JP2021016210A - 制御基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチング素子が接続される領域間の電気的絶縁性を適切に確保しつつ、当該領域の配置間隔の短縮を図ることが可能な、インバータを制御する制御基板を提供する。【解決手段】インバータを制御する制御基板1は、第1スイッチング素子が接続される第1領域A1と、第2スイッチング素子が接続される領域であって第1領域A1に対して第1絶縁領域B1を挟んで隣接する第2領域A2と、第1領域A1及び第2領域A2に対して第2絶縁領域B2を挟んで隣接する第3領域A3とを備える。トランス4は、第1端子41が第1領域A1に接続され、第2端子42が第2領域A2に接続され、第3端子43が第3領域A3に接続されるように、第1絶縁領域B1及び第2絶縁領域B2の双方を跨いで配置される。【選択図】図3
Description
本発明は、インバータを制御する制御基板に関する。
インバータを制御する制御基板の一例が、国際公開第2019/059292号(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1に記載の制御基板(9)は、スイッチング制御信号(SW)を生成する制御回路(1)と、スイッチング制御信号(SW)に基づきスイッチング素子(3)を駆動する駆動回路(2)と、トランス(L)を用いて駆動回路(2)に電力を供給する駆動電源回路(7)と、を備えている。そして、制御基板(9)には、スイッチング素子(3)に接続される高圧系回路(HV)の配置領域(高圧領域)と、制御回路(1)を含む低圧系回路の配置領域(低圧領域)とが形成されており、駆動回路(2)及びトランス(L)は、高圧領域と低圧領域との間の絶縁領域を跨いで高圧領域と低圧領域とを接続するように配置されている。
ところで、特許文献1に示されるような制御基板では、一般に、スイッチング素子の配置間隔に応じた間隔で、高圧領域が配置される。そのため、スイッチング素子の配置間隔を狭くすることで、高圧領域の並び方向における制御基板の小型化を図ることが可能となる。この点に関して、特許文献1に示される制御基板では、当該文献の図9に示されているように、当該並び方向(当該図9における左右方向)に並べて配置される駆動回路とトランスとの組が、高圧領域のそれぞれに対して各別に設けられる。そのため、当該並び方向における各高圧領域の幅は、基本的に、駆動回路及びトランスのそれぞれの幅の和よりも大きくする必要があり、高圧領域間の電気的絶縁性を適切に確保しつつ高圧領域の配置間隔を更に狭くすることは容易ではない。よって、スイッチング素子の配置間隔を狭くすることが可能な場合であっても、それに応じて高圧領域の配置間隔を狭くすることができない場合があり得る。
そこで、スイッチング素子が接続される領域間の電気的絶縁性を適切に確保しつつ、当該領域の配置間隔の短縮を図ることが可能な制御基板の実現が望まれる。
本開示に係る制御基板は、第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子を備えたインバータを制御する制御基板であって、前記第1スイッチング素子をスイッチング制御する第1スイッチング制御信号及び前記第2スイッチング素子をスイッチング制御する第2スイッチング制御信号を生成する信号生成回路と、前記第1スイッチング制御信号に基づき前記第1スイッチング素子を駆動する第1駆動回路と、前記第2スイッチング制御信号に基づき前記第2スイッチング素子を駆動する第2駆動回路と、トランスを用いて前記第1駆動回路及び前記第2駆動回路に電力を供給する電源回路と、を備えると共に、板状の基板本体部に形成される回路配置領域であって、前記第1スイッチング素子が接続される第1領域と、前記第2スイッチング素子が接続される領域であって前記第1領域に対して第1絶縁領域を挟んで隣接する第2領域と、前記第1領域及び前記第2領域に対して第2絶縁領域を挟んで隣接する第3領域と、を備え、前記信号生成回路は、前記第3領域に配置され、前記第1駆動回路は、前記第2絶縁領域を跨いで前記第1領域と前記第3領域とを接続するように配置され、前記第2駆動回路は、前記第2絶縁領域を跨いで前記第2領域と前記第3領域とを接続するように配置され、前記トランスは、第1端子、第2端子、及び第3端子を備えると共に、前記第1端子が前記第1領域に接続され、前記第2端子が前記第2領域に接続され、前記第3端子が前記第3領域に接続されるように、前記第1絶縁領域及び前記第2絶縁領域の双方を跨いで配置されている。
この構成によれば、第1端子、第2端子、及び第3端子を備えるトランスが、第1端子が第1領域に接続され、第2端子が第2領域に接続され、第3端子が第3領域に接続されるように配置されるため、第1スイッチング素子が接続される第1領域と第2スイッチング素子が接続される第2領域とに共通のトランスを用いつつ、第1領域及び第2領域のそれぞれを、トランスを介して第3領域に接続することができる。
そして、このトランスは、第1絶縁領域及び第2絶縁領域の双方を跨いで配置される。このように第1領域と第2領域とを電気的に絶縁するための第1絶縁領域をトランスの配置領域として利用することで、トランスにおける第1領域に配置される部分及びトランスにおける第2領域に配置される部分のそれぞれの面積(平面視での面積)を小さく抑えることができる。よって、第1領域と第3領域とを接続するトランスと第2領域と第3領域とを接続するトランスとが各別に設けられる場合に比べて、第1領域と第2領域との並び方向において第1領域及び第2領域のそれぞれを小さくして、第1領域と第2領域との配置間隔の短縮を図ることができる。
このように、上記の構成によれば、スイッチング素子が接続される領域間の電気的絶縁性を適切に確保しつつ、当該領域の配置間隔の短縮を図ることができる。
制御基板の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
制御基板の実施形態について、図面を参照して説明する。
制御基板1は、第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32を備えたインバータ30(図1参照)を制御する基板である。インバータ30は、直流と交流との間で電力を変換して交流機8に交流電力を供給する。制御基板1は、インバータ30を介して交流機8を制御する。交流機8は、交流電力の供給を受けて動作する機器である。図1に示すように、本実施形態では、交流機8は回転電機である。具体的には、交流機8は、U相、V相、及びW相からなる3相(複数相の一例)の交流電力で駆動される回転電機であり、インバータ30は、3相の交流電力を交流機8(ここでは、ステータコイル8a)に供給する。交流機8は、例えば、車両の車輪を駆動するための回転電機とされる。本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
図1に示すように、インバータ30は、第1直流電源11に接続されると共に交流機8に接続されている。第1直流電源11は、インバータ30の直流側に直流電力を供給する。第1直流電源11の電源電圧は、例えば200〜400[V]とされる。交流機8がモータとして機能する場合には、インバータ30は、第1直流電源11から供給される直流電力を交流電力に変換して交流機8に供給する。また、交流機8がジェネレータとして機能する場合には、インバータ30は、交流機8から供給される交流電力を直流電力に変換して第1直流電源11に供給する。第1直流電源11とインバータ30との間には、インバータ30の直流側の電圧(直流リンク電圧Vdc)を平滑化する平滑コンデンサ9が設けられている。第1直流電源11とインバータ30との間に昇圧回路が設けられ、第1直流電源11の電圧が昇圧されてインバータ30の直流側に供給される構成とすることもできる。
インバータ30は、第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32を含む複数のスイッチング素子3を用いて構成されている。インバータ30が備える複数のスイッチング素子3は、後述するスイッチング制御信号SWにより個別にスイッチング制御される。スイッチング素子3として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、SiC−MOSFET(Silicon Carbide - Metal Oxide Semiconductor FET)、SiC−SIT(SiC - Static Induction Transistor)、GaN−MOSFET(Gallium Nitride - MOSFET)等のパワー半導体素子を用いると好適である。図1には、スイッチング素子3としてIGBTを用いる場合を例示している。スイッチング素子3は、例えば、矩形平板状のチップ型素子とされる。図示は省略するが、スイッチング素子3のそれぞれにはフリーホイールダイオードが並列接続されている。フリーホイールダイオードは、例えば、スイッチング素子3を構成するチップ型素子に内蔵される。
インバータ30は、交流機8に交流する交流電力の相数に対応する数のアーム33を備えている。本実施形態では、インバータ30は、交流機8に交流する交流電力の相数に等しい数のアーム33を備えており、具体的には、U相アーム33U、V相アーム33V、及びW相アーム33Wの、3つのアーム33を備えている。複数のアーム33は、互いに並列接続されてブリッジ回路を構成している。アーム33は、上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子との直列回路を備えている。ここで、上段側スイッチング素子は、第1直流電源11の直流側に接続されるスイッチング素子3であり、下段側スイッチング素子は、第1直流電源11の負極側に接続されるスイッチング素子3である。各アーム33の中間点(上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子との接続点)は、交流機8の交流端子(ここでは、対応する相のステータコイル8a)に接続されている。
本実施形態では、上段側スイッチング素子が第1スイッチング素子31であり、下段側スイッチング素子が第2スイッチング素子32である。インバータ30は、N個(Nは2以上の自然数)の第1スイッチング素子31とN個の第2スイッチング素子32とを備えている。本実施形態では、Nは3であり、インバータ30は、3個の第1スイッチング素子31と3個の第2スイッチング素子32とを備えている。
スイッチング素子3をスイッチング制御するためのスイッチング制御信号SWは、信号生成回路5により生成される。信号生成回路5は、第1スイッチング素子31をスイッチング制御する第1スイッチング制御信号SW1、及び、第2スイッチング素子32をスイッチング制御する第2スイッチング制御信号SW2を生成する。すなわち、信号生成回路5は、スイッチング制御信号SWとして、第1スイッチング制御信号SW1及び第2スイッチング制御信号SW2を生成する。信号生成回路5は、マイクロコンピュータ等の論理回路を中核として構成される。信号生成回路5の各機能は、例えば、マイクロコンピュータ等のハードウェアとソフトウェア(プログラム)との協働により実現される。
信号生成回路5は、スイッチング制御信号SWを生成することで、インバータ30を制御する。信号生成回路5は、他の制御装置(例えば、車両の全体を統合して制御する車両制御装置)からの指令に基づき、インバータ30を制御する。信号生成回路5は、例えばベクトル制御法を用いた電流フィードバック制御を行って、他の制御装置から指令されたトルクを交流機8が出力するようにインバータ30を制御する。図1に示す例では、交流機8の各相のステータコイル8aを流れる電流は電流センサ14により検出され、交流機8のロータの磁極位置は回転センサ15により検出される。信号生成回路5は、これらの電流センサ14及び回転センサ15の検出結果を用いて、インバータ30を制御する。
信号生成回路5の動作電圧(例えば、5[V],3.3[V],2.5[V]等)は、第2直流電源12から供給される直流電力に基づき生成される。第2直流電源12は、第1直流電源11よりも電源電圧の低い直流電源である。第2直流電源12の電源電圧は、例えば12〜24[V]とされる。第1直流電源11と第2直流電源12とは、互いに絶縁されており、互いにフローティングの関係にある。図示は省略するが、信号生成回路5に電力(動作電力)を供給する電源回路は、例えば、第2直流電源12に接続される電源入力回路と、第2直流電源12から電源入力回路に入力される電圧を調整する電圧調整回路と、を備える。電源入力回路は、例えば、ノイズフィルタ、平滑コンデンサ、及びレギュレータ回路を用いて構成され、電圧調整回路は、例えば、レギュレータ素子を用いて構成される。
信号生成回路5が生成したスイッチング制御信号SWは、駆動回路2を介して、制御対象となるスイッチング素子3の制御端子(図1に示す例では、IGBTのゲート端子)に入力される。すなわち、駆動回路2は、スイッチング制御信号SWに基づきスイッチング素子3を駆動する。図1に示す例では、駆動回路2は、スイッチング素子3(IGBT)のゲート端子とエミッタ端子との2端子間の電位差を制御することで、スイッチング素子3を駆動する。図1に示すように、駆動回路2は、複数のスイッチング素子3のそれぞれに対応して設けられている。複数の駆動回路2には、第1駆動回路21と第2駆動回路22とが含まれる。第1駆動回路21は、第1スイッチング制御信号SW1に基づき第1スイッチング素子31を駆動する。また、第2駆動回路22は、第2スイッチング制御信号SW2に基づき第2スイッチング素子32を駆動する。
駆動回路2は、信号生成回路5が生成したスイッチング制御信号SWの駆動能力(例えば電圧振幅又は出力電流等、後段の回路を動作させる能力)を高めて、スイッチング素子3の制御端子に供給する。ここで、制御基板1に形成される回路には、動作電圧が相対的に高い高圧系回路と、動作電圧が相対的に低い低圧系回路とが含まれる。高圧系回路と低圧系回路とは、互いに絶縁されている。スイッチング制御信号SWを生成する信号生成回路5は、低圧系回路である。一方、駆動回路2における主回路(ドライバ)は、高圧系回路である。そのため、駆動回路2は、フォトカプラ又は磁気カプラ等の絶縁素子(信号伝達用の絶縁素子)を備えており、この絶縁素子は、信号生成回路5が生成したスイッチング制御信号SWを、駆動回路2における主回路に絶縁状態で伝達する。なお、駆動回路2の主回路は、スイッチング素子3の制御端子に電気的に接続される回路であり、例えば、2つのトランジスタが直列接続されたプッシュプル回路を用いて構成される。本実施形態では、駆動回路2として、絶縁素子が内蔵された駆動回路(すなわち、主回路と絶縁素子とが1つのパッケージに内蔵された駆動回路)を用いている。
駆動回路2のそれぞれには、電源回路7から電力(動作電力)が供給される。図2に電源回路7の一例を示すように、電源回路7は、トランス4を用いて駆動回路2(具体的には、第1駆動回路21及び第2駆動回路22)に電力を供給する。電源回路7は、上段側スイッチング素子を駆動する駆動回路2(本実施形態では、第1駆動回路21)に供給する上段用駆動電圧VHと、下段側スイッチング素子を駆動する駆動回路2(本実施形態では、第2駆動回路22)に供給する下段用駆動電圧VLとを出力する。上段用駆動電圧VH及び下段用駆動電圧VLのそれぞれの電位差は、例えば15〜20[V]とされる。
本実施形態では、電源回路7は、U相上段用駆動電圧VHU、V相上段用駆動電圧VHV、及びW相上段用駆動電圧VHWの3つの上段用駆動電圧VHを出力し、U相下段用駆動電圧VLU、V相下段用駆動電圧VLV、及びW相下段用駆動電圧VLWの3つの下段用駆動電圧VLを出力する。U相上段用駆動電圧VHUは、U相アーム33Uが備える上段側スイッチング素子を駆動する駆動回路2に供給され、U相下段用駆動電圧VLUは、U相アーム33Uが備える下段側スイッチング素子を駆動する駆動回路2に供給される。V相上段用駆動電圧VHVは、V相アーム33Vが備える上段側スイッチング素子を駆動する駆動回路2に供給され、V相下段用駆動電圧VLVは、V相アーム33Vが備える下段側スイッチング素子を駆動する駆動回路2に供給される。W相上段用駆動電圧VHWは、W相アーム33Wが備える上段側スイッチング素子を駆動する駆動回路2に供給され、W相下段用駆動電圧VLWは、W相アーム33Wが備える下段側スイッチング素子を駆動する駆動回路2に供給される。
図2に示すように、トランス4の1次巻線51には、1次巻線51への電力の供給を制御する駆動用スイッチング素子70が接続されている。駆動用スイッチング素子70は、電源制御回路75によってスイッチング制御される。図2に示す例では、電源回路7は、プッシュプル方式のスイッチング電源回路であり、1次巻線51には、第1駆動用スイッチング素子71及び第2駆動用スイッチング素子72の2つの駆動用スイッチング素子70が接続されている。第1駆動用スイッチング素子71及び第2駆動用スイッチング素子72は、電源制御回路75によって相補的にスイッチング制御される。図2には、複数のトランス4(ここでは、3つのトランス4)のそれぞれに駆動用スイッチング素子70(ここでは、第1駆動用スイッチング素子71及び第2駆動用スイッチング素子72)が各別に設けられる構成を例示しているが、例えば、複数のトランス4に対して共通の駆動用スイッチング素子70が設けられる構成とすることもできる。
トランス4の1次巻線51に入力される入力電圧V1(1次側電圧)は、第2直流電源12の電源電圧から電源回路(電圧レギュレータ等)によって生成される。そのため、入力電圧V1は安定しており、この電源回路7では、フィードバック制御を行うことなくトランス4の変圧比によって、トランス4の2次巻線52から出力される出力電圧(2次側電圧)が決定される。トランス4の2次側電圧は、電力の供給対象となる駆動回路2に供給される。図2に示す例では、トランス4の2次巻線52に生じる交流電圧が、整流用のダイオード74と平滑用のコンデンサ73とを備えた整流回路76によって直流電圧に変換されることで、トランス4の2次側電圧が生成される。
トランス4は、1次巻線51と、1次巻線51に磁気結合する2つの2次巻線52と、を備えている。すなわち、トランス4は、2つの2次側電圧を出力する、2出力型のトランスである。2つの2次巻線52は巻数が互いに等しく、2つの2次巻線52により同程度の2次側電圧が生成される。2つの2次巻線52のうちの一方である第1巻線52aによって生成される2次側電圧は、第1スイッチング素子31を駆動する第1駆動回路21に供給され、2つの2次巻線52のうちの他方である第2巻線52bによって生成される2次側電圧は、第2スイッチング素子32を駆動する第2駆動回路22に供給される。すなわち、トランス4から出力される2つの2次側電圧のうちの一方は第1駆動回路21に供給され、他方は第2駆動回路22に供給される。本実施形態では、第1スイッチング素子31は上段側スイッチング素子であるため、第1巻線52aによって生成される2次側電圧は、上段用駆動電圧VHである。また、本実施形態では、第2スイッチング素子32は下段側スイッチング素子であるため、第2巻線52bによって生成される2次側電圧は、下段用駆動電圧VLである。
このように、トランス4は、第1巻線52aと、第2巻線52bと、1次巻線51とを備えるため、トランス4は、第1巻線52aに接続される第1端子41と、第2巻線52bに接続される第2端子42と、1次巻線51に接続される第3端子43と、を備えている。図2に示すように、本実施形態では、第1巻線52aは、2つの巻線が直列接続された直列接続体を備える。そのため、トランス4は、当該直列接続体の一端に接続される第1端子41と、当該直列接続体の他端に接続される第1端子41と、当該直列接続体の中間点(2つの巻線の接続点)に接続される1つ又は2つの第1端子41とを備える。すなわち、トランス4は、3つ又は4つの第1端子41を備える。後に参照する図3に示す例及び図6に示す例では、トランス4は3つの第1端子41を備えている。なお、直列接続体の中間点に接続される1つ又は2つの第1端子41はセンタータップであり、直列接続体の中間点に2つの第1端子41が接続される場合には、これら2つの第1端子41は、制御基板1上で短絡される。同様に、本実施形態では、第2巻線52b及び1次巻線51のそれぞれは、2つの巻線が直列接続された直列接続体を備え、トランス4は、3つ又は4つの第2端子42を備えると共に、3つ又は4つの第3端子43を備える。図3に示す例及び図6に示す例では、トランス4は3つの第2端子42を備えている。また、図3に示す例では、トランス4は3つの第3端子43を備え、図6に示す例では、トランス4は4つの第3端子43を備えている。
本実施形態では、電源回路7は、3つのトランス4を用いて、6つの駆動回路2(具体的には、3つの第1駆動回路21及び3つの第2駆動回路22)に電力を供給するように構成されている。そして、1つのトランス4(同一のトランス4)から出力される2つの2次側電圧の供給を受ける2つの駆動回路2(第1駆動回路21及び第2駆動回路22)は、同じ相の第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32(すなわち、互いに直列接続される第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32)を駆動する2つの駆動回路2である。よって、図2に示すように、1つのトランス4から出力される2つの2次側電圧は、U相上段用駆動電圧VHU及びU相下段用駆動電圧VLUである。また、別の1つのトランス4から出力される2つの2次側電圧は、V相上段用駆動電圧VHV及びV相下段用駆動電圧VLVである。また、残りの1つのトランス4から出力される2つの2次側電圧は、W相上段用駆動電圧VHW及びW相下段用駆動電圧VLWである。
次に、制御基板1の構成について説明する。図3に示すように、制御基板1は、信号生成回路5と、第1駆動回路21と、第2駆動回路22と、電源回路7(図1、図2参照)と、を備えている。図3には、電源回路7が備えるトランス4を示している。本実施形態では、制御基板1は、N個の第1駆動回路21と、N個の第2駆動回路22と、N個のトランス4と、を備えている。上述したように、本実施形態では、Nは3である。
制御基板1は、板状の基板本体部10を備えている。そして、図3に示すように、制御基板1は、基板本体部10に形成される回路配置領域Aであって、第1スイッチング素子31が接続される第1領域A1と、第2スイッチング素子32が接続される領域であって第1領域A1に対して第1絶縁領域B1を挟んで隣接する第2領域A2と、第1領域A1及び第2領域A2に対して第2絶縁領域B2を挟んで隣接する第3領域A3と、を備えている。すなわち、基板本体部10に形成される回路配置領域Aには、第1領域A1と、第2領域A2と、第3領域A3とが含まれている。図3に示すように、本実施形態では、第1領域A1、第2領域A2、及び第3領域A3は、制御基板1(具体的には、基板本体部10)の厚さ方向に沿う方向視(すなわち、平面視)で矩形状に形成されている。
第1領域A1は、第1スイッチング素子31が接続される領域であるため、第1領域A1には、第1駆動回路21の主回路が配置される。また、第2領域A2は、第2スイッチング素子32が接続される領域であるため、第2領域A2には、第2駆動回路22の主回路が配置される。このように、第1領域A1及び第2領域A2は、高圧系回路が配置される高圧領域である。図示は省略するが、第1領域A1には、電源回路7が備える整流回路76(具体的には、第1巻線52aに接続される整流回路76)が配置され、第2領域A2には、電源回路7が備える整流回路76(具体的には、第2巻線52bに接続される整流回路76)が配置される。一方、図3に簡略化して示すように、第3領域A3には、信号生成回路5が配置される。よって、第3領域A3は、低圧系回路が配置される低圧領域である。図示は省略するが、第3領域A3には、電源回路7が備える駆動用スイッチング素子70及び電源制御回路75も配置される。
第1駆動回路21が備える絶縁素子には、信号生成回路5が生成した第1スイッチング制御信号SW1が入力されるため、この絶縁素子の入力側回路は、信号生成回路5が配置される第3領域A3に接続される。また、第1駆動回路21が備える主回路は、第1スイッチング素子31の制御端子に接続されるため、この主回路は、第1スイッチング素子31が接続される第1領域A1に接続される。そのため、図3に示すように、第1駆動回路21は、第2絶縁領域B2を跨いで第1領域A1と第3領域A3とを接続するように配置されている。
第2駆動回路22が備える絶縁素子には、信号生成回路5が生成した第2スイッチング制御信号SW2が入力されるため、この絶縁素子の入力側回路は、信号生成回路5が配置される第3領域A3に接続される。また、第2駆動回路22が備える主回路は、第2スイッチング素子32の制御端子に接続されるため、この主回路は、第2スイッチング素子32が接続される第2領域A2に接続される。そのため、図3に示すように、第2駆動回路22は、第2絶縁領域B2を跨いで第2領域A2と第3領域A3とを接続するように配置されている。
トランス4の1次巻線51は、第3領域A3に配置される駆動用スイッチング素子70に接続されるため、1次巻線51に接続される第3端子43は、第3領域A3に接続される。また、トランス4の第1巻線52aは、第1領域A1に配置される整流回路76に接続されるため、第1巻線52aに接続される第1端子41は、第1領域A1に接続される。また、トランス4の第2巻線52bは、第2領域A2に配置される整流回路76に接続されるため、第2巻線52bに接続される第2端子42は、第2領域A2に接続される。そのため、図3に示すように、トランス4は、第1端子41が第1領域A1に接続され、第2端子42が第2領域A2に接続され、第3端子43が第3領域A3に接続されるように、第1絶縁領域B1及び第2絶縁領域B2の双方を跨いで配置されている。
ここで、1つのトランス4(同一のトランス4)が接続される第1領域A1と第2領域A2との組に着目して、図3に示すように、第1領域A1と第2領域A2との並び方向を対象方向Dとし、対象方向Dにおける第2領域A2側から第1領域A1側に向かう側を第1側D1とし、対象方向Dにおける第1側D1とは反対側を第2側D2とする。なお、対象方向Dは、制御基板1(具体的には、基板本体部10)の板面に沿うように定義される。すなわち、対象方向Dは、制御基板1(具体的には、基板本体部10)の厚さ方向に直交する方向である。本実施形態では、同じ相の第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32(言い換えれば、1つのアーム33が備える第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32、すなわち、互いに直列接続される第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32)に接続される第1領域A1及び第2領域A2が、1つのトランス4が接続される第1領域A1と第2領域A2との組を構成する。
図3に示すように、本実施形態では、第1端子41は、トランス4の本体部40から第1側D1に突出するように設けられ、第2端子42は、トランス4の本体部40から第2側D2に突出するように設けられ、第3端子43は、トランス4の本体部40から交差方向Cに突出するように設けられている。ここで、交差方向Cは、対象方向Dに交差する方向であり、本実施形態では、対象方向Dに直交する方向である。交差方向Cは、制御基板1(具体的には、基板本体部10)の板面に沿うように定義される。
図3に示すように、本実施形態では、第1絶縁領域B1は、交差方向Cに沿って延びるように形成され、第2絶縁領域B2は、対象方向Dに沿って延びるように形成されている。そして、第1絶縁領域B1における交差方向Cの一方側の端部が、第2絶縁領域B2に接続されており、第1絶縁領域B1における当該端部において、第1絶縁領域B1及び第2絶縁領域B2の双方を跨ぐようにトランス4が配置されている。
図6に、1次巻線51と2つの2次巻線52とを備えるトランス4の一例を示す。図6に示す例では、図3に示す例と同様に、トランス4は、3つの第1端子41と3つの第2端子42とを備えている。一方、図3に示す例では、トランス4が3つの第3端子43を備えているのに対して、図6に示す例では、トランス4は、4つの第3端子43を備えている。図6に示すように、トランス4は、電気的絶縁性を有する材料(樹脂等)を用いて形成されたボビン60と、磁性を有する材料を用いて形成されたコア63と、を備えている。図6に示す例では、1次巻線51及び2次巻線52が、共通のボビン60に巻回されている。ボビン60の中心部には貫通孔(巻線の巻回軸に沿って延びる貫通孔)が形成されており、一対のコア63が、それぞれの中脚部63aが当該貫通孔に対して互いに反対側から挿入されるように配置されている。本例では、一対のコア63のそれぞれの中脚部63aが対向する部分にギャップが形成されている。
そして、第1端子41と第2端子42との並び方向における第1端子41側から第2端子42側に向かって、第1巻線52a、第1絶縁壁61、1次巻線51、第2絶縁壁62、及び第2巻線52bが、記載の順に配置されている。ボビン60は、巻線の巻回軸が当該並び方向に沿う向きで配置されている。第1絶縁壁61及び第2絶縁壁62は、電気的絶縁性を有する材料を用いて形成される。そして、第1絶縁壁61及び第2絶縁壁62は、第1端子41と第2端子42との並び方向に交差する方向(ここでは、当該並び方向に直交する方向)に延びるように形成される。図6に示す例では、第1絶縁壁61及び第2絶縁壁62はボビン60と一体的に形成されている。また、図6に示す例では、第1端子41と第2端子42との並び方向は、対象方向Dに沿う方向である。すなわち、トランス4は、第1端子41と第2端子42との並び方向が対象方向Dに沿う向きで、制御基板1に配置されている。図6に示す例では、第1端子41、第2端子42、及び第3端子43のそれぞれは、ボビン60と一体的に形成された端子台64に取り付けられている。
図6に示す例では、第1巻線52aと第1端子41との間の距離(具体的には、第1端子41と第2端子42との並び方向に沿った距離、以下同様)と、第2巻線52bと第2端子42との間の距離とが等しくなるように、トランス4が構成されている。また、図6に示す例では、第1巻線52aと1次巻線51との距離と、第2巻線52bと1次巻線51との距離とが等しくなるように、トランス4が構成されている。これにより、2つの2次巻線52の間で、インダクタンスを同程度とすると共に1次巻線51との結合係数を同程度として、2つの2次巻線52により同程度の2次側電圧を生成することを可能としている。なお、図6に示す例では、一対のコア63の間に形成される上記ギャップと第1巻線52aとの距離と、当該ギャップと第2巻線52bとの距離とが等しくなるように、トランス4が構成されており、これによっても、2つの2次巻線52の間でインダクタンスを同程度とすることが可能となっている。
図3に示すように、本実施形態では、第1領域A1及び第2領域A2のそれぞれに、端子接続部6が形成されている。そして、図5に示すように、第1スイッチング素子31の端子接続部と、第1領域A1に形成された端子接続部6とが、接続端子80を介して接続されることで、第1スイッチング素子31が第1領域A1に接続される。また、第2スイッチング素子32の端子接続部と、第2領域A2に形成された端子接続部6とが、接続端子80を介して接続されることで、第2スイッチング素子32が第2領域A2に接続される。端子接続部6は、例えば、制御基板1(具体的には、基板本体部10)を貫通する孔部を備え、この場合、接続端子80が当該孔部を貫通するように配置された状態で、接続端子80と端子接続部6とが電気的に接続される。
第1領域A1には、第1スイッチング素子31の制御端子に接続される端子接続部6が少なくとも形成され、第2領域A2には、第2スイッチング素子32の制御端子に接続される端子接続部6が少なくとも形成される。図3及び図5に示す例では、第1領域A1及び第2領域A2のそれぞれに、複数の端子接続部6(具体的には、5つの端子接続部6)が形成されている。これら複数の端子接続部6は、対象方向Dに沿って一列に並んで配置されている。本実施形態では、スイッチング素子3を構成するチップ型素子には、当該スイッチング素子3を流れる電流を検出する電流検出回路と、当該スイッチング素子3の温度を検出する温度検出回路とが内蔵されている。そして、スイッチング素子3には、端子接続部として、当該スイッチング素子3の制御端子に接続された端子接続部に加えて、電流検出回路の検出結果を取得するための2つの端子接続部と、温度検出回路の検出結果を取得するための2つの端子接続部と、を備えている。すなわち、スイッチング素子3は、5つの端子接続部を備えている。これに対応して、第1領域A1及び第2領域A2のそれぞれには、スイッチング素子3が備える5つの端子接続部に接続される5つの端子接続部6が形成されている。
上述したように、本実施形態では、インバータ30は、N個(Nは2以上の自然数であり、本実施形態ではNは3)の第1スイッチング素子31とN個の第2スイッチング素子32とを備えている。そのため、基板本体部10には、N個の第1スイッチング素子31のそれぞれに対応してN個の第1領域A1が形成されていると共に、N個の第2スイッチング素子32のそれぞれに対応してN個の第2領域A2が形成されている。そして、本実施形態では、図3及び図5に示すように、N個の第1領域A1とN個の第2領域A2とが、規定の配列方向Eに沿って一列に並んで配置されている。具体的には、第1領域A1と第2領域A2とは、1つずつ交互に配列方向Eに並べて配置されており、配列方向Eにおける第1領域A1と第2領域A2との隙間のそれぞれに第1絶縁領域B1が形成されている。第3領域A3は、配列方向Eに連続するように形成されていると共に、N個の第1領域A1及びN個の第2領域A2に対して第2絶縁領域B2を挟んで直交方向F(配列方向Eに直交する方向)に隣接して配置されている。なお、配列方向Eは、上述した対象方向Dに平行となるように定義される。また、直交方向Fは、制御基板1(具体的には、基板本体部10)の板面に沿うように定義され、本実施形態では、交差方向Cに平行となるように定義される。
本実施形態では、図5に示すように、第1スイッチング素子31と第2スイッチング素子32とは、1つずつ交互に配列方向Eに並べて配置されており、第1領域A1と第2領域A2との配置間隔は、第1スイッチング素子31と第2スイッチング素子32との配置間隔に応じた間隔となっている。図示は省略するが、第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32は、制御基板1とは別の基板に配置されている。
上述したように、本実施形態では、同じ相の第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32に接続される第1領域A1及び第2領域A2が、1つのトランス4が接続される第1領域A1と第2領域A2との組を構成する。よって、図3に示す例では、制御基板1(具体的には、基板本体部10)には、U相の第1スイッチング素子31及びU相の第2スイッチング素子32に接続される第1領域A1及び第2領域A2を含む回路配置領域AであるU相回路配置領域AUと、V相の第1スイッチング素子31及びV相の第2スイッチング素子32に接続される第1領域A1及び第2領域A2を含む回路配置領域AであるV相回路配置領域AVと、W相の第1スイッチング素子31及びW相の第2スイッチング素子32に接続される第1領域A1及び第2領域A2を含む回路配置領域AであるW相回路配置領域AWとが、配列方向Eに並んで形成されている。
この制御基板1では、第1領域A1と第2領域A2とに共通に設けられるトランス4が、上述したように第1絶縁領域B1及び第2絶縁領域B2の双方を跨いで配置されるため、1つのトランス4が接続される第1領域A1と第2領域A2との配置間隔の短縮を図ることが可能となっている。この点について、図4に示す比較例を参照して説明する。図4に示す比較例は、本開示に係る制御基板の実施例ではないが、本開示に係る制御基板の実施例(図3)との比較を容易にするために、図3と同様の符号を図4に付している。
図3に示すように、第1絶縁領域B1及び第2絶縁領域B2の双方を跨ぐようにトランス4を配置することで、第1領域A1と第2領域A2とを電気的に絶縁するための第1絶縁領域B1を、トランス4の配置領域として利用することができる。このように第1絶縁領域B1をトランス4の配置領域として利用することで、トランス4における第1領域A1に配置される部分及びトランス4における第2領域A2に配置される部分のそれぞれの面積(平面視での面積)を小さく抑えることができる。この結果、図4に示す比較例に比べて、すなわち、第1領域A1と第3領域A3とを接続する第1トランス4a(第1駆動回路21に電力を供給するためのトランス)と、第2領域A2と第3領域A3とを接続する第2トランス4b(第2駆動回路22に電力を供給するためのトランス)とが各別に設けられる場合に比べて、第1領域A1及び第2領域A2のそれぞれを対象方向Dに小さくして、第1領域A1と第2領域A2との配置間隔の短縮を図ることが可能となっている。この結果、図3を図4と比較すると明らかなように、配列方向Eにおける制御基板1の小型化を図りつつ、N個の第1領域A1とN個の第2領域A2とが配列方向Eに沿って一列に並んで配置された制御基板1を実現しやすくなっている。
〔その他の実施形態〕
次に、制御基板のその他の実施形態について説明する。
次に、制御基板のその他の実施形態について説明する。
(1)上記の実施形態では、第1端子41が、トランス4の本体部40から第1側D1に突出するように設けられ、第2端子42が、トランス4の本体部40から第2側D2に突出するように設けられ、第3端子43が、トランス4の本体部40から交差方向Cに突出するように設けられる構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば図7に示す例のように、第1端子41及び第2端子42が、交差方向Cの同じ側(第3端子43が突出する側とは反対側)に突出するように設けられる構成とすることもできる。
(2)上記の実施形態では、N個の第1領域A1とN個の第2領域A2とが、規定の配列方向Eに沿って一列に並んで配置される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば図7に示す例のように、1つのトランス4が接続される第1領域A1及び第2領域A2のみが隣接して配置される構成とすることもできる。
(3)上記の実施形態では、1つのトランス4が接続される第1領域A1及び第2領域A2が、同じ相の第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32に接続される第1領域A1及び第2領域A2である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、1つのトランス4が接続される第1領域A1及び第2領域A2が、互いに異なる相の第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32に接続される第1領域A1及び第2領域A2である構成とすることもできる。
(4)上記の実施形態では、上段側スイッチング素子が第1スイッチング素子31であり、下段側スイッチング素子が第2スイッチング素子32である構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、下段側スイッチング素子が第1スイッチング素子31であり、上段側スイッチング素子が第2スイッチング素子32である構成とすることもできる。また、例えば、1つのトランス4が接続される第1領域A1及び第2領域A2の組として、いずれも上段側スイッチング素子である第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32に接続される第1領域A1及び第2領域A2の組と、いずれも下段側スイッチング素子である第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32に接続される第1領域A1及び第2領域A2の組との双方が存在する構成とすることもできる。
(5)上記の実施形態では、インバータ30が、N個(Nは2以上の自然数)の第1スイッチング素子31とN個の第2スイッチング素子32とを備える構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、インバータ30が1つの第1スイッチング素子31と1つの第2スイッチング素子32とを備える構成とすることもできる。この場合、基板本体部10には、1つの第1領域A1と1つの第2領域A2とが形成される。
(6)上記の実施形態では、第1駆動回路21及び第2駆動回路22として、絶縁素子が内蔵された駆動回路が用いられる構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第1駆動回路21及び第2駆動回路22として、絶縁素子と主回路(ドライバ)とが別部品とされる駆動回路を用いることもできる。この場合、例えば、第1駆動回路21における絶縁素子が、第2絶縁領域B2を跨いで第1領域A1と第3領域A3とを接続するように配置され、第1駆動回路21における主回路が、第2絶縁領域B2を跨がずに第1領域A1に配置される構成とすることができる。同様に、第2駆動回路22における絶縁素子が、第2絶縁領域B2を跨いで第2領域A2と第3領域A3とを接続するように配置され、第2駆動回路22における主回路が、第2絶縁領域B2を跨がずに第2領域A2に配置される構成とすることができる。
(7)上記の実施形態では、電源回路7が、プッシュプル方式のスイッチング電源回路である構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、電源回路7は、ハーフブリッジ方式、フルブリッジ方式、シングルフォワード方式、フライバック方式等の、プッシュプル方式以外の方式のスイッチング電源回路であってもよい。
(8)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した制御基板の概要について説明する。
以下、上記において説明した制御基板の概要について説明する。
第1スイッチング素子(31)及び第2スイッチング素子(32)を備えたインバータ(30)を制御する制御基板(1)であって、前記第1スイッチング素子(31)をスイッチング制御する第1スイッチング制御信号(SW1)及び前記第2スイッチング素子(32)をスイッチング制御する第2スイッチング制御信号(SW2)を生成する信号生成回路(5)と、前記第1スイッチング制御信号(SW1)に基づき前記第1スイッチング素子(31)を駆動する第1駆動回路(21)と、前記第2スイッチング制御信号(SW2)に基づき前記第2スイッチング素子(32)を駆動する第2駆動回路(22)と、トランス(4)を用いて前記第1駆動回路(21)及び前記第2駆動回路(22)に電力を供給する電源回路(7)と、を備えると共に、板状の基板本体部(10)に形成される回路配置領域(A)であって、前記第1スイッチング素子(31)が接続される第1領域(A1)と、前記第2スイッチング素子(32)が接続される領域であって前記第1領域(A1)に対して第1絶縁領域(B1)を挟んで隣接する第2領域(A2)と、前記第1領域(A1)及び前記第2領域(A2)に対して第2絶縁領域(B2)を挟んで隣接する第3領域(A3)と、を備え、前記信号生成回路(5)は、前記第3領域(A3)に配置され、前記第1駆動回路(21)は、前記第2絶縁領域(B2)を跨いで前記第1領域(A1)と前記第3領域(A3)とを接続するように配置され、前記第2駆動回路(22)は、前記第2絶縁領域(B2)を跨いで前記第2領域(A2)と前記第3領域(A3)とを接続するように配置され、前記トランス(4)は、第1端子(41)、第2端子(42)、及び第3端子(43)を備えると共に、前記第1端子(41)が前記第1領域(A1)に接続され、前記第2端子(42)が前記第2領域(A2)に接続され、前記第3端子(43)が前記第3領域(A3)に接続されるように、前記第1絶縁領域(B1)及び前記第2絶縁領域(B2)の双方を跨いで配置されている。
この構成によれば、第1端子(41)、第2端子(42)、及び第3端子(43)を備えるトランス(4)が、第1端子(41)が第1領域(A1)に接続され、第2端子(42)が第2領域(A2)に接続され、第3端子(43)が第3領域(A3)に接続されるように配置されるため、第1スイッチング素子(31)が接続される第1領域(A1)と第2スイッチング素子(32)が接続される第2領域(A2)とに共通のトランス(4)を用いつつ、第1領域(A1)及び第2領域(A2)のそれぞれを、トランス(4)を介して第3領域(A3)に接続することができる。
そして、このトランス(4)は、第1絶縁領域(B1)及び第2絶縁領域(B2)の双方を跨いで配置される。このように第1領域(A1)と第2領域(A2)とを電気的に絶縁するための第1絶縁領域(B1)をトランス(4)の配置領域として利用することで、トランス(4)における第1領域(A1)に配置される部分及びトランス(4)における第2領域(A2)に配置される部分のそれぞれの面積(平面視での面積)を小さく抑えることができる。よって、第1領域(A1)と第3領域(A3)とを接続するトランスと、第2領域(A2)と第3領域(A3)とを接続するトランスとが各別に設けられる場合に比べて、第1領域(A1)と第2領域(A2)との並び方向において第1領域(A1)及び第2領域(A2)のそれぞれを小さくして、第1領域(A1)と第2領域(A2)との配置間隔の短縮を図ることができる。
このように、上記の構成によれば、スイッチング素子(31,32)が接続される領域(A1,A2)間の電気的絶縁性を適切に確保しつつ、当該領域(A1,A2)の配置間隔の短縮を図ることができる。
ここで、前記第1領域(A1)と前記第2領域(A2)との並び方向を対象方向(D)とし、前記対象方向(D)における前記第2領域(A2)側から前記第1領域(A1)側に向かう側を第1側(D1)とし、前記対象方向(D)における前記第1側(D1)とは反対側を第2側(D2)として、前記第1端子(41)は、前記トランス(4)の本体部(40)から前記第1側(D1)に突出するように設けられ、前記第2端子(42)は、前記本体部(40)から前記第2側(D2)に突出するように設けられ、前記第3端子(43)は、前記本体部(40)から前記対象方向(D)に交差する方向(C)に突出するように設けられていると好適である。
この構成によれば、第1端子(41)及び第2端子(42)が、トランス(4)の本体部(40)から対象方向(D)に交差する方向(C)の同じ側に突出するように設けられる場合に比べて、第1端子(41)と第2端子(42)との電気的絶縁性を適切に確保しつつ、対象方向(D)における本体部(40)の小型化を図りやすい。トランス(4)の本体部(40)を対象方向(D)に小型化することで、第1領域(A1)と第2領域(A2)との配置間隔の短縮をより一層図ることができる。
また、前記トランス(4)は、1次巻線(51)と、前記1次巻線(51)に磁気結合する2つの2次巻線(52)と、を備え、前記第1端子(41)は、2つの前記2次巻線(52)のうちの一方である第1巻線(52a)に接続され、前記第2端子(42)は、2つの前記2次巻線(52)のうちの他方である第2巻線(52b)に接続され、前記第3端子(43)は、前記1次巻線(51)に接続されていると好適である。
この構成によれば、トランス(4)の2つの2次巻線(52)により生成される2つの2次側電圧が第1駆動回路(21)及び第2駆動回路(22)に供給されるように、トランス(4)を適切に構成することができる。
上記のように、前記第1端子(41)が前記第1巻線(52a)に接続され、前記第2端子(42)が前記第2巻線(52b)に接続され、前記第3端子(43)が前記1次巻線(51)に接続される構成において、前記第1端子(41)と前記第2端子(42)との並び方向における前記第1端子(41)側から前記第2端子(42)側に向かって、前記第1巻線(52a)、第1絶縁壁(61)、前記1次巻線(51)、第2絶縁壁(62)、及び前記第2巻線(52b)が、記載の順に配置されていると好適である。
この構成によれば、第1巻線(52a)と第1端子(41)との間の距離と、第2巻線(52b)と第2端子(42)との間の距離との差を小さく抑えることができると共に、第1巻線(52a)と1次巻線(51)との距離と、第2巻線(52b)と1次巻線(51)との距離との差を小さく抑えることができる。よって、2つの2次巻線(52)の間で、インダクタンスを同程度とすると共に1次巻線(51)との結合係数を同程度とすることが容易となり、2つの2次巻線(52)により同程度の2次側電圧が生成されるようにトランス(4)を構成しやすくなる。
また、上記の構成によれば、第1巻線(52a)と1次巻線(51)との間に第1絶縁壁(61)が配置されると共に、第2巻線(52b)と1次巻線(51)との間に第2絶縁壁(62)が配置されるため、これらの第1絶縁壁(61)及び第2絶縁壁(62)が設けられない場合に比べて、1次巻線(51)と2つの2次巻線(52)との間の電気的絶縁性を適切に確保しつつ、第1端子(41)と第2端子(42)との並び方向におけるトランス(4)の小型化を図りやすい。
上記の各構成の制御基板(1)において、前記インバータ(30)は、N個(Nは2以上の自然数)の前記第1スイッチング素子(31)とN個の前記第2スイッチング素子(32)とを備え、前記基板本体部(10)には、N個の前記第1スイッチング素子(31)のそれぞれに対応してN個の前記第1領域(A1)が形成されていると共に、N個の前記第2スイッチング素子(32)のそれぞれに対応してN個の前記第2領域(A2)が形成され、N個の前記第1領域(A1)とN個の前記第2領域(A2)とが、規定の配列方向(E)に沿って一列に並んで配置され、前記第3領域(A3)が、前記配列方向(E)に連続するように形成されていると共に、N個の前記第1領域(A1)及びN個の前記第2領域(A2)に対して前記第2絶縁領域(B2)を挟んで前記配列方向(E)に直交する方向(F)に隣接して配置されていると好適である。
この構成によれば、制御対象となるインバータ(30)が、第1スイッチング素子(31)と第2スイッチング素子(32)とが1つずつ交互に一列に並べて配置されるインバータ(30)である場合に、N個の第1スイッチング素子(31)のそれぞれを対応する第1領域(A1)に接続し、且つ、N個の第2スイッチング素子(32)のそれぞれを対応する第2領域(A2)に接続することが容易な制御基板(1)を実現することができる。そして、上述したように、本開示の制御基板(1)は、第1領域(A1)と第2領域(A2)との配置間隔の短縮を図ることができるため、配列方向(E)における制御基板(1)の小型化を図りつつ、N個の第1領域(A1)とN個の第2領域(A2)とが配列方向(E)に沿って一列に並んで配置された制御基板(1)を実現することができる。
本開示に係る制御基板は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
1:制御基板
4:トランス
5:信号生成回路
7:電源回路
10:基板本体部
21:第1駆動回路
22:第2駆動回路
30:インバータ
31:第1スイッチング素子
32:第2スイッチング素子
40:本体部
41:第1端子
42:第2端子
43:第3端子
51:1次巻線
52:2次巻線
52a:第1巻線
52b:第2巻線
61:第1絶縁壁
62:第2絶縁壁
A:回路配置領域
A1:第1領域
A2:第2領域
A3:第3領域
B1:第1絶縁領域
B2:第2絶縁領域
C:交差方向(対象方向に交差する方向)
D:対象方向
D1:第1側
D2:第2側
E:配列方向
F:直交方向(配列方向に直交する方向)
SW1:第1スイッチング制御信号
SW2:第2スイッチング制御信号
4:トランス
5:信号生成回路
7:電源回路
10:基板本体部
21:第1駆動回路
22:第2駆動回路
30:インバータ
31:第1スイッチング素子
32:第2スイッチング素子
40:本体部
41:第1端子
42:第2端子
43:第3端子
51:1次巻線
52:2次巻線
52a:第1巻線
52b:第2巻線
61:第1絶縁壁
62:第2絶縁壁
A:回路配置領域
A1:第1領域
A2:第2領域
A3:第3領域
B1:第1絶縁領域
B2:第2絶縁領域
C:交差方向(対象方向に交差する方向)
D:対象方向
D1:第1側
D2:第2側
E:配列方向
F:直交方向(配列方向に直交する方向)
SW1:第1スイッチング制御信号
SW2:第2スイッチング制御信号
Claims (5)
- 第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子を備えたインバータを制御する制御基板であって、
前記第1スイッチング素子をスイッチング制御する第1スイッチング制御信号及び前記第2スイッチング素子をスイッチング制御する第2スイッチング制御信号を生成する信号生成回路と、
前記第1スイッチング制御信号に基づき前記第1スイッチング素子を駆動する第1駆動回路と、
前記第2スイッチング制御信号に基づき前記第2スイッチング素子を駆動する第2駆動回路と、
トランスを用いて前記第1駆動回路及び前記第2駆動回路に電力を供給する電源回路と、を備えると共に、
板状の基板本体部に形成される回路配置領域であって、前記第1スイッチング素子が接続される第1領域と、前記第2スイッチング素子が接続される領域であって前記第1領域に対して第1絶縁領域を挟んで隣接する第2領域と、前記第1領域及び前記第2領域に対して第2絶縁領域を挟んで隣接する第3領域と、を備え、
前記信号生成回路は、前記第3領域に配置され、
前記第1駆動回路は、前記第2絶縁領域を跨いで前記第1領域と前記第3領域とを接続するように配置され、
前記第2駆動回路は、前記第2絶縁領域を跨いで前記第2領域と前記第3領域とを接続するように配置され、
前記トランスは、第1端子、第2端子、及び第3端子を備えると共に、前記第1端子が前記第1領域に接続され、前記第2端子が前記第2領域に接続され、前記第3端子が前記第3領域に接続されるように、前記第1絶縁領域及び前記第2絶縁領域の双方を跨いで配置されている、制御基板。 - 前記第1領域と前記第2領域との並び方向を対象方向とし、前記対象方向における前記第2領域側から前記第1領域側に向かう側を第1側とし、前記対象方向における前記第1側とは反対側を第2側として、
前記第1端子は、前記トランスの本体部から前記第1側に突出するように設けられ、
前記第2端子は、前記本体部から前記第2側に突出するように設けられ、
前記第3端子は、前記本体部から前記対象方向に交差する方向に突出するように設けられている、請求項1に記載の制御基板。 - 前記トランスは、1次巻線と、前記1次巻線に磁気結合する2つの2次巻線と、を備え、
前記第1端子は、2つの前記2次巻線のうちの一方である第1巻線に接続され、
前記第2端子は、2つの前記2次巻線のうちの他方である第2巻線に接続され、
前記第3端子は、前記1次巻線に接続されている、請求項1又は2に記載の制御基板。 - 前記第1端子と前記第2端子との並び方向における前記第1端子側から前記第2端子側に向かって、前記第1巻線、第1絶縁壁、前記1次巻線、第2絶縁壁、及び前記第2巻線が、記載の順に配置されている、請求項3に記載の制御基板。
- 前記インバータは、N個(Nは2以上の自然数)の前記第1スイッチング素子とN個の前記第2スイッチング素子とを備え、
前記基板本体部には、N個の前記第1スイッチング素子のそれぞれに対応してN個の前記第1領域が形成されていると共に、N個の前記第2スイッチング素子のそれぞれに対応してN個の前記第2領域が形成され、
N個の前記第1領域とN個の前記第2領域とが、規定の配列方向に沿って一列に並んで配置され、
前記第3領域が、前記配列方向に連続するように形成されていると共に、N個の前記第1領域及びN個の前記第2領域に対して前記第2絶縁領域を挟んで前記配列方向に直交する方向に隣接して配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019128229A JP2021016210A (ja) | 2019-07-10 | 2019-07-10 | 制御基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019128229A JP2021016210A (ja) | 2019-07-10 | 2019-07-10 | 制御基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021016210A true JP2021016210A (ja) | 2021-02-12 |
Family
ID=74530695
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019128229A Pending JP2021016210A (ja) | 2019-07-10 | 2019-07-10 | 制御基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021016210A (ja) |
-
2019
- 2019-07-10 JP JP2019128229A patent/JP2021016210A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20210423 |