JP2010285308A - 光学素子製造装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カルコゲナイドガラスからなる光学素子の製造において、製造時間の短縮を図る。
【解決手段】本発明は、カルコゲナイドガラスからなる光学素子をプレス成形により製造する光学素子製造装置1であって、金型11,12によるプレス工程を行う前に、前記カルコゲナイドガラスからなるプリフォーム10が載置される空間を不活性ガス雰囲気にし、前記不活性ガスを介して前記プリフォーム10を加熱する予備加熱手段を備えるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズ、フィルタ等の光学素子を製造するための技術に関し、特にカルコゲナイドガラスを材料とする光学素子に関するものである。
近年、計測装置、通信装置等の様々な機器において、赤外線が利用されている。このような機器には、例えば赤外線のみを集光又は透過させる赤外線レンズ、フィルタ等の赤外用光学素子が利用される。
従来、赤外用光学素子には、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、セレン化亜鉛(ZnSe)等の光学ガラス材料が用いられてきた。これらの材料は結晶質であるため、これらをレンズ等の形状に加工する際には、結晶の方位性を考慮した研磨、切削等の工程が必要となる。このような工程には、時間や技術が必要となるため、量産性、製造コスト等の面で問題があった。
特許文献1において、AgBr、AgCl、TlI、TlBr等のハロゲン化銀、ハロゲン化タリウムを材料とする光学素子が開示されている。これらの材料は、赤外線を良好に透過させる性質を有し、且つプレス成形によりレンズ等の所望の形状に加工することが可能なものである。このようなプレス成形法を用いることにより、成形加工に要する時間が大幅に短縮され、量産性の向上、製造コストの削減等を実現することができる。しかしながら、ハロゲン化銀等の材料は、上記一般的な光学ガラス材料に比べて軟性が高いため、得られる光学素子は、傷つき易いものになるという問題がある。
また、特許文献2において、シリコン(Si)−セレン(Se)−テルル(Te)系、ゲルマニウム(Ge)−セレン(Se)−テルル(Te)系、シリコン(Si)−アンチモン(Sb)−テルル(Te)系、ゲルマニウム(Ge)−アンチモン(Sb)−テルル(Te)系合金を材料とする光学素子が開示されている。これらの材料は、カルコゲン元素を主成分とするカルコゲナイドガラスと称されるものであり、赤外線を良好に透過させる性質を有し、ある組成内において非結晶質であり、プレス成形によりレンズ等の形状に加工することが可能なものである。また、カルコゲナイドガラスは、上記ハロゲン化銀等の材料よりも硬度が高いため、カルコゲナイドガラスを材料とすることにより、傷がつき難い赤外用光学素子を製造することが可能となる。
特開平4−170501号公報 特開平6−211540号公報
上記カルコゲナイドガラスを材料とするプレス成形法においては、金型によるプレス工程に入る前に、カルコゲナイドガラスからなるプリフォームを適正温度まで加熱する加熱工程が必要である。加熱工程においてプリフォームを十分に加熱し軟化させておかないと、製品に破損、変形等が生じやすくなる。従来の加熱工程においては、プリフォームが載置された金型自体を電熱線等により加熱し、主に金型とプリフォームとの接触点からの熱伝導により、プリフォームを加熱する手法が用いられる(特許文献2参照)。
しかしながら、カルコゲナイドガラスは、通常の可視帯域のガラスと比較して、熱伝導率が低いという性質を有する。そのため、上記のような従来の加熱手法では、プリフォームを適正温度まで加熱するのに長時間が必要となる。この加熱時間の長期化は、量産性の悪化、製造コストの増加等を招く。更に、プリフォームの表面が長時間高温に晒されることにより、この表面からガスが抜け、製品に気泡が生ずる場合もある。
そこで、本発明は、カルコゲナイドガラスからなる光学素子の製造において、製造時間の短縮を図ることを目的とする。
本発明は、上記課題の解決を図るものであり、カルコゲナイドガラスからなる光学素子をプレス成形により製造する光学素子製造装置であって、金型によるプレス工程を行う前に、前記カルコゲナイドガラスからなるプリフォームが載置される空間を不活性ガス雰囲気にし、前記不活性ガスとの熱交換により前記プリフォームを加熱する予備加熱手段を備えるものである。
上記本発明によれば、カルコゲナイドガラスからなるプリフォームは、プレス工程に入る前に、金型との接触点からの熱伝導だけでなく、プリフォームの載置空間に充満した不活性ガスによって加熱される。カルコゲナイドガラスは赤外線を透過するため、赤外線ヒータ等の輻射による加熱法は不適切である。そこで、本発明のように、不活性ガスによる温風を利用することが好適である。これにより、プリフォームを適正温度(プレス温度)まで加熱するのに要する加熱時間が大幅に短縮され、量産性の向上等を実現することができ、更に気泡の無い高品質な光学素子を製造することができる。
また、前記予備加熱手段は、前記プリフォームをガラス転移点近傍、又はプレス温度から20〜50℃低い温度まで加熱することが好ましい。
上記予備加熱の段階でのプリフォームの目標温度を、その材料のガラス転移点近傍に設定することにより、加熱時間の短縮と、品質の保持とを両立させることができる。予備加熱の段階で、プリフォームを過度に加熱してしまうと、プレス成形に移行する前に、変形等の不具合が生ずる。一方、加熱が足りないと、加熱時間の短縮が達成されない。また、通常の光学素子に用いられるカルコゲナイドガラスのガラス転移点は、それらの屈伏点からおよそ−20〜−50℃の範囲にある。そして、通常のプレス温度は、プレスする材料の屈伏点以下で且つその近傍に設定される。従って、予備加熱での目標温度をプレス温度から20〜50℃低い温度に設定することにより、プリフォームをガラス転移点近傍まで加熱することができる。
また、前記不活性ガスは、窒素であることが好ましい。
カルコゲナイドガラスが非酸化系ガラス材料であることから、不活性ガスとしては酸素を含まないガスが好適である。例えば、窒素ガスの他に、アルゴンガス等が挙げられる。
また、前記金型は、母材の表面に、タングステン(W),タンタル(Ta),モリブデン(Mo),チタン(Ti)からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含む第1の被膜層と、炭素(C)及び珪素(Si)を含む第2の被膜層とが形成されていることが好ましい。更に、前記第2の被膜層は、Cの含有量が50at%以上であることが好ましい。更にまた、前記母材は、タングステンカーバイド(WC)を主成分とする超硬合金、又はタンタルカーバイド(TaC),チタンカーバイド(TiC),タンタルナイトライド(TaN),チタンナイトライド(TiN)からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を主成分とするサーメットからなることが好ましい。
第1の被膜層は、母材のバインダ成分である軽金属元素の拡散を防止する。第2の被膜層は、プレス後に固化したプリフォーム(光学素子)の金型からの離脱を容易にする。
また、本発明は、カルコゲナイドガラスからなる光学素子をプレス成形により製造する光学素子製造方法であって、金型によるプレス工程を行う前に、前記カルコゲナイドガラスからなるプリフォームが載置される空間を不活性ガス雰囲気にし、前記不活性ガスとの熱交換により前記プリフォームを加熱する予備加熱工程を備えるものである。
上記方法は、上記装置に係る技術思想と同様のものであり、同様の作用効果を奏する。
また、上記方法において、前記金型に対峙する面が研磨された平板形状の前記プリフォームを用いることが好ましい。
上述した予備加熱工程を備えることにより、球面研磨、ゴブの作成等が不要な平板形状のプリフォームを用いて、高品質な光学素子を製造することができる。これにより、更なる量産性の向上、製造コストの削減等を実現することができる。
上記本発明によれば、プリフォームをプレス温度まで加熱するのに要する時間を大幅に短縮することができ、量産性、品質の向上等を実現することができる。
本発明の実施の形態1に係る光学素子製造装置の構成を示す図である。 図1に示す光学素子製造装置の金型の構成を示す図である。 実施の形態1において、実施例1に係る予備加熱工程の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1において、実施例2に係る予備加熱工程の流れを示すフローチャートである。 熱膨張曲線の例を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係る光学素子製造装置の構成を示す図である。
実施の形態1
以下、添付した図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係る光学素子製造装置1の構成を示している。光学素子製造装置1は、所謂バッチ式と称されるものであり、下金型11、上金型12、スリーブ13、下ヒータ15、下均熱板16、上ヒータ17、上均熱板18、加圧シリンダ19、収容室20、流体供給ユニット21を備える。
下金型11及び上金型12は、レンズ等の光学素子を象る凹部を有する硬質の部材であり、両者でプリフォーム10を圧縮することにより、プリフォーム20を所望の光学素子の形状に成形するものである。下金型11及び上金型12は、スリーブ13により互いの間隔が変化するようにスライド可能に設置されている。上金型12は、加圧シリンダ19により変位可能になされている。
下ヒータ15は、電熱線、熱伝導体等を含んで構成されるユニットであり、周囲に熱を発散させる。下ヒータ15と下金型11との間には、下均熱板16が配置されている。上ヒータ17は、電熱線、熱伝導体等を含んで構成されるユニットであり、周囲に熱を発散させる。上ヒータ17と上金型12との間には、上均熱板18が配置されている。下ヒータ15及び上ヒータ17は、図示しない制御ユニットにより、下金型11及び上金型12の表面が、プレス成形に適した温度(プレス温度)となるように制御される。
下均熱板16及び上均熱板18は、サーマルバッファ(熱的緩衝体)の役割を果たし、下ヒータ15及び上ヒータ17から受ける熱を均一な状態にして下金型11及び上金型12に伝達させる。
収容室20は、その内部空間に上述した金型11,12等の各構成部を収容するものである。収容室20は、吸気口25及び排気口26を備える。吸気口25及び排気口26には、収容室20内を密閉可能にする開閉部が備えられる。
流体供給ユニット21は、ファン、モータ、窒素等の不活性ガスを収容する収容部、不活性ガスを加熱するヒータユニット等を含んで構成され、吸気口25から収容室20内に不活性ガスを供給する。
図2は、下金型11の構成をより詳細に示している。同図に示すように、下金型11は、母材30、第1の被膜層31、第2の被膜層32を備える。
母材30は、例えばタングステンカーバイト(WC)を主成分とし、他の軽元素をバインダ成分として含む超硬合金からなる。他の軽元素としては、例えばコバルト(Co)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)が挙げられる。母材30は、レンズ等の光学素子の形状に応じた球面、非球面、その他自由曲面の形状が形成されている。母材30の表面粗さは、例えば2nm以下に研削されて研磨されている。また、母材30は、タンタルカーバイト(TaC)、チタンカーバイト(TiC)、タンタルナイトライド(TaN)、チタンナイトライド(TiN)からなる群のうち少なくとも1つを主成分とするサーメットから構成される。
第1の被膜層31は、例えばタングステン(WC)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)からなる群のうち少なくとも一種の元素を含む層である。第1の被膜層31は、膜厚が例えば0.05〜3μmであり、平均表面粗さが例えば4nm以下である。第1の被膜層31は、母材30に含まれるバインダ成分(上記軽元素)の拡散を防止する機能を果たしている。
第2の被膜層32は、炭素(C)及び珪素(Si)を含む膜である。より具体的には、Cが主成分の膜であり、Cの含有量が50at%以上であることが好ましい。第2の被膜層32は、膜厚が例えば0.05〜3μmであり、平均表面粗さが例えば4nm以下である。第2の被膜層32は、耐熱性に優れた緻密な膜を形成し、成形されて固化した光学素子と下金型11との離型を容易にする。
尚、図2を参照して下金型11の構成について説明したが、上金型12についても同様である。
実施例1
図3は、上記構成の光学素子製造装置1による予備加熱工程S100の第1の実施例を示す。予備加熱工程S100は、カルコゲナイドガラスを材料とする光学素子を製造する製造工程の一部をなし、プリフォーム10を下金型11上に載置した後、且つ上記金型11,12によりプリフォーム10を圧縮するプレス工程S200の前に実行される。
先ず、プリフォーム10の載置空間、即ち収納室20内を窒素雰囲気にする(S101)。本実施の形態においては、流体供給ユニット21により、吸気口25から窒素ガスを流入させることにより、収容室20内の空気を窒素ガスに置換する。次いで、収容室20内の窒素ガスを加熱する(S102)。本実施の形態においては、収容室20が窒素ガス雰囲気になった後、下ヒータ15及び上ヒータ17を昇温させる。これにより、ヒータ15,17による発熱が、プリフォーム10と下ヒータ15との接触点だけでなく、窒素ガスも介してプリフォーム10に伝達される。
そして、所定の検温装置を用いて金型11,12(特に、プリフォーム10と接触している下金型11)の温度を監視し、金型11,12の温度Tfが設定温度Tsに達したか否かが判定される(S103)。TfがTsに達したと判定された場合(YES)には、プレス工程S200へ移行し、達していないと判定された場合(NO)には、窒素ガスの加熱、及び金型11,12の温度の監視を継続する。
実施例2
また、上記実施例1に係る予備加熱工程S100は、図4に示す実施例2に係る予備加熱工程S300に置き換えることができる。図4に示す予備加熱工程S300は、上記予備加熱工程S100のステップS101及びS102を、ステップS301に置き換えたものである。
ステップS301は、プリフォーム10の載置空間、即ち収納室20内に、加熱された窒素ガスを流通させるものである。本実施の形態においては、流体供給ユニット21により、加熱された窒素ガスを吸気口25から排気口26に流通させることにより、収容室20内を高温の窒素ガス雰囲気にする。この時、窒素ガスの流速を比較的遅くすることにより、収容室20内の温度を安定させ易くなる。
上記実施例1,2において、予備加熱の設定温度Tsは、プリフォーム10の材料であるカルコゲナイドガラスのガラス転移点Tg近傍に設定される。図5は、あるカルコゲナイドガラスの熱膨張曲線を示している。同図において、屈伏点At、プレス温度Tp、及び温度範囲Rtが示されている。プレス温度Tpは、プレス工程S200において両金型11,12によりプリフォーム10を圧縮する際の両金型11,12の温度である。通常、プレス温度Tpは、屈伏点Atより低く、且つ屈伏点At近傍の温度に設定される。温度範囲Rtは、ガラス転移点Tgから屈伏点Atまでの範囲であり、光学素子の材料として用いられるカルコゲナイドガラスにおいては、20〜50℃となる。従って、上記設定温度Tsは、プレス温度Tpから20〜50℃低い温度に設定されることが好ましい。
以下に、上記予備加熱工程S100又はS300を含む製造工程全体の一例を示す。先ず、プリフォーム10を下金型11に載置する。次に、流体供給ユニット21により収容室20内を窒素ガス雰囲気にし、金型11,12(及びプリフォーム10)を転移点Tgまで予備加熱する。予備加熱後、金型11,12を更に屈伏点At近傍まで昇温させてプリフォーム10を軟化させる。この時、収容室20内を真空状態にしてもよい。そして、屈伏点At付近になった時、加圧シリンダ19を稼働させて、両金型11,12によりプリフォーム10をプレスする。プリフォーム10は、両金型11,12の圧力により外側に広がり、両金型11,12の間にできる空間に収容され、プレス成形される。その後、圧力を加えたまま両金型11,12を転移点Tg付近まで冷却し、上金型12の圧力を開放し、例えば常温まで冷却し、成形された光学素子を取り出す。
下記表1は、上記予備加熱工程S100又はS300を含まない製造工程による実験結果を示している。用いたプリフォーム10は、(Ge:S:Sb)=(5:60:30)の組成比を有するカルコゲナイドガラスである。用いた両金型11,12は、母材30がWCを主成分とする超硬合金であり、第1の被膜層31がWNであり、第2の被膜層32がCを85at%、Siを15at%含むものである。収容室20内の雰囲気は、全工程に渡って真空状態である。
(表1)
Figure 2010285308
上記表中、保温時間は、プレス工程を開始する前にプリフォーム10(金型11,12)を適正温度に加熱するまでの時間、即ち予備加熱に要する時間を示している。Sag量は、製造された光学素子の厚さを示している。尚、全ての実験は同一の金型11,12を用いているので、適正に製造された全て光学素子の厚さは、金型11,12に彫られた凹部の深さに対応して略同一となる。本例においては、およそ0.65mmの厚さの光学素子を成形する金型11,12が用いられた。表面状態は、製造された光学素子に気泡が存在するか否かを示している。
下記表2は、上記予備加熱工程S100を含む製造工程による実験結果を示している。用いたプリフォーム10及び両金型11,12は、上記表1の場合と同様である。収容室20内の雰囲気は、プリフォーム10(金型11,12)の予備加熱時には窒素ガス雰囲気であり、プレス工程実行時には真空状態である。
(表2)
Figure 2010285308
上記表1のテストNo5と表2の結果を比較すると、表1の方の保温時間が600秒であるのに対し、表2の方の保温時間が200秒となっている。また、Sag量及び表面状態については、両実験結果共に、適正なものとなっている。これは、両実験結果共に、適正な光学素子を製造することができたが、表2の実験結果の方が、予備加熱に要した時間が短いことを示している。
また、上記表1のテストNo6と表2の結果を比較すると、保温時間については両者とも200秒となっており、Sag量については、表1の方が0.403mmであるのに対し、表2の方が0.65mmとなっている。これは、表1の光学素子は、適正な厚さに成形されなかったことを示している。その原因としては、予備加熱時間の不足により、ガラスが十分に軟化されていないことが考えられる。
以下に、表3及び表4において、上記表1及び表2とは異なる組成のプリフォーム10を用いた実験結果を示す。用いたプリフォーム10は、(Ge:Se:Sb)=(10:65:15)の組成比を有するカルコゲナイドガラスである。表3は、上記予備加熱工程S100又はS300を含まない製造工程による実験結果を示している。用いた両金型11,12は、上記表1及び表2と同様である。表3の実験収容室20内の雰囲気は、全工程に渡って真空状態である。
(表3)
Figure 2010285308
下記表4は、上記予備加熱工程S100又はs300を含む製造工程による実験結果を示している。収容室20内の雰囲気は、プリフォーム10(金型11,12)の予備加熱時には窒素ガス雰囲気であり、プレス工程実行時には真空状態である。
(表4)
Figure 2010285308
上記表3のテストNo2と表4の結果を比較すると、表3の方の保温時間が600秒であるのに対し、表2の方の保温時間が200秒となっている。また、Sag量及び表面状態については、両実験結果共に、適正なものとなっている。これは、両実験結果共に適正な光学素子を製造することができたが、表2の実験結果の方が、予備加熱に要した時間が短いことを示している。
また、上記表3のテストNo3と表4の結果を比較すると、保温時間については両者とも200秒となっており、Sag量については、表3の方が0.43mmであるのに対し、表4の方が0.65mmとなっている。これは、表3の光学素子は、適正な厚さに成形されなかったことを示している。その原因としては、予備加熱時間の不足により、プリフォーム10が十分に軟化していなかったことが考えられる。
以上のことから、上記予備加熱工程S100又はS300を実行することにより、高品質の光学素子を短時間で製造することが可能になると言える。これにより、量産性の向上等を実現することができる。
実施の形態2
図6は、本実施の形態に係る光学素子製造装置51の構成を示している。光学素子製造装置51は、所謂連続式と称されるものであり、導入部61、予備加熱部62、プレス部63、冷却部64、取出部65等を含んで構成される。各部61〜65は、ベルトコンベア等の自動搬送装置により連結され、プリフォーム10を各部61〜65に順次搬送可能になされている。
導入部61、プレス部63、冷却部64、取出部65は、周知の連続式成形装置と同様の作用を奏するものである。即ち、導入部61は、プリフォーム10を自動搬送装置に載せ、後段の各部62〜65に送り出す。プレス部63は、プレス温度まで昇温されたプリフォーム10を金型によりプレスする。冷却部64は、プレスされたプリフォーム10を冷却する。取出部65は、冷却されたプリフォーム10を金型から外す。
本実施の形態においては、プレス部63の前に予備加熱部62が設けられている。予備加熱部62は、上記実施の形態1の流体供給ユニット21と同様の機能を有する流体供給ユニット75を備え、導入部61から搬送されたプリフォーム10を、プレス工程が実行される前に適正温度まで予備加熱する部分である。予備加熱部62は、上記実施の形態1と同様に、プリフォーム10が載置された空間を窒素等の不活性ガス雰囲気にし、この不活性ガスを介してプリフォーム10を予備加熱する。予備加熱が完了したプリフォーム10は、プレス部63へと搬送され、所定の光学素子の形状にプレス成形される。
このように、連続式の装置であっても、プレス部63の前に予備加熱部62を設置することにより、上記実施の形態1に係るバッチ式の装置と同様に、予備加熱に要する時間を大幅に短縮することができ、量産性の向上等の効果を得ることができる。
尚、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能なものである。
1,51 光学素子製造装置
10 プリフォーム
11 下金型
12 上金型
13 スリーブ
15 下ヒータ
16 下均熱板
17 上ヒータ
18 上均熱板
19 加圧シリンダ
20 収容室
21,75 流体供給ユニット
25 吸気口
26 排気口
30 母材
31 第1の被膜層
32 第2の被膜層
61 導入部
62 予備加熱部
63 プレス部
64 冷却部
65 取出部

Claims (12)

  1. カルコゲナイドガラスからなる光学素子をプレス成形により製造する光学素子製造装置であって、
    金型によるプレス工程を行う前に、前記カルコゲナイドガラスからなるプリフォームが載置される空間を不活性ガス雰囲気にし、前記不活性ガスとの熱交換により前記プリフォームを加熱する予備加熱手段を備える、
    光学素子製造装置。
  2. 前記予備加熱手段は、前記プリフォームをガラス転移点近傍まで加熱する、
    請求項1に記載の光学素子製造装置。
  3. 前記予備加熱手段は、前記プリフォームをプレス温度から20〜50℃低い温度まで加熱する、
    請求項1に記載の光学素子製造装置。
  4. 前記不活性ガスは、窒素である、
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の光学素子製造装置。
  5. 前記金型は、母材の表面に、W,Ta,Mo,Tiからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含む第1の被膜層と、C及びSiを含む第2の被膜層とが形成されている、
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の光学素子製造装置。
  6. 前記第2の被膜層は、Cの含有量が50at%以上である、
    請求項5に記載の光学素子製造装置。
  7. 前記母材は、WCを主成分とする超硬合金、又はTaC,TiC,TaN,TiNからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を主成分とするサーメットからなる、
    請求項5又は6に記載の光学素子製造装置。
  8. カルコゲナイドガラスからなる光学素子をプレス成形により製造する光学素子製造方法であって、
    金型によるプレス工程を行う前に、前記カルコゲナイドガラスからなるプリフォームが載置される空間を不活性ガス雰囲気にし、前記不活性ガスとの熱交換により前記プリフォームを加熱する予備加熱工程を備える、
    光学素子製造方法。
  9. 前記予備加熱工程において、前記プリフォームをガラス転移点近傍まで加熱する、
    請求項8に記載の光学素子製造方法。
  10. 前記予備加熱工程において、前記プリフォームをプレス温度から20〜50℃低い温度まで加熱する、
    請求項8に記載の光学素子製造方法。
  11. 前記不活性ガスは、窒素である、
    請求項8〜10のいずれか1つに記載の光学素子製造方法。
  12. 前記金型に対峙する面が研磨された平板形状を有する前記プリフォームを用いる、
    請求項8〜11のいずれか1つに記載の光学素子製造方法。
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