JP2010282678A - 磁気記録媒体の製造方法およびモールドの剥離装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法およびモールドの剥離装置 Download PDF

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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】凹凸パターンの転写された基板からモールドを剥離することによって基板の表面に模様が形成されてしまうことを防止できる磁気記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】モールド250として基板210よりも外形が大きいものを用い、平面視で基板をモールドの内側に配置して、モールドをレジスト膜に押圧する押圧工程と、モールド250を、モールドの外形よりも小さく基板よりも大きい平面視円形状の開口部251cを有する載置枠251上に、基板を載置枠側に向けて配置し、開口部251cの中心Aと基板の中心とを平面視で一致させ、モールドの基板と反対側にモールドの中心部を押圧する押圧部材52dを配置する設置工程と、押圧部材52dと載置枠251とを相対移動させることによって、モールドの中心部を開口部内に押し込ませてモールド250を反らせ、モールド250を基板210から剥離させる剥離工程とを含む製造方法とする。
【選択図】図21

Description

本発明は、ハードディスク装置等の磁気記録再生装置に用いられる磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体を製造する際に好適に用いられるモールドの剥離装置に関するものである。
近年、磁気ディスク装置、フレキシブルディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記録再生装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について著しい記録密度の向上が図られている。特に、磁気抵抗(MR)ヘッドおよびPRML技術の導入以来、面記録密度の上昇はさらに大きくなっている。さらに、近年、巨大磁気抵抗(GMR)ヘッド、トンネル磁気抵抗(TMR)ヘッドが導入されたことによって、記録密度は1年に約100%もの割合で増加を続けている。しかし、磁気記録媒体については、記録密度を更に向上させることが要求されている。そのため、磁気記録媒体では、磁性層の高保磁力化と高信号対雑音比(SNR)、高分解能を達成することが要求されている。また、近年、線記録密度の向上と同時にトラック密度の増加によって面記録密度を上昇させようという試みもある。
トラック密度を上げる技術として、記録媒体表面にトラックに沿った凹凸を形成し、あるいは隣接トラック間に非磁性部を形成して、記録トラック同士を物理的に分離した磁気記録媒体が検討されている。以下、このような磁気記録媒体をディスクリートトラック型磁気記録媒体という。
ディスクリートトラック型磁気記録媒体の一例として、表面に凹凸パターンを形成した非磁性基板に磁気記録媒体を形成して、物理的に分離した磁気記録トラック及びサーボ信号パターンを形成してなる磁気記録媒体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ディスクリートトラック型磁気記録媒体の製造方法としては、何層かの薄膜からなる磁気記録媒体を形成した後にトラックを形成する方法と、あらかじめ基板表面に直接、あるいはトラック形成のための薄膜層に凹凸パターンを形成した後に、磁気記録媒体の薄膜形成を行う方法とが知られている(例えば、特許文献2,特許文献3参照)。このうち、前者の方法は磁性層加工法と称され、後者の方法をプレエンボス法と称される。
プレエンボス法は、基板に形成された凹凸形状が、成膜された膜にも引き継がれることになるため、媒体上を浮上しながら記録再生を行う記録再生ヘッドの浮上姿勢、浮上高さが安定しないという問題点があった。
また、磁性層加工法によるディスクリートトラック型磁気記録媒体の製造方法としては、基板上に成膜した連続な磁性層を、ナノインプリント法を用いて磁気記録トラックパターンやビットパターンに加工する方法が提案されている。
ナノインプリント法は、転写すべき凹凸パターンの形成されたモールドを、被転写材に押し付け、光を照射あるいは熱を与えながら被転写材を硬化させることによって、凹凸パターンを被転写材に転写する方法である(例えば、特許文献4,非特許文献1参照)。
特開2004−164692号公報 特開2004−178793号公報 特開2004−178794号公報 特開2005−122047号公報
ステファン・ワイ・チョウ(Stephen Y.Chou)ら、「アプライド・フィジックス・レター」,米国物理学会、67巻,21号,1995年11月20日、p.3314−3116
しかしながら、従来のナノインプリント法を用いて磁気記録媒体を製造する場合、モールドの凹凸パターンを基板に転写するために基板と一体化されたモールドを、基板から剥離することによって、剥離後の基板の表面に模様が形成されてしまう場合があった。この模様は、その後の磁気記録媒体の製造工程に悪影響を与えて、磁気記録媒体の品質を低下させるものであるため、問題となっていた。
本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたものであり、モールドと一体化されて、凹凸パターンの転写された基板から、モールドを剥離することによって基板の表面に模様が形成されてしまうことを防止できる磁気記録媒体の製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、磁気記録媒体を製造する際に好適に用いられ、モールドと一体化され、凹凸パターンの転写された基板から、モールドを剥離することによって基板の表面に模様が形成されてしまうことを防止できるモールドの剥離装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、以下に示すように、鋭意検討した。
本発明者は、基板からモールドを剥離する際に基板表面が受ける力と、モールドを基板から剥離した後の基板表面状態との関係に着目して、鋭意研究を重ねた。
その結果、基板からモールドを剥離することによって基板表面に形成される模様は、モールドを引き剥がす力によって、基板表面の粗さが変化するために生じるものと推定され、モールドを引き剥がす際の基板表面全面における剥離速度のばらつきやモールドの剥離される方向のばらつきが大きい場合に、剥離後の基板表面に模様が形成されやすいことが明らかとなった。
本発明者は、このような知見に基づいて、さらに研究を重ねた。その結果、平面視円形状の基板表面全面においてモールドの剥離速度を略均一化できるとともに、モールドの剥離される方向を基板の半径方向とすることができ、剥離後の基板表面に模様の形成されることを防止できる本発明の磁気記録媒体の製造方法およびモールドの剥離装置を想到した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[13]の事項を含む。
[1] 平面視円形状の基板の少なくとも片面に磁性層を形成する磁性層形成工程と、前記磁性層の表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、モールドの凹凸パターンを前記レジスト膜に転写する転写工程と、前記レジスト膜に転写された前記凹凸パターンを用いて前記磁性層に磁気記録パターンを形成することにより、磁気的に分離した磁気記録パターンを形成する磁気記録パターン形成工程とを有し、前記転写工程は、前記モールドとして前記基板よりも外形が大きいものを用い、平面視で前記基板を前記モールドの内側に配置して、前記モールドを前記レジスト膜に押圧する押圧工程と、前記押圧工程を行うことにより前記基板と一体化された前記モールドを、前記モールドの外形よりも小さく前記基板よりも大きい平面視円形状の開口部を有する載置枠に接して、前記基板を前記載置枠側に向けて配置し、前記開口部の中心と前記基板の中心とを平面視でほぼ一致させ、前記モールドの前記基板と反対側に前記モールドの中心部を押圧する押圧部材を配置する設置工程と、前記押圧部材と前記載置枠とを相対移動させることによって、前記モールドの中心部を前記開口部内に押し込ませて前記モールドを反らせ、前記モールドを前記基板から剥離させる剥離工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
[2] 前記モールドが樹脂製であることを特徴とする[1]に記載の磁気記録媒体の製造方法。
[3] 前記モールドとして平面視円形状のものを用い、
前記押圧工程において、前記モールドの中心と前記基板の中心とが平面視で一致するように配置することを特徴とする[1]または[2]に記載の磁気記録媒体の製造方法。
[4] 前記押圧部材として、前記載置枠の開口部よりも外形が小さい平面視円形状のものを用い、前記設置工程において、前記載置枠の開口部と前記押圧部材の中心とを平面視で一致させることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
[5] 前記剥離工程において、前記押圧部材によって前記モールドを前記基板方向に押圧させると同時に、前記押圧部材による前記モールドの押圧に連動して前記モールドの押圧方向に前記基板を移動させることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
[6] 前記磁性層形成工程は、前記基板の一方の面および他方の面に前記磁性層を形成する工程であり、前記レジスト膜形成工程は、前記基板の一方の面および他方の面の前記磁性層の表面にレジスト膜を形成する工程であり、前記押圧工程は、前記モールドとして第1モールドと、外形が前記第1モールドよりも小さい第2モールドとを用い、平面視で前記基板を前記第1モールドの内側に配置して、前記第1モールドを前記基板の一方の面の前記レジスト膜に押圧するとともに、平面視で前記第2モールドを前記第1モールドの内側かつ前記基板の外側に配置して、前記第2モールドを前記基板の他方の面の前記レジスト膜に押圧する工程であり、前記設置工程および剥離工程は、前記押圧工程を行うことにより前記基板と一体化された前記第1モールドおよび前記第2モールドを、前記第1モールドの外形よりも小さく前記第2モールドよりも大きい平面視円形状の開口部を有する第1載置枠に接して、前記第2モールドを前記第1載置枠側に向けて配置し、前記第1載置枠の開口部の中心と前記基板の中心とを平面視でほぼ一致させ、前記第1モールドの前記基板と反対側に前記第1モールドの中心部を押圧する第1押圧部材を配置する第1設置工程と、前記第1押圧部材と前記第1載置枠とを相対移動させることによって、前記第1モールドの中心部を前記第1載置枠の開口部内に押し込ませて前記第1モールドを反らせ、前記第1モールドを前記基板から剥離させる第1剥離工程と、前記基板と一体化された前記第2モールドを、前記第2モールドの外形よりも小さく前記基板よりも大きい平面視円形状の開口部を有する第2載置枠に接して、前記基板を前記第2載置枠側に向けて配置し、前記第2載置枠の開口部の中心と前記基板の中心とを平面視でほぼ一致させ、前記第2モールドの前記基板と反対側に前記第2モールドの中心部を押圧する第2押圧部材を配置する第2設置工程と、前記第2押圧部材と前記第2載置枠とを相対移動させることによって、前記第2モールドの中心部を前記第2載置枠の開口部内に押し込ませて前記第2モールドを反らせ、前記第2モールドを前記基板から剥離させる第2剥離工程とを含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
[7] 平面視円形状の基板の片面上に形成されたレジスト膜に、前記基板よりも外形が大きいモールドの凹凸パターンを押圧することにより、前記基板と一体化された前記モールドを前記基板から剥離するためのモールドの剥離装置であり、前記モールドの外形よりも小さく前記基板よりも大きい平面視円形状の開口部を有する載置枠と、前記基板と一体化された前記モールドを、前記基板を前記載置枠側に向けて前記載置枠に接して配置し、前記開口部の中心と前記基板の中心とを平面視でほぼ一致させる搬送手段と、前記モールドの前記基板と反対側に配置され、前記モールドの中心部を押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材と前記載置枠とを相対移動させて、前記モールドの中心部を前記開口部内に押し込ませて前記モールドを反らせ、前記モールドを前記基板から剥離させるものであることを特徴とするモールドの剥離装置。
[8] 前記基板と前記レジスト膜との間に磁性層が形成されており、前記モールドの凹凸パターンを前記レジスト膜に押圧することにより前記レジスト膜に転写される前記凹凸パターンが、前記磁性層に磁気的に分離した磁気記録パターンを形成するために用いられるものであることを特徴とする[7]に記載のモールドの剥離装置。
[9] 前記押圧部材が、前記載置枠上に配置された前記モールドを吸着保持するものであることを特徴とする[7]または[8]に記載のモールドの剥離装置。
[10] 前記モールドが、平面視円形状のものであり、前記基板と一体化された前記モールドが、前記モールドの中心と前記基板の中心とが平面視で一致するように配置されたものであることを特徴とする[7]〜[9]のいずれかに記載のモールドの剥離装置。
[11] 前記押圧部材が、前記載置枠の開口部よりも外形が小さい平面視円形状で、中心が前記載置枠の開口部の中心と平面視で一致して配置されているものであることを特徴とする[7]〜[10]のいずれかに記載のモールドの剥離装置。
[12] 前記載置枠上に配置された前記基板を吸着保持し、前記モールドの押圧方向に前記基板を移動可能な基板保持部材を備え、前記押圧部材に前記モールドが前記基板方向に押圧されると同時に、前記押圧部材による前記モールドの押圧に連動して前記基板保持部材によって前記モールドの押圧方向に前記基板が移動されるものであることを特徴とする[7]〜[11]のいずれかに記載のモールドの剥離装置。
[13] [1]〜[6]のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする磁気記録再生装置。
本発明の磁気記録媒体の製造方法では、モールドの凹凸パターンを前記レジスト膜に転写する転写工程が、前記モールドとして前記基板よりも外形が大きいものを用い、平面視で前記基板を前記モールドの内側に配置して、前記モールドを前記レジスト膜に押圧する押圧工程と、前記押圧工程を行うことにより前記基板と一体化された前記モールドを、前記モールドの外形よりも小さく前記基板よりも大きい平面視円形状の開口部を有する載置枠に接して、前記基板を前記載置枠側に向けて配置し、前記開口部の中心と前記基板の中心とを平面視でほぼ一致させ、前記モールドの前記基板と反対側にモールドの中心部を押圧する押圧部材を配置する設置工程と、前記押圧部材と前記載置枠とを相対移動させることによって、前記モールドの中心部を前記開口部内に押し込ませて前記モールドを反らせ、前記モールドを前記基板から剥離させる剥離工程とを含む方法であるので、平面視円形状の基板表面全面においてモールドの剥離速度が略均一化されるとともに、モールドの剥離される方向が基板の半径方向になることによって、基板の表面に模様が形成されることが防止され、高品質な磁気記録媒体が得られる。
しかも、本発明の磁気記録媒体の製造方法では、載置枠として、モールドの外形よりも小さく基板よりも大きい平面視円形状の開口部を有するものを用いているので、剥離工程において、モールドの中心部を開口部内に押し込ませて前記モールドを反らせても、モールドの基板と接触する領域や基板に載置枠が接触することはなく、モールドを基板から剥離させることによって、モールドの基板と接触する領域や基板に傷がつくことを防止できる。したがって、高品質な磁気記録媒体を歩留まりよく製造できるとともに、モールドの寿命を長くすることができる。
本発明のモールドの剥離装置は、基板と一体化された前記モールドを前記基板から剥離するためのものであって、モールドの外形よりも小さく前記基板よりも大きい平面視円形状の開口部を有する載置枠と、前記基板と一体化された前記モールドを、前記基板を前記載置枠側に向けて前記載置枠に接して配置し、前記開口部の中心と前記基板の中心とを平面視でほぼ一致させる搬送手段と、前記モールドの前記基板と反対側に配置され、モールドの中心部を押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材と前記載置枠とを相対移動させて、前記モールドの中心部を前記開口部内に押し込ませて前記モールドを反らせ、前記モールドを前記基板から剥離させるものであるので、これを用いてモールドを基板から剥離した場合に、平面視円形状の基板表面全面においてモールドの剥離速度を略均一化できるとともに、モールドの剥離される方向を基板の半径方向にすることができ、基板の表面に模様が形成されることを防止できる。したがって、本発明のモールドの剥離装置は、高品質な磁気記録媒体を製造できるものとなる。
しかも、本発明のモールドの剥離装置は、モールドの外形よりも小さく基板よりも大きい平面視円形状の開口部を有する載置枠を備えているので、モールドの中心部を開口部内に押し込ませて前記モールドを反らせることにより、モールドを前記基板から剥離させても、モールドの基板と接触する領域や基板に載置枠が接触することはなく、モールドを基板から剥離させることによって、モールドの基板と接触する領域や基板に傷がつくことを防止できる。
図1は、本発明のモールドの剥離装置を用いる本発明の磁気記録媒体の製造方法により製造された磁気記録媒体の一例を説明するための拡大断面図である。 図2は、図1に示す磁気記録媒体の製造方法の一部を説明するための工程図であり、図1に示された領域と同じ領域のみを拡大して示した拡大断面図である。 図3は、図1に示す磁気記録媒体の製造方法の一部を説明するための工程図であり、図1に示された領域と同じ領域のみを拡大して示した拡大断面図である。 図4は、図1に示す磁気記録媒体の製造方法の一部を説明するための工程図であり、図1に示された領域と同じ領域のみを拡大して示した拡大断面図である。 図5は、図1に示す磁気記録媒体の製造方法の一部を説明するための工程図であり、図1に示された領域と同じ領域のみを拡大して示した拡大断面図である。 図6は、図1に示す磁気記録媒体の製造方法の一部を説明するための工程図であり、図1に示された領域と同じ領域のみを拡大して示した拡大断面図である。 図7は、図1に示す磁気記録媒体の製造方法の一部を説明するための工程図であり、図1に示された領域と同じ領域のみを拡大して示した拡大断面図である。 図8は、図1に示す磁気記録媒体の製造方法の一部を説明するための工程図であり、図1に示された領域と同じ領域のみを拡大して示した拡大断面図である。 図9は、図1に示す磁気記録媒体の製造方法の一部を説明するための工程図であり、図1に示された領域と同じ領域のみを拡大して示した拡大断面図である。 図10は、本発明の磁気記録媒体の製造方法で使用する積層体の一例を示した断面図である。 図11は、レプリカモールド作製装置の一例を示した断面図である。 図12は、図11に示すレプリカモールド作製装置の上型セットの下面を示した平面図である。 図13は、図11に示すレプリカモールド作製装置の下型セットの上面を示した平面図である。 図14は、図11に示すレプリカモールド作製装置を用いてレプリカモールドを製造する工程の一部を説明するための工程図である。 図15は、図11に示すレプリカモールド作製装置を用いてレプリカモールドを製造する工程の一部を説明するための工程図である。 図16は、図11に示すレプリカモールド作製装置を用いてレプリカモールドを製造する工程の一部を説明するための工程図である。 図17は、図11に示すレプリカモールド作製装置を用いてレプリカモールドを製造する工程の一部を説明するための工程図である。 図18は、本発明のモールドの剥離装置の一例を説明するための概略図であり、図18(a)はモールドの剥離装置の全体を示した斜視図であり、図18(b)は図18(a)に示すモールドの剥離装置の一部を拡大して示した拡大断面図である。 図19は、図18に示すモールドの剥離装置を構成する部材の寸法を説明するための図であり、モールドと、載置枠と、非磁性基板と、モールド保持部のモールドに接する面のみを示した平面図である。 図20は、図18に示すモールドの剥離装置を用いて、転写工程を行う方法の一例を説明するための工程図であり、基板と一体化されたモールドを搬送している状態を示した斜視図である。 図21は、図18に示すモールドの剥離装置を用いて、転写工程を行う方法の一例を説明するための工程図であり、モールドが反らされた状態を示した断面図である。 図22は、図18に示すモールドの剥離装置を用いて、転写工程を行う方法の一例を説明するための工程図であり、基板と分離したモールドを搬送している状態を示した斜視図である。 図23は、本発明の磁気記録再生装置の一例を模式的に示す図である。 図24は、本発明のモールドの剥離装置を用いる本発明の磁気記録媒体の製造方法において用いられる基板と一体化されたモールドの他の例を説明するための断面図であり、基板の両面にモールドが配置されている場合を示した図である。 図25(a)は、実験例1の方法によりモールドを剥離した非磁性基板の表面の写真であり、図25(b)は、実験例2の方法によりモールドを剥離した非磁性基板の表面の写真である。
以下、本発明の磁気記録媒体の製造方法および本発明のモールドの剥離装置について、図面を参照して詳細に説明する。
「磁気記録媒体」
まず、本発明のモールドの剥離装置を用いる本発明の磁気記録媒体の製造方法により製造された磁気記録媒体として、図1に示す磁気記録媒体を例に挙げて説明する。
図1は、本発明のモールドの剥離装置を用いる本発明の磁気記録媒体の製造方法により製造された磁気記録媒体の一例を説明するための拡大断面図である。図1に示す磁気記録媒体300は、平面視円形状で中央に開口部のある非磁性基板210の片面上に、磁気的に分離された磁性層220からなる磁気記録パターン220aが備えられたものである。ここで、磁性層220が「磁気的に分離されている」とは、少なくとも磁性層220の表面において磁気的に分離されていればよく、磁性層220の底部においては分離されていなくてもよい。また、図1に示す磁気記録パターン220aは、ディスクリート型磁気記録媒体の磁気記録パターンである磁気記録トラック及びサーボ信号パターンである。なお、本実施形態においては、磁気記録パターンがディスクリート型磁気記録媒体の磁気記録パターンである場合を例に挙げて説明するが、磁気記録パターンは、1ビットごとに一定の規則性をもって磁気記録パターンが配置された、いわゆるパターンドメディアの磁気記録パターンや、トラック状に磁気記録パターン配置されたメディアの磁気記録パターンや、その他、サーボ信号パターン等であってもよい。
また、図1に示す磁気記録媒体300は、非磁性基板210上に磁性層220が形成され、磁性層220の上に保護膜層290が形成され、保護膜層290上に潤滑層(図1においては図示略)が形成されているものである。本実施形態においては、保護膜層および潤滑層が設けられている磁気記録媒体を例に挙げて説明するが、保護膜層および潤滑層は設けられていなくてもよい。
非磁性基板210としては、Alを主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板や、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、結晶化ガラス類、シリコン、チタン、セラミックス、各種樹脂からなる基板など任意のものを用いることができる。これらの中でも、非磁性基板210として、Al合金基板や結晶化ガラス等のガラス製基板またはシリコン基板を用いることが好ましい。また、非磁性基板210の平均表面粗さ(Ra)は、1nm以下、さらには0.5nm以下であることが好ましく、0.1nm以下であることがより好ましい。
磁性層220は、Coを主成分とする合金から形成することが好ましい。また、磁性層220は、面内磁性層であっても垂直磁性層であってもかまわないが、より高い記録密度を実現するためには垂直磁性層であることが好ましい。
例えば、面内磁性層用の磁性層220としては、非磁性のCrMo下地層と強磁性のCoCrPtTa磁性層とからなる積層構造などを用いることができる。
また、例えば、垂直磁性層用の磁性層220としては、軟磁性のFeCo合金(FeCoB、FeCoSiB、FeCoZr、FeCoZrB、FeCoZrBCuなど)、FeTa合金(FeTaN、FeTaCなど)、Co合金(CoTaZr、CoZrNB、CoBなど)等からなる軟磁性層と、必要に応じて設けられるPt、Pd、NiCr、NiFeCrなどの配向制御膜と、必要に応じて設けられるRu等の中間層と、60Co−15Cr−15Pt合金や70Co−5Cr−15Pt−10SiO2合金などからなる磁性膜とからなる積層構造の磁性層などを用いることができる。
磁性層220としては、特に、グラニュラ構造の磁性層220を用いることが好ましい。グラニュラ構造の磁性層220とは、磁性粒子の周囲を酸化物で覆った構造を有する磁性層である。グラニュラ構造を構成する酸化物としては、SiO、Ti酸化物、W酸化物、Cr酸化物、Co酸化物、Ta酸化物、Ru酸化物などが挙げられる。
なお、磁性層220は、グラニュラ構造の磁性層と、グラニュラ構造の磁性層の上に設けられた非グラニュラ構造の磁性層とからなる2層構造を有するものであってもよい。
磁性層220としてグラニュラ構造の磁性層220を用いた場合、磁性層220を非磁性化して磁性層220の磁気特性の改質を行う際の反応性を高めることができる。より詳細には、グラニュラ構造の磁性層220では、酸素やオゾンを用いて非磁性化処理する場合に、フッ素系ガスを用いた反応性イオンエッチング装置などを用いるエッチング処理により、粒界に存在するグラニュラ構造を構成する酸化物からなる層を選択的にエッチングできるので、磁性層220中に含まれるCoなどの金属と酸素やオゾンとの酸化反応を促進できる。よって、グラニュラ構造の磁性層220では、効率よく磁性層220の磁気特性を変化させることができ、磁性層220を効率よく非磁性化できる。
また、グラニュラ構造の磁性層220は、磁性結晶粒子が非磁性相で分離されているものであるため磁性粒子間の磁気的相互作用が微弱である。また、グラニュラ構造の磁性層220は、磁性結晶粒子が微細なものであるので、極めて低ノイズの磁性層220を形成できる。
磁性層220の膜厚は、磁性層220に用いられる磁性材料の種類や積層構造などに応じて、十分なヘッド出入力が得られる厚みとなるように決定される。磁性層220は、磁気記録媒体300から情報を再生する際に一定以上の出力を得るために、ある程度以上の膜厚が必要である。しかし、磁気記録再生装置の記録再生特性を表す諸パラメーターは、出力の上昇とともに劣化するのが通例であるため、磁性層220の膜厚を最適に設定する必要がある。具体的には、磁性層220の磁気記録層の膜厚は、3nm以上20nm以下とされることが好ましく、5nm以上15nm以下とすることがより好ましい。
保護膜層290としては、Diamond Like Carbonなどの炭素(C)、水素化炭素(HxC)、窒素化炭素(CN)、アルモファスカーボン、炭化珪素(SiC)等の炭素質層やSiO2、Zr23、TiNなど、通常用いられる保護膜層材料を用いることができる。また、保護膜層290は、2層以上の層から構成されていてもよい。
保護膜層290の膜厚は10nm以下とすることが好ましい。保護膜層290の膜厚が10nmを越えると磁気ヘッドと磁性層220との距離が大きくなり、十分な出入力信号の強さが得られなくなる恐れがある。
また、保護膜層290の上には潤滑層(図示略)を形成することが好ましい。潤滑層に用いる潤滑剤としては、フッ素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤及びこれらの混合物等が挙げられる。潤滑層の厚みは、通常1〜4nmとされる。
「磁気記録媒体の製造方法」
次に、図2〜図9を用いて、図1に示す本実施形態の磁気記録媒体の製造方法を詳細に説明する。図2〜図9は、図1に示す磁気記録媒体の製造方法の一部を説明するための工程図であり、図1に示された領域と同じ領域のみを拡大して示した拡大断面図である。
まず、図2に示すように、非磁性基板210の片面に、スパッタ法などにより磁性層220を形成する(磁性層形成工程)。
次いで、図3に示すように、磁性層220上にマスク層230を形成する。マスク層230は、スパッタリング法やCVD法などにより成膜することができる。
マスク層230は、C、Ta、W、Ta窒化物、W窒化物、Si、SiO、Ta、Re、Mo、Ti、V、Nb、Sn、Ga、Ge、As、Niからなる群から選ばれた何れか一種以上を含む材料で形成することが好ましく、中でも、As、Ge、Sn、Gaを用いることがより好ましく、Ni、Ti、V、Nbを用いることがさらに好ましく、Mo、Ta、Wを用いることが最も好ましい。
このような材料を用いた場合、磁性層220を部分的にイオンミリングすることにより非磁性化する際のミリングイオンに対する遮蔽性に優れたものになるとともに、マスク層230による磁気記録パターン220aの形成精度を向上させることができる。さらに、このような材料は、反応性ガスを用いたドライエッチングが容易であるので、マスク層230を除去する際に残留しにくく、マスク層230を形成している材料によって磁気記録媒体300の表面が汚染されることを防止できる。
マスク層230の膜厚は、1nm〜20nmの範囲内とするのが好ましい。マスク層230の膜厚が1nm未満であると、マスク層230のエッジ部分がだれて磁気記録パターン220aの形成精度が不十分となったり、磁性層220を非磁性化する際に、マスク層230と後述するレジスト膜240とを透過したミリングイオンが磁性層220に侵入して、磁気記録媒体300の磁気特性を悪化させてしまう恐れがある。一方、マスク層230の膜厚が20nmを超えると、マスク層230のエッチング時間が長くなり生産性が低下するし、マスク層230をエッチングする際に発生する残渣が磁性層220の表面に残留しやすくなる。
次に、図4に示すように、磁性層220の表面にマスク層230を介してレジスト膜240を形成する(レジスト膜形成工程)。レジスト膜240は、スピンコート法によりマスク層230上にレジストを塗布する方法などにより形成できる。レジストとしては、後述する樹脂製のモールドによる転写特性が良く、放射線に対して硬化性を有する樹脂を用いることが好ましく、例えば、ノボラック系樹脂、アクリル酸エステル類、脂環式エポキシ類等の紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。なお、ここでの放射線としては、熱線、可視放射線、紫外線、X線、ガンマ線等の広い概念の電磁波が挙げられる。したがって、放射線に対して硬化性を有する樹脂とは、例えば、熱線に対しては熱硬化樹脂、紫外線に対しては紫外線硬化樹脂である。
次に、図5に示すように、モールド250の凹凸パターンをレジスト膜240に転写する(転写工程)。
ここで用いられるモールド250としては、所定の凹凸パターンの形成されたマスターモールドを用いて製造されたものであって、マスターモールドの凹凸パターンが転写されたレプリカモールドを用いることが好ましい。レプリカモールドとしては、例えば、マスターモールドの凹凸パターンの形状に対応する金型に硬化性樹脂を注入して硬化成形する、いわゆる射出成型法により得られたものや、液状あるいはゲル状の硬化性樹脂材料を用いた層に、マスターモールドの凹凸パターンを押圧して硬化させる方法により得られたものなどが挙げられる。これらの内、後者の方法を用いて得られたレプリカモールドを用いて凹凸パターンをレジスト膜240に転写する場合について、以下に詳細に説明する。
(レプリカモールドの作製方法)
後者の方法において用いられる液状あるいはゲル状の硬化性樹脂材料を用いた層は、例えば、一対の基体11,12間に液状あるいはゲル状の硬化性樹脂材料の層13を挟んだ図10に示す積層体10から、基体12を剥離して硬化性樹脂材料の層13を露出させることによって得られる。
図10に示す積層体10は以下のようにして作製できる。まず、一方の基体11上に、溶剤で希釈した硬化性樹脂材料を塗布し、乾燥させて溶剤を除去させる。その後、硬化性樹脂材料上に他方の基体12を載せる。次いで、基体11,12で挟んだ硬化性樹脂材料の周縁部分を硬化させて、硬化物からなる流動抑止体14を形成する。流動抑止体14の形成方法としては、例えば、他方の基体12を載せた後、紫外線照射機により幅方向の両端部のみを硬化させる方法などが挙げられる。
基体11,12の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、硬化性樹脂材料として光硬化性樹脂を用いる場合には、硬化させるための放射線を透過させるものであることが好ましい。さらに、基体11,12の材料としては、硬化性樹脂材料の層13の厚さを一定にするために、表面の平滑性が良好なものが好ましい。
具体的な基体11,12の材料としては、透明な合成樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられる。これら材料は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化性樹脂材料は、液状あるいはゲル状の流動性のある材料とされ、硬化性に優れることから、(メタ)アクリル基、オキセタニル基、シクロヘキセンオキサイド基およびビニルエーテル基からなる群より選ばれる1種以上の反応基を有する樹脂材料であることが好ましい。
また、硬化性樹脂材料としては、積層体10を光ナノインプリント法に用いる場合には放射線硬化性樹脂が用いられ、熱ナノインプリント法を用いる場合には熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。とりわけ、硬化性樹脂材料としては、放射線硬化性樹脂材料がより好ましい。放射線硬化性樹脂材料によれば、光照射によって短時間にかつ容易に硬化させることができるため、マスターモールドからレプリカモールドを製造する工程を簡便かつ短時間に行うことができる。
図10に示す積層体10を用いて、レプリカモールドを作成するには、例えば、図11〜図13に示すレプリカモールド作製装置100を用いて行うことができる。図11は、レプリカモールド作製装置の一例を示した断面図であり、図12は、図11に示すレプリカモールド作製装置の上型セットの下面を示した平面図であり、図13は、図11に示すレプリカモールド作製装置の下型セットの上面を示した平面図である。
図11に示すレプリカモールド作製装置100は、第1の取付盤111に支持された上型セット110と、第2の取付盤121に支持された下型セット120とを具備している。第1の取付盤111は図示略の油圧シリンダなどの上下移動用アクチュエータ装置に支持されて上下に移動自在に設けられ、第2の取付盤121は図示略の基台上に設置されて固定されている。
第1の取付盤111の上方には、円盤状のカッターセット部材112が図示略の油圧シリンダなどの上下移動用アクチュエータ装置に支持されて上下に移動自在に設けられている。カッターセット部材112の底面外周部側には円筒状の外周カッター部114が設けられ、カッターセット部材112の底面中央部には丸棒状の内周カッター部115が設けられ、これら外周カッター部114と内周カッター部115とからカッター部材116が構成されている。また、外周カッター部114の先端部側には、図12に示すように、リング状の外周カッター刃117が下向きに形成され、図11に示すように、内周カッター部115の先端部側に内周カッター刃118が形成されている。
外周カッター部114は、第1の取付盤111の外周部に形成されている透孔111aを介して第1の取付盤111の下方側に延出され、内周カッター部115は第1の取付盤111の中央に形成されている透孔111bを介して第1の取付盤111の下方側に延出され、第1の取付盤111に対するカッターセット部材112の上下移動に応じて外周カッター部114と内周カッター部115とが上下移動するように構成されている。外周カッター刃117の断面は三角形状に形成されており、円筒状の外周カッター部114の内周面114aをそのまま延長した形状の切刃面117aと、外周カッター部114の外方に向いて傾斜する外側刃面117bを有している。内周カッター刃118は、丸棒状の内周カッター部115の外周面をそのまま延長した形状の切刃面118aと、内周カッター部115の先端部に形成されている断面逆V字型のすり鉢状の凹部118bからなる切刃形状とされている。
第1の取付盤111の下方側であって、外周カッター部114と内周カッター部115との間の部分には、放射線源サポート機構130と照射装置140とが設けられ、照射装置140から紫外光を下方に照射できるように構成されている。
照射装置140の下方には枠状のサポート部材150が設置され、このサポート部材150の下方側に円盤状のガラス盤などの透放射線押圧基盤160が設けられている。サポート部材150と照射装置140と透放射線押圧基盤160とは、第1の取付盤111に一体化されており、第1の取付盤111の上下移動に応じて透放射線押圧基盤160が上下移動するように構成されている。
第2の取付盤121の上には、同一高さの円筒状の内側摺動サポート部材170と円筒状の外側摺動サポート部材180が設けられ、これらの間には円盤状の受け台190が上下に摺動自在に嵌め込まれ、受け台190はその下方側に設けられたバネ部材などの弾性部材191により支持されている。この受け台190の上には、摺動サポート部材170、180よりも若干上方に突出するように、図13に示すドーナツ円盤状のマスターモールド20が設置されている。マスターモールド20は、Ni合金などの精密加工が可能な材料からなるものであり、表面に転写するべき凹凸パターンが形成されたものである。
また、図11に示すように、内側サポート部材170の中心部には、ロッド状の内周カッター刃118を挿入可能な凹部171が形成されている。
図11に示すレプリカモールド作製装置を用いてレプリカモールドを製造するには、まず、図10に示す積層体10を用意し、積層体10の一方の基体12を剥離して硬化性樹脂材料の層13を露出させる(以下、基体12を剥離したものを積層体10aという)。その後、図14に示すように、マスターモールド20と透放射線押圧基盤160との間に積層体10aを挟み込み、第1の取付盤111を下降させて透放射線押圧基盤160を介して積層体10aをマスターモールド20の表面に規定の圧力で押し付ける。この操作により、マスターモールド20の表面に形成されている凹凸パターンの逆パターンである凹凸パターンが、積層体10aの硬化性樹脂材料の層13に転写される。
次いで、マスターモールド20の表面に積層体10aを押しつけた状態のまま、照射装置140から紫外放射線を照射し、硬化性樹脂材料を硬化させる。
また、硬化性樹脂材料の硬化の前または後、もしくは硬化中に、図15に示すように、カッターセット部材112を下降させて外周カッター部114と内周カッター部115を下降させ、外周カッター刃117と内周カッター刃118により、積層体10aからドーナツ円板状のレプリカモールド30を打ち抜く。このことにより、マスターモールド20の凹凸パターンが高精度で転写されたレプリカモールド30が得られる。
また、図15に示すように、積層体10aを打ち抜いてレプリカモールド30となった部分を除く部分において、内周カッター刃118により打ち抜かれた積層体10aの中心部10bは内側摺動サポート部材170の中心の凹部171側に排出され、外周カッター刃117により打ち抜かれた積層体10aの外周部10cは外側摺動サポート部材180の外周側に排出される。
図15に示すように積層体10aを打ち抜き後、図16に示すように、第1の取付盤111とカッターセット部材112とを上昇させると、外周カッター刃117と内周カッター刃118の間に挟まれた状態でレプリカモールド30が持ち上がる。続いて、図17に示すように、第1の取付盤111に対してカッターセット部材112を上昇させて外周カッター刃117と内周カッター刃118をレプリカモールド30から外すように移動し、更に、先端部に折曲部41を有する取出ロッド40などの剥離手段を用いてレプリカモールド30を取り出すことができる。
本実施形態では、モールド250の凹凸パターンをレジスト膜240に転写する転写工程において、モールド250として、上述した方法によって得られたレプリカモールド30などからなり、非磁性基板210よりも外形が大きい平面視円形状のものを用い、モールド250の中心と非磁性基板210の中心とが平面視で一致させ、平面視で非磁性基板210をモールド250の内側に配置して、図5に示すように、モールド250の凹凸パターンを非磁性基板210上に形成されているレジスト膜240に押圧する(押圧工程)。
ここで、レジスト膜240が放射線硬化性の材料からなるものである場合、レジスト膜240への放射線照射は、モールド250を用いてレジスト膜240に凹凸パターンを転写する際に行ってもよいし、レジスト膜240に凹凸パターンを転写した後に行ってもよい。
また、モールド250を用いてレジスト膜240に凹凸パターンを転写する工程においては、レジスト膜240の流動性が高い状態で、レジスト膜240にモールド250を押圧し、レジスト膜240にモールド250を押圧した状態でレジスト膜240に放射線を照射することによりレジスト膜240を硬化させ、その後、モールド250をレジスト膜240から分離する方法を用いてもよい。このような製造方法とした場合、モールド250の形状をより一層精度良く、レジスト膜240に転写することができ、好ましい。
ここで、レジスト膜240にモールド250を押圧した状態で、レジスト膜240に放射線を照射する方法としては、例えば、モールド250の反対側、すなわち非磁性基板210側から放射線を照射する方法や、モールド250の材料として放射線を透過できる物質を選択し、モールド250側から放射線を照射する方法、モールド250の側面から放射線を照射する方法、熱線のように固体に対して伝導性の高い放射線を用いて、スタンプ材料または非磁性基板210からの熱伝導により放射線を照射する方法などを用いることができる。
中でも特に、レジスト材料として紫外線硬化樹脂を用いるとともに、モールド250の材料として紫外線の透過性に優れたものを用い、レジスト膜240にモールド250を押圧した状態で、モールド250側から紫外線を照射することにより、レジスト膜240を硬化させることが好ましい。この場合、磁性層220表面に凹凸パターン有するレジスト膜240を短時間で形成することが可能となり、磁気記録媒体300の生産性を高めることができる。
次に、本実施形態では、図18および図19に示すモールドの剥離装置を用いて、押圧工程を行うことにより非磁性基板210と一体化されたモールド250を、非磁性基板210から剥離する。
図18は、本発明のモールドの剥離装置の一例を説明するための概略図であり、図18(a)は非磁性基板を載置枠上に配置した状態のモールドの剥離装置の全体を示した斜視図であり、図18(b)は図18(a)に示すモールドの剥離装置の一部を拡大して示した拡大断面図である。また、図19は、図18に示すモールドの剥離装置を構成する部材の寸法を説明するための図であり、モールドと、載置枠と、磁性層220、マスク層230、レジスト膜240の各層が形成された非磁性基板(図18および図19においては、磁性層とマスク層とレジスト膜は不図示)と、モールド保持部のモールドに接する被接触面のみを示した図である。なお、図19において、符号Aは、モールド、載置枠、非磁性基板、モールド保持部のモールドに接する被接触面の中心Aを示しており、これらの中心は一致している。また、図20〜図22は、図18に示すモールドの剥離装置を用いて、押圧工程の転写工程を行う方法の一例を説明するための工程図である。
図18に示すモールドの剥離装置は、図18(a)に示すように、搬送手段252と、載置枠251と、基板保持部材253とを備えている。
載置枠251は、図18(b)および図19に示すように、モールド250の外形よりも小さく非磁性基板210よりも大きい平面視円形状の開口部251cを有する平面視リング状ものである。本実施形態においては、開口部251cの内径251aは、非磁性基板210の外径210bよりも大きくなっており、載置枠251の外径251bは、モールド250の外径250bよりも小さくなっている。
なお、本実施形態においては、載置枠251として、外径251bがモールド250の外径250bよりも小さく、輪郭が円形であるものを例に挙げたが、外径251bはモールド250の外径250bよりも大きくてもよいし、載置枠の輪郭は円形でなくてもよく、載置枠の大きさや輪郭形状は特に限定されない。
基板保持部材253は、制御手段(図示略)によって制御されるものであり、図18、図21に示すように、載置枠251上に配置された非磁性基板210を吸着保持し、後述するモールド250の押圧方向に非磁性基板210を移動可能なものである。また、基板保持部材253は、図18(b)、図20〜図22に示すように、載置枠251の開口部251cの内側に、非磁性基板210を吸着保持した状態で収納可能とされている。基板保持部材253の表面には、排気口(図示略)が設けられている。そして、真空ポンプなどを用いて排気口から排気させることにより、基板保持部材253に接触した非磁性基板210と基板保持部材253の表面との間を真空にして、基板保持部材253の表面に非磁性基板210が吸着されるようになっている。
搬送手段252は、非磁性基板210と一体化されたモールド250を搬送するものであり、図18(a)に示すように、円柱状の基部52aと、上下移動手段52bと、腕部52cと、モールド保持部52d(押圧部材)とを備えている。
搬送手段252は、非磁性基板210と一体化されたモールド250をモールド保持部52dに吸着保持させた状態で、図18(a)に示すように、上下移動手段52bを回転および伸縮させて、腕部52cを回転させるとともに上下方向に移動させることによって、非磁性基板210と一体化されたモールド250を搬送し、図18(b)および図19に示すように、載置枠251の開口部251cの中心とモールド250および非磁性基板210の中心とを平面視で一致させ、非磁性基板210を載置枠251側に向けて載置枠251上に配置するものである。
上下移動手段52bは、図18(a)に示すように、基部52aの頂部に設けられた円柱状のものである。上下移動手段52bは、制御手段(図示略)によって制御されるものであり、円柱状の基部52aの中心軸と同軸で回転するとともに、基部52aの中心軸に沿って中心軸の延在方向(図18(a)においては上下方向)に伸縮するものである。
腕部52cは、上下移動手段52bの頂部から上下移動手段52bの半径の延在方向に延びているものであり、一方の端部52eが上下移動手段52bの頂部に取り付けられているものである。腕部52cは、上下移動手段52bの回転および伸縮によって、基部52aの中心軸と同軸で回転可能とされるとともに、上下方向に移動可能とされている。
また、モールド保持部52dは、図18(a)に示すように、腕部52cの他方の端部52fに下向きに取り付けられている。モールド保持部52dは、載置枠251上に配置されたモールド250を吸着保持するものである。モールド保持部52dのモールド250に接する被接触面252cには、排気口(図示略)が設けられている。そして、真空ポンプなどを用いて排気口から排気させることにより、被接触面252cに接触したモールド250と被接触面252cとの間を真空にして、被接触面252cにモールド250が吸着されるようになっている。
また、図18(a)に示すように、モールド保持部52dは、上下移動手段52bの回転によって腕部52cを回転させたときに、モールド保持部52dのモールド250に接する被接触面252cの中心の軌道が、載置枠251の開口部251cの中心上を通過する位置となるように、腕部52cに取り付けられている。したがって、モールド保持部52dは、モールド保持部52dの被接触面252cの中心と、載置枠251の開口部251cの中心とを平面視で一致させて配置できるものとされている。よって、モールド保持部52dの被接触面252cの中心とモールド250の中心とを平面視で一致させて、モールド保持部52dにモールド250を吸着保持させた場合、モールド保持部52dの被接触面252cの中心と載置枠251の開口部251cの中心とモールド250の中心とを平面視で一致させることができる。
また、モールド保持部52dの上下方向の位置は、上下移動手段52bの伸縮によって移動可能であり、非磁性基板210と一体化されたモールド250を、非磁性基板210を載置枠251側に向けて載置枠251上に配置した場合に、モールド保持部52dの被接触面252cがモールド250の非磁性基板210と反対側に配置されるようになっている。
また、図18(b)および図19に示すように、モールド保持部52dのモールド250に接する被接触面252cの外形252bは、載置枠251の開口部251cよりも小さい平面視円形状とされている。
また、モールド保持部52dは、上下移動手段52bを伸縮させることによって上下に移動自在とされているものであり、モールド250の中心部を非磁性基板210方向に押圧する押圧部材としての機能を有するものである。
より詳細には、図18に示すモールドの剥離装置では、モールド保持部52dに吸着保持されたモールド250を、図18(b)に示すように、載置枠251上に配置した状態で、図18(a)に示すように、制御手段(図示略)によって制御させて上下移動手段52bを伸縮させ、腕部52cを下方向に移動させることによって、モールド250の中心部が非磁性基板210方向に押圧されるようになっている。
また、図18に示すモールドの剥離装置は、モールド保持部52dと載置枠251とを相対移動させて、モールド250の中心部を載置枠251の開口部251c内に押し込ませてモールド250を反らせ、モールド250を非磁性基板210から剥離させるものである。
より詳細には、図18に示すモールドの剥離装置は、制御手段(図示略)によって制御されることによって、モールド保持部52dにモールド250が非磁性基板210方向に押圧されると同時に、モールド保持部52dによるモールド250の押圧に連動して基板保持部材253によってモールド250の押圧方向に非磁性基板210が移動されるようになっている。このとき、モールド250には、モールド保持部52dからの押圧力と載置枠251に押し返される応力とが負荷される。このことによって、図18に示すモールドの剥離装置では、モールド250が反らされて、モールド250が非磁性基板210から剥離されるようになっている。
ここで、図18(b)および図19を用いて、モールド250と、載置枠251と、非磁性基板210と、モールド保持部52dのモールド250に接する被接触面252cの寸法について説明する。
図18(b)および図19に示すように、これらの部材の中心Aは、全て一致している。そして、平面視円盤状であるモールド250の外径250bは平面視円盤状である非磁性基板210の外径210bよりも大きく、モールド250の内径250aは非磁性基板210の内径210aよりも小さくなっている。したがって、図19に示すように、非磁性基板210のモールド250側の面(図18(b)においては上面)は、モールド250に完全に覆われている。
また、平面視リング状である載置枠251の外径251bはモールド250の外径250bよりも小さく、載置枠251の開口部251cの内径251aは、モールド250の外径250bよりも小さく非磁性基板210の外径210bよりも大きくなっている。したがって、図18(b)および図19に示すように、非磁性基板210が、載置枠251の開口部251cの内側に収納された状態となっている。
また、押圧部材として機能するモールド保持部52dの平面視円形状であるモールド250に接する被接触面252cは、載置枠251の開口部251cの内径251aよりも外形252bが小さいものとなっている。
図18および図19に示すモールドの剥離装置を用いて、非磁性基板210と一体化されたモールド250を、非磁性基板210から剥離するには、まず、図20に示すように、モールド250の中心とモールド保持部52dの被接触面252cの中心とを平面視で一致させて、非磁性基板210と一体化されたモールド250を、モールド保持部52dに吸着保持させる。そして、搬送手段252の上下移動手段52bを回転および伸縮させて、腕部52cを回転させるとともに下方向に移動させて、非磁性基板210と一体化されたモールド250を搬送し、図18(a)、図18(b)、図19に示すように、載置枠251の開口部251cの中心とモールド250および非磁性基板210の中心とを平面視で一致させて、非磁性基板210を載置枠251側に向けて載置枠251上に配置する。このことによって、モールド250の非磁性基板210と反対側に、モールド250の中心部を押圧する押圧部材として機能するモールド保持部52dが配置され、載置枠251の開口部251cの中心とモールド250および非磁性基板210の中心とモールド保持部52dの被接触面252cの中心とが平面視で一致される(設置工程)。
また、図18(b)、図19に示すように、非磁性基板210を載置枠251上に配置した段階では、モールド250の外縁部が平面視で載置枠251から全周にわたってはみ出している。また、非磁性基板210が、平面視で載置枠251の開口部251cの内側に埋め込まれて収納された状態となっている。
続いて、モールド保持部52dと載置枠251とを非磁性基板210の厚み方向に相対移動させることによって、モールド250の中心部を載置枠251の開口部251c内に押し込ませてモールド250を反らせ、モールド250を非磁性基板210から剥離させる(剥離工程)。
本実施形態においては、図21に示すように、腕部52cを下方向に移動させて、モールド保持部52dによってモールド250を非磁性基板210方向に押圧させると同時に、モールド保持部52dによるモールド250の押圧に連動して基板保持部材253によってモールド250の押圧方向に非磁性基板210を移動させる。このことによって、モールド250の円周方向において均一な応力であるモールド保持部52dからの押圧力と載置枠251に押し返される応力とがモールド250に負荷されることになる。そして、モールド保持部52dからの押圧力によって載置枠251の内側縁部251dよりも内側に位置するモールド250の中央部が開口部251c内に入り込み、載置枠251に押し返される応力によって載置枠251の内側縁部251dよりも外側に位置するモールド250の外周部が持ち上がり、モールド250が反らされて、モールド250が非磁性基板210から剥離される。なお、非磁性基板210から剥離されたモールド250は、モールド保持部52dに吸着保持されており、モールド250と分離された非磁性基板210は、基板保持部材253に吸着保持されている。
図21に示すように、剥離工程において反らされたモールド250は、頂点を非磁性基板210の中心に向けた略円錐状に反らされる。
ここでのモールド250の反りは、少ないほどモールド250を非磁性基板210から剥離させることによるモールド250への負荷が少なくなるため、好ましい。したがって、剥離工程において反らされたモールド250と、モールド250が密着されていた非磁性基板210の表面とのなす角度θは、小さいほど好ましい。この角度θは、非磁性基板210やモールド250の材質や、非磁性基板210とモールド250との密着力の強さなどに応じて、モールド250を非磁性基板210から剥離させることが可能な範囲に適宜決定されるものであり、載置枠251の直径と、モールド保持部52dの被接触面252cの直径とのバランスや、モールド保持部52dに押圧させる深さ寸法(基板保持部材253による非磁性基板210の移動距離)を変化させることによって調整できる。
その後、搬送手段252の上下移動手段52bを伸縮させて、腕部52cを上方向に移動させることによって、図22に示すように、モールド250に負荷されていた応力を解消するとともにモールド250と非磁性基板210とを完全に分離する。
次いで、搬送手段252の上下移動手段52bを回転および伸縮させて、腕部52cをさらに上方向に移動させるとともに回転させることによって、モールド保持部52dに吸着保持されたモールド250を所定の位置に搬送する。
続いて、モールド250と分離された非磁性基板210のレジスト膜240に転写された凹凸パターンを用いて、以下に示すように、磁性層220に磁気記録パターン220aを形成することにより、磁気的に分離した磁気記録パターン220aを形成する(磁気記録パターン形成工程)。
まず、凹凸パターンを形成した後に残った図5に示すレジスト膜240aと、磁気記録パターン220aの凹状の分離領域に対応する領域のマスク層230とを除去する。このことにより、図6に示すように、磁性層220上の磁気記録パターン220aとなる領域に残存するマスク層230と、パターニングされたレジスト膜240であるレジストパターンとからなるマスクが形成される。
モールド250を用いて凹凸パターンを形成した後に残ったレジスト膜240aは、反応性イオンエッチング、イオンミリングなどのドライエッチングにより除去できる。
凹凸パターンを形成した後に残ったレジスト膜240aの厚みは0〜10nmの範囲内であることが好ましい。レジスト膜240aの厚みを上記範囲とすることで、磁気記録パターン220aを分離する凹状の分離領域に対応する領域のマスク層230を除去する工程において、マスク層230のエッジの部分にダレが発生することを防止でき、磁性層220の一部を除去する工程におけるマスク層230の遮蔽性を向上させるとともに、磁気記録パターン220aの形成精度を向上させることができる。
また、磁気記録パターン220aを分離する凹状の分離領域に対応する領域のマスク層230は、例えば、反応性イオンエッチング、イオンミリングなどのドライエッチングにより除去できる。
次に、図7に示すように、マスク層230が除去されて露出した磁気記録パターン220aを分離する凹状の分離領域となる領域270の磁性層220の表層部を、0.1nm〜15nmの範囲、より好ましくは、1〜10nmの範囲の深さdで除去する。
磁性層220の表層部の一部を除去してから磁性層220の磁気特性を改質した場合、磁性層220の表層部の一部を除去しなかった場合に比べ、磁気記録パターン220aのコントラストがより鮮明になるとともに磁気記録媒体300のS/Nが向上する。この理由としては、磁性層220の表層部を除去することにより、表面の清浄化・活性化が図られ、磁性層220の磁気特性を改質する際における反応性プラズマや反応性イオンとの反応性が高まったことや、磁性層220の表層部に空孔等の欠陥が導入され、その欠陥を通じて磁性層220に反応性イオンが侵入しやすくなったことが考えられる。
磁性層220の表層部を除去する深さが0.1nmより少ない場合は、磁性層220を除去する効果が不十分となる恐れがある。また、磁性層220を除去する深さが15nmより大きくなると、磁気記録媒体300の表面平滑性が低下する。
磁気記録パターン220aを分離する凹状の分離領域となる領域270の磁性層220の表層部の除去は、例えば、マスク層230を反応性イオンエッチング、イオンミリングなどのドライエッチングにより除去した後に、引き続き、図7に示すように、磁性層220をイオンミリングのミリングイオン260にてドライエッチングする方法などにより行うことができる。なお、マスク層230が除去されて露出した磁気記録パターン220aを分離する凹状の分離領域となる領域270の磁性層220の表層部の除去は、行うことが好ましいが省略してもよい。
次に、磁性層220の表層部の除去された領域270の磁性層220の磁気特性を改質する。磁性層220の磁気特性を改質は、例えば、磁性層220を反応性プラズマや反応性イオンにさらす方法により行うことができる。ここで、磁性層220の磁気特性の改質とは、磁性層220をパターン化するために磁性層220の保磁力や残留磁化等の磁気特性を部分的に変化させることを意味する。図8に示す磁性層220の磁気特性の改質された領域280は、磁気記録トラックやサーボ信号パターンなどの磁気記録パターン220aをそれぞれ磁気的に分離する領域となる。
なお、磁性層220の磁気特性を改質は、磁性層220を反応性プラズマや反応性イオンにさらして磁性層220の結晶構造を改質し、磁性層220を非晶質化する方法により行ってもよい。ここで、磁性層220を非晶質化するとは、磁性層220の原子配列を、長距離秩序を持たない不規則な原子配列の形態とすることを意味する。より具体的には、2nm未満の微結晶粒がランダムに配列した状態とすることを指す。この原子配列状態を分析手法により確認する場合、X線回折または電子線回折により、結晶面を表すピークが認められず、また、ハローが認められるのみの状態とされている。
磁性層220の改質の際に用いられる反応性プラズマとしては、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)や反応性イオンプラズマ(RIE;Reactive Ion Plasma)が例示できる。また、反応性イオンとしては、前述の誘導結合プラズマ、反応性イオンプラズマ内に存在する反応性のイオンが例示できる。
本製造方法では、成膜された磁性層220を反応性プラズマにさらすことにより磁性層220を改質する。磁性層220の改質は、磁性層220を構成する磁性金属と反応性プラズマ中の原子またはイオンとの反応により実現することが好ましい。ここでいう反応としては、磁性金属に反応性プラズマ中の原子等が侵入し、磁性金属の結晶構造が変化すること、磁性金属の組成が変化すること、磁性金属が酸化すること、磁性金属が窒化すること、磁性金属が珪化すること等が例示できる。
このようにして磁性層220の一部の磁気特性を改質した後、図9に示すように、磁性層220の上に設けられているレジスト膜240およびマスク層230を除去する。レジスト膜240およびマスク層230は、ドライエッチング、反応性イオンエッチング、イオンミリング、湿式エッチングなどの手法を用いて除去することができる。
レジスト膜240およびマスク層230を除去した後、磁性層220に不活性ガスを照射することが好ましい。このことにより、磁性層220が安定し、高温多湿環境下においても磁性粒子のマイグレーション等の発生が抑制される。この理由は明らかではないが、磁性層220の表面に不活性元素が侵入することにより磁性粒子の移動が抑制されること、また、不活性ガスの照射により、磁性層220の活性な表面が除去され、磁性粒子のマイグレーション等が抑制されることが考えられる。
ここで用いる不活性ガスは、Ar、He、Xeからなる群から選ばれた何れか1種以上であることが好ましい。これらの元素は安定であり、磁性粒子のマイグレーション等の抑制効果が高いからである。不活性ガスの照射は、イオンガン、ICP,RIEから選ばれる何れかの方法を用いることが好ましい。この中で特に、照射量の多さの点で、ICP,RIEを用いることが好ましい。
次いで、磁性層220上に保護膜層290を形成することが好ましい。通常、保護膜層290はスパッタ法もしくはCVD法により形成される。
さらに、保護膜層290の上には潤滑層(図示略)を形成することが好ましい。
以上の工程により、図1に示す磁気記録媒体300が得られる。
本実施形態の磁気記録媒体300の製造方法では、モールド250の凹凸パターンをレジスト膜240に転写する転写工程が、モールド250として非磁性基板210よりも外形が大きいものを用い、平面視で非磁性基板210をモールド250の内側に配置して、モールド250をレジスト膜240に押圧する押圧工程と、押圧工程を行うことにより非磁性基板210と一体化されたモールド250を、モールド250の外形よりも小さく非磁性基板210よりも大きい平面視円形状の開口部251cを有する載置枠251上に、非磁性基板210を載置枠251側に向けて配置し、開口部251cの中心と非磁性基板210の中心とを平面視で一致させ、モールド250の非磁性基板210と反対側にモールドの中心部を押圧するモールド保持部52dを配置する設置工程と、モールド保持部52dと載置枠251とを相対移動させることによって、モールド250の中心部を開口部251c内に押し込ませてモールド250を反らせ、モールド250を非磁性基板210から剥離させる剥離工程とを含む方法であるので、以下に示すように、モールド250の剥離速度が略均一化されるとともに、モールド250の剥離される方向が非磁性基板210の略半径方向に揃えられることになり、非磁性基板210の表面に模様が形成されることが防止され、高品質な磁気記録媒体300が得られる。
すなわち、本実施形態の磁気記録媒体300の製造方法によれば、モールド250が反ることによって、モールド250が平面視円形状の非磁性基板210表面全面から略同時に剥離されるので、モールド250の剥離速度が略均一化される。しかも、本実施形態の磁気記録媒体300の製造方法においては、非磁性基板210と一体化されたモールド250を、モールド250の外形よりも小さく非磁性基板210よりも大きい平面視円形状の開口部251cを有する載置枠251上に、非磁性基板210を載置枠251側に向けて配置し、開口部251cの中心と非磁性基板210の中心とを平面視で一致させ、モールド250の非磁性基板210と反対側にモールド保持部52dを配置し、モールド保持部52dと載置枠251とを相対移動させることによって、モールド250の中心部を開口部251c内に押し込ませてモールド250を反らせているので、モールド250が非磁性基板210の中心を頂点とする略円錐状に反ることになり、モールド250の剥離される方向が非磁性基板210の半径方向に揃えられることになる。
さらに、本実施形態の磁気記録媒体300の製造方法では、載置枠251として、モールド250の外形よりも小さく非磁性基板210よりも大きい平面視円形状の開口部251cを有するものを用いているので、剥離工程において、モールド250の中心部を開口部251c内に押し込ませてモールド250を反らせても、モールド250の非磁性基板210と接触する領域や非磁性基板210に載置枠251が接触することはなく、モールド250を非磁性基板210から剥離させることによって、モールド250の非磁性基板210と接触する領域や非磁性基板210に傷がつくことを防止できる。したがって、高品質な磁気記録媒体を歩留まりよく製造できるとともに、モールド250の寿命を長くすることができる。
また、本実施形態の磁気記録媒体300の製造方法において、モールド250が樹脂製のものである場合、モールド250が非磁性基板210上に設けられているレジスト膜240から剥がれやすいものとなり、モールド250を非磁性基板210から剥離させやすくなるため、非磁性基板210の表面に模様が形成されることをより効果的に防止できる。
また、本実施形態の磁気記録媒体300の製造方法においては、モールド250として平面視円形状のものを用い、押圧工程において、モールド250の中心と非磁性基板210の中心とが平面視で一致するように配置しているので、平面視で非磁性基板210と重ならない部分におけるモールド250の形状に起因するモールド250の剥離速度やモールド250の剥離される方向への影響が非常に少ないものとなり、モールド250の剥離速度がより一層均一化されるとともに、モールド250の剥離される方向が非磁性基板210の略半径方向により一層揃えられることになり、非磁性基板210の表面に模様が形成されることをより効果的に防止できる。
さらに、本実施形態の磁気記録媒体300の製造方法においては、モールド保持部52dとして、載置枠251の開口部251cよりも外形が小さい平面視円形状のものを用い、設置工程において、載置枠251の開口部251cとモールド保持部52dの中心とを平面視で一致させているので、モールド保持部52dの形状やモールド保持部52dの配置に起因するモールド250の剥離速度やモールド250の剥離される方向への影響が非常に少ないものとなり、モールド250の剥離速度がより一層均一化されるとともに、モールド250の剥離される方向が非磁性基板210の略半径方向により一層揃えられることになり、非磁性基板210の表面に模様が形成されることをより効果的に防止できる。
また、本実施形態の磁気記録媒体300の製造方法においては、剥離工程において、モールド保持部52dによってモールド250を非磁性基板210の方向に押圧させると同時に、モールド保持部52dによるモールド250の押圧に連動してモールド250の押圧方向に非磁性基板210を移動させているので、モールド250を反らせることにより、モールド250を非磁性基板210からより一層スムーズに剥離させることができ、非磁性基板210の表面に模様が形成されることをより効果的に防止できる。
また、本実施形態の磁気記録媒体300の製造方法においては、モールド250として、外形250bが非磁性基板210の外径210bよりも大きく、内径250aが非磁性基板210の内径210aよりも小さい中央に穴を有する円盤状のものを用いているので、モールド250の中央に穴が設けられていないものを用いた場合と比較して、モールド250を容易に反らせることができ、非磁性基板210から容易にモールド250を剥離できる。しかも、モールド250の外形250bが非磁性基板210の外径210bよりも大きく、モールド250の内径250aが非磁性基板210の内径210aよりも小さいので、非磁性基板210のモールド250側の面をモールド250で完全に覆うことができ、モールド保持部52dによってモールド250が非磁性基板210方向に押圧されることによって、非磁性基板210に傷がつくことを防止できる。
本実施形態のモールド250の剥離装置は、モールド250の外形よりも小さく非磁性基板210よりも大きい平面視円形状の開口部251cを有する載置枠251と、非磁性基板210と一体化されたモールド250を、非磁性基板210を載置枠251側に向けて載置枠251上に配置し、開口部251cの中心と非磁性基板210の中心とを平面視で一致させる搬送手段と、モールド250の非磁性基板210と反対側に配置され、モールドの中心部を押圧するモールド保持部52dとを備え、モールド保持部52dと載置枠251とを相対移動させて、モールド250の中心部を開口部251c内に押し込ませてモールド250を反らせ、モールド250を非磁性基板210から剥離させるものであるので、平面視円形状の非磁性基板210表面全面においてモールド250の剥離速度を略均一化できるとともに、モールド250の剥離される方向を非磁性基板210の半径方向にすることができ、非磁性基板210の表面に模様が形成されることを防止できる。したがって、本実施形態のモールド250の剥離装置によれば、高品質な磁気記録媒体300を製造できる。
しかも、本実施形態のモールド250の剥離装置は、モールド250の外形よりも小さく非磁性基板210よりも大きい平面視円形状の開口部251cを有する載置枠251を備えているので、モールド250の中心部を開口部251c内に押し込ませてモールド250を反らせても、モールド250の非磁性基板210と接触する領域や非磁性基板210に載置枠251が接触することはなく、モールド250を非磁性基板210から剥離させることによって、モールド250の非磁性基板210と接触する領域や非磁性基板210に傷がつくことを防止できる。
また、本実施形態のモールド250の剥離装置においては、非磁性基板210とレジスト膜240との間に磁性層220が形成されており、モールド250の凹凸パターンをレジスト膜240に押圧することによりレジスト膜240に転写される凹凸パターンが、磁性層220に磁気的に分離した磁気記録パターン220aを形成するために用いられるものであるので、磁気的に分離した磁気記録パターン220aを有する磁気記録媒体300を製造する際に好適に用いることができる。
また、本実施形態のモールド250の剥離装置においては、押圧部材として機能するモールド保持部52dが、載置枠251上に配置されたモールド250を吸着保持するものであるので、モールド250を押圧する際におけるモールド250とモールド保持部52dとの位置ずれを防止でき、モールド250とモールド保持部52dとの位置ずれによるモールド250の剥離速度のばらつきを防止でき、非磁性基板210の表面に模様が形成されることをより効果的に防止できる。また、モールド保持部52dが、載置枠251上に配置されたモールド250を吸着保持するものである場合、非磁性基板210から剥離されたモールド250が任意の場所に移動してしまうことを防止でき、剥離後のモールド250に傷がつくことを防止できる。
また、本実施形態のモールド250の剥離装置は、モールド250が、平面視円形状のものであり、非磁性基板210と一体化されたモールド250が、モールド250の中心と非磁性基板210の中心とが平面視で一致するように配置されたものであるので、平面視で非磁性基板210と重ならない部分におけるモールド250の形状に起因するモールド250の剥離速度やモールド250の剥離される方向への影響が非常に少ないものとなり、モールド250の剥離速度がより一層均一化されるとともに、モールド250の剥離される方向が非磁性基板210の略半径方向により一層揃えられることになり、非磁性基板210の表面に模様が形成されることをより効果的に防止できる。
また、本実施形態のモールド250の剥離装置は、押圧部材として機能するモールド保持部52dが、載置枠251の開口部251cよりも外形が小さい平面視円形状で、中心が載置枠251の開口部251cの中心と平面視で一致して配置されているものであるので、モールド保持部52dの形状やモールド保持部52dの配置に起因するモールド250の剥離速度やモールド250の剥離される方向への影響が非常に少ないものとなり、モールド250の剥離速度がより一層均一化されるとともに、モールド250の剥離される方向が非磁性基板210の略半径方向により一層揃えられることになり、非磁性基板210の表面に模様が形成されることをより効果的に防止できる。
また、本実施形態のモールド250の剥離装置は、載置枠251上に配置された非磁性基板210を吸着保持し、モールド250の押圧方向に非磁性基板210を移動可能な基板保持部材253を備え、モールド保持部52dにモールド250が非磁性基板210方向に押圧されると同時に、モールド保持部52dによるモールド250の押圧に連動して基板保持部材253によってモールド250の押圧方向に非磁性基板210が移動されるものであるので、非磁性基板210からスムーズにモールド250を剥離させることができ、非磁性基板210の表面に模様が形成されることをより効果的に防止できる。
なお、本実施形態においては、モールドの凹凸パターンをレジスト膜に押圧することによりレジスト膜に転写される凹凸パターンが、磁性層に磁気的に分離した磁気記録パターンを形成するために用いられるものである場合を例に挙げて説明したが、本発明のモールドの剥離装置は、磁性層に磁気的に分離した磁気記録パターンを形成するために用いられる凹凸パターンに限定されるものではない。
また、上述した実施形態においては、磁気記録媒体300として、非磁性基板210の片面に磁性層220からなる磁気記録パターン220aが備えられたものを例に挙げて説明したが、本発明のモールドの剥離装置を用いる本発明の磁気記録媒体の製造方法により、非磁性基板の両面に磁性層からなる磁気記録パターンが備えられたものを製造してもよい。
より詳細には、上述した実施形態と同様にして、非磁性基板の両面に磁性層を形成し、磁性層の表面にレジスト膜を形成した後、以下に示すモールドの剥離装置を用いて以下に示す方法により、モールドの凹凸パターンをレジスト膜に転写する転写工程を行い、その後、上述した実施形態と同様にして、レジスト膜に転写された凹凸パターンを用いて磁性層に磁気記録パターンを形成し、磁気的に分離した磁気記録パターンを形成すればよい。
非磁性基板の両面に磁性層からなる磁気記録パターンを形成する場合、図24に示すように、基板の両面にモールドを配置する。図24は、本発明のモールドの剥離装置を用いる本発明の磁気記録媒体の製造方法において用いられる基板と一体化されたモールドの他の例を説明するための断面図であり、基板の両面にモールドが配置されている場合を示した図である。
図24に示す非磁性基板21の両面に磁性層からなる磁気記録パターンを形成する場合、モールドの剥離装置として、平面視円形状の非磁性基板21の一方の面(図24においては、下面)上に形成されたレジスト膜に、非磁性基板21よりも外形が大きい平面視円形状の第1モールド25aの凹凸パターンを、第1モールド25aの中心と非磁性基板21の中心とが平面視で一致するように配置して押圧するとともに、非磁性基板21の他方の面(図24においては、上面)上に形成されたレジスト膜に、外形が第1モールド25aよりも小さく非磁性基板21よりも大きい平面視円形状の第2モールド25bの凹凸パターンを、第2モールド25bの中心と非磁性基板21の中心とが平面視で一致するように配置して押圧することにより、非磁性基板21と一体化された第1モールド25aおよび第2モールド25bを非磁性基板21から剥離するためのモールドの剥離装置を用いる。
ここで用いるモールドの剥離装置としては、例えば、第1モールド25aおよび第2モールド25bと一体化された非磁性基板21から第1モールド25aを剥離するための第1載置枠、第1搬送手段、第1押圧部材、第1基板保持部材とを備えた第1のモールド剥離装置と、第1モールド25aが剥離されることによって得られた第2モールド25bと一体化された非磁性基板21から第2モールド25bを剥離するための第2載置枠、第2搬送手段、第2押圧部材、第2基板保持部材とを備えた第2のモールド剥離装置とを備えたものを用いることができる。
第1のモールド剥離装置を構成する第1載置枠は、第1モールド25aの外形よりも小さく第2モールド25bよりも大きい平面視円形状の開口部を有する平面視円盤状のものである。
第1搬送手段としては、上述した実施形態における搬送手段252と同様のものを用いることができ、第2モールド25bおよび非磁性基板21と一体化された第1モールド25aを、第2モールド25bを第1載置枠側に向けて第1載置枠上に配置し、第1載置枠の中心と第1モールド25a、第2モールド25b、非磁性基板21の中心とを平面視で一致させるものである。
また、第1押圧部材としては、上述した実施形態におけるモールド保持部52dの被接触面252cの外形を、第1載置枠の内径よりも小さくしたものが用いられる。具体的には、第1押圧部材として、第1モールド25aの非磁性基板21と反対側に配置されて、第1モールド25aを非磁性基板21方向に押圧するものであり、第1載置枠の内径よりも外形が小さい平面視円形状で、中心が第1載置枠の中心と平面視で一致するものが用いられる。
第1基板保持部材としては、上述した実施形態における基板保持部材253と同様のものを用いることができ、第1載置枠上に配置された第2モールド25bおよび非磁性基板21を吸着保持するものである。
第2のモールド剥離装置を構成する第2載置枠は、第2モールド25bの外形よりも小さく非磁性基板21よりも大きい平面視円形状の開口部を有する平面視円盤状のものである。
第2搬送手段としては、上述した実施形態における搬送手段252と同様のものを用いることができ、非磁性基板21と一体化された第2モールド25bを、非磁性基板21を第2載置枠側に向けて第2載置枠上に配置し、第2載置枠の中心と第2モールド25bおよび非磁性基板21の中心とを平面視で一致させるものである。
また、第2押圧部材25bとしては、上述した実施形態におけるモールド保持部52dの被接触面252cの外形を、第2載置枠の内径よりも小さくしたものが用いられる。具体的には、第2モールド25bの非磁性基板21と反対側に配置されて、第2モールド25bを非磁性基板21方向に押圧するものであり、第2載置枠の内径よりも外形が小さい平面視円形状で、中心が第2載置枠の中心と平面視で一致するものが用いられる。
第2基板保持部材としては、上述した実施形態における基板保持部材253と同様のものを用いることができ、第2載置枠上に配置された非磁性基板21を吸着保持するものである。
また、このモールドの剥離装置は、第1のモールド剥離装置の第1押圧部材と第1載置枠とを相対移動させて、第1モールド25aの中心部を第1載置枠の開口部内に押し込ませて第1モールド25aを反らせ、第1モールド25aを非磁性基板21から剥離させ、その後、基板搬送装置などにより非磁性基板21を反転させて第1のモールド剥離装置と同一構造の第2のモールド剥離装置に移動させ、第2のモールド剥離装置の第2押圧部材と第2載置枠とを相対移動させて、第2モールド25bの中心部を第2載置枠の開口部内に押し込ませて第2モールド25bを反らせ、第2モールド25bを非磁性基板21から剥離させるものである。
より詳細には、このモールドの剥離装置では、第1のモールド剥離装置の第1押圧部材に第1モールド25aが非磁性基板21方向に押圧されると同時に、第1押圧部材による第1モールド25aの押圧に連動して第1基板保持部材によって第1モールド25aの押圧方向に第2モールド25bおよび非磁性基板21が移動され、第1押圧部材からの押圧力と第1載置枠に押し返される応力とによって第1モールド25aが反らされて、第1モールド25aが非磁性基板21から剥離され、その後、基板搬送装置などにより非磁性基板21を反転させて第2のモールド剥離装置に移動させ、第2押圧部材に第2モールド25bが非磁性基板21方向に押圧されると同時に、第2押圧部材による第2モールド25bの押圧に連動して第2基板保持部材によって第2モールド25bの押圧方向に非磁性基板21が移動され、第2押圧部材からの押圧力と第2載置枠に押し返される応力とによって第2モールド25bが反らされて、第2モールド25bが非磁性基板21から剥離されるようになっている。
なお、このようなモールドの剥離装置において、第1押圧部材の外形が第2載置枠の開口部の内径よりも小さい場合には、第1押圧部材は第2押圧部材と同じものであってもよい。また、第1基板保持部材は、第2基板保持部材と同じものであってもよい。
このようなモールドの剥離装置を用いて、非磁性基板21の両面に磁性層からなる磁気記録パターンを形成する場合には、非磁性基板21の一方の面および他方の面に磁性層を形成(磁性層形成工程)し、非磁性基板21の一方の面および他方の面の磁性層の表面にレジスト膜を形成(レジスト膜形成工程)し、転写工程の押圧工程を、モールドとして第1モールド25aと、外形が第1モールド25aよりも小さい第2モールド25bとを用い、平面視で非磁性基板21を第1モールド25aの内側に配置して、第1モールド25aを非磁性基板2の一方の面のレジスト膜に押圧するとともに、平面視で第2モールド25bを第1モールド25aの内側かつ非磁性基板21の外側に配置して、第2モールド25bを非磁性基板21の他方の面のレジスト膜に押圧する工程とすることができる。第1モールド25aおよび第2モールド25bとしては、上述した実施形態と同様にレプリカモールドなどを用いることができる。
また、転写工程の設置工程および剥離工程は、第1モールド25aと第2モールド25bとの間に配置された非磁性基板21の第1モールド25a側の面に対して行う第1設置工程および第1剥離工程と、第1モールド25aが剥離された後に非磁性基板21の第2モールド25b側の面に対して、上述した実施形態と同様にして行う第2設置工程および第2剥離工程とを含む工程とされる。
第1設置工程は、前記押圧工程を行うことにより非磁性基板21と一体化された第1モールド25aおよび第2モールド25bを、第1モールド25aの外形よりも小さく第2モールド25bよりも大きい平面視円形状の開口部を有する第1載置枠上に、第2モールド25bを第1載置枠側に向けて配置し、第1載置枠の開口部の中心と非磁性基板21の中心とを平面視で一致させ、第1モールド25aの非磁性基板21と反対側に第1モールド25aの中心部を押圧する第1押圧部材を配置する工程である。
第1剥離工程は、第1押圧部材と第1載置枠とを相対移動させることによって、第1モールド25aの中心部を第1載置枠の開口部内に押し込ませて第1モールド25aを反らせ、第1モールド25aを非磁性基板21から剥離させる工程である。
また、第2設置工程は、非磁性基板21と一体化された第2モールド25bを、第2モールド25bの外形よりも小さく非磁性基板21よりも大きい平面視円形状の開口部を有する第2載置枠上に、非磁性基板21を第2載置枠側に向けて配置し、第2載置枠の開口部の中心と非磁性基板21の中心とを平面視で一致させ、第2モールド25bの非磁性基板21と反対側に第2モールド25bの中心部を押圧する第2押圧部材を配置する工程である。
第2剥離工程は、第2押圧部材と第2載置枠とを相対移動させることによって、第2モールド25bの中心部を第2載置枠の開口部内に押し込ませて第2モールド25bを反らせ、第2モールド25bを非磁性基板21から剥離させる工程である。
このようなモールドの剥離装置を用いるこのような磁気記録媒体の製造方法では、第1押圧部材(第2押圧部材)と第1載置枠(第2載置枠)とを相対移動させることによって、第1モールド25a(第2モールド25b)の中心部を第1載置枠(第2載置枠)の開口部内に押し込ませて第1モールド25a(第2モールド25b)を反らせ、第1モールド25a(第2モールド25b)を非磁性基板21から剥離させるので、非磁性基板21の両面に磁性層からなる磁気記録パターンを形成するために、凹凸パターンの転写された非磁性基板21から第1モールド25aを剥離する際や、第2モールド25bを剥離する際に、非磁性基板21の表面全面において第1モールド25a(第2モールド25b)の剥離速度が略均一化されるとともに、第1モールド25a(第2モールド25b)の剥離される方向が非磁性基板21の半径方向にされるので、非磁性基板21の表面に模様が形成されることが防止され、高品質な磁気記録媒体が得られる。
しかも、このようなモールドの剥離装置を用いるこのような磁気記録媒体の製造方法においては、第1モールド25aおよび第2モールド25bを非磁性基板21から剥離させる際に、第1モールド25aおよび第2モールド25bの非磁性基板21と接触する領域や非磁性基板21に第1載置枠または第2載置枠が接触することはなく、第1モールド25aおよび第2モールド25bを非磁性基板21から剥離させることによって、第1モールド25aおよび第2モールド25bの非磁性基板21と接触する領域や非磁性基板21に傷がつくことを防止できる。したがって、高品質な磁気記録媒体を歩留まりよく製造できるとともに、第1モールド25aおよび第2モールド25bの寿命を長くできる。
なお、上述した実施形態のモールドの剥離装置においては、押圧部材が載置枠の上側に配置され、基板保持部材が載置枠の下側に配置されている場合を例に挙げて説明したが、押圧部材が載置枠の下側に配置され、基板保持部材が載置枠の上側に配置されていてもよい。ここで、上述した実施形態においては、載置枠上に配置されたモールドを吸着保持する押圧部材と、載置枠上に配置された非磁性基板を吸着保持する基板保持部材とを備えているので、押圧部材が載置枠の下側に配置され、基板保持部材が載置枠の上側に配置されている場合でも、押圧部材が載置枠の上側に配置され、基板保持部材が載置枠の下側に配置されている場合と同様にして、モールドの剥離装置を用いて非磁性基板21からモールドを剥離できる。
さらに、上述した実施形態においては、非磁性基板を水平方向に設置するモールドの剥離装置を例に挙げて説明したが、本発明のモールドの剥離装置において非磁性基板の設置される方向は水平方向でなくてもよく、例えば非磁性基板を垂直方向に設置するものであってもよい。この場合でも、上述した実施形態においては、載置枠上に配置されたモールドを吸着保持する押圧部材と、載置枠上に配置された非磁性基板を吸着保持する基板保持部材とを備えているので、非磁性基板を水平方向に設置する場合と同様にして、モールドの剥離装置を用いて非磁性基板からモールドを剥離できる。
また、上述した実施形態においては、上下方向に移動する押圧部材によってモールドを基板方向に押圧してモールドを反らせる場合を例に挙げて説明したが、本発明においては、押圧部材と載置枠とを相対移動させて、モールドの中心部を載置枠の開口部内に押し込ませてモールドを反らせればよく、例えば、載置枠として、モールドの厚み方向に移動可能なものを用いて、載置枠をモールドの厚み方向に移動させることにより押圧部材と載置枠とを相対移動させてもよい。この場合、押圧部材は、モールドの厚み方向に移動可能なものであってもよいし、モールドの厚み方向に固定されたものであってもよい。
また、モールドは平面視円形状のものを用いることが好ましいが、基板よりも外形が大きいものであればよく、平面形状は、特に限定されない。
また、押圧部材は平面視円形状のものを用いることが好ましいが、モールドの中心部を押圧可能なものであればよく、平面形状は、特に限定されない。
また、上述した実施形態においては、設置工程において、載置枠の開口部の中心と基板の中心とを平面視で一致させる場合を例に挙げて説明したが、載置枠の開口部の中心と基板の中心とは、平面視でほぼ一致させればよく、完全に一致していなくてもよい。ここで、載置枠の開口部の中心と基板の中心とが平面視でほぼ一致しているとは、載置枠の開口部の中心と基板の中心との距離が、基板の直径の10%程度以下であることをいう。載置枠の開口部の中心と基板の中心とが一致されておらず、基板の直径の10%程度の距離で離れている場合、載置枠の開口部の中心と基板の中心とが平面視で完全に一致している場合と比較して、基板からモールドが剥離される際における初期の剥離がスムーズになる。
「磁気記録再生装置」
本発明の磁気記録媒体の製造方法により得られた磁気記録媒体は、磁気記録再生装置等に用いることができる。
図23は、本発明の磁気記録再生装置の一例を模式的に示す図である。図23に示す磁気記録再生装置は、図1に示す磁気記録媒体300と、これを記録方向に駆動する媒体駆動部400と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと500、磁気ヘッド500を磁気記録媒体300に対して相対運動させるヘッド駆動部600と、磁気ヘッド500への信号入力と磁気ヘッド500からの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段を組み合わせた記録再生信号系700とを具備したものである。
図23に示す磁気記録再生装置は、モールド250を剥離することに起因する模様が表面に形成されていない非磁性基板210を用いて得られた図1に示す高品質な磁気記録媒体300を備えたものであるので、高品質なものとなる。
「実験例1」
非磁性基板210と、非磁性基板210よりも外形が大きいモールド250とを一体化させたものを用意し、図18に示すモールドの剥離装置を用い、以下に示す方法により、モールド250を非磁性基板210から剥離させた。
すなわち、非磁性基板210と一体化された非磁性基板210よりも外形が大きいモールド250を、載置枠251上に非磁性基板210を載置枠251側に向けて配置し、開口部251cの中心と非磁性基板210の中心とを平面視で一致させ、モールド250の非磁性基板210と反対側にモールドの中心部を押圧するモールド保持部52dを配置し、モールド保持部52dと載置枠251とを相対移動させることによって、モールド250の中心部を開口部251c内に押し込ませてモールド250を反らせ、モールド250を非磁性基板210から剥離させた。
「実験例2」
実験例1と同様に、非磁性基板210と、非磁性基板210よりも外形が大きいモールド250とを一体化させたものを用意し、非磁性基板210とモールド250との間に、非磁性基板210の上下左右の縁部から中心に向かって爪を差し込むことにより、モールド250を非磁性基板210から剥離させた。
実験例1および実験例2を行った後、モールド250の剥離された非磁性基板210の表面を観察した。その結果を図25に示す。
図25(a)は、実験例1の方法によりモールドを剥離した非磁性基板の表面の写真であり、図25(b)は、実験例2の方法によりモールドを剥離した非磁性基板の表面の写真である。
図25(a)に示すように、実験例1の方法によりモールドを剥離した非磁性基板の表面には模様が形成されていない。
これに対し、図25(b)に示すように、実験例2の方法によりモールドを剥離した非磁性基板の表面には、図25(b)において矢印で示されるように、上下左右の4方向の縁部から中心に向かって円弧状の模様が形成されていた。
10,10a…積層体、11,12…基体、13…硬化性樹脂材料の層、14…流動抑止体、20…マスターモールド、30…レプリカモールド、52a…基部、52b…上下移動手段、52c…腕部、52d…モールド保持部(押圧部材)、100…レプリカモールド作製装置、110…上型セット、111…第1の取付盤、111a,111b…透孔、112…カッターセット部材、114…外周カッター部、115…内周カッター部、116…カッター部材、117…外周カッター刃、117a…切刃面、117b…外側刃面、118…内周カッター刃、118a…切刃面、118b…凹部、120…下型セット、121…第2の取付盤、130…放射線源サポート機構、140…照射装置、150 サポート部材、160…透放射線押圧基盤、170…内側摺動サポート部材(摺動サポート部材)、171…凹部、180…外側摺動サポート部材(摺動サポート部材)、190…受け台、191…弾性部材、210…非磁性基板(基板)、220…磁性層、230…マスク層、240…レジスト膜、250…モールド、251…載置枠、251c…開口部、、252…搬送手段、252c…被接触面、253…基板保持部材、260…ミリングイオン、290…保護膜、300…磁気記録媒体、400…媒体駆動部、500…磁気ヘッド、600…ヘッド駆動部、700…記録再生信号系、A…中心。

Claims (13)

  1. 平面視円形状の基板の少なくとも片面に磁性層を形成する磁性層形成工程と、
    前記磁性層の表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
    モールドの凹凸パターンを前記レジスト膜に転写する転写工程と、
    前記レジスト膜に転写された前記凹凸パターンを用いて前記磁性層に磁気記録パターンを形成することにより、磁気的に分離した磁気記録パターンを形成する磁気記録パターン形成工程とを有し、
    前記転写工程は、前記モールドとして前記基板よりも外形が大きいものを用い、平面視で前記基板を前記モールドの内側に配置して、前記モールドを前記レジスト膜に押圧する押圧工程と、
    前記押圧工程を行うことにより前記基板と一体化された前記モールドを、前記モールドの外形よりも小さく前記基板よりも大きい平面視円形状の開口部を有する載置枠に接して、前記基板を前記載置枠側に向けて配置し、前記開口部の中心と前記基板の中心とを平面視でほぼ一致させ、前記モールドの前記基板と反対側に前記モールドの中心部を押圧する押圧部材を配置する設置工程と、
    前記押圧部材と前記載置枠とを相対移動させることによって、前記モールドの中心部を前記開口部内に押し込ませて前記モールドを反らせ、前記モールドを前記基板から剥離させる剥離工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記モールドが樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記モールドとして平面視円形状のものを用い、
    前記押圧工程において、前記モールドの中心と前記基板の中心とが平面視で一致するように配置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記押圧部材として、前記載置枠の開口部よりも外形が小さい平面視円形状のものを用い、前記設置工程において、前記載置枠の開口部と前記押圧部材の中心とを平面視で一致させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記剥離工程において、前記押圧部材によって前記モールドを前記基板方向に押圧させると同時に、前記押圧部材による前記モールドの押圧に連動して前記モールドの押圧方向に前記基板を移動させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記磁性層形成工程は、前記基板の一方の面および他方の面に前記磁性層を形成する工程であり、
    前記レジスト膜形成工程は、前記基板の一方の面および他方の面の前記磁性層の表面にレジスト膜を形成する工程であり、
    前記押圧工程は、前記モールドとして第1モールドと、外形が前記第1モールドよりも小さい第2モールドとを用い、平面視で前記基板を前記第1モールドの内側に配置して、前記第1モールドを前記基板の一方の面の前記レジスト膜に押圧するとともに、平面視で前記第2モールドを前記第1モールドの内側かつ前記基板の外側に配置して、前記第2モールドを前記基板の他方の面の前記レジスト膜に押圧する工程であり、
    前記設置工程および剥離工程は、前記押圧工程を行うことにより前記基板と一体化された前記第1モールドおよび前記第2モールドを、前記第1モールドの外形よりも小さく前記第2モールドよりも大きい平面視円形状の開口部を有する第1載置枠に接して、前記第2モールドを前記第1載置枠側に向けて配置し、前記第1載置枠の開口部の中心と前記基板の中心とを平面視でほぼ一致させ、前記第1モールドの前記基板と反対側に前記第1モールドの中心部を押圧する第1押圧部材を配置する第1設置工程と、
    前記第1押圧部材と前記第1載置枠とを相対移動させることによって、前記第1モールドの中心部を前記第1載置枠の開口部内に押し込ませて前記第1モールドを反らせ、前記第1モールドを前記基板から剥離させる第1剥離工程と、
    前記基板と一体化された前記第2モールドを、前記第2モールドの外形よりも小さく前記基板よりも大きい平面視円形状の開口部を有する第2載置枠に接して、前記基板を前記第2載置枠側に向けて配置し、前記第2載置枠の開口部の中心と前記基板の中心とを平面視でほぼ一致させ、前記第2モールドの前記基板と反対側に前記第2モールドの中心部を押圧する第2押圧部材を配置する第2設置工程と、
    前記第2押圧部材と前記第2載置枠とを相対移動させることによって、前記第2モールドの中心部を前記第2載置枠の開口部内に押し込ませて前記第2モールドを反らせ、前記第2モールドを前記基板から剥離させる第2剥離工程とを含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 平面視円形状の基板の片面上に形成されたレジスト膜に、前記基板よりも外形が大きいモールドの凹凸パターンを押圧することにより、前記基板と一体化された前記モールドを前記基板から剥離するためのモールドの剥離装置であり、
    前記モールドの外形よりも小さく前記基板よりも大きい平面視円形状の開口部を有する載置枠と、
    前記基板と一体化された前記モールドを、前記基板を前記載置枠側に向けて前記載置枠に接して配置し、前記開口部の中心と前記基板の中心とを平面視でほぼ一致させる搬送手段と、
    前記モールドの前記基板と反対側に配置され、前記モールドの中心部を押圧する押圧部材とを備え、
    前記押圧部材と前記載置枠とを相対移動させて、前記モールドの中心部を前記開口部内に押し込ませて前記モールドを反らせ、前記モールドを前記基板から剥離させるものであることを特徴とするモールドの剥離装置。
  8. 前記基板と前記レジスト膜との間に磁性層が形成されており、
    前記モールドの凹凸パターンを前記レジスト膜に押圧することにより前記レジスト膜に転写される前記凹凸パターンが、前記磁性層に磁気的に分離した磁気記録パターンを形成するために用いられるものであることを特徴とする請求項7に記載のモールドの剥離装置。
  9. 前記押圧部材が、前記載置枠上に配置された前記モールドを吸着保持するものであることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のモールドの剥離装置。
  10. 前記モールドが、平面視円形状のものであり、
    前記基板と一体化された前記モールドが、前記モールドの中心と前記基板の中心とが平面視で一致するように配置されたものであることを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載のモールドの剥離装置。
  11. 前記押圧部材が、前記載置枠の開口部よりも外形が小さい平面視円形状で、中心が前記載置枠の開口部の中心と平面視で一致して配置されているものであることを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれかに記載のモールドの剥離装置。
  12. 前記載置枠上に配置された前記基板を吸着保持し、前記モールドの押圧方向に前記基板を移動可能な基板保持部材を備え、前記押圧部材に前記モールドが前記基板方向に押圧されると同時に、前記押圧部材による前記モールドの押圧に連動して前記基板保持部材によって前記モールドの押圧方向に前記基板が移動されるものであることを特徴とする請求項7〜請求項11のいずれかに記載のモールドの剥離装置。
  13. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする磁気記録再生装置。
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