JP2010284694A - 遠心鋳造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠心鋳造装置において、種々の成形品の形状に対して、鋳造および離型の作業効率を向上させることができるようにする。
【解決手段】組立状態で内部に連通空間を形成する金型15と、金型15を組立状態に保持する金型保持部材10と、回転機構とを有する遠心鋳造装置であって、金型15の上型16と下型17との間に設けられ、上型16および下型17から作用する外力に応じて弾性変形して、上型16および下型17が当接状態と離間状態とにする弾性部材19と、上型16および下型17を、組立解除状態または組立状態となるように収容する金型収容室と、金型保持部材10が回転されたときに、金型収容室内で上型16および下型17の慣性による相対移動を規制し、組立解除状態から組立状態に移行させる移動案内部と、弾性部材19に作用する外力を解放する締結ボルト12とを備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、遠心鋳造装置に関する。
遠心鋳造により部品の鋳造成形を行う場合、溶湯が高温の状態で金型内部に注入され、金型の金型面と鋳造成形後の部品の表面とが強固に結合するため、部品を取り外せなくなったり、取り外せても多大の手間がかかったりする場合があった。このため、従来、遠心鋳造装置において金型からの離型性を向上する技術が強く求められていた。
このような従来の遠心鋳造装置に関連する技術として、例えば、特許文献1には、逆テーパー部の脱型を可能とする目的で、金型に設けられたバネと遠心鋳造時の遠心力の作用とを組合せて成形および離型を行う技術が提案されている。
すなわち、特許文献1には、受口を有する管を遠心鋳造する金枠の受口側端に、受口内面を成形するために装着される受口内面成形コアであって、前記金枠の受口側端に当接されるフランジ部と、該フランジ部から前記管受口内面の受口奥方へ向け同軸に伸びるコア部とを有し、該コア部の管受口奥方へ向け径が拡大して伸びる拡径部分が、周方向に複数個に分割され、それぞれの分割部は、フランジ部に一体に設けたスライドガイドにより径方向へ移動可能に支持され、かつ、各分割部はバネにより中心軸方向へ引張付勢されてなり、バネは、一部の分割部を中心軸方向へ引張付勢する第1のバネと、別の分割部を第1のバネよりも強い力で中心軸方向へ引張付勢する第2のバネとで構成され、前記金枠の回転により生じる遠心力で、まず第1のバネにより引張付勢されている前記一部の分割部がそのバネによる引張付勢力に抗して拡散移動し、続いて、金枠の回転数が増大することによる大きな遠心力で、第2のバネにより引張付勢されている前記別の分割部がそのバネによる引張付勢力に抗して拡散移動することで内型を形成し、さらにそれぞれの分割部は金枠の回転停止により逆の順序で収束移動して縮径可能とされていることを特徴とする遠心力成形法における受口内面成形コアが記載されている。
特許第4079631号公報
しかしながら、上記のような従来の遠心鋳造装置では、鋳造後の成形品を取り外せなくなったり、取り外せるとしても多大の手間がかかったりする場合があるという問題がある。
特許文献1に記載の技術を、逆テーパー部がない場合に適用して離型性を向上することも考えられるが、特許文献1では、遠心鋳造の際に金型のコア部材(受口内面成形コア)が、遠心力を受けて成形品の内面形状を形成する位置に移動し、金型の回転が停止すると、コア部材の内部側に設けられた引っ張りバネの作用によりコア部材が成形品の内面から離れる構成としている。
したがって、コア部材の移動方向は遠心力の方向に限定されるため、適用可能な成形品の形状は、例えば、管状部材などに限定されてしまうという問題がある。また、適用部位も、成形品の中空部の内面などに限定されてしまうという問題がある。
また、引っ張りバネはコア金型の内部側に設ける必要があるので、成形品の中空部が狭い形状には適用できないという問題がある。
このため、遠心鋳造装置において、種々の成形品の形状に対して、離型の作業効率を向上させることができる技術が強く求められている。
また、特許文献1に記載の技術では、金型の構成が複雑となるため、従来よりも金型を組み立てる手間がかかり、鋳造を開始するまでの作業効率も悪化してしまうという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、種々の成形品の形状に対して、鋳造および離型の作業効率を向上させることができる遠心鋳造装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、複数の部材で組み立てられ、この組立状態で内部に溶湯を充填する連通空間を形成する金型と、該金型を前記組立状態に保持する金型保持部材と、該金型保持部材を回転させる回転機構とを有する遠心鋳造装置であって、前記金型の前記複数の部材のうち前記組立状態で互いに当接する部材対の間に設けられ、該部材対から作用する外力に応じて弾性変形して、前記部材対が互いに当接する状態と、前記部材対が互いに離間する状態とを形成する弾性部材と、前記金型保持部材の内部に設けられ、前記複数の部材の相対位置が、前記部材対が互いに離間して前記連通空間が解体された組立解除状態、または前記組立状態となるように、前記複数の部材を収容する金型収容室と、前記回転機構によって前記金型保持部材が一定方向に回転されたときに、前記金型収容室内で前記複数の部材の慣性による相対移動を規制し、前記組立解除状態の前記複数の部材を前記組立状態に移行させる移動案内部と、前記部材対から前記弾性部材に作用する前記外力を解放する外力解放手段とを備える構成とする。
この発明によれば、金型保持部材の金型収容室に組立解除状態で収容された金型は、金型を構成する複数の部材のいずれかの部材対から部材対の間に設けられた弾性部材に対して、外力が作用していないか、あるいは作用していても外力が小さいため、弾性部材により部材対が互いに離間する状態とされ、連通空間は解体されている。
回転機構によって、金型保持部材が一定方向に回転されると、複数の部材がその慣性によって金型収容室内を相対移動するが、金型収容室には移動案内部を備えるため、相対移動が規制される。このため、部材対から弾性部材に外力が作用して、部材対が互いに当接するように弾性部材が弾性変形する。これにより、複数の部材は組立解除状態から、内部に溶湯を充填する連通空間が形成される組立状態に移行される。この状態で溶湯を連通空間に充填することで遠心鋳造を行うことができる。
また、鋳造終了後、外力解放手段によって、部材対から作用する外力を解放することで、部材対を互いに離間させ、複数の部材の相対位置関係を組立解除状態に戻すことができる。このとき、連通空間が解体されるため、溶湯が固化された成形品の表面と密着した複数の部材が離間または剥離される。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の遠心鋳造装置において、前記金型収容室は、前記複数の部材を前記組立解除状態で収容する第1収容部と、複数の部品を連結して構成され、前記複数の部材を前記組立状態で嵌め込む空間を、前記第1収容部に対して前記回転機構の回転方向反対側に形成する第2収容部とを備え、前記移動案内部は、前記回転機構の回転軸線と平行な平面に沿って、前記複数の部材を前記第1収容部から前記第2収容部へスライド移動させるスライド案内部と、前記第1収容部から前記第2収容部までの間で、前記第1収容部から前記第2収容部に向かって対向間隔が漸減するように設けられたテーパ状案内路とを備え、前記外力解放手段は、前記第2収容部の前記複数の部品の連結を解除する手段からなる構成とする。
この発明によれば、第1収容部に組立解除状態で収容された複数の部材は、回転機構が一定方向に回転すると、複数の部材の慣性により、回転方向と反対側、すなわち第2収容部側に相対移動する。このため、複数の部材は、スライド案内部に沿って、第1収容部から第2収容部に向かって相対移動していく。その際、テーパ状案内路によって、対向間隔が漸減されるため、テーパ状案内路から複数の部材の部材対に外力が作用し、部材対の間の弾性部材が弾性変形して、部材対が互いに当接する状態となる。このため、複数の部材の相対位置関係は、組立状態に移行され、第2収容部に嵌め込まれる。
この状態で鋳造を行った後、外力解放手段によって、第2収容部を構成する複数の部品の連結を解除することによって、部材対から弾性部材に作用する外力が解放され、弾性部材が弾性変形前の状態に戻ることで、部材対の間が離間されて、複数の部材が組立解除状態に戻る。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の遠心鋳造装置において、前記金型収容室は、前記回転機構の回転軸線に直交する方向に沿って前記金型保持部材の中心部から外周部に延ばして設けられ、該外周部には、前記複数の部材の一部をそれらの間では前記組立状態の相対位置関係となるように保持する外周側保持部を備え、前記中心部には、前記外周側保持部に対向して、前記複数の部材の他を、その重心が前記回転軸線に対して前記外周側保持部側に偏心されるとともに、前記複数の一部に対して前記組立解除状態の相対位置関係となるように保持する中心側保持部を備えており、前記移動案内部は、前記中心側保持部から前記外周側保持部に向かって、前記複数の部材の他を前記回転軸線に直交する方向に沿って移動可能に案内する径方向移動案内部を備え、前記外力解放手段は、前記回転機構の回転を停止する手段である構成とする。
この発明によれば、金型収容室の外周側保持部に複数の部材の一部がそれらの間では組立状態の相対位置関係に保持される。また、中心側保持部では、複数の部材の他を、その重心が回転軸線に対して外周側保持部側に偏心されるとともに、複数の一部に対して組立解除状態の相対位置関係となるように保持される。
この状態で、回転機構を一定方向に回転させると、複数の部材には、その慣性により、回転軸線に直交する方向に沿って中心側保持部側から外周側保持部側に向かう方向に、遠心力が作用する。
これにより複数の部材の一部は、外周側保持部によってこの遠心力にするため、複数の部材の一部はそれらの間で組立状態に保持される。
一方、複数の部材の他は、遠心力に対して弾性部材が抗する。このため、複数の部材の他は、遠心力が増大して、複数の部材の一部と複数の部材の他との間の弾性部材の弾性力を超えると、径方向移動案内部によって、中心側保持部から外周側保持部に向かって相対移動される。そして、複数の部材全体が組立状態の相対位置関係になる。
この状態で鋳造を行った後、外力解放手段によって、回転機構の回転を停止する。これにより、複数の部材に作用する遠心力が消失するため、遠心力に起因して部材対から弾性部材に作用する外力が解放される。このため、弾性部材の弾性力によって、複数の部材の他が中心側保持部に相対移動して、複数の部材の他が、複数の部材の一部に対して、組立解除状態の相対位置関係となる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の遠心鋳造装置において、前記連通空間は、前記溶湯を受け入れる溶湯受入部と、前記溶湯を鋳造品形状に成形するキャビティ部と、前記溶湯受入部と前記キャビティ部との間を連通させるランナー部とを含んで形成され、前記複数の部材の他は、前記溶湯受入部および前記ランナー部を構成する部材または部材群を含むとともに、前記溶湯受入部または前記ランナー部には、前記組立状態において前記ランナー部内で固化されたランナー固化体を、前記組立解除状態でも保持するランナー固化体保持部を備える構成とする。
この発明によれば、組立解除状態では、複数の部材の他は、溶湯受入部およびランナー部の形状を形成する部材または部材群を含み、溶湯受入部またはランナー部に備えられたランナー固化体保持部によって、ランナー部内で固化されたランナー固化体が保持される。
このため、複数の部材の一部に対して、複数の部材の他が離間される際、キャビティ部で成形された成形品がランナー固化体とともに、キャビティ部で固化された成形品を構成する固化体がキャビティ部の表面から離間または剥離される。
本発明の遠心鋳造装置によれば、複数の部材からなる金型を金型収容室に組立解除状態に配置して回転機構の回転することにより金型を組立状態として鋳造可能とし、鋳造後、外力解放手段で金型の部品対からの外力を解放することで弾性部材により金型を組立解除状態とすることができるので、種々の成形品の形状に対して、鋳造および離型の作業効率を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る遠心鋳造装置の概略構成を示す正面視の模式的な部分断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る遠心鋳造装置を用いて遠心鋳造した成形品の一例を示す模式的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る遠心鋳造装置に用いる金型を示す模式的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る遠心鋳造装置に用いる弾性部材の配置を示す模式的な斜視図である。 図1におけるA視の模式的な平面図である。 図5におけるB−B断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る遠心鋳造装置の組立解除状態および組立状態の金型の配置を模式的に示す図5におけるC−C断面図である。 金型保持部材の回転時に、金型が移動する様子を順を追って示す平面視の模式説明図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る遠心鋳造装置の概略構成を示す図5のB−B断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る遠心鋳造装置に用いる金型を示す模式的な分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る遠心鋳造装置に用いる金型の複数の部材の一部を示す模式的な斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る遠心鋳造装置の図1におけるA視の模式的な平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る遠心鋳造装置の金型保持部材に配置された金型の一部を示す模式的な斜視図である 本発明の第2の実施形態に係る遠心鋳造装置の組立解除状態および組立状態の金型の配置を模式的に示す図10におけるE−E断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る遠心鋳造装置の金型から離型された成形品の一例を示す模式的な斜視図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る遠心鋳造装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る遠心鋳造装置の概略構成を示す正面視の模式的な部分断面図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る遠心鋳造装置を用いて遠心鋳造した成形品の一例を示す模式的な斜視図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る遠心鋳造装置に用いる金型を示す模式的な斜視図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る遠心鋳造装置に用いる弾性部材の配置を示す模式的な斜視図である。図5は、図1におけるA視の模式的な平面図である。図6は、図5におけるB−B断面図である。図7(a)、(b)は、それぞれ本発明の第1の実施形態に係る遠心鋳造装置の組立解除状態および組立状態の金型の配置を模式的に示す図5におけるC−C断面図である。
なお、各図は模式図であり、見易さのために各部材の大きさや形状は誇張されている(以下の図面も同様)。
本実施形態の遠心鋳造装置100は、図1に示すように、金属材料6を加熱溶融させた溶湯を回転された金型に導入し、この溶湯に作用する遠心力により溶湯を金型内に充填して遠心鋳造を行うものである。
遠心鋳造装置100の概略構成は、筐体1、加熱コイル7、回転機構4、金型15(図3参照)、および金型保持部材10を備える。
筐体1は、内部に適宜の真空度を有する減圧環境を形成する真空チャンバーである。
加熱コイル7は、金属材料6を誘導加熱によって溶融させて溶湯6Aを形成するとともに、この溶湯6Aを誘導磁場によって加熱コイル7の内側の空中に保持するものであり、筐体1の天井部の中心付近の下面側に設けられている。
加熱コイル7には、不図示の電源および配線を通して、筐体1の外部から電力を供給できるようになっている。
加熱コイル7の下端部は、加熱コイル7の通電が停止されたときに溶湯6Aを下方側に落下させる開口が設けられている。
また、筐体1の内側側面には、加熱コイル7の内側に向かって水平方向に進退可能とされた材料保持プレート5が設けられている。この材料保持プレート5は、加熱コイル7の通電開始前に加熱コイル7の内側に進出させておき、金属材料6が磁気浮揚されるまでの間、加熱コイル7の内側に保持するものである。
材料保持プレート5は、加熱コイル7に通電後、金属材料6が溶湯6Aとなって磁気浮揚されると、不図示の制御部によって、水平方向に移動されて加熱コイル7の側方に退避される。
金属材料6の材質としては、誘導加熱が可能な適宜の金属材料を採用することができる。
回転機構4は、加熱コイル7の下方側で、鉛直方向に延ばされた回転軸線O回りに、金型保持部材10を回転可能に保持するためのものである。
回転機構4の概略構成は、筐体1の底部を鉛直方向に貫通するように設けられた回転軸部2と、筐体1の底部の下方に延出された回転軸部2の下端部に連結され回転軸部2に回転力を伝達するモータ3aと、モータ3aの起動、停止、および回転数制御を行うモータ制御部3bとからなる。
回転軸部2の上端側には、金型保持部材10を鉛直下方側で支持する上端受け面2aと、金型保持部材10を回転軸部2に対して回り止めされた状態で接続する凹部からなる被接続部2bとが設けられている。
また、特に図示しないが、回転軸部2は、筐体1の底部において気密を保つ回転軸受によって回転可能に支持されている。
金型15は、溶湯6Aを内部に形成されたキャビティに充填して固化させて成形品の形状を形成するものである。以下では、成形品の一例として、図2に示すような円筒部材からなる成形品8を遠心鋳造する場合の例で説明する。
成形品8は、互いに同軸の円筒面である外周面8aと内周面8cとを備える。成形品8の軸方向の端部は、金型15の内部で固化されて形成される先端面8dと、金型15からの離型後に、キャビティに溶湯6Aを充填するためのランナー部で固化されたランナー固化体とキャビティで固化された成形品部分との境界を切断して形成された基端面8bとを備える。
内周面8cは、先端面8dから基端面8bまでの間の貫通孔を構成している。
このような成形品8を得るため、金型15の概略構成は、図3に示すように、下型17、上型16、弾性部材19、中子18、および中子保持部材20を含む複数の部材からなる。
下型17の概略形状は、図3、4に示すように、幅W×奥行きD×高さHの直方体ブロック状である。
下型17の下面は、幅W×奥行きDの矩形平面である底面17aからなり、底面17aに対向して底面17aに平行な型合わせ面17bが対向間隔Hで設けられている。底面17aと型合わせ面17bとで挟まれた側面は、概略形状が奥行きD×高さHの矩形状とされた奥側側面17cおよび手前側側面17dと、概略形状が幅W×高さHの矩形状とされた奥側スライド面17eおよび手前側スライド面17fからなる。
このため、奥側側面17cおよび手前側側面17dは互いに平行な平面であり、互いの対向間隔はDである。また、奥側スライド面17eおよび手前側スライド面17fは互いに平行、かつ奥側側面17cおよび手前側側面17dにそれぞれ直交する平面であり、互いの対向間隔はWである。
型合わせ面17b上において、奥側側面17cと手前側側面17dとの間の中心部には、成形品8の外周面8aを形成する金型面17h、および中子保持部材20を保持する中子保持部材取付部17jが、手前側スライド面17fから奥側スライド面17eに向かって連通する溝部として形成されている。
金型面17hは、成形収縮率を考慮して外周面8aの外径よりもわずかに大きい内径を有する半円断面を有する円筒状の溝部であり、手前側スライド面17fから中子保持部材取付部17jまで貫通されている。
中子保持部材取付部17jは、直方体状の中子保持部材20を、型合わせ面17b側および奥側スライド面17e側から着脱可能に嵌め込むことができるように、それぞれ型合わせ面17bおよび奥側スライド面17eに矩形の開口を有する直方体状の凹部からなる。
型合わせ面17b上において、金型面17hの側方の両側には、後述する弾性部材19を嵌め込んで取り付けるための弾性部材取付穴17iがそれぞれ設けられている。
本実施形態の各弾性部材取付穴17iの形状は、手前側スライド面17fから奥側スライド面17eに向かう方向が長手方向となる矩形開口を有する角穴からなる。
弾性部材取付穴17iの深さは、弾性部材取付穴17iに取り付けられた弾性部材19が型合わせ面17bの対向方向から外力を受けて弾性変形されたときに、弾性部材19が弾性部材取付穴17i内に収容可能とされ、弾性部材19に作用する外力が解放されたときに、弾性部材19が型合わせ面17bより外側に最大ΔHだけ突出される深さに設けられる。
また、型合わせ面17bの四隅には、型合わせ面17bから、型合わせ面17bに直交する方向に沿って延びる凹部からなる位置決めガイド17gがそれぞれ設けられている。本実施形態の位置決めガイド17gは一例として四角柱が嵌合する凹部とされている。
上型16の概略形状は、図3に示すように、幅W×奥行きD×高さHの直方体ブロック状である。
上型16の上面は、幅W×奥行きDの矩形平面である上面16aからなり、上面16aに対向して上面16aと平行な型合わせ面16bが設けられている。上面16aと型合わせ面16bとで挟まれた側面は、概略形状が奥行きD×高さHの矩形状とされた奥側側面16cおよび手前側側面16dと、概略形状が幅W×高さHの矩形状とされた奥側スライド面16eおよび手前側スライド面16fからなる。
このため、奥側側面16cおよび手前側側面16dは互いに平行な平面であり、互いの対向間隔はDである。また、奥側スライド面16eおよび手前側スライド面16fは互いに平行、かつ奥側側面16cおよび手前側側面16dにそれぞれ直交する平面であり、互いの対向間隔はWである。
型合わせ面16b上においては、下型17と同様に、奥側側面16cと手前側側面16dとの間の中心部に、成形品8の外周面8aを形成する金型面16h、および中子保持部材20を保持する中子保持部材取付部16j(図6参照)が、手前側スライド面16fから奥側スライド面16eに向かって連通する溝部として形成されている。
金型面16hは、成形収縮率を考慮して外周面8aの外径よりもわずかに大きい内径を有する半円断面を有する円筒状の溝部であり、手前側スライド面16fから中子保持部材取付部16jまで貫通されている。
中子保持部材取付部16jは、図6に断面を示すように、直方体状の中子保持部材20を、型合わせ面16b側および奥側スライド面16e側から着脱可能に嵌め込むことができるように、それぞれ型合わせ面16bおよび奥側スライド面16eに矩形の開口を有する直方体状の凹部からなる。
上型16の型合わせ面16bの四隅には、下型17の各位置決めガイド17gに嵌合し、上型16の幅Wに沿う方向(以下、以下幅W方向と称する)および奥行きDに沿う方向(以下、奥行きD方向と称する)に位置決めする4つの位置決め突起16gが突設されている。
本実施形態の各位置決め突起16gは、各位置決めガイド17gに嵌合する四角柱状の形状とされ、嵌合状態では、図3に示すように、上型16の奥側側面16c、手前側側面16d、奥側スライド面16e、手前側スライド面16fが、それぞれ下型17の奥側側面17c、手前側側面17d、奥側スライド面17e、手前側スライド面17fに整列されるようになっている。
また、位置決め突起16gおよび位置決めガイド17gは、適宜の嵌合寸法にされており、この嵌合状態では、型合わせ面16b、17bの対向方向であるそれぞれの高さHに沿う方向(以下、高さH方向と称する)に摺動移動することが可能になっている。
また、各位置決め突起16gおよび各位置決めガイド17gの高さH方向の寸法は、嵌合状態における型合わせ面16b、17bの間の対向距離ΔHを、弾性部材19の最大突出高さΔHよりも大きな距離からΔH=0まで、変化させることができる移動代を有する寸法に設けられる。
また、このような嵌合状態では、金型面16hおよび中子保持部材取付部16jによる型合わせ面16b側の平面視T状の開口と、金型面17hおよび中子保持部材取付部17jによる型合わせ面17b側の平面視T状の開口とは、互いに重なり合って対向する位置関係に設けられている。
このため、型合わせ面16b、17bが互いに当接するとき、金型面16h、17hは、成形品8の外周面8aに対応する円筒形状を構成できるようになっている。また、中子保持部材取付部16j、17jは、中子保持部材20を嵌め込む直方体状の凹部を構成できるようになっている。
弾性部材19は、型合わせ面17bから最大高さΔHだけ突出されるように下型17の弾性部材取付穴17i内に配置され、型合わせ面17bに対向する上型16の型合わせ面16bから受ける外力に応じて、弾性部材取付穴17i内で弾性変形可能に設けられた部材である。弾性部材19は、弾性部材取付穴17i内に自然状態に配置されていても、わずかに弾性変形された状態に配置されていてもよい。本実施形態では、ΔHだけ突出された状態を弾性部材19の最小負荷状態と称する。
このため、例えば、下型17の底面17aの位置を固定して、下型17に嵌合された上型16の上面16aを押圧すると、この押圧力が外力として型合わせ面16bから各弾性部材19に作用し、外力の大きさに応じて弾性部材19が弾性変形し、型合わせ面16b、17bが当接する状態(ΔH=0。以下、単に当接状態)と、離間する状態(ΔH>0。以下、単に離間状態)とを形成できるようになっている。
弾性部材19に作用する外力は、型合わせ面16b、17bの当接状態で最大となり、この最大負荷状態で、弾性部材19の弾性反力も最大となる。
弾性部材19の弾性力の大きさは、少なくとも、ΔH=0に弾性変形されたとき、鋳造後に金型面16h、17hと成形品8の外周面8aとの間に働く密着力より大きな弾性力が得られるように設定する。本実施形態では、型合わせ面16b、17bを水平方向に配置するため、さらに、上側保持部10Aおよび上型16の自重が作用しても、型合わせ面16b、17bの離間状態を保つことができる弾性反力が得られるように設定する。
弾性部材19の形状や材質は、このような弾性力が得られれば特に限定されない。本実施形態では、弾性部材取付穴17iの底部から型合わせ面17b側に向かって円弧状の凸形状に湾曲された金属製の板ばね部材を採用している。
弾性部材19の他の例としては、屈曲板ばねや、コイルばねなどを挙げることができる。また、弾性部材19の材質は、金属には限定されず、例えば、ゴムやエラストマー、あるいはこれらと金属との複合材料などでもよい。例えば、ゴムなどの材質では、厚さ方向に圧縮可能なブロック体としてもよい。金型保持部材10および金型15は溶湯16を十分に急冷することができる熱伝導率と熱容量を有しているので、温度の上昇は少なく、ゴムやエラストマーが溶けることはない。
中子18は、成形品8の中空形状を形成する金型面を構成する部材であり、成形品8の中空形状に応じて適宜の外形状を備える。本実施形態では、図4に示すように、成形品8の内周面8cを形成するための円柱部材からなり、内周面8cに対応して円筒状の金型面18aを備えている。
中子保持部材20は、矩形状の奥側側面20a、手前側側面20bの間に4つの外周面20cを有する直方体ブロック部材からなり、型合わせ面16b、17bの当接状態において、中子保持部材取付部16j、17jで形成される直方体状の角穴に嵌め込まれて上型16と下型17との間に挟まれる部材である。そして、中子保持部材20の手前側側面20bの中心部には、中子18の一方の端部が連結されている。
このため、型合わせ面16b、17bの当接状態では、中子保持部材20の奥側側面20aを除く外周面は、上半分が上型16の中子保持部材取付部16jに、下半分が下型17の中子保持部材取付部17jにそれぞれ摺動可能に嵌合されている。
また、奥側側面20aは、奥側スライド面17e、16eに整列されている。
また、中子保持部材20に連結された中子18は、その中心軸が金型面16h、17hによる円筒面の中心軸に一致されるとともに、他方の端部の端面である手前側側面18bが、手前側スライド面16f、17fに整列される。このため、中子18の金型面18aと金型面16h、17hとの間には、円環状の隙間が、手前側スライド面16f、17fから中子保持部材20の手前側側面20bまでの間に形成されている。図4には、このような位置関係を示すため、上型16を除去した部分について図示している。
すなわち、この当接状態では、金型面17h、16h、金型面18a、および手前側側面20bで囲まれた円環状の連通空間であるキャビティ21(キャビティ部、図6、図7(b)参照)が形成される。キャビティ21に、溶湯6Aを充填して固化させれば、成形品8を成形することができる。
また、型合わせ面16b、17bの離間状態では、図3に示すように、金型面17h、16hも互いに離間するため、このような連通空間は解体される。
以下では、当接状態および離間状態における金型15の各構成部材の相対位置関係を、それぞれ組立状態および組立解除状態と称する。
なお、本実施形態では、溶湯6Aは、キャビティ21に導入されると、溶湯6Aよりも低温の金型15によって冷却されるため、冷却効率を高めるためには金型15の熱容量を大きくする必要がある。すなわち、キャビティ21の肉厚(すなわち内周面8cと成形品8の外周面8aとの間の隙間の厚さ)に対して、溶湯6Aに触れる領域の金型15の壁の厚みを十分に厚くしておくことが好ましい。例えば、金型面17h(16h)と底面17a(16a)との間の距離は、キャビティ21の肉厚の10倍以上の厚みが好適である。
金型保持部材10は、金型15を組立状態に保持するものであり、加熱コイル7の下方側で、回転機構4の回転軸部2に対して着脱可能、かつ回転軸部2とともに回転可能に取り付けられている。
金型保持部材10の概略構成は、図1に示すように、上側から下側に向かって、上側保持部10A、下側保持部10B、および接続部10Cが配置されてなる。
上側保持部10A、下側保持部10Bは、図5、6に示すように、それぞれ平面視円形の円板ブロック状の部材である。
上側保持部10A、下側保持部10Bは、上側保持部10Aの下面側の合わせ面10eと、下側保持部10Bの上面側の合わせ面10fとが当接されて、互いの外周円が重なり合うように上下に積層して配置されている。本実施形態では、周方向の3箇所においてそれぞれ締結ボルト12によって着脱可能に固定されている。
このため、上側保持部10Aには、締結ボルト12を挿通するボルト挿通孔13が厚さ方向に貫通して設けられ、下側保持部10Bには、締結ボルト12を螺合する雌ねじ部14が、それぞれボルト挿通孔13に対応する位置に設けられている。
また、上側保持部10Aの中心には、加熱コイル7から落下する溶湯6Aを上側保持部10Aの内部に導入する円孔状の溶湯導入口10aが厚さ方向に貫通して設けられている。
下側保持部10Bの下面の中心位置には、回転軸部2の被接続部2bと回転方向に回り止めされた状態で着脱可能に接続する接続部10Cが設けられている。接続部10Cの断面形状は、例えば、多角柱状、鍵状などの適宜の嵌合形状を採用することができる。
回転軸部2による回転方向は、遠心鋳造時には、図5における時計回り方向であるとする。
また、本実施形態では、金型保持部材10は、接続部10Cによって上側保持部10Aおよび下側保持部10Bの外形の中心軸が回転軸線Oに一致するように回転軸部2に接続されるとともに、下側保持部10Bの下面が回転軸部2の上端受け面2aによって水平になるように支持される。
以下では、締結ボルト12によって上側保持部10A、下側保持部10Bが固定され接続部10Cが被接続部2bに接続された状態での上側保持部10A、下側保持部10Bの内部の構成について説明する。
上側保持部10A、下側保持部10Bの中心部には、溶湯導入口10aを通して導入された溶湯6Aを上側保持部10Aおよび下側保持部10Bの内部に収める穴部10bが設けられている。
穴部10bは、下側保持部10B内では、溶湯受入部10cで下端側が塞がれた縦穴形状を構成している。
穴部10bに対する径方向外側には、高さ方向では上側保持部10A、下側保持部10Bの間に跨って設けられ、水平方向では、径方向外側から内側に向かうにつれて回転方向と反対側に向かって延ばされた空洞部を構成する金型収容室11が設けられている。
金型収容室11は、図5に示すように、金型15を組立解除状態で収容する第1収容部11Aと、金型15を組立状態で嵌め込む空間を第1収容部11Aに対して回転機構4の回転方向反対側に形成する第2収容部11Bとを備えている。
金型15の配置向きは、金型15が第2収容部11Bに収容された状態で、中子18の手前側側面18bが金型保持部材10の回転軸線Oに対向し、中子18の中心軸が、回転軸線Oを通る金型保持部材10の径方向に整列される向きとする。
また、金型15の配置高さは、中子18の中心軸が、上側保持部10Aおよび下側保持部10Bとの合わせ面に整列する高さとされる。
第1収容部11Aから第2収容部11Bまでの間には、金型15の奥側スライド面16e、17e、および手前側スライド面16f、17fをそれぞれスライド可能に支持する側方案内部11e、11fが水平方向に金型15の奥行きDよりもわずかに広い幅D’をあけて設けられている。
本実施形態の側方案内部11e、11fは、回転機構4の回転軸線Oと平行な平面に沿って、径方向外側から内側に向かうにつれて回転方向と反対側に向かうように延ばされている。
また、側方案内部11e、11fの第1収容部11A側の端部には、金型15の奥側側面16c、17cに対向して係止する第1収容部係止面11gが設けられている。また、側方案内部11e、11fの第2収容部11B側の端部には、金型15の手前側側面16d、17dに対向し、これらを位置決めして係止する第2収容部係止面11hが設けられている。
第1収容部係止面11gと第2収容部係止面11hとの間の水平方向の間隔は、本実施形態では、2・Wよりも大きな間隔とされている。
側方案内部11e、11fは、低摩擦の平面、あるいは先端が一定の平面上に整列された突起群、あるいは表面が一定の平面上に整列された多孔質体などを採用することができる。
本実施形態では、先端が回転機構4の回転軸線Oと平行な平面に沿って整列され、第1収容部11A側から第2収容部11B側に向かう方向に多数の山形または波形の断面を有する溝が延ばされた凹凸面によって構成されている。これにより、金型15に対する接触面積が低減されるため、摩擦力を低減することが可能となる。また、これらの溝先端における条線が金型15のスライド移動方向に沿っているため、移動方向の抵抗が低減され、円滑なスライド移動を行うことが可能となる。
また、下側保持部10Bの内部に設けられた金型収容室11の下部には、図7(a)、(b)に示すように、第1収容部係止面11gと第2収容部係止面11hとの間において、金型15の底面17aを一定の平面、本実施形態では水平面に沿って案内する底面案内部11dが設けられている。
底面案内部11dの形状は、側方案内部11e、11fと同様な構成を採用することができる。本実施形態では、先端が水平面に沿って整列され、第1収容部11A側から第2収容部11B側に向かう方向に多数の山形または波形の断面を有する溝が延ばされた凹凸面によって構成されている。これにより、側方案内部11e、11fと同様に、摩擦力および移動方向の抵抗が低減され、円滑なスライド移動を行うことが可能となる。
また、第1収容部11Aの内部に設けられた金型収容室11の上部には、図7(a)、(b)に示すように、第1収容部係止面11gから第2収容部係止面11hに向かって、第1収容部上側案内部11a、傾斜案内部11c、および第2収容部上側案内部11bがこの順に設けられている。
第1収容部上側案内部11aは、金型15の上面16aより広い範囲で、底面案内部11dから高さ(2・H+ΔH)(ただし、ΔH>0)だけ離間された平面に沿って形成され(図7(b)参照)、底面案内部11dとの間に、金型15の底面17a、上面16aを摺動可能に挟持するものである。
ここで、ΔHは、上型16の自重によって弾性部材19が圧縮されたときの型合わせ面16b、17bの間の隙間程度の寸法である。このため、第1収容部11Aにおいては、金型15は組立解除状態に収容される。
第2収容部上側案内部11bは、金型15の上面16aに重なる範囲で、底面案内部11dから高さ2・Hだけ離間された平面に沿って形成され(図7(a)参照)、底面案内部11dとの間に、金型15の底面17a、上面16aを摺動可能に挟持するものである。このため、第1収容部11Bにおいては、金型15は組立状態に収容される。
なお、第2収容部上側案内部11bが上面16aに重なる範囲は、上面16aの全範囲を覆う範囲であることが好ましいが、金型15が、第2収容部11Bに移動したときに、鋳造に支障がない程度に上型16および下型17を上下方向から押圧で、溶湯6Aの冷却に必要な伝熱特性が得られる場合には、上面16aの一部に重なる範囲でもよい。
第1収容部上側案内部11a、第2収容部上側案内部11bの形状は、側方案内部11e、11fと同様な構成を採用することができる。本実施形態では、先端が水平面に沿って整列され、第1収容部11A側から第2収容部11B側に向かう方向に多数の山形または波形の断面を有する溝が延ばされた凹凸面によって構成されている。これにより、側方案内部11e、11fと同様に、摩擦力および移動方向の抵抗が低減され、円滑なスライド移動を行うことが可能となる。
傾斜案内部11cは、第1収容部上側案内部11aの第2収容部11B側の端部と、第2収容部上側案内部11bの第1収容部11A側の端部との間で、底面案内部11dに対する対向間隔を、(2・H+ΔH)から、2・Hまで漸次低減する傾斜面に沿って形成され、底面案内部11dと併せてテーパ状案内路11C(移動案内部)を構成するものである。
すなわち、テーパ状案内路11Cは、第1収容部11Aから第2収容部11Bまでの間で、第1収容部11Aから第2収容部11Bに向かって対向間隔が漸減するように設けられている。
傾斜案内部11cの形状は、金型15の上型16に当接して、上型16の上下方向の高さを規制することができれば、適宜の形状を採用することができるが、本実施形態では滑らかな平面によって構成している。
金型収容室11と穴部10bとの間には、図5、6に示すように、穴部10bに落下された溶湯6Aを水平方向の径方向外側に導くランナー部10dが形成されている。
本実施形態のランナー部10dは、穴部10bの内周側面から、回転軸線Oを通る金型保持部材10の径方向に沿って、第2収容部11Bの側方案内部11fまで貫通されている。また、ランナー部10dの内形状は、第2収容部11Bに収容された金型15の金型面16h、17hの内周面と滑らかに接続する円孔状とされる。
以上、金型収容室11の形状について、上側保持部10A、下側保持部10Bが締結ボルト12によって連結された状態で説明したが、締結ボルト12が外されて、上側保持部10A、下側保持部10Bの連結が解除されると、金型収容室11は、合わせ面10e、10fに設けられた略角穴状の凹部に分割される。
以下では、誤解のおそれがない限り、分割された各部も、分割前と同様の名称、符号で参照する。
以上に述べたように、金型収容室11の側方案内部11e、11f、底面案内部11d、第1収容部上側案内部11a、第2収容部上側案内部11b、および傾斜案内部11cは、回転機構4によって金型保持部材10が一定方向に回転されたときに、金型収容室11内で金型15を構成する複数の部材の慣性による相対移動を規制し、組立解除状態の複数の部材を組立状態に移行させる移動案内部を構成している。
次に、遠心鋳造装置100の動作について説明する。
図8(a)、(b)、(c)は、金型保持部材の回転時に、金型が移動する様子を順を追って示す平面視の模式説明図である。
まず、図3に示すように、金型15を組立解除状態に組み付ける。
次に、この金型15を、金型15の奥側側面17cが第1収容部係止面11gに係止され、金型15の奥側スライド面17eが側方案内部11eに当接されるように、下側保持部10B側の第1収容部11A上に配置する。
そして、上方から上側保持部10Aを被せて、金型15を下側保持部10Bと上側保持部10Aとの間に挟む。このとき、金型15の奥側側面16c、奥側スライド面16eは、上側保持部10A側でも、第1収容部係止面11g、側方案内部11eにそれぞれ当接される。
この状態で、締結ボルト12を上側保持部10Aのボルト挿通孔13に挿通し、下側保持部10Bの雌ねじ部14に螺合させ、合わせ面10e、10fが互いに当接するように、上側保持部10Aと下側保持部10Bとを連結する。
このとき、図7(a)に示すように、金型15の高さは、底面案内部11dと第1収容部上側案内部11aとの間の高さ(2・H+ΔH)に規制される。このため、金型15は、第1収容部11Aで組立解除状態に収容される。このとき、弾性部材19は、上型16の自重に対応する外力が作用するため最小負荷状態に比べてわずかに圧縮されている。
次に、このように組み立てられた金型保持部材10を筐体1内の回転軸部2の上端部に接続部10Cを介して接続する。
そして、筐体1内を減圧して真空状態とし、回転機構4によって、金型保持部材10を図3における時計回りに回転させる。金型保持部材10の回転速度が十分にあがり、溶湯を供給して成形をおこなう回転数になったときに、加熱コイル7に通電して、加熱コイル7内で材料保持プレート5上に保持された金属材料6を誘導加熱する。金属材料6が磁気浮上したら材料保持プレート5を退避させ、金属材料6が溶湯6Aとなるまで誘導加熱を続ける。
回転開始時では、図8(a)に示すように、金型15は、第1収容部11Aに位置している。例えば、金型15の位置を重心Gの位置で表すと、回転開始時には重心Gは、回転軸線Oから距離Rの位置にあり、金型15の奥側スライド面16e(17e)は、側方案内部11eに当接されている。このときの側方案内部11eは、直線OGに直交する直線に対して、径方向外側から径方向内側に向かって角度θ(ただし、θ>0)だけ傾斜されている。
回転が進むと、図8(b)に示すように、側方案内部11eは回転軸線Oに対して、図示時計回りに回転するが、金型15は慣性によって元の静止位置にとどまろうとする。加えて金型15は金型収容室11内で摺動可能に収容されている。
このため、金型15は、金型保持部材10の回転が進むと、非回転系から見てある程度は回転方向にも移動するが、金型保持部材10の回転と同様には移動しないため、金型保持部材10に対しては回転方向と反対側に相対移動していく。すなわち金型収容室11内で、側方案内部11eに沿って第2収容部11B側に相対移動していく。例えば、図8(b)では、金型15は、第1収容部11Aと第2収容部11Bとの中間部に相対移動し、重心Gは回転軸線Oから距離R(ただし、R<R)の位置となる。この位置では、側方案内部11eは直線OGに直交する直線に対して角度θ(ただし、θ<θ)だけ傾斜されている。
このようにして、金型15は、金型収容室11内で、回転とともに相対的に傾斜が低減される斜面上を相対移動して、手前側側面16d(17d)が第2収容部係止面11hに当接する第2収容部11Bまで相対移動する(図8(c)参照)。
このとき、重心Gは回転軸線Oから距離R(ただし、R<R)の位置にあり、側方案内部11eは直線OGに直交する直線に対して角度θ=0(度)だけ傾斜されている。
このような水平面内(回転面内)の相対移動を円滑に行うには、金型15の慣性の大きさと、奥側スライド面16e(17e)と側方案内部11eとの間に働く摩擦力とに応じて、回転開始時の側方案内部11eの傾斜角θを適宜の大きさに設定すればよい。本実施形態では、角度θは、例えば、0度以上45度以下の角度であることが好ましい。
角度θが正の角度であると、第2収容部11Bを溶湯導入口10aにより近い位置に設けることができるため、ランナー部10dの長さをより短くできる。このためより効率的な鋳造が可能となる。
次に、このような金型15の相対移動における上下方向の動きを説明する。
回転開始時には、金型15は、第1収容部11Aに組立解除状態(図7(a)参照)で収容されており、金型保持部材10の回転により、金型15が移動して、上型16の手前側側面16d側の端部がテーパ状案内路11Cに到達するまでは、このような隙間ΔHを保った組立解除状態のまま移動していく。
上型16の手前側側面16d側の端部がテーパ状案内路11Cに到達すると、上型16、下型17には、それぞれ傾斜案内部11c、底面案内部11dから、上下方向に金型15を圧縮するような外力が作用する。このため、上型16は、下型17に向かって高さH方向に移動していき、型合わせ面16bから弾性部材19に圧縮力が外力として作用し、弾性部材19が弾性変形していき、型合わせ面16b、17bの間の隙間ΔHが、ΔHから0に向かって減少していく。
上型16の手前側側面16d側の端部がテーパ状案内路11Cを通過すると、型合わせ面16b、17bは互いに当接され(ΔH=0)組立状態となる。
このようにして、金型15は第2収容部11Bに移動され、金型収容室11に対する相対移動が停止する。これにより、手前側側面16d、17dが第2収容部係止面11hに当接して位置決めされ、金型15が第2収容部11Bに組立状態で嵌り込んだ状態となる。その後は、金型15が金型収容室11に対して相対移動できる回転方向と反対側の空間がなくなるため、金型収容室11と一体となって回転されていく。
このとき、図6に示すように、金型保持部材10のランナー部10dと金型15の金型面16h、17hとは整列され、金型保持部材10の内部に穴部10b、ランナー部10d、およびキャビティ21からなる連通空間が形成される。
次に、加熱コイル7の通電を停止し、溶湯6Aを落下させる。
溶湯6Aは、溶湯導入口10aを通して穴部10bの溶湯受入部10c上に落下し、溶湯6Aに作用する遠心力によって、連通空間内を、径方向内側から径方向外側に向かって移動していき、キャビティ21内に充填される。
キャビティ21において金型15と接触した溶湯6Aは、金型15により冷却され、充填状態で固化される。
溶湯6Aが固化されたら、回転機構4の回転を停止し、さらに成形品8が取り出し可能となる温度まで放冷し、金型保持部材10を回転軸部2から取り外して、筐体1の外部に移動させる。
次に、各締結ボルト12を取り外して、複数の部品である上側保持部10A、10Bの連結を解除する。このとき、金型15を上下方向に挟持する外力が解放され、最大負荷状態の弾性部材19からの弾性反力によって、上型16および上側保持部10Aが上方に押し上げられ、持ち上げられて、型合わせ面16b、17bが離間して、連通空間が解体される。すなわち、固化された成形品8の外周面8aやランナー部10d内で固化されたランナー固化体の表面から、金型面16h、17hやランナー部10dが離間される。
さらに、上側保持部10Aを金型15上から除去すると、弾性部材19には、上型16の自重のみが作用する負荷状態となるため、型合わせ面16b、17bの間の隙間ΔHは、金型15を下側保持部10B上に配置した鋳造前と同じ隙間まで広がる。
このように、本実施形態の締結ボルト12は、金型収容室11で組立状態に収容された金型15の複数の部材における部材対である上型16、下型17に作用する外力を解放する外力解放手段を構成している。また、第2収容部11Bを構成する複数の部品の連結を解除する手段ともなっている。
このように本実施形態では、各締結ボルト12を取り外し、上側保持部10A、下側保持部10Bを分離するのみで、成形品8およびランナー固化体の外周面が離型される。次に、中子18を成形品8の内周面8cから引き抜いて離型させることで、成形品8およびランナー固化体を取り出すことができる。
次に、ランナー固化体を切断することで、図2に示すように成形品8が得られる。
本実施形態の遠心鋳造装置100によれば、複数の部材からなる金型15を回転機構4で回転させることで、金型収容室11内で金型15を相対移動させて組立状態とし、これにより遠心鋳造を行うことができる。
組立解除状態では、金型15を鋳造時の組立状態に精度よく組み付ける必要がないので金型の組立作業が容易となり、しかも回転させるだけで迅速に金型の組立状態を実現できる。このため、遠心鋳造の作業効率を向上することができる。
また、遠心鋳造装置100では、外力解放手段である締結ボルト12と、部材対をなす上型16および下型17の間に設けられた弾性部材19の弾性反力とにより、遠心鋳造後に金型15を組立解除状態として、少なくとも成形品8の一部は、金型15から容易に離型することができる。このため、離型作業の効率を向上することができる。
また、遠心鋳造装置100では、金型15として、金型収容室11に同様の形状の組立状態と組立解除状態とで収容でき、上下方向に分割できるものであれば、金型15の内部形状やキャビティ21の形状は特に限定されない。
また、上下方向に分割される金型は、どのような成形品の形状であれ、必ず型合わせ面16b、17bのような型合わせ面を有するため、成形品の形状の変更に応じて、弾性部材取付穴の位置を変えるだけで、弾性部材を配置することができる。
また、締結ボルト12の締結位置は、金型収容室11の外側の適宜位置に設けることができる。
これらにより、遠心鋳造装置100では、種々の成形品の形状に対応した遠心鋳造を行うことが容易となる。
最大負荷状態での圧縮される弾性部材を用いるため、引っ張り方向の弾性部材を用いる場合に比べて、より少ないスペースで幅広い弾性反力の大きさに対応することができる。このため、金型15を小型化することが可能となり、小型の成形品にも好適となる。
このように、本実施形態では、遠心力で金型部材を移動させ、引っ張りバネによって離型時に遠心力と反対方向に引っ張って離型させる従来技術のように成形品の形状が限定されるといったことなく、離型性を向上することができる。
また、金型15を、金型収容室11内を移動させて、組立状態とするので、成形品の形状が限定されることなく、金型保持部材10の回転を行うことで、迅速に、金型15が鋳造可能な組立状態に配置されるため、遠心鋳造の作業効率を向上することができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る遠心鋳造装置の概略構成を示す図5のB−B断面図である。
本変形例の遠心鋳造装置101は、図1、5、9に示すように、上記第1の実施形態の遠心鋳造装置100の金型15、金型保持部材10に代えて、金型15A、金型保持部材30を備えるものである。
金型15Aは、上記第1の実施形態の上型16に代えて、上型26を備える。また、金型保持部材30は、上記第1の実施形態の金型保持部材10の上側保持部10Aに代えて、上側保持部30Aを備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
上型26は、図9に示すように、上記第1の実施形態の上型16の上面16aを、傾斜付き上面26aに変更したものである。
傾斜付き上面26aは、型合わせ面16bに対する距離が、奥側側面16c側から手前側側面16d側に向かって漸次減少する傾斜平面である。
傾斜付き上面26aの型合わせ面16bに対する傾斜角φは、本変形例では、φ=tan−1(ΔH/W)である。
上側保持部30Aは、上記第1の実施形態の上側保持部10Aの金型収容室11に代えて金型収容室31を備える。
金型収容室31は、金型収容室11の第1収容部上側案内部11a、傾斜案内部11c、第2収容部上側案内部11bを、底面案内部11dに対する高さが、第1収容部係止面11gから第2収容部係止面11hに向かって、合わせ面10eに対して傾斜角φに従って漸次低減される傾斜平面の沿って設けられた傾斜案内部31aに代えたものである。なお、第1収容部係止面11gおよび第2収容部係止面11hの底面案内部11dからの高さは、上記第1の実施形態と同様に、それぞれ、(2・H+ΔH)、2・Hである。
傾斜案内部31aの構成は、第1収容部上側案内部11a、傾斜案内部11c、第2収容部上側案内部11bと同様の構成を採用することができる。
本変形例の構成によれば、金型収容室31の内部には、水平方向では金型収容室11と同様に奥行きD’の平面視矩形の空間が形成され、鉛直方向では、底面案内部11dと傾斜案内部31aとにそれぞれ整列する平面の間の間隔が、第1収容部係止面11gから第2収容部係止面11hに向かって、(2・H+ΔH)から2・Hまで、傾斜角φにしたがって漸次減少する一続きのテーパ案内路が形成されている。
このテーパ案内路は、第1収容部係止面11gから第2収容部係止面11hに向かう幅Wの範囲では金型15Aを組立解除状態に収容する第1収容部31Aを構成しており、第2収容部係止面11hから第1収容部係止面11gに向かう幅Wの範囲では金型15Aを組立状態に収容するに第2収容部31Bを構成している。これら第1収容部31A、第2収容部31Bの間には、テーパ状案内路31Cを構成している。
このような遠心鋳造装置101によれば、上記第1の実施形態と同様にして、金型15Aを第1収容部31Aに収容してから金型保持部材30を回転機構4によって回転させることで、金型15Aを第2収容部31Bに組立状態で収容することができる。また、この状態で遠心鋳造を行った後、締結ボルト12によって、金型15Aに作用する外力を解放することで、成形品8を離型することができる。
この際、本実施形態によれば、第1収容部31Aから第2収容部31Bまでの上下方向の間隔が、一定の傾斜角φで変化されるため、より円滑に組立解除状態から組立状態に移行することができる。
また、本変形例によれば、第1収容部係止面11gと第2収容部係止面11hとの水平方向の間隔を2・Wよりも小さい設定とし、第1収容部31Aと第2収容部31Bとが互いに重なり合う位置関係とすることができる。この場合、金型収容室31を金型15Aの移動方向により短縮して省スペース化することができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る遠心鋳造装置について説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る遠心鋳造装置に用いる金型を示す模式的な分解斜視図である。図11は、本発明の第2の実施形態に係る遠心鋳造装置に用いる金型の複数の部材の一部を示す模式的な斜視図である。図12は、本発明の第2の実施形態に係る遠心鋳造装置の図1におけるA視の模式的な平面図である。図13は、本発明の第2の実施形態に係る遠心鋳造装置の金型保持部材に配置された金型の一部を示す模式的な斜視図である。図14(a)、(b)は、それぞれ、本発明の第2の実施形態に係る遠心鋳造装置の組立解除状態および組立状態の金型の配置を模式的に示す図10におけるE−E断面図である。
本実施形態の遠心鋳造装置102は、図1に示すように、上記第1の実施形態の遠心鋳造装置100の金型保持部材10に代えて金型保持部材40を備えるとともに、上記第1の実施形態の金型15に代えて、図10に示すような金型45を備えるものである。
遠心鋳造装置101で成形品8の形状は、遠心鋳造可能な適宜の形状を採用することができるが、一例として、上記第1の実施形態と同様の形状の成形品8を遠心鋳造する場合の例で説明する。
以下では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
まず、金型45について説明する。
金型45は、溶湯6Aを金型面に沿って固化させて成形品の形状を得るとともに、上記第1の実施形態の穴部10b、ランナー部10dの構成も兼ね合わせるようにしたものである。
金型45の概略構成は、図10に示すように、下部固定型51、下部可動型50、上部可動型48、上部固定型49、弾性部材19、中子18、および中子保持部材20を含む複数の部材からなる。
下部固定型51の概略形状は、図10に示すように、幅W×奥行きD×高さhの直方体ブロック状である。
下部固定型51の下面は、幅W×奥行きDの矩形平面である底面51aからなり、底面51aに対向して底面51aに平行な上下方向型合わせ面51bが対向間隔hで設けられている。底面51aと上下方向型合わせ面51bとで挟まれた側面は、概略形状が奥行きD×高さhの矩形状とされた回転方向スライド面51cおよび反回転方向スライド面51dと、概略形状が幅W×高さhの矩形状とされた奥側側面51eおよび径方向型合わせ面51fからなる。
このため、回転方向スライド面51cおよび反回転方向スライド面51dは互いに平行な平面であり、互いの対向間隔はWである。また、奥側側面51eおよび径方向型合わせ面51fは互いに平行、かつ回転方向スライド面51cおよび反回転方向スライド面51dにそれぞれ直交する平面であり、互いの対向間隔はDである。
型合わせ面51b上において、上記第1の実施形態の下型17と同様に、金型面17h、中子保持部材取付部17jが設けられている。ただし、上記第1の実施形態の型合わせ面17b、奥側スライド面17eは、それぞれ、本実施形態の上下方向型合わせ面51b、奥側側面51eに対応している。
すなわち、金型面17hおよび中子保持部材取付部17jは、回転方向スライド面51cと反回転方向スライド面51dとの間の中心部に径方向型合わせ面51fから奥側側面51eに向かって連通する溝部として形成されている。
また、中子保持部材取付部17jは、直方体状の中子保持部材20を、上下方向型合わせ面51b側および奥側側面51e側から着脱可能に嵌め込むことができるように、それぞれ上下方向型合わせ面51bおよび奥側側面51eに矩形の開口を有する直方体状の凹部からなる。
また、図11に示すように、径方向型合わせ面51f上の中心部には、弾性部材19を嵌め込んで取り付けるための弾性部材取付穴51iが設けられている。
弾性部材取付穴51iの形状は、反回転方向スライド面51dから回転方向スライド面51cに向かう方向を長手方向とする矩形の開口を有する角穴からなる。
弾性部材取付穴51iの深さは、弾性部材取付穴51iに取り付けられた弾性部材19が径方向型合わせ面51fの対向方向から外力を受けて弾性変形されたときに、弾性部材19が弾性部材取付穴51i内に収容可能とされ、弾性部材19に作用する外力が解放されたときに、弾性部材19が径方向型合わせ面51fより外側に最大Δhだけ突出される深さに設けられる。
また、径方向型合わせ面51fの四隅には、径方向型合わせ面51fから、径方向型合わせ面51fに直交する方向に沿って延びる凹部からなる位置決めガイド51gが設けられている。
下部可動型50の概略形状は、図10に示すように、幅W×奥行きd×高さhの直方体ブロック状である。
下部可動型50の下面は、幅W×奥行きdの矩形平面である下側スライド面50aからなり、下側スライド面50aに対向して下側スライド面50aに平行な上下方向型合わせ面50bが対向間隔hで設けられている。下側スライド面50aと上下方向型合わせ面50bとで挟まれた側面は、概略形状が奥行きd×高さhの矩形状とされた回転方向スライド面50cおよび反回転方向スライド面50dと、概略形状が幅W×高さhの矩形状とされた径方向型合わせ面50eおよび手前側側面50fからなる。
このため、回転方向スライド面50cおよび反回転方向スライド面50dは互いに平行な平面であり、互いの対向間隔はWである。また、径方向型合わせ面50eおよび手前側側面50fは互いに平行、かつ回転方向スライド面50cおよび反回転方向スライド面50dにそれぞれ直交する平面であり、互いの対向間隔はdである。
上下方向型合わせ面50b上の中央部には、略円形の溶湯受入部底面50jと、この溶湯受入部底面50jの外周から上下方向型合わせ面50bに向かって延ばされた径方向型合わせ面50eとによって、略円穴状の凹部が形成されている。
径方向型合わせ面50e側の溶湯受入部内周面50iと径方向型合わせ面50eとの間には、金型面17hと同様な円弧断面形状を有し、上下方向型合わせ面50b側に開口する凹溝からなるランナー部50hが貫通して設けられている。
ランナー部50hの径方向型合わせ面50e側の位置は、後述するように径方向型合わせ面50eを、下部固定型51の径方向型合わせ面51fに当接させたときに、金型面17hの端部の円弧形状と整列する位置に設けられている。
また、径方向型合わせ面50eの四隅には、下部固定型51の各位置決めガイド51gに嵌合し、下部可動型50の幅W方向および奥行きdに沿う方向(以下、奥行きd方向と称する)に位置決めする4つの位置決め突起50gが突設されている。
本実施形態の各位置決め突起50gは、各位置決めガイド51gに嵌合する四角柱状の形状とされ、嵌合状態で、図10に示すように、下部可動型50の上下方向型合わせ面50b、回転方向スライド面50c、反回転方向スライド面50d、および径方向型合わせ面50eが、それぞれ下部固定型51の上下方向型合わせ面51b、回転方向スライド面51c、反回転方向スライド面51d、および奥側側面51eに整列されるようになっている。
また、位置決め突起50gおよび位置決めガイド51gは、適宜の嵌合寸法にされており、この嵌合状態では、径方向型合わせ面50e、51fの対向方向であるそれぞれの奥行きd(D)に沿う方向(以下、奥行きd(D)方向と称する)に摺動移動することが可能になっている。
また、各位置決め突起50gおよび各位置決めガイド51gの奥行きd(D)方向の寸法は、嵌合状態における径方向型合わせ面50e、51fの間の対向距離Δdを、弾性部材19の最大突出高さΔdよりも大きな距離からΔd=0まで、変化させることができる移動代を有する寸法に設けられる。本実施形態では、金型保持部材10がΔdだけ突出された状態を弾性部材19の最小負荷状態と称する。
なお、下部可動型50の詳細形状は、奥行きd方向において、下部可動型50の重心位置G(図12参照)が溶湯導入口46aの中心位置(回転軸線Oの位置)よりも径方向型合わせ面50e側に位置するように形成しておく。
これにより、下部可動型50および下部固定型51の各位置決め突起50gおよび各位置決めガイド51gを嵌合させることで、下部可動型50および下部固定型51は、奥行きd(D)方向に沿って摺動移動可能な状態で、幅W方向および高さh方向に位置決めされる。
また、このような位置決め状態で、ランナー部50hの径方向型合わせ面50e側の開口および金型面17hの径方向型合わせ面51f側の開口とは、互いに重なり合って対向する位置関係に設けられている。
このため、径方向型合わせ面50e、51fが互いに当接するとき、ランナー部50h、金型面17hは、後述する受入部固化体81の外周面および成形品8の外周面8aに対応する半円筒形状を構成できるようになっている。
このように、下部固定型51の弾性部材取付穴51iに弾性部材19が配置され、下部固定型51と下部可動型50とを嵌合させた部分組立体は、下型47を構成している。
上部固定型49は、下部固定型51とまったく同様な形状を有し、下部固定型51と面対称な位置関係に配置された点のみが異なる部材であるため説明は省略する。
ただし、上部固定型49では、説明の便宜上、一部の名称を以下のように呼び代えることにする。すなわち、下部固定型51の底面51a、上下方向型合わせ面51b、回転方向スライド面51c、反回転方向スライド面51d、金型面17h、中子保持部材取付部17jに対応する部位を、それぞれ、上面49a、上下方向型合わせ面49b、反回転方向スライド面49d、回転方向スライド面49c、金型面16h、中子保持部材取付部16jと呼び代える。
上部可動型48は、図10に示すように、下部可動型50と同様の外形を有している。すなわち、上部可動型48の概略形状は、幅W×奥行きd×高さhの直方体ブロック状であり、上部可動型48の上面は、幅W×奥行きdの矩形平面である上側スライド面48aからなり、上側スライド面48aに対向して上側スライド面48aに平行な上下方向型合わせ面48bが対向間隔hで設けられている。上側スライド面48aと上下方向型合わせ面48bとで挟まれた側面は、概略形状が奥行きd×高さhの矩形状とされた回転方向スライド面48cおよび反回転方向スライド面48dと、概略形状が幅W×高さhの矩形状とされた径方向型合わせ面48eおよび手前側側面48fからなる。
このため、回転方向スライド面48cおよび反回転方向スライド面48dは互いに平行な平面であり、互いの対向間隔はWである。また、径方向型合わせ面48eおよび手前側側面48fは互いに平行、かつ回転方向スライド面48cおよび反回転方向スライド面48dにそれぞれ直交する平面であり、互いの対向間隔はdである。
上下方向型合わせ面48bには、図14(a)に断面を示すように、凹穴部48jが設けられている。上下方向型合わせ面48bにおける凹穴部48jの開口は、上下方向型合わせ面48bを下部可動型50の上下方向型合わせ面50bとちょうど重なるように位置合わせしたときに、下部可動型50の溶湯受入部内周面50iによる開口と同じ大きさ、同じ位置となるように形成されている。
凹穴部48jの中心部には、上側スライド面48aまで貫通する凹穴部48jよりも小さい内径の円孔からなる溶湯導入口46aが設けられている。
また、径方向型合わせ面48e側の凹穴部48jの側方内周面48iと径方向型合わせ面48eとの間には、金型面16hと同様な円弧断面形状を有し、上下方向型合わせ面48b側に開口する凹溝からなるランナー部48hが貫通して設けられている。
ランナー部48hの径方向型合わせ面48e側の位置は、後述するように径方向型合わせ面48eを、上部固定型49の径方向型合わせ面51fに当接させたときに、金型面16hの端部の円弧形状と整列する位置に設けられている。
また、径方向型合わせ面48eの四隅には、下部可動型50と同様の位置決めガイド51gがそれぞれ突設されている。
これにより、上部可動型48および上部固定型49の各位置決め突起50gおよび各位置決めガイド51gを嵌合させることで、上部可動型48および上部固定型49は、下部可動型50および下部固定型51と同様に、奥行きd(D)方向に沿って摺動移動可能な状態で、幅W方向および高さh方向に位置決めされる。
すなわち、上部可動型48の上側スライド面48a、上下方向型合わせ面48b、回転方向スライド面48c、反回転方向スライド面48d、およびランナー部48hが、それぞれ、上部固定型49の上面49a、上下方向型合わせ面49b、回転方向スライド面49c、反回転方向スライド面49d、および金型面16hに整列される。
なお、上部可動型48の詳細形状は、奥行きd方向において、上部可動型48の重心位置G(図12参照)が溶湯導入口48aの中心位置よりも径方向型合わせ面48e側に位置するように形成しておく。
このように、上部固定型49の弾性部材取付穴51iに弾性部材19が配置され、上部固定型49と上部可動型48とを嵌合させた部分組立体は、上型46を構成している。
本実施形態の金型45は、下型47の上下方向型合わせ面50b、51bの上に、それぞれ上型46の上下方向型合わせ面48b、49bをそれぞれ当接させるとともに、下部可動型50および下部固定型51、上部可動型48および上部固定型49のそれぞれの間で対向する径方向型合わせ面50e、51fを当接状態とすることで、内部に、図14(b)に示すように、溶湯導入口46aで開口し、溶湯受入空間52、ランナー空間53、およびキャビティ21が連通する連通空間が形成されるようになっている。
このように、上下方向型合わせ面48b、49bが互いに当接され、径方向型合わせ面50e、51fが当接状態とされた場合を、金型45の組立状態と称する。
この組立状態の連通空間は、上下方向型合わせ面48b、49bが離間するか、または径方向型合わせ面50e、51fが離間状態となるとき解体される。
本実施形態では、弾性部材19が間に設けられた径方向型合わせ面50e、51fが離間状態となって、連通空間が解体される状態を金型45の組立解除状態と称する
金型保持部材40は、図1に示すように、上記第1の実施形態の金型保持部材10の上側保持部10A、下側保持部10Bに代えて、上側保持部40A、下側保持部40Bを備える。以下、上記第1の実施形態と同様に、締結ボルト12によって上側保持部40A、下側保持部40Bが固定され、接続部10Cが被接続部2bに接続された状態での上側保持部40A、下側保持部40Bの構成について説明する。
上側保持部40Aおよび下側保持部40Bの外形状は、それぞれ上側保持部10A、下側保持部10Bと同様である。すなわち、上側保持部40Aの下側に設けられた合わせ面40eと、下側保持部40Bの上側に設けられた合わせ面40fとが互いに当接して積層され、全体として円板状とされている。また、上側保持部40Aの中心には、加熱コイル7から落下される溶湯6Aを金型保持部材40の内部に導入する円孔状の溶湯導入口40aが厚さ方向に貫通して設けられている。
溶湯導入口40aの中心は、回転軸線Oと一致する位置関係に設けられている。
また、溶湯導入口40aの大きさは、上部可動型48の溶湯導入口46aと同程度の大きさを有している。
また、上側保持部40Aおよび下側保持部40Bの内部形状は、上側保持部10Aおよび下側保持部10Bの内部のランナー部10dが削除され、金型収容室11に代えて、金型収容室41を備える。
金型収容室41は、図12、13、および図14(a)、(b)に示すように、金型45を、組立解除状態と組立状態との間で切替可能に収容する直方体状の空間からなる。
金型収容室41の平面視の形状は、図12に示すように、手前側係止面41b、奥側係止面41a、回転方向側案内部41c、および反回転方向側案内部41dで囲まれた径方向に細長い幅W’×奥行き(D+d+Δd)の矩形状とされる。ここで、幅W’は、金型45の幅Wよりもわずかに広い幅である。
手前側係止面41bおよび奥側係止面41aは、溶湯導入口40aの下方側において平面視で溶湯導入口40aを間に挟む位置に、径方向に対向して設けられている。
また、回転方向側案内部41c、反回転方向側案内部41dは、溶湯導入口40aの下方側において平面視で回転軸線O(溶湯導入口40aの中心軸線)を通り径方向に延びる仮想平面と平行、かつ面対称な位置関係に対向して設けられている。回転方向側案内部41c、反回転方向側案内部41dは、手前側係止面41bから奥側係止面41aを見たときに、それぞれ回転方向側、反回転方向側に設けられている。
また、手前側係止面41bの平面視の位置は、手前側係止面41bに上部可動型48、下部可動型50の手前側側面50f、48fがそれぞれ当接したときに、溶湯導入口40aの中心と、溶湯導入口46aの中心とが同軸となる位置に設けられている。
したがって、金型収容室41は、組立解除状態の金型45を、回転方向スライド面48c、49c、50c、51cが回転方向側案内部41cに対向し、反回転方向スライド面48d、49d、50d、51dが反回転方向側案内部41dに対向し、各奥側側面51eが奥側係止面41aに当接するように収容することができる。
すなわち、金型収容部41は、回転機構4の回転軸線Oに直交する方向に沿って金型保持部材40の中心部から外周部に延ばして設けられている。
金型収容部41は、図12に示すように、金型保持部材40の外周部側で、金型45を構成する複数の部材の一部をなす上部固定型49および下部固定型51をそれらの間では組立状態に保持する外周側保持部41Aと、金型保持部材40の中心部側で、金型45を構成する複数の部材の他をなす上部可動型48および下部可動型50それらの間では組立状態を保持する中心側保持部41Bを備えている。外周側保持部41Aおよび中心側保持部41Bでそれぞれ保持された上部固定型49、下部固定型51、上部可動型48、および下部固定型51は、全体としては、組立解除状態に保持されている。
また、中心側保持部41Bでは、上部可動型48の重心G、下部可動型50の重心Gは、回転軸線Oに対して、外周側保持部41A側に偏心されている。
図13には、組立解除状態における下型47、中子18、および中子保持部材20が、下側保持部40Bの金型収容室41に収容されている様子を示す。
金型収容部41の手前側係止面41b、奥側係止面41a、回転方向側案内部41c、および反回転方向側案内部41dは、図14(a)に示すように、上側保持部40Aおよび下側保持部40Bにそれぞれ深さhの範囲に跨って形成されており、締結ボルト12を緩めて上側保持部40A、下側保持部40Bの連結を解除すると、それぞれの中間部で上側保持部40A側、下側保持部40B側にそれぞれ分割される。
下側保持部40Bには、合わせ面40fから深さhの下方位置に、手前側係止面41b、奥側係止面41a、回転方向側案内部41c、および反回転方向側案内部41dで囲まれるとともに水平面に沿って延ばされた底面案内部41eが設けられている。
底面案内部41eは、下部可動型50の下側スライド面50aを水平方向に摺動移動可能に案内するとともに、下部固定型51の底面51aに下方から当接するものである。
底面案内部41eの構成としては、上記第1の実施形態の底面案内部11dと同様な構成を採用することができる。ただし、本実施形態では、下部固定型51の底面51aは、後述するように摺動移動可能に支持する必要がないため、底面51aの当接範囲に限っては、摩擦抵抗の大きな平面としてもよい。
上側保持部40Aには、合わせ面40eから高さhの上方位置に、手前側係止面41b、奥側係止面41a、回転方向側案内部41c、および反回転方向側案内部41dで囲まれるとともに水平面に沿って延ばされた上面案内部41fが設けられている。
上面案内部41fは、上部可動型48の上側スライド面48aを水平方向に摺動移動可能に案内するとともに、上部固定型49の上面49aに上方から当接するものである。
上面案内部41fの構成としては、底面案内部41eと同様な構成を採用することができる。
したがって、金型収容部41の上面案内部41f、底面案内部41e、回転方向側案内部41c、および反回転方向側案内部41dは、回転機構4によって金型保持部材40が一定方向に回転されたときに、金型収容室41内で金型45を構成する複数の部材の慣性による相対移動を規制し、組立解除状態の複数の部材を組立状態に移行させる移動案内部を構成している。また、中心側保持部41Bから外周側保持部41Aに向かって、複数の部材の他である上部可動型48および下部可動型50を回転軸線Oに直交する方向に沿って移動可能に案内する径方向移動案内部を構成している。
次に、遠心鋳造装置102の動作について説明する。
図15は、本発明の第2の実施形態に係る遠心鋳造装置の金型から離型された成形品の一例を示す模式的な斜視図である。
まず、上型46および下型47をそれぞれ組み付ける。すなわち、上部可動型48の各位置決め突起50gを、上部固定型49の各位置決めガイド51gに嵌合させ、下部可動型50の各位置決め突起50gを、下部固定型51の各位置決めガイド51gに嵌合させる。
次に、この下型47を、下側保持部40B側の金型収容室41に配置し、中子18が組み付けられた中子保持部材20を下部固定型51の中子保持部材取付部17jに嵌合させる(図13参照)。
次に、中子18および中子保持部材20を間に挟んで、下型47の上下方向型合わせ面50b、51b上に、上下方向型合わせ面48b、49bがちょうど重なるように上型46を配置する。
そして、これらの上方から、上側保持部40A側の金型収容室41内に上型46が収容されるように上側保持部40Aを被せ、締結ボルト12を上側保持部40Aのボルト挿通孔13に挿通し、下側保持部40Bの雌ねじ部14に螺合させ、上側保持部40Aを下側保持部40Bに組み付ける(図14(a)参照)。
これにより、上側保持部40A、下側保持部40Bの合わせ面40e、40fが互いに当接されて金型保持部材40が形成され、金型保持部材40の内部に金型収容室41が形成される。
このとき、上型46および下型47は、上下方向では、金型保持部材40の上面案内部41fと底面案内部41eとの間で挟持されるため、上下方向型合わせ面48b、50b、および上下方向型合わせ面49b、51bがそれぞれ互いに当接された状態で金型収容室41内に配置される。また、少なくとも、上部可動型48および下部可動型50は、径方向に摺動移動可能に挟持されている。
また、上型46および下型47は、金型保持部材40の径方向には、隙間Δdをあけて対向されているため、上部可動型48および上部固定型49の間に配置された弾性部材19と、下部可動型50および下部固定型51の間に配置された弾性部材19とは、いずれも最小負荷状態となっている。
すなわち、金型45は、金型収容室41内で組立解除状態に収容される。
次に、このように組み立てられた金型保持部材40を、上記第1の実施形態と同様にして、回転軸部2に接続し、また同様に、金属材料6の誘導加熱し、金型保持部材40を回転させる。
金型保持部材40が回転し始めると、金型45は慣性によって回転方向と反対側の反回転方向側案内部41dに押圧され、金型保持部材40とともに回転を開始する。
金型45は、金型収容室41の奥側係止面41aおよび手前側係止面41bによって、回転円の接線方向に案内され、回転方向側案内部41c、反回転方向側案内部41dによって回転軸線Oに直交する径方向に案内されているため、外力として回転による遠心力を受け、金型45の各部材が径方向外側に付勢される。
この結果、奥側係止面41aに当接されている上部固定型49、下部固定型51は、奥側係止面41aおよび反回転方向側案内部41dに押圧され、外周側保持部41Aの内部に沿って係止された状態で回転する。
一方、上部可動型48および下部可動型50は、金型収容部41の中心側保持部41B内で径方向外側には自由に摺動移動できるため、回転が進むにつれて、反回転方向側案内部41d、底面案内部41e、上面案内部41fに沿って径方向外側に移動される。
これにより、径方向型合わせ面48e、50eが、それぞれ径方向型合わせ面49f、51fに当接し、金型45は金型収容室41内で組立状態とされる。
このとき、図14(b)に示すように、ランナー部48hと上部固定型49の金型面16h、ランナー部50hと下部固定型51の金型面17hが整列し、金型45の内部に、溶湯受入空間52、ランナー空間53、およびキャビティ21からなる連通空間が形成される。
なお、上部可動型48の移動に伴って、図14(b)に示すように、上側保持部40Aの溶湯導入口40aに対して、溶湯導入口48aが径方向外側にずれる。この移動量はΔdとなり溶湯導入口40aの内径に比べて十分小さいため溶湯導入口40a、48aは、加熱コイル7側から見て、十分広く開口し溶湯6Aの落下には支障ないようになっている。
この状態で、加熱コイル7の通電を停止し、溶湯6Aを落下させる。
溶湯6Aは、溶湯導入口40aを通して溶湯受入空間52の溶湯受入部底面50j上に落下する。落下された溶湯6Aは、溶湯6Aに作用する遠心力によって、連通空間内を、径方向内側から径方向外側に向かって移動していき、ランナー空間53を通ってキャビティ21内に充填される。
金型45と接触した溶湯6Aは、金型45により冷却され、連通空間の内部で、連通空間の内部形状に沿って固化される。
溶湯6Aが固化されたら、モータ制御部3bを介して回転機構4の回転を停止する。
これにより、金型45に作用する外力である遠心力が消失する。同時に、奥側係止面41aからの反作用も消失し、上部可動型48および下部可動型50と、下部可動型50および下部固定型51とから、弾性部材19に作用する外力が消失する。このため、上部可動型48、下部可動型50の径方向型合わせ面48e、50eには、弾性部材19の最大負荷状態の弾性反力が作用する、この結果、上部可動型48、下部可動型50が径方向内側に移動され、連通空間が解体される。
このとき、上部可動型48および下部可動型50の内部には、溶湯受入空間52およびランナー空間53内でも溶湯6Aが固化されている。このため、図15に示すような受入部固化体81、ランナー固化体80が、キャビティ21内で固化された成形品固化体8Aと一体化された固化体6Bが形成されている。
本実施形態では、ランナー空間53は、溶湯受入空間52を形成する側方内周面48i、50iの一部にあけられた貫通孔であるため、受入部固化体81は、側方内周面48iおよび溶湯受入部内周面50iの少なくともいずれかに沿って固化され、これらの内周面に係止される形状となる。
したがって、固化体6Bは、上部可動型48および下部可動型50とともに移動し、固化体6Bの一部をなす成形品固化体8Aは、キャビティ21の内周面から剥離される。
このため、回転機構4の回転を停止するだけで、金型保持部材40の連結を解除することなく、成形品固化体8Aが上部固定型49および下部固定型51から離型される。
このように、本実施形態のモータ制御部3bは、金型収容室41で組立状態に収容された金型45の複数の部材における部材対である、上部可動型48および上部固定型49と、下部可動型50および下部固定型51から弾性部材19に作用する外力を解放する外力解放手段を構成している。
さらに、金型保持部材40を固化体6Bが取り出し可能となる温度まで放冷し、金型保持部材40を回転軸部2から取り外して、筐体1の外部に移動させ、締結ボルト12を取り外して、上側保持部40Aを除去し、金型45を下側保持部40Bから取り外して、各部材を分解する。これにより、固化体6Bの全体が、金型45から離型される。
次に、固化体6Bのランナー固化体80を成形品固化体8Aから切断することで、図2に示すように成形品8が得られる。
本実施形態の遠心鋳造装置102によれば、複数の部材からなる金型45を回転機構4で回転させることで、金型収容室41内で金型45を相対移動させて組立状態とし、これにより遠心鋳造を行うことができる。
組立解除状態では、金型45を鋳造時の組立状態に精度よく組み付ける必要がないので金型の組立作業が容易となり、しかも回転させるだけで迅速に金型の組立状態を実現できる。このため、遠心鋳造の作業効率を向上することができる。
また、遠心鋳造装置102では、外力解放手段であるモータ制御部3bと、部材対をなす上部可動型48(下部可動型50)および上部固定型49(下部固定型51)の間に設けられた弾性部材19とを備えることで、モータ制御部3bによって回転機構4の回転を停止するのみで、金型45を組立解除状態として固化体6Bを上部固定型49および下部固定型51から離型することができる。このため、離型作業の効率を向上することができる。
本実施形態の遠心鋳造装置102は、記第1の実施形態の遠心鋳造装置100が金型15の組立解除状態における離間方向が金型15に遠心力が作用する方向と交差する方向(実施形態では直交する方向)であるのに対して、金型45の組立解除状態における離間方向が金型45に遠心力が作用する方向に沿っている場合の例となっている。
金型45として、金型収容部41に同様の形状の組立状態と組立解除状態とで収容でき、遠心力が作用する方向に分割できるものであれば、金型45の内部形状やキャビティ21の形状は特に限定されない。
また、本実施形態では、金型45の分割位置が、ランナー空間53とキャビティ21との境界位置である場合の例で説明したが、ランナー空間53やキャビティ21の中で分割されるようになっていてもよい。
また、弾性部材19の配置位置も、成形品の形状の変更に応じて、弾性部材取付穴の位置を変えるだけでよいので、適宜の位置に弾性部材を配置することができる。
これらにより、遠心鋳造装置102では、種々の成形品の形状に対応した遠心鋳造を行うことが容易となる。
また、第1の実施形態と同様に、最大負荷状態での圧縮される弾性部材を用いるため、引っ張り方向の弾性部材を用いる場合に比べて、より少ないスペースで幅広い弾性反力の大きさに対応することができる。このため、金型15を小型化することが可能となり、小型の成形品にも好適となる。
このように、本実施形態では、遠心力で金型部材を移動させ、引っ張りバネによって離型時に遠心力と反対方向に引っ張って離型させる従来技術のように成形品の形状が限定されるといったことなく、離型性を向上することができる。
なお、上記の説明では、金属材料6は特に限定されないとしたが、金属材料6として、例えば、温度幅20℃以上のガラス遷移領域を有する非晶質合金となる材料も好適である。(以下では、非晶質合金の中でも温度幅20℃以上のガラス遷移領域を有する合金を、金属ガラスと称する。)
金属ガラスは、複数の金属元素からなる金属原料の溶湯を、臨界冷却速度以上でガラス遷移温度以下になるまで急速冷却することにより形成される。非晶質合金は通常の結晶金属に見うけられるような結晶粒界を有さず、結晶粒界を起因とした粒界腐食(結晶粒界に沿って腐食が進行する現象)を生じないことから、耐食性に優れている。更に、結晶金属のような凝固収縮の発生が少ないことから、成形金型に対する高精度な転写性を有し、かつ熱に対して低膨張である。また、その物性として低ヤング率・高強度・高弾性であることが知られている。
また、金属ガラスは金属材料が以下の(I)〜(III)の3条件を満足している場合に得られやすいもので、上記の非晶質合金の特性のみにより決まるものではない。
(I)3種類以上の金属元素を含むこと。
(II)前記3種以上の金属元素が、12%以上異なる原子径を有すること。例えば、大、中、小の大きさの金属元素が互いに12%以上異なる原子径を有すること。
(III)各金属元素が化合物化しやすいこと。すなわち、それぞれの金属元素が互いに引きあう性質を有すること。
金属ガラスとしては、ジルコニウム(Zr)基合金、鉄(Fe)基合金、チタン(Ti)基合金、マグネシウム(Mg)基合金などが挙げられる。
金属ガラスは、上記で述べた非晶質合金の特性に加え、通常の非晶質合金よりもガラス遷移領域が大きく臨界冷却速度が遅いといった特徴を持っている。
このため、溶湯を短時間のうちにキャビティ内に移動して急冷できる遠心鋳造は、金属ガラスの成形に適している。その際、金属ガラスは、高精度な転写性を有するため、成形品の表面と金型面との密着力が高いため、離型しにくくなる場合があり、無理に離型させると金型や中子を傷つけるおそれがあった。しかしながら、上記の各実施形態のような遠心鋳造装置によれば、弾性部材19によって容易に離型されるので、離型作業が円滑かつ容易なものとなる。
また、上記の説明では、金型収容室の内部は、平面でも凹凸面でもよいとして説明したが、金型を組立状態に保持する部位、すなわち、上記第1の実施形態の第2収容部や、上記第2の実施形態の外周側保持部では、良好な放熱性が得られる点では、金型の外周面に密着しやすい平面を採用することが好ましい。
また、上記第1の実施形態の第2収容部11Bにおける底面案内部11d、第2収容部上側案内部11bは、平面とすることで、金型に均一な押圧力を加えやすいという利点もある。
また、上記の説明では、金型の移動案内部は、金型の相対移動方向に沿う金型の外周面すべてを摺動移動可能に案内する場合の例で説明したが、上記の説明のように、離間される複数の部材の間に、例えば、位置決め突起16g、50g、位置決めガイド17g、51gなどの離間方向の摺動移動を位置決め状態に案内する嵌合構造を備えている場合には、金型の慣性や、弾性部材19の弾性反力によって、移動中に押し付けられる方向のみで案内するようにしてもよい。
例えば、上記第1の実施形態では、側方案内部11fは削除したり、側方案内部11fが手前側スライド面16f、17fから離間する位置に設けて、実質的に移動案内部とならないようにしてもよい。また、同様に上記第2の実施形態では、回転方向側案内部41cは削除したり、回転方向側案内部41cが回転方向スライド面48c、49c、50c、51cから離間する位置に設けて、実質的に移動案内部とならないようにしてもよい。
厚さHでなくてもよい
また、上記の第1の実施形態の説明では、外力解放手段が、締結ボルト12である場合の例で説明したが、外力解放手段は、締結手段に限定されるものではなく、例えば、上側保持部10A、下側保持部10Bを上下方向に着脱可能に挟持するクランプ機構なども採用することができる。
また、上記の各実施形態、変形例で説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせて実施することができる。
例えば、上記第2の実施形態の上型46および下型47の間に、弾性部材19を配置し、上面案内部41fに、適宜の傾斜案内部を設け、上型46および下型47を上下方向に押圧する上記第1の実施形態またはその変形例と同様なテーパ状案内路を形成してもよい。
2 回転軸部
3b モータ制御部(外力解放手段)
4 回転機構
6A 溶湯
6B 固化体
8 成形品
8A 成形品固化体
10、30、40 金型保持部材
10A、30A、40A 上側保持部
10B、40B 下側保持部
10a、40a、46a 溶湯導入口
10c 溶湯受入部
10d、48h、50h ランナー部
11、31、41 金型収容室
11A、31A 第1収容部
11B、31B 第2収容部
11C、31C テーパ状案内路(移動案内部)
11a 第1収容部上側案内部(移動案内部)
11b 第2収容部上側案内部(移動案内部)
11c、31a 傾斜案内部(移動案内部)
11d 底面案内部(移動案内部)
11e、11f 側方案内部(移動案内部、スライド案内部)
12 締結ボルト(外力解放手段)
15、15A、45 金型
16、26、46 上型
16b、17b 型合わせ面
16g、50g 位置決め突起
16h、17h 金型面
17、47 下型
17g、51g 位置決めガイド
18 中子
19 弾性部材
20 中子保持部材
21 キャビティ(キャビティ部)
41c 回転方向側案内部(移動案内部、径方向移動案内部)
41d 反回転方向側案内部(移動案内部、径方向移動案内部)
41e 底面案内部(移動案内部、径方向移動案内部)
41f 上面案内部(移動案内部、径方向移動案内部)
48 上部可動型
48e、50e、49f、51f 径方向型合わせ面
48i 側方内周面(溶湯受入部、ランナー固化体保持部)
48j 凹穴部(溶湯受入部)
49 上部固定型
50 下部可動型
50i 溶湯受入部内周面(溶湯受入部、ランナー固化体保持部)
50j 溶湯受入部底面(溶湯受入部)
51 下部固定型
52 溶湯受入空間
53 ランナー空間
80 ランナー固化体
81 受入部固化体
100、101、102 遠心鋳造装置
O 回転軸線

Claims (4)

  1. 複数の部材で組み立てられ、この組立状態で内部に溶湯を充填する連通空間を形成する金型と、該金型を前記組立状態に保持する金型保持部材と、該金型保持部材を回転させる回転機構とを有する遠心鋳造装置であって、
    前記金型の前記複数の部材のうち前記組立状態で互いに当接する部材対の間に設けられ、該部材対から作用する外力に応じて弾性変形して、前記部材対が互いに当接する状態と、前記部材対が互いに離間する状態とを形成する弾性部材と、
    前記金型保持部材の内部に設けられ、前記複数の部材の相対位置が、前記部材対が互いに離間して前記連通空間が解体された組立解除状態、または前記組立状態となるように、前記複数の部材を収容する金型収容室と、
    前記回転機構によって前記金型保持部材が一定方向に回転されたときに、前記金型収容室内で前記複数の部材の慣性による相対移動を規制し、前記組立解除状態の前記複数の部材を前記組立状態に移行させる移動案内部と、
    前記部材対から前記弾性部材に作用する前記外力を解放する外力解放手段とを備えることを特徴とする遠心鋳造装置。
  2. 前記金型収容室は、
    前記複数の部材を前記組立解除状態で収容する第1収容部と、
    複数の部品を連結して構成され、前記複数の部材を前記組立状態で嵌め込む空間を、前記第1収容部に対して前記回転機構の回転方向反対側に形成する第2収容部とを備え、
    前記移動案内部は、
    前記回転機構の回転軸線と平行な平面に沿って、前記複数の部材を前記第1収容部から前記第2収容部へスライド移動させるスライド案内部と、
    前記第1収容部から前記第2収容部までの間で、前記第1収容部から前記第2収容部に向かって対向間隔が漸減するように設けられたテーパ状案内路とを備え、
    前記外力解放手段は、
    前記第2収容部の前記複数の部品の連結を解除する手段からなることを特徴とする請求項1に記載の遠心鋳造装置。
  3. 前記金型収容室は、
    前記回転機構の回転軸線に直交する方向に沿って前記金型保持部材の中心部から外周部に延ばして設けられ、
    該外周部には、前記複数の部材の一部をそれらの間では前記組立状態の相対位置関係となるように保持する外周側保持部を備え、
    前記中心部には、前記外周側保持部に対向して、前記複数の部材の他を、その重心が前記回転軸線に対して前記外周側保持部側に偏心されるとともに、前記複数の一部に対して前記組立解除状態の相対位置関係となるように保持する中心側保持部を備えており、
    前記移動案内部は、
    前記中心側保持部から前記外周側保持部に向かって、前記複数の部材の他を前記回転軸線に直交する方向に沿って移動可能に案内する径方向移動案内部を備え、
    前記外力解放手段は、
    前記回転機構の回転を停止する手段であることを特徴とする請求項1に記載の遠心鋳造装置。
  4. 前記連通空間は、
    前記溶湯を受け入れる溶湯受入部と、前記溶湯を鋳造品形状に成形するキャビティ部と、前記溶湯受入部と前記キャビティ部との間を連通させるランナー部とを含んで形成され、
    前記複数の部材の他は、
    前記溶湯受入部および前記ランナー部を構成する部材または部材群を含むとともに、
    前記溶湯受入部または前記ランナー部には、前記組立状態において前記ランナー部内で固化されたランナー固化体を、前記組立解除状態でも保持するランナー固化体保持部を備えることを特徴とする請求項3に記載の遠心鋳造装置。
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