JP2010279281A - 低油分液状調味料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酒類、風味素材及びトリグリセリドを主成分とする動植物油脂を含有する低油分液状調味料であって、アルコール濃度が2〜12質量%及び該動植物油脂が3質量%を超え、20質量%未満である低油分液状調味料とすることにより得られる。
【選択図】なし
Description
更に、昨今の健康志向により、高カロリー食品は敬遠される傾向にあり、特にメタボリックシンドロームと診断されている消費者にとっては、重要な関心事となっている。
このような状況下から、低カロリーで、しかも風味がシャープに感じ、且つ、コク味のある液状ドレッシング調味料が要望される傾向にある。即ち、具材や用途に負けない、よりしっかりした風味とコク味を呈する低油分液状調味料が好まれる傾向にある。
次に本発明の第二は、アルコール濃度が2〜12質量%となるように酒類を水相に分散、溶解し、これにトリグリセリドを主成分とする動植物油脂を加えて乳化させた後、風味素材を0.01〜60.0質量%となるように混合することを特徴とする該動植物油脂が3質量%を超え、20質量%未満である低油分液状調味料の製造方法を提供するものである。
更に、本発明によれば、油相部を香味油とし、更に油相部中に香味野菜細片を含有させる技術に見られる、製造が煩雑で全体の風味がアンバランスとなる問題がなく、エネルギー量、ナトリウム含有量、酸度及び塩分含有量のバランスを調整する技術に見られる、低油分液状調味料の香味を増強する方法としては十分ではないという問題もなく、又、5’―イノシン酸を高濃度で配合すると同時にpHを特定の範囲に調整する技術に見られる、低油分液状調味料の香味を増強する方法としては十分ではなく、香味がアンバランスになるといった問題点もない。
本発明で使用される風味素材とは、低油分液状調味料に風味を付与させるものをいい、例えば果汁類の代表例としてオレンジ、りんご、カシス、レモン、グレープ、パイン、グミ、シークワーサー、マンゴー、ザクロ、洋ナシ、モモ等が、野菜搾汁の代表例としてトマト、青汁、人参、セロリー、ゴーヤ、アスパラガス、キャベツ、ケール等が挙げられる。
尚、香料及び香辛料では、低濃度で使用されるが、その他の風味素材では比較的高濃度で使用される。又、これらの風味素材の中には、油分を含有するものがあるため、後述する注意が必要となる。
低油分液状調味料中の該動植物油脂が3質量%以下では、低油分液状調味料にコク味を付与することが困難であり、一方、20質量%以上では、風味素材の風味がシャープに感じられなくなるため、何れも好ましくない。低油分液状調味料中の該動植物油脂が20質量%以上では風味素材の風味がシャープに感じられない理由として、酒類中のアルコールが油脂中に移行し易くなり、水相中の見掛けのアルコール濃度が低下してしまうこと、又、油脂が風味素材のシャープな風味を低下させることが挙げられる。
風味素材の風味がシャープに感じられる理由については、必ずしも明らかではないが、酒類の呈味と風味素材の風味の相乗効果に基づくものと考えられる。
(1)低油分液状調味料の調製
表1に示す配合組成の原料を混合・乳化し、マーマレード及びマンゴーペーストを風味素材とし、白ワイン(アルコール:12質量%)及びオレンジリキュール(アルコール:35質量%)を酒類として使用した実施例1〜4の低油分液状調味料、カシスジャムを風味素材とし、赤ワイン(アルコール:12質量%)及びカシスリキュール(アルコール:20質量%)を酒類として使用した実施例5〜8の低油分液状調味料、及びチョコレートソース及び粗挽コショウを風味素材とし、ウイスキー(アルコール:50質量%)及びブランデー(アルコール:40質量%)を使用した実施例9〜12の低油分液状調味料を調製した。即ち、水相原料である酒類、食酢、果糖ぶどう糖液糖、食塩、キサンタンガム、グルタミン酸ナトリウム及び水を混合・溶解して水相を調製し、この水相に油相原料として菜種油を加え、ホバルトミキサー(ホバルト社製)にて乳化した。次いで、前記風味素材を混合・溶解して、実施例1〜12の低油分液状調味料を調製した。
上記(1)で得られた実施例1〜12の低油分液状調味料の風味(シャープ性)の評価を次の3段階で評価した。「良好」と「やや良好」であれば、シャープ性に優れているということができる。尚、評価は経験豊かな5名の味覚評価の平均値で示した。結果を表1に示す。
[風味のシャープ性の評価]
・良好 : 風味のバランスがとれており、シャープ性を強く感じる。
・やや良好 : 風味のバランスがとれており、シャープ性をやや強く感じる。
・不良 : 風味のバランスがとれていないか、又は、シャープ性が弱い。
上記(1)で得られた実施例1〜12の低油分液状調味料の風味(コク味)の評価を次の3段階で評価した。「良好」と「やや良好」であれば、コク味に優れているということができる。尚、評価は経験豊かな5名の味覚評価の平均値で示した。結果を表1に示す。
・良好 : コク味がある。
・やや良好 : ややコク味がある。
・不良 : コク味が弱い。
上記(1)で得られた低油分液状調味料について、上記(2)の風味(シャープ性)の評価結果及び上記(3)の風味(コク味)の評価結果に基づき、総合評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、植物油を1.0質量%とし、全体が100.0質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例1と同様にして低油分液状調味料を調製し、風味(シャープ性及びコク味)を評価し、更に総合評価を行った。条件と結果を表2に示す。
実施例2において、植物油を25.0質量%とし、全体が100.0質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例2と同様にして低油分液状調味料を調製し、風味(シャープ性及びコク味)を評価し、更に総合評価を行った。条件と結果を表2に示す。
実施例3において、白ワイン及びオレンジリキュールをそれぞれ、5.0質量%及び2.0質量%とし、全体が100.0質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例3と同様にして低油分液状調味料を調製し、風味(シャープ性及びコク味)を評価し、更に総合評価を行った。条件と結果を表2に示す。
実施例4において、白ワイン及びオレンジリキュールをそれぞれ、35.0質量%及び25質量%とし、全体が100.0質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例4と同様にして低油分液状調味料を調製し、風味(シャープ性及びコク味)を評価し、更に総合評価を行った。条件と結果を表2に示す。
実施例5において、植物油を1.5質量%とし、全体が100.0質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例5と同様にして低油分液状調味料を調製し、風味(シャープ性及びコク味)を評価し、更に総合評価を行った。条件と結果を表2に示す。
実施例6において、植物油を23.0質量%とし、全体が100.0質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例6と同様にして低油分液状調味料を調製し、風味(シャープ性及びコク味)を評価し、更に総合評価を行った。条件と結果を表2に示す。
実施例7において、赤ワイン及びカシスリキュールをそれぞれ5.0質量%及び4.0質量%とし、全体が100.0質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例7と同様にして低油分液状調味料を調製し、風味(シャープ性及びコク味)を評価し、更に総合評価を行った。条件と結果を表2に示す。
実施例8において、赤ワイン及びカシスリキュールをそれぞれ25.0質量%及び50.0質量%とし、全体が100.0質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例8と同様にして低油分液状調味料を調製し、風味(シャープ性及びコク味)を評価し、更に総合評価を行った。条件と結果を表2に示す。
実施例9において、植物油を1.0質量%とし、全体が100.0質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例9と同様にして低油分液状調味料を調製し、風味(シャープ性及びコク味)を評価し、更に総合評価を行った。条件と結果を表2に示す。
実施例10において、植物油を24.0質量%とし、全体が100.0質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例10と同様にして低油分液状調味料を調製し、風味(シャープ性及びコク味)を評価し、更に総合評価を行った。条件と結果を表2に示す。
実施例11において、ウイスキー及びブランデーをそれぞれ2.0質量%及び2.0質量とし、全体が100.0質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例11と同様にして低油分液状調味料を調製し、風味(シャープ性及びコク味)を評価し、更に総合評価を行った。条件と結果を表2に示す。
実施例12において、ウイスキー及びブランデーをそれぞれ15.0質量%及び15.0質量%とし、全体が100.0質量%となるように水で調整したこと以外は、実施例12と同様にして低油分液状調味料を調製し、風味(シャープ性及びコク味)を評価し、更に総合評価を行った。条件と結果を表2に示す。
風味素材(マーマレード及びマンゴーペースト:実施例1〜4、カシスジャム:実施例5〜8及びチョコレートソース及び粗挽コショウ:実施例9〜12)を使用し、菜種油を油相とし植物油が4.0〜18.0質量%及び使用した酒類のアルコール量が4.4〜11.5質量%である実施例1〜12の低油分液状調味料では、風味のシャープ性やコク味が優れており、総合評価でも優れた評価結果であった。
比較例1〜12は、それぞれ実施例1〜12に対応しており、風味素材、食酢、果糖ぶどう糖液糖、食塩、キサンタンガム及びグルタミン酸ナトリウムの配合量は共通しているが、植物油量及び酒類量を変え、全体が100質量%となるように水で調整した低油分液状調味料である。
こうして、実施例1〜12及び比較例1〜12の結果から、酒類、風味素材及びトリグリセライドを主成分とする動植物油脂を含有する低油分液状調味料において、酒類由来の
アルコール濃度が2〜12質量%及び該動植物油脂が3質量%を超え、20質量%未満であれば、風味のシャープ性やコク味が、優れていることが理解される。
Claims (4)
- 酒類、風味素材及びトリグリセリドを主成分とする動植物油脂を含有する低油分液状調味料であって、アルコール濃度が2〜12質量%及び該動植物油脂が3質量%を超え、20質量%未満であることを特徴とする低油分液状調味料。
- 風味素材が果汁類、野菜搾汁類、ジャム類、ナッツペースト類、果物ペースト類、菓子類、野菜ペースト類、香料及び香辛料の群より選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の低油分液状調味料。
- 風味素材の使用量が、0.01〜60.0質量%であることを特徴とする請求項1記載の低油分液状調味料。
- アルコール濃度が2〜12質量%となるように酒類を水相に分散、溶解し、これにトリグリセリドを主成分とする動植物油脂を加えて乳化させた後、風味素材を0.01〜60.0質量%となるように混合することを特徴とする該動植物油脂が3質量%を超え、20質量%未満である低油分液状調味料の製造方法。
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2009
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