JP2010282034A - 画像定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通電時間を短くして消費電力を低減することが可能な画像定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】印刷ジョブを受け付けると(S101)、定着装置の加熱制御を開始し(S102)、印刷ジョブに関する情報を取得する(S103)、印刷ジョブが複数枚印刷するものか否かを判定する(S104)。複数枚であれば、温度検出部からの温度情報を取得し、温度降下度の演算を行い、記憶する(S105〜S107)。温度降下度に基づいて通電停止時期を決定する(S109)。また、複数枚でなければ、前回の印刷ジョブで演算された温度降下度を取得し、通電停止時期を決定する(S108〜S109)。通電停止時期が到来すると(S110でYes)、通電停止指示を出力する。電源は、ハロゲンランプへの通電を停止し(S111)、加熱制御部による加熱制御が終了する(S112)。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像定着装置及び画像形成装置に関するものである。
例えば、特許文献1は、記録開始指令があったときの定着ローラの温度をサーミスタにより検知し、マイコンを含む駆動制御回路が、記録材が定着ローラ位置に搬送される直前に定着ローラの温度が定温度に達するように、検知した温度に基づいてヒータへの通電タイミングを制御する技術を開示している。
特開平10−288935号公報
ここで、定着装置への通電時間を短縮することができれば、定着装置の消費電力を低減することが可能になる。
本発明は、通電時間を短くして消費電力を低減することが可能な画像定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、通電により発熱する発熱源と、前記発熱源により加熱される加熱部材と、前記加熱部材に対峙して設けられ、用紙に転写されたトナー像を当該加熱部材と共に用紙に定着する加圧部材と、定着指示を受けると定着が終了するまでの間、前記加熱部材の表面温度が予め定められた温度を下回らないように前記発熱源への通電を入り切りして加熱制御する加熱制御手段と、前記定着指示を受けて前記加熱制御手段による加熱制御で前記発熱源への通電が切られることに伴って前記表面温度が降下する度合いである温度降下度を取得する取得手段と、前記取得手段により取得される前記温度降下度を用いて、前記定着指示による定着が終了する際の前記発熱源への通電を停止する通電停止時期を決定する決定手段と、を含む画像定着装置である。
請求項2に記載の発明は、前記決定手段は、前記予め定められた温度よりも低い温度である定着保証最低温度を前記定着が終了する際に前記表面温度が下回らないように前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像定着装置である。
請求項3に記載の発明は、前記決定手段は、印刷指示に係る用紙の画像領域を特定する情報を前記温度降下度と共に用いて前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記取得手段は、前記定着指示による前記温度降下度を複数取得し、取得した複数の当該温度降下度の平均値を用いて前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像定着装置である。
請求項5に記載の発明は、前記取得手段により取得される前記温度降下度を記憶する記憶手段をさらに含み、前記決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前回の印刷指示における前記温度降下度を用いて前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像定着装置である。
請求項6に記載の発明は、像保持体と、前記像保持体に保持されたトナー像を記録媒体に対して転写せしめる転写装置と、前記転写装置により転写されたトナー像を記録媒体に定着する定着装置と、を含み、前記定着装置は、通電により発熱する発熱源と、前記発熱源により加熱される加熱部材と、前記加熱部材に対峙して設けられ、用紙に転写されたトナー像を当該加熱部材と共に用紙に定着する加圧部材と、定着指示を受けると定着が終了するまでの間、前記加熱部材の表面温度が予め定められた温度を下回らないように前記発熱源への通電を入り切りして加熱制御する加熱制御手段と、前記定着指示を受けて前記加熱制御手段による加熱制御で前記発熱源への通電が切られることに伴って前記表面温度が降下する度合いである温度降下度を取得する取得手段と、前記取得手段により取得される前記温度降下度を用いて、前記定着指示による定着が終了する際の前記発熱源への通電を停止する通電停止時期を決定する決定手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記決定手段は、前記予め定められた温度よりも低い温度である定着保証最低温度を前記定着が終了する際に前記表面温度が下回らないように前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記決定手段は、印刷指示に係る用紙の画像領域を特定する情報を前記温度降下度と共に用いて前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項6または7に記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記取得手段は、前記定着指示による前記温度降下度を複数取得し、取得した複数の当該温度降下度の平均値を用いて前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記取得手段により取得される前記温度降下度を記憶する記憶手段をさらに含み、前記決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前回の印刷指示における前記温度降下度を用いて前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項1によれば、本発明を採用しない場合に比べて、通電時間を短くして消費電力を低減することが可能になる。
請求項2によれば、定着終了時の表面温度を低くすることにより、本発明を採用しない場合に比べて消費電力を低減することが可能になる。
請求項3によれば、通電停止時期をさらに早めることによって、本発明を採用しない場合に比べて一層の消費電力の低減が可能になる。
請求項4によれば、本発明を採用しない場合に比べて通電停止時期の決定についての精度を高めることが可能になる。
請求項5によれば、今回の印刷指示での温度降下度を取得できない場合にも対応することが可能になる。
請求項6によれば、本発明を採用しない場合に比べて、定着装置への通電時間を短くして定着についての消費電力を低減することが可能になる。
請求項7によれば、定着終了時の表面温度を低くすることにより、本発明を採用しない場合に比べて消費電力を低減することが可能になる。
請求項8によれば、通電停止時期をさらに早めることによって、本発明を採用しない場合に比べて一層の消費電力の低減が可能になる。
請求項9によれば、本発明を採用しない場合に比べて通電停止時期の決定についての精度を高めることが可能になる。
請求項10によれば、今回の印刷指示での温度降下度を取得できない場合にも対応することが可能になる。
本実施の形態に係る定着装置を有する画像形成装置の概略構成図である。 定着装置の概略構成図である。 制御部の構成を説明するブロック図である。 制御部による定着装置の制御についての処理手順を示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係る加熱制御による加熱ロールの表面温度の変化の一例を示すグラフである。 第2の実施の形態に係る加熱制御による加熱ロールの表面温度の変化の一例を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る定着装置を有する画像形成装置の概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、所謂タンデム型の画像形成装置であって、例えば電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)と、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させる無端状の中間転写ベルト(トナー像の保持体)15と、中間転写ベルト15上に転写された重ね画像を転写材としての用紙に一括転写(二次転写)させる二次転写装置(転写装置)20と、二次転写された画像を用紙上に定着させる定着装置(画像定着装置ないし定着器)51と、を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
本実施の形態において、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、矢印A方向に回転する感光体ドラム(像保持体)11Y,11M,11C,11Kの周囲に電子写真用デバイスが配設されている。すなわち、これらの感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kが帯電される帯電器12と、感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上に静電潜像が書込まれるレーザ露光器13(図1において露光ビームを符号Bmで示す)と、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置14と、が配設されている。また、感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16と、感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17と、が配設されている。これらの画像形成ユニット10は、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y色)、マゼンタ(M色)、シアン(C色)、黒(K色)の順に配置されている。
また、中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の導電剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトである。この中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示す矢印B方向に予め定められた速度で循環駆動(回転駆動)可能に構成されている。この各種ロールとして、図示しないモータにより駆動されて中間転写ベルト15を回転駆動させる駆動ロール31と、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する機能を備えたテンションロール32と、を有する。他の各種ロールとして、中間転写ベルト15を支持し、一定の張力を与える従動ロール33と、二次転写する部分に設けられたバックアップロール(支持ロール)22と、を有している。
各感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kに対向して設けられた中間転写モジュール18において、略直線状に延びる中間転写ベルト15の内側に設けられる各一次転写ロール16には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重ねトナー像が形成されるようになっている。
二次転写装置20は、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール21と、その対向ロールとしてのバックアップロール22と、を備えている。すなわち、二次転写ロール21は、中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール22に圧接配置されている。このように構成された二次転写装置20によって、中間転写ベルト15上に多重転写された可視像が、後述する用紙トレイ35から搬送された用紙に転写される。
バックアップロール22の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングするベルトクリーナ34が設けられている。
二次転写位置の上流側には、用紙を収容する用紙トレイ35が設けられ、また、二次転写位置の下流側には定着装置51が設けられている。そして、用紙トレイ35に集積された用紙は、予め定められたタイミングで取り出されて二次転写装置20による二次転写位置へ搬送されて二次転写された後に、定着装置51と搬送される。
ここで、定着装置51は、加熱ロール(加熱部材)52と、加熱ロール52に内蔵されるハロゲンランプ(発熱源、加熱源)53と、加熱ロール52に対向配置される加圧ロール(加圧部材)54と、を備えている。詳細は後述する。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図1に示す画像形成装置に入力される。画像形成装置では、図示しない画像処理装置にて画像処理が施された後、画像形成ユニット10等によって作像作業が実行される。画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの各々の感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kに照射している。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kでは、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにて、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kと中間転写ベルト15とが接触する一次転写部にて、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部において、一次転写ロール16にて中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性と逆極性の電圧が付加され、未定着トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせられて一次転写が行われる。このようにして一次転写された未定着トナー像は、中間転写ベルト15の回転に伴って二次転写装置20に搬送される。
二次転写装置20では、用紙への二次転写のタイミングに合わせ、中間転写ベルト15が間に挟まれた状態にて二次転写ロール21がバックアップロール22に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙は、中間転写ベルト15と二次転写ロール21との間に挟み込まれる。そして、二次転写ロール21に対向電極として転写電界が形成され、二次転写ロール21とバックアップロール22とによって押圧される二次転写位置にて、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像が用紙に静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙は、二次転写ロール21によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送される。そして、定着装置51における最適な搬送速度に合わせて速度が変えられて、用紙が定着装置51まで搬送される。用紙上の未定着トナー像は、定着装置51によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙上に定着される。定着画像が形成された用紙は、排出ロール(図示せず)によって装置の外部に排出される。
一方、用紙への転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転駆動に伴ってクリーニング部まで搬送され、ベルトクリーナ34によって中間転写ベルト15上から除去される。
図2は、定着装置51の概略構成図であり、定着装置51を構成する加熱ロール52、ハロゲンランプ53及び加圧ロール54の横断面図である。
同図に示すように、定着装置51の加熱ロール52は、鉄やアルミニウム等のコア層(基材)52rと、このコア層52rを覆うシリコンゴム等の弾性層52cと、コア層52rの中心部に設けられた加熱用のハロゲンランプ(熱源)53と、を備えている。また、加圧ロール54は、コア層54rと、このコア層54rを覆う弾性層54cと、を備えている。
なお、加熱ロール52の弾性層52cを図示しない離型層が更に覆うように構成することができ、また、加圧ロール54の弾性層54cを図示しない離型層が更に覆うように構成することができる。また、加熱ロール52は、弾性層52cを有するいわゆるソフトロールであるが、弾性層52cを有しないいわゆるハードロールで構成することも考えられる。また、加圧ロール54にも、加熱ロール52が備えているハロゲンランプ53を設けることも考えられる。
定着装置51は、ハロゲンランプ53に電力を供給する電源55と、加熱ロール52の表面温度を検知する温度検出部56と、を備えている。温度検出部56は、検出した温度を制御部40に出力する。そして、制御部40は、印刷ジョブ(印刷指示または定着指示)が受け付けられると、温度検出部56による検出結果に応じ、加熱ロール52の表面温度が予め定められた温度範囲(図5に示す温度Txから温度Tyまでの間)内に維持されるように制御する。この温度範囲は、用紙上の未定着トナーが溶融する温度である。
制御部40は、電源55に対してハロゲンランプ53への給電の有無についての指示を行う。より具体的には、制御部40は、加熱ロール52の表面温度が低下して温度Tx(図5参照)になると、電源55にハロゲンランプ53への電力供給を行うことを指示し、また、加熱ロール52の表面温度が上昇して温度Ty(図5参照)になると、電源55にハロゲンランプ53への電力供給を中断することを指示する。電源55は、制御部40からの指示に従ってハロゲンランプ53に電力を供給し、また、供給電力を遮断する。ハロゲンランプ53は、電源55からの給電を受けると加熱を行いし、給電が中止されると加熱を行わない。
このように構成された加熱ロール52及び加圧ロール54は、次のような作用を有する。すなわち、搬送されてきた用紙は、加圧ロール54により加熱ロール52に、例えば0.1〜0.8MPaの圧力で押圧される。そして、用紙の表面側に保持されているトナー像のトナー樹脂が加熱溶融され、用紙に定着される。なお、本実施の形態では、加熱ロール52及び加圧ロール54を用いて定着装置51を構成しているが、他の構成、例えばロールにベルトを張架した構成を採用することも可能である。
図3は、制御部40の構成を説明するブロック図である。
同図に示すように、制御部40は、温度情報取得部41、ジョブ情報取得部42、演算部43、記憶手段の一例としての記憶部44、加熱制御手段の一例としての加熱制御部45、取得手段および決定手段の一例としての通電停止時期制御部46、および指示出力部47を含んで構成されている。なお、これら演算部43、加熱制御部45および通電停止時期制御部46は、例えばCPUにより構成することができ、また、記憶部44は、例えばメモリにより構成することができる。また、温度情報取得部41、ジョブ情報取得部42および指示出力部47は、例えばCPUおよび入出力ポートにより構成することができる。
さらに説明すると、温度情報取得部41は、温度検出部56の検出結果である温度情報を温度検出部56から取得する。また、ジョブ情報取得部42は、印刷ジョブに関する情報を取得する。ここにいう印刷ジョブに関する情報としては、例えば、印刷する枚数の情報や印刷する画像の情報等である。
演算部43は、予め定められた演算を行う。記憶部44は、演算部43の演算に用いる演算式を記憶し、また、演算部43の演算結果およびジョブ情報取得部42により取得される情報などを記憶する。記憶部44は、演算部43等からの要求に応じて、記憶している情報を読み出して要求元にその情報を受け渡す。
加熱制御部45は、画像形成装置が印刷ジョブを受け付けると加熱ロール52の表面温度が予め定められた温度範囲になるように、温度検出部56の検出結果を用いて、電源55からハロゲンランプ53への給電を制御する。
通電停止時期制御部46は、加熱制御部45による加熱制御がされている場合に、演算部43による演算結果ないし記憶部44に記憶されている情報を用いて、印刷ジョブが終了するときのハロゲンランプ53の通電を停止させる時期を制御する。
指示出力部47は、加熱制御部45による制御指示を出力し、また、通電停止時期制御部46による制御指示を電源55に出力する。
図4は、制御部40による定着装置51の制御についての処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すフローチャートでは、画像形成装置が印刷ジョブを受け付けると(ステップ101)、制御部40は定着装置51の加熱制御を開始する(ステップ102)。すなわち、加熱制御部45は、電源55に対してハロゲンランプ53への電源供給の指示を指示出力部47を介して出力する。そして、加熱制御部45は、温度検出部56からの温度情報に基づいて加熱ロール52の表面温度が予め定められた温度範囲になるように温度制御を行う。なお、1枚目の用紙が定着装置51に入ってくるまでには、加熱ロール52の表面温度が予め定められた温度(図5に示す温度Tx)に達するように制御される。
その後、制御部40のジョブ情報取得部42は、印刷ジョブに関する情報を取得する(ステップ103)。そして、制御部40の通電停止時期制御部46は、受け付けられた印刷ジョブにより複数枚が印刷されるか否かを判定する(ステップ104)。なお、ここにいう印刷ジョブに関する情報としては、例えば印刷する枚数の情報等である。
通電停止時期制御部46は、複数枚の印刷であると判定すると(ステップ104でYes)、温度情報取得部41により温度検出部56からの温度情報を取得し(ステップ105)、演算部43により温度降下度の演算を行う(ステップ106)。電源55からハロゲンランプ53への給電がされていない場合には、用紙の定着に熱量が使用されることから、加熱ロール52の表面温度が降下する。演算部43は、このような表面温度の降下の単位時間当たりの度合いである温度降下度を演算し、記憶部44は、演算部43により演算された温度降下度を記憶する(ステップ107)。
ここで、ハロゲンランプ53への給電中止に伴う単位時間当たりの温度降下量はほぼ同一の値であると考えることができ、したがって、温度降下時の加熱ロール52の表面温度は、直線的(一次関数的)に変化するものと考えることができる。なお、測定時間を短くしてより多くのデータを取得して通電停止制御の精度をより高めることも考えられる。
そして、通電停止時期制御部46は、演算部43による演算結果に基づいて印刷ジョブ終了の際においてハロゲンランプ53への通電を停止する時期である通電停止時期を決定する(ステップ109)。
より具体的には、通電停止時期制御部46は、実行中の印刷ジョブにおける温度降下度を記憶部44から読み出す。そして、読み出した温度降下度が単数であればその値を用いることで実行中の印刷ジョブにおける通電停止時期を決定し、また、読み出した温度降下度が複数であればその平均を演算部43に演算させて得た平均値を用いることで通電停止時期を決定する。
その一方で、通電停止時期制御部46は、複数枚の印刷ではないと判定すると(ステップ104でNo)、前回の印刷ジョブで演算された温度降下度を記憶部44から読み出すことで取得する(ステップ108)。すなわち、印刷する用紙が1枚であれば、実行中の印刷ジョブにおける温度降下度を演算しても、実行中の印刷ジョブにおける通電停止時期の決定に間に合わない。したがって、読み出した過去の温度降下度の平均値を演算して得た値を用いることで、通電停止時期制御部46は通電停止時期を決定する(ステップ109)ことになる。
そして、通電停止時期制御部46は、決定した通電停止時期が到来するまで待つ。すなわち、通電停止時期制御部46は、通電停止時期が到来したか否かを判定し(ステップ110)、到来したと判定すると(ステップ110でYes)、指示出力部47を介して電源55に通電停止指示を出力する。これにより、電源55は、ハロゲンランプ53への通電を停止し(ステップ111)、加熱制御部45による加熱制御が終了する(ステップ112)。
後述するように、印刷ジョブが実行中であるにもかかわらず、ハロゲンランプ53への通電が停止される。すなわち、従来の場合よりも早期に加熱制御が終了する。このため、ハロゲンランプ53への通電時間が短縮され、印刷ジョブでのハロゲンランプ53の消費電力量が低減される。
〔第1の実施の形態〕
図5は、第1の実施の形態に係る加熱制御による加熱ロール52の表面温度の変化の一例を示すグラフであり、縦軸が加熱ロール52の表面温度、横軸が経過時間である。
同図に示すように、本実施の形態は、印刷枚数が4枚の場合の一例を示すものであり、印刷する用紙を横軸の下側に並べて図示している。すなわち、用紙が定着されている時間を示すために、用紙を図示している。より具体的には、1枚目の用紙は、時間J1aから時間J1bまでの間に定着装置51を通過して定着されている。同様に、2枚目の用紙は時間J2aから時間J2bまでの間、3枚目の用紙は時間J3aから時間J3bまでの間、4枚目の用紙は時間J4aから時間J4bまでの間、定着されている。
同図に示すように、印刷ジョブの受け付けを契機として、その印刷ジョブが実行されている間は、加熱ロール52の表面温度Tが温度Tx(予め定められた温度の一例)から温度Tyまでの範囲内になるように(Tx<T<Ty)、温度管理される。ここで、温度Txよりも低い温度Tt(Tx>Tt)が、定着保証最低温度であり、実際には、温度Ttよりも高ければ定着装置51により用紙の定着が行われる。したがって、最終ページである4枚目の用紙の定着が定着装置51により完了する際には、温度Txではなく、それよりも低い温度Ttとなるように、通電停止時期制御が決定される。
すなわち、従来の場合には、最終ページの定着が完了する時点である時間J4bまで、加熱ロール52の表面温度が温度Tx以上となるように加熱制御を行っている(同図の破線64参照)。これに対して、本実施の形態では、最終ページの定着が完了する時点である時間J4bまでは加熱ロール52の表面温度が温度Tt以上となるように通電停止時期制御を行うと共に、通電停止時期Jeにて加熱制御を終えている(同図の実線63参照)。より具体的には、最終ページ定着完了時(時間J4b)よりも前の時点である通電停止時期Jeにて通電が停止されるように通電停止時期制御が行われる。このため、本実施の形態の場合には、従来の場合よりもハロゲンランプ53への給電時間が短縮化され、その分の消費電力量を削減することができる。
なお、同図の温度Tbは、印刷ジョブ可能であると共に印刷ジョブを待っている状態であるスタンバイ状態の温度である。
次に、通電停止時期制御について更に説明する。
同図に示すグラフによれば、4枚の用紙を定着するまでの間に3つの温度降下部分が現れている。すなわち、第1の温度降下部分61、第2の温度降下部分62および第3の温度降下部分63である。そして、同図に示す場合には、第1の温度降下部分61の温度降下度α1および第2の温度降下部分62の温度降下度α2の演算(図4のステップ106参照)を行う。そして、これら温度降下度α1および温度降下度α1を用いて平均値αを演算し、この平均値αに基づいて通電停止時期Jeの決定(同図のステップ109参照)を行う。こうして、第3の温度降下部分63についての通電停止時期制御(同図のステップ110およびステップ111参照)を行う。
なお、ここにいう温度降下度α1を第1の温度降下部分61の傾きということもでき、温度降下度α2を第2の温度降下部分62の傾きであるということもできる。
より具体的に説明する。第1の温度降下部分61では温度降下度α1であり、第2の温度降下部分62では温度降下度α2であるとすると、その平均値αは、(α1+α2)/2となる。また、用紙1枚が定着装置51を通過するのに時間Sを要するとすると、現時点の温度Tであれば、T−Tt>S×αという条件式を満たす時が通電停止時期Jeとなる。
このように、定着装置51の下がる傾きを、最終ページを印刷する前に把握し、最終ページの最後の定着必要部分(絵や文字の最後尾)が定着装置51を通りすぎるタイミングと定着温度(加熱ロール52の表面温度T)が定着保証最低温度Ttとなるタイミングとを合わせている。
ここで、印刷ジョブについて1枚目の印刷を実行する際に、定着装置51周辺温度が上がりきっていない場合や、温度降下度にばらつきが生じる場合がある。そのような場合には、図5に示す第1の温度降下部分61についての温度降下度α1を通電停止時期制御に用いないという制御も考えられる。
さらに説明すると、同図に示す例では、第2の温度降下部分62の温度降下度α2のみを用いて通電停止時期制御を行うことや、前回の印刷ジョブで演算された温度降下度を用いて今回の印刷ジョブの通電停止時期制御を行うことが考えられる。
〔第2の実施の形態〕
図6は、第2の実施の形態に係る加熱制御による加熱ロール52の表面温度の変化の一例を示すグラフであり、縦軸が加熱ロール52の表面温度、横軸が経過時間である。なお、同図も、図5と同様に、印刷枚数が4枚の場合の例を示している。
同図に示すように、本実施の形態では、最終ページの用紙において定着される画像の位置を考慮して通電停止時期Jeを決定するものである。すなわち、4枚目の用紙搬送方向先頭からどこまで画像があるのかを判断する。そして、例えば用紙長の2/3であれば、Sを2/3とした値S'(S'=S×2/3)を用いて、上記条件式を算出する。すなわち、T−Tt>S'×αという条件式を用いて算出する。
本実施の形態では、第1の実施の形態の場合と同様に、第1の温度降下部分61の温度降下度がα1であり、第2の温度降下部分62の温度降下度がα2であるときである。しかしながら、本実施の形態では、第3の温度降下部分65(同図の実線参照)が第1の実施の形態の場合(同図の破線参照)とは異なる。すなわち、本実施の形態の通電停止時期Jeは、第1の実施の形態の場合よりも早まる。このため、本実施の形態では、第1の実施の形態の場合(同図の破線63参照)よりも更にハロゲンランプ53への給電時間が短縮化され、その分の消費電力量を削減することができる。
40…制御部、41…温度情報取得部、42…ジョブ情報取得部、43…演算部、44…記憶部、45…加熱制御部、46…通電停止時期制御部、47…指示出力部、51…定着装置、52…加熱ロール、53…ハロゲンランプ、54…加圧ロール、55…電源、56…温度検出部

Claims (10)

  1. 通電により発熱する発熱源と、
    前記発熱源により加熱される加熱部材と、
    前記加熱部材に対峙して設けられ、用紙に転写されたトナー像を当該加熱部材と共に用紙に定着する加圧部材と、
    定着指示を受けると定着が終了するまでの間、前記加熱部材の表面温度が予め定められた温度を下回らないように前記発熱源への通電を入り切りして加熱制御する加熱制御手段と、
    前記定着指示を受けて前記加熱制御手段による加熱制御で前記発熱源への通電が切られることに伴って前記表面温度が降下する度合いである温度降下度を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得される前記温度降下度を用いて、前記定着指示による定着が終了する際の前記発熱源への通電を停止する通電停止時期を決定する決定手段と、
    を含む画像定着装置。
  2. 前記決定手段は、前記予め定められた温度よりも低い温度である定着保証最低温度を前記定着が終了する際に前記表面温度が下回らないように前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像定着装置。
  3. 前記決定手段は、印刷指示に係る用紙の画像領域を特定する情報を前記温度降下度と共に用いて前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像定着装置。
  4. 前記取得手段は、前記定着指示による前記温度降下度を複数取得し、取得した複数の当該温度降下度の平均値を用いて前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像定着装置。
  5. 前記取得手段により取得される前記温度降下度を記憶する記憶手段をさらに含み、
    前記決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前回の印刷指示における前記温度降下度を用いて前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像定着装置。
  6. 像保持体と、
    前記像保持体に保持されたトナー像を記録媒体に対して転写せしめる転写装置と、
    前記転写装置により転写されたトナー像を記録媒体に定着する定着装置と、
    を含み、
    前記定着装置は、
    通電により発熱する発熱源と、
    前記発熱源により加熱される加熱部材と、
    前記加熱部材に対峙して設けられ、用紙に転写されたトナー像を当該加熱部材と共に用紙に定着する加圧部材と、
    定着指示を受けると定着が終了するまでの間、前記加熱部材の表面温度が予め定められた温度を下回らないように前記発熱源への通電を入り切りして加熱制御する加熱制御手段と、
    前記定着指示を受けて前記加熱制御手段による加熱制御で前記発熱源への通電が切られることに伴って前記表面温度が降下する度合いである温度降下度を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得される前記温度降下度を用いて、前記定着指示による定着が終了する際の前記発熱源への通電を停止する通電停止時期を決定する決定手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記決定手段は、前記予め定められた温度よりも低い温度である定着保証最低温度を前記定着が終了する際に前記表面温度が下回らないように前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記決定手段は、印刷指示に係る用紙の画像領域を特定する情報を前記温度降下度と共に用いて前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項6または7に記載の画像形成装置。
  9. 前記取得手段は、前記定着指示による前記温度降下度を複数取得し、取得した複数の当該温度降下度の平均値を用いて前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記取得手段により取得される前記温度降下度を記憶する記憶手段をさらに含み、
    前記決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前回の印刷指示における前記温度降下度を用いて前記通電停止時期を決定することを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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