JP2010283184A - 再生半導体ウエハの製造方法 - Google Patents

再生半導体ウエハの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】使用済み製品ウエハの多くは、深い拡散層等を有するため、それらから再生テスト・ウエハ等を製造する場合は、それらを除去する必要があるため、必然的に除去速度の大きいグラインディングなどの機械的除去手段を導入せざるを得なくなり、その加工の結果として生じた変質層を更に除去する必要が生じる等の問題がある。
【解決手段】本願の一つの発明は、シリコン系再生テスト・ウエハ等の製造方法において、使用済みテスト・ウエハ(非製品ウエハ)の表面の構造層をウエット・エッチングにより、必要な程度、除去した後、凹凸を有するウエハの一つの主面に対して、浮遊砥粒、および水溶性ポリマを含有する研磨スラリを用いた化学機械研磨を実施する工程を含むものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、トランジスタや配線等からなる回路、パターン等の層(機能層)が形成された使用済みの半導体ウエハ等から、半導体集積回路装置等の製造又は製造工程におけるテストに適する再生半導体ウエハ等を製造する方法に関する。
日本特開2001−358107号公報(特許文献1)または、その対応米国特許公開2001−0039101号公報(特許文献2)には、使用済みの半導体ウエハを、半導体集積回路製造に適する半導体ウエハに再生する方法として、ウエット・エッチングで半導体ウエハ上の異性物質を除去し、その後、研削、エッチング、研磨等を施す技術が開示されている。
日本特開2004−260137号公報(特許文献3)または、その対応米国特許第7022586号公報(特許文献4)には、張り合わせSOI(Silicon on Insulator)ウエハの作製に使用する張り合わせ用ウエハの再生方法として、傾斜した研磨パッドとスラリを使用するウエハの表面構造除去技術が開示されている。
日本特開2002−057129号公報(特許文献5)または、その対応米国特許第6406923号公報(特許文献6)には、使用済みの半導体ウエハを、半導体集積回路製造に適する半導体ウエハに再生する方法として、機械的研磨の代わりに、金属汚染を低減するために、ブラスト加工、または、硬質粒子圧接法を用いる技術が開示されている。
日本特開2007−243159号公報(特許文献7)には、金属膜などの被膜が形成されている半導体ウエハ、所謂ダミー・ウエハを、ドライ・エッチングすることによって、再び使用できるように再生する手法が公開されている。
日本特開2004−356231号公報(特許文献8)または、その対応米国特許公開2007−0023395号公報(特許文献9)には、浮遊砥粒を含むスラリと多孔質ポリウレタン研磨パッドを用いた研磨により、原材料としての半導体ウエハを製造する方法が開示されている。
日本特開2004−337992号公報(特許文献10)には、固定砥粒研磨パッドを用いて、半導体製造工程のCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を行う方法が開示されている。
米国特許第3170273号公報(特許文献11)には、半導体デバイスに対するポリッシング技術における研磨速度の高速化の観点から、研磨砥粒として、コロイダル・シリカおよびシリカゲルが最も適していることが開示されている。その研磨砥粒の具体例として、1次粒子の粒径が4から200nmのものなどが示されている。
米国特許第4169337号公報(特許文献12)には、コロイダル・シリカまたはシリカゲルを含む研磨スラリに水溶性アミンを添加することにより、シリコン半導体表面を高速で研磨できる技術が開示されている。その研磨砥粒の具体例として、1次粒子の粒径が4から200nm、好ましくは4から100nmのものなどが示されている。
米国特許第4462188号公報(特許文献13)には、コロイダル・シリカまたはシリカゲルを含む研磨スラリに水溶性アミンおよび水溶性第四アンモニウム塩または第四アンモニウム塩基を添加することにより、シリコン半導体表面を更に高速で研磨できる技術が開示されている。
日本特開昭52−47369号公報(特許文献14)には、pHが11から12.5の研磨スラリ中のコロイダル・シリカ等の表面をアルミニウム原子で被覆することによって、シリコン半導体等の表面を高速で研磨できる技術が開示されている。
日本特開昭62-30333号公報(特許文献15)または米国特許第4588421号公報(特許文献16)には、水性コロイド・シリカ・ゾル等を含むスラリにピペラジン(Piperazine)等を添加することによって、低砥粒濃度でシリコン半導体等の表面を高速で研磨できる技術が開示されている。
日本特開2006−80302号公報(特許文献17)または米国特許公開2006−0049143号公報(特許文献18)には、アゾール類およびその誘導体の少なくともいずれか一種を含む研磨スラリが開示されている。ここには、アゾール類等の添加によって、研磨能力が向上すること、ならびに、この向上が複素5員環化合物(Five−Membered Heterocyclic Compound)の窒素原子の非共有電子対が研磨対象物に直接作用するためとの記載があり、複素5員環化合物の例としてイミダゾール(Imidazole)が示されている。
日本特開平02−158684号公報(特許文献19)または米国特許第5352277号公報(特許文献20)には、シリコン基板等のウエハの凹凸を低減するスラリ(研磨液)として、コロイダル・シリカ、ポリ・アクリル・アミド(Poly−Acrylamide;水溶性高分子)、および塩化カルシウム(水溶性塩類)を含有するものが開示されている。また、ここには、水溶性高分子の添加により、研磨速度が低下する問題が示されている。
日本特開2008−53414号公報(特許文献21)または米国特許公開2008−0053001号公報(特許文献22)には、欠陥の一種であるLPD(Light Point Defect)を低減するスラリとして、ポリ・ビニル・ピロリドン(Poly−VInylpyrrolidone)を含むものが開示されている。また、この文献では、研磨速度の低下を回避するために、ポリ・ビニル・ピロリドンの添加量を低く抑えている(たとえば0.002重量%以下)。
日本特開2006−324639号公報(特許文献23)または米国特許公開2006−0255314号公報(特許文献24)には、使用済みウエハの再生に関して、シリコン基板部分のみでなく、上部構造も効率よく研磨できる研磨スラリが開示されている。
Electronic Journal 2007年10月号、47頁(非特許文献1)には、使用済みの半導体ウエハを、半導体集積回路製造に適する半導体ウエハに再生する方法として、研磨を用いず、ウエット・エッチングおよびドライ・エッチングを併用することにより、半導体ウエハの損失量を9マイクロ・メートルに抑えて半導体ウエハの再生が可能な技術が開示されている。
OKIテクニカルレビュー2007年10月、第211号VOL.74,No.3(非特許文献2)には、ポリッシング技術のTSV(Through−Silicon−Via)への応用が開示されている。
特開2001−358107号公報 米国特許公開2001−0039101号公報 特開2004−260137号公報 米国特許第7022586号公報 特開2002−057129号公報 米国特許第6406923号公報 特開2007−243159号公報 特開2004−356231号公報 米国特許公開2007−0023395号公報 特開2004−337992号公報 米国特許第3170273号公報 米国特許第4169337号公報 米国特許第4462188号公報 特開昭52−47369号公報 特開昭62−30333号公報 米国特許第4588421号公報 特開2006−80302号公報 米国特許公開2006−0049143号公報 特開平02−158684号公報 米国特許第5352277号公報 特開2008−53414号公報 米国特許公開2008−0053001号公報 特開2006−324639号公報 米国特許公開2006−0255314号公報
Electronic Journal 2007年10月号、47頁 OKIテクニカルレビュー2007年10月、第211号VOL.74,No.3
半導体装置または半導体集積回路装置の製造(ウエハ工程)においては、主に単結晶シリコン・ウエハのデバイス面上に、素子を形成し、その上に配線層を必要に応じて堆積することで、ウエハ上の多数の単位チップ領域を完成させる。その後、ウエハを通常、所定の厚さまで裏面研削を実施した後、単位チップ領域に分割している(裏面研削と分割等の工程を総称して「ウエハ・チップ化工程」という)。
ここで、原材料としてのウエハ投入からウエハ・チップ化工程前の段階で、ラインから外部に排出されるウエハ、すなわち「途中排出製品ウエハ(使用済み製品ウエハ)」の全投入製品ウエハに占める比率が極めて高いことから、使用済みウエハの再生が重要視されている。
一般に、製品用ウエハ(たとえば200φシリコン系ウエハ)の厚さは800マイクロ・メートル前後であり、半導体製造装置との関係で100マイクロ・メートル前後の厚さの減少まで許容できると判断されている。しかし、これまでの主要なウエハ再生技術は、数マイクロ・メートル程度の深さに及ぶ深い不純物領域を除去するため、除去速度の大きいグラインディング等の機械的研削を多用する結果、1回の再生で数十マイクロ・メートル前後の厚さの目減りが不可避であった。また、ウエット・エッチングとドライ・エッチングを併用する方法も開発されているが、それでも、9マイクロ・メートル程度の厚さ減少に抑えるのがやっとというところである。このような大きな厚さ減少を伴うウエハ再生技術では、十分な再生回数を確保することができず、ウエハ再生利用の拡大を図ることができない。
一方、ウエハ・プロセスを構成する各要素工程において、プロセス・テストのため、多数のウエハがテスト・ウエハ(一部は「ダミー・ウエハ」とも呼ばれ、本願では、それらを総称して「非製品ウエハ」という。)として消費され、テストが完了すると、ウエハ・ライン外に排出される。このテスト・ウエハは、一般に、その全投入量が、そのまま全部廃棄されるものとされている。そして、本願発明者等が検討したところによると、ウエハ・プロセスを構成する要素工程の総数は近年増加の一途をたどっており、それに従って、排出テスト・ウエハの数は、使用済み製品ウエハの総量を超えるものとなっていることが明らかとなった。
本願発明は、これらの課題を解決するためになされたものである。
本発明の目的は、半導体装置または半導体集積回路装置の製造プロセスに適合した半導体ウエハの再生技術を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、本願の一つの発明は、シリコン系再生ウエハの製造方法において、使用済みテスト・ウエハ(非製品ウエハ)の表面の構造層をウエット・エッチングにより、必要な程度、除去した後、凹凸を有するウエハの一つの主面に対して、浮遊砥粒、および水溶性ポリマを含有する研磨スラリを用いた化学機械研磨を実施する工程を含むものである。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、シリコン系再生ウエハの製造方法において、使用済みテスト・ウエハ(非製品ウエハ)の表面の構造層をウエット・エッチングにより、必要な程度、除去した後、凹凸を有するウエハの一つの主面に対して、浮遊砥粒、および水溶性ポリマを含有する研磨スラリを用いた化学機械研磨を実施することにより、少ない基板損失量で、平坦性の高い主面を有する再生テスト・ウエハとすることができる。
本願発明の一実施の形態の再生半導体ウエハの製造方法における主要工程ブロック・フロー図である。 本願発明の一実施の形態の再生半導体ウエハの製造方法の対象である使用済みウエハの断面図である。 図2のウエハ一部拡大部分Gに対応するウエハ(使用済み製品ウエハ)の断面拡大図である。 図3のウエハにウエット・エッチングを実行した後の典型的な断面構造を示すウエハの断面拡大図である。 図2のウエハ一部拡大部分Gに対応するウエハ(使用済み非製品ウエハ)の断面拡大図である。 図5のウエハにウエット・エッチングを実行した後の典型的な断面構造を示すウエハの断面拡大図である。 主研磨に使用するCMP(Chemical Mechanical Polishing)装置の第1研摩部の断面模式図である。 主研摩及び仕上げ研摩に使用するCMP&洗浄一貫装置の模式平面レイアウト図である。 研摩レートを無視した場合のパターン付きウエハのスラリ組成によるウエハの正規化残留段差のPVP添加量依存性を示すデータ・プロット図である。 主研磨終了後のウエハの様子を説明するための断面模式図である。 ウエハ内のサンプリング位置を示すウエハ上面図である。 図11の各位置に対応するチップ領域内の各サンプリング・ラインを示すチップ平面図である。 仕上げ研磨に使用するCMP装置の第2研摩部の断面模式図である。 図1の洗浄工程の詳細ステップの一例を示す工程ブロック・フロー図である。 本願の実施形態に使用したスラリの作用を説明するためのウエハ模式断面図である。 図15に説明したスラリによる研摩レートの研摩荷重依存性を示すデータ・プロット図である。 図11および図12に示す各点における研摩結果を示す段差量データ図表である。 図17に対応するプロファイル・データ図表である。 ブランケット・ウエハの研摩後のプロファイルの各パラメータを示すデータ図表である。 ブランケット・ウエハ(プレイン・ウエハ)の研摩レートのPVP添加量依存性を示すデータ・プロット図である。 パターン付きウエハの研摩特性データをまとめたデータ図表である。 パターン付きウエハの研摩特性データをまとめたデータ図表(比較例)である。 ブランケット・ウエハの研摩特性データをまとめたデータ図表である。 ブランケット・ウエハの研摩特性データをまとめたデータ図表(比較例)である。
〔実施の形態の概要〕
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
1.以下の工程を含む再生半導体ウエハの製造方法:
(a)使用済みの半導体ウエハの第1の主面に対して、ウエット・エッチングを実行することにより、基板上構造層を実質的に除去する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面に対して、研磨スラリを用いた化学機械研磨による第1の研磨処理を実行する工程、
ここで、前記研磨スラリは、pHが9以上、12以下であって、以下を含む:
(i)砥粒;
(ii)塩基性化合物;
(iii)1,2,4-トリアゾール;
(iv)水溶性高分子。
2.前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記水溶性高分子は、ノニオン性高分子である。
3.前記第2項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記ノニオン性高分子は、ポリ・ビニル・ピロリドンおよび、その共重合体から選択された少なくとも一種類である。
4.前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記水溶性高分子は、ポリ・ビニル・ピロリドンおよび、その共重合体から選択された少なくとも一種類との混合物である。
5.前記第1から4項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、シリコン系半導体ウエハである。
6.前記第1から4項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、シリコン系単結晶半導体ウエハである。
7.前記第1から6項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記砥粒の組成の主要部は、コロイダル・シリカである。
8.前記第1から7項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記塩基性化合物の組成の主要部は、水酸化カリウム、水酸化テトラ・メチル・アンモニウム、または、水酸化アンモニウムである。
9.前記第1から8項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、シリコン系エピタキシャル・ウエハである。
10.前記第1から9項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、テスト・ウエハである。
11.前記第1から9項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、製品用ウエハである。
12.前記第1から9項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、ダミー・ウエハである。
13.前記第1から9項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、非製品用ウエハである。
14.前記第1から13項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、非製品用ウエハである。
15.前記第1から13項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、テスト・ウエハである。
16.前記第1から13項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、製品用ウエハである。
17.前記第1から13項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、ダミー・ウエハである。
18.前記第1から17項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、少なくとも前記工程(a)および(b)の間には、グラインディング工程がない。
19.前記第1から18項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、更に、以下の工程を含む:
(c)前記工程(b)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面に対して、前記第1の研磨処理とこのなる条件で、化学機械研磨による第2の研磨処理を実行する工程。
20.前記第19項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記第2の研磨処理は、浮遊砥粒を含有する研摩スラリを用いて実行される。
21.以下の工程を含む再生半導体ウエハの製造方法:
(a)使用済みの半導体ウエハの第1の主面であって、前記再生半導体ウエハのデバイス面となるべき主面に対して、ウエット・エッチングを実行することにより、基板上構造層を実質的に除去する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面に対して、研磨スラリを用いた化学機械研磨による第1の研磨処理を実行する工程、
ここで、前記研磨スラリは、pHが9以上、12以下であって、以下を含む:
(i)砥粒;
(ii)塩基性化合物;
(iii)1,2,4-トリアゾール;
(iv)前記研磨スラリ中、0.03重量%以上、0.175重量%以下のポリ・ビニル・ピロリドン。
22.前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、シリコン系半導体ウエハである。
23.前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、シリコン系単結晶半導体ウエハである。
24.前記第21から23項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記砥粒の組成の主要部は、コロイダル・シリカである。
25.前記第21から24項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記塩基性化合物の組成の主要部は、水酸化カリウム、水酸化テトラ・メチル・アンモニウム、または、水酸化アンモニウムである。
26.前記第21から25項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、シリコン系エピタキシャル・ウエハである。
27.前記第21から26項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、テスト・ウエハである。
28.前記第21から26項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、製品用ウエハである。
29.前記第21から26項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、ダミー・ウエハである。
30.前記第21から26項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、非製品用ウエハである。
31.前記第21から30項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、非製品用ウエハである。
32.前記第21から30項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、テスト・ウエハである。
33.前記第21から30項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、製品用ウエハである。
34.前記第21から30項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、ダミー・ウエハである。
35.前記第21から34項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、少なくとも前記工程(a)および(b)の間には、グラインディング工程がない。
36.前記第21から35項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中におけるポリ・ビニル・ピロリドンの組成は、0.05重量%以上、0.15重量%以下である。
37.前記第21から35項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中におけるポリ・ビニル・ピロリドンの組成は、0.05重量%以上、0.1重量%以下である。
38.前記第21から37項のいずれか一つの再生半導体ウエハの製造方法において、更に、以下の工程を含む:
(c)前記工程(b)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面に対して、前記第1の研磨処理とこのなる条件で、化学機械研磨による第2の研磨処理を実行する工程。
39.前記第38項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記第2の研磨処理は、浮遊砥粒を含有する研摩スラリを用いて実行される。
40.以下の工程を含むシリコン系半導体の再生非製品ウエハの製造方法:
(a)シリコン系半導体の使用済の非製品ウエハの第1の主面に対して、ウエット・エッチングを実行することにより、基板上構造層を実質的に除去する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記使用済みウエハの前記第1の主面に対して、研磨スラリを用いた化学機械研磨による第1の研磨処理を実行する工程、
ここで、前記研磨スラリは、pHが9以上、12以下であって、以下を含む:
(i)砥粒;
(ii)塩基性化合物;
(iii)1,2,4-トリアゾール;
(iv)ポリ・ビニル・ピロリドン。
41.前記第40項の再生非製品ウエハの製造方法において、更に、以下の工程を含む:
(c)前記工程(b)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面に対して、前記第1の研磨処理とこのなる条件で、化学機械研磨による第2の研磨処理を実行する工程。
42.前記第41項の再生非製品ウエハの製造方法において、前記第2の研磨処理は、浮遊砥粒を含有する研摩スラリを用いて実行される。
43.前記第40から42項のいずれか一つの再生非製品ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中におけるポリ・ビニル・ピロリドンの組成は、0.01重量%以上、1重量%以下である。
44.前記第40から42項のいずれか一つの再生非製品ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中におけるポリ・ビニル・ピロリドンの組成は、0.03重量%以上、0.175重量%以下である。
45.前記第40から42項のいずれか一つの再生非製品ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中におけるポリ・ビニル・ピロリドンの組成は、0.05重量%以上、0.15重量%以下である。
46.前記第40から42項のいずれか一つの再生非製品ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中におけるポリ・ビニル・ピロリドンの組成は、0.05重量%以上、0.1重量%以下である。
47.前記第40から46項のいずれか一つの再生非製品ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中における1,2,4-トリアゾールの組成は、0.1重量%以上、10重量%以下である。
48.前記第40から46項のいずれか一つの再生非製品ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中における1,2,4-トリアゾールの組成は、0.25重量%以上、5重量%以下である。
49.前記第40から48項のいずれか一つの再生非製品ウエハの製造方法において、少なくとも前記工程(a)および(b)の間には、グラインディング工程がない。
50.前記第40から49項のいずれか一つの再生非製品ウエハの製造方法において、前記砥粒は、コロイダル・シリカである。
51.前記第40から50項のいずれか一つの再生非製品ウエハの製造方法において、前記塩基性化合物は、水酸化カリウム、水酸化テトラ・メチル・アンモニウム、または、水酸化アンモニウムである。
52.前記第40から51項のいずれか一つの再生非製品ウエハの製造方法において、前記使用済の非製品ウエハは、テスト・ウエハである。
53.前記第40から52項のいずれか一つの再生非製品ウエハの製造方法において、前記再生非製品ウエハは、テスト・ウエハである。
54.前記第1から53項のいずれか一つの再生ウエハの製造方法において、前記工程(a)は、基板にあらかじめ形成された凹凸を実質的に露出させるものである。
〔本願における記載形式・基本的用語・用法の説明〕
1.本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクションに分けて記載する場合もあるが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しを省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
2.同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、A以外の要素を主要な構成要素のひとつとするものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。同様に、「酸化シリコン膜」と言っても、比較的純粋な非ドープ酸化シリコン(Undoped Silicon Dioxide)だけでなく、FSG(Fluorosilicate Glass)、TEOSベース酸化シリコン(TEOS-based silicon oxide)、SiOC(Silicon Oxicarbide)またはカーボン・ドープ酸化シリコン(Carbon-doped Silicon oxide)またはOSG(Organosilicate glass)、PSG(Phosphorus Silicate Glass)、BPSG(Borophosphosilicate Glass)等の熱酸化膜、CVD酸化膜、SOG(Spin ON Glass)、ナノ・クラスタリング・シリカ(Nano-Clustering Silica:NSC)等の塗布系酸化シリコン、これらと同様な部材に空孔を導入したシリカ系Low-k絶縁膜(ポーラス系絶縁膜)、およびこれらを主要な構成要素とする他のシリコン系絶縁膜との複合膜等を含むことは言うまでもない。
3.同様に、図形、位置、属性等に関して、好適な例示をするが、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、厳密にそれに限定されるものではないことは言うまでもない。
4.さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
5.「ウエハ」というときは、通常は半導体集積回路装置(半導体装置、電子装置も同じ)をその上に形成する単結晶シリコン・ウエハ(シリコン系)を指すが、エピタキシャル・ウエハ、SOI基板、LCDガラス基板等の絶縁基板と半導体層等の複合ウエハ等も含むことは言うまでもない。なお、GaAs系等のシリコン系以外のウエハであってもよいことは、言うまでもない。なお、「単結晶ウエハ」というときは、特にそうでない旨明示したときを除き、エピタキシャル・ウエハを含む。
6.「ウエハ」には、製品をその上に形成する製品ウエハまたは製品用ウエハ、工程のモニタやテストのために製品ウエハと同時に又は前後して処理されるモニタ・ウエハ等のテスト・ウエハ、および装置のメンテナンス、テスト・ラン等に使用されるダミー・ウエハ等に分類される。テスト・ウエハおよびダミー・ウエハを総称して、「非製品ウエハ」という。再生の対象となるのは、製品ウエハの内、ウエハ工程の最終工程まで到達しなかったウエハ(たとえばグラインディング前)であり、いわゆる「使用済み製品ウエハ」(落ちこぼれウエハ)である。その他で再生の対象となるのは、「使用済み非製品ウエハ」である。これらを総称して、「使用済みウエハ」という。
ここで、ウエハの再生とは、主に使用済みウエハを、非製品ウエハとして、再利用できるようにすることである。しかし、使用済み製品ウエハ(または使用済み非製品ウエハ)を製品ウエハとして再生可能な場合もある。
7.本願で「CMP(Chemical Mechanical Polishing)または化学機械研磨」というときは、特に明示した場合を除き、浮遊砥粒を用いるもののみでなく、固定砥粒を用いるものや、いわゆるドライ・ポリッシング等も含むものとする。
なお、ドライ・ポリッシングは、バック・グラインディング(通常、ダイヤモンド砥粒等の高質砥粒をビトリファイド・ボンド等で砥石状に固めたホイールを使用する切削処理)後のストレス・リリーフ等の目的で開発されたもので、研磨液を使用しないドライ状態で鏡面研磨ができることを特徴としている。分類的には、研磨ホイールを用いるので、固定砥粒研磨に属する。
また、「湿式化学機械研磨」というときは、特に明示した場合を除き、研磨液を使用する「化学機械研磨」を指す。湿式化学機械研磨には、浮遊砥粒による化学機械研磨(狭義の化学機械研磨)と固定砥粒による化学機械研磨とがある。本願においては、主に浮遊砥粒による湿式化学機械研磨を説明する。
本願で、「スラリ」というときは、研磨パッド上に供給する前の研磨液に実質的に砥粒を含んだ研磨液、すなわち、浮遊砥粒を含有した研磨液を指す。
8.「基板損失量」とは、ウエハの半導体基板領域1s(図3および図4)の上端面から研磨等の後のウエハのデバイス面1aまでに厚さ(要除去量)を示す。
9.各種パラメータの測定については、以下の容量で行った。
(1)pH測定:
pH測定:横川電機株式会社製Model pH81
校正:中性燐酸塩pH緩衝液pH6.86(摂氏25度)およびホウ酸塩pH標準液pH9.18(摂氏25度)による2点校正。
測定温度:摂氏25度。
マグネチック・スターラ:アズワン製HS−30D
測定方法:長径約4センチ・メートル、短径約0.5センチ・メートルの弗素樹脂でコーティングされた攪拌子を使用し、500rpmで研磨液を攪拌した状態で測定を行った。
(2)研摩レート:
研摩前後のウエハの質量減を測定し、ウエハ面積と比重から研摩量を算出した。ウエハの質量測定は、分析用電子天秤を使用した。
天秤:メトラー製AB104
測定温度:摂氏25度
測定湿度:40%RH以上
シリコン比重:2.33。
(3)凹凸評価:
段差・表面粗さ・微細形状測定装置:KLA Tencor製P16−OF
測定モード:Roughness
測定長:(特に明示しないときは)200マイクロ・メートル
測定速度:5マイクロ・メートル/秒
測定荷重:1ミリ・グラム。
なお、「算術平均粗さ(Ra)」は、測定長内での平均高さとの差の絶対値の積分の単位長さあたりの値である。「最大高さ(Ry)」は、測定長内での最高点と最低点の差である。「RMS(Root−Mean−Square Roughness)」は、平方根平均ラフネスである。
〔実施の形態の詳細〕
実施の形態について更に詳述する。なお、発明を実施するための形態を説明するための全図において、同一の機能を有する要素には同一の符号を付して、その繰り返しの説明を省略する。
使用済み半導体ウエハの再生方法については、本願発明者の少なくとも一人を含む発明者による以下の先行出願がある。すなわち、日本特願第2007−322809号(出願日2007年11月26日)、その後願である日本特願第2008−218723号(出願日2009年7月17日)、および、更にその後願であるPCT/JP2009/001081(出願日2009年3月11日)である。また、本願の実施の形態で使用したスラリについては、本願発明者の少なくとも一人を含む発明者による以下の先行出願がある。すなわち、日本特願第2009−102919号(出願日2009年4月21日)である。
1.本願発明の実施の形態の再生半導体ウエハの製造方法における予備的検討の説明
以下、本願発明者らがウエハ再生利用について、検討したところを説明する。通常、半導体ウエハに集積回路を形成する場合、素子分離のための酸化膜層をシャロー・トレンチ・アイソレーション(STI)法などにより形成する。その深さは、通常0.2〜0.4マイクロ・メートル程度であるが、デバイスの種類によっては、0.5〜1.0マイクロ・メートルになるものもある。さらに、nおよびpの両チャネルを使ったCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)またはCMIS(Complementary Metal Insulator Semiconductor)構成のデバイスをつくるためには、n型とp型の深いウエル領域を形成する必要がある。ウエル構造としては、低不純物濃度のシリコン・ウエハ(主にp型、一部でn型)にpとnの二つのウエルを形成する二重ウエル、高エネルギーイオン注入を用いてシリコン基板深部に、もう一つ別のウエルを形成した三重ウエル等がある。後者の方が、より深くイオンが注入されるが、その深さは2〜3マイクロ・メートル程度であることが知られている。
よって、このような使用済みの製品ウエハを半導体集積回路の製造用ウエハ(製品ウエハ)やテスト・ウエハとして再生する場合、理論的には、最適な損失量(要除去量)は3マイクロ・メートル程度であり、安全マージンを大きめにとると、3〜4マイクロ・メートル程度となる。
これに対して、工程中で使用した使用済みのテスト・ウエハ等(非製品ウエハ)をテスト・ウエハ等として再生する場合は、非常に小さい損失量(要除去量)となることがわかる。たとえば、使用済みテスト・ウエハの多くが、不純物拡散層を持たないか、持っていても深さが0.1マイクロ・メートル程度のオーダであり、基本的にシャロー・トレンチ・アイソレーション部を除去する際に、同時に除去可能である。
従って、使用済みのテスト・ウエハ等の非製品ウエハをテスト・ウエハ等の非製品ウエハとして再生するのであれば、主に初期のウエット・エッチング、ラフ研摩、および、必要な仕上げ研摩のみの組み合わせで、0.5マイクロ・メートル程度の総研摩量で、ウエハ再生を達成できる可能性がある。この組み合わせによる再生ウエハ・プロセスでは、基本的に変質層を生成するグラインディング等の機械的切削工程がないので、ウエハの損失量を低く抑えることができる。
ここにおいて、ラフ研摩として、シャロー・トレンチ・アイソレーション部の深さに対応する0.3マイクロ・メートル程度の研摩量でも良好な平坦性を達成できる研摩手法を使用することが実用上有効である。
以下、この主に初期のウエット・エッチング、ラフ研摩、および、必要な仕上げ研摩のみの組み合わせによるウエハ再生について詳述する。なお、以下では、使用済みのテスト・ウエハ等の非製品ウエハをテスト・ウエハ等の非製品ウエハとして再生する場合を中心に具体的に説明するが、その他の使用済みウエハをテスト・ウエハ等の非製品ウエハや製品ウエハとして再生する場合には、ラフ研摩の条件の調整(たとえば研摩荷重を上昇、研摩時間の長時間化、研摩砥粒濃度の上昇、初期の研摩粒子系を大きくする等して、ラフ研摩を複数ステップ化する)によって、同様に実施することができる。
2.本願発明の実施の形態の再生半導体ウエハの製造方法における使用済みウエハの受け入れからウエット・エッチングまでの説明(主に図1から図6)
図1は本願発明の一実施の形態の再生半導体ウエハの製造方法における主要工程ブロック・フロー図である。図2は本願発明の一実施の形態の再生半導体ウエハの製造方法の対象である使用済みウエハの断面図である。図3は図2のウエハ一部拡大部分Gに対応するウエハ(使用済み製品ウエハ)の断面拡大図である。図4は図3のウエハにウエット・エッチングを実行した後の典型的な断面構造を示すウエハの断面拡大図である。図5は図2のウエハ一部拡大部分Gに対応するウエハ(使用済み非製品ウエハ)の断面拡大図である。図6は図5のウエハにウエット・エッチングを実行した後の典型的な断面構造を示すウエハの断面拡大図である。なお、ここで、原材料としての使用済みウエハは、通常、エピタキシャル層のない非エピタキシャル単結晶ウエハを前提として説明するが、必要に応じて、エピタキシャル単結晶ウエハを用いてもよい。
先ず、図1に示すように、使用済みウエハの受け入れ101時には、簡単な検査を実施し、再生可能か否かを判断することが望ましい(ただし、必須ではない)。これは、傷や欠けのある使用済みウエハが、再生処理自体が無駄であるだけでなく、汚染や塵埃等の元になるからである。また、以下の処理の前に、セクション3と同様な、または、より簡易な洗浄処理を実施することが望ましい(ただし、必須ではない)。これらを「再生準備処理」という。
図2および図3(製品ウエハ)または図5(非製品ウエハ)に示すように、受け入れ時のウエハ1の表側面1a(デバイス面または第1の主面、すなわち、裏面1bの反対の面)側には、半導体基板内構造層2(主に製品ウエハおよびテスト・ウエハ)および半導体基板上構造層3(主に製品ウエハ、テスト・ウエハ、およびダミー・ウエハ)が設けられている。半導体基板内構造層2の例は、ウエハのウエル領域1w、STI絶縁膜(素子分離領域)4、その他の不純物ドープ領域等である。すなわち、ウエハ1の半導体基板領域1sのうち、非加工領域1n以外の部分である。
一方、半導体基板上構造層3の例は、ゲート絶縁膜、ゲート電極、サイド・ウォール等のゲート構造5、多層配線層等を構成するメタル配線7、層間絶縁膜6、ボンディング・パッド8、ファイナル・パッシベーション膜9等である。
図1に示すように、この再生準備処理が完了した使用済みウエハ1に対して、ウエット・エッチング処理102が実行される。このウエット・エッチング処理102は、通常、バッチ処理で行われる。たとえば、ウエハ25枚程度(ここではシリコン単結晶の200φウエハを例にとって説明するが、300φでも、450φでもよい)をテフロン(登録商標、以下同じ)製の洗浄治具に収容して、エッチング液(薬液)に浸漬する。エッチング液としては、たとえば、0.3重量%程度(好適な濃度範囲としては、0.2から0.5重量%程度、それ以外の濃度範囲を排除するものではない。また、適切な添加物を許容する。)の弗化水素酸(HF)等を例示することができる。薬液の温度は、常温すなわち、摂氏25度程度(量産上、摂氏15から30度を好適な範囲として例示することができる)である。エッチング時間(処理時間)は、たとえば15分程度である。1分から30分を好適な範囲として例示することができる。なお、必要なエッチング時間は、被処理ウエハ中で最大の半導体基板上構造層3の厚さを酸化シリコン膜のエッチング・レート(0.6マイクロ・メートル/分程度)で割り、必要エッチング時間を算出し、それにオーバ・エッチング時間(たとえば、必要エッチング時間の20%程度)を加算すればよい。
なお、通常、窒化シリコン膜等の酸化シリコン・エッチング液に難溶性の膜があっても、ウエット・エッチングの等方性により、除去される。しかし、困難な場合は、途中に、熱燐酸処理(窒化シリコン膜の場合)等を挿入すればよい。なお、難溶性の膜が有機物である場合は、当該有機物の溶剤を、難溶性の膜が金属膜である場合は、その膜を溶解する酸等による処理を挿入すればよい。なお、このように、2以上の薬液処理をする場合には、セクション4と同様に、間に、純水リンス処理を導入することが望ましい(必須ではない)。
図4(製品ウエハ)または図6(非製品ウエハ)にウエット・エッチング処理102が完了したウエハ1の断面の様子を示す。半導体基板上構造層3の内、ゲート構造5以外はほとんど除去される。なお、ゲート構造5を除去してもよい(通常、長時間浸漬すれば除去可能である)。また、STI絶縁膜4やLOCOS絶縁膜のようなフィールド絶縁膜は、半導体基板内構造層2であるが、通常の条件では、一緒に除去され、素子分離溝4tが露出する。なお、フィールド絶縁膜を除去しないという選択もある(たとえば、オーバ・エッチ時間を短縮する)。
次に、図1の浮遊砥粒を有するスラリによる主研磨工程103に移る(セクション3)。
3.本願発明の実施の形態の再生半導体ウエハの製造方法における使用済みウエハの主研磨から仕上げ研磨までの説明(主に図1、図7、図8、図10、及び図13)
図7は主研磨に使用するCMP(Chemical Mechanical Polishing)装置の第1研摩部の断面模式図である。図8は主研摩及び仕上げ研摩に使用するCMP&洗浄一貫装置の模式平面レイアウト図である。図10は主研磨終了後のウエハの様子を説明するための断面模式図である。図13は仕上げ研磨に使用するCMP装置の第2研摩部の断面模式図である。
なお、ここで使用したCMP&洗浄一貫装置50(図8)は、アプライド・マテリアルズ社のMIRRAである。この装置に例をとり、図1のラフ研摩103および仕上げ研摩104の際の装置内におけるウエハ1の流れ、および装置の平面構造の概要を説明する。図8に示すように、ロードポート部には、被処理ウエハ1を収容したウエハ搬送容器71がセットされている。ウエハ搬送容器71から取り出されたウエハ1はロード&アンロード室72を介して、研摩室73のたとえば、第1研摩部60aの研磨プラテン53上で第1の研摩(主研摩)が実行される。続いて、ウエハ1は、第2研摩部60bの研磨プラテン53上に移され、そこで第2の研摩(仕上げ研摩)が実行される。その後、ウエハ1は、後洗浄室74に移送され、必要に応じて、ポストCMP洗浄が実行される。通常、ポストCMP洗浄は、洗浄ブラシ75と薬液によるスクラブ洗浄と、その後のリンス&乾燥スピン・テーブル76による純水洗浄、乾燥処理等方構成されている。ポストCMP洗浄が完了したウエハ1は、再び、ロード&アンロード室72を介して、ウエハ搬送容器71に戻される。
次に、主研摩103(図1)の詳細を説明する。図1に示すように、ウエット・エッチング処理102が完了したウエハ1のデバイス面1a(デバイス面となるべき面)に対して、浮遊砥粒を含有するスラリおよび研磨パッドを用いた湿式化学機械研磨による第1の研磨処理103を実行する。なお、この研磨は、図4(製品ウエハ)又は図6(非製品ウエハ)に示すように、第1の研磨領域(主研磨領域)11を研磨により除去するもので、下端12は、製品ウエハ等の場合はウエハのウエル領域1wの下端よりも若干深い位置まで、一般的な使用済み非製品ウエハの場合は素子分離溝4tの下端よりも若干深い位置までとなる。不純物ドープ領域や素子分離領域4のないテスト・ウエハ、ダミー・ウエハ等の場合は、下端12は、ウエハの半導体基板領域1sの上端より、若干下方までとしてもよい。しかし、そのような使用済み非製品ウエハに対しても、一括して、一般的な使用済み非製品ウエハに対する処理と同様の処理をすることによって、検査及び選別の負担を低減することができる。
次に、図1に示す研磨工程103に使用するCMP装置50の第1研摩部60aの模式断面構造を図7により説明する。図7に示すように、研磨装置基体部51上に研磨プラテン回転駆動部52がり、その上に研磨プラテン53が設けられ、自転するようになっている。この研磨プラテン53の上面には研磨パッド54が貼り付けられている。この研磨パッド54上には、研磨液ノズル55がり、ここから研磨パッド54上に、浮遊砥粒を含む研磨液、すなわち、研摩スラリ56が供給されている。研磨パッド54の上方には、研磨ヘッド保持部58があり、それによって研磨ヘッド回転駆動部59が保持されている。この研磨ヘッド回転駆動部59の下端の研磨ヘッド57の下面に被処理ウエハ1がデバイス面1aを下に向けて保持されて、自転するようになっている。主研摩条件としては、たとえば、研摩パッド:ニッタ・ハース製IC−1010,研磨プラテン回転数:93rpm程度,ウエハ・ホールダ回転数87rpm程度,研摩圧力:20.7kPa程度、スラリ供給量:200ml/分程度、研摩時間:3分程度、スラリ:たとえば図21のA3に対応するもの等を例示することができる。
なお、この工程に適用するCMP装置(仕上げ研磨についても同じ)は、半導体集積回路装置の製造プロセス中の平坦化に使用されるものならいずれの装置(「集積回路平坦化用CMP装置」という)でもよい。特に、集積回路平坦化用CMP装置ほど、厳しい精度を要求されないので、比較的簡易な装置でも適用できる。
図1の主研磨103が完了すると、ウエハ1は図10に示すような状態となる。この段階において、この例では3nm以下程度の段差または凹凸が残留する。このような微細な凹凸があっても、鏡面ウエハには代わりがないので、一部の非製品ウエハとしての用途には、この状態でも使用可能であるが、ヘイズ(Haze)と呼ばれる曇りを伴うことがあるので、必要に応じて、以下の仕上げ研摩(第2の研摩処理)104を実行することが望ましい。
従って、通常は、研磨103の後に、図1の仕上げ研磨104を実行する。なお、仕上げ研磨104を実行すると、一般に外観が均一となり、欠陥ウエハの外観検査等が容易となる。
以下、一応、仕上げ研磨104を説明する。まず、仕上げ研磨104に使用するCMP装置60の第2研摩部60bの模式断面構造を説明する。図13に示すように、研磨装置基体部51上に研磨プラテン回転駆動部52がり、その上に研磨プラテン53が設けられ、自転するようになっている。この研磨プラテン53の上面には研磨パッド64が貼り付けられている。この研磨パッド64上には、研磨液ノズル55がり、ここから研磨パッド64上に、砥粒(たとえば、コロイダル・シリカ等のシリカ系砥粒)を含む研磨液66(スラリ)が供給されている。研磨パッド64の上方には、研磨ヘッド保持部58があり、それによって研磨ヘッド回転駆動部59が保持されている。この研磨ヘッド回転駆動部59の下端の研磨ヘッド57の下面に被処理ウエハ1がデバイス面1aを下に向けて保持されて、自転するようになっている。仕上げ研摩の条件は、たとえば、以下の条件を例示することができる、すなわち、研摩パッド:ニッタ・ハース製Whitex、研摩プラテン回転数:93rpm程度、ウエハ・ホールダ回転数:87rpm程度、研摩圧力6.9kPa、スラリ供給量:200ml/分程度、研摩量50nm程度、平坦度0.2nm程度である。
なお、仕上げ研磨は、スラリの代わりに純水を用いる研磨、いわゆる「水研磨」であってもよい。
図1の仕上げ研磨104(第2の研磨処理)を実行すると、ウエハ表面の凹凸は、0.2nm程度となる。このときの研磨量は、50nm程度である。第2の研磨処理における好適な研磨量の範囲は、10から200nm程度である。なお、一般に、仕上げ研摩の研摩条件は、主研摩(ラフ研摩)の条件と異ならせる方が良好な結果を得ることができる。たとえば、研摩加圧の低圧化(たとえば20%から70%程度)、研摩砥粒濃度の低濃度化、研摩砥粒濃度の粒径の低粒径化の一つ又は複数の組み合わせが考えられる(条件を変更するものについては、いずれも、たとえばラフ研摩の場合の20%から70%程度)。
図1の仕上げ研磨104が完了したウエハ1は、図1の洗浄工程105(一般にポストCMP洗浄とは別)に移送される。
4.本願発明の実施の形態の再生半導体ウエハの製造方法における使用済みウエハの洗浄工程の説明(主に図1および図14)
図14は図1の洗浄工程の詳細ステップの一例を示す工程ブロック・フロー図である。
図1の仕上げ研磨104が完了したウエハ1に対して、図1の洗浄処理105を実行する。この洗浄も、技術的には、受け入れ側の洗浄を考慮すると、必須ではないが、実施すれば、出荷又は搬送時の欠陥や汚染(特にスラリ等による汚染)の拡散を防止する効果がある。また、通常、現在のCMP装置は、ドライ・イン・ドライ・アウト形式のものが多い。従って、CMP装置のポストCMP洗浄部でスラリ成分を除去するためのウエハ両面洗浄等が実施される場合には、以下の洗浄をポストCMP洗浄で代替することができる。
通常、乾燥115までの以下の洗浄工程はバッチ処理で行われる。たとえば、ウエハ25枚程度をテフロン製の洗浄治具に収容して、洗浄液(薬液)に浸漬する。まず、図14に示すように、パーティクルや有機物を除去するための第1薬液洗浄111を実行する。薬液としては、たとえば、SC1(Standard Clean 1)等を例示することができる。すなわち、体積比でアンモニア:過酸化水素:水=1:1:5程度(原液濃度は、アンモニア29%、過酸化水素30%)である。液温は摂氏70から80度程度、処理時間は、たとえば10分程度である。
次に、図14に示すように、第1純水リンス112を実行する。水温は常温すなわち、摂氏25度程度である。量産上、好適な範囲としては、摂氏15度から30度程度を例示することができる。時間は、たとえば、10分程度(第1薬液洗浄111と同程度)がタイミングを合わせるためには好適である。
次に、金属汚染を除去するための第2薬液洗浄113を実行する。薬液としては、たとえば、SC2(Standard Clean 2)等を例示することができる。すなわち、体積比で塩酸:過酸化水素:水=1:1:5程度(原液濃度は、塩酸36%、過酸化水素30%)である。液温は摂氏70から80度程度、処理時間は、たとえば10分程度(第1薬液洗浄111と同程度)である。
次に、図14に示すように、第2純水リンス114を実行する。水温は常温すなわち、摂氏25度程度である。量産上、好適な範囲としては、摂氏15度から30度程度を例示することができる。時間は、たとえば、10分程度(第1薬液洗浄111と同程度)がタイミングを合わせるためには好適である。
次に、図14に示すように、ウエハ1の乾燥処理115を実行する。
5.本願発明の実施の形態の再生半導体ウエハの製造方法における使用済みウエハの主研磨処理に使用した研摩スラリについての基本的説明
前記実施の形態(主にセクション4)に使用した研磨液(研磨スラリ)について説明する。ここで例示したスラリのpHは、9以上、12以下である。9未満の場合は十分な研磨速度を得ることが困難である。また、12を超える場合は、スラリのpH低下を十分に抑制することが困難となる。好ましくは、9.5以上11.5以下、更に望ましくは、9以上11以下である。pHは、たとえば、1,2,4-トリアゾールと塩基性化合物の添加量で調整することができる。このスラリのpHは、pHメータ(たとえば、横河電機株式会社製、Model pH81)で測定した。
このスラリに添加する水溶性高分子としては、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシ・メチル・セルロース、寒天、キサンタンガム、キトサン、メチル・グリコール・キトサン、メチル・セルロース、エチル・セルロース、ヒドロキシ・プロピル・セルロース、ヒドロキシ・プロピル・メチル・セルロース、ヒドロキシ・プロピル・エチル・セルロース、カードランおよびプルラン等の多糖類;ポリ・アスパラギン酸、ポリ・グルタミン酸、ポリ・リシン、ポリ・リンゴ酸、ポリ・メタクリル酸、ポリ・メタクリル酸アンモニウム塩、ポリ・メタクリル酸ナトリウム塩、ポリ・アミド酸、ポリ・マレイン酸、ポリ・イタコン酸、ポリ・フマル酸、ポリ(p−スチレン・カルボン酸)、ポリ・ビニル硫酸、ポリ・アクリル酸、ポリ・アクリル・アミド、アミノ・ポリ・アクリル・アミド、ポリ・アクリル酸アンモニウム塩、ポリ・アクリル酸ナトリウム塩、ポリ・アミド酸、ポリ・アミド酸アンモニウム塩、ポリ・アミド酸ナトリウム塩およびポリ・グリオキシル酸等のポリ・カルボン酸およびその塩;ポリ・エチレン・イミン、およびその塩;ポリ・ビニル・アルコール、ポリ・ビニル・ピロリドンおよびポリ・アクロレイン等のビニル系ポリマ、ポリ・エチレン・グリコール、ポリ・プロピレン・グリコール、ポリ・テトラ・メチレン・グリコール、エチレン・グリコール−プロピレン・グリコール・ブロック共重合体等が挙げられる。その中でも、カルボキシ・メチル・セルロース、寒天、キサンタンガム、キトサン、メチル・グリコール・キトサン、メチル・セルロース、エチル・セルロース、ヒドロキシ・プロピル・セルロース、ヒドロキシ・プロピル・メチル・セルロース、ヒドロキシ・プロピル・エチル・セルロース、カードランおよびプルラン等の多糖類、ポリ・アクリル・アミド、ポリ・エチレン・イミン、ポリ・ビニル・アルコール、ポリ・ビニル・ピロリドンおよびポリ・アクロレイン、ポリ・エチレン・グリコール、ポリ・プロピレン・グリコール、ポリ・テトラ・メチレン・グリコール、エチレン・グリコール-プロピレン・グリコール・ブロック共重合体等のノニオン性高分子が好ましく、ポリ・ビニル・ピロリドンおよびその共重合体がより好ましい。なお、水溶性高分子は単独でも、混合でも使用することができる。
前記実施の形態における平坦化プロセスの凹凸の低減は、半導体基板と水溶性ポリマの疎水部との疎水性相互作用による水溶性ポリマの半導体基板表面への吸着によってもたらされると考えられる。すなわち、半導体基板表面に吸着した水溶性ポリマがダングリング・ボンドに起因した特定方向のエッチングの発生を抑制することで、凹凸の少ない平滑面が得られると考えられる。そのため、イオン性基のないノニオン性ポリマは凹凸を低減する効果がことさら高い。水溶性ポリマの添加量は、スラリに対して、0.001重量%以上10重量%以下の範囲が望ましい。0.01重量%以上1重量%以下の範囲が更に望ましい。添加量が0.001重量%未満とすると凹凸低減効果が得られず、10重量%を超えると高粘度化のため流動性の低下や、砥粒の凝集といった不具合が発生するおそれがある。
次に、スラリに添加する第2の添加物である1,2,4−トリアゾールについて説明する。たとえば、第1酸解離定数、すなわち、pKaが2.2の1,2,4−トリアゾールを添加することにより、溶解剤として作用する塩基性化合物を所望のpHにおいて、実質的に増加させることができる。その結果、未添加のスラリと比較して、研磨速度を大幅に高めることが可能となる。一般に溶解作用を高めると、表面の凹凸が大きくなる傾向があるが、1,2,4−トリアゾールには、水溶性ポリマよりも弱いが、凹凸を低減する効果を有している。そのため、1,2,4−トリアゾールと前記の水溶性ポリマの併用により、高い研磨速度で凹凸の少ない平滑面をもつ半導体基板の加工が可能となる。1,2,4−トリアゾールの添加量は0.1重量%以上、10重量%以下が望ましく、0.25重量%以上5重量%以下がより好ましい。0.1重量%よりも添加量が少ない場合には、研磨速度の向上の効果を十分に得ることができない。10重量%を超えると、凝集等の不所望な現象が発生する恐れがある。なお、1,2,4−トリアゾールを含むアゾール系に属する添加物は、メタル系の化学機械研摩等の研磨液の添加物として、広い濃度範囲で使用されている。
次に、スラリに対する第3の添加物である塩基性化合物について説明する。塩基性化合物は、シリコン等の基板研磨においては、基本的な添加剤である。ここでは、塩基性化合物としては、たとえば、水酸化アンモニウム、水酸化テトラ・メチル・アンモニウム、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムから選ばれた1種類以上の無機塩基性化合物が望ましい。これらは単独で、もしくは複数で用いることができる。塩基性化合物は、研磨速度を得るための溶解剤として作用する。高い研磨速度を得る観点からは添加量が多いほど好ましく、一般に0.1重量%であることが望ましい。0.15重量%以上がより好ましく、0.2重量%以上が更に好ましい。実用的な観点から10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
次に、スラリ中の浮遊砥粒を構成する研磨粒子(砥粒)について説明する。砥粒としては、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、有機ポリマおよびそれらの砥粒の表面を改質した変性砥粒から選ばれた1種類以上の砥粒が望ましく、ヒュームド・シリカ、コロイダル・シリカ、沈殿法シリカがより好ましく、ヒュームド・シリカまたはコロイダル・シリカが更に好ましい。コロイダル・シリカは、水への分散安定性や傷等の研磨欠陥が発生しにくいと言った特性を有しており、特に好ましい。
砥粒(たとえば、コロイダル・シリカ)の1次粒子径は、好ましくは5から200nm以下、より好ましくは5から100nm、特に好ましくは7から50nm、最も好ましくは9から40nmである。1次粒子径が200nmを超えると、傷等の研磨欠陥が発生し易くなる傾向がある。また、5nm未満の1次粒子径を選択する場合は、実用的な研磨速度を得ることが困難である。前述した好適な粒子径の範囲では、粒径に依存する機械作用による研磨促進効果と、粒径が小さいことによる粒子数増加による研磨促進効果との組み合わせにより、最も研磨速度が上昇すると考えられる。また、ヒュームド・シリカ、沈殿法シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、有機ポリマなどの他の砥粒との併用も可能である。なお、本願において、前記1次粒子径とは、BET比表面積Vから算出できる直径を言う。より具体的には、先ず、砥粒を真空凍結乾燥機で乾燥し、この残分を乳鉢(磁製、100ml)で細かく砕いて測定用試料とする。ユアサ・アイオニクス株式会社製のBET比表面積測定装置(製品名「オートソーブ6」)を用いてBET比表面積Vを測定し、D=2727/Vとして求めた値D(nm)を1次粒子径とする。
砥粒の添加量は、0.01重量%以上5.0重量%以下が好ましく、0.05重量%以上3.0重量%以下がより好ましい。0.1重量%以上1.0重量%以下が更に好ましい。添加量が0.01重量%より少ない場合は、十分な研磨速度を得ることが困難となる。たま、添加量が5.0重量%よりも多い場合は、研磨傷等の欠陥の発生が懸念される。
前記実施の形態の研磨プロセスに使用する段差平坦性を有するスラリは、前述の成分のほか、水以外の溶媒、防食剤、酸化剤など、一般にスラリに添加される成分を、スラリの作用効果を損なわない範囲で添加してもよい。また、研磨液(スラリ)の成分濃度をあらかじめ高くしておき、使用時に水で本来の成分濃度まで希釈してもよい。更に、成分を幾つかに分けた状態とし、使用時に混合してもよい。
6.本願発明の実施の形態の再生半導体ウエハの製造方法における使用済みウエハの主研磨処理およびそれに使用するスラリについての考察(主に、図9、図11、図12、及び図15から図24)
ここでは、セクション3および5に続き、本願発明の実施の形態の再生半導体ウエハの製造方法における使用済みウエハの主研磨処理およびそれに使用するスラリについて更に説明する。
図9は研摩レートを無視した場合のパターン付きウエハのスラリ組成によるウエハの正規化残留段差(ここで「残留段差」は、300nm程度のシリコン段差を有するパターン付きウエハを研摩した後に残留する最大段差である)のPVP添加量依存性を示すデータ・プロット図である。図11はウエハ内のサンプリング位置を示すウエハ上面図である。図12は図11の各位置に対応するチップ領域内の各サンプリング・ラインを示すチップ平面図である。図15は本願の実施形態に使用したスラリの作用を説明するためのウエハ模式断面図である。図16は図15に説明したスラリによる研摩レートの研摩荷重依存性を示すデータ・プロット図である。図17は図11および図12に示す各点における研摩結果を示す段差量データ図表である。図18は図17に対応するプロファイル・データ図表である。図19はブランケット・ウエハ(プレイン・ウエハ)の研摩後のプロファイルの各パラメータを示すデータ図表である。図20はブランケット・ウエハ(プレイン・ウエハ)の研摩レートのPVP添加量依存性を示すデータ・プロット図である。図21はパターン付きウエハの研摩特性データをまとめたデータ図表である。図22はパターン付きウエハの研摩特性データをまとめたデータ図表(比較例)である。図23はブランケット・ウエハの研摩特性データをまとめたデータ図表である。図24はブランケット・ウエハの研摩特性データをまとめたデータ図表(比較例)である。
図21は、前記実施の形態に対応するパターン付きウエハの研摩特性データをまとめたものであるが、比較のため、ブランケット・ウエハ(パターンのないウエハ)に対する研摩レートを表示している。元の使用済みウエハは、300nm程度の凹凸を有する。ウエハの状態としては、図1のウエット・エッチング102完了段階である。これからわかるように、研摩例A1からA5(代表例A3)に対応する前記実施の形態の主研摩(仕上げ研摩でもほぼ同様なものが使用可能である)で使用したスラリ(「本件主研摩スラリ」という)を用いると、概ね、3分以内程度の研摩で、残留段差が15nm以下となることがわかる。
この際立った平坦化特性をより明確にするために、比較例を図22に示す。この研摩例B1は、ほぼ本件研摩例A1,A4に対応したもので、これらとの相違点は、水溶性ポリマであるポリ・ビニル・ピロリドン(略称は「PVP」)が添加されていないことである。ここで、研摩例B1の残留段差は30nm以上の比較的高い値を示している。しかし、これは通常の値というべきであり、むしろ、図21の結果の方が、特異的に残留段差が小さいくなるというのが妥当な見方である。図21の各例(白丸A1からA4、黒丸A5)は、研摩量が区区であるので、残留段差を図22の研摩例B1(白三角形)の研摩量で正規化すると図9のようになる。すなわち、ポリ・ビニル・ピロリドンを微量添加することによって、正規化残留段差は、10nm以下となる。これはとりもなおさず、たかが451nm程度の件まで、300nm程度のシリコン段差が、10nm以下となることを示す。
なお、先の図22(比較例)において、研摩例B2は、研摩例B1から1,2,4−トリアゾールを取り去ったものであり、1,2,4−トリアゾールの添加の効果を見るためのものである。これによると、研摩例B1と比較してパターン付きウエハの研摩レートが一桁以上、低下しているのがわかる。従って、少量の1,2,4−トリアゾールの添加によって、パターン付きウエハの研摩レートを著しく向上させる効果があることがわかる。
次に、ポリ・ビニル・ピロリドンの添加量を増やしたときの研摩レートの推移をブランケット・ウエハで観察する。図20に示すように、微量の添加によって急速に研摩レートが低下して、0.05重量%を超えると、ほぼリニアに低下して行くのがわかる。図21からわかるように、通常の条件では、パターン付きウエハの研磨レートは、ブランケット・ウエハの研摩レートの半分程度であるから、ブランケット・ウエハの研摩レートは、少なくとも200nm/分以上ないと実用的ではない。従って、ポリ・ビニル・ピロリドンの添加量の上限は、どの程度の研摩レートの低下まで許容できるかで決定される。
以上により、スラリ中のポリ・ビニル・ピロリドンの添加量は、先にセクション5で説明した0.01重量%以上1重量%以下の更に望ましい範囲の中で、0.03重量%以上0.175重量%以下が特に望ましい。また、この範囲の中でも、実用上、平坦性と研摩速度を両立させる観点から0.05重量%以上0.15重量%以下が更に望ましい。また、この範囲の中でも、特に量産性を確保したい場合は、0.05重量%以上0.1重量%以下が研摩速度を確保する観点から好適である。
図23は、図21と同様な組成のスラリによるブランケット・ウエハの研摩結果(いずれも研摩時間は3分である。図24も同じ)をまとめたものである。図19は、これらの研摩結果に対応する実測プロファイル・データを例示したものである。また、図24は、これと比較するための、ブランケット・ウエハの研摩結果である。ブランケット・ウエハの場合は、パターン付きウエハほど明確に差は出ないが、図23の結果の方が、算術平均粗さ低めに出ていることがわかる。また、ポリ・ビニル・ピロリドンの添加により、算術平均粗さ、最大高さ等の平坦性に関するパラメータが改善されること、および、1,2,4−トリアゾールの添加により、研摩レートが著しく向上することがわかる。なお、図23において、ポリ・ビニル・ピロリドンは、K値の異なる3種類を用いた。K値は、分子量と相関する粘性特性値で、毛細管粘度計により測定される相対粘度値(摂氏25度)である。
このような平坦化特性は、図15のようなメカニズムによって付与されると推定することができる。図15に示すように、前記実施の形態で使用したスラリによって、ウエハ1の上面1aに、保護膜61が形成される。台地部68では保護膜61が研摩パッドや研摩砥粒によって除去されて研摩が進行する。一方、盆地部69は研摩パッドや研摩砥粒で保護膜61が除去されづらいために厚くなり、盆地部69は更に研摩されなくなる。その結果、急速に平坦化が進行する。このことは、研摩レートの研摩荷重依存性を示す図16によっても裏付けられている。すなわち、研摩荷重が低いところ(盆地部69)では、研摩レートが低く、研摩荷重が高くなると(台地部68)研摩レートが急速に上昇する。
セクション3の主研摩を図21の研摩例A3に対応する条件で実施した結果について、図11および図12に示す測定箇所について、測定した結果を、図17および図18に示す。ウエハ1には、図11に示すように、ノッチ21が設けられているが、ノッチ21を下にして、ウエハのデバイス面1a(テストのための膜付けやパターニングが行われる面)を見たときの中心部のチップX、ウエハの右端部のチップZ、これらのチップの中間のチップYで測定を行った。図12に示すように、これらの各チップにおいて、4点(4線分)a,b,c,dにおいて、平坦性を測定した。図17は、これらの12点について測定した初期段差および件孫の残留段差をまとめたものである。また、図18は、それに対応する実測プロファイル・データを例示したものである。このように、400から500nm程度の研摩量で、ウエハの全域において3nm以下の残留段差になっていることがわかる。
7.本願発明の実施の形態の再生半導体ウエハの製造方法における使用済みウエハの仕上げ研磨処理についての考察
図1の仕上げ研磨104(第2の研磨処理)は、通常の浮遊砥粒入りのスラリ(研磨液)66を用いたCMPにより実施するのが簡便であるが、ドライ・ポリッシングにより、実施することができる。ドライ・ポリッシングは、スラリを使用しないので、ランニング・コストを大幅に低減することができる。ドライ・ポリッシング装置としては、ディスコ(Disco)社のDGP8760,ドライ・ポリッシング・ホイール(非ダイヤモンド系ホイール)としては同社のDPシリーズ等を例示することができる。
仕上げ研摩は、そのほか、固定砥粒を有する研磨パッドを用いた湿式化学機械研摩によっても実行することができる。この場合は、スラリを使用することがないので、ランニング・コストを低減することができる。
8.サマリ
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、本願実施の形態では、シリコンベースのCMOSFET(Complementary Metal oxide semiconductor Field Effect Transistor)またはCMISFET(Complementary Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を有する半導体装置を例にとり具体的に説明したが、本願発明はそれに限定されるものではなく、その他の半導体集積回路装置または単体デバイス等の製造、それに用いる再生ウエハの製造等にも適用できることは言うまでもない。
1 ウエハ
1a ウエハの表側面(デバイス面または第1の主面)
1b ウエハの裏面
1n ウエハの非加工領域
1s ウエハの半導体基板領域
1w ウエハのウエル領域
2 半導体基板内構造層
3 半導体基板上構造層
4 STI絶縁膜(素子分離領域)
4t 素子分離溝
5 ゲート構造
6 層間絶縁膜
7 メタル配線
8 ボンディング・パッド
9 ファイナル・パッシベーション膜
10 チップ領域
11 第1の研磨領域(主研磨領域)
12 第1の研磨領域の下端
21 ノッチ
50 湿式化学機械研磨装置(CMP&洗浄一貫装置)
51 研磨装置基体部
52 研磨プラテン回転駆動部
53 研磨プラテン
55 スラリ供給ノズルまたは研磨液ノズル
56 スラリまたは研磨液
57 研磨ヘッド
58 研磨ヘッド保持部
59 研磨ヘッド回転駆動部
60a 湿式化学機械研磨装置の第1研摩部
60b 湿式化学機械研磨装置の第2研摩部
61 保護膜
64 研磨パッド
66 スラリ
67 浮遊砥粒
68 台地部
69 盆地部
71 ウエハ搬送容器
72 ロード&アンロード室
73 研摩室
74 後洗浄室
75 洗浄ブラシ
76 リンス&乾燥スピン・テーブル
101 使用半導体ウエハ準備
102 ウエット・エッチング
103 固定砥粒による研磨(第1の研磨処理)
104 仕上げ研磨(第2の研磨処理)
105 洗浄工程
111 第1薬液洗浄
112 第1純水リンス
113 第2薬液洗浄
114 第2純水リンス
115 乾燥
G ウエハ一部拡大部分
X 中央チップ
Y 中間チップ
Z 端部チップ

Claims (53)

  1. 以下の工程を含む再生半導体ウエハの製造方法:
    (a)使用済みの半導体ウエハの第1の主面に対して、ウエット・エッチングを実行することにより、基板上構造層を実質的に除去する工程;
    (b)前記工程(a)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面に対して、研磨スラリを用いた化学機械研磨による第1の研磨処理を実行する工程、
    ここで、前記研磨スラリは、pHが9以上、12以下であって、以下を含む:
    (i)砥粒;
    (ii)塩基性化合物;
    (iii)1,2,4-トリアゾール;
    (iv)水溶性高分子。
  2. 前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記水溶性高分子は、ノニオン性高分子である。
  3. 前記第2項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記ノニオン性高分子は、ポリ・ビニル・ピロリドンおよび、その共重合体から選択された少なくとも一種類である。
  4. 前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記水溶性高分子は、ポリ・ビニル・ピロリドンおよび、その共重合体から選択された少なくとも一種類との混合物である。
  5. 前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、シリコン系半導体ウエハである。
  6. 前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、シリコン系単結晶半導体ウエハである。
  7. 前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記砥粒の組成の主要部は、コロイダル・シリカである。
  8. 前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記塩基性化合物の組成の主要部は、水酸化カリウム、水酸化テトラ・メチル・アンモニウム、または、水酸化アンモニウムである。
  9. 前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、シリコン系エピタキシャル・ウエハである。
  10. 前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、テスト・ウエハである。
  11. 前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、製品用ウエハである。
  12. 前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、ダミー・ウエハである。
  13. 前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、非製品用ウエハである。
  14. 前記第13項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、非製品用ウエハである。
  15. 前記第10項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、テスト・ウエハである。
  16. 前記第7項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、製品用ウエハである。
  17. 前記第12項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、ダミー・ウエハである。
  18. 前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、少なくとも前記工程(a)および(b)の間には、グラインディング工程がない。
  19. 前記第1項の再生半導体ウエハの製造方法において、更に、以下の工程を含む:
    (c)前記工程(b)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面に対して、前記第1の研磨処理とこのなる条件で、化学機械研磨による第2の研磨処理を実行する工程。
  20. 前記第19項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記第2の研磨処理は、浮遊砥粒を含有する研摩スラリを用いて実行される。
  21. 以下の工程を含む再生半導体ウエハの製造方法:
    (a)使用済みの半導体ウエハの第1の主面であって、前記再生半導体ウエハのデバイス面となるべき主面に対して、ウエット・エッチングを実行することにより、基板上構造層を実質的に除去する工程;
    (b)前記工程(a)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面に対して、研磨スラリを用いた化学機械研磨による第1の研磨処理を実行する工程、
    ここで、前記研磨スラリは、pHが9以上、12以下であって、以下を含む:
    (i)砥粒;
    (ii)塩基性化合物;
    (iii)1,2,4-トリアゾール;
    (iv)前記研磨スラリ中、0.03重量%以上、0.175重量%以下のポリ・ビニル・ピロリドン。
  22. 前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、シリコン系半導体ウエハである。
  23. 前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、シリコン系単結晶半導体ウエハである。
  24. 前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記砥粒の組成の主要部は、コロイダル・シリカである。
  25. 前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記塩基性化合物の組成の主要部は、水酸化カリウム、水酸化テトラ・メチル・アンモニウム、または、水酸化アンモニウムである。
  26. 前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、シリコン系エピタキシャル・ウエハである。
  27. 前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、テスト・ウエハである。
  28. 前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、製品用ウエハである。
  29. 前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、ダミー・ウエハである。
  30. 前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記再生半導体ウエハは、非製品用ウエハである。
  31. 前記第30項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、非製品用ウエハである。
  32. 前記第27項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、テスト・ウエハである。
  33. 前記第28項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、製品用ウエハである。
  34. 前記第29項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記使用済みの半導体ウエハは、ダミー・ウエハである。
  35. 前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、少なくとも前記工程(a)および(b)の間には、グラインディング工程がない。
  36. 前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中におけるポリ・ビニル・ピロリドンの組成は、0.05重量%以上、0.15重量%以下である。
  37. 前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中におけるポリ・ビニル・ピロリドンの組成は、0.05重量%以上、0.1重量%以下である。
  38. 前記第21項の再生半導体ウエハの製造方法において、更に、以下の工程を含む:
    (c)前記工程(b)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面に対して、前記第1の研磨処理とこのなる条件で、化学機械研磨による第2の研磨処理を実行する工程。
  39. 前記第38項の再生半導体ウエハの製造方法において、前記第2の研磨処理は、浮遊砥粒を含有する研摩スラリを用いて実行される。
  40. 以下の工程を含むシリコン系半導体の再生非製品ウエハの製造方法:
    (a)シリコン系半導体の使用済の非製品ウエハの第1の主面に対して、ウエット・エッチングを実行することにより、基板上構造層を実質的に除去する工程;
    (b)前記工程(a)の後、前記使用済みウエハの前記第1の主面に対して、研磨スラリを用いた化学機械研磨による第1の研磨処理を実行する工程、
    ここで、前記研磨スラリは、pHが9以上、12以下であって、以下を含む:
    (i)砥粒;
    (ii)塩基性化合物;
    (iii)1,2,4-トリアゾール;
    (iv)ポリ・ビニル・ピロリドン。
  41. 前記第40項の再生非製品ウエハの製造方法において、更に、以下の工程を含む:
    (c)前記工程(b)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面に対して、前記第1の研磨処理とこのなる条件で、化学機械研磨による第2の研磨処理を実行する工程。
  42. 前記第41項の再生非製品ウエハの製造方法において、前記第2の研磨処理は、浮遊砥粒を含有する研摩スラリを用いて実行される。
  43. 前記第40項の再生非製品ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中におけるポリ・ビニル・ピロリドンの組成は、0.01重量%以上、1重量%以下である。
  44. 前記第40項の再生非製品ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中におけるポリ・ビニル・ピロリドンの組成は、0.03重量%以上、0.175重量%以下である。
  45. 前記第40項の再生非製品ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中におけるポリ・ビニル・ピロリドンの組成は、0.05重量%以上、0.15重量%以下である。
  46. 前記第40項の再生非製品ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中におけるポリ・ビニル・ピロリドンの組成は、0.05重量%以上、0.1重量%以下である。
  47. 前記第40項の再生非製品ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中における1,2,4-トリアゾールの組成は、0.1重量%以上、10重量%以下である。
  48. 前記第40項の再生非製品ウエハの製造方法において、前記研磨スラリ中における1,2,4-トリアゾールの組成は、0.25重量%以上、5重量%以下である。
  49. 前記第40項の再生非製品ウエハの製造方法において、少なくとも前記工程(a)および(b)の間には、グラインディング工程がない。
  50. 前記第40項の再生非製品ウエハの製造方法において、前記砥粒は、コロイダル・シリカである。
  51. 前記第40項の再生非製品ウエハの製造方法において、前記塩基性化合物は、水酸化カリウム、水酸化テトラ・メチル・アンモニウム、または、水酸化アンモニウムである。
  52. 前記第40項の再生非製品ウエハの製造方法において、前記使用済の非製品ウエハは、テスト・ウエハである。
  53. 前記第40項の再生非製品ウエハの製造方法において、前記再生非製品ウエハは、テスト・ウエハである。
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