JP2010283934A - 三相交流電動機の制御装置 - Google Patents

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恭士 中村
Kazuo Aoki
一雄 青木
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Abstract

【課題】基板上におけるデッドスペースを有効に利用して基板面積を低減することができる三相交流電動機の制御装置を提供する。
【解決手段】電力供給回路80は、一次回路81と、一次回路81に第一上段トランスT1を介して結合されるとともに第一上段駆動回路21に接続される上段二次回路82と、上段二次回路82に第二上段トランスT2を介して結合されるとともに第二上段駆動回路22に接続される上段三次回路83とを有し、一次回路領域7と、第一上段回路領域61と、第二上段回路領域62とを備え、第一上段トランスT1は、一次回路領域7と第一上段回路領域61との間に形成された絶縁領域を架け越して配置されるととともに、第二上段トランスT2は、第一上段回路領域61と第二上段回路領域62との間に形成された絶縁領域を架け越して配置されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、三相交流電動機の制御装置に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車などの駆動力源としての三相交流電動機は、インバータ回路を備えた制御装置により制御される。このような三相交流電動機の制御装置は、例えば、図7に示されるように、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を有するインバータ回路100と、IGBTを駆動するゲート駆動回路を有するIGBT駆動回路200と、モータ制御回路300とを備えて構成される。この構成では、インバータ回路100には、高圧直流電源から直流電圧が供給される。また、モータ制御回路300は、IGBTのゲートを駆動する駆動信号を生成する。そして、IGBT駆動回路200が有する各ゲート駆動回路は、モータ制御回路300により生成された駆動信号に基づいて各IGBTを駆動し、IGBTの駆動により生成された交流電圧(三相交流U、V、W)がインバータ回路100から出力される。
ところで、上記のような三相交流電動機の制御装置においては、各IGBTは高電圧となる上に互いに独立して動作するため、IGBTを駆動する各ゲート駆動回路は適切な絶縁距離を隔てて配置される必要がある。また、モータ制御回路300は、インバータ回路100やIGBT駆動回路200の動作電圧より遥かに低い電圧で動作するため、各ゲート駆動回路は、モータ制御回路300等が設けられる低電圧回路領域とも適切な絶縁距離を隔てて配置される必要がある。
このようなゲート駆動回路の配置に関する技術として、下記の特許文献1には、複数のIGBTを駆動する複数のゲート駆動回路を備える電圧制御装置に関する技術が開示されている。そこに開示されている構成では、ゲート駆動回路26に電力を供給するための電力供給回路は、当該電力供給回路の電源である高精度電圧源30に接続される回路(以下、単に「一次回路」という。)と、当該一次回路にトランス12を介して結合されるとともにゲート駆動回路26に接続される回路(以下、単に「二次回路」という。)とを有している。そして、一次回路が設けられる領域と、ゲート駆動回路26及び二次回路が設けられる回路領域とは所定の絶縁距離を隔てて配置され、複数のトランス12は、絶縁領域を架け越すように配置される。また、ゲート駆動回路26及び二次回路が設けられる回路領域同士も所定の絶縁距離を隔てて配置される。
特開2006−280148号公報(段落0013、0015、図1等)
しかしながら、上記の特許文献1に記載されている電圧制御装置では、ゲート駆動回路及び二次回路が設けられる回路領域間に形成される絶縁領域には部品が配置されず、当該絶縁領域は基板上におけるデッドスペースとなってしまう。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板上におけるデッドスペースを有効に利用して基板面積を低減することができる三相交流電動機の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る、三相交流電動機へ電力を供給するインバータ回路の電動機駆動電源のプラス側に接続される3つの上段側アームに対してそれぞれ設けられ、各上段側アームが有するスイッチング素子をそれぞれ駆動する3つの上段駆動回路と、前記電動機駆動電源のマイナス側に接続される3つの下段側アームに対してそれぞれ設けられ、各下段側アームが有するスイッチング素子をそれぞれ駆動する3つの下段駆動回路と、前記上段駆動回路及び前記下段駆動回路に電力を供給するための電力供給回路と、を有する三相交流電動機の制御装置の特徴構成は、前記3つの上段駆動回路のうちの何れか1つを第一上段駆動回路とするとともに、残りの2つのうちの1つを第二上段駆動回路とし、前記電力供給回路は、当該電力供給回路の電源である一次側電源に接続される一次回路と、前記一次回路に第一上段トランスを介して結合されるとともに前記第一上段駆動回路に接続される上段二次回路と、前記上段二次回路に第二上段トランスを介して結合されるとともに前記第二上段駆動回路に接続される上段三次回路とを有し、前記一次回路が設けられる一次回路領域と、前記第一上段駆動回路及び前記上段二次回路が設けられる第一上段回路領域と、前記第二上段駆動回路及び前記上段三次回路が設けられる第二上段回路領域とを備え、前記第一上段トランスは、前記一次回路領域と前記第一上段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置されるととともに、前記第二上段トランスは、前記第一上段回路領域と前記第二上段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置されている点にある。
上記の特徴構成によれば、第一上段回路領域には第一上段トランスを介して一次回路領域から電力が供給され、第二上段回路領域には第一上段トランス及び第二上段トランスを介して一次回路領域から電力が供給される。そのため、第一上段駆動回路及び第二上段駆動回路のそれぞれに互いに絶縁された電源からの電力を適切に供給することができる。
また、従来の構成では部品が配置されない第一上段回路領域と第二上段回路領域との間に形成された絶縁領域に第二上段トランスが配置されるため、基板上におけるデッドスペースを有効に利用することができる。よって、第二上段トランスがデッドスペースに配置されない場合に第二上段トランスを配置することで占有される領域を基板上に確保する必要がなくなり、基板面積を低減することができる。
ここで、前記3つの上段駆動回路のうちの前記第一上段駆動回路及び前記第二上段駆動回路を除く残りの1つを第三上段駆動回路とするとともに、前記上段三次回路を第一上段三次回路とし、前記電力供給回路は、前記上段二次回路に第三上段トランスを介して結合されるとともに前記第三上段駆動回路に接続される第二上段三次回路を更に有するとともに、前記第三上段駆動回路及び前記第二上段三次回路が設けられる第三上段回路領域を更に備え、前記第二上段回路領域、前記第一上段回路領域、及び前記第三上段回路領域は、前記一次回路領域の一方の側に記載の順に並べて配置され、前記第三上段トランスは、前記第一上段回路領域と前記第三上段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置されていると好適である。
この構成によれば、第三上段回路領域にも、第二上段回路領域と同様に、第一上段トランス及び第三上段トランスを介して一次回路領域から電力が供給される。そのため、第一上段駆動回路、第二上段駆動回路、及び第三上段駆動回路の全てに互いに絶縁された電源からの電力を適切に供給することができる。
また、従来の構成では部品が配置されない第一上段回路領域と第三上段回路領域との間に形成された絶縁領域に第三上段トランスが配置されるため、基板上におけるデッドスペースを有効に利用することができる。よって、第三上段トランスがデッドスペースに配置されない場合に第三上段トランスを配置することで占有される領域を基板上に確保する必要がなくなり、基板面積を低減することができる。
さらに、一次回路にトランスを介して直接結合される上段二次回路が設けられる第一上段回路領域が、第二上段回路領域と第三上段回路領域との間に配置されるため、一次回路に接続される一次側電源と各上段駆動回路との間の配線長が大きく不均一になることを抑制することができる。よって、各上段駆動回路及びインバータ回路の動作を安定化することができる。
また、第二上段回路領域、第一上段回路領域、及び第三上段回路領域が並べて配置されるため、上段二次回路、第一上段三次回路、及び第二上段三次回路の配線長を短く抑えることができる。よって、材料コストや製造コストを抑制することができるとともに、各配線に起因するノイズの発生も抑制することができる。
また、上記のように前記第二上段回路領域、前記第一上段回路領域、及び前記第三上段回路領域が、前記一次回路領域の一方の側に記載の順に並べて配置される構成において、前記3つの下段駆動回路をそれぞれ第一下段駆動回路、第二下段駆動回路、及び第三下段駆動回路とし、前記電力供給回路は、前記一次回路に第一下段トランスを介して結合されるとともに前記第一下段駆動回路に接続される下段二次回路と、前記下段二次回路に第二下段トランスを介して結合されるとともに前記第二下段駆動回路に接続される第一下段三次回路と、前記下段二次回路に第三下段トランスを介して結合されるとともに前記第三下段駆動回路に接続される第二下段三次回路とを更に有し、前記第一下段駆動回路及び前記下段二次回路が設けられる第一下段回路領域と、前記第二下段駆動回路及び前記第一下段三次回路が設けられる第二下段回路領域と、前記第三下段駆動回路及び前記第二下段三次回路が設けられる第三下段回路領域とを更に備えるとともに、前記第二下段回路領域、前記第一下段回路領域、及び前記第三下段回路領域は、前記一次回路領域の他方の側に記載の順に並べて配置され、前記第一下段トランスは、前記一次回路領域と前記第一下段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置され、前記第二下段トランスは、前記第一下段回路領域と前記第二下段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置され、前記第三下段トランスは、前記第一下段回路領域と前記第三下段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置されていると好適である。
この構成によれば、第一下段回路領域には第一下段トランスを介して一次回路領域から電力が供給され、第二下段回路領域には第一下段トランス及び第二下段トランスを介して一次回路領域から電力が供給され、第三下段回路領域には第一下段トランス及び第三下段トランスを介して一次回路領域から電力が供給される。そのため、第一下段駆動回路、第二下段駆動回路、及び第三下段駆動回路の全てに互いに絶縁された電源からの電力を適切に供給することができる。
また、従来の構成では部品が配置されない第一下段回路領域と第二下段回路領域との間に形成された絶縁領域に第二下段トランスが配置され、第一下段回路領域と第三下段回路領域との間に形成された絶縁領域に第三下段トランスが配置されるため、基板上におけるデッドスペースを有効に利用することができる。よって、第二下段トランスや第三下段トランスがデッドスペースに配置されない場合に第二下段トランスや第三下段トランスを配置することで占有される領域を基板上に確保する必要がなくなり、基板面積を低減することができる。
さらに、一次回路にトランスを介して直接結合される下段二次回路が設けられる第一下段回路領域が、第二下段回路領域と第三下段回路領域との間に配置されるため、一次回路に接続される一次側電源と各下段駆動回路との間の配線長が大きく不均一になることを抑制することができる。また、一次回路領域の一方の側には3つの上段回路領域が並べて配置されるとともに、他方の側には3つの下段回路領域が並べて配置されるため、一次側電源までの配線長が上段駆動回路と下段駆動回路との間で不均一になることも抑制することができる。よって、各駆動回路及びインバータ回路の動作を安定化することができる。
また、第二下段回路領域、第一下段回路領域、及び第三下段回路領域が並べて配置されるため、下段二次回路、第一下段三次回路、及び第二下段三次回路の配線長を短く抑えることができる。さらに、一次回路領域の一方の側に3つの上段回路領域が並べて配置されるとともに、他方の側に3つの下段回路領域が並べて配置されるため、上段回路領域及び下段回路領域の双方が一次回路領域の一方の側に配置される構成に比べ、一次回路領域の面積を小さく抑えることができるとともに、一次回路の配線長を短く抑えられる。そのため、材料コストや製造コストを抑制することができるとともに、各配線に起因するノイズの発生も抑制することができる。
また、上記のように前記第二上段回路領域、前記第一上段回路領域、及び前記第三上段回路領域が、前記一次回路領域の一方の側に記載の順に並べて配置される構成において、前記3つの下段駆動回路をそれぞれ第一下段駆動回路、第二下段駆動回路、及び第三下段駆動回路とし、前記電力供給回路は、前記一次回路に第一下段トランスを介して結合されるとともに前記第一下段駆動回路に接続される下段二次回路と、前記下段二次回路に第一インダクタを介して接続されるとともに前記第二下段駆動回路に接続される第一下段三次回路と、前記下段二次回路に第二インダクタを介して接続されるとともに前記第三下段駆動回路に接続される第二下段三次回路とを更に有し、前記第一下段駆動回路及び前記下段二次回路が設けられる第一下段回路領域と、前記第二下段駆動回路及び前記第一下段三次回路が設けられる第二下段回路領域と、前記第三下段駆動回路及び前記第二下段三次回路が設けられる第三下段回路領域とを更に備えるとともに、前記第二下段回路領域、前記第一下段回路領域、及び前記第三下段回路領域は、前記一次回路領域の他方の側に記載の順に並べて配置され、前記第一下段トランスは、前記一次回路領域と前記第一下段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置され、前記第一インダクタは、前記第一下段回路領域と前記第二下段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置され、前記第二インダクタは、前記第一下段回路領域と前記第三下段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置されていると好適である。
この構成によれば、第一下段回路領域には第一下段トランスを介して一次回路領域から電力が供給され、第二下段回路領域には第一下段トランス及び第一インダクタを介して一次回路領域から電力が供給され、第三下段回路領域には第一下段トランス及び第二インダクタを介して一次回路領域から電力が供給される。そのため、第一下段駆動回路、第二下段駆動回路、及び第三下段駆動回路の全てに電源からの電力を適切に供給することができる。
また、従来の構成では部品が配置されない第一下段回路領域と第二下段回路領域との間に形成された絶縁領域に第一インダクタが配置され、第一下段回路領域と第三下段回路領域との間に形成された絶縁領域に第二インダクタが配置されるため、基板上におけるデッドスペースを有効に利用することができる。よって、第一インダクタや第二インダクタがデッドスペースに配置されない場合に第一インダクタや第二インダクタを配置することで占有される領域を基板上に確保する必要がなくなり、基板面積を低減することができる。
さらに、一次回路にトランスを介して直接結合される下段二次回路が設けられる第一下段回路領域が、第二下段回路領域と第三下段回路領域との間に配置されるため、一次回路に接続される一次側電源と各下段駆動回路との間の配線長が大きく不均一になることを抑制することができる。また、一次回路領域の一方の側には3つの上段回路領域が並べて配置されるとともに、他方の側には3つの下段回路領域が並べて配置されるため、一次側電源までの配線長が上段駆動回路と下段駆動回路との間で不均一になることも抑制することができる。よって、各駆動回路及びインバータ回路の動作を安定化することができる。
また、第二下段回路領域、第一下段回路領域、及び第三下段回路領域が並べて配置されるため、下段二次回路、第一下段三次回路、及び第二下段三次回路の配線長を短く抑えることができる。さらに、一次回路領域の一方の側に3つの上段回路領域が並べて配置されるとともに、他方の側に3つの下段回路領域が並べて配置されるため、上段回路領域及び下段回路領域の双方が一次回路領域の一方の側に配置される構成に比べ、一次回路領域の面積を小さく抑えることができるとともに、一次回路の配線長を短く抑えられる。そのため、材料コストや製造コストを抑制することができるとともに、各配線に起因するノイズの発生も抑制することができる。
本発明の第一の実施形態に係る三相交流電動機の制御回路の構成を示す図である。 本発明の第一の実施形態に係るワイヤレス結合の形態を概念的に示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る電力供給回路及び電源制御回路の構成を示す図である。 本発明の第一の実施形態に係るIGBT制御基板上の回路配置を示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る電力供給回路及び電源制御回路の構成を示す図である。 本発明の第二の実施形態に係るIGBT制御基板上の回路配置を示す図である。 一般的な三相交流電動機の制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
1.第一の実施形態
まず、本発明の第一の実施形態について図面に基づいて説明する。ここでは、図1に示すように、三相交流で駆動されるモータ9の制御装置が、IGBTモジュール1、IGBT制御基板2、及びモータ制御基板3を有して構成されている場合を例として説明する。このモータ9は、必要に応じて発電機としても動作するように構成されており、例えば、電動車両やハイブリッド車両等の駆動力源として用いられる。モータ9の制御装置は、高圧蓄電装置55から供給された直流電圧を交流電圧(三相交流)に変換してモータ9に出力し、モータ9の制御を行う。IGBTモジュール1にはインバータ回路を構成する構成要素として複数のIGBT10が備えられ、IGBT制御基板2にはIGBT10を駆動する6つのゲート駆動回路20が備えられている。そして、本実施形態に係る三相交流電動機の制御装置は、図4に示すように、ゲート駆動回路20が設けられる回路領域(高電圧回路領域5)間に形成された絶縁領域6を架け越すようにトランス(第二上段トランスT2、第三上段トランスT3、第二下段トランスT5、及び第三下段トランスT6)が配置される点に特徴を有している。なお、本実施形態では、モータ9が本発明における「三相交流電動機」に相当し、IGBT10が本発明における「スイッチング素子」に相当し、高圧蓄電装置55が本発明における「電動機駆動電源」に相当する。以下、本実施形態に係る三相交流電動機の制御装置の構成について順に詳細に説明する。
1−1.IGBTモジュールの構成
IGBTモジュール1は、高圧蓄電装置55の直流電圧を交流電圧に変換してモータ9に電力を供給するためのインバータ回路を備えて構成されている。具体的には、図1に示すように、IGBTモジュール1には、複数のIGBT10と、各IGBT10に並列接続された複数のフリーホイールダイオード10aとを有するインバータ回路が構成されている。そして、IGBTモジュール1は、金属ベース上にセラミックス系の絶縁基板を介してIGBT10やフリーホイールダイオード10aが載置されて一体化されたモジュール構造を有している。また、本実施形態では、IGBTモジュール1には、IGBT10の過電流や過熱を検出するためのセンサ回路10b(図2参照)も各IGBT10と一体的に備えられている。なお、IGBTモジュール1として、通常の基板上にIGBT10やフリーホイールダイオード10aが実装されたものを用いても良い。
IGBTモジュール1は、モータ9の各相(U相、V相、W相の三相)のそれぞれについて一対のIGBT10を備えている。具体的には、IGBTモジュール1は、U相上段側アームのIGBT11及びU相下段側アームのIGBT14、V相上段側アームのIGBT12及びV相下段側アームのIGBT15、W相上段側アームのIGBT13及びW相下段側アームのIGBT16の6個のIGBT10を備えている。なお、各IGBT11〜16を特に区別しない場合には、単にIGBT10と呼ぶ。各相の上段側アームのIGBT11〜13のエミッタと各相の下段側アームのIGBT14〜16のコレクタとが、モータ9の各相のコイルにそれぞれ接続されている。また、各相の上段側アームのIGBT11〜13のコレクタはプラス側端子PVに接続され、各相の下段側アームのIGBT14〜16のエミッタはマイナス側端子NVに接続されている。ここで、プラス側端子PVは、高圧蓄電装置55のプラス電極に接続されている端子である。また、マイナス側端子NVは、高圧蓄電装置55のマイナス電極に接続されている端子であり、一般にグラウンドと同電位である。
高圧蓄電装置55の端子間電圧は、後述する低圧蓄電装置75の端子間電圧に対して大幅に高い電圧、例えば数百〔V〕等に設定されている。そのため、IGBTモジュール1が備えるインバータ回路は、高電圧で動作する高電圧回路50である。高圧蓄電装置55は、例えば、バッテリやキャパシタ等により構成される。また、高圧蓄電装置55を、複数種類の蓄電装置を併用して構成しても良いし、家庭用電源等の外部電源により充電可能に構成しても良い。
各IGBT10のゲート・エミッタ間には、IGBT制御基板2に備えられるゲート駆動回路20を介してゲート駆動電圧(後述する電力供給回路80の出力電圧V1〜V6)が印加される。ゲート駆動回路20は、モータ制御回路30から出力されるスイッチング制御信号としてのゲート駆動信号に従ってオン・オフ動作を行う。そして、ゲート駆動回路20がオン状態となったときに、対応するIGBT10のゲート・エミッタ間に出力電圧V1〜V6が印加され、当該IGBT10がオン状態となる。一方、ゲート駆動回路20がオフ状態となったときには、対応するIGBT10のゲート・エミッタ間の電圧がゼロになり、当該IGBT10がオフ状態となる。ここでは、各IGBT10は、ゲート駆動信号に従ってPWM(パルス幅変調)制御等に従ったスイッチング動作を行う。これにより、IGBTモジュール1に備えられたインバータ回路は、高圧蓄電装置55の直流電圧を交流電圧に変換してモータ9に供給し、モータ9を駆動する。なお、モータ9が発電機として機能する場合には、IGBTモジュール1に備えられたインバータ回路は、発電された交流電圧を直流電圧に変換して高圧用蓄電装置55に供給する。
IGBTモジュール1に備えられたインバータ回路とモータ9の各相のコイルとの間を流れる各相電流は、電流センサ91により検出されてモータ制御回路30へ出力される。なお、図1の例では、U相、V相の二相のみの電流を測定している。U相、V相、W相の三相電流は平衡状態にあり、瞬時の総和は零であるので、二相の電流を測定して残りの一相の電流は演算により求められる。なお、電流センサ91がIGBTモジュール1に内蔵されている構成とすることもできる。また、モータ9のロータの各時点での磁極位置は、回転センサ92により検出されてモータ制御回路30へ出力される。回転センサ92は、例えばレゾルバ等により構成される。ここで、磁極位置は、電気角上でのロータの回転角度を表している。
なお、ここでは、図1に示すように、インバータ回路の各アームが1つのIGBT10を備えて構成されている場合を例として示したが、複数(例えば2つ)のIGBT10を並列接続したものを備えて各アームのスイッチング素子を構成しても良い。この場合、各アームの複数のIGBTを同一のゲート駆動信号で制御しても良いし、別々のゲート駆動信号で制御しても良い。また、ここでは、インバータ回路がIGBT10を備えて構成されている場合を例として示したが、IGBT10に替えて他の種類のスイッチング素子を用いてインバータ回路を構成しても良い。例えば、バイポーラ型、電界効果型、MOS型など種々の構造のパワートランジスタをスイッチング素子として採用することができる。
1−2.IGBT制御基板の構成
IGBT制御基板2は、モータ制御回路30において生成されたゲート駆動信号に基づいてIGBT10を駆動するゲート駆動回路20を備えて構成されている。図1に示すように、IGBT制御基板2には、IGBTモジュール1に備えられたインバータ回路の各アームに対応して、6個のゲート駆動回路20が備えられている。そして、ゲート駆動回路20は、プラス側端子PVに接続される3つの上段側アームに対してそれぞれ設けられる3つの上段駆動回路21〜23と、マイナス側端子NVに接続される3つの下段側アームに対してそれぞれ設けられる3つの下段駆動回路24〜26とを有している。なお、各ゲート駆動回路21〜26を特に区別しない場合には、単にゲート駆動回路20と呼ぶ。そして、上段駆動回路21〜23は、各上段側アームが有するIGBT11〜13をそれぞれ駆動し、下段駆動回路24〜26は、各下段側アームが有するIGBT14〜16をそれぞれ駆動する。
また、IGBT制御基板2は、上段駆動回路21〜23及び下段駆動回路24〜26に電力を供給するための電力供給回路80(図3、図4参照)を備えている。詳細は後述するが、電力供給回路80は、絶縁部品ISとしてのトランスTを備えて構成され、モータ制御回路30において生成された低電圧の直流電源の電力を各ゲート駆動回路20に供給するように構成されている。本実施形態では、この電力供給回路80の動作を制御するための電源制御回路27も、IGBT制御基板2に備えられている。なお、電源制御回路27が、例えばモータ制御基板3等のIGBT制御基板2以外の基板に備えられる構成としても良い。また、IGBT制御基板2には、その他の絶縁部品ISとして、モータ制御回路30が生成したゲート駆動信号をゲート駆動回路20に伝送するフォトカプラPCも実装されている(図2参照)。
本実施形態では、図1に示すように、V相上段側アームのIGBT12を駆動する上段駆動回路を第一上段駆動回路21とし、U相上段側アームのIGBT11を駆動する上段駆動回路を第二上段駆動回路22とし、W相上段側アームのIGBT13を駆動する上段駆動回路を第三上段駆動回路23とする。また、V相下段側アームのIGBT15を駆動する下段駆動回路を第一下段駆動回路24とし、U相下段側アームのIGBT14を駆動する下段駆動回路を第二下段駆動回路25とし、W相下段側アームのIGBT16を駆動する下段駆動回路を第三下段駆動回路26とする。なお、このような各ゲート駆動回路20のIBGT10に対する割り当ては適宜変更可能である。例えば、第一上段駆動回路21がU相上段側アームのIGBT11を駆動し、第二上段駆動回路22がV相上段側アームのIGBT12を駆動する構成としても良い。
上記のように、IGBTモジュール1に備えられるインバータ回路は高電圧回路50である。そして、IGBT制御基板2に備えられるゲート駆動回路20は、このインバータ回路が備えるIGBT10に接続されるため、インバータ回路と同じく高電圧回路50である。一方、電源制御回路27や電力供給回路80のうち当該電力供給回路80の電源(後述する一次側電源)に接続される回路部分(後述する一次回路81)は、インバータ回路に比べて遥かに低い電圧で動作する低電圧回路70である。よって、IGBT制御基板2は、高電圧回路50と低電圧回路70の双方を有している。詳細は後述するが、高電圧回路50と低電圧回路70とは、IGBT制御基板2において所定の絶縁距離を隔てて離間して配置されている。そして、高電圧回路50と低電圧回路70とは、上記の絶縁部品ISによってワイヤレスで結合されている。
1−3.モータ制御基板の構成
モータ制御基板3は、ゲート駆動回路20を駆動するためのゲート駆動信号を生成するモータ制御回路30を備えて構成されている。モータ制御回路30は、IGBTモジュール1が備えるインバータ回路の動作電圧よりも遥かに低い電圧で動作する低電圧回路70である。
モータ制御基板3へは、図1に示すように、低圧蓄電装置75から直流電圧が供給される。低圧蓄電装置75の端子間電圧は、上述した高圧蓄電装置55の端子間電圧に対して大幅に低い電圧、例えば12〔V〕等に設定されている。低圧蓄電装置75も、高圧蓄電装置55と同様に、例えば、バッテリやキャパシタ等により構成される。また、低圧蓄電装置75を、複数種類の蓄電装置を併用して構成しても良いし、家庭用電源等の外部電源により充電可能に構成しても良い。さらに、低圧蓄電装置75に替えて、DC−DCコンバータを介して高圧蓄電装置55からモータ制御基板3へ直流電圧を供給する構成としても良い。
モータ制御回路30は、マイクロコンピュータやDSP(digital signal processor)等を中核部品として構成されている。そして、モータ制御回路30は、CAN(controller area network)を介して、車両の運行を制御する不図示のECU(electronic control unit)と通信を行うように構成されており、ECUから取得した指令(外部指令)に従って、モータ9の駆動制御を行う。なお、ECUからは、例えば車両要求トルクに関する指令値等が入力される。また、上述のように、モータ制御回路30へは、電流センサ91や回転センサ92の検出結果が入力され、モータ制御回路30は、これらの検出結果に基づいて三相の電流値やモータ9の回転速度を取得する。そして、モータ制御回路30は、車両要求トルク、三相の電流値、及びモータ9の回転速度等に基づいて、モータ9の動作状態に応じたフィードバック制御を行う。
なお、モータ制御回路30を構成するマイクロコンピュータやDSPなどの動作電圧は、一般的に3.3〔V〕や5〔V〕である。そのため、モータ制御基板3には、低圧蓄電装置75から供給された直流電圧から3.3〔V〕や5〔V〕の電源電圧を生成するレギュレータ回路も備えられている。詳細は省略するが、レギュレータ回路は、レギュレータIC又はパワートランジスタ等のスイッチング素子を中核部品として構成される。
1−4.ワイヤレス結合の形態
上述したように、IGBT制御基板2には高電圧回路50と低電圧回路70の双方が備えられ、高電圧回路50と低電圧回路70とは絶縁部品IS(トランスT及びフォトカプラPC)によってワイヤレスで結合されている。以下、図2を参照して、本実施形態に係る三相交流電動機の制御装置におけるワイヤレス結合の形態について説明する。
本実施形態では、各アームのIGBT10に付随して、過電流や過熱を検出するためのセンサ回路10bが設けられており、IGBT10及びセンサ回路10bとを備えて、インバータ回路の1つのアームの回路群10Aが構成されている。なお、複数のIGBT10を並列接続したもので各アームのスイッチング素子が構成される場合には、1つのアームが複数の回路群10Aを有して構成される。
低電圧回路70に属するモータ制御回路30において生成されたゲート駆動信号は、IGBT制御基板2に備えられた絶縁部品ISであるフォトカプラPCの入力端子に接続される。フォトカプラPCの出力端子は、高電圧回路50に属するIGBT制御基板2の高電圧回路領域5に備えられたゲート駆動回路20のドライバ20aに接続される。IGBT制御基板2の高電圧回路領域5についての詳細は後述する。フォトカプラPCは、入力側に発光ダイオード、出力側にフォトダイオード又はフォトトランジスタを備え、入力側から出力側へ光によって信号をワイヤレス伝送する公知の絶縁部品である。フォトカプラPCによって、低電圧回路70と高電圧回路50との絶縁が保たれた状態で、モータ制御回路30からゲート駆動回路20へゲート駆動信号が伝送される。そして、ゲート駆動回路20のドライバ20aにより、高電圧回路50に属するIGBTモジュール1のIGBT10が駆動制御される。
本実施形態では、センサ回路10bは、温度センサ10cと過電流検出器10dとを有して構成されている。温度センサ10cは、サーミスタやダイオードであり、温度によって変化する端子間電圧がゲート駆動回路20の診断回路20bによって検出される。過電流検出器10dは、例えばIGBT10に流れる大電流に比例し、かつその比が100万分の1〜10万分の1程度となる微小電流を検出することで、IGBT10に流れる大電流が所定値を超えたことを検出するものであり、その検出結果を診断回路20bが受け取る。
診断回路20bは、温度センサ10cの端子間電圧が所定の値を下回った場合には過熱状態であると判定する。また、過電流検出器10dから異常との検出結果を受け取った場合には短絡などにより過電流発生状態であると判定する。そして、診断回路20bは、過熱状態及び過電流発生状態の少なくとも一方であることを判定すると、診断信号を出力する。診断信号により、ドライバ20aは、モータ制御回路30からフォトカプラPCを介して受け取るゲート駆動信号の状態に拘らず、IGBT10をオフ状態に制御する。
診断信号は、モータ制御回路30にも伝達される。診断回路20bは、IGBT制御基板2の高電圧回路領域5に構成される高電圧回路50である。従って、診断信号は、絶縁部品ISとしてのフォトカプラPCを介してワイヤレスでモータ制御回路30へ伝送される。モータ制御回路30へは、過熱や過電流等の異常の原因は伝達されないが、モータ制御回路30は、少なくとも異常状態が発生していることを知ることができる。そして、モータ制御回路30は、異常状態が発生している場合には、モータ9の停止処理等の異常対応処理を実行する。
上述したように温度センサ10cの端子間電圧は診断回路20bで測定可能であるので、診断回路20bにおいて、又は診断回路20bの近傍において温度を検出する温度検出回路20cを設けることが可能である。本実施形態では、図2に示すように、診断回路20bの近傍に温度検出回路20cが設けられている。なお、温度検出回路20cは、インバータ回路の全てのアームに対応するゲート駆動回路20に付随して設けられる必要はないので、図2では破線で示している。本実施形態では、温度検出回路20cは、第一下段駆動回路24に付随して設けられている(図4参照)。温度検出回路20cは、IGBT制御基板2の高電圧回路領域5に設けられるので、温度検出回路20cの検出結果は、診断信号と同様に絶縁部品ISとしてのフォトカプラPCを介してワイヤレスでモータ制御回路30へ伝送される。
1−5.電力供給回路及び電源制御回路の構成
上述したように、IGBT制御基板2は、上段駆動回路21〜23及び下段駆動回路24〜26に電力を供給するための電力供給回路80、及び当該電力供給回路80の動作を制御するための電源制御回路27を備えている。以下、図3を参照して、本実施形態に係る電力供給回路80及び電源制御回路27について説明する。
電力供給回路80は、図3に示すように、プッシュプル方式の構成を採用しており、一次回路81、上段二次回路82、第一上段三次回路83、第二上段三次回路84、下段二次回路85、第一下段三次回路86、第二下段三次回路87、及び絶縁部品ISであるトランスT1〜T6を備えている。そして、電源制御回路27が電力供給回路80の動作を制御することで、ほぼ同じ出力電圧V1〜V6が電力供給回路80から出力されるように構成されている。そして、これらの出力電圧V1〜V6は各ゲート駆動回路20に供給される。これにより、各ゲート駆動回路20に、互いに絶縁された電源(フローティング電源)からの電力が供給される。なお、本実施形態では、電力供給回路80としてプッシュプル方式の構成を採用しているが、電力供給回路80の構成として、例えば、シングルエンデッドフォワード方式、シングルエンデッドフライバック方式、ハーフブリッジ方式、フルブリッジ方式等のプッシュプル方式以外の構成を採用しても良い。
一次回路81は、電力供給回路80の電源である一次側電源(図示せず)に接続される回路であり、この一次側電源により一次回路81に一次側電圧Vinが供給される。図示は省略するが、モータ制御基板3には一次側電源として機能する定電圧回路が設けられており、当該定電圧回路により安定化された電圧が一次側電圧Vinとして供給される。例えば、定電圧回路は、低圧蓄電装置75から供給される直流電圧を昇圧レギュレータや降圧レギュレータにより変圧し、定電圧の一次側電圧Vinを生成するように構成される。そして、一次回路81には、第一上段トランスT1及び第一下段トランスT4の一次巻線が接続されている。第一上段トランスT1は、一次側電源より供給された電力を上段二次回路82に供給するためのトランスであり、第一下段トランスT4は、一次側電源より供給された電力を下段二次回路85に供給するためのトランスである。なお、図3におけるコンデンサC7は、一次側電圧Vinの平滑用コンデンサである。
上段二次回路82は、一次回路81に第一上段トランスT1を介して結合され、出力電圧V1が第一上段駆動回路21に供給されるように第一上段駆動回路21に接続されている。具体的には、図3に示すように、第一上段トランスT1の一次巻線が一次回路81に接続され、第一上段トランスT1の二次巻線が上段二次回路82に接続されている。また、上段二次回路82は、ダイオードD1、D2、平滑用のコンデンサC1及びインダクタL1を備えている。そして、第一上段トランスT1の二次巻線に生じた電圧により直流の出力電圧V1が生成され、第一上段駆動回路21に供給される。
第一上段三次回路83は、上段二次回路82に第二上段トランスT2を介して結合されるとともに、出力電圧V2が第二上段駆動回路22に供給されるように第二上段駆動回路22に接続されている。具体的には、図3に示すように、第二上段トランスT2の一次巻線は第一上段トランスT1の二次巻線に接続されている。また、第一上段三次回路83は、ダイオードD3、D4、平滑用のコンデンサC2及びインダクタL2を備えている。そして、第二上段トランスT2の二次巻線に生じた電圧により直流の出力電圧V2が生成され、第二上段駆動回路22に供給される。
第二上段三次回路84は、上段二次回路82に第三上段トランスT3を介して結合されるとともに、出力電圧V3が第三上段駆動回路23に供給されるように第三上段駆動回路23に接続されている。具体的には、図3に示すように、第三上段トランスT3の一次巻線は第一上段トランスT1の二次巻線に接続されている。すなわち、本例では、第二上段トランスT2の一次巻線及び第三上段トランスT3の一次巻線が、第一上段トランスT1の二次巻線に並列に接続されている。また、第二上段三次回路84は、ダイオードD5、D6、平滑用のコンデンサC3及びインダクタL3を備えている。そして、第三上段トランスT3の二次巻線に生じた電圧により直流の出力電圧V3が生成され、第三上段駆動回路23に供給される。
下段二次回路85、第一下段三次回路86、及び第二下段三次回路87の構成は、それぞれ、上段二次回路82、第一上段三次回路83、及び第二上段三次回路84の構成と同様であるのでここでは詳細な説明は省くが、第一下段トランスT4の二次巻線に生じた電圧により直流の出力電圧V4が生成され、第二下段トランスT5の二次巻線に生じた電圧により直流の出力電圧V5が生成され、第三下段トランスT6の二次巻線に生じた電圧により直流の出力電圧V6が生成される。そして、出力電圧V4が第一下段駆動回路24に供給され、出力電圧V5が第二下段駆動回路25に供給され、出力電圧V6が第三下段駆動回路26に供給される。
電源制御回路27は、一次回路81に接続されており、各ゲート駆動回路20に電力が供給されるように電力供給回路80の動作を制御する。具体的には、電源制御回路27は、第一上段トランスT1及び第一下段トランスT4の一次巻線に印加される電圧を制御する。図3に示すように、電源制御回路27は、第一電源スイッチング素子S1と、第二電源スイッチング素子S2と、これらのスイッチング素子S1、S2を制御する制御回路27aとを有して構成されている。そして、制御回路27aは、第一電源スイッチング素子S1と第二電源スイッチング素子S2とを交互にオン状態とすることにより、各トランスT1〜T6の二次巻線に電圧を生じさせ、直流の出力電圧V1〜V6を生成する。なお、本実施形態では電力供給回路80がトランスTを多段に接続した構成を有するため、電源制御回路27は、複数のトランスT1〜T6のうち2つのトランス(第一上段トランスT1及び第一下段トランスT4)のみと接続するだけで良い。これにより、一次回路81の配線長が短く抑えられ、材料コストや製造コストが抑制されるとともに、一次回路81の配線に起因するノイズの発生も抑制されている。
なお、上述したように、一次側電圧Vinは安定化されているので、出力電圧V1〜V6を一次側にフィードバックすることなく、トランスT1〜T6の変圧比に基づく出力電圧V1〜V6が得られる。本実施形態では、出力電圧V1〜V6が略同一の電圧値となるように、各トランスT1〜T6の変圧比が設定されている。例えば、各トランスT1〜T6の全ての変圧比を「1」に設定したり、第一上段トランスT1及び第一下段トランスT4の変圧比を「1」より大きい値や小さい値に設定し、第二上段トランスT2、第三上段トランスT3、第二下段トランスT5、及び第三下段トランスT6の変圧比を「1」とすることができる。
1−6.IGBT制御基板上の回路配置
上述したように、IGBT制御基板2は、高電圧回路50と低電圧回路70との両回路を有し、両回路を絶縁部品ISでワイヤレスに結合することによって絶縁を保っている。以下、図4を参照して、IGBT制御基板2の具体的なレイアウトの一例について説明する。なお、以下の説明では、特に断らない限り、図4における上方を「上」、下方を「下」、左方を「左」、右方を「右」とする。
図4に示すように、IGBT制御基板2には、略T字状の低電圧回路領域7が形成されている。この低電圧回路領域7には、一次回路81が配置されるとともに、電源制御回路27とコネクタ48も配置されている。本実施形態では、この低電圧回路領域7が本発明における「一次回路領域」に相当する。コネクタ48は、上述したモータ制御基板3と不図示のハーネスによって接続されている。IGBT制御基板2の低電圧回路領域7には、コネクタ48を介して、モータ制御回路30からIGBT10を駆動するためのゲート駆動信号が伝達される。また、電源制御回路27を動作させるための電源電圧や、電力供給回路80に供給される一次側電源の電圧(一次側電圧Vin)も、コネクタ48を介してモータ制御基板3から伝達される。
IGBT制御基板2には、高電圧回路領域5も形成されている。高電圧回路領域5は、インバータ回路の各アームに対応して6つ形成されている。具体的には、第一上段駆動回路21及び上段二次回路82が設けられる第一上段回路領域61、第二上段駆動回路22及び第一上段三次回路83が設けられる第二上段回路領域62、第三上段駆動回路23及び第二上段三次回路84が設けられる第三上段回路領域63、第一下段駆動回路24及び下段二次回路85が設けられる第一下段回路領域64、第二下段駆動回路25及び第一下段三次回路86が設けられる第二下段回路領域65、及び第三下段駆動回路26及び第二下段三次回路87が設けられる第三下段回路領域66の6つの高電圧回路領域5が形成されている。なお、各回路領域61〜66を特に区別しない場合には、単に高電圧回路領域5と呼ぶ。
図2に示すように、本実施形態では、ゲート駆動回路20と1つの回路群10Aとは5本の信号線で接続される。IGBTモジュール1は、これらの信号線に相当する端子接続用のピンを有しており、図4に示すIGBT制御基板2のスルーホール4に当該ピンを半田溶接することによって、ゲート駆動回路20と回路群10Aとが接続される。また、IGBT制御基板2には、IGBT制御基板2を固定するための固定部材を挿通するための複数の貫通孔8が形成されている。
高電圧回路領域5は、略T字状に形成された低電圧回路領域7における図4の左右方向に延びる胴体部(以下、単に「胴体部」という。)を挟んで、その両側に3つずつ並べて配置されている。具体的には、第二上段回路領域62、第一上段回路領域61、及び第三上段回路領域63が、胴体部(低電圧回路領域7)の一方の側(本例では上側)に記載の順に並べて配置され、第二下段回路領域65、第一下段回路領域64、及び第三下段回路領域66が、胴体部(低電圧回路領域7)の他方の側(本例では下側)に記載の順に並べて配置されている。そして、高電圧回路領域5は、胴体部との間に所定の絶縁距離d1が設けられるように胴体部と離間して配置されている。また、高電圧回路領域5は、隣接する高電圧回路領域5との間にも所定の絶縁距離d2又はd3が設けられるように隣接する高電圧回路領域5と離間して配置されている。高電圧回路領域5と胴体部との間に所定の絶縁距離d1を設けることにより、胴体部に沿って絶縁領域6が形成される。また、隣接する高電圧回路領域5の間に所定の絶縁距離d2、d3を設けることにより、胴体部を基部として、胴体部の両側に櫛状の絶縁領域6が形成されている。
上段回路領域61〜63及び下段回路領域64〜66が上記のように配置されているため、ゲート駆動回路20とIGBT10との間の配線長を短く抑えることができる。すなわち、図1に示すように、上段側アームのIGBT11〜13はプラス側端子PVに接続され、下段側アームのIGBT14〜16はマイナス側端子NVに接続される。高圧蓄電装置55との配線を考慮すると、上段側アームのIGBT11〜13、及び下段側アームのIGBT14〜16は、それぞれ一列に並べて配置されるのが望ましい。そして、IGBT10のこのような配置に対応して、上段側アームのIGBT11〜13を駆動する上段駆動回路21〜23、及び下段側アームのIGBT14〜16を駆動する下段駆動回路24〜26も一列に並べて配置されている。これにより、ゲート駆動回路20とIGBT10との間の配線長を短く抑えることができ、材料コストや製造コストが抑制されるとともに、各配線に起因するノイズの発生も抑制されている。
また、一次回路81に第一上段トランスT1を介して直接結合される上段二次回路82が設けられる第一上段回路領域61が、第二上段回路領域62と第三上段回路領域63との間に配置されるとともに、一次回路81に第一下段トランスT4を介して直接結合される下段二次回路85が設けられる第一下段回路領域64が、第二下段回路領域65と第三下段回路領域66との間に配置されている。これにより、一次回路81と第一上段三次回路83との間の上段二次回路82を介する電力の伝達経路と、一次回路81と第二上段三次回路84との間の上段二次回路82を介する電力の伝達経路とが、略同一の経路長となる。また、一次回路81と第一下段三次回路86との間の下段二次回路85を介する電力の伝達経路と、一次回路81と第二下段三次回路87との間の下段二次回路85を介する電力の伝達経路とが、略同一の経路長となる。これにより、一次回路81に接続される一次側電源と各ゲート駆動回路20との間の配線長が大きく不均一になることが抑制され、各ゲート駆動回路20及びIGBTモジュール1が備えるインバータ回路の動作が安定化する。
また、第二上段回路領域62、第一上段回路領域61、及び第三上段回路領域63が隣接して配置されるとともに、第二下段回路領域65、第一下段回路領域64、及び第三下段回路領域66が隣接して配置されている。これにより、上段二次回路82、第一上段三次回路83、第二上段三次回路84、下段二次回路85、第一下段三次回路86、及び第二下段三次回路87の配線長が短く抑えられる。また、上段回路領域61〜63と下段回路領域64〜66とが低電圧回路領域7を挟んで配置されているため、低電圧回路領域7の左右方向の長さが短く抑えられるとともに、一次回路81の配線長も短く抑えられる。さらに、一次回路81に接続される第一上段トランスT1及び第一下段トランスT4がIGBT制御基板2の左右方向における中央部付近に配置されている。従って、第一上段トランスT1及び第一下段トランスT4がコネクタ48と反対側の端部(本例では右側の端部)付近に配置される場合に比べ、一次回路81の配線長が短くなる。以上のことから、本実施形態では、各配線長が短く抑えられ、材料コストや製造コストが抑制されるとともに、各配線に起因するノイズの発生も抑制されている。
ところで、上段側アームのIGBT11〜13は、オン状態となった時、エミッタ端子の電位はプラス側端子PVの電位の近くまで上昇する。一方、下段側アームのIGBT14〜16は、オン状態となった時にも、エミッタ端子の電位はマイナス側端子NVの電位である。ゲート駆動回路20は、図1及び図2に示したように、IGBT10のゲート端子とエミッタ端子との2端子間の電位差を制御することによって、IGBT10を駆動する。従って、上段側アームのIGBT11〜13と接続される上段駆動回路21〜23の電位は、IGBT11〜13がオン状態となった時にプラス側端子PVの電位の近くまで上昇する。そのため、本実施形態では、図4に示すように、絶縁距離d2を絶縁距離d3より大きい値に設定し、上段駆動回路21〜23が設けられる上段回路領域61〜63間に十分な絶縁領域6を確保している。
そして、電力供給回路80を構成する第一上段トランスT1が、胴体部(低電圧回路領域7)と第一上段回路領域61との間に形成された絶縁領域6を架け越して配置され、第一下段トランスT4が、胴体部(低電圧回路領域7)と第一下段回路領域64との間に形成された絶縁領域6を架け越して配置されている。これにより、第一上段回路領域61には第一上段トランスT1を介して低電圧回路領域7から電力が供給され、第一下段回路領域64には第一下段トランスT4を介して低電圧回路領域7から電力が供給される。このようなトランスを用いることで、低電圧回路領域7との間の絶縁を保った状態で第一上段回路領域61や第一下段回路領域64に電力を供給することができる。
また、第二上段トランスT2が、第一上段回路領域61と第二上段回路領域62との間に形成された絶縁領域6を架け越して配置され、第三上段トランスT3が、第一上段回路領域61と第三上段回路領域63との間に形成された絶縁領域6を架け越して配置されている。これにより、第二上段回路領域62には第二上段トランスT2を介して第一上段回路領域61から電力が供給され、第三上段回路領域63には第三上段トランスT3を介して第一上段回路領域61から電力が供給される。このようなトランスを用いることで、第一上段回路領域61との間の絶縁を保った状態で第二上段回路領域62や第三上段回路領域63に電力を供給することができる。
同様に、第二下段トランスT5が、第一下段回路領域64と第二下段回路領域65との間に形成された絶縁領域6を架け越して配置され、第三下段トランスT6が、第一下段回路領域64と第三下段回路領域66との間に形成された絶縁領域6を架け越して配置されている。これにより、第二下段回路領域65には第二下段トランスT5を介して第一下段回路領域64から電力が供給され、第三下段回路領域66には第三下段トランスT6を介して第一下段回路領域64から電力が供給される。このようなトランスを用いることで、第一下段回路領域64との間の絶縁を保った状態で第二下段回路領域65や第三下段回路領域66に電力を供給することができる。
また、胴体部に沿って形成された絶縁領域6を架け越して、信号伝送用絶縁部品としてのフォトカプラPC(PC1、PC3、PC5、PC8、PC11、PC13)が備えられている。これらのフォトカプラPCにより、モータ制御回路30が生成した各アームに対応するゲート駆動信号が、低電圧回路領域7と各高電圧回路領域5との間の絶縁状態を保った状態で各ゲート駆動回路20に伝送される。つまり、IGBTモジュール1が備えるインバータ回路の電源電圧よりも低い電源電圧で生成された各ゲート駆動信号が、低電圧回路領域7から高電圧回路領域5に設けられた各ゲート駆動回路20にそれぞれワイヤレス伝送される。そして、各ゲート駆動信号は、各ゲート駆動回路20から各IGBT10に伝送され、各IGBT10が制御される。
さらに、胴体部に沿って形成された絶縁領域6を架け越して、別のフォトカプラPC(PC2、PC4、PC6、PC7、PC10、PC12)が信号伝送用絶縁部品として備えられている。これらのフォトカプラPCにより、IGBTモジュール1が備えるインバータ回路から各ゲート駆動回路20へ伝達されたフィードバック信号が、高電圧回路領域5から低電圧回路領域7にワイヤレス伝送される。
また、本実施形態では、図4に示すように、第一下段回路領域64には上述した温度検出回路20c(図2参照)が備えられている。温度検出回路20cの検出結果は、第一下段回路領域64から低電圧回路領域7へ信号伝送用絶縁部品であるフォトカプラPC9を介して伝送される。
図4に示すように、第一上段トランスT1、第一下段トランスT4、フォトカプラPC(PC1〜PC13)は、胴体部と高電圧回路領域5とが対向する境界線に沿って並べて配置されている。これにより、IGBT制御基板2には必要最低限の絶縁領域6を設けることで足りる。また、IGBT制御基板2の絶縁領域6にスリットを設けることによって絶縁性能を向上させる際に、第一上段トランスT1、第一下段トランスT4、及びフォトカプラPCの下面、即ち上記境界線に沿った絶縁領域6を直線的に加工してスリットを形成することが可能となる。
本実施形態では、上記のように第二上段トランスT2、第三上段トランスT3、第二下段トランスT5、及び第三下段トランスT6が配置されているため、IGBT制御基板2の基板面積を低減することが可能となっている。すなわち、第二上段回路領域62、第三上段回路領域63、第二下段回路領域65、及び第三下段回路領域66のそれぞれに、単一のトランスを介して低電圧回路領域7から直接電力が供給される構成とした場合、各回路領域62、63、65、66と低電圧回路領域7との間に形成された絶縁領域6を架け越すようにトランスを配置する必要がある。例えば、第二上段回路領域62と低電圧回路領域7との間に形成された絶縁領域6を架け越すようにトランスを配置する場合、フォトカプラPC1、PC2と並べて当該トランスが配置されるため、第二上段回路領域62の左右方向の幅が大きくなったり、第二上段回路領域62と低電圧回路領域7との間に形成された絶縁領域6が増大してしまう。また、隣接する高電圧回路領域5間に形成された絶縁領域6には部品が配置されず、当該絶縁領域6はデッドスペースとなってしまう。
これに対し、本発明では、電圧供給回路80が図3に示すようなトランスTを多段に接続した構成を有するため、第二上段トランスT2、第三上段トランスT3、第二下段トランスT5、及び第三下段トランスT6を、高電圧回路領域5間に形成された絶縁領域6に配置することができる。すなわち、第二上段トランスT2、第三上段トランスT3、第二下段トランスT5、及び第三下段トランスT6を、高電圧回路領域5と低電圧回路領域7との間に形成された絶縁領域6ではなく、従来の構成ではデッドスペースとなっていた絶縁領域6に配置することができ、デッドスペースを有効に利用することができる。これにより、第二上段回路領域62、第三上段回路領域63、第二下段回路領域65、及び第三下段回路領域66の左右方向の幅が増大するのを抑制したり、高電圧回路領域5と低電圧回路領域7との間に形成される絶縁領域6が増大するのを抑制することができ、IGBT制御基板2の基板面積の低減を図ることが可能となっている。
2.第二の実施形態
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。本実施形態に係る三相交流電動機の制御装置は、電力供給回路80の構成が上記の第一の実施形態と異なり、IGBT制御基板上の回路配置も異なっている。以下、本実施形態に係る三相交流電動機の制御装置について、第一の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、特に説明しない点については、上記第一の実施形態と同様とする。
2−1.電力供給回路の構成
図5は、本実施形態に係る電力供給回路80の模式図である。この図に示すように、第一の実施形態と同様、電力供給回路80はプッシュプル方式の構成を採用しており、一次回路81、上段二次回路82、第一上段三次回路83、第二上段三次回路84、下段二次回路85、第一下段三次回路86、第二下段三次回路87、及び絶縁部品ISであるトランスT1〜T4を備えて構成されている。そして、電源制御回路27が電力供給回路80の動作を制御することで、ほぼ同じ出力電圧V1〜V6が電力供給回路80から出力されるように構成されている。そして、出力電圧V1〜V3が上段駆動回路21〜23に供給され、出力電圧V4〜V6が下段駆動回路24〜26に供給される。これにより、各上段駆動回路21〜23に、互いに絶縁された電源(フローティング電源)からの電力が供給され、各下段駆動回路24〜26には、並列に接続された電源からの電力が供給される。図1に示すように、各下段駆動回路24〜26とIGBT14〜16とを接続する配線のうちIGBT14〜16のエミッタと接続される方の電位は、マイナス側端子NVの電位と同電位である。そのため、各下段駆動回路24〜26に対して出力電圧V4〜V6を供給する出力端子は、並列に接続された構成としても良く、本実施形態ではそのような構成を採用している。
一次回路81、上段二次回路82、第一上段三次回路83、第二上段三次回路84、及び下段二次回路85の構成は第一の実施形態と同様であるが、第一下段三次回路86、第二下段三次回路87の構成が第一の実施形態と異なっている。すなわち、第一下段三次回路86は、下段二次回路85に第一インダクタL5を介して接続されるとともに、出力電圧V5が第二下段駆動回路25に供給されるように第二下段駆動回路25に接続されている。また、第一下段三次回路86は、平滑用のコンデンサC5を備えている。一方、第二下段三次回路87は、下段二次回路85に第二インダクタL6を介して接続されるとともに、出力電圧V6が第三下段駆動回路26に供給されるように第三下段駆動回路26に接続されている。また、第二下段三次回路87は、平滑用のコンデンサC6を備えている。このように、本実施形態では、第一下段トランスT4の二次巻線に生じた電圧により出力電圧V4〜V6が生成され、各下段駆動回路24〜26に供給される。また、本実施形態では、第一インダクタL5及び第二インダクタL6は、高周波ノイズを除去するためのフィルタとして機能し、各出力電圧V4〜V6間の干渉を抑制している。
2−2.IGBT制御基板上の回路配置
次に、図6を参照して、本実施形態に係るIGBT制御基板2の具体的なレイアウトの一例について説明する。図6に示すように、本実施形態では、第一インダクタL5が、第一下段回路領域64と第二下段回路領域65との間に形成された絶縁領域6を架け越して配置され、第二インダクタL6が、第一下段回路領域64と第三下段回路領域66との間に形成された絶縁領域6を架け越して配置されている。これにより、第二下段回路領域65には第一インダクタL5を介して第一下段回路領域64から電力が供給され、第三下段回路領域66には第二インダクタL6を介して第一下段回路領域64から電力が供給される。
このように、本実施形態では、第一インダクタL5及び第二インダクタL6が従来の構成ではデッドスペースとなっていた絶縁領域6に配置され、デッドスペースを有効に利用することが可能となっている。よって、第一インダクタL5や第二インダクタL6を下段回路領域64〜66に配置する必要がなくなり、下段回路領域64〜66の面積の増大が抑制され、IGBT制御基板2の基板面積の低減を図ることが可能となっている。
3.その他の実施形態
(1)上記の実施形態では、第二上段回路領域62、第一上段回路領域61、及び第三上段回路領域63が、低電圧回路領域7の一方の側に記載の順に並べて配置されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、第一上段回路領域61、第二上段回路領域62、及び第三上段回路領域63の順に並べて配置することも当然に可能である。また、第一上段回路領域61、第二上段回路領域62、及び第三上段回路領域63は必ずしも直線状に並べて配置する必要はなく、低電圧回路領域7の周縁部の形状が直線でない場合には当該周縁部の形状に沿うように配置すると良い。また、第一上段回路領域61、第二上段回路領域62、及び第三上段回路領域63を、低電圧回路領域7の周縁部の形状に沿わせないように並べて配置しても良い。例えば、第一上段回路領域61、第二上段回路領域62、及び第三上段回路領域63を、L字状に並べて配置することができる。なお、第一下段回路領域64、第二下段回路領域65、及び第三下段回路領域66についても同様である。
(2)上記の実施形態では、第一上段回路領域61、第二上段回路領域62、及び第三上段回路領域63が、低電圧回路領域7の一方の側に並べて配置され、第一下段回路領域64、第二下段回路領域65、及び第三下段回路領域66が、低電圧回路領域7の他方の側に並べて配置されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、第一上段回路領域61、第二上段回路領域62、第三上段回路領域63、第一下段回路領域64、第二下段回路領域65、及び第三下段回路領域66の全てを低電圧回路領域7の一方の側に並べて配置する構成としても好適である。
(3)上記の実施形態では、低電圧回路領域7が略T字状に形成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、低電圧回路領域7の形状を略I字状等のその他の形状としても好適である。
(4)上記の実施形態では、第二上段回路領域62には第二上段トランスT2を介して第一上段回路領域61から電力が供給され、第三上段回路領域63には第三上段トランスT3を介して第一上段回路領域61から電力が供給される場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、例えば、第三上段トランスT3を第三上段回路領域63と低電圧回路領域7との間に形成された絶縁領域6を架け越すように配置し、第三上段回路領域63には低電圧回路領域7から第三上段トランスT3を介して電力が供給される構成としても好適である。この際、第三上段トランスT3の一次巻線は、第一上段トランスT1の二次巻線ではなく、一次回路81に接続される。第二上段回路領域62、第二下段回路領域65、及び第三下段回路領域66についても同様である。
本発明は、電気自動車やハイブリッド自動車などの駆動力源としての三相交流電動機を制御する三相交流電動機の制御装置に好適に利用することができる。
7:低電圧回路領域(一次回路領域)
9:モータ(三相交流電動機)
10:IGBT(スイッチング素子)
21:第一上段駆動回路
22:第二上段駆動回路
23:第三上段駆動回路
24:第一下段駆動回路
25:第二下段駆動回路
26:第三下段駆動回路
55:高圧蓄電装置(電動機駆動電源)
61:第一上段回路領域
62:第二上段回路領域
63:第三上段回路領域
64:第一下段回路領域
65:第二下段回路領域
66:第三下段回路領域
80:電力供給回路
81:一次回路
82:上段二次回路
83:第一上段三次回路
84:第二上段三次回路
85:下段二次回路
86:第一下段三次回路
87:第二下段三次回路
L5:第一インダクタ
L6:第二インダクタ
T1:第一上段トランス
T2:第二上段トランス
T3:第三上段トランス
T4:第一下段トランス
T5:第二下段トランス
T6:第三下段トランス

Claims (4)

  1. 三相交流電動機へ電力を供給するインバータ回路の電動機駆動電源のプラス側に接続される3つの上段側アームに対してそれぞれ設けられ、各上段側アームが有するスイッチング素子をそれぞれ駆動する3つの上段駆動回路と、
    前記電動機駆動電源のマイナス側に接続される3つの下段側アームに対してそれぞれ設けられ、各下段側アームが有するスイッチング素子をそれぞれ駆動する3つの下段駆動回路と、
    前記上段駆動回路及び前記下段駆動回路に電力を供給するための電力供給回路と、を有する三相交流電動機の制御装置であって、
    前記3つの上段駆動回路のうちの何れか1つを第一上段駆動回路とするとともに、残りの2つのうちの1つを第二上段駆動回路とし、
    前記電力供給回路は、当該電力供給回路の電源である一次側電源に接続される一次回路と、前記一次回路に第一上段トランスを介して結合されるとともに前記第一上段駆動回路に接続される上段二次回路と、前記上段二次回路に第二上段トランスを介して結合されるとともに前記第二上段駆動回路に接続される上段三次回路とを有し、
    前記一次回路が設けられる一次回路領域と、前記第一上段駆動回路及び前記上段二次回路が設けられる第一上段回路領域と、前記第二上段駆動回路及び前記上段三次回路が設けられる第二上段回路領域とを備え、
    前記第一上段トランスは、前記一次回路領域と前記第一上段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置されるととともに、前記第二上段トランスは、前記第一上段回路領域と前記第二上段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置されている三相交流電動機の制御装置。
  2. 前記3つの上段駆動回路のうちの前記第一上段駆動回路及び前記第二上段駆動回路を除く残りの1つを第三上段駆動回路とするとともに、前記上段三次回路を第一上段三次回路とし、
    前記電力供給回路は、前記上段二次回路に第三上段トランスを介して結合されるとともに前記第三上段駆動回路に接続される第二上段三次回路を更に有するとともに、前記第三上段駆動回路及び前記第二上段三次回路が設けられる第三上段回路領域を更に備え、
    前記第二上段回路領域、前記第一上段回路領域、及び前記第三上段回路領域は、前記一次回路領域の一方の側に記載の順に並べて配置され、
    前記第三上段トランスは、前記第一上段回路領域と前記第三上段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置されている請求項1に記載の三相交流電動機の制御装置。
  3. 前記3つの下段駆動回路をそれぞれ第一下段駆動回路、第二下段駆動回路、及び第三下段駆動回路とし、
    前記電力供給回路は、前記一次回路に第一下段トランスを介して結合されるとともに前記第一下段駆動回路に接続される下段二次回路と、前記下段二次回路に第二下段トランスを介して結合されるとともに前記第二下段駆動回路に接続される第一下段三次回路と、前記下段二次回路に第三下段トランスを介して結合されるとともに前記第三下段駆動回路に接続される第二下段三次回路とを更に有し、
    前記第一下段駆動回路及び前記下段二次回路が設けられる第一下段回路領域と、前記第二下段駆動回路及び前記第一下段三次回路が設けられる第二下段回路領域と、前記第三下段駆動回路及び前記第二下段三次回路が設けられる第三下段回路領域とを更に備えるとともに、前記第二下段回路領域、前記第一下段回路領域、及び前記第三下段回路領域は、前記一次回路領域の他方の側に記載の順に並べて配置され、
    前記第一下段トランスは、前記一次回路領域と前記第一下段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置され、前記第二下段トランスは、前記第一下段回路領域と前記第二下段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置され、前記第三下段トランスは、前記第一下段回路領域と前記第三下段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置されている請求項2に記載の三相交流電動機の制御装置。
  4. 前記3つの下段駆動回路をそれぞれ第一下段駆動回路、第二下段駆動回路、及び第三下段駆動回路とし、
    前記電力供給回路は、前記一次回路に第一下段トランスを介して結合されるとともに前記第一下段駆動回路に接続される下段二次回路と、前記下段二次回路に第一インダクタを介して接続されるとともに前記第二下段駆動回路に接続される第一下段三次回路と、前記下段二次回路に第二インダクタを介して接続されるとともに前記第三下段駆動回路に接続される第二下段三次回路とを更に有し、
    前記第一下段駆動回路及び前記下段二次回路が設けられる第一下段回路領域と、前記第二下段駆動回路及び前記第一下段三次回路が設けられる第二下段回路領域と、前記第三下段駆動回路及び前記第二下段三次回路が設けられる第三下段回路領域とを更に備えるとともに、前記第二下段回路領域、前記第一下段回路領域、及び前記第三下段回路領域は、前記一次回路領域の他方の側に記載の順に並べて配置され、
    前記第一下段トランスは、前記一次回路領域と前記第一下段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置され、前記第一インダクタは、前記第一下段回路領域と前記第二下段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置され、前記第二インダクタは、前記第一下段回路領域と前記第三下段回路領域との間に形成された絶縁領域を架け越して配置されている請求項2に記載の三相交流電動機の制御装置。
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