール106は、第1レンズ101の一部をなすとともに、第2レンズ111の一部をなす。これによって、第1レンズ101と第2レンズ111とが接合される。
なお、図示は省略するが、外斜面部114に第2レーザ光301を照射する際に、外斜面部114に、ジンクセレン(ZiSe)、ゲルマニウム(Ge)、フッ化バリウム(BaF2)などの遠赤外領域の光を透過させる金属によって形成された放熱部材を密着させた後に、この放熱部材を介して外斜面部114に第2レーザ光301を照射してもよい。このようにすることで、外斜面部114の表面が熱エネルギーによって昇温されたときに、放熱部材によって熱エネルギーが放熱されるため、外斜面部114の表面に形成される溶着痕が、品位のある溶着痕となり、外斜面部114の表面の美観を損ねるのを防ぐことができる。
実施の形態1によれば、第1レンズ101および第2レンズ111が、第1斜面部103と第2斜面部113とのみで当接している。さらに、第1レンズ101および第2レンズ111が当接している第1斜面部103と第2斜面部113によって、第1レンズ101と第2レンズ111とが接合されている。第1レンズ101および第2レンズ111の光軸Cに平行な方向および光軸Cに垂直な偏芯方向の位置を決定する第1斜面部103および第2斜面部113の間にクリアランスが形成されておらず、当接面と接合面が同一のため、光軸に平行な方向および光軸に垂直な偏芯方向の位置がずれることを防ぐことができる。
また、外斜面部114と第2斜面部113との厚さを適宜変更することで、第2レンズ111における第2レーザ光301の照射領域の透過率を変更することができるので、外斜面部114に照射する第2レーザ光301に合わせた最適な溶着状態を得ることができる。
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2にかかるレンズ装置の構造について説明する。図5は、実施の形態2にかかるレンズ装置の構造について示す説明図である。図5の右図においては、実施の形態2にかかるレンズ装置の一部を、光軸Cを通り光軸Cに平行な平面で切断した断面を示している。図5の左図においては、右図の矢印D方向からの矢視図である。
図5に示すように、実施の形態2にかかるレンズ装置は、第1レンズ101における第1斜面部103の第2レーザ光301が照射される部分の周辺に溝部501が設けられている。溝部501は、一部が第1レンズ101と第2レンズ111との隙間に達している。すなわち、第1レンズ101および第2レンズ111は、第1斜面部103と第2斜面部113のみで当接している。このため、第1斜面部103の第2斜面部113との当接領域より外側には、第2斜面部113が当接しておらず、レンズ装置100の外部に晒されている領域502がある。溝部501が、該領域502に達していることで、溝部501がレンズ装置100の外形部へと開放されることとなる。
その他の構成および組み立て方法については、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
なお、実施の形態2においては、第1レンズ101の第1斜面部103の周辺に溝部501が設けられることとしたが、これに限るものではない。具体的には、たとえば第2レンズ111の第2斜面部113の周辺に溝部501が設けられていてもよい。
実施の形態2によれば、第2レーザ光301を照射したときに第1レンズ101の樹脂材料が溶融するにともない生じたガスが、溝部501を通じてレンズ装置100の外部へと排出される。したがって、第1レンズ101と第2レンズ111とによって接合された内部へガスが進入することを防ぎ、ガスに起因する光学面の腐食や変色などによる光学性能の低下を防ぐことができる。
以上説明したように、レンズ装置、撮像装置およびレンズ装置の組立方法によれば、レンズどうしの固定に際してのレンズどうしの位置のずれあるいはレンズの歪みを防止し、レンズ装置における光学性能の低下を防ぐことができる。
以上のように、本発明にかかるレンズ装置、撮像装置およびレンズ装置の組立方法は、互いの位置関係が固定される複数のレンズを備えたレンズ装置、撮像装置およびレンズ装置の組立方法に有用であり、特に、固定されるレンズどうしの位置関係に高い精度が要求されるレンズ装置、撮像装置およびレンズ装置の組立方法に適している。
100 レンズ装置
101 第1レンズ
102 第1非レンズ部
103 第1斜面部
104 棚部
105 第1溶融プール
106 第2溶融プール
111 第2レンズ
112 第2非レンズ部
113 第2斜面部
114 外斜面部

Claims (10)

  1. 第1レンズと第2レンズとが一体的に組み立てられたレンズ装置において、
    前記第1レンズは、レーザ光を吸収する樹脂材料によって形成され、前記第2レンズとの相対的な位置を決定するための第1斜面部を備え、
    前記第2レンズは、前記レーザ光を吸収するとともに前記第1レンズを形成する材料に対して相溶性を有する樹脂材料によって形成され、前記第1斜面部に対してレーザ溶着によって固定された、前記第1レンズとの相対的な位置を決定するための第2斜面部を備えることを特徴とするレンズ装置。
  2. 前記第2レンズは、前記第2斜面部が設けられた面と反対側の面に、当該第2斜面部と平行な斜面を有する外斜面部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
  3. 前記第1レンズおよび前記第2レンズは、遠赤外領域の一酸化炭素レーザまたは二酸化炭素レーザを吸収する材料によって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ装置。
  4. 前記第1レンズおよび前記第2レンズは、透明なポリカーボネイトによって形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のレンズ装置。
  5. 前記第1レンズまたは前記第2レンズは、前記第1斜面部または前記第2斜面部における、互いの斜面部がレーザ溶着によって固定された領域の周囲に、外部へ開放された溝部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のレンズ装置。
  6. 前記第1レンズと前記第2レンズとの間に、レーザ光を吸収する樹脂材料によって形成され、中央に有効光線を透過させる開口部が設けられた絞り部材をさらに備え、
    前記第1レンズまたは前記第2レンズは、前記絞り部材の相対位置を決定するための、光軸に垂直な平面を備え、
    前記絞り部材は、レーザ溶着によって前記光軸に垂直な平面に固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のレンズ装置。
  7. 第1レンズと第2レンズとを有する撮像装置において、
    レーザ光を吸収する樹脂材料によって形成され、前記第2レンズとの相対的な位置を決定するための第1斜面部を備えた前記第1レンズと、前記レーザ光を吸収するとともに前記第1レンズを形成する材料に対して相溶性を有する樹脂材料によって形成され、前記第1レンズとの相対的な位置を決定するための第2斜面部を備えた前記第2レンズとの、前記第1斜面部および前記第2斜面部がレーザ溶着によって固定されたレンズ装置と、
    前記レンズ装置を介して受光した外光を電気信号に変換する撮像用の光電変換素子と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  8. 第1レンズと第2レンズとを一体的に組み立てるレンズ装置の組立方法において、
    レーザ光を吸収する樹脂材料によって形成され、前記第2レンズとの相対的な位置を決定するための第1斜面部を備えた前記第1レンズと、前記レーザ光を吸収するとともに前記第1レンズを形成する材料に対して相溶性を有する樹脂材料によって形成され、前記第1レンズとの相対的な位置を決定するための第2斜面部を備えた第2レンズとの、前記第1斜面部と前記第2斜面部とを当接させて、前記第1レンズおよび前記第2レンズの光軸に平行な方向および前記光軸に垂直な方向の相対位置を決定する位置決め工程と、
    前記第1斜面部と前記第2斜面部との界面に達するように、前記第2レンズを介してレーザ光を照射することで、前記第1レンズおよび前記第2レンズの当該レーザ光の照射領域の材料を溶融させて、前記第1レンズの材料と前記第2レンズの材料とを混ぜ合わせる溶融工程と、
    前記レーザ光の照射を停止して、前記第1レンズの材料と前記第2レンズの材料が混ぜ合わされた領域を固化する固化工程と、
    を含むことを特徴とするレンズ装置の組立方法。
  9. 前記溶融工程の前に、
    前記第2レンズにおける前記第2斜面部が設けられた面と反対側の面に、前記レーザ光を透過し、レーザ照射による熱を放熱する金属部材を密着させる工程を含み、
    前記溶融工程においては、前記レーザ光を前記金属部材を介して前記第2レンズに照射することを特徴とする請求項8に記載のレンズ装置の組立方法。
  10. 前記溶融工程においては、前記レーザとして、遠赤外領域の一酸化炭素レーザまたは二酸化炭素レーザを照射することを特徴とする請求項8または9に記載のレンズ装置の組立方法。
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