JP2010285013A - 船舶のビルジ・バラスト管装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 船舶のビルジ・バラスト管装置において、省コスト、省スペース及び運航保守の省エネルギーと省力化を図る。
【解決手段】 (1)ポンプの自吸補助機能とビルジ溜め及びバラストタンクの残水吸取り機能をエダクタに集約し、(2)全海水ポンプの個別ストレーナを両舷各1台に集約して取水元弁直後に配し海水箱と共に逆洗可能且つ舷外排水系の逆止弁と共に、自流・ポンプ注排水共に異物侵入を防止して全タンクを常に清浄に保ち、(3)電動機一体型横軸ポンプを通路床下に配し、吸引側を操作正面として全関係弁類を集中配置し、通路床上部分を2肋骨間隔以内に収めた各ポンプユニットを始動電磁箱と共に一括船内吊り込み据付次第、配線・結線まで施工し、(4)バラスト水滅菌循環系統およびタンク内流路を配して滅菌容量低減と稼働性能を向上する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、船舶の消防・ビルジ及びバラスト注排水の海水ポンプ装置に係るものである。
[ビルジ・バラスト管構成一般] 一般に貨物船(Cargo Ship)、バラ積み船(Bulk Carrier)、液送船(Tanker)などの運送用船舶は、空荷では喫水が浅く推進器の一部露出に加え船首尾方向の傾斜すなわちトリム(Trim)が大きく船首部が浮上り航行安定性を損なうので、船倉下の二重底タンク(Bottom Tank)や舷側タンク(Wing Tank)などのバラストタンク(Ballast Tank)に注水して航行安定に必要限度の喫水を得ている。
荷役時のバラストタンクの注排水において、バラストポンプ容量[m^3/h]は岸壁或いは自船の荷役容量[ton/h]に見合う大きな値のため、バラスト管端末のベルマウス(Bell-mouth)周りの船底縦骨(Longitudinal Stiffener:材高200〜300mm)及び二重底横桁(Lateral Girder)で制約され後者の通水・軽め穴の下縁以下では、前者の底通水口と後者の前者貫通穴(Scallop)の通過水量が追付かずタンク底の流水勾配が大きくなり、該ポンプの出口弁を絞ってもベルマウス周りの水位が急低下して空気吸込みに至り、タンク底の大量の残水に拘らずポンプ自吸排水不能になるので、近傍に設置の小流量の消防・雑用・ビルジポンプ(Fire & General Use/Bilge Pump、慣用名称を略して以下ビルジ系ポンプと呼ぶ)に切替えてポンプ排水或いはそれに付属のエダクタ(Eductor)で吸取り排水する。
ビルジ系ポンプは、上記のバラスト管系統と連結しバラストの終期排水に使用する他、消火及び揚錨洗浄などの高圧水供給、トリム調整のため船首・尾タンクの注排水及び機関室や船倉(Cargo Hold)のビルジ溜(Bilge Well)の落水・残水の排出に供する。
バラストタンクは二重底内の中央隔壁で左・右舷に2分割され、横隔壁で船首・尾間に数分割され、通常の船首トリム(正トリム)の船体姿勢に鑑み、各々タンクの船尾側隔壁前にバラスト管端末としてベルマウスが船底上20~30mmの隙間を以て配されている。
一般にバラストポンプ(Ballast Pump、ビルジ系ポンプと同様に、以下、バラスト系ポンプと呼ぶ)は、両舷に各1台を配し計2台の全力運転でそれぞれ各舷のバラストタンクに同時注排水し、上述の各タンクの排水終期において何れか一方のポンプで両舷半流量に減じ(ポンプユニット管連絡弁は開)、或は各ポンプの出口弁を絞ってベルマウスに至るタンク底の流水勾配を低減し、空気吸込み前のタンク残水を局限し、ビルジ系ポンプ及びエダクタによる残水排出時間を節減している。
バラストタンクへの配管は、中・小型船ではバラスト系ポンプユニットで各々タンクに弁分岐するマニフォルド方式(Manifold System)、大型船では両舷の二重底内にバラスト主管を縦通し各タンクに弁分岐するメインライン方式(Main Line System)が系統簡潔のため広く採用されており、何れも両舷のポンプ間に連絡管・弁を配し、後者は船首側にも連絡管・弁を配してバラスト主管をリング状に形成したリングメイン方式(Ring Main System)が多い。
一般にビルジ系ポンプは、重要補機として船舶関係規則の二重化の要求に従い2台設置され、内1台(右舷側1号機)は消防・雑用ポンプとして主に消火及び揚錨洗浄の高圧水供給を、他の1台(左舷側2号機)は消防・ビルジポンプとして1号機のバックアップ(Back-up)と船内ビルジ(機関室二重底・船倉底などの船内残・落水)の吸引排出をそれぞれ司ることになっているが、1号機・2号機とも同一の系統に設計され相互バックアップを為している。
該ポンプ2台とも、吸引側には左・右舷個別の機関室直接ビルジ、両舷・後部及び二重底内空所を含む機関室全体の共通ビルジ並びに船倉ビルジの吸引用逆止弁群を、吐出側には消防、舷外排水の逆止弁群をそれぞれ配し、吸引・吐出側にバタフライ弁群を配して共通1系統の注排水切替回路を形成し、上述のバラスト主管に接続しバラストタンクの終期排水(Stripping)且つ船首・尾タンクの注排水系統を成す。
大型船では、吐出側に逆止弁を配してエダクタに駆動水を与え、上記の注排水系統から該エダクタで吸引排水するものがある。
[バラスト水規制] 荷卸港で注水のバラスト水は載荷トン数の30〜40%の大量に及び荷積港で排水するため、荷積港海域の水質や生態系に及ぼす影響が大きいので国際条約によりバラスト水規制が行われ、当座の移行措置として航海途中の指定海域で新鮮な海水と入替えが行われているが、先進各国で研究・開発されているバラスト水の滅菌装置が要求される時期が迫っている。
滅菌方式は、既に全船標準装備の海洋生物付着防止装置(Marine Grow Protection System)より強化した電解による塩素酸などの化学的方式が技術的に実施可能性が高く、衝撃波や殺菌灯などの物理的方式が水質保全に更に有利のため研究開発が進められている。
[ストレーナ] 海水系の全ポンプには浮遊異物(藻類・魚介類など)の吸引防止のためポンプ毎に吸引側にストレーナ(Strainer)を配しており、ポンプ寸法(横軸機では全長、縦軸機では面間寸法)に次いで面間寸法が大きいためポンプユニットの占有スペースが大きくなっている。
[ビルジ系漉し器] 船内の各々ビルジ溜には、上記ストレーナと同等の目開き(漉し穴径)のフィルタを持つ泥箱(Mud Box)を配しており、船内での発生異物の舷外排出を防止している。
[自吸機構] 一般に海水系に使用の渦巻ポンプはそれ自体に自吸機能がないため、ポンプ芯より低い水位からの吸引には該ポンプに付属の真空ポンプ(Vacuum Pump)やエジェクタ(Ejector)による負圧で自吸補助し、ビルジ吸引は勿論、バラスト残水の吸上げを行っておりその自吸機構はビルジ系ポンプに装備している。
[バラスト注排水] 一般にバラスト水は、バラストタンク水位と喫水との落差に拘らずポンプを通して注排水(以下、ポンプ注排水と呼ぶ)を行うものとして系統構成されているが、排水時にはベルマウスからのバラスト管がポンプの吸引系となり該ポンプのキャビテーション(Cavitation)を避けるため管路抵抗損失を低く(3〜5m)設計されるので、水理的には順落差を利用し自流注排水が併用可能であり(特にバラ積み船のTop-side Tank:略してTS.Tkではほぼ全量に充分な順落差)、その場合はストレーナを通らないので海水の浮遊異物は注排水ともフリーパス(Free-pass)となり、上述のバラスト水規制は勿論、航海途中域でのバラスト水入替えや寄港・荷役バラスト調整では環境保全上好ましくない。
[ポンプ軸封] 従来のポンプの軸封シールは角断面紐状の繊維を軸に巻いてグランドで締めるグランドパッキン方式で標準化されているが、摩耗で漏水し易く点検増締めが必要のため、最近顧客要求により長期無調整使用可能且つ摩擦抵抗が小さいメカニカルシールの装着が増加し、環状シールのためその取替えにはポンプの分解が必要であり重作業を伴う。
[ポンプ形状・寸法] 従来のポンプは軸封部の点検・保守のため、横軸機では軸受ブラケット端に配したポンプケーシング内に片持ち長軸の羽根車を配し、可撓軸接手で電動機と連結して共通台板上に纏めているのでポンプセット長はかなり大きく、小口径のものは電動機軸に剛結の片持ち軸を羽根車軸としポンプブラケットでポンプケーシングと電動機をフランジ結合してポンプセット長をある程度短縮しており、縦軸機では電動機下のモーターベース内に可撓接手、ポンプ軸受・軸封・カーボンスリーブ軸受の下の片持ち軸に羽根車を配し、或は剛結接手の片持ち軸でかなりな背高姿且つ吸引・吐出の面間寸法で弁類が分割配置になり、両者とも軸封部はグランドパッキンの取替えのため片持ち軸が余計に長くなっており、ポンプセットが高価且つ占有スペースが大きくなり、なお、そのような軸封部にメカニカルシールを装着すればその取替えのためポンプ分解を伴う大掛りな重作業になる訳である。
[機関室形状・構造] 一般に運送用船舶では、後部機関室(Aft-Engine)の1機1軸船(主機関1台、推進器1軸)が最も多く、その機関室形状は主機関(Main Engine、略してME)及び自吸機能(Self-Priming)を要する主要補機を設置する機関室の最下部は、船尾側から見て平面では図1に示すように、横断面(Cross Section)では図2に示すように、共に逆梯形であり、船底基線(Base Line略してBL)、二重底底板(Tank Bottom Plate、略してTBP)、二重底上板(Tank Top Plate、略してTTP)、通路床(Floor、略してFLR)、中段甲板(Mid-Deck、略してMDK、小・中型船では1段、大型船では2段:3rd Deck、2nd Deck)、上甲板(Upper Deck、略してUDK)、が配され、外板(殻板:Shell Plate、略してSPL)は肋骨(Frame、略してFR)を小骨としその間隔(Frame Space、略してFS)は載荷5000トン級の中型船では700mm、5万〜10万トン級の大型船では800〜900mmの例があり、一般に4FS毎に特設桁(Web Frame、略してWF、図2にFR25を代表図示)を大骨とし、甲板間高さ(Deck Height、略してDKH)の中間に配した水平縦通桁(Side Stringer、略してSTR)と組合せ格子状の主構造を成し且つ主機関用甲板開口部(Deck Opening、略してDOP)のH形断面支柱(Pillar、略してPLR)と共に機関室の主構造を成している。
二重底上板TTPの上には大小径多種の配管が通るので、その上に通路床FLRが配されその高差は中型船では800mm、大型船では1600mm、二重底TTP直上の中段甲板MDKまでの甲板間高さDKHは中型船では3400mm、大型船では7250mmに及ぶ例があり、中段甲板MDK下ではその補強材に接して天井配管を配している。
二重底TTP上では、4FS毎の特設桁WFと支柱PLRが主機関MEの左右に、主機関MEの前端と機関室前壁(Bulk-Head、略してBHD)との間は3〜4FSで、図1に示すように恰も補機用区画{補機(4)、補機(5)、補機(6)、補機(7)}の如きを成すので、各々区画内にほぼ1FS幅以上の通路床を採って補機配置を要し、該補機ユニットの平面寸法が制約されるが、立体的には甲板間高さDKHの大半が空間になっており、補機の保守・吊上げに利用される程度である。
該区画中間の各肋骨FRの下部に三角形の補強ブラケット(Bracket、略してBKT、図2にFR27を代表図示)が配され、その奥行きは大骨の特設桁WFとほぼ同様に大きく、機器・弁類・配管との干渉に注意を要し、なお、大型船では、右舷前壁に避難昇降筒(Escape Trunk:一般に1000mm角)を配しているので補機配置に注意を要する。
なお、二重底内に縦方向補強(Longitudinal Stiffening)のウェブ(Web)が、主機関下以外において、上記の肋骨間隔FSとほぼ同様の縦骨間隔(Longitudinal Stiffener Space、略してLS)で配されている。
[補機の設置場所] 海水系ポンプ(冷却海水、バラスト水、消防・ビルジなど)、潤滑油ポンプ(主機関潤滑、移送)及び燃料油移送ポンプは、喫水線下の取水や二重底タンクから自吸等の水理・流体力学的(以下、纏めて水理的と記す)な制約に鑑み二重底上板TTP上に設置を要し、特に海水系ポンプは大口径のため主機関前・横の前部区画を採る。
喫水線(Load Water Line、略してLWL)は載荷状態で変化し、一般に満載喫水は上甲板UDKと同等或は中段甲板MDKとの中間でトリムはゼロに近い正トリム、空荷喫水(バラスト満水)は中段甲板MDKより下且つ正トリムで運航され、なお、港内では船体保守のためバラストゼロの空槽喫水が通路床FLRまで下がることがあり、上記の海水系ポンプは常に喫水線下で舷外海水を取水吸引するため、二重底TTP上に設置を要する訳である。
[機軸方向] 補機配置における常識「電動機軸は船首尾方向」は、軸受が全て転がり軸受の今日では、既に重要補機の横向配置の横軸機で支障なく稼働の例もあり見直すべき、すなわち、横軸機・縦軸機とも同一のスラスト耐量が大きく遊隙が微小且つグリース封入の深溝型ボールベアリングが標準装備され、縦軸機の回転子・軸接手(なお、剛結延長軸では羽根車も加え)の全質量によるスラスト荷重に比べれば、横軸機では船体の傾斜・動揺加速度による横方向荷重は頗る軽微であり、むしろ上述の二重底TTP上の形状・構造に鑑み補機配置都合を優先すべきである。
発電機関、冷却器、清水ポンプなど、上記の海水ポンプから給水される二次系の補機は中段甲板MDK上に配して甲板下からの貫通立上がり管に接続され、清水冷却系は上位甲板に設置の膨張タンク(Expansion Tank、略してExp.Tk)でほぼ10mの正水頭が加えられている(参考事項として記載)。
[バラストタンク構造] 一般にバラストタンクに使用する船倉部の二重底には、図3のように、横隔壁WBH、船軸に中央隔壁MBHを配して左・右舷(P、S)のバラストタンク(Ballast Tank略してBT)を成し、各タンクBT内で3〜4FS毎に横桁(Lateral Girder、略符号WG)と3〜5LS毎に縦桁(Longitudinal Girder、略してLGのそれぞれウェブ(Web)を配して格子状の主構造を成し、縦桁LGの間には縦骨(Longitudinal Stiffener)LSを配して二重底上板TTP及び底板TBPの補強を成し且つ横桁WGと縦骨LS及び縦桁LGに囲まれた上板TTP及び底板BTPの長さ3〜4FS、幅1LSの単位パネル(Panel、略してPNL)を成し、縦桁LG及び横桁WGの桁芯及び上板TTP寄りに軽め穴(管フランジ径プラス隙間)を明けて流水抵抗微小の主通水穴を成し、縦桁LG及び縦骨LSに上板TTPに接して通気穴(Air Hole、略してAH、底板TBPに接して通水穴(Water Hole、略してWHを明け、横桁WGと縦桁LGとの溶接の上下端及び縦骨LSとの貫通部にはそれぞれ切欠き(Scallop、略してSCL)を施し通気孔AH及び通水穴WHを成している。
バラスト配管の各端末にはベルマウス(Bell-mouth、略してBM)が、船体トリム(空荷時正トリム、満載時微小正トリム)に鑑み各バラストタンクBTの最後部且つ船底勾配(Dead Rise)を持つ船では中央隔壁MBHに接した単位パネルPNLに、平坦船底の船では船軸と舷側との中間の単位パネルPNLに、それぞれ最後部の1FSに配し、船底TBPとの隙間20〜30mmを採って設置される。
バラストタンクは、図4に示すように、船底タンク(Bottom Tank、略してBTk)及び舷側タンク(Wing Tank、略してWTk)或いは頂部舷側タンク(Topside Tank、略してTSTk)より成り、船底タンクBTkの船軸の中央隔壁(Mid-Bulkhead、略してMBH)で左・右舷(Port-side、Starboard-side、略してP、S)に分割され、縦方向では横隔壁WBHで数分割されている(小型船では3分割、大型船では5分割)
一般にバラストタンクは、図4のように、喫水高との水位差すなわち落差がかなりあり、船底タンクには注水時は順落差、排水時は逆落差、頂部舷側タンクには注水時逆落差、排水時順落差となり且つバラスト管は、前述のように、排水時のポンプ吸引特性を考慮し管路抵抗損失を小さく設計されるので順落差では自流注排水が十分可能な場合が多い。
[機関艤装と補機ユニット・モジュール化] 船体ブロック建造方式に伴う早期艤装の見地から、補機毎に機器・弁類・諸管を工場組立してユニット化し、船体ブロック製作工程或いは該ブロックの船台上の搭載・組立工程の途上で該ユニット一体を一括吊り込み・据付して現場工事量を低減し、建造工程の短縮と建造費節減が進められる時勢において、各々補機を機能別に分類して纏め、電装・制御を含む自己完結モジュールを構成し工場組立・試験一切を経て船内現場に一括据付する生産方式が研究・開発されている。
燃料油・潤滑油の清浄・供給系統のように、小口径の機器・弁類・諸管より成り加熱器も加わって機能・機構が複雑な補機は、始動盤や自動制御盤と共にそれぞれ機器メーカーで製作・供給されており、補機ユニットに小寸の電装・制御組込みの自己完結モジュール化は小規模な陸上設備で機能試験まで実施できるので頗る有益であるが、大口径の海水系補機ユニットでは特記すべき水理機能はなく、温度調整機構は多くの建造例で機能確立されており、機関制御室に設置の主配電盤から集合始動盤を経て短距離配線の動力線(常用・予備2回線)と機側操作器(6芯制御線)程度の簡単な電装のため、工場試験は仮設始動器でポンプを運転し弁類操作と漏水・水圧試験程度であり、補機ユニットの設置スペース上頗る困難な大寸の電装組込は再検討を要する。
[船内LAN] 操舵室での遠隔操作・監視に、現行の多芯制御線に代わり研究・開発が進められている船内LANは上記の始動盤や制御機構に接続される。
上述の背景技術における諸条件及び諸問題に鑑み、本発明においては、最も有効な手段で以って簡潔且つ有利な構成でビルジ・バラスト管装置の省コスト・省スペースを具現し、機関室内空間の有効利用及び機関室の短縮により載荷船倉の拡張に供し、船舶運航における補機動力の省エネルギ(以下、省エネと記す)とともに、運航人件費節減のため4年毎の法定定期検査以外は該装置の長期間無開放稼働・保守による船内作業の省力化を期する。
[ポンプユニット構成] 本発明のビルジ・バラスト管装置において、バラスト系は両舷に各1台の同容量ポンプを配し関係弁類・諸管を以て各一体のユニットを構成し且つ両ユニットの注排水管を連絡弁で結び、計2台運転の両舷同時注排水流量(m^3/h)が荷役容量(t/h)に見合うポンプ容量を持たせ、ビルジ系は同容量2台のポンプを配して消防を付加した船舶安全上の重要補機として二重化し、関係弁類・諸管を以って全一体にユニット構成し且つエダクタ(Eductor)1台を組込み自吸補助(Priming)及び残水吸取り(Stripping)に供する。
[舷外取水系] 上記のビルジ・バラスト管装置の他、機関冷却装置及び空調・冷蔵・冷凍などの雑用給水装置を含む全海水ポンプについて、別件発明(特願2009‐89751)のように、従来の個別ストレーナを両舷各1台集約してそれぞれ海水箱(Sea Chest略してSC)に設置の取水元弁直後に配し、該集約ストレーナに海水系での最大容量のバラスト系ポンプの吸引管をそれぞれ個別接続且つ該吸引管から分岐してそれぞれ取水支弁を経た連絡管をビルジ系ポンプ、機関冷却装置の冷却海水ポンプ及び雑用給水装置の海水サービスポンプの共通吸引管とする。
但し従来の液槽船(Tanker)のように、バラスト系ポンプをスロッピングポンプ(Slopping Pump)や洗浄水ポンプ(Cleaning Water Pump)と共にポンプ室に配し荷役補機として連携系統を持ち且つ別の海水箱から取水の場合は、該別件発明のように、上記のビルジ系の左・右舷ポンプの吸引管をそれぞれ集約ストレーナに接続するが、本発明においては、バラスト水規制に鑑みバラスト系ポンプは、荷役対象の荷油(Cargo Oil)や化学荷液(Cargo Chemical)とは別系統としてビルジ系ポンプと同様に海水のみを扱い、固形物運搬の貨物船やバラ積み船と同様に機関部補機として扱い運送用船舶全般の機関室の標準化を期する。
海水箱及び集約ストレーナに圧縮空気管・弁を配し、左・右舷何れか一方のバラスト系ポンプを運転して漉し水を、後述のバラスト系注排水弁群の操作により、他方(ポンプ休止側)の海水箱及び集約ストレーナに逆流水を与え、圧縮空気による攪拌と相俟って海水箱及び集約ストレーナの逆流洗浄(以下、逆洗と呼ぶ)を、少なくとも上述の機関冷却系及び雑用海水供給系の連続運転継続のままで、随時実施可能とする。
[バラスト管方式] 中・小型船では二重底上の両舷の各ポンプユニットの注排水管とするバラスト分岐主管(Manifold)より分岐支弁を経てバラストタンク毎にバラスト支管で注排水する「マニフォルド方式」(Manifold System)を、大型船では両舷のポンプユニットの注排水管とするバラスト主管を二重底内に縦通配管し各バラストタンクで分岐し分岐支弁を経て注排水する「リングメイン方式」(Ring-Main System)を標準とする。
リングメイン方式ではタンク毎の支弁はバルブスピンドル(Valve Spindle)による甲板上操作或いは油圧又は電動アクチュエータ(Hydraulic or Electric Actuator)による遠隔操作とし、機関室隣接の最後尾タンク(例えば5号タンク)の支弁はポンプユニットに配して機関室内操作を可能とする。
[注排水弁構成] 両方式とも、4個の弁(吸引側V1、V2、吐出側V3、V4)を以てブリッジ回路状の注排水切替弁群を構成し、V1は上述の集約ストレーナからの個別吸引管にV2、V3は注排水のバラスト分岐主管又はバラスト主管に、V4は舷外排水管にそれぞれ接続し、V1・V3開でポンプ注水、V2・V4開でポンプ排水、V1・V2開で自流注水、V3・V4開で自流排水、両舷のバラスト分岐主管またはバラスト主管を連絡弁V6で結び且つ左・右舷の該主管にビルジ系ポンプユニットの船首タンク注排水及び両舷の該主管にバラスト残水吸取り弁(Striping Valve)V7を配する。
なお、ポンプ吐出口に絞り弁V5を配しポンプ排水終期の流量絞りに使用するが、中・小型船では弁V4を流量絞りに兼用してもよい。
上記のバラスト注排水において、ポンプ注水・自流注水共に各舷側の集約ストレーナで漉し且つ逆止弁V4で舷外からの逆流を阻止し、海水浮遊異物(藻類・魚介類・塵芥)の侵入を防止して全バラスト系のタンク及び管を常に清浄に保ち、ポンプ排水・自流排水共に該タンクの清浄水を直接舷外排水する。
[ビルジ系] ビルジ系は、従来と同様に消防及び甲板・揚錨洗浄用の高圧給水機能を付加し、ポンプ吸引側に機関室二重底の前部左・右舷のビルジ溜めにそれぞれ直接且つ独立のビルジ吸引管(以下、直接ビルジ管と呼ぶ)を、該ビルジ溜め及び機関室後部のビルジ溜め、ビルジ処理用ビルジタンク及び二重底空所に共通のビルジ吸引管(以下共通ビルジ管と呼ぶ)を、各船倉のビルジ溜め{以下、船倉ビルジ(Hold Bilge)と呼ぶ}に主ビルジ管をそれぞれ配し計4系統の吸引用としてそれぞれ逆止弁を配し、各々端末には上記のストレーナと同等な目開き(漉し穴径)の漉し板を持つ泥箱(Mud Box)及び多孔板(Rose Plate、船倉ビルジ溜めの落水口に装着)を配し、船内発生異物の吸引・舷外排出を防止しており、ポンプ吐出側には消防給水・舷外排水共にそれぞれ逆止弁を配し隣接ポンプへの逆流及び舷外からの逆流を阻止し、上述の集約ストレーナと相俟ってバラスト系を含む船内タンク及び注排水管を常に清浄に保つ。
両ポンプ吸引側・吐出側にそれぞれ弁V2・V3をH字型に配して上述のバラスト系ポンプと同様な注排水切替弁群(弁V2、V3と吸引弁V1、舷外排出逆止弁V4)を成し、該弁間(V2〜V3)を両ポンプに共通の注排水管として船尾タンク(Aft-peak Tank、略してAPT)及び上述の弁V7を介してバラスト系に接続して船首タンク(Fore-peak Tank、略してFPT)の注排水及び各バラストタンクの残水吸出し(Stripping)に供する。
上記の共通注排水管を逆止弁を介してエダクタの吸引口に接続且つポンプ吐出側に逆止弁を配して高圧駆動水を取り、該エダクタの吸引負圧により全ビルジ・バラスト系のポンプ自吸補助(Priming)及び残水吸出し(Stripping)を行い、ポンプ停止後は両者の逆止弁が舷外からの逆流を阻止する。
ビルジ系のポンプは満載・空荷は勿論、空荷空槽においても常に喫水線下にあり、該ポンプ始動次第直ちに高圧駆動水を得て該エダクタが自吸作動してビルジ・バラスト管装置の全系統に作用し、従来技術のポンプ毎に付加した自吸補助機構を代行する。
なお、空槽時の船体保守などの負トリムで機関室喫水が二重底以下になる場合を考え、ポンプの無水空転(Dry Running)を避けるため、該エダクタの駆動水管に逆止弁付圧縮空気口を付加し、エジェクタ(Ejector)作動による自吸補助を可能とする。
[ユニット配置] バラスト系ポンプユニットは機関室前部中央の補機(4)区画に、ビルジ系ポンプユニットはその左舷側の補機(5)区画に配置を標準とし(冷却海水・清水供給ユニットは右舷側最前部の補機(1)区画に配置)、ポンプ芯高は満載・空荷及び空荷空槽においても常に喫水線下で且つ船底水まで全力吸水できるよう低く採る。
雑用海水供給用の海水サービスポンプは高所給水(船橋空調・冷蔵・冷凍)の高揚程・小容量に鑑みビルジ系ポンプによるバックアップとビルジ処理(油水分離)ユニット{補機(7)区画に設置}への給水を考え左舷側に配置する{例えば燃料油移送ポンプユニットと共に補機(6)区画などに配置が望ましい}。
[ユニット姿] 各々ポンプは別件発明(特願2009−89752)の電動機一体型横軸渦巻ポンプを使用して吸引側弁類・諸管と共に通路床下に配し、吐出側弁類・諸管は通路床上に配してポンプ吸引側を操作正面として全弁類を集中配置し、背面は機関室前壁や特設桁(Web Frame)などに密接設置を可能とする。
[バラスト系] バラスト系ポンプユニットは、バラスト主管の水平部またはバラスト分岐主管に並行にポンプを配し、両ポンプの吸引側を操作正面として対向させ注排水バルブ群(V1〜V5)、連絡弁V6及び船首タンク注排水・バラスト吸取り弁V7を全て該操作正面の通路床上で操作可能に集中配置し且つ吸引側のT分岐ピースの取外しによりポンプ吸引側開放・軸封シール(メカニカルシール)取替えの作業スペースを可能とする。
[リングメイン方式] ポンプ吐出管を弁V3を経て二重底内に下りるバラスト主管に繋ぎ、そのポンプ吸引側のT分岐管及び弁V2を経た該主管の水平部から上記操作正面にハンドルを持つ分岐支弁を経て最後尾タンク(例えば5号タンク)のベルマウスに下りる分岐支管を配し、ポンプユニットと該バラスト主管及び該分岐支管の二重底立上りの2ヵ所で連結し、管貫通部は管外径の2倍径の同厚ダブリング(Doubling)で補強を施す。
二重底下で全バラストタンクに亘る長尺のバラスト主管の最後部にU字形低部を採り、排水終期において該U字形低部で端末ベルマウスの吸い込み空気を遮断し該主管内残水(水平部)の排出を容易にする(例えばサイズ250A*長さ100mでは管内残水は両舷合計10トンに達する可能性に注目)。
最後尾タンク以外の端末ベルマウス直上は逆U字形高部にして分岐支弁を配し、排水終期の空気吸込みで該支弁閉鎖までの間にバラスト主管内残水のタンク内逆落水を防ぐ(バラスト排水終期すなわち荷積終期には満載喫水としてトリムゼロに近くなることに注目)。
分岐支弁は、液槽船では二重底内高水頭水没使用となるが、貨物船では船倉ビルジ溜め(Hold Bilge Well)に係る空所に設置が望ましく、バラ積み船のようにホッパ形船倉の隔壁空間の二重底上設置が上記の逆U字形高部を含めて最も好都合であり、スピンドルによる甲板上操作、油圧アクチュエータ(非水没では電動アクチュエータ)による遠隔操作の何れにも適用可能とする。
船倉下の二重底内に燃料油タンク(Fuel Oil Tank:別名Bottom Bunker)を持つ場合は、大径のバラスト主管の左・右舷連絡管を延長して連絡弁V6と共に二重底内に設置し、燃料油移送ポンプユニット(C重油及びA重油用歯車ポンプ各1台計2台で構成)を機関室前部の補機(4)区画の中央に加熱用熱媒油又は蒸気弁群(前壁に設置)と共に配置可能とする。
なお、連絡弁V6は、片方(例えば右舷側)のポンプユニットの二重底上のバラスト主管に配し、エルボーで二重底内連絡管に導けば該エルボー共に、上記の二重底内設置と同様のスペースで済む。
なお、上記の補機(4)区画中央のスペースは、前述の国際的バラスト水規制において近い将来要求される滅菌装置の設置スペースとして利用可能とする。
[マニフォルド方式] ポンプユニットに配したバラスト分岐主管(Manifold)より下側に分岐して二重底上の立上り管に分岐支弁と機関室前壁側にハンドル軸を配し通路床上で操作可能に構成する。
バラスト分岐支管はそのフランジ外径Dfが縦骨間隔(Longitudinal Stiffener Space、略してLSと記す)からフランジ縁間隙間を減じて半分(すなわちDf[mm]=(LS−60)/2)を限度サイズ(例えばLS=700mmではDf=320mmすなわち管サイズは200A)とし、バラストタンク数が3Sectionでは1LS毎に1分岐支管を、5Sectionでは1LS毎に2分岐支管を配する。
1LS毎に2支管の場合は二重底内で該2支管を上下に且つ補強材間中央に導き、二重底内横桁の管貫通穴幅を1穴分に低減して該横桁ウェブ強度を保持し、最後尾タンク端末ベルマウスに続き次タンクの管路を取り、更に次のタンクでは全管1段配置が可能とする(具体的には後述の実施例3を参照)。
なお、例えばバラ積み船のホッパー形船倉など船体構造により二重底上板が少なくとも1FS分広い場合は、バラスト分岐支管はエルボーを使用しその水平部に分岐支弁を配してもよい。
バラスト管貫通箇所は管外径Doの2倍幅の船体補強として、板厚tの二重底上板の2分岐支管貫通箇所はt*LS/(LS−2*Do)の厚板(例えばt=10mm、LS=700、管200Aでは26mm)に替え、貫通管との溶接は該厚板の溶接縮みを含んで管芯寸法を管理し、狭隘な二重底内の管溶接作業を避けるため上述の注排水切替弁群の縦管と共にバラスト分岐主管を仮組状態で先行溶接した上で、二重底内ウェブ上に載せ上板との全周つき合せ溶接(裏当て付)及び該ウェブとの隅肉溶接とする一連の施工順序を採る。
分岐支管毎に上述と同様に端末部に逆U字形高所を、最後部或いは最後部近傍にU字形低所を配し、排水終期のタンク内逆落水及び管内残水を低減する。
[ユニット支台] リングメイン・マニフォルド両方式とも大径の主管又は分岐主管及びポンプ支台間に構造連結の中径のバラスト残水吸取り管(Stripping Pipe)の構造強度を利用し、ポンプ上部の管に吊環を配し適当な吊ビーム(Lifting Beam)により工場横持ち・船内吊り込みに安定姿勢を採り且つ吊り込み後は二重底上にポンプ支台と管支材の溶接で据付ける。
[ビルジ系] 電動機一体型横軸ポンプを通路床下に2台平行且つ船軸方向に配し、ポンプ吸引側の弁類・諸管を通路床下に、吐出側の弁類・諸管を通路床上にそれぞれ配し、吸引側を操作正面とし全ての弁類を通路床上で操作可能に集中配置しポンプユニットを構成する。
ポンプ吸引側の弁類は、操作ハンドルが通路床上に出るので、主機関周りの主通路からの枝通路に鑑み、ハンドルカバーを施す。
両ポンプの間にエダクタ1台を配し、注排水・残水吸取系及び駆動水系にそれぞれ逆止弁を介して接続しビルジ・バラスト管装置のポンプの自吸補助(Priming)及び残水吸取り(Stripping)に供し、ビルジ系ポンプユニットの標準構成とする。
[支台] ポンプ2台の支台(鋼管短柱・台板)を構造連結した貫通鋼管の両端に吊環を、吸引・吐出諸管部中央に補助吊環をそれぞれ配し、中径管・弁ブロックの構造強度を利用して適当な吊ビームで工場横持ち及び船内吊り込みに供し、二重底上板に据付後直ちに関連配管連結の上該ポンプ支台及びUボルト締めの管支材の溶接で据付ける。
[配管ユニット] ビルジ系・バラスト系及び別件発明の機関冷却系の各々ポンプユニット間及び機関室内端末機器への全配管をユニット化して各ポンプユニットと陸上で仮組し、主要寸法及び管連結部を確認の上で各ユニット毎に同時吊り込みし、船内で位置決め・連結次第、上記のポンプ支台及び管支材を溶接固定する。
[計器板] ビルジ・バラスト系の各ポンプの吐出立上り管にポンプ標準付属品の吸引連成計及び吐出圧力計を装着する。
[電装ユニット] 近傍の水平縦通桁上に始動電磁箱を配して機関制御室の主配電盤より2回線受電し、ビルジ・バラスト管装置の各ポンプ毎に分岐して回路遮断器、電流計、電磁開閉器(過負荷リレー付)を経て各ポンプの電動機に動力配線し、正面に回路遮断器取手、電流計、表示灯(電源、運転中)を配する(燃料油移送ユニットは異系統として主配電盤より別に2回線受電する)。
制御回路は栓型ヒューズで保護し、電磁開閉器コイル回路はAC440V直接、機側操作回路は小型変圧整流器でDC24Vとして表示灯回路に供用且つ補助リレーの突入電流による電圧降下を避ける{将来、LEDなど高電圧(DC100Vなど)の電子表示灯に代われば、操作回路の接点接触の信頼性が向上する}。
機側操作器は各々ポンプ毎に吐出側の管に台板をUボルト付して装着し、始動・停止ボタンスイッチ及び電源(白)、運転中(緑、始動ボタンに内臓)を配する。
バラスト系ポンプは大口径で電動機容量が大きく減電圧始動が必要の場合は、電動機のポンプ定格軸動力に対する余裕と最大トルク特性から始動補償器の減電圧タップを選定するが、下記のように、吐出弁V5閉での始動は電動機自身のルート3分の1の減電圧機能を利用したスター・デルタ(Y−Δ)始動方式で充分であり、大寸の始動補償器を廃し始動電磁箱を小型化する。
ポンプ羽根車が全没且つ吐出弁閉或いは深絞りではポンプ軸動力は定格の60%程度であり、一般に電動機の最大トルクは定格電圧で250%以上Y結線始動でも250/3=83%以上あり回転数の2乗に比例のポンプ軸トルクを充分超え最大トルク点以上まで加速しΔ結線切替の突入電流を抑制して円滑・確実に始動可能である{機関室内電路は短く、発電機の負荷突入時の電圧降下は励磁器のPID制御で瞬時(0.5秒程度)に定格電圧450Vに復帰(Recovery)するので、電動機は定格電圧でのトルク特性を発揮すると考えてよい}。
近隣補機区画{補機(6)、(7)}に設置の小型の海水サービスポンプ、油水分離機用ビルジポンプ及びスラッジポンプは該始動電磁箱内の分岐回路遮断器を経てそれぞれ補機に装着(以下、機付と記す)の始動盤に電源配線する。
[電装・計装工事] 各ポンプユニットの工場製作・組立において、計装(連成計、圧力計)の組付け・配管は勿論、機側操作器の組付け、動力・制御線のユニット内配線・結線を施工し、始動電磁箱側の必要長を船体上の電路設計に合わせて線取りして巻姿で電路支材とともに該ユニットに仮留めし、始動電磁箱と同時に船内吊り込み・据付後直ちに支材取付及び配線に着手、上部構ブロック施工中に結線及び絶縁・作動試験まで先行施工し、機関制御室や主配電盤据付時に電源2回線を施工し、建造工程を短縮し且つ建造終期の計装・電装工事の集中・混雑を避ける。
或は、上記の電線端末を始動電磁箱内端子板配置に合わせ線端処理して保護包装し、各ユニットの船内吊り込み・据付後直ちに配線・結線及び作動試験まで施工し、余長は始動電磁箱下の空所に収めて固縛し、船内現場工事量を更に低減する。
[運転・操作] ポンプ注水においてはビルジ・バラスト系共に各々ポンプの吸引側は常に喫水線下にあり吸引弁を開いて直ちにポンプ始動可能であり、ポンプ排水においては、各タンクの水位がポンプ芯より高く羽根車全没状態にあれば直ちにポンプ始動可能である{ポンプの軸封シールは水密性能・寿命保持のため湿潤状態での始動・運転(Wet Running)に限定、無水・乾燥状態での空転(Dry Running)は避ける}。
各バラストタンクからポンプ排水中にポンプ芯以下(例えば二重底レベル)のタンク水位で停電や非常停止などでポンプ停止した後の電源復帰や点検などの時間中にポンプ内落水後は、ビルジ系ポンプの吸引弁V1を開いて羽根車を全没した後、該ポンプを始動しエダクタ駆動水用及び吸引用逆止弁を順次に開きエダクタを作動させ、その吸引負圧で自吸補助(Priming)しバラスト系ポンプの羽根車を速やかに全没し軸封湿潤状態で始動する(注排水管及び左・右舷連絡管の上部に吸取り吸引弁V7を配し管内全体に負圧充水する。)
上記の操作は、エダクタ駆動の隣のポンプによる船首・尾タンクからのビルジ系ポンプ排水でも同様であり、エダクタ駆動側のポンプ自身では、注排水切替弁群の弁V2開−弁V1閉−吐出逆止弁V4開−エダクタ吸引逆止弁・駆動水逆止弁閉を順次に操作して、エダクタ自吸からポンプ排水に切替える。
各々ビルジ吸引端末では、逆止弁でビルジ管からの逆流なく、泥箱(Mud Box)や多孔板(Rose Plate)で異物を阻止し漉し水を舷外排水する。
各バラストタンクの両舷同時排水では、タンクセクション毎{1号(P&S)、2号(P&S)、・・・}にその終期においてバラストポンプ片舷吐出弁V5閉、続いて他舷ポンプ吐出弁V5絞りで端末ベルマウスに集水のタンク底水位勾配を減じて空気吸込み前のタンク底残水量を局限し、上述のエダクタ吸引の自吸補助のビルジ系のポンプ排水及びエダクタ吸取り時間を短縮する。
バラスト排水終期の両舷タンク水位の不同が大きい場合は、水位低下が早い方のポンプの吐出弁V5を閉じ、或は、連絡弁V6を閉じて左・右舷舷単独排水し、排水終期に各吐出弁V5を個別に絞る。
なお、ポンプ注排水中にポンプの吸引側の弁閉鎖はポンプ内にキャビテーション(Cavitation)を発生し、特にリングメイン方式では主管路が長いため管内水の慣性が大きく、ポンプ排水中のタンク端末での分岐弁切替は、排水終期の空気吸込み及び前タンクの弁閉による気水混合や負圧キャビテーションによる半空転状態に、次タンクからの満水頭が突入する過度状態において有害な水撃(Water Hammer)の可能性があるので、先ずポンプ吐出側の弁V5(又はV4)を閉じて行うよう注意し、ポンプ注水中はタンク端末で分岐支弁切替し、ポンプ側の弁絞り・閉鎖はバラスト管内水の慣性による負圧が発生するので、マニフォルド方式では緩やかに分岐支弁切替操作するよう注意する(弁開閉速度と管内水の圧力変化は予め計算確認)。
[バラスト管端末] タンク側の端末のベルマウスは残水を局限するため船底に隙間20〜30mmを採って設置されるが、排水終期において船底水位勾配と共に、大口径管ではかなりの残水位で渦が発生し空気吸込み・吸引力低下で上記の気水交互・混合吸引を来すので、その異常現象を緩和するため各ベルマウス内に制渦板を設ける。
[バラスト水滅菌循環] 前述のビルジ系注排水管のバラスト管残水吸取管(Stripping)に切替弁と共に滅菌水発生機を挿入しビルジ系ポンプユニットの吐出側に循環主弁を配して滅菌水管を各バラストタンクの上部に導き、上述のバラスト管を戻り管にしてタンク毎に滅菌水を注入・循環し、その戻り管となる弁V7と該滅菌装置の間にセンサーを配して滅菌液の一巡検知と濃度管理を行う。
機関冷却装置の冷却海水ポンプの予備機に切替弁を追加し上記のビルジ系ポンプに並列に配して該予備機を循環に使用し、該ビルジ系ポンプでバックアップする(ビルジ系ポンプは消防用高圧仕様のため、滅菌循環の低圧連続運転では低効率になることに注目)。
滅菌水管はバラスト管方式に合わせ、メインライン方式で循環主管をバラストタンク上部に縦通しバラスト系と同様に上甲板操作又は遠隔操作の各分岐支弁を経て各端末管を配し、マニフォルド方式では機関室内に分岐支弁を配して循環支管を各タンクに配する。
各バラストタンクは、二重底縦桁の前部・後部のみに軽め穴を施し、舷側タンクと共に交互反転の主流路を成し、該縦桁と縦骨に施した通気孔AHと通水穴WHで二重底上・底面の滞留なく、確実な滅菌水循環を可能とし、全タンクについて数日間で循環完了する(なお、塩素酸などの化学方式では時間経過で滅菌水が全域拡散し全水滅菌可能)。
各バラストタンクのポンピングスルー(Pumping Through)による換水用として舷側タンク(Wing Tank)或いは頂部舷側タンク(Topside Tank)の頂部の上甲板上に排水弁を配し、バラスト系ポンプ注水で上記の滅菌水循環流路を逆方向に利用して局部滞留なく旧水を排出する。
以上に記載の本発明のビルジ・バラスト管装置は、以下に述べるように頗る大きな効果を齎す。
[自吸機能集約] 自吸機構をエダクタ1台に集約することにより、従来のビルジ系ポンプ2台に個別装着の自吸機構は不要になり且つ大きな自吸容量で各ポンプの自吸補助時間(Priming Time)を短縮し、特に管路の内容積が大きいバラスト管(停電などでポンプ停止・落水後の船底タンク排水では自吸補助が必要)では短縮効果著しく、残水吸取りにおける空気吸込みや気水混合の水理的異常(特にバラストタンク底ではベルマウスに至る船底流水勾配のため空気・水の吸込みを繰返す)をエダクタに集約しポンプでの発生頻度を著しく低減する。
ビルジ吸引は全てエダクタ自吸とし、各ビルジ溜めの残・落水は中型船で1トン程度、大型船でも3トン以下であり、エダクタの吸引水量は駆動水量の半量で排水効率は低いが小型器(70m^3/h)でも数分程度で済みビルジ溜めを順次切替えて連続排出可能であり、その間連続供給の駆動水でポンプは連続運転するので、負圧吸引や気水混合吸引を繰返すポンプ直接吸取りより頗る安定である。
従来のポンプに装着の自吸補助機構では自吸水が羽根車に達するまでは該ポンプは空転するが、本発明のビルジ系では喫水線下で充水の湿潤状態で始動(Wet Start)しエダクタ(自吸且つ残水吸取りまで作動)に駆動水を与え且つ自身の軸封水を継続し、ポンプの軸封シールが受ける上記の水理的異常でのショックの頻度も頗る低く長期の軸封性能保持・延伸に頗る好都合である。
[運転債務と軸封シール保守] ポンプ軸封のメカニカルシールは長期間無調整使用可能で、本発明のビルジ・バラスト管装置では各ポンプは常に湿潤状態で運転し、バラスト系ポンプは、寄港荷役中のバラスト注排水及び航海途中のバラスト水入替えの運転時間総計が自流注排水と相俟って、機関冷却装置の冷却海水ポンプの運航中連続無休運転に比べ一桁低い軽債務であり、ビルジ系ポンプは間欠運転で総運転時間はバラスト系ポンプより更に短く且つ空気吸込みを伴う残水吸取りはエダクタが代わり頗る低債務のため、4年毎の定期検査以外では軸封シールは無開放使用でき且つ万一シール不調が発生しても必ずしも隣接ポンプ運転中に実施する必要はなく、上述の舷外取水系の取水元弁を閉じて(他舷の取水元弁開で冷却海水ポンプや海水サービスポンプは無休運転継続)該ユニットの最寄りのエルボーフランジを緩め周囲配管拘束を解き容易に該T分岐ピースを取外して該ポンプの吸引側の開放スペースが採れる(或いは、該吸引管の一部を可撓管にすれば周囲配管拘束なく、該T分岐ピース取外しは更に容易になる)。
[軸封シール取替え] ポンプ吸引側のバタフライ弁V1を閉鎖して吸引管のドレンプラグ(Drain Plug)で水落としの上エルボーフランジのボルト抜き(バタフライ弁V1本体は半数タップボルトで取水管側に固定)、吸引側全逆止弁(無水)と共に該吸引管を周囲配管拘束なく取外し、ポンプ吸引口の開放スペースを広く取り、該ポンプのケーシングカバー及び羽根車(テーパ−軸)を手工具で順次取外し、軸封シールの取替えの上再組立、該吸引管の再装着の一連の作業が容易になる。
[ユニット支台] 大径のバラスト分岐主管や連絡管は中央にバタフライ弁のフランジ継手あるもポンプ支台間に構造連結のバラスト残水吸取り管(Stripping Pipe)と相俟って構造強度が大きく、ビルジ系においてもポンプ2台分の弁類が集中配置によりユニット全体の構造強度が大きいので、適当な吊ビーム(Lifting Beam)により工場横持ち・船内吊り込みに充分安全であり、且つ据付は二重底上にポンプ支台と予め配管の必要個所に配したUボルト締めの管支材の溶接のみで済むので、燃料油移送・供給系のモジュール化に見られる全寸台板や囲枠は不要であり、該ユニット下に塗装補修(Touch-up)や清掃・保守に充分な間隙(Clearance)を採れるので好都合である。
大径のバラスト主管の左・右舷連絡管を延長し連絡弁V6と共に二重底内に設置すれば二重底上の大径管がなくなり、燃料油移送ポンプユニット(C重油及びA重油用歯車ポンプ各1台計2台で構成)を機関室前部の補機(4)区画の中央に加熱用熱媒油又は蒸気弁群(前壁に設置)と共に配置でき、船底燃料油タンク(Bottom Bunker)に対応可能である。
なお、上記の補機(4)区画中央のスペースは、前述の国際的バラスト水規制において近い将来要求される滅菌薬液発生機の設置スペースとしても利用可能且つバラスト系ポンプユニットとの連結において好都合である。
[舷外取水系] 両舷の取水元弁直後に集約ストレーナを配し機関部最大容量のバラスト系は左・右舷別に該ストレーナを通じて自流・ポンプ注水してバラストタンクを清浄に保ち、該ストレーナの出口分岐管に取水支弁を介して配した連絡管を共用の吸引管とした上記の機関冷却系及び雑用海水系の連続無休運転のままで海水箱(Sea Chest)と共に該ストレーナの逆洗や開放洗浄及び上記のポンプ開放に伴う片舷毎の取水元弁閉鎖を可能にする。
海水箱には海洋生物付着防止装置(Marine Grow Protection System)の電解電極と共に集約ストレーナと同様に圧縮空気噴出管を配し、上記の逆洗を補助して清浄に保持する。
集約ストレーナ及び海水箱の逆洗はポンプ及び弁操作で随時実施可能であり、荷役港を出港後できるだけ速やかに{吸引異物が新鮮(Fresh)な間に}近隣海域で、更に航路途中のバラスト水入替え指定海域で実施して常に清浄に保ち、次の荷役港に該異物を持ち行かないのが無開放洗浄による運航省力化は勿論、バラスト水清浄化と共に海洋生態系及び海洋環境保護に好都合である。
ビルジ系ポンプは機関冷却系海水ポンプと同様に上記の連絡管を吸引管として両舷の集約ストレーナの何れも利用可能、且つ該ユニットの各端末の方向が外部配管と整合し両舷の各ポンプユニットと配管が簡潔になり、特に主機関前の通路床下は整然配列の配管となる。
別件発明「機関冷却装置」では、集約ストレーナの逆洗はビルジ・バラスト両系統に共通のポンプユニットの注排水機能を利用するものとしたが、本発明においてはビルジ系とバラスト系に分離し、ポンプ容量が大きいバラスト系ポンプを左・右舷個別に接続して更に有効な該ストレーナ・海水箱の逆洗機能を与え、ビルジ系はポンプ2台とも機関冷却系海水ポンプと同様に該連絡管から吸引する取水系統にしたので、該ポンプ2台とも同様且つ独立稼働が可能である。
各ポンプユニットの舷外排水系にはエダクタの駆動・吸引系も含み全て逆止弁を持つので、弁誤操作やポンプ停電停止あっても舷外からの逆流を阻止し、集約ストレーナによる舷外水の浮遊異物の侵入防止と相俟って船内タンクを常に清浄に保ち、船内ビルジ溜めや二重底空所からの落水・残水吸取りには全て泥箱を通しその漉し水を舷外排出し海洋環境保護に資する。
ビルジ・バラスト管装置に使用の渦巻ポンプは羽根車の送水圧力発生機構に、ピストンポンプや歯車ポンプの如き摺動部を持たないため、ストレーナや泥箱などの漉し穴を通過する程度の異物による摩耗なく、船内タンクは集約ストレーナにより自流・ポンプ注水とも漉し水で清浄を保っており、注排水端末のベルマウスは小さい隙間(20〜30mm)で設置され且つその周りの小さい底部通水口を持つ縦骨や横桁があり、タンク底に万一誤って残された異物も阻止され、羽根車などポンプ内部を損傷させる機会は皆無と考えてよく、従来の各ポンプに配した個別ストレーナは不要になり、各ポンプユニットの占有スペースを著しく節減する(個別ストレーナは従来使用の縦型ポンプに次いで面間寸法が大きく、バラスト系では肋骨間隔や縦骨間隔とほぼ同等であることに注目)。
[ユニット前の通路床] バラストポンプ系ユニットを配した主機関前の補機(4)区画では該ポンプユニット前の1FS幅の通路床上の突出物は皆無で主機関周りの主通路として頗る好都合であり、ビルジ系ポンプユニットを配した左舷側の補機(5)区画では船首側2FS分を占める通路床上弁ブロックと船尾側の海水箱及び取水元弁との間の1FS分の通路床上には該ポンプの吸引弁ハンドル(保護カバー付き)が少し(約150mm)出るが、主機関周りの該主通路からの枝通路として充分であり{右舷側の補機(1)区画に配した機関冷却系ポンプユニットも同様)、なお、共通ビルジ及び船倉ビルジの吸引弁(逆止弁)の集約により通路床上の無突出幅を拡大できる。
なお、例えばバラ積み船のホッパー形船倉など船体構造により二重底上板が少なくとも1FS分広い場合は、バラスト分岐管はエルボーを使用しその水平部に分岐支弁を配することができ、施工・操作・保守容易且つ不調弁の取替えは周囲配管拘束なく容易になり且つポンプユニット前の通路床がより広く採れる。
[バラスト配管] マニフォルド方式バラスト管の二重底内配管において、バラスト排水終期にベルマウスから空気吸込みで該バラスト管内上部に空気が入って先回りし管内水の逆流するのを端末の逆U型高所で防ぎ、最後部のU字形低所で管内上部の空気を遮断して管内残水を吸出し、タンク底及び管内の残水を低減する。
リングメイン方式バラスト管では、二重底内の各端末の分岐支弁の構造・寸法から上記の逆U字の代わりに傾斜管で高所を採り、最後部の低所で上記と同様に残水を低減し、隔壁内などの空所あれば二重底上に分岐支弁を配し充分な逆U字形高所をとることができる。
なお、上記の二重底上設置の分岐支弁は保守容易且つ電動弁を使用し簡潔な遠隔操作機構が得られる。
[省スペース・省コスト] 前述の図1、図2のように平面・横断面とも逆梯形の二重底TTP上且つ中段甲板MDK下の狭い空間において、水理上の制約から二重底上に設置が必須のビルジ・バラスト管装置の各ポンプは、別件の既発明「特願2009−89752」の電動機と一体型の横軸渦巻ポンプの採用により、ポンプセット長の半減と頗る小さい面間寸法により、吸引・吐出側の弁類・諸管を操作正面のポンプ吸引側で全ての弁操作が可能に集中配置でき(従来の縦型ポンプではポンプ面間寸法の吸引・吐出側に弁配置・操作場所が分割される)、ポンプユニット背面はスペース不要且つ上述のストレーナの集約により各ポンプユニットが更に短縮され、バラストポンプユニットでは二重底内に下りる管・弁を垂直面内に構成し全体として船軸方向に2FS(FS:肋骨間隔)、横方向には中型船のマニフォルド方式の5分岐でも右舷側は3LS(LS:縦骨間隔)、左舷側は3.5LS(船首タンク注排水管含む)、大型船のリングメイン方式ではそれぞれ方向に2FS*3LS(両舷とも)に充分収まり、ビルジ系では2台1組のポンプユニットにエダクタ1台を組込み船軸方向に通路床上は2FS弱、通路床下は1FS)、横方向に3LSに収まり、従来の縦型渦巻ポンプ使用のものに比べ著しく省スペース且つ該ポンプユニットの各々端末方向がユニット間連結配管やビルジ端末配管に整合(Matching)し頗る簡潔で施工容易になる。
ポンプ自体は、上記の別件発明のように、従来の軸受フレーム、軸接手及び共通台板が不要の電動機一体型渦巻ポンプの採用で著しい寸法短縮とコストダウン及び羽根車軸短縮による高速回転安定性向上が得られ、軸封シール(メカニカルシールなど)の改良により電動機の潤滑油封入軸受と同様に半永久的連続使用も不可能ではなく、ポンプも配管要素として管設備構成も可能の日は近い。
上述のポンプユニット姿において、大きな口径に加え吸引・吐出とも弁・管の一か所に集中配置によりポンプ周りの弁・管のみで十分な構造強度が得られ且つポンプ付属計器及び機側操作器は管に装着するため、工場内小運搬や船内吊り込みに支枠や囲枠は不要、据付作業はポンプ支台と配管支材の溶接だけに局限し、建造工程の短縮と建造費低減を具現する。
大寸の始動電磁箱はビルジ・バラスト管装置の電装ユニットとして最寄りの空所(水平縦通桁上)に配し、各ポンプユニット(ユニット内配線・結線は工場施工済み)と共に船内吊り込み据付けし、電装ユニット側の配線・結線を上部構ブロック工事と並行して施工、試験まで完了し完工前の工事集中・混乱を避け、なお、該電装ユニット側の線端処理(圧着端子)まで工場施工済みで船内据付し更に現場工事を低減可能である。
以上の各々ポンプユニット姿により図1に示す後部機関室(Aft Engine)の3〜4FSの補機区画に設置可能になり、特にバラスト系ポンプユニットは2FS、通路1FSの計3FSに収まり、液送船を含む運送用船舶の機関室を最小限の長さで標準化でき且つ船倉部の長さを最大限に採ることができる{機関室の前は、液送船では荷役補機用ポンプ室(両舷に洗浄清水タンク及び燃料油タンク)を挟んで荷液タンク(Cargo Tank)、貨物船やバラ積船では船倉(Hold)に隣接している}。
[滅菌水循環] 荷卸港出港後24時間〜数日間で全バラストタンクの滅菌水の定水量循環における滅菌濃度管理で効率的且つ確実に滅菌でき、滅菌薬液発生機は小容量のもので済み技術的にも実現容易且つ既存ポンプの利用により設備稼働効率を向上でき、タンク内循環流路は既存の船体構造の変更なく軽目穴の位置の指定程度で実現可能且つバラスト水換水にも効果的に利用でき、省コスト・省エネに頗る好都合であり、循環送水管・弁はバラスト管の半サイズ且つ戻り管は既存のバラスト系を利用するので管系統は頗る簡潔である。
「バラスト換水」 国際条約によるバラスト水規制では、航海途中の指定海域での換水はその交換率95%の技術的証明なき限り全タンクの3倍分の水量のポンプ送水(Pump Through)を要求しているが、上記の循環流路形成により例えば1.5巡(1.5倍分水量)で交換率95%が充分達成可能としてポンプの債務半減と省エネ両面に頗る有益である(バラスト系ポンプの全力運転には、その始動電力の関係もあり、通常航海の発電機1台から2台並列運転に増力を要することに注目)。
機関室形状及び構造概要を示す平面図 機関室形状及び構造概要を示す横断面図 バラストタンクの構造概要図で、(a)は平面図、(b)は横断面図、(c)は側断面図。 バラストタンクの横断面概要図で、(a)は液送船・貨物船の例を、(b)はバラ積船の例を示す。 本発明のリングメイン方式バラスト系諸管系統図。 本発明のマニフォルド方式バラスト系諸管系統図。 本発明のビルジ系諸管系統図 本発明のリングメイン方式バラスト系ポンプユニット平面図 本発明のリングメイン方式バラスト系ポンプユニット側断面図 従来のポンプによるバラスト系ポンプユニット姿比較用図 本発明のビルジ系ポンプユニット平面図 本発明のビルジ系ポンプユニット側断面図 本発明のビルジ系ポンプユニット別案平面図 本発明の取水系統及びポンプユニット外部配管の平面図 本発明のリングメイン方式バラスト系ポンプユニットの別案(A)平面図 本発明のリングメイン方式バラスト系ポンプユニットの別案(A)側断面図 本発明のリングメイン方式バラスト系ポンプユニットの別案(B)平面図 本発明のマニフォルド方式バラスト系ポンプユニット平面図 本発明のマニフォルド方式バラスト系ポンプユニット側断面図 本発明のマニフォルド方式バラスト系ポンプユニットの別案平面図 本発明のマニフォルド方式バラスト系ポンプユニットの別案側断面図 本発明のリングメイン方式バラスト配管図で、(a)は平面図、(b)は側断面図、(c)は横断面図 本発明のマニフォルド方式バラスト配管図で、(a)は平面図、(b)は側断面図 バラスト排水終期のタンク水位勾配を示し(a)はタンク底の等水位線図、(b)はタンク底水位横断面図、(c)はタンク底水位側断面図 本発明のビルジ・バラスト管装置のバラスト水滅菌循環系統図 滅菌循環に係るバラストタンク構造図 本発明のビルジ・バラスト管装置に係る電装系統図
[リングメイン方式] 図面を参照し、本発明のビルジ・バラスト管装置の実施例1としてリングメイン方式バラスト系及びビルジ系に係る諸管系統及びユニット姿を説明する(同一機能の要素は共通の符号で示し、左・右舷などの区別の必要に応じp、s、nなどの補助記号を付加して示す)。
[舷外取水系統] 図5において、海水箱1に配した取水元弁2に集約ストレーナ3を配してバラスト系ポンプユニット4の個別吸引管5に接続し、該吸引管5より取水支弁6介して左・右舷の連絡管7を配し、ビルジ系ポンプユニット8、機関冷却水ユニット9及び雑用海水供給ユニット10に供用の舷外取水系統を構成する。
なお、両舷の海水箱1及び集約ストレーナ3には空気弁11、12をそれぞれ配し圧縮空気源13に接続し(後述の集約ストレーナ3及び海水箱1の逆洗機構を参照)、海水箱1に海洋生物付着防止装置(MGPS)の電解電極(図示省略)を配する。
[バラスト管系統] 図5において、ポンプユニット4にはポンプ14の吸引側にT分岐管15を配し、弁V1を介して左・右舷個別吸引管5に、弁V2を介して注排水主管16に接続し、ポンプ14の吐出側にエルボー17、絞り弁V5を経て垂直姿勢のT分岐管18に、更に弁V3を介して注排水主管16に、逆止弁V4を介して舷外排水管19にそれぞれ接続し、弁V1、V2、V3、V4、V5を以てブリッジ回路状の注排水弁群を成す(弁V1は海水箱1からの取水系を介し、舷外海水を弁V4との接続点とするブリッジ回路の2辺を成す)。
なお、絞り弁V5は注排水初期・終期及びタンク切替時のバラスト管の水撃作用(圧力の急変)の緩和及び自流注排水時のポンプ内攪拌回避に供するが、中・小型船の小規模バラスト管では弁V3及び逆止弁V4で兼用し、絞り弁V5を廃止してもよい。
二重底を縦通するバラスト主管16からの各バラストタンクBTn(BT1〜BT5の代表符号)及び船首タンクFPTへの分岐点で各バラスト支管Bn(B1〜B5、BFの代表符号)及び分岐支弁VBn(VB1〜VB5、VFの代表符号)を、船底に下りる各端末管20にベルマウス21をそれぞれ配してバラスト注排水系を成し且つ左・右舷の該バラスト主管16の船首側を連絡弁VB6で連結してポンプユニット間の連絡弁V6と相俟ってリング状主管を成し、最後部のタンクBT5の分岐支弁VB5及びバラスト支管B5はポンプユニット4から直接配管する。
両舷の注排水主管16には連絡弁V6及びビルジ系ポンプユニット8の残水吸取弁V7を配し、上述の全要素と共にバラスト管系統を構成する。
[ビルジ管系統] 図7において、ビルジ系ポンプユニット8の吸引管7(前述の連絡管7と共通)より弁V1を経てポンプ26の吸引側のエルボー付分岐管27に弁V2を、吐出側の分岐管28に弁V3をそれぞれ配し2台のポンプ26に共通の注排水管29に接続してH形切替回路を成し、該分岐管28に逆止弁V4を介して舷外排水管30に接続し、上述のバラスト系ポンプユニット4と同様な注排水切替弁群を構成する(V1、V2、V3、V4を以ってバラスト管系統と同様のブリッジ回路を成す)。
該H形切替回路の共通注排水管29を弁VAを介して船尾タンクAPTに且つ弁V7を介してバラスト主管16又は分岐主管16(後述のマニフォルド方式)に接続する(該主管16から前述の分岐支弁VF及びバラスト支管BFを経て船首タンクFPTに至る)。
ポンプ26の吸引側の分岐管27にはそれぞれ逆止弁V8、V9、V10を配し、弁V8は機関室前部両舷のビルジ溜めBW(P、S)に泥箱31を介して個別に接続の直接ビルジ系32を成し、弁V9は該ビルジ溜めBW(P、S)及び後部ビルジ溜めBW(A)及び二重底内空所Vdに泥箱31及び逆止弁33を介して接続の共通ビルジ系34を成し、弁V10は各船倉のビルジ溜めHBW(Hold Bilge Well)に泥箱31及び逆止弁33を介して共通に接続の船倉ビルジ系35を成し、船内の底部の落水・残水の吸出しに供する。
ポンプ26の吐出側の分岐管28にはそれぞれ逆止弁V11、V12を配し、弁V11は消防管36で船内要部に消火用及び甲板・揚錨洗浄用などの高圧水を供給し、弁V12はエダクタ37に高圧駆動水を供給し、注排水管29に逆止弁V13を介してエダクタ37の吸引口に接続し、上述の全要素と共にビルジ管系統を構成する。
エダクタ37の駆動水管38に逆止弁V14と圧縮空気源13を接続し、喫水が下がりポンプ26で取水吸引・駆動水供給不可能の際にエダクタ37を圧縮空気で駆動し、一方のポンプ26の吐出側分岐管28に弁V15を配し雑用海水供給ユニット(図示外)の吐出側に接続し、それぞれバックアップ系を成す。
なお、通常航海での喫水はポンプ26より上位にあるので、船内の常用圧縮空気源39に固定配管の代わりに、港内の船体保守における負トリム(船尾トリム)の際にホース接続することができる。
[バラスト系ユニット姿] 図8、図9において、ポンプ14の吸引口にT分岐管15、弁V1、V2を配し。吐出口にエルボー17、絞り弁V5を、垂直姿勢のT分岐管18に弁V3、逆止弁V4を竪にそれぞれ配し、弁V1は吸引管5に、弁V2、V3は注排水管のバラスト主管16に、逆止弁V4は舷外排水管19にそれぞれ接続し、弁V1〜V5は注排水弁群としてポンプ14の吸引側を操作正面として集中配置する(横軸ポンプは水平面間寸法が口径に近い短寸に注目)。
バラスト主管16から下向き分岐22に分岐支弁VB5を配し二重底BTK(Bottom Tank)内のバラスト支管B5で最後尾バラストタンクBT5に導きその端末管20のベルマウス21は船底BTMに間隙Gp=20〜30mmを採る。
両舷側のバラスト主管16の間に連絡弁V6を、該主管16の上にそれぞれ弁V7を配してビルジ系ポンプユニット8の注排水管29に接続し上述の全要素と共にバラスト系ポンプユニットを構成する。
吸引管5の弁V1最寄部の曲管(Elbow)部分にフランジ40を配し、ポンプ14の軸封シール取替えに伴う吸引口開放の際に、該フランジを緩めT分岐管15周りの配管拘束を解く。
ポンプユニットの占有スペースは、ユニット操作に各1LS分、操作床FLR上の注排水弁群に1LS分計2LS分を採り、ポンプ14の電動機14Mの上の通路床FLRは突出物が皆無の保守用スペースを成し、2台分全体として横方向に3LS*2台=6LS分、船軸方向に2FS分に収まり頗る省スペースとなる。
[従来との比較] 従来のポンプユニットでは、図10のように、竪型ポンプ14の注排水弁群は、吸引側の弁V1、V2と吐出側の弁V3、V4、V5の設置場所が該ポンプの面間距離Lを挟んで両側に分割されるので、ユニット4自体は船軸CL〜LS3の3LSのスペースをいっぱいに採り、両面操作・保守のため通路床上では4LS分のスペースが必要である(縦型ポンプの面間寸法は肋骨間隔FSや縦骨間隔LSより大きいことに注目)。
これは、ユニット内の弁・管は本発明と同様の立体配置で以って比較であり、従来の個別ストレーナ付きのユニットでは該ストレーナの面間距離L(ほぼ1LS分)が加わった計5LS分と比べ、本発明のポンプユニット4では舷外取水系にストレーナ集約と相俟って上記の省スペース効果が著しい訳である。
[管サイズ] 図9において、ポンプユニット4では、二重底上板TTP貫通管は主管16と支管B5のみで各1LS間に1本のためポンプ口径及び管サイズは後述のマニフォルド方式より1段拡大でき(例えばFS=700mmでは管250A)且つ貫通部の船体補強は同厚材のダブリング(Doubling)で済み且つ二重底内の管周りスペースが採れ溶接作業が容易であり、リングメイン方式としてより大型船に対応可能である。
[ユニット寸法管理] ポンプユニット4は大径管の構造強度から適当な吊ビームを使用し工場横持ちや船内吊り込みが安全且つ主要な寸法精度管理は二重底貫通管2ヵ所、2台分で計4か所のみで頗る容易であり、据付は個別同時吊り込みのビルジ系ポンプユニット8及び図14の外部配管ユニットと接続の上、ポンプ支台の溶接だけで済む。
バラスト主管16及び支管B5の二重底上板TTP(Tank Top)貫通立上り管のフランジ25は、貫通部のダブリング補強44の溶接歪を含めて、その芯・面の寸法をユニット側と共に管理し、ユニット吊り込み据付時の管端再調整を避ける(船体ブロック工程において立上り管芯・フランジ25面を型取りし、その型合わせでポンプユニット4のバラスト主管16の管溶接における寸法管理を推奨)。
[ビルジ系ポンプユニット姿] 図11、図12において、前述の舷外取水のバラスト系吸引管5から分岐の取水支弁6を経た連絡管7より弁V1で取水し、エルボー付分岐管27に装着の弁V2及び逆止弁V8、V9、V10をポンプ26の吸引系として操作床FLR下に配し、操作ハンドルだけが操作床上に出るが、主機関周りの主通路からの枝通路として下記の安全策を講ずる。
操作ハンドルが操作床FLRより低い弁V6は操作床FLRに上げ蓋41を、ポンプ26の吸引側の操作床FLR上に出る弁V1、V8、V9、V10は鎖線図示のようにそれぞれ操作ハンドル径に見合う円筒カバー42を施し、該ポンプ26の前の1FS分且つ操作員の動線において行動の安全と弁の誤作動防止を図る。
ポンプ26の吐出側の弁V3、V4、V11、V12は該ポンプの直上部に、弁13は該ポンプの電動機間に集中配置し且つ吸引側の上記の弁V1、V2、V8、V8、V10と同様にポンプユニット8の吸引側及び直近側面で操作可能とし、エダクタ37を組込む。
この様なユニット構成により背面スペースは不要となるので、該ポンプユニットの操作床上部分は幅3LS分且つ奥行2FS分に余裕を以て収まる。
[別案] 図13において、ポンプ26の吸引側の弁V9(共通ビルジ用)、V10(船倉ビルジ用)を各1個に集約して注排水管29に装着し、ビルジ吸引系を簡潔化し且つポンプ26の吸引側スペースを短縮する(但し、左・右舷の直接ビルジ用の弁V8は個別とする)。
共通ビルジ系34及び船倉ビルジ系35はバラストタンクBTn及び船首・尾FPT、APTの残水吸取り(Stripping)と共に注排水管29を経て気水交互・混合に強いエダクタ37に集約するので、吸引弁V9、V10は各1個に集約して差し支えない。
[外部配管] 図11において、左舷側に船尾タンクAPTの注排水管29、直接ビルジ管32及び共通ビルジ管34、図12において消防主管36、舷外排水管30続いて19、図14において船首タンクFPTの注排水管(バラスト系自給補助・残水吸出しに兼用)29、船倉ビルジ主管35、直接ビルジ管32、共通ビルジ管34を左・右舷方向(Lateral)に配してビルジ系ポンプユニット8の外部配管をなし、該ポンプユニット8の端末方向(横:Lateral方向)に整合(Match)している。
図14において、海水箱1、取水元弁2、集約ストレーナ3、バラスト系吸引管5より取水支弁6を経て左・右舷連絡管7が上記のビルジ系配管に整然と並行している。
[配管ユニット] 上記のポンプユニット外部の配管は、それ自体をユニット化し陸上でバラスト系ポンプユニット4、ビルジ系ポンプユニット8及び機関冷却海水ポンプユニット9(図示外)と仮組してユニット間及び船体との連結部の取合い寸法を確認の上、ユニット毎に個別同時に船内吊り込み、各々ユニットの位置決め、端末との管接続の上で予めUボルト組付けの管支材を船体に溶接する。
[通路床] バラスト系ポンプユニット4と並行の上記配管ユニット上且つ主機関前の通路床FLRは1FSの幅で突出物が皆無の機関室周り主通路とし、ビルジ系ポンプユニット8の吸引側の1FR分の幅の通路床FLR上に低いハンドルカバーが出るが、枝通路として充分である。
[ポンプユニット据付姿] バラスト系ポンプユニット4は図14に示すように二重底立上り管16及びB5のフランジ25(2台分4箇所)及びポンプ支台47(2台分2個所)により支承され、ビルジ系ポンプユニット8はポンプ支台47(2個所)で支承され且つ吸引・吐出側とも外部配管の簡単な管支材で固定されるので、それぞれ運転重量及び主機関振動に対し充分な剛性を持ち安全であり、図9、図12に示すように、ユニット下の空間が大きく各ポンプユニット4、8の下面及び二重底上板TTPの点検・保守も頗る容易であり、燃料油清浄・供給ユニットの如き支枠(Base Frame)や囲枠(Enclosing Frame)が不要な訳である。
[リングメイン方式別案(A)] 図15において、2組のバラスト系ポンプユニット4の間を広げ、図16のように、連絡弁V6及び連絡管43を二重底内に配してバラスト主管16と結び、二重底上板TTP上の大径管をなくして他の補機例えば船底燃料タンク(Bottom Bunker)に係る燃料油移送ポンプユニット或いは、図17のように、バラスト水規制に対応して滅菌薬液発生機59(後述)の設置スペースに利用可能にする。
この場合は、ポンプの吸引側を舷側に向けバラスト主管16を船軸側に配して該連絡管43とバラスト支管B5との干渉を避け且つ左舷側ユニットはビルジ系ポンプユニット8、右舷側は冷却海水ポンプユニット9と弁操作スペースをそれぞれ共用し、中央の他補機設置スペース2LS分を稼ぐ。
[別案(B)] 該連絡弁V6は、図17のように、二重底TTP上の縦骨芯LS2に配して隣の縦骨芯LS1との間(上記の図15の連絡弁V6と同位置)にエルボー24で二重底内に下ろし上記の連絡管43に結べば、上述の他補機スペース(滅菌薬液発生機59など)への影響は軽微且つ弁V6の操作・保守とも容易になるので好都合である。
なお、ポンプ14の支台47を貫通の中口径のビルジ系注排水管29は、該他補機の支台高以下に収まらない場合は迂回させ、上述の外部配管ユニットに含める。
[逆洗機構] 図5において(右舷側:Starboad Sideのs、左舷側:Port Sideのpを補助記号として図示符号に付加)、例えばバラスト系の右舷側ポンプ14sを運転し、右舷側の海水箱1s−取水元弁2s−集約ストレーナ3s−吸引管5s−弁V1s−ポンプ14s−弁V5s−弁V3s−主管16s−連絡弁V6を経た集約ストレーナ3sの漉し水を、左舷側の主管16p−弁V2p−弁V1p−吸引管5pを経て集約ストレーナ3p−取水元弁2p−海水箱1pに逆流方向に与え、集約ストレーナ3p及び海水箱1pに弁12p、弁11pから圧縮空気を噴入して攪拌し、両者3p、1pを逆洗する(右舷側の集約ストレーナ3s及び海水箱1sの逆洗では、付属記号s、pを入替えた符号になり以下同様、なお、後述実施例2のマニフォルド方式においても同様)。
上記の逆洗においても、左舷側の吸引管5pより分岐の取水支弁6pを閉じて逆洗水を阻止し、右舷側の吸引弁5sより分岐の取水支弁6sを開き連絡管7から取水して機関冷却海水ポンプユニット9及び雑用海水供給ユニット10は連続無休運転を継続し、ビルジ系ポンプユニット8は随時運転可能である。
なお、バラスト系ポンプ14pの軸封シール取替えに伴うポンプ吸引口の開放における近傍エルボーフランジ緩めは、上記の取水支弁6pと共に取水元弁2pを閉じて上記の補機ユニット9、10の連続運転のままで実施可能であり、ビルジ系ポンプ26の軸封シール取替えに伴うポンプ吸引口の開放は、該ポンプの吸引弁V1を閉じればエルボー付吸引分岐管27を取外して同様に実施可能である。
[マニフォルド方式] 図面を参照して本発明のビルジ・バラスト管装置の実施例2としてマニフォルド方式バラスト系ポンプユニットに係る諸管系統及びユニット姿を説明する(同一機能の要素は共通の記号で示し、左・右舷などの区別するときはp、s、nなどの補助記号を付加して示す)。
[舷外取水系・ビルジ系] 図6において、舷外取水系及びビルジ系ポンプユニット8は前述の実施例1「リングメイン方式」と全く同様である。
[注排水弁群] 図6において、ポンプ14周りの注排水弁群の弁V1、V2、V3、V4、V5及び注排水用バラスト主管16の連絡弁V6及び自吸補助・残水吸取弁V7は前述の実施例1「リングメイン方式」と同様である
[バラスト支管] 分岐主管16に分岐弁VBn{VB1〜VB5及びVF(左舷のみ)を代表}を配してポンプユニット4を成し、それぞれバラスト支管Bn{B1〜B5及びBFを代表}を二重底内に配してバラストタンクBTn(BT1〜BT5及び船首タンクFPTを代表)に導き、各バラスト支管Bnには端末管20とベルマウス21を配する。
[ユニット姿] 図18、図19において、上記のバラスト分岐主管16及び各タンクBTnへのバラスト支管Bnが二重底上板TTPを貫通し分岐弁VBnの操作ハンドル23を機関室前壁側に配し、ポンプ吸引側を対向配置の左・右舷のポンプユニットの注排水弁群は1か所で、分岐弁VBnは船軸側のVB5、VB4は少し手を伸ばして、舷側のVB3、VB2、VB1、VFはポンプ14の電動機14M側の通路床上操作の他は、前述実施例1のリングメイン方式と同様である。
バラスト分岐主管16及び連絡弁V6はポンプ口径及びバラスト支管Bnより1段大きい管径を使用し且つポンプ吸引・吐出のT分岐管15、18及び主管16との接続に直角流路の丸みを持つJIS規格のT分岐ピースを使用して流水抵抗を低減し、分岐主管16の及びバラスト管系全体の左・右舷対称と相俟って、ポンプ2台運転による両舷同時全量注排水及びポンプ1台による両舷同時半量注水において、左・右舷の流量不平衡を低減する。
二重底上板TTP貫通のバラスト支管Bnは、各舷3タンクでは1LS間に各1本として貫通部の船体補強44は同厚材のダブリング(Doubling)とし、各舷5タンクの場合は最後尾タンクBT5及び船首タンクBTF用分岐管B5、BF以外は1LS間に各2管を配し、該支管Bnの限度サイズはフランジ径Df及びその間隙を考慮し(例えばLS=700mmでは管200A、Df=φ320mm)、二重底上板TTP貫通部の補強板44はT=t*LS/(LS−2*Do)(例えばLS=700mm、TTPの厚さt=10mm、管外径Do=215mmではT=26mm)の厚板を使用する。
施工に際し、該ポンプユニット4の分岐主管16に係る分岐管22などの管溶接まで先行製作し、二重底貫通管Bnの上端フランジ25の上に載せた仮組姿で寸法精度管理して溶接組立の上、二重底構造上に据付け二重底上板TTPと突き合せ水密溶接(裏当て)し、狭隘な二重底内ではウェブとの溶接に留める。
上記の二重底貫通管Bnに係る全溶接完了後、分岐主管16は管工場においてポンプ14・諸弁・管ピース(エルボー17、T分岐15、18など)を組付け、ポンプユニットを完成する。
分岐弁VBnにより分岐主管(Manifold)16がリングメイン方式に比べユニット長さが両舷に1LS分長くなるが、大径管の構造強度を持ち適当な吊ビームを使用し工場横持ちや船内吊り込みが安全であり、据付は同時吊り込みのビルジ系ポンプユニット8及び外部配管と接続の上、ポンプ支台及び管支材の溶接だけで済む。
ポンプユニットの占有スペースは、注排水弁操作に各1LS分、操作床FLR上の注排水弁群が続く1LS分を含み分岐主管16の右舷側3LS分、左舷側3.5LS分、全体として横方向に6.5LS分、船軸方向に2FS分に収まり、配管ユニット1FS分の上の通路床FLRが突出物皆無の主機関周り主通路となり、前述のリングメイン方式に次ぎ頗る省スペースとなる。
[マニフォルド方式別案] 図20、図21において、船倉ホッパーなどの船体構造都合で主機関前の補機(4)区画が1FS分広くなる場合は、図21のように、バラスト支管Bnを分岐主管16の前にエルボー24で立上げれば分岐弁VBnが軸芯水平・弁軸垂直でハンドル23の操作が容易になり且つ該エルボー24のフランジを緩めて配管拘束なく該分岐弁VBnの取替えが容易になる。
なお、機関室前壁WBH、その補強材WS及び他補機の配管などの都合により、舷外排水弁V4及び管ピース17、18と弁V5はそれぞれ〈V4〉、〈17〉、〈18〉、〈V5〉のように変更可能である(これは、前述のリングメイン方式のポンプユニット4についても同様に適用可能である)。
[バラスト管] 本発明のビルジ・バラスト管装置の各ポンプユニットから各バラストタンクの端末に至るバラスト管について説明する。
[リングメイン方式バラスト管] 図22において、バラ積み運送船のバラストタンクでの実施例を上げれば、ポンプユニット4から機関室下の船軸CLと縦補強材LS1との間にに下りたバラスト支管B5は、二重底内で横隔壁WBH(FR29)を貫通して最後尾タンクBT5の最後部のフレームスペース(FR29〜30)に入り、端末管20に付したベルマウス21を船底BTMより隙間Gp=20〜30mmを以て配する。
ポンプユニット4から機関室下の縦骨LS1〜LS2間に下りたバラスト主管16はU字形低所57を採って二重底内で横隔壁WBHを貫通して最後尾タンクBT5に入り、二重底上板TTP近くに上がって縦通管部56を成し、次タンクBT4に至って分岐しバラスト支管B4が二重底上板TTP上の横隔壁WBH空間の弁VB4を経て端末管20がタンクBT4の船軸CL側に下り逆U字高所58を成し且つベルマウス21を船底BTMより隙間Gp=20〜30mmを以て配し、以下同様に各タンクBT3、BT2、BT1の最後部に支管B3、B2、B1を二重底上板TTP上に上げ、それぞれ弁VB3、VB2、VB1を経て端末管20を各タンクBT3、BT2、BT1の船軸CL側に下ろして逆U字高所58を成し且つベルマウス21を配する。
船首タンクFPTの分岐支管BF(左舷側のみ)は、最前部バラストタンクBT1の分岐支管B1と共に二重底上板TTP上で弁VBFを経て端末管20を二重底内で船首タンクFPTまで延長し船首タンクFPT最後部にベルマウス21を配する。
なお、両舷のバラスト主管16の連絡弁VB6は上記のVBFと同様の管構成で二重底上板TTP上の右舷側に配する。
上述のバラスト配管で、各タンク共に排水終期における空気吸込みによる吸引不能に至った時、管内水は各バラスト支管Bnの逆U字形高所で逆流を阻止され、タンク内落水は端末管20の管内水に局限され、バラスト主管16の管内水(上半分は空気)を最後部のU字型低所で空気を断気して管内残水を吸出し、バラスト主管16の管内残水をポンプユニット下の立上り部の管内水量に局限する(排水終期すなわち載荷終期には船体トリムはほぼゼロであることに注目)。
[マニフォルド方式バラスト管] 図23において、先ず最後尾タンクBT5の最後部に支管B5の端末管20とベルマウス21を配し、その1FS船首側で次タンクBT4の支管B4がU字形低所57で以て船軸CLと縦骨LS1との間に入り、途中で二重底中間高56に戻り逆U字形高所58で隔壁BHD貫通して次タンクBT4に至り、端末管20、ベルマウス21を配し、残る支管B3はU字形低所57に移行して縦骨LS1〜LS2の間を前進し、二重底中間高56にて次タンクBT4に入り船軸CL〜縦骨LS1の間に移り、逆U字形高所58を採って横隔壁WBHを貫通しタンクBT3に至り、端末管20、ベルマウス21を配する。
他の支管B2、B1も同様にして横移動しU字形低所57と二重底中間高56を採りそれぞれ逆U字形高所58を採ってタンクB2、B1に至り端末管20、ベルマウス21を配し、支管BFは後部でU字型低所57を採り二重底中間高56でタンクBT1の前部に至り、逆U字形高所58で船首タンクFPTに入り、端末管20、ベルマウス21を配する。
このような二重底内のバラスト支管Bnの配管により、上述のリングメイン方式と同様に排水終期の空気吸込みによるタンク内逆落水及び各支管内残水を局限する。
[排水終期のタンク水位] 上述のバラスト管構成に関連し、排水終期の船底バラストタンク(Bottom Tank)のタンク水位を図24により考察する。
タンク水位が高い時(水位Step1)は注排水は横桁WG及び縦桁LGの軽め穴LH及び配管穴PHを通るので流水抵抗が微小、軽め穴LH・配管穴PHの下縁より下がると(水位Step2}縦桁LG及び縦骨LSの通水穴WHと縦骨LSの越流に移って流水抵抗が増して単位パネルPNL間の水位差hnを生じ、縦骨LS(材高150〜300mm)の上縁以下(水位Step3)では各桁WG、LG及び縦骨LSの通水穴WHだけとなり単位パネルPNL間の水位差hnが更に増し、タンク内に段階状の水位勾配を為す(なお、縦・横桁溶接隅部や小骨貫通部のスカラップ(Scalop、略してSCL)も通水穴WHと同様に通水する)
ベルマウス21を中央隔壁MBHに接した単位パネルPNLに設置の船では、隣接パネルは1PNLづつ拡がるので水位差hnは前パネルの1/2、1/3、・・・となり、船首側のタンク水位Hnはm番目単位パネルPNLでHm=H1+h*(1+1/2+1/3+・・・1/m)となり、横方向パネル数nは縦方向のパネル数mより多いのでh/m*(n−m)の階段状の流水勾配が続き、その状態を図24(a)に示す等水位線図のようになる。
バルマウス21周りの最前部パネルPNLで、通水穴WHの縦・横両方向には同様の合計面積Awとすればポンプ流量Qにおいて次パネルとの水位差h=Q^2/{2*g*(C*Aw)^2}=v^2/(2*g*C)であり{但し、流速v=Q/Aw、流水係数C=約0.6、重力係数g=9.8m/s^2}、該通水穴WHの寸法は船底構造に制約されるので、最前部パネルPNLに流入の流水勾配が大きくなる。
今、通水穴WH(スカロップSCLを含む)の合計通水面積Aw[m^2]をバラスト支管Bnの断面積と同等とし、バラスト系ポンプ定格流量Q[m^3/s]における流速v=3.2[m/s]、流量係数C=0.6を採り、排水終期において吐出口の絞り弁V5で25%流量とすれば、流速v=0.8m/s、水位差h=0.8^2/(2*9.8*0.6)=0.055m=55mm、ベルマウス21周りの水位H1は渦による空気吸込み限度としてH1=50mmを仮定して最高水位を概算すれば、図21(a)の等水位線図からm=5、n=10において、タンク水位Hn=50+55*{(1+1/2+1/3+1/4+1/5)+1/5*7}=253mm、空気吸込みで吸引ゼロを仮定し平均化水位Hav=200mm、ほぼ縦骨LSの材高(200mm)相当の残水高に戻る。
バラスト支管Bnの平均長を50mとすればベルマウス21の吸込空気がポンプ下に達する時間は50/(3.2*0.25*0.6)=104=約1.7分、その間に平均化途上のベルマウス21周りの水位H1が上昇して再び吸水、低下して再び吸気を繰り返し、気・水交互や混合の排水作動になり、弁V5の絞り・閉鎖−分岐弁VBn閉−次タンク分岐弁VBn+1開の操作が遅れるとポンプに脈動的・水撃的な負荷が掛かる。
したがって、各タンクBTnの排水終期において、吸気直前或いは吸気感知次第弁V5を閉鎖するよう操作しても、該タンク底にはかなりの(タンク断面形状・寸法から概算ではタンク容量の約10%)残水となるので、ポンプ容量が小さいビルジ系ポンプユニット(エダクタ含む)8により、タンク底水位勾配を減じた残水吸取り(Stripping)を次タンク排水待ち或いは出港時に行う訳であり、特にエダクタ37は上記の気・水交互・混合にも無理なく作動してベルマウス21の隙間Gp=20〜30mm近くまで吸取り排水しタンク残水量を局限し、その駆動水供給のポンプ26は喫水線下で円滑に没水運転(Wet Run)する。
[バラストタンク滅菌循環] 図25において、ビルジ系ポンプユニット8の注排水管29にバラスト水の滅菌液発生機59を配し、その側路弁V21、入口弁V22、出口弁V23を経て吐出側に滅菌水弁V25を配して各バラストタンクBTnの上部{舷側タンク(Wing Tank又はTopside Tank)}に送水し、二重底タンク(Bottom Tank)を経て滅菌水をタンク毎に循環し、該滅菌液発生機59の入口側の管29Bにセンサー60を配して滅菌水の一巡を検知し且つ濃度管理を行う。
この循環系統は、バラスト管方式に合わせメインライン方式、マニフォルド方式とするのが操作上好都合であり、メインライン方式では分岐弁VCnは上甲板UDK上での操作が機構上簡潔であり、油圧アクチュエータを付して遠隔操作可能、機関冷却水ユニット9の予備ポンプ303を接続して主循環ポンプとし吐出側に滅菌水弁V26を配し、上記のビルジ系ポンプ26でバックアップし、冷却海水予備機303の高効率を利用して長時間運転の省エネと設備稼働率向上を期する(ビルジ系ポンプは消防及びエダクタ駆動の高圧水供給のため該循環系の低圧には低効率・高軸動力に注目)。
一般に上記の機関冷却水ユニット9の予備ポンプ303の定格容量はバラスト系ポンプ2台分の約15%強であり、該滅菌循環時間はバラスト注排水の7倍で全バラスト水の滅菌は24時間〜数日内で終了するので航海日程に充分であり、滅菌装置は小容量の塩素酸などの電解生成で充分且つ落差ゼロの定流量の安定稼働が可能である(バラスト系の自流・ポンプ注排水では大流量且つ喫水〜タンク水位の落差変化に伴う流量変化が大きいことに注目)
[滅菌循環流路] 図26において、中央隔壁MBHで左・右舷に分割された船底タンク(Bottom Tank、略してBTk)の縦桁LG5の前部に軽目穴LHを、舷側タンク(Wing Tank、略してWTk)の底板(二重底上板TTP)及び中間の縦通桁STRの前部・後部に交互に軽目穴LHを主通水穴として設け、滅菌水は上甲板下に配した循環分岐弁VCnから舷側タンクWTkの横桁WGの軽目穴LHを通り、前後部に向かって交互に流れ、続いて船底タンクBTkを同様に前後交互に流れ、該タンクBTkの最前部且つ中央隔壁MBHに接して配したベルマウス21を経てバラスト管Bnに至り、以下、図26のように、バラスト主管16、弁V7、管29Bを経て滅菌液発生機59に戻る。
上記の縦通材STR、縦桁LG及び横桁WGに施した軽目穴LHを主流路として流路抵抗を軽微とし、縦骨LSに施した通水穴WH、通気穴AH及び横桁WG及び縦桁LGの溶接隅部のスカラップSCLを小流路として隅部の滞留水を流し、小量の隅部滞留水は薬液の拡散で滅菌する。
[滅菌濃度管理] 管29Bにセンサー60を配して、滅菌水の循環検知・濃度管理を行う。
[バラスト換水] バラスト系ポンプ14でバラストタンクBTn毎に上述の滅菌流路を滞留なく逆流し、上甲板MDKに配した排水弁VOnで舷外排出し、バラスト換水を実施可能であり、タンク容量の95%換水を1.5倍程度のポンプ注水(Pumping Through)で実現可能を期す(具体的には、船体構造に基づき主流路及び小流路を解析・精査して技術的証明が必要)。
[電装系統] 本発明のビルジ・バラスト管装置に係る電装系統を実施例5として図27を参照し説明する。
電装系統は、ビルジ・バラスト管装置全体について始動電磁箱70に纏め電装ユニットとし、主配電盤MSBより2回線701、702で受電し、No1-3相440V60Hz、No.2-3相440V60Hzを主電源とする。
始動電磁箱70において、回路遮断器711、721で各ポンプ用始動器712、722に分岐し、バラスト系ポンプ14の始動器712には電流計713(計器用変流器CTと電流指示計AMより成る)、始動電磁制御器714(電磁接触器MCM、MCD、MCS及び過負荷リレーOLにより成り、Y−Δ始動器を形成、栓型フューズPF、制御回路用変圧整流器TR、補助リレー回路Aux.Ryで操作回路を形成)を配し、動力線715で電動機716に至り、該補助リレー回路Aux.Ryに制御線717、機側操作器718及びバラストタンク水位などの信号線719を配する。
バラスト系ポンプ14の電動機716は発電機容量の1/10を超える場合に減電圧始動を要し、電動機自体の減電圧機能として電機子巻線のY接続(MCMとMCS)でルート3分の1(1/1.732)で始動電流を直入始動電流の1/3すなわち定格電流の200%程度に抑えて発電機の突入負荷を軽減しながら最大トルク点以上に加速し、Δ接続(MCMとMCD)に切替え、突入電流を抑えて定常運転に至る(電磁開閉器MCM、MCD、MCS及び動力回路は電動機定格電流の1/1.732容量でよく、過負荷リレーOLは3E(3極要素付)として電磁接触器MCMに標準組合せのものとし取付けを簡潔化する)
ビルジ系ポンプ26の始動器722には、電流計723(CT+AM)、始動電磁制御器724(電磁開閉器MC+過負荷リレーOLより成り、直入始動始動器を形成、栓型フューズPF、制御用変圧整流器TRで補助リレー回路を形成)を配し、動力線725で電動機726に至り、該補助リレー回路Aux.Ryに制御線727、機側操作器728及び船首・尾タンク水位などの信号線729を配する。
なお、雑用海水供給用海水サービスポンプ10やビルジ系に係るビルジ処理装置OSP、スラッジポンプSLGの電源用としてそれぞれ回路遮断器MCBを配する。
[ユニット姿] 各ポンプユニットの始動電磁制御器はかなり大寸になるので、個別組込には無理があり省スペース効果を害するので、ビルジ・バラスト管装置の電装ユニットとして始動電磁箱70に纏め、各ポンプユニット4、8には小寸の機側操作器718、728を装着し6芯程度の制御線717、727で接続する。
[電装施工] 始動電磁箱70は、図12に示すように、最寄りの空所(左舷側縦通桁STR上)に配置し、その下部に電線余長格納スペース703を設け、動力線715、725及び制御線717、727のポンプユニット上端末は、工場にて電動機716、726及び機側操作器718、728に接続完了して各ユニット上の諸管に電路支材を付して配線引留めし、電路設計に従い必要線長(線端処理用余長を含む)に線取りし、始動電磁箱70の端子配列に合わせ線端処理して保護包装し、船体上配線の電路支材と共にポンプユニットに仮縛して同時吊り込み・据付けの上、直ちに電路支材溶接、配線、接続し、余長は始動電磁箱下部703に格納・固縛する。
実施例共通
本発明のビルジ・バラスト管装置に係る管径諸量を表1に示し、各船舶規模における前述の各実施例での効果の考察に供する。
Figure 2010285013
[全般] 表1において、例1は内航小型船、例2は沿海中型船、例3、例4は外洋中型船、例5は外洋大型船を想定し、それぞれ船体・バラストタンクの規模、関連構造寸法、舷外取水系、バラスト系、ビルジ系及び機関冷却系のポンプ・管サイズ並びに滅菌容量の主要諸量を示す{項目名に付した( )内番号は項目番号を示す}。
[船体関係] 例1〜例5における各載荷トン数(11)において、バラスト水量(12)は一般に載荷トン数の35〜40%、注排水時間(13)はバラスト系ポンプ流量(44)で算出、排水終期の弁絞りやビルジ系ユニットでの残水排出を考慮した余裕係数k=0.85を仮定して算定したものであり、タンク分割数(14)は横隔壁によるもので、タンク高(15)は二重底高を示す。
[関連構造寸法] 二重底上の通路床高(21)、肋骨間隔(22)、縦骨間隔(23)を示し、ポンプユニットの占有スペースの尺度となる。
[舷外取水系] 集約ストレーナの口径(31)、機器芯高(32)、台板高(33)を示し、バラスト系、ビルジ系及び機関冷却系のポンプ口径・芯高及び諸管径に関連する。
[バラスト系] ポンプ口径(42)、揚程(43)、流量(44)、電動機(45)や主管・支管径(48)、(49)など、ポンプユニット構成に係る主要諸量を示す。
[ビルジ系] 上記と同様の項目にエダクタを加え、ビルジ落水・バラスト残水の吸出しに係る主要諸量を示す。
[機関冷却系] 滅菌循環に使用の予備機の冷却水ポンプ口径(62)、流量(64)、電動機(65)などを、[滅菌循環系]の滅菌水生成容量(71)との関連において示し、その循環時間、技術的実現性及び省コスト・省エネの考察に供する。
ME 主機関 BL 船底基線
TTP 二重底上板 TBP 船底
FLR 通路床 MDK 中段甲板
UDK 上甲板 SPL 殻板、外板
IPL 内板、タンク内板
FR 肋骨 WF 特設桁、ウェブフレーム
BKT 補強ブラケット、ブラケット FS 肋骨間隔
LWL 喫水線 LS 縦骨、縦骨間隔
Exp.Tk 膨張タンク SC 海水箱
DKH 甲板高 STR 縦通桁、水平縦通桁
DOP 甲板開口 PLR 支注、H断面支柱
BHD 隔壁 MBH 中央隔壁
WBH 横隔壁 WG 横桁
LG 縦桁 SCL スカロップ、溶接隅部切欠
AH 通気穴、Air Hole WH 通水穴、Water Hole
PH 管穴
BT(P) 左舷バラストタンク BT(S) 右舷バラストタンク
APT 船尾タンク FPT 船首タンク
V1 弁、吸引弁 V2、V3 弁
V4 弁、逆止弁、舷外排水弁 V5 弁、絞り弁
V6 弁、連絡弁 V7 弁、自吸補助弁、残水吸引弁
V8、V9、V10 弁、逆止弁 V11、V12、V13 弁、逆止弁
V14、弁、逆止弁 V15 弁
1、(1s、1p) 海水箱 2、(2s、2p) 取水元弁
3、(3s、3p) 集約ストレーナ、ストレーナ
4 バラスト系ポンプユニット 5、(5s、5p) 吸引管
6、(6s、6p) 取水弁 7 連絡管・吸引管
8 ビルジ系ポンプユニット 9 海水サービスポンプ
10 機関冷却水ユニット
11、12 空気弁 13 圧縮空気源
14 ポンプ 15 T分岐管
16 注排水主管、バラスト主管、分岐主管
17 エルボー 18 T分岐管
19 舷外排水管
BTn バラストタンク(代表)
BT1 No.1バラストタンク BT2 No.2バラストタンク
BT3 No.3バラストタンク BT4 No.4バラストタンク
BT5 No.5バラストタンク
Bn バラスト支管(代表)
B1、B2、B3、B4、B5、BF バラスト支管、支管
VBn 分岐支弁(代表)
VB1、VB2、VB3、VB4、VB5、VF 分岐弁
20 端末管 21 ベルマウス
22 分岐部 23 ハンドル、ハンドル軸
24 エルボー 25 フランジ
26 ポンプ 27 分岐管
28 分岐管 29、29B 注排水管
30 舷外排水管 31 泥箱
32 直接ビルジ管 33 逆止弁
34 間接ビルジ管 35 船倉ビルジ管
36 消防主管 37 エダクタ
38 駆動水管 39 欠番
40 エルボーフランジ 41 上げ蓋
42 円筒カバー 43 連絡管
44 二重底貫通部補強 45 隔壁貫通部補強
46 欠番 47 ポンプ支台
48 管支材 49 管受
50 Uボルト 51 支台連結管
52 吊環 53 梯子
54 マンホール 55 ハンドル台
BW ビルジ溜め HBW 船倉ビルジ溜め
BW(P) 左舷ビルジ溜め BW(S) 右舷ビルジ溜め
BW(A) 後部ビルジ溜め Vd 空所
56 縦通部 57 U字形低所
58 逆U字形高所 59 滅菌薬液発生機
60 センサー 61 循環主管
V25、V26 循環主弁
301、302 冷却海水ポンプ 303 冷却海水ポンプ予備機
304、305 306 逆止弁 V31、V32、V33 吸引弁
V34 逆止弁 V35、V36、V37 吐出弁
601 側路弁 602、603 循環弁
V38 舷外排水弁
Cn 循環支管(代表)
C1、C2、C3、C4、C5、CA、CF 循環支管
VCn 循環分岐弁(代表)
VC1、VC2、VC3、VC4、VC5、VCA、VCF 循環分岐弁
70 始動電磁箱 703 電線余長格納スペース
701、702 電源線 711、721 分岐遮断器、MCB
712、722 始動制御器 713、723 電流計
714、724 電磁制御器 715、725 動力線
716、726 電動機 717 制御線
718 機側操作器 719 信号・警報
機器シンボル一般;
A 電流計 M 電動機
CT 計器用変流器 AM 電流指示計
MC、MCM、MCD、MCS 電磁接触器 OL 過負荷リレー
PF 栓型 TR 変圧整流器
Aux.Ry 補助リレー回路


























Claims (15)

  1. ビルジ系ポンプユニット内にエダクタを配し、ビルジ・バラスト系の各ポンプの自吸補助機能並びに船内のビルジ溜及び各タンクの残水吸取り機能を、ビルジ系ポンプの高圧水或いは圧縮空気で駆動するエダクタに集約したビルジ・バラスト管装置。
  2. 電動機と一体型の横軸渦巻ポンプを二重底上且つ通路床下に配し、ポンプ吸引口に付した水平分岐管に弁(V1)及び弁(V2)を、吐出口に付した垂直分岐管の上下に弁(V4)及び弁(V3)をそれぞれ配して注排水切替弁群を成し、該弁群を機関室直前タンクの注排水支弁と共に通路床上のポンプ吸引側の1箇所で開閉操作可能に集中配置し、弁(V1)は取水吸引管に、弁(V4)を舷外排水管に、弁(V2)と弁(V3)を結んだ注排水管を二重底タンク内に縦通すバラスト主管にそれぞれ接続して構成した、請求項1のビルジ・バラスト管装置のメインライン方式及びリングメイン方式のバラスト系ポンプユニット。
  3. 各タンク毎の注排水支管・弁を、請求項2のバラスト系ポンプユニットの注排水管と共通の分岐主管の下に且つ開閉操作ハンドルを通路床上に、或は、該分岐主管の前に弁とエルボーをそれぞれ配し、各タンクに至るバラスト支管に接続して構成した、請求項1のビルジ・バラスト管装置のマニフォルド方式のバラスト系ポンプユニット。
  4. 請求項2及び請求項3のバラスト系ポンプユニットにおいて、ポンプ吐出側に配した弁(V4)に逆止弁を使用し、注排水切替弁群の誤操作及び停電などの不慮のポンプ停止の際に、舷外からの逆流を阻止するよう構成した舷外排水系統。
  5. 請求項4の注排水支管を2管づつ二重底の縦骨間隔毎に左右並列に配して二重底上板の該分岐管貫通部を増厚補強し且つ二重底内では管芯高を変えて上下並列に配して横隔壁及び横桁ウェブの管貫通穴幅を1管分に局限し船体強度を保つよう構成した、マニフォルド方式バラスト管の二重底貫通部。
  6. 請求項2の両舷側のポンプユニットの注排水管より分岐して二重底内に連絡管を配し、該ポンプユニット間の二重底上のスペースに他の補機の設置を可能に構成したバラスト系ポンプユニット。
  7. 請求項2のメインライン方式及びリングメイン方式のバラスト主管から各タンクの端末に至るバラスト支弁を、船倉ビルジ溜め上或いは船倉隔壁間の空所に配して常時非水没に構成したバラスト管系統。
  8. タンク側端末のベルマウス直上に逆U字形高所を、ポンプ側にU字形低所をそれぞれ配し、排水終期における空気吸込みに伴う吸引力低下によるバラスト管内水のタンク内落水及び管内残水を低減するよう構成した、請求項1のビルジ・バラスト管装置のバラスト水の断気吸引機構
  9. 請求項1のビルジ・バラスト管装置のビルジ系ポンプユニットの注排水管をバラスト系ポンプユニットの注排水主管の上に接続し、バラスト系ポンプの羽根車の全水没まで作用するよう構成したエダクタによるバラスト系ポンプの自吸補助機構。
  10. 請求項1のバラスト系ポンプ及びビルジ系ポンプの吸引弁(V1)に配したエルボーのフランジボルトを緩めて該ポンプ吸引分岐管周りの配管拘束を解き、該分岐管を容易に取外して該ポンプ開放のスペースを取り、ポンプ軸封部の環状シールを取替え可能に構成した該ポンプ吸引口前配管。
  11. ビルジ・バラスト管装置、機関冷却装置及び雑用水供給装置の各海水ポンプ毎の個別ストレーナに代わって両舷各1台の集約ストレーナを海水箱からの取水元弁直後に配し、それぞれバラストポンプの吸引管を配し且つ該吸引管より分岐しそれぞれ取水支弁を介した連絡管をビルジ系ポンプユニット、機関冷却装置及び雑用海水供給装置の各海水ポンプに共通の吸引管とし、運転バラストポンプ側の集約ストレーナの漉し水を他方の集約ストレーナに逆流水として与え、他の各海水ポンプの稼働に影響なく該集約ストレーナを海水箱と共に逆洗可能に構成した請求項1のビルジ・バラスト管装置の舷外取水系統。
  12. 請求項11の集約ストレーナの漉し水を、バラスト系ポンプユニット及びビルジ系ポンプユニットのそれぞれ弁(V1)、(V2)を開いて順落差自流注水、弁(V1)、(V3)を開いてポンプ注水で以って全船内タンクを清浄に保ち、それぞれ弁(V3)、(V4)を開いて順落差自流排水、弁(V2)、(V4)を開いてポンプ排水で以って船内タンクの清浄水並びに、ビルジ系ポンプユニット内のエダクタで各々ビルジ溜めの落水・残水を該ストレーナと同等の目開きのフィルタを持つ泥箱又は多孔板を経た漉し水を舷外排出し且つ逆止弁(V4)及びエダクタに配した逆止弁で浮遊異物を含んだ舷外海水の船内流入を阻止するよう構成した請求項1のビルジ・バラスト管装置。
  13. 請求項2及び請求項3のバラスト系ポンプユニットの注排水主管に配した残水吸取管とビルジ系ポンプユニットの注排水管との間にバラスト水滅菌薬液発生機配し且つ該残水吸引管にセンサーを配し、機関冷却海水ポンプの予備機に切替弁を配し且つビルジ系ポンプに吐出弁を追加して滅菌水管を各バラストタンク及び船首・尾タンクの頂部に導き、請求項2及び請求項3におけるバラスト管系統を戻り管として各タンク毎に滅菌循環し、該センサーにより滅菌水一巡の検知と濃度管理を行うよう構成したバラスト水滅菌循環機構。
  14. バラストタンク内の縦桁及び縦通桁の船首・尾側の横隔壁付近に船首尾交互に軽目穴を配して各タンク内の該縦桁と該縦通桁に導かれる主流路を形成し、各タンク内の縦・横桁及び縦骨に設けた通気穴及び通水穴を副流路としてタンク構造隅部の滞留を防止するよう構成した、請求項1のビルジ・バラスト管装置のバラスト水滅菌循環流路並びに、該循環流路始点に換水排水弁を配しバラスト系ポンプ注水によるバラスト水換水流路。
  15. 始動電磁箱の下部に電線余長部格納スペースを設け、各ポンプユニットに装着の電装品までの所要長を線取りしてユニット内配線及び端末結線を完成し、該始動電磁箱の端子配列に合わせて端末処理且つ防護包装し、各ポンプユニット及びユニット外電路支材を始動電磁箱と共に同時・個別に船内吊り込み据付次第直ちに配線して該始動電磁箱内端子に接続し、電線余長部を該格納スペースに収め固縛するよう構成した、請求項1のビルジ・バラスト管装置を含む機関部補機ユニットに係る電装工事施工方法。




















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