JP2010281996A - 走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 偏向手段で偏向された光束の偏光方向にズレが発生した場合においても、被走査面上の照度分布(光量分布)をムラが少なく、高品質な画像を形成することのできる走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置を得ること。
【解決手段】 光源手段から出射した光束を偏向手段に導光する入射光学系と、偏向手段で偏向走査された光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、偏向手段と被走査面との間の光路中に配置された、少なくとも2枚の光路変更素子を有する光路変更手段と、を有し、少なくとも2枚の光路変更素子の中で、反射率が最も低い光路変更素子は画像形成に使用する全ての領域で反射率が70%以下であり、偏向手段により偏向走査された光束の中で、結像光学系の中心軸を含む光束を軸上光束とするとき、反射率が最も低い光路変更素子には、少なくとも2枚の光路変更素子の中で、軸上光束が最も小さい角度で入射していること。
【選択図】 図1

Description

本発明は走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、電子写真プロセスを有するレーザービームプリンタやデジタル複写機やマルチファンクションプリンタ(多機能プリンタ)等の画像形成装置に好適なものである。
従来よりレーザービームプリンタ(LBP)やデジタル複写機やマルチファンクションプリンタ等の画像形成装置には走査光学装置が用いられている。この走査光学装置においては、画像信号に応じて光源手段から光変調され出射した光束(光ビーム)を、例えば回転多面鏡(ポリゴンミラー)よりなる偏向器により周期的に偏向させている。そして偏向された光束を、fθ特性を有する結像光学系(結像レンズ系)によって感光性の記録媒体(感光ドラム)面上にスポット状に集束させ、その面上を光走査して画像記録を行っている。
また、上記の走査光学装置においては感光ドラム面上を光スポットで走査する前に前記感光ドラム面上における画像形成を開始するタイミングを調整するために、光検出器としての同期検出用センサ−が設けられている。
また、走査光学装置では、印字速度の高速化のため、複数の光束を出射する光源手段が使用されることがある。このとき、各光束の偏光方向が不揃いであると、被走査面に到達するまでに通過、反射する光学素子に対してのP偏光、S偏光の成分の割合(偏光成分比)が各光束間で異なってしまう。この結果、被走査面における光量が各光束間で異なってしまう。この問題点を解決する走査光学装置が従来より種々と提案されている(特許文献1、2参照)。
これら特許文献1、2では、光束が通過、反射する光学素子について、P偏光反射率とS偏光反射率を同一にすることで、偏光成分比が設計値に対して変化した場合にも、被走査面上での光量ムラを小さく抑えている。
また、走査光学装置を用いた撮像装置には、処理速度を高めるため、高感度の感光ドラムを使用する場合がある。このときに、高感度の感光ドラムに対応する形で、レーザダイオード(LD)から出射するレーザ光のパワーを下げると、レーザダイオードの発光が不安定な駆動電流の領域で使用する恐れがある。この問題点を解決する走査光学装置が従来より種々と提案されている(特許文献3参照)。
特許文献3では、光源手段から被走査面までの光路中に光量低減手段を配置することで、レーザダイオードの駆動電流を安定した領域で使用したまま、被走査面上での光量を落とし、高感度ドラムの使用に対応させている。
特開2001−337285号公報 特開2005−315997号公報 特開平10−78556号公報
上記特許文献2の走査光学装置では、被走査面上での光量ムラを抑えるために以下の方法が採られている。つまり、偏向手段と被走査面の間に存在する透過部材のフレネル反射成分と、偏向手段と被走査面の間に存在する反射部材の反射膜特性の両者を加味して、被走査面上での照度分布が任意の像高で均一になるよう設計している。
また、偏向手段の偏向面に入射させる光束を副走査方向に斜めに入射させ(斜入射方式)コンパクト化を図った走査光学装置が知られている。この斜入射方式を用いた走査光学装置では、偏向手段の偏向面から偏向反射された後の光束が副走査方向に角度を持って進む。その結果、偏向手段と被走査面との間に存在する結像レンズ上では、結像レンズの有効部の高さ方向で中心部ではない領域を光束が通過する。
このように結像レンズの有効部の高さ方向で中心部ではない領域を光束が通過する際には、結像レンズ内の残留応力に起因した複屈折の影響を受けるため、中心部領域を通過する場合に比べて、光束の偏光方向が変化する。その結果、結像レンズ以降の光学部材で透過、反射する際のP偏光成分とS偏光成分の割合が変化することとなり、結果的に被走査面上での照度分布が、結像レンズの複屈折を考慮していなかった場合に比べて、変化してしまう。
以上のことから、偏向手段と被走査面との間に存在する、透過部材のフレネル反射成分と、反射部材の反射膜特性の両者に加えて、透過部材の複屈折による偏光方向の影響まで考慮した上で、被走査面上での照度分布が均一になるよう設計する必要がある。
本発明は偏向手段で偏向走査された光束の偏光方向にズレが発生した場合においても、被走査面上の照度分布(光量分布)をムラが少なく、高品質な画像を形成することができる走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置の提供を目的とする。
本発明の走査光学装置は、光源手段と、前記光源手段から出射した光束を偏向手段に導光する入射光学系と、前記偏向手段で偏向走査された光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、前記偏向手段と前記被走査面との間の光路中に配置された、少なくとも2枚の光路変更素子を有する光路変更手段と、を有する走査光学装置において、前記少なくとも2枚の光路変更素子の中で、反射率が最も低い光路変更素子は画像形成に使用する全ての領域で反射率が70%以下であり、前記偏向手段により偏向走査された光束の中で、前記結像光学系の中心軸を含む光束を軸上光束とするとき、前記反射率が最も低い光路変更素子には、前記少なくとも2枚の光路変更素子の中で、軸上光束が最も小さい角度で入射していることを特徴としている。
本発明によれば偏向手段で偏向走査された光束の偏光方向にズレが発生した場合においても、被走査面上の照度分布(光量分布)をムラが少なく、高品質な画像を形成することができる走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置を達成することができる。
本発明の実施例1における主走査断面図 本発明の実施例1における副走査断面図 本発明の実施例1における第1の折り返しミラーにおける要部概略図 一般的なP,S偏光反射率特性のグラフ 偏光方向のズレ(回転)を示す説明図 低反射及び高折り返しミラーの反射率特性のグラフ 本発明の実施例1における反射率特性を示すグラフ 本発明の実施例1におけるP,S偏光成分比を示すグラフ 本発明の実施例1における反射率及び像面照度比を示すグラフ 本発明の実施例1における複屈折による偏光方向ずれを示すグラフ 本発明の比較例における反射率特性を示すグラフ 本発明の比較例における反射率及び像面照度比を示すグラフ 本発明の比較例における偏光方向ズレを考慮した後のP,S偏光成分比を示すグラフ 本発明の比較例における偏光方向ズレを考慮した後の像面照度比を示すグラフ 本発明の実施例1における偏光方向ズレを考慮した後のP,S偏光成分比を示すグラフ 本発明の実施例1における偏光方向ズレを考慮した後の像面照度比を示すグラフ 本発明の実施例1における副走査断面図 本発明の実施例2における反射率特性を示すグラフ 本発明の実施例2における反射率及び像面照度比を示すグラフ 本発明の実施例2における偏光方向ズレを考慮した後のP,S偏光成分比を示すグラフ 本発明の実施例2における偏光方向ズレを考慮した後の像面照度比を示すグラフ 本発明を適用できるカラー画像形成装置の実施例を示す副走査方向の要部断面図
本発明の走査光学装置は、光源手段から出射した光束を入射光学系で偏向手段に導光し、偏向手段で偏向走査された光束を結像光学系で被走査面上に結像させている。このとき偏向手段と被走査面との間の光路中に、少なくとも2枚の光路変更素子を有する光路変更手段を配置している。そして少なくとも2枚の光路変更素子の中で、反射率が最も低い光路変更素子は画像形成に使用する全ての領域で反射率が70%以下となるように設定している。偏向手段により偏向走査された光束の中で、結像光学系の中心軸を含む光束を軸上光束とする。このとき、反射率が最も低い光路変更素子には、少なくとも2枚の光路変更素子の中で、軸上光束が最も小さい角度で入射するように設定している。以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例1の走査光学装置の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。図2は図1の走査光学装置の副走査方向の要部断面図(副走査断面図)である。
尚、以下の説明において、副走査方向(Z方向)とは、偏向手段の回転軸と平行な方向である。主走査断面とは、副走査方向(偏向手段の回転軸と平行な方向)を法線とする断面である。主走査方向(Y方向)とは、偏向手段で偏向走査される光束を主走査断面に投射した方向である。副走査断面とは、主走査方向を法線とする断面である。
図中、S1,S2は各々第1、第2の走査ユニット(以下「ステーション」ともいう。)である。本実施例における第1、第2の走査ユニットS1、S2の構成及び光学的作用はほぼ同一のため、以下、図1においては、第1の走査ユニットS1を中心に述べる。そして第2の走査ユニットS2の各部材のうち第1の走査ユニットS1と同じ部材については括弧を付して示す。
第1(第2)の走査ユニットS1(S2)は単一(又は複数)の光束を放射する光源手段(光源)1a(1b)、入射光束の集光状態を変化させて出射する第1の光学素子3a(3b)を有している。更に副走査方向のみ屈折力を有する第2の光学素子4a(4b)、主走査方向の光束幅を制限する開口絞り2a(2b)、偏向手段としての光偏向器(偏向器)5を有している。さらに第1(第2)の走査ユニットS1(S2)は光偏向器5からの光束を各々対応する被走査面8a(8b)にスポットを形成する結像光学系15a(15b)を有している。
本実施例においては第1、第2の走査ユニットS1,S2が同一の光偏向器(偏向手段)5を併用している。又、第1、第2の走査ユニットS1,S2は、該光偏向器5の異なった偏向面5a、5bで偏向走査(反射偏向)した光束を用いている。また、光源手段1a(1b)を構成する光源部は光走査用の光束を放射するもので、半導体レーザや発光ダイオード等から成っている。第1の光学素子3a(3b)は、光源手段1a(1b)からの光束をカップリングして光源手段1a(1b)から放射された光束を平行光束もしくは弱い収束性の光束あるいは弱い発散性の光束に変換している(以下、「コリメータレンズ」と記す。)。第2の光学素子は、第1の光学素子3a(3b)によりカップリングされた光束を、主走査方向に長い線状として光偏向器5の偏向面5a(5b)に集光させる副走査方向のみに屈折させるパワーを持つ(以下、「シリンドリカルレンズ」と記す。)。尚、コリメータレンズ(3a,3b)、シリンドリカルレンズ(4a,4b)等の各要素は入射光学系の一要素を構成している。
光偏向器5は、例えば6面より成る回転多面鏡(ポリゴンミラー)より成り、その外接円の半径が40mmのものを用いている。光偏向器5はモータ等の駆動手段(不図示)により、一定速度で回転される。本実施例においては、第1、第2の走査ユニットS1,S2がこの光偏向器5を併用しており、かつ第1、第2の走査ユニットS1,S2は、該光偏向器5の異なった偏向面5a、5bで偏向走査した光束を用いている。
結像レンズ系(結像光学系)15a(15b)は各々2枚の結像光学素子としての結像レンズ(走査レンズ)6a,7a(6b,7b)より成り、光偏向器5により偏向走査された光束を被走査面8a(8b)上にスポット状に結像させている。また結像レンズ系15a(15b)は副走査断面内において光偏向器5の偏向面又はその近傍と被走査面8a(8b)又はその近傍との間を共役関係にすることにより、偏向面5a(5b)の面倒れ補正機能を有している。結像レンズ6a,7a(6b,7b)は設計自由度の高い非球面形状の面を有するプラスチックレンズで構成されている。
本実施例において、光偏光器5側に位置する結像レンズ6a(6b)の形状は、次式の関数で表される。例えば、結像光学系15a(15b)の光軸La(Lb)をX軸とする。光偏光器5側に位置する結像レンズ6a(6b)と結像光学系15a(15b)の光軸La(Lb)に対して走査開始側と走査終了側での主走査断面内において光軸La(Lb)と直交する方向をY軸とする。又、副走査断面内で光軸La(Lb)と直交する方向をZ軸とする。このとき、結像レンズ6a(6b)の走査開始側の面形状は、

走査終了側の面形状は、

で表される。但し、Rは曲率半径、K,B,B,B,B10は非球面係数、係数のサフィックスsは走査開始側、eは走査終了側を表している。
また、副走査断面内は、結像レンズ6a(6b)の入射面と出射面の両面で曲率を、該結像レンズ6a(6b)の有効部内において、連続的に変化させている。被走査面8a(8b)側に位置する結像レンズ7a(7b)の出射面(R4面)は、結像レンズ系15a(15b)を構成するレンズ面の中で、最も屈折力(パワー:焦点距離の逆数)が大きくなるように構成されている。結像レンズ6a,7a(6b,7b)の副走査断面内の形状は、光軸La(Lb)に対して走査開始側と走査終了側で、光軸をX軸、主走査断面内において光軸と直交する方向をY軸、副走査断面内で光軸と直交する方向をZ軸としたとき、以下の連続関数で表せる。
走査開始側の面形状は、

走査終了側の面形状は、

で表される。但し、r’は副走査方向の曲率半径、D,D,D,D,D10は非球面係数を表している。尚、副走査方向の曲率半径とは主走査方向の形状(母線)に直交する断面における曲率半径のことである。
以下、表1、表2に本実施例における光学パラメータを示す。表2において、E−xは10−xを意味する。
19aは第1の走査ユニットS1の同期検出手段(以下、「同期検出用光学系」とも記す。)である。同期検出用光学系19aは、少なくとも主走査方向に屈折力を有する同期検出用光学素子(以下、「同期検出用レンズ」とも記す。)9aと、同期検出素子(以下、「同期検出用センサ」「BDセンサー」とも記す。)10aを有している。さらに、同期検出用センサ10aの前方に配置したスリット(以下、「同期検出用スリット」とも記す。)11aを有している。さらに、被走査面8a上における有効画像領域外の光束を同期検出用センサ10aに導光する光路変更素子(以下、「同期検出用ミラー」とも記す。)13aを有している。12bは、回路基板であり、光源手段1bと、同期検出用光学系19aの同期検出用センサ10aとを、その回路基板12b上に一体的に取り付けている。
本実施例における同期検出用光学系19aは、同期検出用センサ10aからの信号を用いて第1(第2)の走査ユニットS1(S2)の被走査面8a(8b)への書き出し(同期検出)タイミングを決定(制御)している。同期検出用光学系19aでは、偏向面5aで偏向走査された同期検出用の光束(以下、「同期検出用光束」と記す。)を同期検出用スリット11a面上に結像させる。そして同期検出用光束は光偏向器5の回転に伴って主走査断面内において同期検出用スリット11a上を走査している。又、副走査断面上では偏向面5aと同期検出用スリット11aとが共役関係となるようにして、偏向面5aの面倒れ補償系を構成している。同期検出用スリット11aは端部がナイフエッジ状になっており、同期検出用センサ10a上に入射する光束のタイミングを計ることで画像の書き出し位置を決定している。また同期検出用光束は主走査方向で同期検出用スリット11a面上に結像しているのに対して、副走査方向には同期検出用スリット11a面上では、結像させていない。これにより、同期検出用センサ10aの製造誤差による感度ムラやごみ等の付着物による感度ムラが発生しにくい構成としている。本実施例においては、2つの走査ユニットS1,S2に対して1つの同期検出用センサ10aが存在し、この同期検出用センサによって決定される画像の書き出しタイミングは、走査ユニットS1,S2の双方に用いる。
尚、本実施例では、1つの同期検出用光学系19aで、2つの走査ユニットS1,S2の書き出しタイミングを決定する場合を示したが、これに限らず、2つの同期検出用光学系を用いて、各々2つの走査ユニットS1,S2の書き出しタイミングを決定しても良い。即ち、走査ユニットS1,S2毎に独立に同期検出用光学系を有する構成としてもよい。これによれば、走査ユニットS1,S2毎に独立に同期検出タイミング(同期信号)を検出することで、2つの走査ユニットS1,S2間の相対的な誤差まで検出することができ、より高精度な書き出しタイミングの検出及び制御が行える。
また、2つの走査ユニットS1,S2には、光偏向器5に対して同一方向から2つの光源手段1a(1b)からの光束が入射するように構成されている。尚、本実施例では2つの光源手段1a、1bを用いた場合を示したが、これに限らず、3つ以上の光源手段を用いても良い。
また、光源手段1a(1b)から出射された光束の主光線Lap、Lbpは結像光学系15a(15b)の光軸La(Lb)に対して70°の角度を持って光偏向器5に入射している。尚、光束の主光線とは、開口絞り2a(2b)の中心を通過する光束Lap(Lbp)をいう。
次に本実施例の走査光学装置の動作(光学的作用)について説明する。本実施例において、第1(第2)の走査ユニットS1(S2)において、画像情報に応じて光源手段1a(1b)から光変調され出射した光束は、コリメータレンズ3a(3b)により平行光束もしくは弱い収束性の光束あるいは弱い発散性の光束に変換される。そして変換された光束は、シリンドリカルレンズ4a(4b)に入射する。シリンドリカルレンズ4a(4b)に入射した光束のうち、主走査断面内においては開口絞り2a(2b)を通りそのままの状態で通過する。
一方、副走査断面内においては開口絞り2a(2b)を通り収束して、光偏向器5の偏向面5a(5b)に線像(主走査方向に長手の線像)として結像する。そして光偏向器5の偏向面5a(5b)で偏向走査された光束は結像光学系15a(15b)により感光ドラム面8a(8b)上にスポット状に結像される。そして光偏向器5を矢印A方向に回転させることによって、結像光学系15a(15b)を介した光束で感光ドラム面8a(8b)上を矢印B方向(主走査方向)に等速度で光走査している。これにより、記録媒体である感光ドラム8a(8b)上に画像記録を行っている。
このとき感光ドラム面8a(8b)上を光走査する前に同期検出用光学系19aを用いて該感光ドラム面8a(8b)上の走査開始位置のタイミングを調整する。そのために光偏向器5の偏向面5aで偏向走査される光束の一部(同期検出用光束)を同期検出用ミラー13aで折り返し、同期検出用レンズ9aにより同期検出用センサ10aに導光している。同期検出用光束は被走査面8a(8b)上で結像されたスポットが走査される方向Bに対して「上流側」、つまり画像書き始め側における、画像形成用の光束から外れた部分(画像形成領域外)の光束を用いている。
本実施例においては、第1の走査ユニットS1の光源手段1aから出射された光束が、同期検出用ミラー13aで反射する。そして、光偏向器5に対して対向側に位置する第2の走査ユニットS2側の光源手段1bを配置したレーザ基板12b上に配設された同期検出用センサ10aに導光される。本実施例における同期検出用センサ10aは、上述した如くレーザ基板12b上に光源手段1bと共に一体的に取り付けられている。これにより、本実施例では、回路基板の部品点数を低減し、制御装置への配線をより少なく、小さな面積で製造出来るようにして、全体の小型化を図っている。同期検出用センサ10aとレーザ基板12bの一体取り付けの副次的な、影響として、配線の接続箇所が減り、ノイズの乗りにくい構成となることで、より信頼性を高めることができるメリットも存在する。
次に図2に示した本実施例の走査光学装置の構成を説明する。図2は各走査ユニットS1,S2における光偏向器5の2つの偏向面5a,5bで偏向反射された2つの軸上光束(軸上光線)が各々に対応する被走査面8a,8bに到達するまでの副走査断面図を示したものである。
尚、以下の説明において、軸上光束とは、光偏向器5の偏向面5a,5bにより偏向反射された光束の主光線と、結像光学系15a、15bの光軸La、Lbとの為す角度が0度となるときの光束をいう。また軸外光束(軸外光線)とは、光偏向器5の偏向面5a、5bにより偏向反射された光束の主光線と、結像光学系15a、15bの光軸La、Lbとの為す角度が0度となるときの光束をいう。
本実施例では、各走査ユニットS1,S2において、光偏向器5から被走査面8a、8bに至るまでの光路の中に、光路変更素子としての2枚の折り返しミラー(反射ミラー)16a,17a・16b,17bを有する光路変更手段を配置している。
尚、以下の説明において、各走査ユニットS1,S2における、光偏向器5の偏向面5a、5bから被走査面8a、8bに至る光路に沿った向きで考えて、初めに到達する折り返しミラーを第1の折り返しミラー(第1の光路変更素子)16a、16bとする。また、2回目に到達する折り返しミラーを第2の折り返しミラー(第2の光路変更素子)17a、17bとする。また、折り返しミラー(反射ミラー)を単に「ミラー」とも称す。
本実施例では、各走査ユニットS1,S2において、シリンドリカルレンズ4a、4bを経て光偏向器5に入射する光束は、副走査断面内において光偏向器5の回転中心軸5cに対して垂直な向きで設定されている。その結果、偏向面5a、5bによって偏向反射された直後の光束と光偏向器5の回転中心軸5cとの為す角も90度となる。また、各走査ユニットS1,S2において、折り返しミラーを2枚配置し、光路を折りたたむ構成とすることで、装置全体の小型化を図っている。
各折り返しミラーに対しての軸上光束の入射角(以下、「軸上入射角」と称する。)は、走査ユニットS1における第1の折り返しミラー16aへの軸上入射角θ1aが、
θ1a=7°、
第2の折り返しミラー17aへの軸上入射角θ2aが、
θ2a=42°
である。
一方、走査ユニットS2における第1の折り返しミラー16bへの軸上入射角θ1bは、
θ1b=7°、
第2の折り返しミラー17bへの軸上入射角θ2bは、
θ2b=62°
である。
このように各走査ユニットS1,S2における第2の折り返しミラー17a、17bの軸上入射角を異ならせることで、光偏向器5の座面から被走査面8a、8bまでの高さH(H1+H2)を低く抑えることができる構成とした。つまり、各走査ユニットS1,S2の第2の折り返しミラー17a、17bへの軸上入射角θ2a、θ2bを異ならせたことで、高さHを更に低く抑えた構成としている。
また同時に、第2の折り返しミラー17a、17bで折り返された後の光束の向きを、各走査ユニットS1,S2間で揃えている。第2の折り返しミラー17a、17bで折り返された後の光束の向きが走査ユニットS1,S2間で揃えたことのメリットとしては、次のことがある。例えば本走査光学装置を複数搭載する2色以上のカラー画像形成装置を設計する場合に、各像担持体間を等間隔で配置し、且つ、像担持体の被走査面に入射する角度も各々等しく配置する場合に、配置自由度が大きい点がある。
また本実施例では2枚の折り返しミラー16a、17aの中で軸上光束が最も大きい角度で入射する第2の折り返しミラー17aの光束進行方向の上流側に配置された2つの結像レンズ6a、7aの中で1つの結像レンズ6aを以下の如く設定している。つまり、結像レンズ6aを光偏向器の偏向面で光束が偏向走査により形成される面に対して垂直な方向にシフトさせている。
具体的には各走査ユニットS1,S2において結像光学系15a,15bを構成する2つの結像レンズの中で1つの結像レンズ6a,6bを入射光束の主光線の高さに対して1.5mmシフト(図2においてZ軸に対し、−方向(反感光ドラム側))させている。これは、各走査ユニットS1,S2において、第1の折り返しミラー16a,16bで反射された後の光束との干渉を避けるためである。これにより、本実施例では、各走査ユニットS1,S2において、第1の折り返しミラー16a,16bでの軸上入射角を小さくすることが容易となり、高さHを更に低く抑えた構成としている。
また、本実施例では、各走査ユニットS1,S2において、第1の折り返しミラー16a,16bで反射された後の各々の光束が、光偏向器5の回転軸5c方向であって偏向面5a、5bの上部の領域(空間内)を通過し、交差するように構成している。その後、各々の光束は、対向する結像レンズ7a,7bの図面上、上部に位置する第2の折り返しミラー17a,17bに到達する。
また、本実施例では、副走査断面内において、2枚の折り返しミラーの中で被走査面に最も近い第2の折り返しミラー17a、17bによって光路変更された直後の各々の軸上光束と、光偏向器5の回転軸5cとが互いに非平行となるように構成している。
本実施例においては、各走査ユニットS1,S2において、光源手段1a、1bからの光束は偏向面5a、5bにP偏光で入射している。そして第1の折り返しミラー16a,16b及び第2の折り返しミラー17a,17bには、光束の偏光方向が結像光学系15a、15bの軸上光束のみS偏光状態の直線偏光となるように入射している。そして、光偏向器5により、光束が被走査面8a、8b上を結像光学系15a、15bの軸上から軸外にかけて順次光走査するにつれ、光束の偏光方向はS偏光からずれていき、P偏光成分の割合が増加する。
図3はこのときの走査ユニットS1における第1の折り返しミラー16aへの光束の入射状態を示した説明図である。尚、残りの折り返しミラーに関しても同様の考え方ができるため、以下の説明では走査ユニットS1における第1の折り返しミラー16aのみを示す。同図において、x軸、y軸を含む平面を主走査断面として示している。走査用光束が点Oから点Aに向かってx軸(軸上光束と同一方向)と角度α(°)をもって進行しているとする。
図3に示すように、第1の折り返しミラー16aへの入射角γ1a(°)は、走査画角α(°)により変化し、軸上光束の第1の折り返しミラー16aへの入射角をθ1a(°)を用いて以下の式で与えられる。

また、軸上光束が第1の折り返しミラー16aに対してS偏光で入射した場合、軸外光束の偏光方向は、P偏光強度割合Epと、S偏光強度割合Esを以下の割合で有する。

以上の式(2)、(3)により、軸上から軸外にかけてP偏光成分は画角とともに連続的に増加する。一方、S偏光成分は軸上から軸外にかけて連続的に減少する。本実施例では、被走査面8a上での光量ムラ(像面照度ムラ)を補正するために、軸上から軸外にかけて光束の折り返しミラーへの入射角度及び偏光方向によって連続的に変化するように設定している。
この結像光学系15a、15bと防塵ガラス14a、14bにより発生する像面照度ムラを、前述した偏光光束の折り返しミラーへの入射角度及び偏光方向に対する反射率を連続的に変化させて補正している。
ここで、反射率の大小とS、P各偏光成分における反射率を考える。一般的な折り返しミラーを斜入射で使用した場合の、S、P各偏光成分における反射率特性を図4に示す。同図から、入射角が0°である垂直入射時においては、S、P各偏光成分における反射率は等しいが、入射角の値が大きくなるにつれS、P各偏光成分における反射率差は大きく広がってしまう。
上記のようなS、P各偏光成分における反射率差が大きく広がってしまった折り返しミラーを装置内の折り返しミラーに用いると、結像レンズ等の複屈折の影響、或いはレーザ偏光方向のバラつき等の影響から、所望の反射率特性が得られないことがある。これは即ち、折り返しミラーに入射する光束の偏光方向が変化してしまうことで、折り返しミラー上でのS、P各偏光成分の割合が設計値に対してずれてしまうことに起因する。この課題を以下に記述する。
図5は入射光束の偏光方向のズレが発生してしまっている場合の走査ユニットS1における第1の折り返しミラー16aへの光束の入射状態を示した図である(残りの折り返しミラーに関しても同様である。)。このとき、入射光束の偏光方向のずれを同図で示したようにβ(°)とおくと、式(2)、(3)で求めた軸外光束のP偏光強度Epと、S偏光強度Esは以下の割合に変化する。

ここで、第1の折り返しミラー16aに入射する、軸上光束から軸外光束にかけての任意の入射角γ1a(°)において、第1の折り返しミラー16aでの反射率Rg(γ1a)(%)は以下のように表される。但し、任意の入射角γ1a(°)における、S偏光反射率をRs(γ1a)(%)、P偏光反射率をRp(γ1a)(%)とした。
Rg(γ1a)(%)=Es・Rs(γ1a)(%)+Ep・Rp(γ1a)(%)
・・・・・・(6)
式(6)から判るとおり、S、P各偏光成分の反射率Rs(γ1a)(%)、Rp(γ1a)(%)が異なる場合では、S、P各偏光成分の割合Es、Epが変動してしまうと、S、P偏光合計の反射率Rg(γ1a)(%)も変動してしまう。即ち、入射光束の偏光方向にずれが生じた際、S、P偏光成分の反射率Rs(γ1a)(%)とRp(γ1a)(%)の反射率差が大きければ大きい程、設計上のS、P偏光合計の反射率Rg(γ1a)(%)とのずれも大きくなる。逆に、S、P偏光成分の反射率Rs(γ1a)(%)とRp(γ1a)(%)の反射率差が小さければ、入射光束の偏光方向にずれが生じた際でも、設計上のS、P偏光合計の反射率Rg(γ1a)(%)とのズレは小さい。
また、反射率の絶対値の大小とS、P各偏光成分における反射率差について、図6(a)、(b)を用いて説明する。同図は、ミラーの反射率が低い場合(図6(a))と高い場合(図6(b))の両者において、同じ軸外の入射角で同じ20%(ポイント)のS、P各偏光成分における反射率差が生じた場合の反射率特性を示したグラフである。このとき、反射率が低い図6(a)側において、軸外光束の入射角80(°)において、S、P偏光成分の反射率Rs(80(°))(%)とRp(80(°))(%)は以下の通りである。
Rs(80(°))(%)=55(%)
Rp(80(°))(%)=35(%)
また、反射率が高い図6(b)側において、軸外光束の入射角80(°)において、S、P偏光成分の反射率Rs(80(°))(%)とRp(80(°))(%)は以下の通りである。
Rs(80(°))(%)=95(%)
Rp(80(°))(%)=75(%)
ここで、前述のS、P各偏光成分の割合Es、Epが変動してしまう場合を考える。S、P各偏光成分の割合Es、Epが最も大きく変動してしまう場合を考えると、
(Es=0、Ep=1) 〜 (Es=1、Ep=0)
に変動した場合、或いは、
(Es=1、Ep=0) 〜 (Es=0、Ep=1)
に変動した場合が最も大きく変動する。このときの、設計上のS、P偏光合計の反射率Rg(80)(%)とのズレは、S、P偏光成分の反射率Rs(80(°))(%)とRp(80(°))(%)の反射率差の値と同値となる。
このように、S、P各偏光成分の割合Es、Epが最も大きく変動してしまう場合での、反射率が低い場合(図6(a))と反射率が高い場合(図6(b))を比較する。このとき、変動前と変動後の反射率の変化の比率は、反射率の低い場合で、1.57倍(=55%/35%)、反射率の高い場合で、1.27倍(=95%/75%)となる。よって、同じ20%のS,P偏光反射率差であっても、反射率が低い方が、変動後の影響をより受けやすいことが判る。しかしながらまた、一方では、高感度ドラムを用いた際でも、レーザダイオード(LD)の駆動電流を十分大きく、常にLD発光領域で動作させるためには、反射率の低いミラー(折り返しミラー)を光路中に使用することが有用である。
以上の考察から、同じS,P偏光反射率差であっても偏光方向のずれに対してS,P合計の反射率の影響を受けやすい反射率の低いミラーは元からS,P偏光反射率差の小さい入射角が小さい配置場所に配置することで偏光方向のずれに対しても影響が抑えられる。
本実施例においては、各走査ユニットS1,S2において、軸上反射率が55%程度の反射率の低いミラー16a,16bを軸上入射角が7°と入射角が小さい配置箇所に配置している。また、軸上反射率が80%程度の反射率の高いミラー17a,17bをそれぞれ軸上入射角が42°及び62°と入射角が大きい配置箇所に配置している。これにより、本実施例では、上記効果を得るようにしている。
また、各走査ユニットS1,S2において、反射率の低いミラー16a,16bを2枚のミラー16a,17a・16b,17bの中で画像形成領域に相当する任意の入射角に対してのS偏光反射率とP偏光反射率の変化が最も大きくなるように設定している。また、本実施例では、各走査ユニットS1,S2において、2枚のミラー16a,17a・16b,17bは、画像形成領域に相当する入射角の中での任意の入射角において、S偏光反射率とP偏光反射率の差分が10%以下となるように設定している。
ここで本実施例の各走査ユニットS1,S2における第1、第2の折り返しミラー16a,17a・16b,17bの反射率を、図7(a)、(b)を用いながら説明する。図7(a)、(b)は各々本発明の実施例1における反射率特性を示すグラフである。同図(a)は各走査ユニットS1、S2の第1の折り返しミラー16a,16bの反射率特性を示すグラフ、同図(b)は各走査ユニットS1、S2の第2の折り返しミラー17a,17bの反射率特性を示すグラフである。
第1の折り返しミラー16a,16bは共通の膜特性を持っている。第1の折り返しミラー16a,16bは、共に、軸上光束におけるS偏光反射率が55%とし、P偏光反射率も55%と設定した。又、軸外光束におけるS偏光反射率が57%とし、P偏光反射率が53%と設定した。このとき、軸外光束の反射率が軸上光束の反射率より4%低くなるように、入射光束の角度及び偏光方向を考慮し、第1の折り返しミラー16a,16bの反射膜を最適化している。一方、第2の折り返しミラー17a,17bについては、両者で非同一の膜特性を設定した。
走査ユニットS1の第2の折り返しミラー17aは、軸上光束におけるS偏光反射率が83%とし、P偏光反射率は73%と設定した。又、軸外光束におけるS偏光反射率が82%とし、P偏光反射率は74%と設定した。このとき、軸外光束の反射率が軸上光束の反射率より1%低くなるように、入射光束の角度及び偏光方向を考慮し、第2の折り返しミラー17aの反射膜を最適化している。
走査ユニットS2の第2の折り返しミラー17bは、軸上光束におけるS偏光反射率が83%とし、P偏光反射率は74%と設定した。又、軸外光束におけるS偏光反射率が83%とし、P偏光反射率が73%と設定した。このとき、軸外光束の反射率が軸上光束の反射率より1%低くなるように、入射光束の角度及び偏光方向を考慮し、第2の折り返しミラー17bの反射膜を最適化している。
このとき、設計上のS、P各偏光成分の割合Es、Epを図8(a)、(b)に示す。同図(a)は走査ユニットS1側のS、P各偏光成分比を示すグラフ、同図(b)は走査ユニットS2側のS、P各偏光成分比を示すグラフである。同図(a)、(b)に示される通り、設計値としては、各走査ユニットS1,S2で共通の第1の折り返しミラー16a,16bでは、軸上光束入射角7°に対応する像高0mmでの偏光成分比は、
Es=1、Ep=0
となる。一方、軸外光束入射角33°に対応する像高156mmでの偏光成分比は、
Es=0.06、Ep=0.94
となる。
また、走査ユニットS1での第2の折り返しミラー17aでは、軸上光束入射角42°に対応する像高0mmでの偏光成分比は、
Es=1、Ep=0
となる。一方、軸外光束入射角49°に対応する像高156mmでの偏光成分比は、
Es=0.79、Ep=0.21
となる。
また、走査ユニットS2での第2の折り返しミラー17bでは、軸上光束入射角62°に対応する像高0mmでの偏光成分比は、
Es=1、Ep=0
となる。一方、軸外光束入射角66°に対応する像高156mmでの偏光成分比は、
Es=0.94、Ep=0.06
となる。
図9(a)、(b)は各々本発明の実施例1における反射率及び被走査面上の像面照度比(像面照度ムラ)を示したグラフである。同図(a)は走査ユニットS1側、同図(b)は走査ユニットS2側の反射率及び像面照度比を示したグラフである。図9(a)、(b)に示すように、結像光学系15a,15b及び防塵ガラス14a,14bの表面反射(フレネル反射)の影響により、軸外(画像端部)での光量が、軸上(画像中央)の光量より6%増加した(ミラーによる補正前)。さらに、ミラーによる補正分を加えると、上記6%程度の像面照度ムラは、走査ユニットS1、S2共に、1%程度まで改善されている(ミラーによる補正後)。
更にこれ以降では、本実施例において、設計値に対して偏光方向のズレが発生した場合でのS,P合計の反射率に対しての影響を確認していく。具体的には、各走査ユニットS1,S2における結像レンズ6a、6bの複屈折による偏光方向のズレの影響を確認する。
図10は、結像レンズ6a、6bの複屈折の影響による偏光方向のズレを実測により求めたグラフである。偏光方向のズレの実測方法としては、結像レンズから出射された光束に対して偏向板を設置し、それを回転させながら、偏光板の通過後の光量を測定し、最大光量・最小光量となる偏光板の回転角を読み取ることで、偏光方向ずれを推定した。尚、測定方法は、これに限らず、偏向板ではなく、グラントムソンプリズム等の方解石製偏光素子等を用いた手法でも良い。
図10で測定された偏光方向のずれ量を用いて、S,P合計の反射率に対しての影響を確認していくが、これより先、本実施例との比較のため、比較例を導入する。以下、比較例について述べる。
(実施例1に対しての比較例)
比較例では、実施例1とは反対に、軸上反射率が55%程度の反射率の低いミラーを軸上入射角が42°及び62°と入射角が大きい配置箇所に配置し、軸上反射率が90%程度の反射率の高いミラーを軸上入射角が7°と入射角が小さい配置箇所に配置した。
本比較例の第1、第2の折り返しミラーの反射率を、図11(a)、(b)を用いながら説明する。図11(a)、(b)は各々本比較例における反射率特性を示すグラフである。同図(a)は各走査ユニットS1、S2の第1の折り返しミラー16a,16bの反射率特性を示すグラフ、同図(b)は各走査ユニットS1、S2の第2の折り返しミラー17a,17bの反射率特性を示すグラフである。尚、実施例1に対しては、第1、第2の折り返しミラーの膜特性し変えていないため、符号等の表記はそのままとしている。
本比較例の各走査ユニットS1、S2における第1の折り返しミラー16a,16bは共通の膜特性を持っている。第1の折り返しミラー16a,16bは、共に、軸上光束におけるS偏光反射率が90%とし、P偏光反射率も90%と設定した。又、軸外光束におけるS偏光反射率が90%とし、P偏光反射率が85%と設定した。このとき、軸外光束の反射率が軸上光束の反射率より5%低くなるように、入射光束の角度及び偏光方向を考慮し、第1の折り返しミラー16a,16bの反射膜を最適化している。
一方、本比較例の各走査ユニットS1、S2における第2の折り返しミラー17a,17bについては、両者で非同一の膜特性を設定した。走査ユニットS1の第2の折り返しミラー17aは、軸上光束におけるS偏光反射率が53%とし、P偏光反射率は39%と設定した。又、軸外光束におけるS偏光反射率が56%とし、P偏光反射率は37%と設定した。このとき、軸外光束の反射率と軸上光束の反射率は等しくなるように、入射光束の角度及び偏光方向を考慮し、第2の折り返しミラー17aの反射膜を最適化している。
走査ユニットS2の第2の折り返しミラー17bは、軸上光束におけるS偏光反射率が51%とし、P偏光反射率は13%と設定した。又、軸外光束におけるS偏光反射率が54%とし、P偏光反射率は10%と設定した。このとき、軸外光束の反射率と軸上光束の反射率は等しくなるように、入射光束の角度及び偏光方向を考慮し、第2の折り返しミラー17bの反射膜を最適化している。このとき、本比較例における、設計上のS、P各偏光成分の割合Es、Epは前記図8(a)、(b)と同じとなる。
同図に示される通り、設計値としては、各走査ユニットS1、S2で共通の第1の折り返しミラー16a,16bでは、軸上光束入射角7°に対応する像高0mmでの偏光成分比は、
Es=1、Ep=0
となる。一方、軸外光束の入射角33°に対応する像高156mmでの偏光成分比は、
Es=0.06、Ep=0.94
となる。
また、走査ユニットS1での第2の折り返しミラー17aでは、軸上光束の入射角42°に対応する像高0mmでの偏光成分比は、
Es=1、Ep=0
となる。一方、軸外光束の入射角49°に対応する像高156mmでの偏光成分比は、
Es=0.79、Ep=0.21
となる。
また、走査ユニットS2での第2の折り返しミラー17bでは、軸上光束の入射角62°に対応する像高0mmでの偏光成分比は、
Es=1、Ep=0
となる。一方、軸外光束入射角66°に対応する像高156mmでの偏光成分比は、
Es=0.94、Ep=0.06
となる。
図12(a)、(b)は、各々本比較例における反射率及び被走査面上の像面照度比(像面照度ムラ)を示したグラフである。同図(a)は走査ユニットS1側、同図(b)は走査ユニットS2側の反射率及び像面照度比を示したグラフである。上記設定により、結像光学系15a,15b及び防塵ガラス14a,14bの表面反射(フレネル反射)で発生していた6%程度の像面照度ムラは、各走査ユニットS1、S2共に、本比較例におけるミラーを導入することで2%程度まで改善されている(補正後)。
ここで、この比較例において、図10で示された偏光方向のズレ量が発生した時の、S、P各偏光成分の割合Es、Epは、式(4)、(5)を元に、図13(a)、(b)のように求められる。図13(a)、(b)は各々本比較例における偏光方向のズレを考慮した後のS、P各偏光成分比を示すグラフである。同図(a)は走査ユニットS1側、同図(b)は走査ユニットS2側を示している。
さらに、図14(a)、(b)は、それぞれ図13(a)、(b)として求められたS,Pの偏光成分比と、式(6)を元に求めた、本比較例における被走査面上の像面照度比(像面照度ムラ)を示したグラフである。なお、図14(a)、(b)のグラフにおいて、同図(a)は走査ユニットS1側、同図(b)は走査ユニットS2側を示している。
この結果から、軸上光束となる像高0mmでの像面照度を正規化したとき最も光量ムラが大きくなるのは走査ユニットS1では像高+117mm付近で11%の光量落ちが発生してしまっている。また、走査ユニットS2でも像高+117mm付近で17%の光量落ちが発生してしまっている。
(実施例1における像面照度ムラ)
ここで、もう一方の実施例1において、偏光方向のズレが発生した場合の像面照度ムラを考える。比較条件を同一にするため、与えた偏光方向のズレは比較例で与えたものと同一とする。
この実施例1において、図10で示された偏光方向のズレ量が発生した時の、S、P各偏光成分の割合Es、Epは、式(4)、(5)を元に、図15(a)、(b)のように求められる。図15(a)、(b)は各々本発明の実施例1における偏光方向のズレを考慮した後のS、P各偏光成分比を示すグラフである。同図(a)は走査ユニットS1側、同図(b)は走査ユニットS2側を示している。
さらに、図16(a)、(b)は、各々図15(a)、(b)として求められたS,Pの偏光成分比と、式(6)を元に求めた、本比較例における被走査面上の像面照度比(像面照度ムラ)を示したグラフである。なお、図16(a)、(b)のグラフにおいて、同図(a)は走査ユニットS1側、同図(b)は走査ユニットS2側を示している。
この結果から、軸上光束となる像高0mmでの像面照度を正規化したとき、最も光量ムラが大きくなるのは、走査ユニットS1では像高+117mm付近で4%の光量落ちとなり、走査ユニットS2でも像高+117mm付近で3%の光量落ちで抑えられている。よって、本実施例では、前述した比較例に比べて像面照度ムラが小さく抑えられていることが判る。
このように本実施例では少なくとも2枚の折り返しミラーを有する走査ユニットにおいて、反射率が最も低いミラーを、軸上入射角が最も小さな場所に配置することにより、複屈折等に起因する偏光方向のズレに対して像面照度ムラを小さく抑えることができる。
また、本発明者は、本実施例と比較例との対比から、反射率が最も低いミラーは画像形成に使用する全ての領域で反射率が70%以下である場合に、本効果を用いることができることを見出した。また、本発明者は、本実施例と比較例との対比から、軸上光束の入射角が最も小さい光路変更素子における、該入射角は15度以下である場合に、本効果を用いることができることを見出した。以後、本実施例では便宜的に、S偏光の軸上反射率が70%以下のミラーを「低折り返しミラー」とも称する。
本実施例においては、各走査ユニットS1,S2において、結像光学系15a,15b及び防塵ガラス14a,14bの表面反射(フレネル反射)成分しか考慮していない。しかしながら、実際には光偏向器5における偏向面5a,5bへの入射角度特性や、回折光学素子の回折効率の差により発生する像面照度ムラ、結像光学系15a,15bの内部吸収による像面照度ムラがある。更に、オーバーフィルド光学系(OFS)を用いた際に発生する像面照度ムラ等があり、これらも補正できる。尚、本発明に適用されるオーバーフィルド光学系とは、偏向面5a,5bに入射する光束の主走査方向の幅が、偏向面5a,5bの主走査方向の幅より大きい状態で入射する光学系を指し示す。
本実施例では、被走査面上での像面照度比は、軸上の像面照度を基準として、有効走査領域内で±5%以内とするのが好ましい。また、本実施例では、光路中に折り返しミラーを2枚配置したが、3枚以上配置しても良く、また、光路中にシリンドリカルミラーのような屈折力を有する反射光学素子(曲面ミラー)を用いても良い。
以上のように、本実施例では、上述した如く折り返しミラーの反射率を入射角度及び偏光方向によって連続的に変化させている。これにより、本実施例では、被走査面上での像面照度ムラを補正し、複数の走査ユニット間での像面照度ムラの差もより小さくすることができるため、高精細な画像が得られ、且つコンパクトな走査光学装置を達成している。
尚、本実施例においては、図9(a)、(b)に示す如く、被走査面上での像面照度比は、軸上の像面照度に対して、有効走査領域内で±5%以内に補償している。また、本実施例においては、図16(a)、(b)に示す如く、偏光方向のズレが生じている場合においても、被走査面上での像面照度比は、軸上の像面照度に対して、有効走査領域内で±5%以内に補償している。
本実施例において、2色の画像が形成される画像形成装置に用いる場合には、走査光学装置を1つだけ用いれば良く、4色の画像が形成されるカラー画像形成装置を用いる場合には、後述するように走査光学装置を2つ用いて画像を形成すれば良い。
[カラー画像形成装置]
図17は本発明のカラー画像形成装置の要部概略図であり、図1に示す走査光学装置を複数有している。同図では走査光学装置を2組並列にして配置し、2つの光偏向器5L、5Rにより被走査面上に合計4本の走査線を描画している。同図においては、各走査ユニットS1〜S4において、光偏向器5で偏向走査されて第1の結像レンズ6a,6b,6c,6dを通過した後の4つの光束を、各々対応する折り返しミラー16a,16b,16c,16dに対し、軸上入射角を7度で入射させている。そして折り返しミラー16a,16cで反射された光束は、各々対応する結像レンズ7a,7cを介し、対応する折り返しミラー17a,17cに対し、軸上入射角を42度で入射させている。一方、折り返しミラー16b,16dで反射された光束は、各々対応する結像レンズ7b,7dを介し、対応する折り返しミラー17b,17dに対し、軸上入射角を62度で入射させている。その後、折り返しミラー17a,17c,17b,17dで反射された光束は、対応する感光ドラム8a,8b,8c,8d面上に導光される。
なお、本実施例では、図1に示すように第1、第2の走査ユニットS1,S2のシリンドリカルレンズ4a,4bを各々独立に設けたが、これに限らず、例えばプラスチックモールド等で一体的に成形しても良い。また、第1、第2の走査ユニットS1,S2においてはコリメータレンズ3a,3bとシリンドリカルレンズ4a,4b等を用いずに、光源手段1a,1bからの光束を直接、開口絞り2a,2bを介して光偏向器5に導光しても良い。
また、本実施例では、結像光学系15a、15bを2枚のレンズより構成したが、1枚或いは3枚以上のレンズより構成しても良い。また、本実施例では、光偏向器5(ポリゴンミラー)の偏向面数が6面の場合について説明したが、これに限らず、偏向面数が3面以上の場合(例えば4面、5面、7面等)であっても同様の効果を得ることができる。
また、本実施例では、偏向手段5として回転多面鏡を用いたが、偏向面5aが軸5cを回動軸として往復運動することにより、光束を被走査面8a,8bへ向け偏向走査(偏向走査)する、両面に鏡面部を有した往復型(振動型)の偏向素子を用いても良い。さらに、本実施例では、2つの入射光束を同一の方向から隣接していない偏向面5a、5bに対して入射させたが、これに限らず、入射方向が異なる場合や隣接する偏向面に対して入射させる場合であっても同様の効果を得ることができる。
また、本実施例では、光偏向器5を時計回りで回転させているが、これに限らず、反時計回りでも同様の効果を得ることができる。但し、その際もBD光束は被走査面8a,8b上で結像されたスポットが走査される方向Bに対して「上流側」、即ち画像書き始め側における、画像形成用の光束から外れた部分をBD光束として用いるのが良い。また、本実施例では、単一の光偏向器5における複数の偏向面5a、5bを用いて、単一の光偏向器から、2つの被走査面へ光束を偏向走査させた。しかし、これに限らず、単一の光偏向器5における単一の偏向面を用いて、1つの被走査面へ光束を偏向走査させた走査光学装置においても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施例の入射光学系の光軸は、光偏向器5の回転軸に対して垂直な向きで入射されているが、これに限らず、非垂直な向きで入射させた形態で設定しても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施例では、第1の折り返しミラーに入射する軸上光束の偏光方向が、S偏光となるよう、光束の振動方向を設定した。しかし、これに限らず、第1の折り返しミラーに入射する軸上光束の偏光方向が、P偏光となるよう、光束の振動方向を設定しても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施例では、光源手段を単一の発光部(発光点)より構成したが、これに限らず、複数の発光部を有するマルチビーム半導体レーザ(マルチビーム光源)より構成しても、同様の効果を得ることができる。マルチビーム光源を用いることの利点の1つには、騒音や振動の原因となる光偏向器を高速化することなく、印字の高速、高精細化に対応できることが挙げられる。
以上のように本実施例によれば、上述した如く、装置全体の小型化に有利で、反射率の低い折り返しミラーを使用した上で偏光方向にズレが生じた場合においても、被走査面上の照度分布(光量分布)をムラが少なく、高品質な画像を形成することができる。
次に本発明の実施例2について説明する。尚、実施例2の走査光学装置の主走査断面は図1に示した実施例1における主走査断面図と同じである。また、副走査断面も図2に示した実施例1における副走査断面図と同じである。
本実施例において、前述の実施例1と異なる点は、走査ユニットS1における第2の折り返しミラー17aと走査ユニットS2における第2の折り返しミラー17bとに共通の薄膜特性を持たせている点である。その他の構成及び光学特性に関する数値は実施例1と同一であり、これにより実施例1と同様な効果を得ている。
図18(a)、(b)は各々本発明の実施例2における反射率特性を示すグラフである。同図(a)は各走査ユニットS1、S2の第1の折り返しミラー16a,16bの反射率特性を示すグラフ、同図(b)は各走査ユニットS1、S2の第2の折り返しミラー17a,17bの反射率特性を示すグラフである。
本実施例の各走査ユニットS1、S2の第1の折り返しミラー16a,16bは、前述した実施例1の第1の折り返しミラーと同一であり、光学的機能等は実施例1と同様である。一方、本実施例の各走査ユニットS1、S2の第2の折り返しミラー17a,17bは、実施例1とは異なり、両者で同一の膜特性を設定した。走査ユニットS1の第2の折り返しミラー17aは、軸上光束におけるS偏光反射率が83%とし、P偏光反射率は74%と設定した。又、軸外光束におけるS偏光反射率が83%とし、P偏光反射率は73%と設定した。このとき、軸外光束の反射率が軸上光束の反射率より1%低くなるように、入射光束の角度及び偏光方向を考慮し、第2の折り返しミラー17aの反射膜を最適化している。走査ユニットS2の第2の折り返しミラー17bは、軸上光束におけるS偏光反射率が82%とし、P偏光反射率は73%と設定した。又、軸外光束におけるS偏光反射率が82%とし、P偏光反射率は74%と設定した。このとき、軸外光束の反射率が軸上光束の反射率より1%低くなるように、入射光束の角度及び偏光方向を考慮し、第2の折り返しミラー17bの反射膜を最適化している。このとき、本実施例における、設計上のS、P各偏光成分の割合Es、Epは、実施例1と同じであるため、図8(a)、(b)と同じとなる。
図19(a)、(b)は各々本発明の実施例2における反射率及び像面照度比(像面照度ムラ)を示したグラフである。同図(a)は走査ユニットS1側、同図(b)は走査ユニットS2側の反射率及び像面照度比を示したグラフである。
上記設定により、結像光学系15a,15b及び防塵ガラス14a,14bの表面反射(フレネル反射)で発生していた6%程度の像面照度ムラは、走査ユニットS1、S2共に、本実施例におけるミラーを導入することで1%程度まで改善されている(補正後)。
この実施例2において、図10で示された偏光方向のズレ量が発生した時の、S、P各偏光成分の割合Es、Epは、式(4)、(5)を元に、図20(a)、(b)に示すように求められる。なお、図20(a)、(b)は各々本発明の実施例2における偏光方向のズレを考慮した後のS、P各偏光成分比を示すグラフである。同図(a)は走査ユニットS1側、同図(b)は走査ユニットS2側を示している。
さらに、図21(a)、(b)は各々図20(a)、(b)として求められたS,Pの偏光成分比と、式(6)を元に求めた、本発明の実施例2における偏光方向のズレを考慮した後の被走査面上の像面照度比(像面照度ムラ)を示したグラフである。なお、図21(a)、(b)のグラフにおいて、同図(a)は走査ユニットS1側、同図(b)は走査ユニットS2側を示している。
この結果から、軸上光束となる像高0mmでの像面照度を正規化したとき、最も光量ムラが大きくなるのは、走査ユニットS1では像高+117mm付近で5%の光量落ちとなり、走査ユニットS2でも像高+117mm付近で3%の光量落ちで抑えられている。よって、本実施例では、前述した比較例に比べて像面照度ムラが小さく抑えられていることが判る。
このように本実施例では少なくとも2枚の折り返しミラーを有する走査ユニットにおいて、反射率が最も低いミラーを、軸上入射角が最も小さな場所に配置することにより、複屈折等に起因する偏光方向のズレに対して像面照度ムラを小さく抑えることができる。
また、本実施例の特有の利点として、各走査ユニットS1、S2の第2の折り返しミラー17a、17bにおける、2つの薄膜特性を共に満たす反射膜を、該第2の折り返しミラー17a,17bで共通に利用することによって、ミラー製作を容易にしている。
[カラー画像形成装置]
図22は本発明の実施例1、2のいずれか1つの走査光学装置を用いたカラー画像形成装置の要部概略図である。本実施例は、走査光学装置を2個並べ各々並行して像担持体である感光体ドラム面上に画像情報(静電潜像)を記録するタンデムタイプのカラー画像形成装置である。同図において、70はカラー画像形成装置、21,23は各々実施例1、2に示した何れかの構成を有する走査光学装置である。51,52,53,54は各々像担持体としての感光体ドラムである。31,32,33,34は各々現像器(現像手段)、61は搬送ベルトである。尚、同図においては現像器で現像されたトナー像を被転写材、転写手段(転写器)で転写し、転写したトナー像を被転写材に定着させる定着器(定着手段)(不図示)とを有している。同図において、カラー画像形成装置70には、パーソナルコンピュータ等の外部機器62からR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号(コードデータ)が入力する。これらの色信号は、装置内のプリンタコントローラ63によって、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、B(ブラック)の各画像データに変換されて、それぞれ走査光学装置21,23に入力される。そして、これらの走査光学装置21、23からは、各画像データに応じて変調された光束41,42,43,44が出射される。これらの光束41、42、43、44によって感光体ドラム51,52,53,54の感光体ドラム面が主走査方向に走査される。
本実施例を適用できるカラー画像形成装置は走査光学装置21,23を2個並べている。そして、各々がC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、B(ブラック)の各色に対応し、各々並行して感光体ドラム51,52,53,54面上に画像信号(画像情報)を記録し、カラー画像を高速に印字するものである。本実施例においては、図17に示した走査ユニットS3,S4,S1,S2の順に、各々、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(ブラック)の色画像が対応している。
本実施例を適用できるカラー画像形成装置は上述の如く2つの走査光学装置21,23により各々の画像データに基づいた光束を用いて各色の潜像を各々対応する感光体ドラム51,52,53,54面上に形成している。その後、記録材に多重転写して1枚のフルカラー画像を形成している。外部機器62としては、例えばCCDセンサを備えたカラー画像読取装置が用いられてもよい。この場合には、このカラー画像読取装置と、カラー画像形成装置70とで、カラーデジタル複写機が構成される。尚、本発明ではカラー画像形成装置に実施例1、2の何れかにおける走査光学装置を適用したが、もちろんモノクロ用の画像形成装置に適用しても良い。
本発明で使用されるカラー画像形成装置の記録密度は、特に限定されない。しかし、記録密度が高くなればなるほど、高画質が求められることを考えると、1200dpi以上の画像形成装置において本発明の実施例1〜2の構成はより効果を発揮する。
1a,1b 光源手段、2a,2b 開口絞り、3a,3b コリメータレンズ、4a,4b シリンドリカルレンズ、5 偏向手段、5a,5b 偏向面、6a,6b,7a,7b 結像レンズ、8a,8b 被走査面、15a,15b 結像光学系、16a,16b,17a,17b 光路変更素子、8a,8b 被走査面

Claims (10)

  1. 光源手段と、前記光源手段から出射した光束を偏向手段に導光する入射光学系と、前記偏向手段で偏向走査された光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、前記偏向手段と前記被走査面との間の光路中に配置された、少なくとも2枚の光路変更素子を有する光路変更手段と、を有する走査光学装置において、
    前記少なくとも2枚の光路変更素子の中で、反射率が最も低い光路変更素子は画像形成に使用する全ての領域で反射率が70%以下であり、前記偏向手段により偏向走査された光束の中で、前記結像光学系の中心軸を含む光束を軸上光束とするとき、前記反射率が最も低い光路変更素子には、前記少なくとも2枚の光路変更素子の中で、軸上光束が最も小さい角度で入射していることを特徴とする走査光学装置。
  2. 前記反射率が最も低い光路変更素子は、前記少なくとも2枚の光路変更素子の中で、画像形成領域に相当する任意の入射角に対してのS偏光反射率とP偏光反射率の変化が最も大きいことを特徴とする請求項1に記載の走査光学装置。
  3. 前記少なくとも2枚の光路変更素子は、画像形成領域に相当する光束の入射角の中での任意の入射角において、S偏光反射率とP偏光反射率の差分が10%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査光学装置。
  4. 前記軸上光束が最も小さい角度で入射している光路変更素子に入射する光束の入射角は画像形成領域において15度以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の走査光学装置。
  5. 前記少なくとも2枚の光路変更素子の中で、軸上光束が最も大きい角度で入射する光路変更素子の光束進行方向の上流側に配置された結像光学素子の中で、少なくとも1つの結像光学素子は、前記偏向手段の偏向面で光束が偏向走査により形成される面に対して垂直な方向にシフトしていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の走査光学装置。
  6. 前記光源手段は、複数の発光部を有するマルチビーム光源であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の走査光学装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の走査光学装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記走査光学装置で走査された光束によって前記感光体の上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器とを有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の走査光学装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記走査光学装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有していることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の走査光学装置を複数有し、各走査光学装置における被走査面に配置され、互いに異なった色の画像を形成する複数の像担持体とを有することを特徴とするカラー画像形成装置。
  10. 外部機器から入力した色信号を異なった色の画像データに変換して各々の走査光学装置に入力せしめるプリンタコントローラを有していることを特徴とする請求項8に記載のカラー画像形成装置。
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