JP2010285426A - 核酸導入方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短鎖核酸分子等の核酸医薬を全身又は局所投与する場合において、有効に作用させるデリバリー技術を提供すること。
【解決手段】エキソソームを含有してなる、細胞への核酸導入剤であって、該エキソソームが、それが由来する細胞に対して外来性の核酸を含むことを特徴とする剤。細胞に目的の外来性の核酸を導入し、該細胞の培養液からエキソソーム含有画分を単離することを含む、核酸導入剤の製造方法。前記核酸導入剤を標的細胞に接触させることを含む、標的細胞への核酸導入方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、短鎖RNA分子等の核酸医薬を全身又は局所投与する場合において、有効に作用させるデリバリー技術に関する。
現在、RNA干渉(RNA interference;RNAi)技術は、生命科学研究に頻繁に利用され、その有用性は広く確認されている。RNAiとは、二本鎖RNAによって、その配列特異的にmRNAが分解され、その結果遺伝子の発現が抑制される現象をいう。2001年に21塩基の低分子量二本鎖RNAが哺乳動物細胞内でRNAiを媒介できることが報告されてから(非特許文献1)、そのような短鎖RNA(small interfering RNA;siRNAと呼ばれる)は、標的遺伝子の発現抑制手段として頻用されている。siRNAは、医薬品への応用、特に癌を含む種々の難治性疾患の治療への応用が期待されている。
一方、マイクロRNA(以下、miRNA)は、ゲノム上にコードされた内在性の20〜25塩基程度の非コードRNA(non−coding RNA;ncRNA)であり、siRNAのように標的mRNAを切断するのではなく、3’非翻訳領域(UTR)に対合してその翻訳を阻害する。miRNAは、ヒトやマウス等で1000種類以上が知られており、それぞれが複数の標的遺伝子の発現を調節し、細胞の増殖や分化等、様々な生命現象に関与することが示唆されている。例えば、造血細胞や神経細胞の分化等に関与するmiRNAについての報告がある(非特許文献2)。また、癌細胞の増殖に関与するmiRNAについても報告があり、miRNAの発現パターンを癌の臨床診断に利用することや、miRNAの発現を制御することで癌細胞の増殖を抑制する癌の治療法について、提案がなされている(特許文献1及び2)。
miRNAは、ゲノムDNA上のmiRNA遺伝子から、まず数百〜数千塩基程度の長さの一次転写物(Primary miRNA;Pri−miRNAという)として転写され、次にプロセシングを受けて約60〜70塩基程度のヘアピン構造を有するpre−miRNAとなる。その後、核から細胞質内へ移動し、さらにプロセシングを受けて20〜25塩基程度の二本鎖成熟miRNAとなる。二本鎖成熟miRNAは、そのうちの一本鎖がRISCと呼ばれるタンパク質と複合体を形成し、標的遺伝子のmRNAに作用することで、標的遺伝子の翻訳を阻害する働きをすることが知られている(例えば、非特許文献3参照)。
ところで、生体内においてsiRNAやmiRNAのような短鎖RNA分子の治療効果を期待するためには、目的とする組織や細胞に効率的に短鎖RNA分子をデリバリーする技術が必要である。デリバリー技術としては、カチオン性脂質(リポソーム)、ウイルスエンベロープタンパク質に短鎖RNA分子を封入する方法等を挙げることができる。しかしながら、これらキャリア物質自体には、一般的に肝毒性や細胞毒性がある場合があることが知られているので、薬効を示すために十分な量の短鎖RNA分子を投与することが出来ずに、治療効果が認められないという問題がある。これを解決するためにはキャリア物質として生体内に存在する物質を用いる方法を挙げることが出来る。
エキソソームは後期エンドソーム区画由来の直径30〜100nmの小型脂質小胞であり、腫瘍細胞、樹状細胞、網状赤血球、T細胞、B細胞、血小板、上皮細胞等の様々な種類の細胞から細胞外に分泌されることが知られている(非特許文献4〜7)。
エキソソーム中には、チューブリン、アクチン、CD86、CD81、CD9、CD63、ICAM−1、lamp−2、αM−β2インテグリン等のタンパク質以外にmRNA、miRNA等の核酸分子も含まれることが知られている(非特許文献8)。近年、グリア芽腫細胞のエキソソーム中のmRNAやタンパク質がヒト脳微小血管内皮細胞(HBMVEC)に取り込まれ機能することや(非特許文献9)、マスト細胞のエキソソームに含まれるmRNAのうち、少なくとも一部はエキソソームを介して他のマスト細胞に取り込まれ翻訳されること(非特許文献8)が報告されている。しかしながら、エキソソーム中のmiRNA等の短鎖RNA分子が、mRNAやタンパク質と同様に他の細胞に取り込まれ機能することは知られておらず、エキソソームを短鎖RNA分子のデリバリーに用いるという着想はなされていなかった。
特開2008−86201号公報 特開2006−506469号公報
Elbashir SM et. al. Nature 411:494−498(2001) Science 303:654 83−86(2004) Bartel DP Cell 116:281−297(2004) Raposo et. al.J.Exp.Med.183:1161−1172(1996) Theiry et. al. J. Cell. Biol.147:599−610(1999) Wolfers et. al. Nature Med. 7:297−303(2001) Van Niel and Ileyman. Am J. Physiol Gastrointest Liver Physiol. 283:251−255(2002) Valadi et. al. Nature Cell Biology 9:654−659(2007) Skog et. al. Nature Cell Biology 10:1470−1476(2008)
核酸医薬の全身又は局所投与において、有効に作用させるデリバリー技術の開発は必須である。したがって、本発明の目的は、siRNAやmiRNAをはじめとするRNA分子を効率よくかつ安全に生体内の標的組織や標的細胞に送達させ得る低毒性のキャリア物質を提供し、当該物質にRNA分子を封入した新規な核酸医薬DDS製剤を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、細胞増殖抑制効果を有する種々のmiRNAを細胞に導入し、該細胞の培養液からエキソソーム画分を単離したところ、導入した外来性miRNAが効率よくエキソソーム中に取り込まれることを見出した。さらに本発明者らは、該エキソソーム画分を癌細胞株に接触させると細胞増殖が抑制されることを見出した。これらの知見から、本発明者らは、目的とする核酸を導入した細胞から調製されるエキソソームが、生体内の標的組織や標的細胞への該核酸の有効かつ安全なデリバリーシステムとなることを実証して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]エキソソームを含有してなる、細胞への核酸導入剤であって、該エキソソームが、それが由来する細胞に対して外来性の核酸を含むことを特徴とする剤。
[2]外来性の核酸が非コード核酸である、上記[1]記載の剤。
[3]非コード核酸がsiRNA若しくはその前駆体、miRNA若しくはその前駆体、アンチセンス核酸、リボザイムまたはアンチジーン(好ましくは、siRNAまたはmiRNA)である、上記[2]記載の剤。
[4]核酸が導入される細胞(以下、「標的細胞」ということがある。)とエキソソームが由来する細胞とが同種動物由来である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の剤。
[5]標的細胞とエキソソームが由来する細胞とが同一個体由来である、上記[4]記載の剤。
[6]外来性の核酸が標的遺伝子の発現を阻害する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の剤。
[7]標的遺伝子の発現亢進が関与する疾患の予防および/または治療用である、上記[6]記載の剤。
[8]細胞に目的とする外来性の核酸またはその前駆体を導入し、該細胞の培養液から該外来性の核酸を含むエキソソーム画分を単離することを含む、核酸導入剤の製造方法。
[9]外来性の核酸がsiRNAもしくはmiRNAである、上記[8]記載の方法。
[10]外来性の核酸またはその前駆体(具体的には、siRNAまたはその前駆体)を、それを発現するベクターの形態で導入することを特徴とする、上記[8]記載の方法。
[11]上記[8]〜[10]のいずれかに記載の方法により得られる、標的細胞への核酸導入剤。
[12]上記[1]〜[6]および[11]のいずれかに記載の核酸導入剤を標的細胞に接触させることを含む、標的細胞への核酸導入方法。
[13]遺伝子の発現亢進が関与する疾患の予防および/または治療方法であって、該遺伝子の発現を阻害する外来性の核酸またはその前駆体を導入した細胞から調製された、有効量の外来性の核酸を含むエキソソームを、対象に投与することを含む方法。
本発明は短鎖核酸分子を生体内の組織や細胞に障害を与えることなく、効果的に標的細胞に導入することを可能とする。この方法は、癌分野には限らないが、例えば、腫瘍縮小効果を有するsiRNAやmiRNAを腫瘍組織に導入する治療にも応用することが可能である。
図1は、Pre−miR−16を導入したPC−3細胞の培養上清からのmiR−16含有エキソソーム画分(本発明の製剤)の単離を示す。縦軸はゲルろ過カラム溶出液の各フラクションにおける波長260nmの吸光度を示す。吸光度が最も高かったフラクション4をエキソソーム画分とした。 図2は、miR−16を導入した細胞由来のエキソソーム内でのmiR−16の含有量を示す。対照細胞は細胞増殖抑制効果のないmiRNA導入細胞由来のエキソソームを用いた。 図3は、本発明の製剤を用いてmiR−16を導入した癌細胞における細胞増殖抑制を示す。 図4は、本発明の製剤を用いてmiR−143またはmiR−146を導入した癌細胞における細胞増殖抑制を示す。 図5は、Cel−miR−39を含有する本発明の製剤を接触させた標的細胞におけるCel−miR−39の発現量を示す。 図6は、miR-143含有製剤を投与したPC−3M−Luc−C6細胞皮下移植モデルマウスの腫瘍塊の大きさの推移を示す。グラフの縦軸は、腫瘍塊のルシフェラーゼ活性(15個の腫瘍塊の平均値±標準偏差)を製剤投与直後の値に対する相対値として示し、横軸は、投与後の日数を示す。*はp<0.01を示す。
本発明の核酸導入剤は、目的の核酸が封入されたエキソソームを含有することを特徴とする。以下、必須の構成要素であるエキソソームと核酸について説明する。
1.エキソソーム
本発明におけるエキソソームとは、後期エンドソーム区画由来の直径30〜100nmの小型脂質小胞であって、脂質だけではなくタンパク質、核酸等から構成されるものをいう。エキソソームはそれを産生する限り、いかなる動物種由来のものであってもよく、例えば、温血動物(例、ヒト、マウス、ラット、サル、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、トリ等)が挙げられるが、好ましくは、目的の核酸を導入しようとする細胞と同種の動物由来であり、標的細胞が生体内の細胞である場合には、当該動物個体自身に由来するものがより好ましい。また、エキソソームが由来する細胞種も特に限定されないが、例えば、腫瘍細胞、樹状細胞、網状赤血球、T細胞、B細胞、血小板、上皮細胞等の様々な種類の細胞を挙げることができる。
2.核酸
本発明の核酸導入剤において、上記エキソソームに封入される核酸(以下、封入核酸ともいう)は、エキソソームが由来する細胞(以下、ドナー細胞ともいう)に対して外来性の核酸である。ここで「外来性の核酸」とは、ドナー細胞に外部から導入された核酸を意味する。従って、ドナー細胞に内在する核酸と同一の核酸であっても、外部から新たに導入されたものである限り、「外来性の核酸」に含まれる。また、外部から導入された核酸が細胞内でプロセシングを受けて生成した核酸や、外部から発現ベクターの形態で導入された核酸の転写産物も、「外来性の核酸」に含まれる。
封入核酸は外来性である限り特に制限はないが、好ましくは非コード核酸である。ここで非コード核酸とは、タンパク質をコードしない核酸を意味し、天然の核酸であるか、人為的に製造されたものであるかを問わない。非コード核酸は、機能を有するものであることが好ましく、該核酸が導入される標的細胞内で、ある特定の遺伝子(標的遺伝子)の発現を阻害する機能を有することが特に好ましい。ここで「標的遺伝子の発現を阻害する」とは、結果的に標的遺伝子が蛋白質に翻訳されて(標的遺伝子が非コードの場合は、成熟RNAにプロセシングされて)機能を発揮するのを妨げるものである限り、その阻害様式に特に制限はなく、例えば、アンチジーンのように遺伝子の転写を阻害するもの、アンチセンス核酸やmiRNAのようにmRNAから蛋白質への翻訳を阻害するもの、siRNAやリボザイムのようにmRNAを分解するものなどが挙げられるが、それらに限定されない。
本発明の封入核酸は、RNA、DNA、RNAとDNAのキメラ核酸(以下、キメラ核酸と称する)又はハイブリッド核酸である。ここにおいて、キメラ核酸とは、一本の核酸の中にRNAとDNAを含むことをいい、ハイブリッド核酸とは、二本鎖において、一方の鎖がRNA又はキメラ核酸でもう一方の鎖がDNA又はキメラ核酸である核酸をいう。
本発明の封入核酸は、1本鎖又は2本鎖である。2本鎖の態様には、2本鎖RNA、2本鎖DNA、2本鎖キメラ核酸、RNA/DNAハイブリッド、RNA/キメラ核酸ハイブリッド、キメラ核酸/キメラ核酸ハイブリッド及びキメラ核酸/DNAハイブリッドが含まれる。封入核酸は、好ましくは1本鎖RNA、1本鎖DNA、1本鎖キメラ核酸、2本鎖RNA、2本鎖DNA、2本鎖キメラ核酸、RNA/DNAハイブリッド、RNA/キメラ核酸ハイブリッド、キメラ核酸/キメラ核酸ハイブリッド又はキメラ核酸/DNAハイブリッドであり、より好ましくは1本鎖RNA、1本鎖DNA、1本鎖キメラ核酸、2本鎖RNA、2本鎖DNA、2本鎖キメラ核酸、RNA/DNAハイブリッド、キメラ核酸/キメラ核酸ハイブリッド又はRNA/キメラ核酸ハイブリッドである。
本発明の封入核酸は、短鎖であることが好ましく、例えば、1本鎖核酸として約200塩基以下、好ましくは約130塩基以下、より好ましくは約70塩基以下であり、最も好ましくは50塩基以下である。下限としては、15塩基以上、好ましくは17塩基以上、より好ましくは19塩基以上である。なお、核酸がヘアピンループ型の構造をとることにより2本鎖構造状を形成する場合、ループ部分は考慮せず、ヘアピン部分の1本鎖として、上記の範囲が好ましく例示される。
本発明の封入核酸が上記のような短鎖分子であれば、化学合成により製造することができるので、天然型のRNAもしくはDNA分子の他に、細胞内での安定性(化学的および/または対酵素)や比活性(標的RNAとの親和性)を向上させるために、種々の化学修飾を施したヌクレオチド分子を含むことができる。例えば、ヌクレアーゼなどの加水分解酵素による分解を防ぐために、封入核酸を構成する各ヌクレオチドのリン酸残基(ホスフェート)を、例えば、ホスホロチオエート(PS)、メチルホスホネート、ホスホロジチオネートなどの化学修飾リン酸残基に置換することができる。また、各ヌクレオチドの糖(リボース)の2'位の水酸基を、-OR(Rは、例えばCH3(2'-O-Me)、CH2CH2OCH3(2'-O-MOE)、CH2CH2NHC(NH)NH2、CH2CONHCH3、CH2CH2CN等を示す)に置換してもよい。さらに、塩
基部分(ピリミジン、プリン)に化学修飾を施してもよく、例えば、ピリミジン塩基の5位へのメチル基やカチオン性官能基の導入、あるいは2位のカルボニル基のチオカルボニルへの置換などが挙げられる。さらには、リン酸部分やヒドロキシル部分が、例えば、ビオチン、アミノ基、低級アルキルアミン基、アセチル基等で修飾されたものなどを挙げることができるが、これに限定されない。
RNAの糖部のコンフォーメーションはC2’−endo(S型)とC3’−endo(N型)の2つが支配的であり、一本鎖RNAではこの両者の平衡として存在するが、二本鎖を形成するとN型に固定される。したがって、標的RNAに対して強い結合能を付与するために、2’酸素と4’炭素を架橋することにより、糖部のコンフォーメーションをN型に固定したRNA誘導体であるBNA(LNA)(Imanishi, T. et al., Chem. Commun., 1653-9, 2002; Jepsen, J.S. et al., Oligonucleotides, 14, 130-46, 2004)やENA(Morita, K. et al., Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids, 22, 1619-21, 2003)もまた、好ましく用いられ得る。
化学修飾されたmiRNAの好ましい例として、Applied Biosystems社から市販されるPre−miRTM miRNA Precursor Molecule(miRBaseデータベースに登録された全てのmiRNAに対してデザインされている)がmiRNA模倣物として挙げられる。
また、封入核酸がmiRNAなどの天然に存在する短鎖核酸分子である場合には、天然型RNAの標的mRNAへの阻害作用を損なわない範囲で、当該天然型の塩基配列を一部改変したものを用いてもよく、例えば、天然のものと70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の同一性を有する塩基配列を含み、且つ、天然型のRNAと同等の機能(例えば、0.5〜2倍の阻害活性)を有する配列改変体が挙げられる。
本発明の封入核酸は、5’又は3’末端に、付加的な塩基を有していてもよい。該付加的塩基の長さは、通常5塩基以下である。該付加的塩基は、DNAでもRNAでもよいが、DNAを用いると核酸の安定性を向上させることができる場合がある。このような付加的塩基の配列としては、例えばug-3’、uu-3’、tg-3’、tt-3’、ggg-3’、guuu-3’、gttt-3’、ttttt-3’、uuuuu-3’等の配列が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
より好ましくは、本発明の封入核酸は、miRNAまたはsiRNAである。miRNAとしては、任意の公知のmiRNAを用いることができるが、本発明の核酸導入剤を疾患の予防・治療剤として用いる場合には、エキソソーム中に封入されるmiRNAは、その発現亢進が対象疾患の発症および/または増悪に関与する遺伝子を標的とするものであるか、あるいは内在のmiRNA自身の発現低下もしくは機能欠損が対象疾患の発症および/または増悪に関与するものである。例えば、その遺伝子欠損もしくは発現低下がヒト疾患と関連することが報告されているmiRNAとしては、miR−15a/miR−16a(B細胞慢性リンパ性白血病);miR−143/miR−145(大腸癌);let−7(肺癌;標的:RAS);miR−7g/miR−135−a(肺癌、乳癌);miR−26a−1(上皮性癌);miR−26a、miR138−1(鼻咽頭癌)などが挙げられるが、これらに限定されない。
一方、siRNAとは、標的遺伝子のmRNAもしくは初期転写産物のヌクレオチド配列又はその部分配列(好ましくはコード領域内)(初期転写産物の場合はイントロン部分を含む)に相同なヌクレオチド配列とその相補鎖からなる二本鎖オリゴRNAである。siRNAに含まれる、標的ヌクレオチド配列と相同な部分の長さは、通常、約18塩基以上、例えば約20塩基前後(代表的には約21〜23塩基長)の長さであるが、RNA干渉を引き起こすことが出来る限り、特に限定されない。また、siRNAの全長も、通常、約18塩基以上、例えば約20塩基前後(代表的には約21〜23塩基長)の長さであるが、RNA干渉を引き起こすことが出来る限り、特に限定されない。
標的ヌクレオチド配列と、siRNAに含まれるそれに相同な配列との関係については、100%一致していてもよいし、塩基の変異があってもよい(少なくとも70%、好ましくは80%、より好ましくは90%、最も好ましくは95%以上の同一性の範囲内であり得る)。
siRNAは、5’又は3’末端に5塩基以下、好ましくは2塩基からなる、塩基対を形成しない、付加的な塩基を有していてもよい。該付加的塩基は、DNAでもRNAでもよいが、DNAを用いるとsiRNAの安定性を向上させることができる。このような付加的塩基の配列としては、例えばug-3’、uu-3’、tg-3’、tt-3’、ggg-3’、guuu-3’、gttt-3’、ttttt-3’、uuuuu-3’等の配列が挙げられるが、これに限定されるものではない。
siRNAは任意の標的遺伝子に対するものであってよいが、本発明の核酸導入剤を疾患の予防・治療剤として用いる場合には、エキソソーム中に封入されるsiRNAは、その発現亢進が対象疾患の発症および/または増悪に関与する遺伝子を標的とするものであることが好ましく、より具体的には、その遺伝子に対するアンチセンス核酸が、臨床もしくは前臨床段階に進んでいる遺伝子や新たに知られた遺伝子を標的とするもの等が挙げられる。
本発明においては、siRNAやmiRNAには、上述の種々の化学修飾、誘導体、天然型の配列に適宜付加、置換等の修飾を行ったものも含まれる。
後述するように、miRNAやsiRNAなどの細胞内でプロセシングを受けて成熟した機能的なRNA分子となる核酸をエキソソーム中に封入しようとする場合、それらの前駆体となる分子(例えば、shRNA、pre−miRNA、pri−miRNA等)をドナー細胞に導入してもよいが、該前駆体が導入されたドナー細胞から調製されるエキソソーム中には、成熟したmiRNAやsiRNAだけでなく、未成熟な前駆体分子も封入され得る。これらの前駆体分子は、エキソソームを介して導入された標的細胞(レシピエント細胞)内でプロセシングを受けて、成熟したmiRNAあるいはsiRNA分子に変換され、標的細胞内でその機能(標的遺伝子の発現阻害作用)を発揮することができる。したがって、このような前駆体核酸もまた、本発明の封入核酸の好ましい一実施態様であり得る。
別の好ましい実施態様においては、本発明の封入核酸は、アンチセンス核酸やリボザイムであり得る。
アンチセンス核酸はDNAであってもRNAであってもよく、あるいはDNA/RNAキメラであってもよい。アンチセンス核酸がDNAの場合、標的RNAとアンチセンスDNAとによって形成されるRNA:DNAハイブリッドは、内在性RNaseHに認識されて標的RNAの選択的な分解を引き起こすことができる。
リボザイムは、狭義には、核酸を切断する酵素活性を有するRNAをいうが、本明細書では配列特異的な核酸切断活性を有する限りDNAをも包含する概念として用いるものとする。リボザイムとして汎用性の高いものとしては、ウイロイドやウイルソイド等の感染性RNAに見られるセルフスプライシングRNAがあり、ハンマーヘッド型やヘアピン型等が知られている。ハンマーヘッド型は約40塩基程度で酵素活性を発揮し、ハンマーヘッド構造をとる部分に隣接する両端の数塩基ずつ(合わせて約10塩基程度)をmRNAの所望の切断部位と相補的な配列にすることにより、標的mRNAのみを特異的に切断することが可能である。このタイプのリボザイムは、RNAのみを基質とするので、ゲノムDNAを攻撃することがないというさらなる利点を有する。標的mRNAが自身で二本鎖構造をとる場合には、RNAヘリカーゼと特異的に結合し得るウイルス核酸由来のRNAモチーフを連結したハイブリッドリボザイムを用いることにより、標的配列を一本鎖にすることができる。
3.本発明の製剤の製造方法
本発明の核酸導入剤は、エキソソームを産生する任意の細胞(ドナー細胞)に目的とする外来性の核酸もしくは該核酸の前駆体、あるいはそれらのいずれかを発現するベクターを導入し、該細胞の培養液から該外来性の核酸(若しくはその前駆体)を含むエキソソーム画分を単離することによって製造することができる。従って、本発明はまた、当該核酸導入剤の製造方法を提供する。
(1)ドナー細胞に導入する核酸の調製
エキソソーム中に封入される最終生成物としての核酸(封入核酸)と同一の核酸をドナー細胞に導入する場合、該核酸は従来公知の手法を用いて、哺乳動物細胞(ヒト細胞等)から単離することにより(例えば、miRNAの場合等)、又は化学的に合成することにより、又は遺伝子組み換え技術を用いて産生することにより得ることができる。また、適宜市販されている核酸を用いることも可能である。例えば、siRNAは、mRNA上の標的配列のセンス鎖及びアンチセンス鎖をDNA/RNA自動合成機でそれぞれ合成し、適当なアニーリング緩衝液中、約90〜約95℃で約1分程度変性させた後、約30〜約70℃で約1〜約8時間アニーリングさせることにより調製することができる。また、siRNAの前駆体となるショートヘアピンRNA(shRNA)を合成し、これをダイサー(dicer)を用いて切断することにより調製することもできる。
siRNAは、標的遺伝子のcDNA配列情報に基づいて、例えば、Elbashirら(Genes Dev., 15, 188-200 (2001))の提唱する規則に従って設計することができる。siRNAの標的配列としては、原則的にはAA+(N)19であるが、AA+(N)21もしくはNA+(N)21であってもよい。また、センス鎖の5’末端がAAである必要はない。標的配列の位置は特に制限されるわけではないが、5’−UTR及び開始コドンから約50塩基まで、並びに3’−UTR以外の領域から標的配列を選択することが望ましい。上述の規則その他に基づいて選択された標的配列の候補群について、標的以外のmRNAにおいて16−17塩基の連続した配列に相同性がないかどうかを、BLAST(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)等のホモロジー検索ソフトを用いて調べ、選択した標的配列の特異性を確認する。特異性の確認された標的配列について、AA(もしくはNA)以降の19−21塩基にTTもしくはUUの3’末端オーバーハングを有するセンス鎖と、該19−21塩基に相補的な配列及びTTもしくはUUの3’末端オーバーハングを有するアンチセンス鎖とからなる2本鎖RNAをsiRNAとして設計してもよい。また、shRNAは、ループ構造を形成しうる任意のリンカー配列(例えば、5−25塩基程度)を適宜選択し、上記センス鎖とアンチセンス鎖とを該リンカー配列を介して連結することにより設計することができる。
siRNA及び/又はshRNAの配列は、種々のwebサイト上に無料で提供される検索ソフトを用いて検索が可能である。このようなサイトとしては、例えば、Ambionが提供するsiRNA Target Finder(http://www.ambion.com/jp/techlib/misc/siRNA_finder.html)及びpSilencerTM Expression Vector用 インサート デザインツール(http://www.ambion.com/jp/techlib/misc/psilencer_converter.html)、RNAi Codexが提供するGeneSeer(http://codex.cshl.edu/scripts/newsearchhairpin.cgi)が挙げられるが、これらに限定されない。
shRNAは、予めdicerで切断してsiRNAとしてからドナー細胞に導入してもよいが、そのままドナー細胞に導入し、該細胞に内在するdicerの働きにより、細胞内でsiRNAを生成せしめてもよい。同様に、siRNAが23塩基よりも長い場合(dsRNA)には、該dsRNAは細胞内で分解されて、約20塩基前後のsiRNAを生じるので、理論的には標的ヌクレオチド配列と相同な部分の長さの上限は、標的遺伝子のmRNAもしくは初期転写産物のヌクレオチド配列の全長である。しかし、合成の容易さや抗原性の問題等を考慮すると、該相同部分の長さは、例えば約200塩基以下、好ましくは約100塩基以下、より好ましくは約50塩基以下、いっそう好ましくは約30塩基以下である。dsRNAの全長も理論的には長さの上限はないが、同様の理由で、例えば約200塩基以下、好ましくは約100塩基以下、より好ましくは約50塩基以下、いっそう好ましくは約30塩基以下である。
miRNAは、例えばmiRBaseデータベース等から目的のmiRNAの塩基配列情報を取得し、これに基づいてsiRNAの化学合成で述べたのと同様にして2本鎖のmiRNAを作製することができる。
miRNAも、成熟miRNAではなくその前駆体としてドナー細胞に導入することができる。miRNAの前駆体とは、細胞内のプロセシングや、2本鎖核酸の開裂の結果、細胞内において成熟型miRNAを生じ得る核酸を意味する。該前駆体としては、pri−miRNAやpre−miRNA等を挙げることができる。pri−miRNAはmiRNA遺伝子の一次転写産物(1本鎖RNA)であり、通常数百〜数千塩基程度の長さを有する。pre−miRNAは、pri−miRNAが核内プロセシングを受けることにより生じるヘアピン構造を有する1本鎖RNAであり、通常90〜110塩基の長さを有する。これらのmiRNAの前駆体は天然物なので、大量に導入しても排除されたり、インターフェロン応答等の細胞応答を生じる可能性は低いと考えられる。さらに、発現産物を直接大量に導入するので、プロモーターにより発現させた場合よりも、エキソソーム中の核酸含有量やエキソソームへの取り込み速度も速いと予測されるので、好ましい実施態様の1つである。また、好ましい別の態様としては、成熟miRNAと同様の活性を有するヌクレオチドを含む核酸、例えば、内在性の成熟miRNAを模倣するように合成された、miRNA 模倣物などをmiRNAとして使用することができる。市販のものを利用することもできる。そのようなmiRNA模倣物の好ましい例として、上述の、Applied Biosystems社から市販されるPre−miRTM miRNA Precursor Moleculeを挙げることができる。
上記のsiRNA、shRNAまたはdsRNAはそれらを発現する発現ベクターの形態でドナー細胞に導入することもできる。siRNA含有エキソソーム製剤の作製にあたっては、siRNAやshRNA発現ベクターの形態でドナー細胞に導入し、発現させることが有利な場合があり得る。
siRNAを発現するベクターには、タンデムタイプとステムループ(ヘアピン)タイプとがある。前者はsiRNAのセンス鎖の発現カセットとアンチセンス鎖の発現カセットをタンデムに連結したもので、細胞内で各鎖が発現してアニーリングすることにより2本鎖のsiRNA(dsRNA)を形成するというものである。一方、後者はshRNAの発現カセットをベクターに挿入したもので、細胞内でshRNAが発現しdicerによるプロセシングを受けてdsRNAを形成するというものである。プロモーターとしては、polII系プロモーター(例えば、CMV前初期プロモーター)を使用することもできるが、短いRNAの転写を正確に行わせるために、polIII系プロモーターを使用するのが一般的である。polIII系プロモーターとしては、マウスおよびヒトのU6−snRNAプロモーター、ヒトH1−RNase P RNAプロモーター、ヒトバリン−tRNAプロモーターなどが挙げられる。また、転写終結シグナルとして4個以上Tが連続した配列が用いられる。
このようにして構築したsiRNAもしくはshRNA発現カセットを、次いでプラスミドベクターやウイルスベクターに挿入する。このようなベクターとしては、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、センダイウイルスなどのウイルスベクターや、動物細胞発現プラスミドなどが用いられる。
(2)核酸のドナー細胞への導入
エキソソームを産生するドナー細胞にmiRNAもしくはその前駆体、siRNA、shRNA、dsRNAなどの短鎖核酸を導入する場合、導入方法としては、リポフェクション法、リポソーム法、ポリアミン法、エレクトロポレーション法、ビーズ法等を用いて、実施することができる。カチオニックリポソームを用いた方法が最も一般的で、導入効率も高い。たとえば、0.1〜100μM、好ましくは1〜10μMの任意の短鎖核酸分子を市販の核酸導入試薬を用いて哺乳動物細胞に導入する。導入試薬としてLipofectamine RNAiMAX(インビトロジェン社)、HiPerFect Transfection Kit(キアゲン社)等を用いることができ、好ましい例としてDharmafect試薬キット(Dharmacon社)を挙げることが出来る。また、哺乳動物細胞はHEK293、CHO−K1、COS1、COS7細胞等の正常細胞でも、HeLa、MIAPaCa−2、A549、HCT116、PC−3細胞等の癌細胞でもどちらも使用することが可能である。短鎖核酸分子が導入された細胞を細胞に適した培地、培養条件で1〜48時間、好ましくは3〜24時間、更に好ましくは12時間培養した後、血清を含まない培地で細胞を数回洗浄する。そして、血清を全く含まないあるいは0.1〜5%のごく少量の血清を含む培地中で当該細胞を培養する。培養時間は細胞ごとに適した時間を任意に設定することが出来るが、一般的には1〜96時間であり、12〜48時間が適している場合もある。
一方、siRNAもしくはshRNAを発現するベクターは、ベクターの種類に応じて、自体公知の手法により細胞に導入することができる。例えば、ウイルスベクターの場合、ドミナントネガティブ変異体をコードする核酸を含むプラスミドを適当なパッケージング細胞(例、Plat−E細胞)や相補細胞株(例、293細胞)に導入して、培養上清中に産生されるウイルスベクターを回収し、各ウイルスベクターに応じた適切な方法により、該ベクターを細胞に感染させる。非ウイルスベクターであるプラスミドベクターの場合には、リポフェクション法、リポソーム法、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム共沈殿法、DEAEデキストラン法、マイクロインジェクション法、遺伝子銃法などを用いて該ベクターを細胞に導入することができる。
これにより、ドナー細胞内において、外来性の核酸がエキソソームの中に取り込まれる。shRNAやpre−(もしくはpri−)miRNAなどの機能的RNA分子の前駆体をドナー細胞に導入した場合、エキソソーム内に封入される外来性の核酸としては、ドナー細胞内でプロセシングを受けて生じた成熟RNA分子、未だプロセシングを受けていない前駆体分子、あるいはその両方が含まれ得る。
その後、外来性の核酸を取り込んだエキソソームは任意の適切な技術を用いて細胞培養上清から調製することが出来る。例えば、得られた培養上清をエキソソーム画分が沈殿しない条件で1回目の遠心分離を行う。例えば、1〜30℃、500〜4000gの速度で5〜30分間の遠心分離はその条件を満たしており、最適な例として室温、2000g、15分間の遠心分離がある。更に、2回目の遠心分離として1回目の遠心分離よりも速い速度でなおかつエキソソーム画分が沈殿しない遠心分離を行う。2回目の遠心分離の例としては1〜30℃、5000〜25000gの速度で5〜120分間の遠心分離を挙げることができ、最も好ましい例として室温、12000g、35分間の遠心分離を挙げることができる。得られた上清画分を一般的な生化学実験に用いられるゲルろ過カラムに供し、溶出液の260nmの吸光度を測定し、吸光度の高いフラクションをエキソソーム画分とする。ゲルろ過カラムは担体を購入し自ら作製しても、市販品を使用してもよく、ここではSephacryl S−400 HR(GEヘルスケアバイオサイエンス社)を適した例として挙げることができる。また、吸光度の高いフラクションとしては吸光度値の上位10フラクション程度を用いればよいが、もちろん最高値を示すフラクションを以てエキソソーム画分とすることも可能である。こうして得られたエキソソーム画分は本発明の製剤として任意の哺乳動物細胞あるいは動物個体へのmiRNAやsiRNA等の導入実験等に使用することが出来る。
別の好ましいエキソソーム画分の調製法としては、例えば分画遠心分離法を挙げることができる。好ましい一具体例として、Raposo et.al.J.Exp.Med.183:1161−1172(1996)記載の方法を以下に示す。細胞培養物を300×g、10分間遠心分離する。得られた上清を300×g、10分間の遠心分離を2回、10000×g、30分間の遠心分離を1回、70000×g、60分間の遠心分離を1回行う。得られた沈殿を2.5M スクロース、20mM Hepes/NaOH、pH7.2を含む溶液に溶解し、2〜0.25Mの密度勾配を持つスクロース溶液に重層する。100000×g、15時間の遠心分離を行った後、得られた残渣をPBSに溶解し、更に200000×g、1時間の超遠心分離を行う。こうして得られた沈殿を本発明の製剤として利用する。
本発明の核酸導入剤を用いて、目的の核酸を標的細胞に導入する方法としては、標的細胞が培養細胞や培養組織である場合、エキソソーム画分の培養液中への添加が挙げられ、一方、標的細胞が生体内の細胞の場合、動物個体への腫瘍内投与、皮下投与、尾静脈投与等種々の方法が挙げられる。その方法はその後実施するアッセイに適したものを選べばよく、例えば、担癌マウスの腫瘍サイズを測定したい場合には腫瘍内投与を行うのが相応しい。前述の方法でmiRNAが導入された細胞あるいは動物を用いて、miRNAの機能を評価することが可能である。例として、細胞増殖を調べるアッセイ、腫瘍形成能を調べるアッセイ、転移能を調べるアッセイ、薬剤感受性を調べるアッセイ、miRNAのターゲットとなる遺伝子の発現制御を調べるアッセイ等があり、細胞増殖アッセイの好適な例として、miRNAが導入されたPC−3M−Luc−C6細胞のルシフェラーゼ活性を測定する方法を挙げることができる。
本発明の核酸導入剤を、標的遺伝子の発現亢進が関与する疾患、あるいは該核酸導入剤中に含まれるmiRNAの発現低下もしくは機能欠損が関与する疾患の予防及び/又は治療のために用いる場合、該製剤は、そのまま液剤として、または薬理学的に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とともに適当な剤型の医薬組成物として製剤化することができる。ここで、薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、賦形剤、溶剤(分散剤)、溶解補助剤、懸濁化剤、安定化剤、等張化剤、緩衝剤、pH調節剤、無痛化剤などとして配合される。また必要に応じて、保存剤、抗酸化剤などの製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤の好適な例としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
溶剤の好適な例としては、注射用水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油などが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
安定化剤の好適な例としては、ヒト血清アルブミン(HSA)、ピロ亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、メタ亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖などが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
pH調節剤の好適な例としては、塩酸、水酸化ナトリウムなどの酸または塩基が挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
保存剤の好適な例としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。
前記医薬組成物の剤形としては、例えば注射剤(例:皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、動脈内注射剤など)、点滴剤等の注入型製剤が挙げられる。
医薬組成物は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば日本薬局方に記載の方法等により製造することができる。医薬組成物中の核酸含量は、剤形、投与量などにより異なるが、例えば約0.01〜約50重量%である。
例えば、注射剤は、核酸含有エキソソーム画分を分散剤(例:ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例:メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロブタノール、フェノールなど)、等張化剤(例:塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖など)などと共に水性溶剤(例:蒸留水、生理的食塩水、リンゲル液等)に懸濁あるいは乳化することにより製造される。この際、所望により安定化剤(例:ヒト血清アルブミン等)、無痛化剤(例:ベンジルアルコール等)等の添加物を用いてもよい。
投与は、非経口投与、例えば静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、経皮投与などである。疾患が癌の場合、腫瘍内局所投与であってもよい。
投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなどによっても異なるが、例えば、成人の癌の治療・予防のために使用する場合には、封入核酸を1回量として、通常0.01〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さらに好ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、例えば静脈注射により投与するのが好都合である。他の非経口投与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。症状が特に重い場合には、その症状に応じて増量してもよい。
投与回数は、例えば1〜2週間に1回の頻度で数回の投与又は2〜3週間に1回の投与で約2ヶ月間である。
実施例1 miR−16含有エキソソームの調製
miR−16を模倣した化学合成分子(商品名:Pre−miR−16;Applied Biosystems社)2μMを、Dharmafect試薬キット(Dharmacon社)を用いて、当該試薬キットに添付される手順書に従って、5×10個/ウェル(6穴プレート)の濃度で播種したPC−3細胞に導入した。2% FBS含有アドバンスドRPMI1640培地で、5%CO、37度の条件で12時間培養した後、細胞をアドバンスドRPMI1640培地(インビトロジェン社)で3回洗浄した。当該細胞にアドバンスドRPMI1640培地を2mL添加し、24時間培養を継続した後培地を回収した。得られた培地を室温、2000g、15分間遠心分離することで得た上清を更に室温、12000g、35分間遠心分離することで、エキソソームを含む上清画分を得た。当該上清を、Sephacryl S−400 HR(GEヘルスケアバイオサイエンス社)に供し、溶出液を200μLずつ回収した。得られた溶出液の260nmの吸光度を測定し、最も吸光度の高かったフラクション4をエキソソーム画分として本発明の製剤とした(図1)。
該エキソソーム画分中のmiRNAをmirVana miRNA isolation kit(Applied Biosystems社)を用いて、当該試薬キットに添付される手順書に従って調製した。図2は、得られたmiRNAを鋳型としてTaqMan(R) MicroRNA RT Kit(アプライドバイオシステムズ社)を用いてRT−PCRを行った結果である。この結果からmiR−16が当該エキソソームに存在することが示された。
実施例2 miR−16、143、146含有エキソソームを接触させたPC−3M−Luc−C6細胞の細胞増殖アッセイ
実施例1で得た製剤を50μL、2×10個/ウェル(96ウェルプレート)の濃度で播種したPC−3M−Luc−C6細胞(Xenogen Crp.)に添加した後、2% FBS含有アドバンスドRPMI1640培地で、5%CO、37度の条件で4日間培養した。4日後、当該細胞が有するホタル・ルシフェラーゼ活性をBright−Glo(Promega社)を用いて測定した。得られたルシフェラーゼ活性測定値と対照細胞のルシフェラーゼ活性測定値を図3に示す。ここで対照細胞とは、実施例1と同様の方法で調製したネガティブコントロールmiRNA(Pre−miRTM miRNA Precursor - Negative Control #1;Applied Biosystems社)を含むエキソソームを添加したPC−3M−Luc−C6細胞を指す。図3から明らかなように、miR−16含有エキソソームを添加したPC−3M−Luc−C6細胞の細胞増殖が抑制された。上述した方法と同様の方法でmiR−143またはmiR−146を模倣した化学合成分子(商品名:Pre−miR−143、Pre−miR−146;いずれもApplied Biosystems社)を含有するエキソソームを調製し、PC−3M−Luc−C6細胞を用いて試験した結果を図4に示す。miR−143、146含有エキソソームを添加したPC−3M−Luc−C6細胞の細胞増殖が抑制されることが確認できた。
実施例3 エキソソームを用いた線虫miRNA(Cel−miR−39)のPC−3M−Luc−C6細胞への導入
実施例1記載の方法に従い、同様にして調製したCel−miR−39を模倣した化学合成分子(miScript miRNA Mimic:QIAGEN社製)を含有したエキソソーム製剤を、実施例2記載の方法でPC−3M−Luc−C6細胞培養液に添加した。導入された細胞のmiRNAをmirVana miRNA isolation kit(Applied Biosystems社)を用いて抽出し、RT−PCRに供した。その結果、対照細胞と比較して、Cel−miR−39含有エキソソームを添加した細胞中には明らかにCel−miR−39が導入されていることが分かった(図5)。ここで対照細胞とは、同様の方法で調製したネガティブコントロールmiRNAを含むエキソソームを添加したPC−3M−Luc−C6細胞を指す。
実施例4 PC−3M−Luc−C6細胞皮下移植モデルマウスへの短鎖RNA含有エキソソーム投与
1×10個のPC−3M−Luc−C6細胞をヌードマウスの脇腹に直接注入する。2週間後、腫瘍塊を形成したマウスの尾静脈あるいは腫瘍塊に実施例1で得られたmiR−16含有製剤を注射する。1週間後、ルシフェリンを腹腔内にから注射し生体イメージングを用いて腫瘍塊の大きさを測定し、miR−16含有エキソソームを注射したマウスにおいて腫瘍塊の大きさを確認する。この結果からmiR−16含有エキソソームが生体内でも癌細胞へ導入されることが分かる。
実施例5 癌細胞の肺転移モデルマウスへの短鎖RNA含有エキソソーム投与
1×10個のPC−3M−Luc−C6細胞をヌードマウスの尾静脈に直接注入する。2週間後、肺に腫瘍塊を形成したマウスの尾静脈あるいは腫瘍塊に実施例1で得られたmiR−16含有エキソソームを注射する。1週間後、ルシフェリンを腹腔内に注射し生体イメージングを用いて腫瘍塊の大きさを測定し、miR−16含有エキソソームを注射したマウスにおいて腫瘍塊の大きさを確認する。この結果からmiR−16含有エキソソームが生体内でも癌細胞へ導入されることが分かる。
実施例6 PC−3M−Luc−C6細胞皮下移植モデルマウスへの短鎖RNA含有エキソソーム投与
実施例1の方法と同様の方法でmiR−143を模倣した化学合成分子(商品名:Pre−miR−143、Applied Biosystems社)を含有するエキソソーム(miR−143含有製剤)と、ネガティブコントロールmiRNA(Pre−miRTM miRNA Precursor - Negative Control #1;Applied Biosystems社)を含むエキソソーム(コントロール製剤)とを、それぞれ調製した。
PBSに懸濁した5×10個のPC−3M−Luc−C6細胞を、1匹のヌードマウスについて2箇所、背部皮下に移植した。移植4日後から8日間に渡って毎日、500μLのmiR−143含有製剤又はmiR−143を含まないコントロール製剤を腫瘍塊に直接注射した。各腫瘍塊の大きさは移植4日目から1日おきに、ルシフェリンを腹腔内に注射し生体イメージングを用いて測定した。結果を図6に示す。縦軸に、各投与群について15個の腫瘍塊のルシフェラーゼ活性を平均した値を、横軸に投与後の日数をプロットしたグラフを図6に示す。この結果から、miR−143含有製剤が生体内でも癌細胞へ導入され、癌細胞の増殖を阻害することが判明した。
本発明の核酸導入剤は、短鎖核酸分子を生体内の組織や細胞に障害を与えることなく、効果的に標的細胞に導入することができるので、siRNAやmiRNAなどの核酸医薬の利用が盛んに研究されている癌などの難治性疾患の治療において、新規なドラッグデリバリーシステムを提供するものであり、極めて有用である。

Claims (13)

  1. エキソソームを含有してなる、細胞への核酸導入剤であって、該エキソソームが、それが由来する細胞に対して外来性の核酸を含むことを特徴とする剤。
  2. 外来性の核酸が非コード核酸である、請求項1記載の剤。
  3. 非コード核酸がsiRNAまたはmiRNAである、請求項2記載の剤。
  4. 核酸が導入される標的細胞とエキソソームが由来する細胞とが同種動物由来である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の剤。
  5. 標的細胞とエキソソームが由来する細胞とが同一個体由来である、請求項4記載の剤。
  6. 外来性の核酸が標的遺伝子の発現を阻害する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の剤。
  7. 標的遺伝子の発現亢進が関与する疾患の予防および/または治療用である、請求項6記載の剤。
  8. 細胞に目的とする外来性の核酸またはその前駆体を導入し、該細胞の培養液から該外来性の核酸を含むエキソソーム画分を単離することを含む、核酸導入剤の製造方法。
  9. 外来性の核酸がsiRNAもしくはmiRNAである、請求項8記載の方法。
  10. siRNAまたはその前駆体を、それを発現するベクターの形態で導入することを特徴とする、請求項8記載の方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法により得られる、標的細胞への核酸導入剤。
  12. 請求項1〜6および11のいずれか1項に記載の核酸導入剤を標的細胞に接触させることを含む、標的細胞への核酸導入方法。
  13. 遺伝子の発現亢進が関与する疾患の予防および/または治療方法であって、該遺伝子の発現を阻害する外来性の核酸またはその前駆体を導入した細胞から調製された、有効量の該外来性の核酸を含むエキソソームを、対象に投与することを含む方法。
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