JP2010286426A - 寿命予測装置及び電源装置及び寿命予測方法 - Google Patents

寿命予測装置及び電源装置及び寿命予測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的早い段階において、コンデンサの寿命を正確に予測する。
【解決手段】基準抵抗R22は、平滑コンデンサC11(コンデンサ)と直列に電気接続する。電圧生成部222(電圧生成回路・測定装置)は、平滑コンデンサC11と基準抵抗R22との直列回路に印加するバイアス付き交流電圧を生成する。電圧測定部223は、平滑コンデンサC11の両端電圧を測定する。抵抗算出部224(測定装置)は、電圧生成部223が測定した両端電圧に基づいて、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rを算出する。寿命算出部242(寿命算出装置)は、抵抗算出部224が算出した等価直列抵抗Rに基づいて、平滑コンデンサC11の寿命を判定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、コンデンサの寿命を予測する寿命予測装置に関する。
電源装置に用いられる平滑コンデンサなどのコンデンサは、寿命を迎えると、静電容量が低下し、本来の役割を果たさなくなる。
このため、コンデンサの静電容量を測定し、コンデンサの寿命を判定する技術がある。
また、従来のコンデンサは、寿命末期が近づくと、徐々に静電容量が低下していく。このため、コンデンサの静電容量を測定することにより、コンデンサが寿命を迎えたか否かだけでなく、あとどれくらい使用すると寿命に達するかを予測することができた。
特開2008−306850号公報 特開2004−245584号公報
近年、コンデンサの性能が向上し、寿命寸前まで、静電容量があまり変化しないコンデンサが出現してきた。これにより、コンデンサの静電容量を測定する従来の方式では、早い段階でコンデンサの寿命を正確に予測することが困難になった。
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、比較的早い段階でコンデンサの寿命を正確に予測することを目的とする。
この発明にかかる寿命予測装置は、測定装置と、寿命算出装置とを有し、
上記測定装置は、コンデンサの交流インピーダンス及び等価直列抵抗の少なくともいずれかを測定し、
上記寿命算出装置は、上記測定装置が測定した交流インピーダンス及び等価直列抵抗の少なくともいずれかに基づいて、上記コンデンサの寿命を算出することを特徴とする。
この発明にかかる寿命予測装置によれば、コンデンサの等価直列抵抗に基づいて、コンデンサの寿命を算出するので、比較的早い段階で、コンデンサの寿命を正確に予測することができる。
実施の形態1における電源装置800の全体構成の一例を示す回路構成図。 実施の形態1における電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧vと、電圧測定部223が測定する平滑コンデンサC11の両端電圧vとの関係の一例を示す波形図。 平滑コンデンサC11の等価回路の一例を示す図。 平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの温度特性及び使用時間特性の一例を示すグラフ図。 実施の形態1における寿命表記憶部241が記憶する寿命表データ610の一例を示す図。 実施の形態1における寿命予測処理S710の流れの一例を示すフローチャート図。 実施の形態2における電源装置800の全体構成の一例を示す回路構成図。 実施の形態4における電源装置800の全体構成の一例を示す回路構成図。 実施の形態4における寿命表記憶部241が記憶する寿命表データ610の一例を示す図。
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図6を用いて説明する。
図1は、この実施の形態における電源装置800の全体構成の一例を示す回路構成図である。
電源装置800は、例えば直流安定化電源であり、直流電圧Vを生成する。電源装置800は、電源回路810、平滑コンデンサC11、寿命予測装置100を有する。
電源回路810は、例えば商用電源などの交流電源やその他の電源(図示せず)から電力を入力し、入力した電力を変換して、直流電圧Vを生成する。
平滑コンデンサC11は、電源回路810の出力(電源本線)に並列に電気接続され、電源回路810が生成した直流電圧Vのリプルを除去する。なお、電源装置800は、平滑コンデンサC11を複数有する構成であってもよい。
寿命予測装置100は、平滑コンデンサC11の寿命を予測する。平滑コンデンサC11は、電圧を印加した状態での時間経過に伴い、静電容量が減少し、損失角が増大し、漏れ電流が増大する。平滑コンデンサC11の寿命とは、例えば静電容量・損失角・漏れ電流のいずれかが規定の値を超えた場合をいう。
平滑コンデンサC11は、電源装置800のなかで最も寿命が短い部品であると考えられるから、平滑コンデンサC11の寿命は、すなわち、電源装置800の寿命とみなすことができる。また、平滑コンデンサC11がもうすぐ寿命となることをあらかじめ予測できれば、平滑コンデンサC11が寿命を迎える前に、あらかじめ新しい電源装置を準備し、計画的に電源装置の交換を実施することができる。
寿命予測装置100は、マイコン200、スイッチング回路SW21、サーミスタT31、2つの基準抵抗R22,R32を有する。
図示していないが、マイコン200は、記憶装置、処理装置(以下「CPU」と呼ぶ。)、アナログデジタル変換装置(以下「ADC」と呼ぶ。)、デジタルアナログ変換装置(以下「DAC」と呼ぶ。)などのハードウェア資源を有する。
記憶装置には、揮発性記憶装置(以下「RAM」と呼ぶ。)と不揮発性記憶装置(以下「ROM」と呼ぶ。)とがある。ROMは、CPUが実行するプログラムや、あらかじめ定められたデータなどを、あらかじめ記憶している。RAMは、CPUが処理するデータを一時的に記憶する。
CPUは、ROMが記憶したプログラムを実行することにより、以下に説明する機能ブロックを実現する。
ADCは、アナログ入力端子の電圧を測定し、CPUが処理できるデジタルデータに変換する。
DACは、CPUからの指令に基づいて、デジタルデータが表わす電圧を生成し、アナログ出力端子から出力する。
マイコン200は、以上のようなハードウェア資源を用いて、測定制御部221、電圧生成部222、電圧測定部223、抵抗算出部224、温度測定部231、寿命表記憶部241、寿命算出部242などの機能ブロックを実現する。なお、これらの機能ブロックは、必ずしもマイコン200を用いて実現される必要はなく、アナログ回路、デジタル回路、集積回路など他の構成によって実現されてもよい。
スイッチング回路SW21は、共通端子と2つの切替端子とを有する。スイッチング回路SW21は、マイコン200からの制御信号に基づいて、共通端子といずれか一方の切替端子との間を導通させる。スイッチング回路SW21は、例えばリレーのような機械的接点により実現してもよいし、MOSFETのような半導体スイッチにより実現してもよい。共通端子は、平滑コンデンサC11の陽極端子に電気接続している。一方の切替端子は、電源回路810の陽極側出力に電気接続している。もう一方の切替端子は、基準抵抗R22の一端およびマイコン200のアナログ入力端子(以下「第一入力端子」と呼ぶ。)に電気接続している。
基準抵抗R22の他端は、マイコン200のアナログ出力端子に電気接続している。
サーミスタT31は、温度によって抵抗値が変化する2端子素子である。サーミスタT31は、平滑コンデンサC11の近傍に配置され、平滑コンデンサC11の周辺の温度によって抵抗値が変化する。サーミスタT31の一端は、電源回路810の陰極側出力に電気接続している。サーミスタT31の他端は、基準抵抗R32の一端およびマイコン200のアナログ入力端子(第一入力端子とは異なるもう一つのアナログ入力端子。以下「第二入力端子」と呼ぶ。)に電気接続している。
基準抵抗R32の他端は、電源装置800の陽極側出力に電気接続している。
測定制御部221は、CPUを用いて、スイッチング回路SW21を制御する制御信号を生成する。通常時において、測定制御部221は、平滑コンデンサC11の陽極端子と電源回路810の陽極側出力とを導通させるよう、スイッチング回路SW21を制御する制御信号を生成する。これにより、平滑コンデンサC11は、電源回路810が生成した直流電圧Vのリプルを除去するという、本来の動作をする。平滑コンデンサC11の寿命を予測する場合、測定制御部221は、スイッチング回路SW21を切り換えて、平滑コンデンサC11の陽極端子とマイコン200のアナログ入力端子とを導通させるよう、スイッチング回路SW21を制御する制御信号を生成する。これにより、平滑コンデンサC11は、電源回路810から切り離される。
なお、平滑コンデンサC11が1つしかない場合、測定制御部221は、電源回路810の動作停止時に、平滑コンデンサC11を電源回路810から切り離す。また、平滑コンデンサC11が複数ある場合は、複数の平滑コンデンサC11にそれぞれ対応する複数のスイッチング回路SW21を設け、測定制御部221は、いずれか1つの平滑コンデンサC11のみを電源回路810から切り離す。これにより、電源回路810の動作中は、いずれかの平滑コンデンサC11が電源回路810に接続した状態となり、電源装置800が正常に動作する。
電圧生成部222は、DACを用いて、バイアス付き交流電圧を生成し、アナログ出力端子から出力する。電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧は、例えば直流成分が2.5V、交流成分が最大値2Vの正弦波で、周波数が数十kHz〜数百kHz程度である。直流成分の電圧値は、例えばDACが生成できる電圧範囲の中央値に設定する。なお、平滑コンデンサC11が電解コンデンサなどの有極コンデンサである場合、負電圧を印加することはできないので、DACが負電圧を生成できる場合であっても、バイアス付き交流電圧の最低値が0V以上になるようにする。したがって、DACが負電圧を生成できる場合、直流成分の電圧値は、例えばDACが生成できる最高電圧の半分に設定する。
電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧の交流成分の周波数は、マイコン200の動作周波数などによって定まるDAC及びADCの時間分解能による制限を受けるほか、平滑コンデンサC11の等価直列インダクタンスの影響が無視できる程度に低い周波数に設定する。また、交流成分の周波数は、平滑コンデンサC11の静電容量によるリアクタンスが十分に小さくなり、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗の影響を、ADCの電圧分解能によって測定可能な程度に高い周波数に設定する。
なお、電圧生成部222は、マイコン200からの指令により動作する発振器などの回路により実現してもよい。
電圧測定部223は、ADCを用いて、第一入力端子の電圧(すなわち、平滑コンデンサC11の両端電圧)を測定し、測定した平滑コンデンサC11の両端電圧を表わすデータを生成する。
抵抗算出部224は、CPUを用いて、電圧測定部223が生成したデータに基づいて、電圧生成部222が生成した交流電圧の交流成分に対する、平滑コンデンサC11の両端電圧の交流成分の電圧比aおよび位相差θを算出する。
図2は、この実施の形態における電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧vと、電圧測定部223が測定する平滑コンデンサC11の両端電圧vとの関係の一例を示す波形図である。
横軸は時刻、縦軸は電圧を表わす。曲線511は、電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧の瞬時電圧値を表わす。曲線512は、電圧測定部223が測定する平滑コンデンサC11の両端電圧の瞬時電圧値を表わす。
電圧Vおよび電圧Vは、それぞれ、電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧vの極大値および極小値を表わす。電圧Vはおよび電圧Vは、それぞれ、電圧測定部223が測定する平滑コンデンサC11の両端電圧の極大値および極小値を表わす。時間Tは、電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧の交流成分の周期(周波数の逆数)を表わす。時間Tは、電圧測定部223が測定する平滑コンデンサC11の両端電圧が極大値Vになってから、電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧vが極大値Vになるまでの時間を表わす。
抵抗算出部224は、CPUを用いて、あらかじめ設定により定められている電圧V、電圧V、時間Tの値を取得する。あるいは、抵抗算出部224は、電圧生成部222からの通知により、電圧V、電圧V、時間Tの値を取得してもよい。
また、抵抗算出部224は、CPUを用いて、電圧測定部223が測定した平滑コンデンサC11の両端電圧vに基づいて、電圧V、電圧V、時間Tを算出する。
抵抗算出部224は、例えば、電圧Vから電圧Vを差し引いた差(V−V)を、電圧Vから電圧Vを差し引いた差(V−V)で割った商を算出することにより、電圧比aを求める。
また、抵抗算出部224は、例えば、時間Tを時間Tで割った商に、2πを乗じた積(πは円周率。)を算出することにより、位相差θを求める。
図3は、平滑コンデンサC11の等価回路の一例を示す図である。
平滑コンデンサC11の等価回路として、一般に、静電容量Cと等価並列抵抗rとの並列回路と、等価直列抵抗Rと、等価直列インダクタンスLとの直列回路が考えられる。しかし、上述したように、電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧の交流成分の周波数が、等価直列インダクタンスLの影響を無視できる程度に低い周波数であることから、等価直列インダクタンスLは無視できる。また、等価並列抵抗rの値は通常十分に大きいことから、等価並列抵抗rも無視できる。このため、平滑コンデンサC11の等価回路として、静電容量Cと等価直列抵抗Rとの直列回路を考える。
このとき、平滑コンデンサC11のインピーダンスZは、次の式で与えられる。
Figure 2010286426
ただし、jは虚数単位(すなわち−1の平方根)、ωは電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧の交流成分の角周波数である。
基準抵抗R22の抵抗値をRとすると、電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧vの交流成分に対する、平滑コンデンサC11の両端電圧vの交流成分の比の複素表現a∠θは、次の式で与えられる。
Figure 2010286426
これより、等価直列抵抗Rの算出式を求めると、次の式が得られる。
Figure 2010286426
抵抗算出部224は、この算出式を使用して、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rを算出する。すなわち、抵抗算出部224は、CPUを用いて、電圧比aの二乗aを算出する。抵抗算出部224は、CPUを用いて、位相差θの余弦cosθを算出する。抵抗算出部224は、CPUを用いて、電圧比aと余弦cosθとの積a・cosθを算出する。抵抗算出部224は、CPUを用いて、二乗aから積a・cosθを差し引いた差a−a・cosθを算出する。抵抗算出部224は、CPUを用いて、積a・cosθに2を乗じた積2a・cosθを算出する。抵抗算出部224は、CPUを用いて、二乗aに1を加えた和a+1を算出する。抵抗算出部224は、CPUを用いて、和a+1から積2a・cosθを差し引いた差a+1−2a・cosθを算出する。抵抗算出部224は、CPUを用いて、差a−a・cosθを差a+1−2a・cosθで割った商(a−a・cosθ)/(a+1−2a・cosθ)を算出する。抵抗算出部224は、CPUを用いて、商(a−a・cosθ)/(a+1−2a・cosθ)に抵抗値Rを乗じた積を算出することにより、等価直列抵抗Rを求める。
なお、抵抗算出部224は、等価直列抵抗Rを求める代わりに、抵抗値Rに対する等価直列抵抗Rの比R/Rを求めるものであってもよい。そうすれば、上記計算過程において、抵抗値Rを乗じる計算をしなくて済むので、計算量を減らすことができる。
図1に戻って、機能ブロックの説明を続ける。
温度測定部231は、ADCを用いて、第二入力端子の電位(すなわち、サーミスタT31の両端電圧)を測定し、測定したサーミスタT31の両端電圧を表わすデータを生成する。温度測定部231が測定するサーミスタT31の両端電圧は、電源回路810が出力する直流電圧を、基準抵抗R32とサーミスタT31とで分圧した電圧であるから、サーミスタT31の抵抗値により変化する。サーミスタT31の抵抗値は平滑コンデンサC11の周辺の温度によって変化するから、電源回路810が生成する直流電圧の値が所定の値で一定であるとすると、温度測定部231が生成するサーミスタT31の両端電圧を表わすデータは、平滑コンデンサC11の周辺の温度を表わす。
寿命表記憶部241は、あらかじめ、ROMを用いて、温度測定部231が測定した平滑コンデンサC11の周辺の温度と、抵抗算出部224が算出した平滑コンデンサC11の等価直列抵抗の値とから、平滑コンデンサC11の寿命を求めるためのデータ(以下「寿命表データ」と呼ぶ。)を記憶している。
図4は、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの温度特性及び使用時間特性の一例を示すグラフ図である。
横軸は、温度または使用時間を表わす。縦軸は、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの値を表わす。曲線521は、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの温度特性を表わす。曲線522は、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの使用時間特性を表わす。
使用時間が同じ場合、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの値は、温度が低いほど高く、温度が高いほど低い。温度が同じ場合、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの値は、使用時間が経つほど大きくなる。
図5は、この実施の形態における寿命表記憶部241が記憶する寿命表データ610の一例を示す図である。
サーミスタ電圧値611は、温度測定部231が測定するサーミスタT31の両端電圧の値を表わす。等価直列抵抗値612は、抵抗算出部224が算出する平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの値を表わす。余命時間621は、平滑コンデンサC11の寿命までの残り時間を表わす。
この例において、寿命表データ610は表形式のデータであり、各セルが記憶した余命時間621は、温度測定部231が測定したサーミスタT31の両端電圧が、その列の一番上のセルが記憶したサーミスタ電圧値611であり、かつ、抵抗算出部224が算出した平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの値が、その行の一番左のセルが記憶した等価直列抵抗値612である場合の余命時間を表わす。
なお、寿命表データ610のデータ形式は、表形式に限らず、サーミスタ電圧値611と等価直列抵抗値612とから余命時間621を求めることができる形式であれば、データベース形式など他の形式であってもよい。
図1に戻って、機能ブロックの説明を続ける。
寿命算出部242は、CPUを用いて、抵抗算出部224が算出した平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの値と、温度測定部231が測定したサーミスタT31の両端電圧の値とに基づいて、寿命表記憶部241が記憶した寿命表データ610から、サーミスタ電圧値611及び等価直列抵抗値612が最も近い余命時間621を取得する。
寿命算出部242は、CPUを用いて、取得した余命時間621(寿命)を出力する。
寿命算出部242が算出した余命時間621は、例えば、図示していない寿命表示部が表示して、電源装置800の利用者に通知する。あるいは、寿命算出部242が算出した余命時間621が所定の閾値より短くなった場合に、図示していない寿命警告部が、寿命警告表示を表示したり、警告音を出力したりして、電源装置800の利用者に警告し、電源装置の交換を促す。
図6は、この実施の形態における寿命予測処理S710の流れの一例を示すフローチャート図である。
寿命予測処理S710において、寿命予測装置100は、平滑コンデンサC11の寿命を予測する。寿命予測処理S710は、コンデンサ切り離し工程S711、コンデンサ電圧測定工程S712、温度測定工程S713、等価直列抵抗算出工程S714、寿命算出工程S718、コンデンサ接続工程S719を有する。
コンデンサ切り離し工程S711において、測定制御部221が制御信号を生成し、スイッチング回路SW21を切り替えて、平滑コンデンサC11を電源回路810から切り離す。
コンデンサ電圧測定工程S712において、電圧生成部222がバイアス付き交流電圧vを生成し、電圧測定部223が平滑コンデンサC11の両端電圧vを測定する。
温度測定工程S713において、温度測定部231がサーミスタT31の両端電圧を測定する。
等価直列抵抗算出工程S714において、電圧測定部223が測定した平滑コンデンサC11の両端電圧に基づいて、抵抗算出部224が平滑コンデンサC11の等価直列抵抗を算出する。
寿命算出工程S718において、温度測定工程S713で温度測定部231が測定したサーミスタT31の両端電圧と、等価直列抵抗算出工程S714で抵抗算出部224が算出した平滑コンデンサC11の等価直列抵抗とに基づいて、寿命表記憶部241が記憶した寿命表データ610を寿命算出部242が検索し、平滑コンデンサC11の寿命を算出する。
コンデンサ接続工程S719において、測定制御部221が制御信号を生成し、スイッチング回路SW21を切り換えて、平滑コンデンサC11を電源回路810に再接続する。
コンデンサの高性能化に伴い、寿命寸前まで、静電容量があまり変化しないコンデンサが出現してきている。このようなコンデンサを平滑コンデンサC11に用いた場合、平滑コンデンサC11の静電容量に基づいて寿命を予測すると、寿命が近いと判定してから実際に寿命を迎えるまでの時間が短く、交換用の電源装置の準備が間に合わない場合がある。
これに対して、コンデンサの等価直列抵抗は、比較的早い段階から比較的大きく変化する。
この実施の形態における寿命予測装置100は、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗を測定し、測定した等価直列抵抗に基づいて平滑コンデンサC11の寿命を予測するので、平滑コンデンサC11が実際に寿命を迎えるまでにはまだ余裕がある段階で、平滑コンデンサC11の寿命が近づきつつあることを判定することができる。これにより、あらかじめ交換用の新しい電源装置を準備し、計画的に電源装置を交換するなどの対処をすることができる。
また、この実施の形態における寿命予測装置100は、スイッチング回路SW21を切り替えることにより、平滑コンデンサC11を電源回路810から切り離して、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗を測定するので、平滑コンデンサC11を電源装置800から取り外す必要がない。更に、平滑コンデンサC11が複数ある場合には、電源装置800の動作を停止させることなく、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗を測定することができる。
この実施の形態における寿命予測装置100は、測定装置(電圧測定部223及び抵抗算出部224)と、寿命算出装置(寿命算出部242)とを有する。
上記測定装置は、コンデンサ(平滑コンデンサC11)の等価直列抵抗Rを測定する。
上記寿命算出装置は、上記測定装置が測定した等価直列抵抗Rに基づいて、上記コンデンサの寿命(余命時間621)を算出する。
この実施の形態における寿命予測装置100によれば、コンデンサの等価直列抵抗Rに基づいて、コンデンサの寿命を算出するので、比較的早い段階で、コンデンサの寿命が近づきつつあることを判定することができる。
この実施の形態における寿命予測装置100は、更に、温度測定装置(温度測定部231)を有する。
上記温度測定装置は、上記コンデンサ(平滑コンデンサC11)の温度を測定する。
上記寿命算出装置(寿命算出部242)は、上記測定装置(電圧測定部223及び抵抗算出部224)が測定した等価直列抵抗と、上記温度測定装置が測定した温度とに基づいて、上記コンデンサの寿命を算出する。
この実施の形態における寿命予測装置100によれば、測定装置が測定した等価直列抵抗と、温度測定装置が測定した温度とに基づいて、コンデンサの寿命を算出するので、コンデンサの等価直列抵抗の温度特性による変化を考慮して、より正確にコンデンサの寿命を予測することができる。
この実施の形態における寿命予測装置100において、測定装置は、基準抵抗R22と、電圧生成回路(電圧生成部222)と、電圧測定回路(電圧測定部223)とを有する。
上記基準抵抗R22は、上記コンデンサ(平滑コンデンサC11)と直列に電気接続する。
上記電圧生成回路は、上記コンデンサと上記基準抵抗R22との直列回路に印加する交流電圧(バイアス付き交流電圧)を生成する。
上記電圧測定回路は、上記コンデンサの両端電圧を測定する。
上記寿命算出装置(寿命算出部242)は、上記電圧測定回路が測定した両端電圧に基づいて、上記コンデンサの寿命を算出する。
この実施の形態における寿命予測装置100によれば、電圧生成回路が生成した交流電圧を、コンデンサと基準抵抗R22との直列回路に印加して、コンデンサの両端電圧を測定するので、コンデンサの静電容量の影響を抑え、コンデンサの等価直列抵抗を正確に測定することができる。
なお、電圧測定回路(電圧測定部223)は、コンデンサ(平滑コンデンサC11)の両端電圧を測定するのではなく、基準抵抗R22の両端電圧を測定する構成であってもよい。その場合、コンデンサの等価直列抵抗を求める算出式が異なるが、上記の説明と同様にして、コンデンサの等価直列抵抗を求めることができる。
この実施の形態における電源装置800は、電源回路810と、平滑コンデンサC11と、寿命予測装置100とを有する。
上記電源回路810は、直流電源(直流電圧V)を生成する。
上記平滑コンデンサC11は、上記電源回路810の出力に電気接続し、上記電源回路810が生成した直流電源のリプルを除去する。
上記寿命予測装置100は、上記平滑コンデンサC11の寿命を予測する。
この実施の形態における電源装置800によれば、寿命予測装置100が早期に平滑コンデンサC11の寿命を予測するので、あらかじめ交換用の新しい電源装置を準備することができ、計画的に電源装置の交換をすることができる。
この実施の形態における寿命予測装置100がコンデンサ(平滑コンデンサC11)の寿命を予測する寿命予測方法は、以下の工程を有する。
コンデンサの等価直列抵抗Rを測定する。
測定した等価直列抵抗に基づいて、上記コンデンサの寿命を算出する。
この実施の形態における寿命予測方法によれば、コンデンサの等価直列抵抗Rに基づいて、コンデンサの寿命を算出するので、比較的早い段階で、コンデンサの寿命が近づきつつあることを判定することができる。
なお、平滑コンデンサC11の静電容量が大きく、電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧の交流成分の周波数が十分高い場合、平滑コンデンサC11の静電容量Cの影響が小さくなるので、電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧の交流成分に対する、電圧測定部223が測定する平滑コンデンサC11の両端電圧の交流成分の位相差θは、ほぼ0となる。このため、数13は、次のように簡略化できる。
Figure 2010286426
すなわち、抵抗算出部224は、CPUを用いて、電圧生成部222が生成したバイアス付き交流電圧の交流成分に対する、電圧測定部223が測定した平滑コンデンサC11の両端電圧の交流成分の電圧比aに基づいて、1から電圧比aを差し引いた差1−aを算出し、CPUを用いて、電圧比aを差1−aで割った商a/(1−a)を算出することにより、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗(あるいは、基準抵抗R22に対する、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗の比)を算出する。位相差θを求める必要もないので、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rを算出する計算量を大幅に減らすことができる。
以上説明した電源装置800は、電源リプルを平滑する平滑用コンデンサ(平滑コンデンサC11)を備え、平滑用コンデンサの近傍にコンデンサの温度を測定する温度測定部(サーミスタT31)を備え、平滑用コンデンサに交流信号を印加する信号出力部(電圧生成部222)を備え、平滑用コンデンサの等価直列抵抗Rを測定する測定部(電圧測定部223、抵抗算出部224)を備え、コンデンサの温度およびコンデンサの等価直列抵抗から寿命を計測することで当該電源装置800の寿命を判断する演算部(寿命算出部242)を備える。
また、電源装置800は、平滑用コンデンサに交流信号を印加する信号出力部と平滑用コンデンサとの間に直列に基準抵抗器(基準抵抗R22)を備え、平滑用コンデンサの等価直列抵抗と基準抵抗器の抵抗値の比を電圧として測定する電圧測定部223を備え、前記温度測定部(サーミスタT31、温度測定部231)によるコンデンサの近傍温度および前記等価直列抵抗との電圧比から寿命を計測することで当該電源装置800の寿命を判断する演算部(寿命算出部242)を備える。
以上のように、寿命予測装置100は、平滑コンデンサC11の静電容量ではなく、既知の基準抵抗R22の抵抗値と比較することにより等価直列抵抗Rを測定して、平滑コンデンサC11の寿命を予測するので、寿命末期における静電容量の変化の少ないコンデンサを平滑コンデンサC11に用いた場合でも、平滑コンデンサC11の寿命を精度よく予測することができる。
寿命予測の精度を高めるために、例えばADCの分解能を高くする必要がないので、寿命予測装置100の製造コストを抑えることができる。
実施の形態2.
実施の形態2について、図7を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図7は、この実施の形態における電源装置800の全体構成の一例を示す回路構成図である。
寿命予測装置100は、実施の形態1で説明した抵抗算出部224に代えて、Z算出部225を有する。
Z算出部225は、CPUを用いて、平滑コンデンサC11の交流インピーダンスZの絶対値を算出する。
数12より求められる平滑コンデンサC11の交流インピーダンスZの絶対値の算出式は、次のとおりである。
Figure 2010286426
なお、Z算出部225は、平滑コンデンサC11の交流インピーダンスZの絶対値ではなく、基準抵抗R22の抵抗値Rに対する、平滑コンデンサC11の交流インピーダンスZの絶対値の比|Z|/Rを算出する構成としてもよい。また、平方根を求める計算は計算量が多いので、Z算出部225は、平滑コンデンサC11の交流インピーダンスZの絶対値(または抵抗値Rに対する比)ではなく、平滑コンデンサC11の交流インピーダンスZの絶対値(または抵抗値Rに対する比)の二乗を算出する構成としてもよい。
寿命表記憶部241は、あらかじめ、ROMを用いて、寿命表データ610を記憶している。寿命表データ610は、温度測定部231が測定する平滑コンデンサC11の周辺の温度と、電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧の交流成分の周波数における平滑コンデンサC11の交流インピーダンスの絶対値(または抵抗値Rに対する比)(あるいはその二乗)とに基づいて、平滑コンデンサC11の寿命を求めるためのデータである。
寿命算出部242は、CPUを用いて、抵抗算出部224が算出した平滑コンデンサC11の交流インピーダンスの絶対値(または抵抗値Rに対する比)(あるいはその二乗)と、温度測定部231が測定したサーミスタT31の両端電圧の値とに基づいて、寿命表記憶部241が記憶した寿命表データ610から余命時間621を取得する。
寿命算出部242は、CPUを用いて、取得した余命時間621(寿命)を出力する。
このように、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗の値ではなく、電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧の交流成分の周波数における平滑コンデンサC11の交流インピーダンス(またはそれに関連する値)を算出して、平滑コンデンサC11の寿命を算出する構成としても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
この実施の形態における寿命予測装置100は、測定装置(電圧測定部223及びZ算出部225)と、寿命算出装置(寿命算出部242)とを有する。
上記測定装置は、コンデンサ(平滑コンデンサC11)の交流インピーダンスZを測定する。
上記寿命算出装置は、上記測定装置が測定した交流インピーダンスZに基づいて、上記コンデンサの寿命を算出する。
この実施の形態における寿命予測装置100によれば、コンデンサの交流インピーダンスZに基づいて、コンデンサの寿命を算出するので、比較的早い段階で、コンデンサの寿命が近づきつつあることを判定することができる。
実施の形態3.
実施の形態3について、説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付す。
この実施の形態における電源装置800の全体構成は、実施の形態1と同様である。
電圧生成部222は、バイアス付き交流電圧を2種類生成する。電圧生成部222が生成する2種類のバイアス付き交流電圧は、交流成分の周波数が異なる。電圧生成部222は、2種類のバイアス付き交流電圧を交互に生成する。例えば、電圧生成部222は、交流成分の周波数が50kHzのバイアス付き交流電圧を生成し、電圧測定部223による測定が終わったのち、交流成分の周波数が100kHzのバイアス付き交流電圧を生成する。
電圧測定部223は、ADCを用いて、電圧生成部222が生成した2種類のバイアス付き交流電圧それぞれについて、平滑コンデンサC11の両端電圧を測定する。
抵抗算出部224は、CPUを用いて、電圧測定部223が測定した平滑コンデンサC11の両端電圧に基づいて、電圧生成部222が生成する2種類のバイアス付き交流電圧それぞれについて、電圧生成部222が生成したバイアス付き交流電圧の交流成分に対する、電圧測定部223が測定した平滑コンデンサC11の両端電圧の電圧比を算出する。抵抗算出部224は、CPUを用いて、算出した2つの電圧比に基づいて、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rを算出する。
電圧生成部222が生成したバイアス付き交流電圧の交流成分の周波数がfのときの平滑コンデンサC11の交流インピーダンスをZとし、抵抗算出部224が算出する電圧比をaとすると、ω=2πfだから、数11より、
Figure 2010286426
同様に、電圧生成部222が生成したバイアス付き交流電圧の交流成分の周波数がfのときの平滑コンデンサC11の交流インピーダンスをZとし、抵抗算出部224が算出する電圧比をaとすると、
Figure 2010286426
これより、等価直列抵抗Rの算出式を求めると、次の式が得られる。
Figure 2010286426
抵抗算出部224は、CPUを用いて、上記算出式により、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rを算出する。なお、実施の形態1と同様、抵抗算出部224は、基準抵抗R22の抵抗値Rに対する、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rを算出する構成としてもよい。
このように、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの測定に複数の周波数を用いることにより、電圧生成部222が生成したバイアス付き交流電圧の交流成分に対する、電圧測定部223が測定した平滑コンデンサC11の両端電圧の位相差を算出せずに、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rを算出することができる。
このように、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rを異なる方式で測定したとしても、比較的早い段階で、コンデンサの寿命が近づきつつあることを判定することができるという効果は変わらない。
また、位相差を算出する必要がないので、DACの電圧生成やADCの電圧測定に遅延があるなど何らかの理由により位相差を正確に測定できない場合でも、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの値を正確に算出することができる。
電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧の交流成分の周波数の種類を更に増やせば、等価直列インダクタンスLや等価並列抵抗rも考慮に入れたより正確な等価回路に基づいて、等価直列抵抗Rの値を更に正確に算出することができる。
また、実施の形態2と同様、抵抗算出部224に代えて、Z算出部225を設け、Z算出部225が、平滑コンデンサC11の交流インピーダンスZを算出する構成としてもよい。
なお、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗R(または交流インピーダンスZ)を測定する方式は、以上で説明した方式に限らず、他の方式であってもよい。例えば、電圧生成部222が生成するバイアス付き交流電圧の交流成分の周波数を変えるのではなく、基準抵抗R22として抵抗値の異なる複数の基準抵抗を設け、複数の基準抵抗を切り換えて、それぞれの基準抵抗の抵抗値について、電圧測定部223が平滑コンデンサC11の両端電圧を測定し、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗R(または交流インピーダンスZ)を算出する構成としてもよい。
また、電圧生成部222が、正弦波ではなく、矩形波や三角波など他の波形の交流成分を有するバイアス付き交流電圧を生成する構成としてもよい。
実施の形態4.
実施の形態4について、図8〜図9を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図8は、この実施の形態における電源装置800の全体構成の一例を示す回路構成図である。
電源装置800は、サーミスタT31、基準抵抗R32、温度測定部231を有さず、基準抵抗R22に代えて、サーミスタT23を有する。
サーミスタT23(温度補償回路)は、平滑コンデンサC11の近傍に配置され、平滑コンデンサC11の周辺の温度によって抵抗値が変化する。サーミスタT23の温度特性は、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの温度特性と概ね等しい。すなわち、所定の温度範囲内(例えば0℃〜90℃)において、ある温度におけるサーミスタT23の抵抗値に対する平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの値の比と、別の温度におけるサーミスタT23の抵抗値に対する平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの値の比とが、所定の誤差許容範囲内(例えば±1%以内)で等しい。
単体のサーミスタT23でそのような温度特性を有するものが利用できない場合は、サーミスタT23に代えて、サーミスタと抵抗など他の素子とを組み合わせた温度補償回路を設け、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの温度特性と概ね同じ温度特性を持たせる。
抵抗算出部224は、電圧測定部223が測定した平滑コンデンサC11の両端電圧に基づいて、サーミスタT23の抵抗値に対する、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの値の比を算出する。
上述したように、サーミスタT23の温度特性は、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rの温度特性と概ね等しいので、抵抗算出部224が算出する抵抗値の比は、平滑コンデンサC11の周辺の温度の影響を受けない。
寿命表記憶部241は、あらかじめ、ROMを用いて、寿命表データ610として、抵抗算出部224が算出した抵抗値の比から、平滑コンデンサC11の寿命を求めるためのデータを記憶している。
図9は、この実施の形態における寿命表記憶部241が記憶する寿命表データ610の一例を示す図である。
抵抗値比613は、抵抗算出部224が算出する抵抗値の比を表わす。
この例において、寿命表データ610は表形式のデータであり、各行の右側のセルが記憶した余命時間621は、抵抗算出部224が算出した抵抗値の比がその行の左側のセルが記憶した抵抗値比613である場合の余命時間を表わす。
寿命算出部242は、CPUを用いて、抵抗算出部224が算出した抵抗値の比に基づいて、寿命表記憶部241が記憶した寿命表データ610から余命時間621を取得する。
寿命算出部242は、CPUを用いて、取得した余命時間621(寿命)を出力する。
このように、平滑コンデンサC11の等価直列抵抗Rとほぼ等しい温度特性を有する温度補償回路(サーミスタT23)を用いることにより、抵抗算出部224が算出する抵抗値の比が平滑コンデンサC11の周辺の温度の影響を受けないので、寿命表記憶部241が記憶する寿命表データ610のデータ量を少なくすることができ、寿命算出部242の計算量を減らすことができる。
この実施の形態における寿命予測装置100において、上記測定装置は、温度補償回路(サーミスタT23)と、電圧生成回路(電圧生成部222)と、電圧測定回路(電圧測定部223)とを有する。
上記温度補償回路は、上記コンデンサ(平滑コンデンサC11)と直列に電気接続し、上記コンデンサの温度により抵抗値が変化する。
上記電圧生成回路は、上記コンデンサと上記温度補償回路との直列回路に印加する交流電圧(バイアス付き交流電圧)を生成する。
上記電圧測定回路は、上記コンデンサの両端電圧を測定する。
上記寿命算出装置(寿命算出部242)は、上記電圧測定回路が測定した両端電圧に基づいて、上記コンデンサの寿命を算出する。
この実施の形態における寿命予測装置100によれば、温度補償回路が平滑コンデンサC11の等価直列抵抗の温度特性を打ち消すので、寿命表記憶部241が記憶する寿命表データ610のデータ量を少なくすることができ、寿命算出部242における計算量を減らすことができる。例えば、寿命表記憶部241や寿命算出部242をマイコン200により実現する場合であれば、低スペックのマイコン200を用いることができるので、寿命予測装置100(電源装置800)の製造コストを削減することができる。
以上説明した電源装置800は、交流信号出力部(電圧生成部222)と平滑用コンデンサ(平滑コンデンサC11)との間に温度測定部(サーミスタT23)を直列に接続し、平滑用コンデンサの等価直列抵抗Rと温度測定手段の抵抗値の比を電圧として測定する電圧測定部223を備え、抵抗比から寿命を計測することで当該電源装置800の寿命を判断する演算部(寿命算出部242)を備える。
以上のように、サーミスタT23の温度変化に対する抵抗値の変化が、平滑コンデンサC11の温度変化に対する等価直列抵抗の変化と等しくなるよう構成することにより、コンデンサ近傍温度ごとにデータテーブルを用意する必要がなく、サーミスタT23と平滑コンデンサC11との温度変化の対する抵抗値の変化が抵抗比の測定のためキャンセルされるため、1つのデータテーブルを用意するだけで、各使用温度でのコンデンサ寿命を測定することができる。
コンデンサ近傍温度ごとのデータテーブルを用意する必要がないので、データテーブルに必要なデータ量が少なく、ROMのメモリ容量を少なくでき、使用部品の単価を抑えることができる。また、寿命測定プログラムについても、コンデンサ近傍温度ごとに処理を切り替える必要がないので、プログラム用メモリの容量を削減でき、プログラム試験を削減できる。
なお、サーミスタT23の抵抗値は、コンデンサ寿命の半年前、一年前にあたる等価直列抵抗Rの値との分圧がADCで明確に判別できる値に設定する。これにより、コンデンサの微小な容量変化を放電時間と電圧の関係から測定する必要がなく、コンデンサの等価直列抵抗Rと基準抵抗との比から求める電圧により、寿命末期まで容量が明確に劣化しないタイプの高性能なコンデンサに対しても寿命までの使用期間を容易に測定できる。
100 寿命予測装置、200 マイコン、221 測定制御部、222 電圧生成部、223 電圧測定部、224 抵抗算出部、225 Z算出部、231 温度測定部、241 寿命表記憶部、242 寿命算出部、511,512,521,522 曲線、610 寿命表データ、611 サーミスタ電圧値、612 等価直列抵抗値、613 抵抗値比、621 余命時間、800 電源装置、810 電源回路、11 平滑コンデンサC、22,32 基準抵抗R、21 スイッチング回路SW、23,31 サーミスタT。

Claims (6)

  1. 測定装置と、寿命算出装置とを有し、
    上記測定装置は、コンデンサの交流インピーダンス及び等価直列抵抗の少なくともいずれかを測定し、
    上記寿命算出装置は、上記測定装置が測定した交流インピーダンス及び等価直列抵抗の少なくともいずれかに基づいて、上記コンデンサの寿命を算出することを特徴とする寿命予測装置。
  2. 上記寿命予測装置は、更に、温度測定装置を有し、
    上記温度測定装置は、上記コンデンサの温度を測定し、
    上記寿命算出装置は、上記測定装置が測定した交流インピーダンス及び等価直列抵抗の少なくともいずれかと、上記温度測定装置が測定した温度とに基づいて、上記コンデンサの寿命を算出することを特徴とする請求項1に記載の寿命予測装置。
  3. 上記測定装置は、温度補償回路と、電圧生成回路と、電圧測定回路とを有し、
    上記温度補償回路は、上記コンデンサと直列に電気接続し、上記コンデンサの温度により抵抗値が変化し、
    上記電圧生成回路は、上記コンデンサと上記温度補償回路との直列回路に印加する交流電圧を生成し、
    上記電圧測定回路は、上記コンデンサまたは上記温度補償回路の両端電圧を測定し、
    上記寿命算出装置は、上記電圧測定回路が測定した両端電圧に基づいて、上記コンデンサの寿命を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の寿命予測装置。
  4. 上記測定装置は、基準抵抗と、電圧生成回路と、電圧測定回路とを有し、
    上記基準抵抗は、上記コンデンサと直列に電気接続し、
    上記電圧生成回路は、上記コンデンサと上記基準抵抗との直列回路に印加する交流電圧を生成し、
    上記電圧測定回路は、上記コンデンサまたは上記基準抵抗の両端電圧を測定し、
    上記寿命算出装置は、上記電圧測定回路が測定した両端電圧に基づいて、上記コンデンサの寿命を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の寿命予測装置。
  5. 電源回路と、平滑コンデンサと、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の寿命予測装置とを有し、
    上記電源回路は、直流電源を生成し、
    上記平滑コンデンサは、上記電源回路の出力に電気接続し、上記電源回路が生成した直流電源のリプルを除去し、
    上記寿命予測装置は、上記平滑コンデンサの寿命を予測することを特徴とする電源装置。
  6. コンデンサの交流インピーダンス及び等価直列抵抗の少なくともいずれかを測定し、
    測定した交流インピーダンス及び等価直列抵抗の少なくともいずれかに基づいて、上記コンデンサの寿命を算出することを特徴とする寿命予測方法。
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