JP2010280523A - 蛍光体分散ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゾルゲル法を用いて製造すると共に、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光の指向性の違いに係らずに一様な色調の混色光で発光可能な蛍光体分散ガラスおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】乾燥ゲル体の焼結時間と焼結温度を制御することで、光を散乱する機能を有する所定大きさの気泡4を所定の密度で残存させる蛍光体分散ガラスの製造方法とし、LED発光素子5が発光する一次光R1と蛍光体3が発する二次光R2を散乱して、一次光と二次光が一様に混色された第三光R3を広範囲に発することで、どこから見ても色調が一様となる混色光(第三光R3)を確実に放出する蛍光体分散ガラス1とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光体分散ガラスおよびその製造方法に関する。
従来、所定の色で発光するLED発光素子と、LED発光素子から発光される色を所望の色合いの光に変換する蛍光体を分散したガラスを備えた発光ダイオード光源が知られている。
例えば、青色で発光するLED発光素子と、この青色を黄色に変換する蛍光体を用いて、この青色と黄色を混色して白色の光で発光する発光ダイオード光源を作成することができる。
この際に、色調が一様な白色発光を得るためには、透明樹脂(ガラス)中に蛍光体を均一に分散させた蛍光体分散ガラスを用いて、このガラス体内部でLED発光素子から発光される青色と蛍光体が発する黄色とを均一に混色してガラス体の外に混色光である白色光を放出することが肝要である。
また、所定の粒子径のガラス粉末と蛍光体粉末とを混合し焼結して、青色光源が発光する青色と蛍光体が変換する黄色とを合成して白色光を得ると共に、エネルギーが強い青色光に対して変色せず温度上昇も少ない安定したガラスを用いて信頼性を向上させるとした発光色変換部材が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
発光色変換部材(蛍光体分散ガラス)は、ガラス粉末と蛍光体粉末とを混合し、樹脂バインダーを添加して所定形状に加圧成型して焼成することで作成できる。また、ゾルゲル法を用いて、蛍光体を混合した蛍光体分散ガラスを製造することもできる。
ゾルゲル法は、例えば、金属アルコキシドを用いて、加水分解と重合反応を利用してガラスを作成する方法であり、比較的低温でガラス合成が可能である。また、各種の蛍光体粉末や希土類イオンを混合して各色の蛍光体分散ガラスを得ることができる。例えば、発光効率3%以上の半導体超微粒子を、ガラス中に粒子濃度10-9モル/cm3以上分散させた超微粒子分散ガラスが既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらには、ゾルゲル法は、溶融状態から出発するため、蛍光体粉末を均一に分散できると共に複雑な形状にも成型できるという利点を有する。
特許第4158012号公報 特開2002−211935号公報
上記したように、ゾルゲル法によれば、各種の蛍光体粉末を均一に分散して所望の任意の形状に成型可能であるので、発光ダイオード光源に用いる蛍光体分散ガラスの製造方法として好ましい。また、ゾルゲル法でガラスを製造するときには、ゾル状態で所定量の蛍光体を添加して攪拌混合して均一に分散し、乾燥させて半固定化して乾燥ゲル体を作成する。それから、この乾燥ゲル体を所定温度で焼結して蛍光体分散ガラスを製造する。この焼結工程において、通常は、乾燥ゲル体を昇温させる際に内部に生じている気泡が消滅するまで焼結を維持して、気泡のない透明なガラスを製造している。
さらに、透明なガラスに蛍光体を均一に分散させた蛍光体分散ガラスを用いることで、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光との混色光(第三光)を得ることはできる。しかし、蛍光体を励起させるLED発光素子からの光と蛍光体からの光には指向性の違いがあって、見る方向によっては、一次光のみが見えたり二次光のみが見えたりして第三光以外の光が見えてしまい、一次光と二次光が重なり合って混色された所望の第三光が一様な色調とならないという問題を生じる。
そこで本発明は、ゾルゲル法を用いて製造すると共に、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光の指向性の違いに係らずに一様な色調の混色光で発光可能な蛍光体分散ガラスおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、所定の蛍光体が分散されゾルゲル法にて製造されるガラス体からなり、LED発光素子が発光する一次光を前記蛍光体が他色の二次光に変換し、前記一次光と前記二次光とを混色した第三光を生成する蛍光体分散ガラスであって、前記一次光および前記二次光を散乱する機能を有する所定の大きさの気泡を所定の密度で含有していることを特徴としている。
上記の構成であれば、LED発光素子が発光する一次光が、ガラス体内部の気泡により散乱され、蛍光体が発する二次光も気泡により散乱されるので、一次光と二次光が一様に混色された第三光を広範囲に発することができ、どこから見ても色調が一様となる混色光を発する蛍光体分散ガラスを得ることができる。
また本発明は上記構成の蛍光体分散ガラスにおいて、前記気泡の大きさが1nm〜10μmの直径で、その面密度が102〜1011個/cm2であって、前記直径をXμmとし、前記面密度をY個/cm2としたときに、103<(X*Y)<108を満足することを特徴としている。この構成によると、所定大きさと所定密度の気泡を残存させることで、光の透過を妨害するガラスの白乳化を抑制して、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光を散乱させることができ、一様な色調の混色光を得ることができる。
また本発明は上記構成の蛍光体分散ガラスにおいて、前記LED発光素子が青色発光素子で、前記蛍光体が黄色蛍光体であって、前記第三光が白色であることを特徴としている。この構成によると、一様な色調の白色光で発光可能な蛍光体分散ガラスを得ることができる。
また本発明は、ゾルゲル法にて所定の蛍光体を分散したガラス体を製造する蛍光体分散ガラスの製造方法であって、所定のゾルゲルガラス原料と所定の蛍光体を混合したガラスゾルを作成するゾル作成工程と、前記ガラスゾルを乾燥させて半固定化した乾燥ゲル体を作成するゲル作成工程と、前記乾燥ゲル体を焼成して光を散乱する機能を有する所定の大きさの気泡を所定の密度で含有した状態に焼結させる気泡残存焼結工程とを備えることを特徴としている。
上記の構成であれば、ゾルゲル法を用いて蛍光体を均一に分散したガラス体を製造可能であると共に、LED発光素子が発光する一次光を入射したときに、この入射光を散乱すると共に、蛍光体が発する二次光も散乱する機能を有する気泡を残存させるので、一次光と二次光が一様に混色された第三光を広範囲に発することができ、どこから見ても色調が一様となる混色光を確実に放出する蛍光体分散ガラスを製造可能となる。
また本発明は上記構成の蛍光体分散ガラスの製造方法において、前記気泡残存焼結工程の焼結温度と焼結時間が、一定の長時間焼結させて気泡を消滅させる焼結温度で、前記一定の長時間より短い、所定の大きさの気泡を所定密度分散して残存させる焼結時間であることを特徴としている。この構成によると、焼結時間を短縮して、所定大きさで所定密度の気泡を残存させることができ、この残存させた気泡を介して一次光と二次光を散乱させて、一様な色調の混色光で発光する蛍光体分散ガラスを製造することができる。
また本発明は上記構成の蛍光体分散ガラスの製造方法において、前記気泡の大きさが1nm〜10μmの直径で、その面密度が102〜1011個/cm2であって、前記直径をXμmとし、前記面密度をY個/cm2としたときに、103<(X*Y)<108を満足する所定大きさと所定密度の気泡が残存されていることを特徴としている。この構成によると、所定大きさと所定密度の気泡を残存させることで、光の透過を妨害するガラスの白乳化を抑制して、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光を均一に散乱させることができ、一様な色調の混色光を得ることができる蛍光体分散ガラスを製造可能となる。
本発明によれば、LED発光素子が発光する一次光および蛍光体が発する二次光を散乱する多数の気泡を含有した蛍光体分散ガラスとしたので、一次光と二次光が一様に混色された第三光を広範囲に発することができ、どこから見ても色調が一様となる混色光を発する蛍光体分散ガラスを得ることができる。また、本発明によれば、ゾルゲル法によりガラスを製造する過程で、乾燥ゲル体の焼結時間と焼結温度を制御して、所定の大きさの気泡を所定の密度で残存させる蛍光体分散ガラスの製造方法としたので、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光との混色光の発光色調が一様となって、色ずれが生じず、所望の色合いの発光が可能となる蛍光体分散ガラスを製造することができる。
本発明に係る蛍光体分散ガラスの概略説明図である。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
先ず、図1を用いて本実施形態に係る蛍光体分散ガラスについて説明する。本実施形態に係る蛍光体分散ガラス1は、透明なガラス体2に所定の蛍光体3を添加して成型した板状の分散ガラスである。また、多数の気泡4を含有している。
蛍光体分散ガラス1は、LED発光素子5が発光する一次光R1を、その内部に添加した蛍光体3が二次光R2に変換し、この一次光R1と二次光R2とが混色された第三光R3を生成して放出する機能を有する。
また、内部に含有している気泡4は、前記一次光および前記二次光を散乱させる機能を有する気泡であって、LED発光素子5が発光する一次光R1と蛍光体3が発する二次光R2を確実に重ならせて一様に混色させることが可能である。
しかし、気泡4が多すぎると、透過する光が減少してガラスが白乳化してしまう虞が生じる。また、気泡4が少なすぎると光を十分散乱させることができない。そのために、気泡4の大きさとその密度には所定の望ましい範囲があることは明らかである。本出願人らは種々検討の結果、その大きさが1nm〜10μmの直径で、その面密度が102〜1011個/cm2であれば、ガラスが白乳化せず、混色光である第三光で発光する機能を発揮することが判った。
気泡4が、1nmよりも小さいか、もしくは、10μmよりも大きくなると、光の散乱が十分発生せず、気泡が1011個/cm2よりも多いと、ガラスが白乳化しているように見える。
また、各種蛍光体粉末を添加した蛍光体分散ガラス1を製造する方法は、比較的低温で製造可能であり、且つ、添加する蛍光体粉末を均一に分散化能なゾルゲル法が好ましいので、本実施形態ではゾルゲル法を用いて蛍光体分散ガラス1を製造している。
また、通常のゾルゲル法では、その焼結工程において生じている気泡を完全に消滅させるまで焼成するが、本実施形態においては、この気泡を所定の大きさで且つ所定の密度で残存させる構成としている。
例えば、乾燥ゲル体を1050℃まで昇温して、この状態を3時間維持すると全ての気泡を消滅させることができる場合に、この焼成時間を1時間とすることで、所定の大きさで所定の密度の気泡4を残存させることができる。
また、直径の大きな気泡であればその数は少なくする必要があり、直径の小さな気泡であればその数は多く必要なので、直径と面密度を掛け合わせた数字は所定の範囲であることが好ましい。
そのために、種々検討の結果、前記直径をXμmとし、前記面密度をY個/cm2としたときに、103<(X*Y)<108を満足する範囲が好ましいことが判った。
つまり、気泡の大きさが1nm〜10μmの直径で、その面密度が102〜1011個/cm2で、且つ、直径Xμmと面密度Y個/cm2が、103<(X*Y)<108を満足する構成であれば、光の透過を妨害するガラスの白乳化を抑制して、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光を散乱させる機能を発揮し、一様な色調の混色光を得ることができる。
次に、実際に蛍光体分散ガラス1を製造した実施例について説明する。ここで採用した蛍光体分散ガラスの製造方法は、所定のゾルゲルガラス原料と所定の蛍光体を混合したガラスゾルを作成するゾル作成工程と、得られたガラスゾルを乾燥させて半固定化した乾燥ゲル体を作成するゲル作成工程と、乾燥ゲル体を焼成して光を散乱する機能を有する所定の大きさの気泡を所定の密度で含有した状態に焼結させる気泡残存焼結工程とを備える。
先ず、ゾルゲルガラス原料を得るために、テトラメトキシシラン(Si(OCH34)を1.0モル、水(H20)を10モル、メタノール(CH4O)を2.2モル、ジメチルホルムアミド((CH32NCHO)を1.0モル、アンモニア(NH4OH)を3.7×10-4モルの比率で混合した溶液を準備した。
蛍光体は、例えば、Y、Gd、Ce、Sm、Al、La及びGaの原料として酸化物、又は高温で容易に酸化物になる化合物を使用し、それらを化学量論比で十分に混合して原料を得る。又は、Y、Gd、Ce、Smの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して混合原料を得る。これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して坩堝に詰め、空気中1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成して焼成品を得る。次に、この焼成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾燥して、最後に篩を通すことで所望の蛍光体を得ることができる。
特に、青色の光に励起されて黄色の発光を示すセリウム添加YAG蛍光体を得る際には、原料として、Y23、Gd23、CeO2、Al23をそれぞれ適量用意して、これらを十分に混合した原料混合物をアルミ坩堝に充填し、これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して、水素含有窒素ガスを通気しながら還元雰囲気中において、1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成して焼成品を得る。得られた焼成品を粉砕、洗浄、分離、乾燥することで所望の蛍光体を得る。また、得られた蛍光体の組成を調べ、所望の蛍光体であることを確認し、465nmの励起光における発光波長を調べたところ、おおよそ570nmにピーク波長を有していることを確認した。つまり、青色の光を照射すると黄色の発光を示す蛍光体を得ることができる。
前記ゾルゲルガラス原料溶液に所定の蛍光体3グラムを分散させて、蛍光体分散ガラスゾルを得た。この蛍光体分散ガラスゾルを、35℃の乾燥器中で8時間キープし、それから、毎時1℃の割合で80℃まで昇温し、120時間キープし、その後、毎時0.7℃の割合で150℃まで昇温して24時間キープして乾燥ゲル体を作成した。
さらに、この乾燥ゲル体を室温から毎時20℃の割合で1000℃、または、1050℃まで昇温して、それぞれの温度で1時間キープして気泡を残存した蛍光体分散ガラス1を製造した。
気泡の大きさと密度は、電界放出形走査電子顕微鏡(SU8000:日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて計測した。また、マイクロビッカース硬度計(HM−112:アカシ社製)を用いてビッカース硬度を測定し、電子比重計(MD−300S:アルファーミラージュ社製)を用いて比重の測定を行った。
ビッカース硬度の測定は、測定時間15秒、測定荷重100gの条件で行った。また、1050℃まで昇温し、この温度を3時間キープして気泡を消滅させた比較例を製造してそのビッカース硬度と比重を測定した。その結果を表1に示す。
(表1)
Figure 2010280523
表1に示すように、テトラメトキシシラン(Si(OCH34)を用いた蛍光体分散ガラス1は、1000℃1時間の焼成で、最大30nmの気泡を、1μm2辺り82個得ることができた。これは、82×108個/cm2に相当し、面密度が102〜1011個/cm2の範囲にあることは明らかである。
また、この蛍光体分散ガラス1のビッカース硬度は84kg/mm2であって、その比重は1.12であった。
また、1050℃で1時間焼成した場合は、最大10nmの気泡を、1μm2辺り14個(14×108個/cm2に相当)得ることができ、そのビッカース硬度は387kg/mm2で、その比重は1.75であった。
このように、焼結時間が1時間の場合には、いずれの焼結温度においても所望の気泡を残存させることができる。また、焼結温度が高くなると、気泡の大きさが小さくなり、その個数は減少する。また、一定の焼結温度であれば、その焼結時間を長くすることで、気泡の大きさを小さくし、その個数を減少させることができる。つまり、焼結時間と焼結温度を制御することで、所定大きさの気泡を所望される密度で残存させることが可能となる。
また、残存する気泡が大きくその密度も高くなると、ビッカース硬度が減少し、比重も軽くなることが判る。例えば、気泡なしではビッカース硬度が614で比重が2.20であったものが、1000℃1時間の実施例では、それぞれ84(14%)、1.12(50%)となり、1050℃1時間の実施例では、387(63%)、1.75(80%)となっている。
このように、気泡なしの状態と比べて、ビッカース硬度が14%程度で比重が50%程度の状態で、最大30nmの気泡を、1μm2辺り82個得ることができる。また、ビッカース硬度が63%程度で比重が80%程度の状態で、最大10nmの気泡を、1μm2辺り14個得ることができる。
また、ビッカース硬度が10%以上でその比重が40%以上であれば、気泡の大きさが1nm〜10μmの直径で、その面密度が102〜1011個/cm2であって、ガラスが白乳化せず、混色光である第三光を一様に発することが可能であることが判った。
つまり、気泡なしの状態と比較して、ビッカース硬度が10%以上で、且つ、比重が40%以上の蛍光体分散ガラスを製造すれば、この蛍光体分散ガラスが、LED発光素子が発光する一次光と、蛍光体が発する二次光を散乱する機能を発揮する所定の大きさの気泡を所定の密度で含有していることが明らかとなった。
上記したように、ゾルゲル法によりガラスを製造する過程で、乾燥ゲル体の焼結時間と焼結温度を制御することで、所定大きさで所望される個数の気泡を残存させることができた。また、気泡を残存させることで、該気泡が、LED発光素子が発光する一次光を散乱させる機能を発揮することが明らかとなり、さらに蛍光体が発する二次光も散乱させて、これらの一次光と二次光が混色した第三光を一様な色調で発する蛍光体分散ガラスを得ることができた。
また、残存させる気泡の大きさと個数密度を所定の径で所定範囲の密度に制限することで、光の透過を妨害するガラスの白乳化を抑制可能であることが判った。
さらに、ガラス体内部で、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光を散乱させるので、一次光と二次光が一様に混色された第三光を広範囲に発することができ、どこから見ても色調が一様となる混色光を発する蛍光体分散ガラスを得ることができる。
なお、本実施例では、テトラメトキシシランより作成したシリカガラスを使用しているが、本発明は、ここで用いたシリカガラス以外のガラスに対しても有効であり、種々のガラスを用いることができる。その際には、使用するガラスに応じて、適当な焼結温度と焼結時間に調整することは当然である。また、蛍光体の種類も実施例に限定されず、種々の蛍光体を用いることができる。
上記したように、本発明に係る蛍光体分散ガラスによれば、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光を混色して所望の色合いの第三光を生成する際に、残存した気泡が一次光と二次光を散乱して一様に混色させるので、どこから見ても色調が一様となる混色光を発し、色ずれが生じず、所望の色合いの発光が可能な発光ダイオード光源を作成することができる。
また、LED発光素子を青色発光素子とし、蛍光体を黄色蛍光体とすることで、色ずれが生じず一様な色調の白色光で発光する蛍光体分散ガラスを得ることができ、どこから見ても一様な白色光を発する発光ダイオード光源を作成することができる。
さらに、本発明に係る蛍光体分散ガラスの製造方法によれば、ゾルゲル法によりガラスを製造する過程で、乾燥ゲル体の焼結時間と焼結温度を制御することで、光を散乱する機能を有する所定大きさで所望される個数密度の気泡を残存させた蛍光体分散ガラスを製造することができる。
また、残存した気泡が、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光を散乱して一様に混色する機能を発揮して、混色光の発光色調を一様とし、広範囲に色ずれが生じず、所望の色合いの発光が可能な蛍光体分散ガラスを製造することができる。
本発明に係る蛍光体分散ガラスおよびその製造方法は、LED発光素子が発光する一次光と蛍光体が発する二次光を混色して所望の色合いの第三光で発光する発光ダイオード光源に好適に適用可能な蛍光体分散ガラスおよびその製造方法となる。
1 蛍光体分散ガラス
2 ガラス体
3 蛍光体
4 気泡
5 LED発光素子
R1 一次光
R2 二次光
R3 第三光(混色光)

Claims (6)

  1. 所定の蛍光体が分散されゾルゲル法にて製造されるガラス体からなり、LED発光素子が発光する一次光を前記蛍光体が他色の二次光に変換し、前記一次光と前記二次光とを混色した第三光を生成する蛍光体分散ガラスであって、
    前記一次光および前記二次光を散乱する機能を有する所定の大きさの気泡を所定の密度で含有していることを特徴とする蛍光体分散ガラス。
  2. 前記気泡の大きさが1nm〜10μmの直径で、その面密度が102〜1011個/cm2であって、前記直径をXμmとし、前記面密度をY個/cm2としたときに、
    103<(X*Y)<108を満足することを特徴とする請求項1に記載の蛍光体分散ガラス。
  3. 前記LED発光素子が青色発光素子で、前記蛍光体が黄色蛍光体であって、前記第三光が白色であることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光体分散ガラス。
  4. ゾルゲル法にて所定の蛍光体を分散したガラス体を製造する蛍光体分散ガラスの製造方法であって、
    所定のゾルゲルガラス原料と所定の蛍光体を混合したガラスゾルを作成するゾル作成工程と、前記ガラスゾルを乾燥させて半固定化した乾燥ゲル体を作成するゲル作成工程と、前記乾燥ゲル体を焼成して光を散乱する機能を有する所定の大きさの気泡を所定の密度で含有した状態に焼結させる気泡残存焼結工程とを備えることを特徴とする蛍光体分散ガラスの製造方法。
  5. 前記気泡残存焼結工程の焼結温度と焼結時間が、一定の長時間焼結させて気泡を消滅させる焼結温度で、前記一定の長時間より短い、所定の大きさの気泡を所定密度分散して残存させる焼結時間であることを特徴とする請求項4に記載の蛍光体分散ガラスの製造方法。
  6. 前記気泡の大きさが1nm〜10μmの直径で、その面密度が102〜1011個/cm2であって、前記直径をXμmとし、前記面密度をY個/cm2としたときに、
    103<(X*Y)<108を満足する所定大きさと所定密度の気泡が残存されていることを特徴とする請求項4または5に記載の蛍光体分散ガラスの製造方法。
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