JP2010279205A - スイッチング素子一体型回転電機 - Google Patents

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宏文 清水
Kantaro Yoshimoto
貫太郎 吉本
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Abstract

【課題】スイッチング素子とコイルとを電気的に接続する導電経路の抵抗による損失がより少ないスイッチング素子一体型回転電機を得る。
【解決手段】アウタステータ2Sのヨーク20oの外周に配置したスイッチング素子90とコイル6とを電気的に接続する導体部としての配線80が、ヨーク20oをティース20tの突出方向Eに沿って貫通するように構成した。
【選択図】図4

Description

本発明は、スイッチング素子一体型回転電機に関する。
従来、アウタステータの外周にスイッチング素子を配置したスイッチング素子一体型回転電機が知られている(例えば特許文献1)。
特許第3559909号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されるスイッチング素子一体型回転電機では、スイッチング素子とコイルとを接続する配線が屈曲した経路で配索されているため、配線の抵抗による損失が大きくなってしまう虞があった。
そこで、本発明は、スイッチング素子とコイルとを電気的に接続する導電経路の抵抗による損失がより少ないスイッチング素子一体型回転電機を得ることを目的とする。
本発明にかかるスイッチング素子一体型回転電機にあっては、アウタステータのヨークの外周に配置したスイッチング素子とコイルとを電気的に接続する導体部が、ヨークを、ティースの突出方向に沿って貫通するように構成したことを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、スイッチング素子とコイルとを電気的に接続する導電経路がより短くなる分、当該導電経路における電気抵抗による損失をより少なくすることができる。
図1は、本発明の実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機を含む回路の等価回路図である。 図2は、本発明の実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機の一つの相に含まれる複数の並列なスイッチング素子および配線を示す回路図である。 図3は、本発明の第1実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機の内部構成の一部を示す斜視図である。 図4は、本発明の第1実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機に含まれるアウタステータの一部を示す斜視図である。 図5は、本発明の第2実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機に含まれるアウタステータの一部を示す斜視図である。 図6は、本発明の第3実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機に含まれるアウタステータの一部を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素に共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)図1に示すように、本実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機1(以下、単に回転電機1と称する)は、U相のコイル6u、V相のコイル6v、およびW相のコイル6wを有する三相交流モータ2と、複数のスイッチング素子9up,9vp,9wp,9um,9vm,9wmによって構成されるインバータ3と、を一体に含んでいる。インバータ3は、配線10p,10mを介してバッテリ4およびコンデンサ5に接続されており、図示しない制御装置によって複数のスイッチング素子9up,9vp,9wp,9um,9vm,9wmのオンオフを制御され、各相の配線8u,8v,8wおよびコイル6u,6v,6wに対して、相互に位相差を有する所定波形の交流電力を出力する。各相のコイル6u,6v,6wは、中性点7で接続されている。
また、図2に示すように、本実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機1では、各相に、スイッチング素子9up,9vp,9wp,9um,9vm,9wmを構成する複数のスイッチング素子90(正極側素子90pおよび負極側素子90m)、ならびに配線80が、並列に複数含まれており、各相のコイル6u,6v,6wには、複数本(本実施形態では5本)の配線(巻線)80が並列に巻かれている。
図3に示すように、回転電機としてのモータ2は、回転軸Axの周りに略環状に配置されるアウタステータ2Sと、当該アウタステータ2Sの径方向内側に配置されて回転軸Ax周りに回転するインナロータ2Rと、を備えている。なお、図3では、説明の便宜上、アウタステータ2Sの一部を切り欠いてあるが、アウタステータ2Sは全周に亘って連続するものとして構成してもよいし、図3のように実際に一部を切り欠いた構成としてもよい。
インナロータ2Rは、図示しない永久磁石が埋め込まれた所謂IPM型のロータとして形成されている。なお、SPM型のロータとしてもよい。また、各図では、ケース、シャフト、軸受等は省略してある。
一方、アウタステータ2Sは、図3および図4に示すように、回転軸Axの周方向に略沿って延在するヨーク20oと、ヨーク20oから回転軸Axの径方向内側に向けて突出する複数のティース20tと、当該ティース20tに巻回された配線束8utからなるコイル6と、を有しており、周方向に沿って一定のピッチで並ぶ複数の電磁石が形成されている。なお、配線束8utは、図2に示すように、並列な複数の配線80を相互に絶縁させた状態で束ねたものである。本実施形態では、一つのコイル6に巻回される配線80を束ねて配線束8utが形成されている。
また、本実施形態では、ヨーク20oとティース20tとからなるステータコアは、ティース20t毎(コイル6毎)に分割された分割体20を組み合わせて構成されている。ステータコアは、例えば圧粉磁心として構成することができる。また、コイル6は、ティース20tに配線束8utを巻回した所謂集中巻きの形態となっている。
ここで、本実施形態では、図3および図4に示すように、複数のスイッチング素子90をヨーク20oの外周に配置してある。具体的には、複数(本実施形態では五つ)のスイッチング素子90を、外周面20a上の周方向の中央部に一列に並べて載置してある。この際、スイッチング素子90の内部導体と外周面20aとの間で絶縁が確保されるのは勿論である。
スイッチング素子90は、本実施形態では、正極側素子90pと負極側素子90mとを一体化したものとして構成されている。なお、図3および図4では、バッテリ4およびコンデンサ5とスイッチング素子90とを電気的に接続する配線10p,10mや、スイッチング素子90のオンオフ制御用の配線は、省略してある。
また、スイッチング素子90は、ティース20tおよびそれに巻回されるコイル6毎に、そのコイル6に並列に巻回される配線80の数(本実施形態では5つ)ずつ設けられている。すなわち、スイッチング素子90の数は、本実施形態では、コイル6の数の5倍となっており、各分割体20の外周面20a上に、スイッチング素子90が5個ずつ載置されている。
このように、本実施形態では、多数の並列なスイッチング素子90によって、図1の等価回路に示すスイッチング素子9up,9vp,9wp,9um,9vm,9wmが構成されている。かかる構成により、各スイッチング素子90を小型化しかつ各配線80を細径化することが可能になるとともに、スイッチング素子90をオンオフするタイミングをわずかに適宜にずらすことで、サージを減殺することも可能となる。さらには、コンデンサ5の容量をより小さくすることも可能となる。
また、ヨーク20oには、ティース20tの突出方向Eに沿う貫通孔20bを形成し、この貫通孔20bに配線束8ut内の配線80を挿通して、スイッチング素子90とコイル6とを接続してある。すなわち、本実施形態では、貫通孔20bが配線挿通部に相当し、配線80が導体部に相当する。
なお、コイル6の配線束8utのスイッチング素子90に接続される側とは反対側の端部は、中性点7を形成するバスリング70に接続される。
以上、説明したように、本実施形態では、アウタステータ2Sのヨーク20oの外周に配置したスイッチング素子90とコイル6とを電気的に接続する導体部としての配線80が、ヨーク20oをティース20tの突出方向Eに沿って貫通するように構成した。よって、スイッチング素子90とコイル6との間を電気的に接続する導電経路がより短くなる分、当該導電経路の電気抵抗による損失をより少なくすることができる。また、配線を屈曲した経路で配索する場合に比べて、製造の手間を減らして製造コストの低減に資するという利点もある。
また、本実施形態では、ヨーク20oに配線挿通部としての貫通孔20bを形成し、当該配線挿通部に配線80の端部を挿通するという比較的簡素な構成によって、導電経路の電気抵抗による損失をより少なくする構成を、得ることができる。なお、配線挿通部は、切欠等として形成することも可能である。
また、本実施形態では、ティース20tおよびコイル6毎に形成される分割体20における、スイッチング素子90、配線挿通部としての貫通孔20b、ならびに当該貫通孔20bに挿通される配線80のスペック(ティース20tに対する相対位置、大きさ等)を、複数(好適には全て)の分割体20について同じにしてある。よって、複数の電磁石間の磁力のばらつきを抑制することができ、インナロータ2Rの回転むらが生じるのを抑制することができる。なお、上記スペックは、電磁石の磁力低下が極力生じないように設定することが可能であるし、回転電機1の性能低下を極力避けるためにインナロータ2Rの構成を最適化することも可能である。
(第2実施形態)図5に示すように、本実施形態では、アウタステータ2Sのステータコアの分割体20Aを積層鋼板21によって形成し、その積層鋼板21のうちの一部の鋼板22を、スイッチング素子90とコイル6とを電気的に接続する導体部として用いている。
鋼板22は、導電性部材によって板状に形成され、他の積層鋼板21とともにステータコア(ヨーク20oおよびティース20t)を構成する本体部22aと、本体部22aから略一定幅で径方向外側に突出する突出部22bと、突出部22bの径方向外側の端部に直交して当該突出部22bとともに略T字を形成する冷却部22cと、を有している。鋼板22の少なくとも本体部22aの表裏には、例えば絶縁性フィルムをラミネート加工する等によって絶縁層が形成されており、積層鋼板21との間で絶縁が確保されている。
また、本実施形態では、スイッチング素子90は、突出部22bの表面22dに実装されている。そして、スイッチング素子90の内部導体を突出部22bに電気的に接続するとともに、配線束8utの内部の一つの配線80の一端を、ティース20t、あるいはヨーク20oのティース20t側の部分で、鋼板22の本体部22aに電気的に接続してある。本実施形態では、かかる構成により、鋼板22が、スイッチング素子90とコイル6とを電気的に接続する導体部となっている。
冷却部22cは、空冷フィンあるいは水冷フィン(水配管を密着する等)として構成してもよいし、ペルチェ素子等で冷却してもよい。
なお、図5では、一つのスイッチング素子90に対応する構成のみを示し、他のスイッチング素子90に対応する構成については省略してある。また、バッテリ4およびコンデンサ5とスイッチング素子90とを電気的に接続する配線10p,10mや、スイッチング素子90のオンオフ制御用の配線も、省略してある。
以上のように、本実施形態では、アウタステータ2Sのヨーク20oの外周に配置したスイッチング素子90とコイル6とを電気的に接続する導体部としての鋼板22が、ヨーク20oをティース20tの突出方向Eに沿って貫通するように構成した。よって、スイッチング素子90とコイル6との間を電気的に接続する導電経路がより短くなる分、当該導電経路の電気抵抗による損失をより少なくすることができる。また、配線を屈曲した経路で配索する場合に比べて、製造の手間を減らして製造コストの低減に資するという利点もある。
また、本実施形態では、ステータコアを積層鋼板21で形成し、導体部を、当該積層鋼板21をなす鋼板22の少なくとも一部によって構成した。よって、積層鋼板21によってステータコアを形成する場合に、導電経路の電気抵抗による損失をより少なくする構成を、鋼板22を利用した比較的簡素な構成として得ることができる。
また、本実施形態でも、ティース20tおよびコイル6毎に形成される分割体20Aにおける、スイッチング素子90、ならびに導体部としての鋼板22のスペック(ティース20tに対する相対位置、大きさ等)を、複数(好適には全て)の分割体20Aについて同じにしてある。よって、複数の電磁石間の磁力のばらつきを抑制することができ、インナロータ2Rの回転むらが生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、鋼板22の表面22dにスイッチング素子90を取り付けた。かかる構成によれば、ヨーク20oにスイッチング素子90を取り付けた構成を比較的簡素な構成として得ることができるとともに、導体部としての鋼板22とスイッチング素子90との電気的な接続を確立しやすくなり、その分、製造の手間を減らして製造コストの低減に資するという利点がある。
そして、本実施形態では、スイッチング素子90を実装した鋼板22に冷却部22cを設けた。よって、冷却部22cによって鋼板22ひいてはスイッチング素子90を冷却して、過熱を抑制することができる。
(第3実施形態)図6に示すように、本実施形態では、スイッチング素子90がヨーク20oの外周面20a上に複数設けられており、それら複数のスイッチング素子90の間となる位置に、スイッチング素子90に電気的に接続されるバスバー100を配置してある。バスバー100は、図1および図2の配線10p,10mや、オンオフ制御用の配線をなすものであって、導電性金属の棒状部材として形成され、外周面20aとの間で絶縁が確保された状態で、当該外周面20a上に接着等によって固定されている。バスバー100とスイッチング素子90との間は、図示しないワイヤ等で電気的に接続される。
以上の本実施形態でも、上記第1実施形態と同様に、アウタステータ2Sのヨーク20oの外周に配置したスイッチング素子90とコイル6とを電気的に接続する導体部としての配線80が、ヨーク20oをティース20tの突出方向Eに沿って貫通するように構成してある。よって、スイッチング素子90とコイル6との間を電気的に接続する導電経路がより短くなる分、当該導電経路の電気抵抗による損失をより少なくすることができる。
また、本実施形態でも、ティース20tおよびコイル6毎に形成される分割体20Bにおける、スイッチング素子90、配線挿通部としての貫通孔20b、ならびに当該貫通孔20bに挿通される配線80のスペック(ティース20tに対する相対位置、大きさ等)を、複数(好適には全て)の分割体20について同じにしてある。よって、複数の電磁石間の磁力のばらつきを抑制することができ、インナロータ2Rの回転むらが生じるのを抑制することができる。
そして、本実施形態では、スイッチング素子90をヨーク20oの外周面20a上に複数設け、複数のスイッチング素子90の間となる位置に、それら複数のスイッチング素子90に電気的に接続されるバスバー100を配置した。よって、バスバー100によって電気抵抗を減らすことができるとともに、ヨーク20oの外周面20a上に、複数のスイッチング素子90およびバスバー100を、効率よく配置することができる。また、外周面20a上は磁束密度が比較的低い領域であるため、バスバー100の配置によって回転電機1の性能が低下するのを回避しやすくなる。
また、本実施形態では、複数のスイッチング素子90を外周面20a上に例えば千鳥格子状に分散して載置することで、スイッチング素子90を集約させて配置した場合に比べて、各電磁石における磁力の低下を抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず種々の変形が可能である。例えば、スイッチング素子の並列数は5以外であってもよいし、スイッチング素子を複数のコイルで共用してもよい。また、回転電機1の細部の構成も、上記実施形態には限定されず、種々に変更して実施することができる。
1 スイッチング素子一体型回転電機
2 モータ
2R インナロータ
2S アウタステータ
6 コイル
20,20A,20B 分割体(ステータコア)
20a 外周面
20b 貫通孔(配線挿通部)
20o ヨーク
20t ティース
21 積層鋼板
22 鋼板(導体部)
22c 冷却部
22d 表面
80 配線(導体部)
90 スイッチング素子
100 バスバー
Ax 回転軸
E 突出方向

Claims (7)

  1. 回転軸の周方向に沿って延在するヨークと、当該ヨークから回転軸の径方向内側に向けて突出する複数のティースと、当該ティースに巻回された配線からなるコイルと、を有して回転軸の周方向に沿って並ぶ複数の電磁石が形成されたアウタステータと、
    前記周方向に沿って並べられて前記複数の電磁石と対向する複数の永久磁石を有するインナロータと、
    前記ヨークの外周に配置されたスイッチング素子と、
    前記ヨークを前記ティースの突出方向に沿って貫通して前記スイッチング素子と前記コイルとを電気的に接続する導体部と、
    を備えることを特徴とするスイッチング素子一体型回転電機。
  2. 前記導体部は、前記ヨークに形成された配線挿通部に挿通された配線であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング素子一体型回転電機。
  3. 前記ヨークと前記ティースとからなるステータコアが積層鋼板で形成され、
    前記導体部が、前記積層鋼板をなす鋼板の少なくとも一部によって構成されたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング素子一体型回転電機。
  4. 前記スイッチング素子を前記鋼板の表面上に取り付けたことを特徴とする請求項3に記載のスイッチング素子一体型回転電機。
  5. 前記鋼板に、当該鋼板を冷却する冷却部を形成したことを特徴とする請求項4に記載のスイッチング素子一体型回転電機。
  6. 複数のティースのそれぞれに対応して前記スイッチング素子が設けられており、
    各ティースに対する前記導体部の相対的な位置を、複数のティースについて同じにしたことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一つに記載のスイッチング素子一体型回転電機。
  7. 前記スイッチング素子が前記ヨークの外周面上に複数設けられており、
    前記複数の前記スイッチング素子の間となる位置に、それら複数のスイッチング素子に電気的に接続されるバスバーを配置したことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一つに記載のスイッチング素子一体型回転電機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024029420A1 (ja) * 2022-08-03 2024-02-08 株式会社村田製作所 ステータ及びモータ

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