JP2010282688A - 真空容器及び処理装置 - Google Patents

真空容器及び処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010282688A
JP2010282688A JP2009135069A JP2009135069A JP2010282688A JP 2010282688 A JP2010282688 A JP 2010282688A JP 2009135069 A JP2009135069 A JP 2009135069A JP 2009135069 A JP2009135069 A JP 2009135069A JP 2010282688 A JP2010282688 A JP 2010282688A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall portion
wall
vacuum
space
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009135069A
Other languages
English (en)
Inventor
Gohei Kurokawa
剛平 黒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2009135069A priority Critical patent/JP2010282688A/ja
Publication of JP2010282688A publication Critical patent/JP2010282688A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract


【課題】容器内の真空度を短時間で高められる真空容器及び処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】内部を減圧状態として基板の表面処理が可能な空間部512cを備えた真空容器であって、空間部512cを囲む外壁部511と、外壁部511の空間部512c側に配置された内壁部512とからなる2重壁構造を有しており、内壁部512が外壁部511の材料よりも熱伝導性の高い材料からなり、外壁部511が内壁部512の材料よりも剛性の高い材料からなり、内壁部512を加熱する加熱部515が内壁部512に取り付けられている真空容器601を用いることにより、上記課題を解決できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、真空容器及び処理装置に関する。特に、磁気記録媒体を製造するためのインライン式成膜装置に用いられる真空容器及び処理装置に関する。
近年、磁気ディスク装置、可撓性ディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密度の著しい向上が図られつつある。
特に、HDD(ハードディスクドライブ)では、MRヘッド、およびPRML技術の導入以来、面記録密度の上昇はさらに激しさを増し、近年ではさらにGMRヘッド、TuMRヘッドなども導入され1年に約100%ものペースで増加を続けている。
一方、HDDの磁気記録方式として、いわゆる垂直磁気記録方式が従来の面内磁気記録方式(磁化方向が基板面に平行な記録方式)に代わる技術として近年急速に利用が広まっている。
垂直磁気記録方式では、情報を記録する記録層の結晶粒子が基板に対して垂直方向に磁化容易軸をもっている。この磁化容易軸とは、磁化の向きやすい方向を意味し、一般的に用いられているCo合金の場合、Coのhcp構造の(0001)面の法線に平行な軸(c軸)である。垂直磁気記録方式は、このように磁性結晶粒子の磁化容易軸が垂直方向であることにより、高記録密度が進んだ際にも、記録ビット間の反磁界の影響が小さく、静磁気的にも安定という特徴がある。
垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に下地層、中間層(配向制御層)、磁気記録層、保護層の順に成膜されるのが一般的である。また、保護層まで成膜した上で、表面に潤滑層を塗布する場合が多い。また、多くの場合、軟磁性裏打ち層とよばれる磁性膜が下地層の下に設けられる。下地層や中間層は磁気記録層の特性をより高める目的で形成される。具体的には、磁気記録層の結晶配向を整えると同時に磁性結晶の形状を制御する働きがある。
垂直磁気記録媒体の高記録密度化には、熱安定性を保ちながら低ノイズ化を実現する必要がある。ノイズを低減するための方法としては、一般的に2つの方法が用いられる。
1つ目は記録層の磁性結晶粒子を磁気的に分離、孤立化させることで、磁性結晶粒子間の磁気的相互作用を低減する方法、2つ目は磁性結晶粒子の大きさを小さくする方法である。
具体的には、例えば、記録層にSiO等を添加し、磁性結晶粒子がSiO等を多く含む粒界領域に取り囲まれた、いわゆるグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層を形成する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
そして、グラニュラ構造を有する垂直磁気記録層を形成する方法として、非特許文献1には、CoCrPt合金とSiOを含有する複合型ターゲットを用い、アルゴン酸素混合ガス雰囲気中でDCマグネトロンスパッタによりグラニュラ構造を有する記録層を形成する方法が開示されている。この文献では、酸素含有雰囲気中で反応性スパッタを行うことにより、保磁力が増加するとともに記録再生特性が向上することが報告されている。
また、SiOの濃度により最適な酸素分圧が決まり、SiO濃度が低いほど最適酸素分圧が高くなること、酸素濃度が最適値を超えて過剰な状態になると磁気特性や記録再生特性が大幅に劣化することが報告されている。
ところで、前述のように磁気記録媒体は複数の薄膜を有して構成されている。このような磁気記録媒体は、例えば、磁気記録媒体を構成する各薄膜を成膜する複数の成膜装置を、ゲートバルブを介して一列に接続したインライン型成膜装置を用いて製造されるのが一般的である。
図12は、前記インライン型成膜装置の一例を示す模式図である。図12に示すように、前記インライン型成膜装置は、基板供給・収容室901、基板取り付け室902、キャリア転送室903、第1コーナー室904、第1シード層形成室(スパッタチャンバ)905、第1加熱室906、第2コーナー室907、第2加熱室908、第2シード層形成室(スパッタチャンバ)909、第1下地層形成室(スパッタチャンバ)910および第2下地層形成室(スパッタチャンバ)911、第1磁気記録膜形成室(スパッタチャンバ)912および第2磁気記録膜形成室(スパッタチャンバ)913、第3コーナー室914、第3磁気記録膜形成室(スパッタチャンバ)915および第4磁気記録膜形成室(スパッタチャンバ)916、第4コーナー室917、予備室918、第1保護膜形成室919および第2保護膜形成室920、予備室921および基板取り外し室922と、複数のキャリア925とを有している。これら各室901〜922内に、キャリア925を順次搬送する。
図13は、前記成膜装置のスパッタチャンバを示す模式図である。
図13に示すように、キャリア925には、複数の成膜用基板(非磁性基板)923、924が装着される。各室919〜925は、それぞれ真空ポンプ936が接続されており、これらの真空ポンプ936の動作によって減圧状態となされる。
なお、各成膜装置は、一対の電極を有する反応容器と、反応容器内にガスを供給するガス供給手段と、反応容器内のガスを排気する真空ポンプ等を有して構成される。このインライン型成膜装置では、成膜用基板が、各成膜装置内に順次搬送され、各成膜装置内で所定の薄膜が成膜される。したがって、インライン式成膜装置を一巡させることにより、成膜用基板に、成膜装置の数と同数の薄膜を成膜することができる。
各成膜装置間での成膜用基板の移行は、具体的には、次のような工程で行われる。なお、ここでは、第1の成膜装置で成膜用基板上に1層目の薄膜を成膜した後、これに続いて、第2の成膜装置、第3の成膜装置・・・第nの成膜装置で成膜を行う場合を例にする。
まず、(1)第1の成膜装置と第2の成膜装置との間のゲートバルブを開く、(2)第2の成膜装置の反応容器内に成膜用基板を搬入する、(3)ゲートバルブを閉じる、(4)第2の成膜装置の反応容器内を排気する、(5)第2の成膜装置の反応容器内に反応用ガスを導入する、(6)成膜用基板に対して成膜を行う、(7)第2の成膜装置内の反応用ガスを排気する、(8)第2の成膜装置と第3の成膜装置との間のゲートバルブを開く、(9)第3の成膜装置の反応容器内に成膜用基板を搬入する。そして、第2成膜装置の場合と同様に(3)〜(7)の工程を行う。さらに、成膜装置毎に(1)〜(7)の工程を行い、最後の成膜装置(第nの成膜装置)から成膜用基板を搬出する。
また、前記成膜装置を十数台環状に配置してなるインライン式成膜装置は、たとえば、1時間に数百枚程度の磁気記録媒体を生産することができる。通常、前記インライン式成膜装置は、1日くらいかけて整備した後、2週間ほど連続稼働することを繰り返して使用する。
前記連続稼働中に、前記インライン式成膜装置が緊急停止する場合がある。その原因で最も多いのは、前記成膜装置の内部に配置した被成膜基板が偶発的に落下して、前記成膜装置内の搬送機構に挟まる場合である。
この場合、(1)成膜装置を開放する工程と、(2)落下した基板を取り出す工程と、(3)成膜装置を閉じて減圧する工程と、(4)成膜装置を再稼働させる工程、の少なくとも4つ工程を行うことが必要となる。これらの工程で、(1)と(2)の工程は数分程度で済むが、(3)と(4)の工程では前記成膜装置内の真空度を高める必要があるので、通常、数時間程度の時間を要する。これにより、磁気記録媒体の製造効率は大幅に低下する。
特に、最近の磁気記録媒体は、前記磁気記録媒体を構成する磁性膜等が薄膜化され、また、その積層構造が複雑になっているため、前記成膜装置内の真空度(ベースプレッシャー)をより高める必要があり、磁気記録媒体の製造の再開により長い時間を要する。そのため、前記のトラブルが生じたとき、磁気記録媒体の製造効率はより低下する。
成膜装置内の真空度を短時間で高めることができれば、磁気記録媒体の製造を短時間で再開でき、磁気記録媒体の製造効率を向上させることができる。そして、成膜装置内の真空度を短時間で高める方法として、成膜装置で用いる真空容器をベーキングする方法が有効であることが知られている。
しかし、従来の真空容器は、ターゲット用カソード、ターゲット、真空ポンプおよび搬送機構などの磁気記録媒体の製造に用いられる多数の部品が取り付けられるため、剛性の高いステンレスが用いられており、前記ステンレスは熱伝導性が悪く、前記ステンレスからなる真空容器の加熱および冷却には時間がかかるので、前記真空容器のベーキングを短時間で完了させることは困難であった。
特開2002−342908号公報
IEEE Transactions on Magnetics,Vol.40,No.4,July 2004,pp.2498−2500
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、容器内の真空度を短時間で高められる真空容器及び処理装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、
(1)内部を減圧状態として基板の表面処理が可能な空間部を備えた真空容器であって、前記空間部を囲む外壁部と、前記外壁部の前記空間部側に配置された内壁部とからなる2重壁構造を有しており、前記内壁部が前記外壁部の材料よりも熱伝導性の高い材料からなり、前記外壁部が前記内壁部の材料よりも剛性の高い材料からなり、前記内壁部を加熱する加熱部が前記内壁部に取り付けられていることを特徴とする真空容器。
(2)前記外壁部が、鉄、ステンレス、インコネルまたはハイマンガン鋼の何れかからなることを特徴とする(1)に記載の真空容器。
(3)前記内壁部が、銅またはアルミニウム合金であることを特徴とする(1)または(2)に記載の真空容器。
(4)前記外壁部と前記内壁部との間に断熱材が配置されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の真空容器。
(5)前記断熱材が、セラミックス材料であることを特徴とする(4)に記載の真空容器。
(6)前記外壁部と前記内壁部との間に断熱空間部が設けられていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の真空容器。
(7)前記外壁部と前記内壁部とが接して形成されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の真空容器。
(8)前記内壁部が前記外壁部の前記空間部側を部分的に覆うように配置されていることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の真空容器。
(9)前記空間部が、前記内壁部に囲まれて前記空間部以外の領域から遮断されていることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の真空容器。
(10)前記加熱部がヒーターであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の真空容器。
(11)互いに対向する側壁を少なくとも一対有し、内部に空間部を有する反応容器と、前記反応容器に設けられた一対の電極と、基板搬出入口と、前記基板搬出入口から搬入された基板を搬送する基板搬送機構と、を有する処理装置であって、前記反応容器が、内部を減圧状態として基板の表面処理が可能な空間部を備えた真空容器であり、前記空間部を囲む外壁部と、前記外壁部の前記空間部側に配置された内壁部とからなる2重壁構造を有しており、前記内壁部が前記外壁部の材料よりも熱伝導性の高い材料からなり、前記外壁部が前記内壁部の材料よりも剛性の高い材料からなり、前記内壁部を加熱する加熱部が前記内壁部に取り付けられていることを特徴とする処理装置。
(12)前記反応容器の上方に設けられ、一対の上部排気手段取り付け壁を有する上部排気手段取り付け室と、前記反応容器の下方に設けられ、一対の下部排気手段取り付け壁を有する下部排気手段取り付け室と、を有しており、前記反応容器と、前記上部排気手段取り付け室と、前記下部排気手段取り付け室と、からなる容器が、前記真空容器からなることを特徴とする(11)に記載の処理装置。
(13)前記上部排気手段取り付け壁の少なくとも一方に取り付けられた排気手段と、前記下部排気手段取り付け壁の少なくとも一方に取り付けられた排気手段と、を有することを特徴とする(12)に記載の処理装置。
(14)前記一対の電極の各対向面側に、それぞれ、ターゲットが設けられ、該ターゲットから弾き出されたスパッタ粒子を基板の表面に被着させることによって薄膜を成膜自在としてなることを特徴とする(11)〜(13)のいずれかに記載の処理装置。
上記の構成によれば、容器内の真空度を短時間で高められる真空容器及び処理装置を提供することができる。
本発明の真空容器は、内部を減圧状態として基板の表面処理が可能な空間部を備えた真空容器であり、前記空間部を囲む外壁部と、前記外壁部の前記空間部側に配置された内壁部とからなる2重壁構造を有しており、前記内壁部が前記外壁部の材料よりも熱伝導性の高い材料からなり、前記外壁部が前記内壁部の材料よりも剛性の高い材料からなり、前記内壁部を加熱する加熱部が前記内壁部に取り付けられている構成なので、加熱部により内壁部を加熱して、真空容器をベーキングすることにより、容器内を短時間で所定の真空度(ベースプレッシャー)まで減圧することができる。
本発明の真空容器は、前記内壁部が、銅またはアルミニウム合金である構成なので、内壁部を急速に加熱・冷却して、真空容器をベーキングすることにより、真空容器の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
本発明の処理装置は、互いに対向する側壁を少なくとも一対有し、内部に空間部を有する反応容器と、前記反応容器に設けられた電極と、基板搬出入口と、前記基板搬出入口から搬入された基板を搬送する基板搬送機構と、を有する処理装置であって、前記反応容器が、内部を減圧状態として基板の表面処理が可能な空間部を備えた真空容器であり、前記空間部を囲む外壁部と、前記外壁部の前記空間部側に配置された内壁部とからなる2重壁構造を有しており、前記内壁部が前記外壁部の材料よりも熱伝導性の高い材料からなり、前記外壁部が前記内壁部の材料よりも剛性の高い材料からなり、前記内壁部を加熱する加熱部が前記内壁部に取り付けられている構成なので、内壁部を加熱して、真空容器をベーキングすることにより、容器内を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。これにより、真空容器の内部に配置した基板が偶発的に落下して、前記真空容器内の搬送機構に挟まった場合にも、前記基板を取り出した後、短時間で所定の真空度まで減圧することができ、基板の表面処理効率を向上することができる。
本発明の実施形態である処理装置の一例を示す縦断面図である。 図1に示す処理装置の右側面図である。 図1に示す処理装置が備えるガス流入管を示す側面図である。 図1に示す処理装置の拡大断面図である。 図1に示す処理装置の拡大断面図である。 本発明の実施形態である処理装置の一例を示す縦断面図である。 図6に示す処理装置の拡大断面図である。 本発明の実施形態である処理装置の一例を示す縦断面図である。 図8に示す処理装置の拡大断面図である。 本発明の実施形態である処理装置の一例を示す縦断面図である。 図10に示す処理装置の拡大断面図である。 インライン型成膜装置の一例を示す模式図である。 成膜装置のスパッタチャンバを示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態である処理装置の一例を示す縦断面図であって、図2は、図1に示す処理装置を図1中右側から見た側面図、図3は、図1に示す処理装置が備えるガス流入管を示す側面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態である処理装置701は、互いに対向する側壁を少なくとも一対有し、内部に空間部を有する反応容器101と、反応容器101に設けられた電極と、基板搬出入口と、前記基板搬出入口から搬入された基板を、前記電極側に搬送するとともに、前記電極で処理が行われた前記基板を、前記基板搬出入口に搬送する基板搬送機構と、を有する。
<真空容器>
図1に示すように、本発明の実施形態である処理装置701は、本発明の実施形態である真空容器601を備えている。本発明の実施形態である真空容器601は、反応容器101と、上部真空ポンプ取り付け室134と、下部真空ポンプ取り付け室135と、を有する容器であり、内部に空間部512cが設けられている。
反応容器101と、上部真空ポンプ取り付け室134と、下部真空ポンプ取り付け室135との内部側(空間部512c側)には、窓部などを除いて、内壁部512が設けられている。これにより、真空容器601に、反応容器101の隔壁と、上部真空ポンプ取り付け室134の隔壁と、下部真空ポンプ取り付け室135の隔壁と、からなる外壁部511と、内壁部512とからなる2重壁構造が形成されている。
図4は、図1に示すA部の拡大断面図であり、図5は、図1に示すB部の拡大断面図である。図4及び図5に示すように、本発明の実施形態である真空容器601は、容器外と容器内とを遮断する外壁部511と、外壁部511の内部側に配置された内壁部512と、外壁部511と内壁部512との間に設けられた断熱材513と、断熱材を離間するように形成された断熱空間部514と、内壁部512の内部側に配置された加熱部515と、を有している。
<外壁部>
図1および図2に示すように、外壁部511は、反応容器101の第1の側壁106、第2の側壁107、第3の側壁108、第4の側壁109、天板142および底板143、並びに、第1の上部真空ポンプ取り付け壁(上部排気手段取り付け壁)134a、第2の上部真空ポンプ取り付け壁(上部排気手段取り付け壁)134bおよび枠部134c、第1の下部真空ポンプ取り付け壁(下部排気手段取り付け壁)135a、第2の下部真空ポンプ取り付け壁(下部排気手段取り付け壁)135bおよび枠部135cからなる。
外壁部511を構成する材料は、剛性の高い材料であれば特に限定されない。たとえば、鉄、ステンレス、インコネル、ハイマンガン鋼などを挙げることができる。これにより、真空容器601の剛性を保持することができる。
<内壁部>
図1に示すように、内壁部512は、窓部などを除いて、外壁部511の内側を覆うように形成されている。また、図1では省略しているが、内壁部512と前記窓部はシールされて接合されており、内壁部512に囲まれた空間部512cが閉じられた空間領域とされている。これにより、真空容器601の内部で空間部512cのみを減圧状態にでき、真空容器601の内部で空間部512cの真空度を短時間で高めることができる。
内壁部512を構成する材料は、熱伝導率の高い材料が好ましく、たとえば、銅またはアルミニウム合金などを挙げることができる。これにより、内壁部512を急速に加熱・冷却して、真空容器601をベーキングすることにより、真空容器601の内部の真空度を短時間で高めることができる。
また、内壁部512の厚さは、特に限定されるものではなく、たとえば、3mm程度とすることができる。
本願発明では、前述のように、真空容器壁を外壁部511と内壁部512の2重構造とするが、内壁部512のみによって真空容器601の真空を確保する場合は、内壁部512には1平方センチメートルあたり1kgf(約10N)の外圧が加わることとなる。本願発明の真空容器601でこのような構成を採用する場合、内壁部512がこのような外圧に耐えられるべく、内壁部512と外壁部511とを部分的に接合して補強する必要が生ずる。内壁部512と外壁部511とを接合する方法としては、それぞれの壁を構成する材料にしたがって多種多様の公知の接合方法を用いることができる。例えば、ネジ止め、噛合、溶接、ロウ付け、圧接、拡散接合、摩擦接合などの接合方法がある。ここで、内壁部512と外壁部511との間は後述するように断熱する必要があるため、内壁部512と外壁部511との接合は熱の移動を低減させるため部分的(スポット的)に行うのが好ましい。また、内壁部512は、真空容器601に取り付けられた、真空ポンプ、窓等のフランジ部を用いて外壁部511と接続し補強することもできる。加えて、後述の断熱材513を介して内壁部512と外壁部511とを接合しても良い。
<断熱材>
図4及び図5に示すように、外壁部511と内壁部512との間には、断熱材513が離間して配置されている。これにより、内壁部512を加熱しても、その熱が外壁部511へ伝導されることが少なく、内壁部512のみを急速に加熱・冷却することができ、真空容器601を短時間でベーキングして、真空容器601の内部の真空度を短時間で高めることができる。
断熱材513を構成する材料は、断熱性の高い材料が好ましく、たとえば、アルミナなどのセラミックス材料などを挙げることができる。これにより、外壁部511と内壁部512を効率よく断熱することができ、内壁部512の加熱・冷却を短時間で行うことができる。
断熱材513の厚さは、特に限定されるものではなく、たとえば、2mm程度とすることができる。
<断熱空間部>
図4及び図5に示すように、外壁部511と内壁部512との間には、断熱材513を離間するように断熱空間部514が形成されている。
外壁部511と内壁部512との間に断熱空間部514が設けられることにより、外壁部511と内壁部512を効率よく断熱することができ、内壁部512の加熱・冷却を短時間で行うことができる。
<加熱部>
図4及び図5に示すように、内壁部512の一面512aには、薄型の加熱部515が取り付けられている。なお、加熱部515は配線(図示略)を介して電源部(図示略)に接続されており、前記電源部から電圧を印加することにより、加熱部515を任意の温度に加熱して、内壁部512を急速に昇温・降温して、真空容器601のベーキングを短時間で行うことができる。
加熱部515は、内壁部512を効率的に加熱できるものであれば特に限定されるものではなく、たとえば、リボンヒータなどを用いることができる。
また、加熱部515は、内壁部512の空間部512c側の面512aに取り付けられているが、これに限られるものではなく、たとえば、断熱空間部514側の面に取り付けてもよい。
図1〜図3に示す処理装置701は、縦型かつ薄型の反応容器(反応チャンバ)101と、反応容器101内に、不活性ガスおよび/または反応性ガスを供給するガス供給手段(図3参照)102と、反応容器101内のガスを排気する真空ポンプ130、131、132と、これら真空ポンプ130、131、132が取り付けられる上部真空ポンプ取り付け室134および下部真空ポンプ取り付け室135と、外部から搬入された2枚の被処理基板200を所定の位置に搬送する基板搬送装置105とを有している。
反応容器101の一対の側壁106、107には、一対のカソード(プラズマ発生用の電極)113、115が、その電極面113a、115aを互いに対向させて配設されており、さらに、図1中奥行き側に、一対のカソード(プラズマ発生電極)114が、一対のカソード113、115と横並びで、且つ、その電極面を互いに対向させて配設されている。すなわち、この処理装置701は、一対のカソードを2組有しているタイプとされている。
<反応容器>
反応容器101は、外部と反応空間101aとを仕切る容器である。本願発明では、好ましくは、内壁部512によって気密性を確保し、内部が高真空状態とされるため耐圧性を有するものとされる。
なお、以下の説明では、この反応容器101において、図1中、右側の側壁を「第1の側壁106」、左側の側壁を「第2の側壁107」、図1の奥行き側の側壁を「第3の側壁108」、手前側の側壁を「第4の側壁109(図2参照)」と呼称する。
<側壁>
第1の側壁106および第2の側壁107は、図2に示す如く正面視正方形に近い若干縦長の長方形状をなしており、これら側壁同士の間に図1に示す如く扁平の縦長の空間を構成するように、相互の間隔を狭めて垂直に配置されている。そして、第1の側壁106と第2の側壁107の左右両側には、幅狭の第3の側壁108と第4の側壁109とが接続されるとともに、これら各側壁106〜109の上下両側には、天板(天井部)142と底板(底部)143とが接続されている。これら側壁106〜109と、天板142および底板143とによって囲まれた縦長の扁平の空間が、反応容器101の内部空間を構成する。
<ベーキング後の真空容器の冷却>
本願発明の処理装置701は、前述のように内壁部512と外壁部511の2重構造の真空容器601を採用している。これにより、外壁部511を構成する材料の熱容量等の影響を下げ、内壁部512をヒーター等により急速に昇温させることが可能となる。そして、ベーキング工程において、内壁部512の温度(以下、内壁温度)を急速に昇温して反応容器101の脱ガスを速やかに行うことができる。
しかしながら、処理装置701は、ベーキング工程後、ヒーターを切っても、内壁部512と外壁部511との間の空気等が滞留して内壁部512が断熱され、内壁温度がなかなか低下しない場合がある。そのため、ベーキング工程後、内壁部512と外壁部511との間に冷却ガスや冷却液を流し、反応容器101を速やかに冷却して、内壁温度を急速に低下させる方法を採用するのが好ましい。これにより、処理装置701を速やかに生産に供することが可能となる。
なお、本願発明で使用可能な冷却ガスとしては、空気、窒素ガス、炭酸ガス等を例示できる。また、冷却液としては、沸点がベーキング温度以上の油等を例示できる。
<窓部>
この反応容器101の第1の側壁106には、後述する第1のカソード(電極)113および第2のカソード(電極)114が取り付けられる第1の窓部127が設けられている。また、第2の側壁107には、後述する第3のカソード(電極)115および第4のカソード(電極)が取り付けられる第2の窓部128が第1の窓部127と対向するように設けられている。
第1の窓部127と第2の窓部128は、図2を参照する如く側面視横長のレーストラック形状とされ、互いの形成位置は互いに対向するように同一高さ位置とされている。
また、第1の側壁106には、第1の窓部127の下方に、後述する基板搬送装置室136を取り付けるための小型の第3の窓部116が設けられている。
一方、天板142には、後述する上部真空ポンプ取り付け室134を取り付けるための第4の窓部144が設けられ、底板143には、後述する下部真空ポンプ取り付け室135を取り付けるための第5の窓部145が設けられている。第4の窓部144は、天板142の奥行き方向の中央部に左端部から右端部に亘って設けられ、図1の上面視において、奥行き方向が幅広とされた長方形状をなしている。また、第5の窓部145は、底部143の奥行き方向の中央部に左端部から右端部に亘って設けられ、図1の下面視において、奥行き方向が第4の窓部144より幅狭とされた略正方形状をなしている。
<カソード>
第1のカソード113〜第4のカソードはいずれも同等の構成とされ、第1の窓部127に左右に並んで2基、第2の窓部128に左右に並んで2基取り付けられている。なお、図1および図2においては一部を略して示している。
具体的には、図2に示すように、第1のカソード113および第2のカソード114は、横方向に並んだ状態で、第1の側壁106に設けられた横長の第1の窓部127に、フレームを介して気密的に接合される。
また、第3のカソード115および第4のカソードは、横方向に並んだ状態で、第2の側壁107に設けられた第2の窓部128に、フレームを介して気密的に接合される。
そして、第1のカソード113〜第4のカソードは、それぞれ、その電極面が水平面に対して略直交するような縦置き状態となっており、第1のカソード113と第3のカソード115とは、その反応空間101a側の表面(電極面)113a、115a同士が対向し、第2のカソード114と第4のカソードとは、その反応空間101a側の表面(電極面)同士が対向した位置関係になっている。すなわち、第1のカソード113と第3のカソード115とが対をなし、第2のカソード114と第4のカソードとが対をなしている。
第1のカソード113〜第4のカソードには、それぞれ、図示略の電源に接続されており、これら電源によって電力が供給される。
<ターゲット>
ここで、この処理装置701を、例えばスパッタ法によって薄膜を成膜する成膜装置として用いる場合には、第1のカソード113〜第4のカソードの各電極面に、それぞれ、ターゲット117、118が離間して支持される。各ターゲット117、118は、それぞれ、板状をなし、目的とする薄膜の組成に応じた組成とされる。
各ターゲット117、118は、単体であってもよく、複数のターゲット片によって構成されていてもよい。また、各ターゲット117、118の平面形状は、特に限定されない。単体のターゲットの場合には、例えば、円形または円環状であるのが望ましく、各カソードと同軸的位置関係で配置されるのが望ましい。
例えば、処理装置701によってグラニュラ構造を有する磁性層を成膜する場合には、各ターゲット117、118として、それぞれCo、Cr、Ptを含有する半円状のターゲット片と、SiOを含有する半円状の酸化物ターゲット片などを複合して用いることもできる。
なお、各ターゲット117、118は必要に応じて設けられるものであり、例えば後述する反応性プラズマによる処理を行う場合には、省略される。
<ガス流入管>
反応容器101の内部には、図3に示す形状の第1のガス流入管121〜第4のガス流入管124がそれぞれ配設されている。
図3に示すように、第1のガス流入管121〜第4のガス流入管124は、それぞれ、一方向に延在された直管部125と、直管部125の一端に連結された円環状の環状部126とを有し、環状部126の内周壁126cに、複数のガス放出口126aが円周に沿って略等間隔に設けられている。
環状部126に設けられるガス放出口126aの孔径は、該ガス放出口126aの直管部125に対する位置に応じて、各孔からの放出ガス量が一定となるように変えることが好ましい。具体的には、環状部126を流れるガスの上流側においては孔径を小さくし、下流においては孔径を大きくすることが好ましい。
第1のガス流入管121〜第4のガス流入管124は、各直管部125の他端が延出されて、それぞれ反応容器101の外部に設けられているガス供給手段102に接続されている。また、第1のガス流入管121〜第4のガス流入管124の各環状部126は、第1のカソード113〜第4のカソードと各被処理基板200との間の空間(反応空間101a)の外周を囲むように配置されている。
ガス供給手段102と各ガス流入管121〜124とを接続する各配管の途中には、図示しないバルブが設けられている。これらのバルブは、それぞれ、図示しない制御機構によって開閉が制御されるように構成されている。
ガス供給手段102によって送出されるガスは、上述の各バルブによって流量が制御されつつ、第1のガス流入管121〜第4のガス流入管124に、それぞれ、導入される。
各ガス流入管121〜124に導入されたガスは、直管部125を通過して環状部126に流入する。そして、このガスは、図3中矢印に示されるように、円環状に配置されている複数のガス放出口126aから放出され、被処理基板200の外周部200bから中央部200aへ向けて流れる。
<上部真空ポンプ取り付け室、下部真空ポンプ取り付け室>
上部真空ポンプ取り付け室(上部排気手段取り付け室)134は、その下端部が、反応容器101の第4の窓部144の周囲に取り付けられ、その内部が、反応容器101内の空間と連通している。
上部真空ポンプ取り付け室134は、一対の上部真空ポンプ取り付け壁(第1の上部真空ポンプ取り付け壁134a、第2の上部真空ポンプ取り付け壁134b)と、一対の上部真空ポンプ取り付け壁134a、134b同士の間隙を第4の窓部144側を除いて囲む枠部134cとを有する。
第1の上部真空ポンプ取り付け壁(上部排気手段取り付け壁)134aおよび第2の上部真空ポンプ取り付け壁(上部排気手段取り付け壁)134bは、それぞれ、第4の窓部144の右端部の外側および左端部の外側(第1の側壁106および第2の側壁107の各上端面)に縦置き状に取り付けられており、その面方向が第1の側壁106および第2の側壁107と略平行となっている。
図2に示すように、各上部真空ポンプ取り付け壁134a、134bは、側面視で、上方において半円状をなし、下端部において第4の窓部144の奥行き方向の長さと略等しい長さの直線状をなしており、下端部が第1の側壁106および第2の側壁107の上端部に取り付けられている。第1の上部真空ポンプ取り付け壁134aには、後述する第1の真空ポンプ130の吸引口と連通する開口が設けられており、第2の上部真空ポンプ取り付け壁134bには、後述する第2の真空ポンプ131の吸引口と連通する開口が設けられている。
下部真空ポンプ取り付け室(下部排気手段取り付け室)135は、その上端部が、反応容器101の第5の窓部145の周囲に固定され、その内部が、反応容器101内の空間と連通している。
下部真空ポンプ取り付け室135は、一対の下部真空ポンプ取り付け壁(第1の下部真空ポンプ取り付け壁135a、第2の下部真空ポンプ取り付け壁135b)と、一対の下部真空ポンプ取り付け壁135a、135b同士の間隙を第5の窓部145側を除いて囲む枠部135cとを有する。
第1の下部真空ポンプ取り付け壁(下部排気手段取り付け壁)135aおよび第2の下部真空ポンプ取り付け壁(下部排気手段取り付け壁)135bは、第5の窓部145の右端部の外側および左端部の外側に縦置き状に取り付けられており、その面方向が第1の側壁106および第2の側壁107と略平行となっている。
図2に示すように、各下部真空ポンプ取り付け壁135a、135bは、側面視で、各辺の長さが第5の窓部の奥行き方向の長さと略等しい略正方形状をなしている。また、このうち第1の下部真空ポンプ取り付け壁135aには、後述する第3の真空ポンプ132の吸引口と連通する開口が設けられている。
<排気手段>
第1の真空ポンプ(排気手段)130〜第3の真空ポンプ(排気手段)132は、それぞれ、吸引機構と、吸引機構のガス通路と連通する吸引口と、吸引口の周囲に設けられたフランジ130a〜132aと、吸引口の内部に設けられた図示しないゲートバルブとを有している。ゲートバルブは、図示しない制御機構によって開閉が制御されるように構成されている。
このうち第1の真空ポンプ130は、そのフランジ130aが第1の上部真空ポンプ取り付け壁134aに設けられた開口の周囲に取り付けられ、上部真空ポンプ取り付け室134に固定されている。また、第2の真空ポンプ131は、そのフランジ131aが第2の上部真空ポンプ取り付け壁134bに設けられた開口の周囲に取り付けられ、上部真空ポンプ取り付け室132に固定されている。また、第3の真空ポンプ132は、そのフランジ132aが第1の下部真空ポンプ取り付け壁135aに設けられた開口の周囲に取り付けられ、下部真空ポンプ取り付け室135に固定されている。
各真空ポンプ130〜132は、反応容器101内を減圧状態にしたり、被処理基板200に処理を行う際および処理を行った後、反応容器101内のガスを所定の流量で排気する。
ここで、従来の処理装置は、上部真空ポンプ取り付け室134および下部真空ポンプ取り付け室135と、を有しておらず、真空ポンプは、反応容器の底部のみ、または、天井部と底部に直接取り付けられていた。すなわち、真空ポンプは、そのフランジが、例えば底部に設けられた開口の周囲に取り付けられることによって反応容器に固定されていた。
ここで、この真空ポンプのフランジ径は、真空ポンプの排気能力が高くなる程大きくなる。このため、従来の成膜装置で、排気能力の高い真空ポンプを取り付けるためには、フランジを取り付けるスペースを確保すべく天井部および底部の面積を大きくすること、すなわち、第1の側壁と第2の側壁との離間距離(反応容器の横幅)を大きくすることが必要となっていた。しかし、反応容器の横幅を大きくすると、反応容器の容積も大きくなるため、排気能力の高い真空ポンプをもってしても、反応容器内を排気するのに長時間を要してしまう。つまり、底部や天井部に真空ポンプを取り付ける構成では、真空ポンプの排気能力を高めることと反応容器の容積を小さく抑えることとの両立が難しく、どうしても反応容器内を排気するのに要する時間が長くなってしまう。
これに対して、本発明の処理装置701では、反応容器101の天井部に、上部真空ポンプ取り付け室134が設けられ、該上部真空ポンプ取り付け室134の側壁を構成する各上部真空ポンプ取り付け壁134a、134bに、それぞれ、真空ポンプ130、131が取り付けられている。また、反応容器101の底部に、下部真空ポンプ取り付け室135が設けられ、該下部真空ポンプ取り付け室135の側壁の一方を構成する第1の下部真空ポンプ取り付け壁135aに真空ポンプ132が取り付けられている。
この場合、フランジ径の大きい真空ポンプを取り付けるためには、各上部真空ポンプ取り付け壁134a、134bおよび各下部真空ポンプ取り付け壁135a、135bの面積を大きくすればよく、これによる排気容積の増大は、反応容器101の横幅を大きくする場合に比べて小さく抑えられる。すなわち、本発明の処理装置701では、各上部真空ポンプ取り付け壁134a、134bおよび第1の下部真空ポンプ取り付け壁135aに、それぞれ、真空ポンプ130〜132が取り付けられる構成であることにより、排気容積を小さく抑えながら、排気能力の高い真空ポンプ(フランジ径の大きい真空ポンプ)を用いることができる。また、各上部真空ポンプが取り付け壁134a、134bおよび各下部真空ポンプ取り付け壁135a、135bに、少なくとも1台の真空ポンプを取り付けることができるため、反応容器101の底部や天井部に直接真空ポンプを取り付ける構成に比べて多数の真空ポンプを取り付けることができる。これにより、反応容器101内の排気を短時間で行うことができる。
真空ポンプ130〜132としては、ターボ分子ポンプやクライオポンプを用いるのが望ましく、ターボ分子ポンプを用いることがより望ましい。
ターボ分子ポンプは、油を使用しないため清浄度(クリーン度)が高く、また、排気速度が大きいので高い真空度が得られる。さらにまた、比較的反応性の高いガスをも排気することができる。このため、ターボ分子ポンプを用いることにより、ガスの種類に関わらず、反応容器101内のガスを効率よく排気することができる。
クライオポンプは、排気速度やクリーン度がターボ分子ポンプより優れている。得に、クライオポンプは溜め込み式のポンプであるため、不純物の発生が少なく、反応容器内をクリーンな排気環境に保つことが可能である。その反面、溜め込み式のポンプであるため、可燃ガスやハロゲンガスなどの反応性の高いガスの排気には適さない、定期的にポンプの再生処理を行う必要があるという短所がある。
このため、反応容器101内に供給されるガスが反応性の高いガスである場合には、ターボ分子ポンプを主体として排気を行うことが望ましい。
なお、第1の真空ポンプ130および第2の真空ポンプ131としてターボ分子ポンプを用い、第3の真空ポンプ132としてクライオポンプを使用する。これにより、反応容器101内を短時間で排気することができ、また、反応容器101内を精度よく所定の減圧状態とすることができる。また、清浄度の高い環境で各種処理を行うことができる。また、さらに、反応容器101内に供給されるガスが反応性の高いものである場合には、ターボ分子ポンプ(第1の真空ポンプ130および第2の真空ポンプ131)を主体として排気を行うことにより、このようなガスの排気を正常に行うことができる。
また、上側に2台の真空ポンプ130、131が取り付けられ、下側に1台の真空ポンプ132が取り付けられているが、真空ポンプの台数はこれに限るものではない。例えば、上側の真空ポンプの台数は、1台であってもよく、3台以上であっても構わない。また、下側には、真空ポンプを取り付けなくてもよく、2台以上の真空ポンプを取り付けても構わない。例えば、下側に2台の真空ポンプを取り付ける場合、もう1台の真空ポンプは、第2の下部真空ポンプ取り付け壁135bに第3の真空ポンプ132と対向するように取り付けられる。
反応容器101内を排気するのに要する時間は、真空ポンプの数が多くなる程短縮されるが、真空ポンプの数が余り多くなると、装置の大型化、消費電力の増大を招くおそれがある。このような観点から、上側および下側に取り付けられる真空ポンプの数は、それぞれ、2台を上限とするのが望ましい。
また、反応空間101aの下方に複雑な形状の機器(本実施形態ではキャリア搬送装置137)が設けられている場合には、下側に少なくとも1台の真空ポンプが取り付けられているのが望ましい。
反応空間101aの下方にキャリア搬送装置137が設けられた構成で、下側に真空ポンプが取り付けられていないと、上側の真空ポンプ130、131によって反応容器101内を排気する際、キャリア搬送装置137の駆動機構141等が流動抵抗となり易く、反応容器101内を目的の減圧状態とするのに長時間を要してしまう。これに対して、下側に真空ポンプ132が取り付けられていると、この真空ポンプ132とキャリア搬送装置137とが近接していることから、キャリア搬送装置137の周囲の空間を効率よく排気することができる。その結果、反応容器101内を短時間に目的の減圧状態とすることができる。
ここで、本実施形態の処理装置701では、上側に2台の真空ポンプ130、131が取り付けられ、下側に1台の真空ポンプ132が取り付けられている。
このため、上側に取り付けられた2台の真空ポンプ130、131が共同して働くとともに、下側に取り付けられた真空ポンプ132によってキャリア搬送装置137の周囲が効率よく排気される。これにより、反応容器101内を短時間に所定の減圧状態とすることができる
<内壁部加熱機構>
本実施形態の処理装置701では、内壁部512に加熱部515が取り付けられ、内壁部512を加熱することができる構成とされている。これにより、前記排気処理工程において、排気を開始すると同時に内壁部512を加熱することにより、真空容器601の内部の真空度を短時間で高めることができる。
<基板搬送装置>
基板搬送装置105は、外部から搬入された被処理基板200を、第1のカソード113と第3のカソード115の間、および、第2のカソード114と第4のカソードとの間に、被処理基板200の両面が電極面113a、115aまたは電極面114aと対向するように、かつ、縦置き状態となるように搬送する。
この基板搬送装置105は、基板搬送装置室136と、キャリア搬送装置137と、キャリア搬送装置137に保持された第1のキャリア138および第2のキャリアとを有する。
なお、第2のキャリアおよび第2のキャリア保持部は、第1のキャリア138および後述する第1のキャリア保持部140と同様の構成とされており、図示は省略する。
基板搬送装置は図1及び図2に示すように、前記のようなキャリア138を搬送させる搬送機構として、キャリア138を非接触状態で駆動する駆動機構141を備えている。
この駆動機構141は、キャリア138の下部にキャリア138の移動方向に沿ってN極とS極とが交互に並ぶように配置された複数の磁石202と、その下方にキャリア138の搬送方向(図1の紙面垂直方向、図2の左右方向)に沿って配置された回転磁石203とを備え、この回転磁石203の外周面には、N極とS極とが二重螺旋状に交互に並んで形成されている。
また、複数の磁石202と回転磁石203との間には、真空隔壁204が介在されている。この真空隔壁204は、複数の磁石202と回転磁石203とが磁気的に結合されるように透磁率の高い材料で形成されている。また、真空隔壁204は、回転磁石203の周囲を囲むことによって、反応容器101の内側と大気側とを隔離している。
また、回転磁石202は、回転モータ205により回転駆動される回転軸206と互いに噛合される複数のギアを介して連結されている。これにより、回転モータ205からの駆動力を回転軸206を介して回転磁石204に伝達しながら、この回転磁石204を軸回りに回転させることが可能となっている。
以上のように構成される基板搬送装置は、キャリア138側の磁石202と回転磁石204とを非接触で磁気的に結合させながら、回転磁石203を軸回りに回転させることにより、キャリア138を回転磁石203の軸方向(図1の紙面垂直方向、図2の左右方向)に沿って直線駆動する。
また、反応容器101内には、搬送されるキャリア138をガイドするガイド機構として、水平軸回りに回転自在に支持された複数の主ベアリング175がキャリア138の搬送方向(図1の紙面垂直方向、図2の左右方向)に並んで設けられている。一方、キャリア138は、支持台226の下部側に複数の主ベアリング175が係合されるガイドレール176を有しており、このガイドレール176には、溝部が支持台226の長手方向に沿って形成されている。
また、反応容器101内には、垂直軸回りに回転自在に支持された一対の副ベアリング177が、その間にキャリア138を挟み込むようにして設けられている。これら一対の副ベアリング177は、複数の主ベアリング175と同様に、キャリア138の搬送方向に複数並んで設けられている。
なお、主ベアリング175及び副ベアリング177は、機械部品の摩擦を減らし、スムーズな機械の回転運動を確保する軸受であって、具体的には転がり軸受からなり、反応容器101内に設けられたフレーム(取付部材)に固定された支軸(図示略)に回転自在に取り付けられている。
キャリア138は、ガイドレール176に複数の主ベアリング175を係合させた状態で、これら複数の主ベアリング175の上を移動すると共に、一対の副ベアリング177の間に挟み込まれることによって、その傾きが防止されていて、被処理基板200を垂直に保持したまま搬送することができるように構成されている。
次に、キャリア138を移動させてカソード115、115間に被処理基板200を位置させた状態で、反応空間101aに、例えばハロゲンを含有するガス(ハロゲン含有ガス)が供給され、また、第1のカソード113〜第4のカソードにそれぞれ電力が供給されると、反応空間に供給されたハロゲン含有ガスがプラズマ化し、ハロゲンイオンを含有する反応性プラズマが生成する。この反応性プラズマによって、各被処理基板200の表面がプラズマ処理される。
また、第1のカソード113〜第4のカソードの各電極面にターゲット117、118が支持されている場合に、反応空間101aに、例えば反応性ガスと不活性ガスとの混合ガスが供給され、第1のカソード113〜第4のカソードにそれぞれ電力が供給されると、反応空間101aに供給された混合ガスが、プラズマ化する。そして、このプラズマ中で生成された不活性ガスのイオンが、各ターゲットに衝突し、各ターゲットからターゲット物質(スパッタ粒子)が弾き出される。弾き出されたスパッタ粒子はその一部が活性化された反応ガスと反応し、各被成膜基板200の各表面に被着する。これにより、2枚の被成膜基板200の両面に、スパッタ膜が成膜される。
本発明の実施形態である真空容器601は、内部を減圧状態として基板200の表面処理が可能な空間部512cを備えた真空容器であり、空間部512cを囲む外壁部511と、外壁部511の空間部512c側に配置された内壁部512とからなる2重壁構造を有しており、内壁部512が外壁部511の材料よりも熱伝導性の高い材料からなり、外壁部511が内壁部512の材料よりも剛性の高い材料からなり、内壁部512を加熱する加熱部515が内壁部512に取り付けられている構成なので、内壁部512を加熱して、真空容器601をベーキングすることにより、真空容器601の内部を短時間で所定の真空度(ベースプレッシャー)まで減圧することができる。
本発明の実施形態である真空容器601は、外壁部512が、鉄、ステンレス、インコネルまたはハイマンガン鋼の何れかからなる構成なので、真空容器601の剛性を保持した真空容器601とすることができる。
本発明の実施形態である真空容器601は、内壁部512が、銅またはアルミニウム合金である構成なので、内壁部512を急速に加熱・冷却して、真空容器601をベーキングすることにより、真空容器601の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
本発明の実施形態である真空容器601は、外壁部511と内壁部512との間に断熱材513が配置されている構成なので、外壁部511と内壁部512を効率よく断熱することができ、内壁部512の加熱・冷却をより短時間で行って、真空容器601をベーキングすることにより、真空容器601の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
本発明の実施形態である真空容器601は、断熱材513が、セラミックス材料である構成なので、内壁部512を加熱して、真空容器601をベーキングすることにより、真空容器601の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
本発明の実施形態である真空容器601は、外壁部511と内壁部512との間に断熱空間部514が設けられている構成なので、内壁部512を加熱して、真空容器601をベーキングすることにより、真空容器601の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
本発明の実施形態である真空容器601は、空間部512cが、内壁部512に囲まれて空間部512c以外の領域から遮断されている構成なので、内壁部512を加熱して、真空容器601をベーキングすることにより、真空容器601の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
本発明の実施形態である真空容器601は、加熱部515がヒーターである構成なので、内壁部512を効率よく加熱して、真空容器601をベーキングすることにより、真空容器601の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
本発明の実施形態である処理装置701は、互いに対向する側壁を少なくとも一対有し、内部に空間部512cを有する反応容器101と、反応容器101に設けられた電極と、基板搬出入口と、前記基板搬出入口から搬入された基板200を搬送する基板搬送機構137と、を有する処理装置であって、反応容器101が、内部を減圧状態として基板200の表面処理が可能な空間部512cを備えた真空容器601であり、空間部512cを囲む外壁部511と、外壁部511の空間部512c側に配置された内壁部512とからなる2重壁構造を有しており、内壁部512が外壁部511の材料よりも熱伝導性の高い材料からなり、外壁部511が内壁部512の材料よりも剛性の高い材料からなり、内壁部512を加熱する加熱部が内壁部512に取り付けられている構成なので、内壁部512を加熱して、真空容器601をベーキングすることにより、真空容器601の内部を短時間で所定の真空度(ベースプレッシャー)まで減圧することができる。これにより、真空容器601の内部に配置した基板200が偶発的に落下して、真空容器601内の搬送機構(基板搬送機構)137に挟まった場合にも、基板200を取り出した後、短時間で所定の真空度(ベースプレッシャー)まで減圧することができ、基板の表面処理効率を維持することができる。
本発明の実施形態である処理装置701は、反応容器101の上方に設けられ、一対の上部排気手段取り付け壁を有する上部排気手段取り付け室134と、前記反応容器の下方に設けられ、一対の下部排気手段取り付け壁を有する下部排気手段取り付け室135と、を有しており、反応容器101と、上部排気手段取り付け室134と、下部排気手段取り付け室135と、からなる容器が、真空容器601からなる構成なので、内壁部512を加熱して、真空容器601をベーキングすることにより、真空容器601の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
本発明の実施形態である処理装置701は、前記上部排気手段取り付け壁の少なくとも一方に取り付けられた排気手段130、131と、前記下部排気手段取り付け壁の少なくとも一方に取り付けられた排気手段132と、を有する構成なので、内壁部512を加熱して、真空容器601をベーキングすることにより、真空容器601の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
本発明の実施形態である処理装置701は、前記一対の電極の各対向面側に、それぞれ、ターゲットが設けられ、該ターゲットから弾き出されたスパッタ粒子を基板の表面に被着させることによって薄膜を成膜自在としてなる構成なので、内壁部512を加熱して、真空容器601をベーキングすることにより、真空容器601の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の実施形態である処理装置の別の一例を説明する図である。
図6に示すように、本発明の実施形態である処理装置702は、反応容器101の側壁106、107を覆うとともに、上部排気手段取り付け室134の側壁134a、134bを部分的に覆うように内壁面512が形成されているほかは第1の実施形態と同様の構成とされている。なお、第1の実施形態で示した部材と同一の部材については同一の符号を付して示している。
図7は、図6に示すC部の拡大断面図である。図7に示すように、本発明の実施形態である真空容器602は、上部排気手段取り付け室134の側壁134a、134bでは、容器外と容器内とを遮断する外壁部511と、外壁部511の内部側(内側)に配置された内壁部512と、外壁部511と内壁部512との間に設けられた断熱材513と、断熱材を離間するように形成された断熱空間部514と、内壁部512の内部側に配置された加熱部515と、を有している。
真空容器602が、このように内壁部512が外壁部511の内部側(空間部512c側)に部分的に配置されている構成であってもよい。このような構成であっても、内壁部512を加熱して、真空容器602をベーキングすることにより、真空容器602の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
本発明の実施形態である真空容器602は、内壁部512が外壁部511の内側を部分的に覆うように配置されている構成なので、内壁部512を加熱して、真空容器602をベーキングすることにより、真空容器602の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の実施形態である処理装置の別の一例を説明する図である。
図8に示すように、本発明の実施形態である処理装置703は、断熱空間部が形成されず、断熱材513が外壁部511と内壁部512の間を充填するように形成されているほかは第1の実施形態と同様の構成とされている。なお、第1の実施形態で示した部材と同一の部材については同一の符号を付して示している。
図9は、図8に示すD部の拡大断面図である。図9に示すように、本発明の実施形態である真空容器603は、容器外と容器内とを遮断する外壁部511と、外壁部511の内部側(内側)に配置された内壁部512と、外壁部511と内壁部512との間に設けられた断熱材513と、内壁部512の内部側に配置された加熱部515と、を有している。
真空容器603が、このように断熱空間部が形成されず、断熱材513が外壁部511と内壁部512の間を充填するように形成される構成であってもよい。このような構成であっても、内壁部512を加熱して、真空容器603をベーキングすることにより、真空容器603の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
本発明の実施形態である真空容器603は、断熱材513が外壁部511と内壁部512とからなる2重壁構造を有する構成なので、内壁部512を加熱して、真空容器603をベーキングすることにより、真空容器603の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
(第4の実施形態)
図10は、本発明の実施形態である処理装置の別の一例を説明する図である。
図10に示すように、本発明の実施形態である処理装置704は、空間部および断熱材が設けられていないほかは第1の実施形態と同様の構成とされている。なお、第1の実施形態で示した部材と同一の部材については同一の符号を付して示している。
図11は、図10に示すE部の拡大断面図である。図11に示すように、本発明の実施形態である真空容器604は、容器外と容器内とを遮断する外壁部511と、外壁部511の内部側(内側)に配置された内壁部512と、内壁部512の内部側に配置された加熱部515と、を有している。
真空容器604が、このように空間部および断熱材が設けられずに作製される構成であってもよい。このような構成であっても、内壁部512を加熱して、真空容器604をベーキングすることにより、真空容器604の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
本発明の実施形態である真空容器604は、外壁部511と内壁部512とが接して形成されている構成なので、内壁部512を加熱して、真空容器603をベーキングすることにより、真空容器604の内部を短時間で所定の真空度まで減圧することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す処理装置を、次のようにして作製した。
まず、外壁部がステンレス製部材からなる処理装置を用意した。なお、前記外壁部は、図1に示す反応容器101の第1の側壁106、第2の側壁107、第3の側壁108、第4の側壁109、天板142および底板143、並びに、第1の上部真空ポンプ取り付け壁(上部排気手段取り付け壁)134a、第2の上部真空ポンプ取り付け壁(上部排気手段取り付け壁)134bおよび枠部134c、第1の下部真空ポンプ取り付け壁(下部排気手段取り付け壁)135a、第2の下部真空ポンプ取り付け壁(下部排気手段取り付け壁)135bおよび枠部135cである。
次に、前記外壁部の内部側に、厚さ2mm程度のアルミナ製断熱材を、約5cm間隔で離間するように配置した。
次に、前記アルミナ製断熱材を前記外壁部と挟むように、厚さ2mm程度の銅板を配置して内壁部を形成した後、各銅板の間を所定のシール材でシールするとともに、窓部等の接合部分も前記シール材でシールした。シールにはロウ付けを用いた。なお、銅製の内壁部が外圧に耐えられるよう、内壁部と外壁部とをスポット的にロウ付けした。なお、真空容器の真空は内壁によって確保した。
次に、前記銅板の表面に所定の間隔でリボンヒータを取り付けた。
次に、前記処理装置に真空ポンプを接続した。前記真空ポンプはフランジ径8インチのものを上側に2台(第1の真空ポンプおよび第2の真空ポンプ)設置し、下側に1台(第3の真空ポンプ)設置した。
「排気特性評価」
実施例1の処理装置の各真空ポンプを動作させると同時に、内壁部を加熱して真空容器のベーキングを開始した。そして、内壁部の最高加熱温度は120℃、加熱時間は1時間の条件でベーキングし、ベーキングを切ってから所定の真空度(5×10−6Pa)となるまでの時間は2時間であった。
最後に、真空容器内が所定の真空度となった後、内壁部の温度が室温となったのを確認して、所定の成膜を行い、磁気記録媒体を作製した。前記磁気記録媒体の特性は所望の値を示した。
(比較例1)
内壁部および断熱材を配置しなかったほかは実施例1と同様にして比較例1の処理装置を作製した。
次に、実施例1と同様にして、排気特性評価を行った。比較例1の処理装置で、所定の真空度(5×10−6Pa)となるまでの時間は8時間であった。
本発明の真空装置及び処理装置は、短時間で所定の真空度まで減圧することができる装置であり、磁気記録媒体などの製造効率を飛躍的に向上させることができるので、磁気記録媒体を製造・利用する産業において利用可能性がある。
101…反応容器、101a…反応空間、102…ガス供給手段、105…基板搬送装置、106(511)〜109(511)…側壁、113…第1のカソード(プラズマ発生用の電極)、113a…電極面、114…第2のカソード(プラズマ発生用の電極)、115…第3のカソード(プラズマ発生用の電極)、115a…電極面、116…窓部、121〜124…第1〜第4のガス流入管、125…直管部、126…環状部、126a…ガス放出口、126c…内周壁、130、131、132…真空ポンプ(排気手段)、130a、131a、132a…フランジ、134…上部真空ポンプ取り付け室(上部排気手段取り付け室)、134a(511)…第1の上部真空ポンプ取り付け壁(上部排気手段取り付け壁)、134b(511)…第2の上部真空ポンプ取り付け壁(上部排気手段取り付け壁)、135…下部真空ポンプ取り付け室(下部排気手段取り付け室)、135a(511)…第1の下部真空ポンプ取り付け壁(下部排気手段取り付け壁)、135b(511)…第2の下部真空ポンプ取り付け壁(下部排気手段取り付け壁)、136…基板搬送装置室、137…キャリア搬送装置(基板搬送機構)、138…第1のキャリア、140…キャリア保持部、141…駆動機構、150…磁石、200…被処理基板(基板)、200a…中央部、200b…外周部、300…磁気記録再生装置、511…外壁部、512…内壁部,512a…一面、513…断熱部、514…断熱空間部、515…加熱部、601、602、603、604…真空容器、701、702、703、704…処理装置(成膜装置)、901…基板供給・収容室、902…基板取り付け室、903…キャリア転送室、904…第1コーナー室、905…第1シード層形成室(スパッタチャンバ)、906…第1加熱室、907…第2コーナー室、908…第2加熱室、909…第2シード層形成室(スパッタチャンバ)、910…第1下地層形成室(スパッタチャンバ)、911…第2下地層形成室(スパッタチャンバ)、912…第1磁気記録膜形成室(スパッタチャンバ)、913…第2磁気記録膜形成室(スパッタチャンバ)、914…第3コーナー室、915…第3磁気記録膜形成室(スパッタチャンバ)、916…第4磁気記録膜形成室(スパッタチャンバ)、917…第4コーナー室、918…予備室、919…第1保護膜形成室、920…第2保護膜形成室、921…予備室、922…基板取り外し室、923、924…成膜用基板(非磁性基板)、925…キャリア。

Claims (14)

  1. 内部を減圧状態として基板の表面処理が可能な空間部を備えた真空容器であって、
    前記空間部を囲む外壁部と、前記外壁部の前記空間部側に配置された内壁部とからなる2重壁構造を有しており、
    前記内壁部が前記外壁部の材料よりも熱伝導性の高い材料からなり、
    前記外壁部が前記内壁部の材料よりも剛性の高い材料からなり、
    前記内壁部を加熱する加熱部が前記内壁部に取り付けられていることを特徴とする真空容器。
  2. 前記外壁部が、鉄、ステンレス、インコネルまたはハイマンガン鋼の何れかからなることを特徴とする請求項1に記載の真空容器。
  3. 前記内壁部が、銅またはアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空容器。
  4. 前記外壁部と前記内壁部との間に断熱材が配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空容器。
  5. 前記断熱材が、セラミックス材料であることを特徴とする請求項4に記載の真空容器。
  6. 前記外壁部と前記内壁部との間に断熱空間部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の真空容器。
  7. 前記外壁部と前記内壁部とが接して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空容器。
  8. 前記内壁部が前記外壁部の前記空間部側を部分的に覆うように配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の真空容器。
  9. 前記空間部が、前記内壁部に囲まれて前記空間部以外の領域から遮断されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の真空容器。
  10. 前記加熱部がヒーターであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の真空容器。
  11. 互いに対向する側壁を少なくとも一対有し、内部に空間部を有する反応容器と、前記反応容器に設けられた一対の電極と、基板搬出入口と、前記基板搬出入口から搬入された基板を搬送する基板搬送機構と、を有する処理装置であって、
    前記反応容器が、内部を減圧状態として基板の表面処理が可能な空間部を備えた真空容器であり、前記空間部を囲む外壁部と、前記外壁部の前記空間部側に配置された内壁部とからなる2重壁構造を有しており、前記内壁部が前記外壁部の材料よりも熱伝導性の高い材料からなり、前記外壁部が前記内壁部の材料よりも剛性の高い材料からなり、前記内壁部を加熱する加熱部が前記内壁部に取り付けられていることを特徴とする処理装置。
  12. 前記反応容器の上方に設けられ、一対の上部排気手段取り付け壁を有する上部排気手段取り付け室と、前記反応容器の下方に設けられ、一対の下部排気手段取り付け壁を有する下部排気手段取り付け室と、を有しており、
    前記反応容器と、前記上部排気手段取り付け室と、前記下部排気手段取り付け室と、からなる容器が、前記真空容器からなることを特徴とする請求項11に記載の処理装置。
  13. 前記上部排気手段取り付け壁の少なくとも一方に取り付けられた排気手段と、前記下部排気手段取り付け壁の少なくとも一方に取り付けられた排気手段と、を有することを特徴とする請求項12に記載の処理装置。
  14. 前記一対の電極の各対向面側に、それぞれ、ターゲットが設けられ、該ターゲットから弾き出されたスパッタ粒子を基板の表面に被着させることによって薄膜を成膜自在としてなることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の処理装置。
JP2009135069A 2009-06-04 2009-06-04 真空容器及び処理装置 Pending JP2010282688A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009135069A JP2010282688A (ja) 2009-06-04 2009-06-04 真空容器及び処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009135069A JP2010282688A (ja) 2009-06-04 2009-06-04 真空容器及び処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010282688A true JP2010282688A (ja) 2010-12-16

Family

ID=43539296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009135069A Pending JP2010282688A (ja) 2009-06-04 2009-06-04 真空容器及び処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010282688A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5566669B2 (ja) インライン式成膜装置及び磁気記録媒体の製造方法
TWI514500B (zh) A device for manufacturing a magnetoresistive element
JP2003141719A (ja) スパッタリング装置及び薄膜形成方法
JP5192993B2 (ja) 磁性層の形成方法
JP4268234B2 (ja) 情報記録ディスク用成膜装置
JP5427572B2 (ja) マグネトロンスパッタ装置、インライン式成膜装置、磁気記録媒体の製造方法
JP4794514B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法および製造装置
JP6303167B2 (ja) インライン式成膜装置及びそれを用いた磁気記録媒体の製造方法
JP2010282688A (ja) 真空容器及び処理装置
JP2010163639A (ja) スパッタリング装置及びそれを用いた磁気記録媒体の製造方法
JP2010106290A (ja) 成膜装置および成膜方法、磁気記録媒体、磁気記録再生装置
JP2010174270A (ja) 真空成膜装置
JP2010280952A (ja) 真空成膜装置
JP5172484B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び成膜装置
JP4820783B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法および製造装置
JP5238333B2 (ja) 磁性層の形成方法及び成膜装置と磁気記録再生装置
JP2008176847A (ja) 薄膜積層体の製造方法、及び薄膜積層体製造装置と磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP2003183825A (ja) 多層膜作成装置、垂直磁気記録媒体製造方法及び垂直磁気記録媒体製造装置
JP3753896B2 (ja) マグネトロンスパッタ装置
JP2010088970A (ja) 処理装置、磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP2010092523A (ja) インライン式成膜装置、磁気記録媒体の製造方法、及びゲートバルブ
JP5328462B2 (ja) マグネトロンスパッタ装置、インライン式成膜装置、磁気記録媒体の製造方法
JP2009110595A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP5364455B2 (ja) マグネトロンスパッタ装置及びインライン式成膜装置
JP2010198659A (ja) 処理装置、インライン式成膜装置、磁気記録媒体の製造方法