JP2010277882A - 白熱電球 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒状のバルブ11と、バルブ11の一端のシール部を取り囲む筒状の口金碍子40と、バルブ11内において平面状に形成されたフィラメント20とを有し、バルブ11のシール部が下方を向くよう配置したときに、口金碍子40の周壁は、フィラメント20に係る平面Fを境界として、正面側の領域部分40aが背面側の領域部分40bより高く、フィラメント20の中心Oからフィラメント20に係る平面Fに垂直な正面側の方向に光中心距離と同じ距離だけ離れた点Sと、フィラメントに係る平面Fからそれに垂直な方向に伸びる直線と口金碍子40の正面側の領域部分40aの上端の外周縁との交点をPとを通過する基準直線Aの高さレベルより、背面側の領域部分40bの上端が下方に位置されている。
【選択図】図2
Description
本発明者らは、このような漏れ光が生ずる原因を検討したところ、フィラメント55からの光L1が口金碍子58の内壁面や上端面に乱反射して生ずる反射光L2がレンズ70に入光することにより、ハレーションを引き起こすためであることが判明した。また、一般的な口金碍子は、白色セラミックスによって形成されているため、乱反射して生ずる反射光L2が強くなり、引き起こされるハレーションが強くなっていることも判明した。
前記バルブのシール部が下方を向くよう配置したときに、前記口金碍子の周壁は、前記フィラメントに係る平面を境界として、正面側の領域部分が背面側の領域部分より高くなるよう形成されており、
前記フィラメントの中心から当該フィラメントに係る平面に垂直な正面側の方向に光中心距離と同じ距離だけ離れた点をSとし、前記フィラメントに係る平面からそれに垂直な方向に伸びる直線と前記口金碍子の周壁における正面側の領域部分の上端の外周縁との交点をPとしたとき、前記バルブの管軸を含む前記フィラメントに係る平面に垂直な断面において、前記口金碍子の周壁における背面側の領域部分の上端が、点Sと点Pとを通過する基準直線の高さレベルより下方に位置されていることを特徴とする。
また、前記バルブの管軸を含む前記フィラメントに係る平面に垂直な断面において、口金碍子の周壁における正面側の領域部分の上端が、他の特定の基準直線の高さレベルより下方に位置されることにより、フィラメントからの光が口金碍子の周壁における正面側の領域部分の上端面で反射されて生じるハレーションを抑制することができ、従って、例えばスポットライトの光源として利用したときに漏れ光を一層少なくすることができる。
図1は、本発明の白熱電球の一例における構成をバルブおよび口金碍子の一部を破断して示す説明用正面図である。
この白熱電球10は、石英ガラスよりなる円筒状のバルブ11を有し、このバルブ11の一端には、ピンチシール部12が形成され、当該バルブ11の他端には、排気管残部13が形成されている。
バルブ11内における中央位置には、平面状に形成されたフィラメント20がその中心がバルブ11の管軸上に位置するよう配置されている。図示の例のフィラメント20を具体的に説明すると、フィラメント20は、それぞれバルブ11の管軸に略平行に伸びる、例えばタングステンよりなる複数(図示の例では6つ)のコイル状のフィラメントセグメント21を有し、これらのフィラメントセグメント21が、それぞれの軸が同一平面上に沿って並ぶよう配置され、フィラメントセグメント21の端部が、隣接するフィラメントセグメント21の端部にトビ部22によって互いに一体に連結されて構成され、これにより、フィラメント20全体が平面状とされている。
フィラメント20の一端部23および他端部24は、一対の内部リード棒25の先端部に巻回されて接続されている。内部リード棒25の各々の基端部は、ピンチシール部12内に互いに離間して埋設された例えばモリブデンよりなる一対の金属箔26の一端部に接続された状態で、当該ピンチシール部12に気密に融着されて固定され、金属箔26の各々の他端部には、ピンチシール部12から外方に伸びる、例えばタングステンよりなる外部リード棒27が接続されている。
また、バルブ11内には、当該バルブ11の管軸に沿って伸びる棒状のサポータ28が配置され、このサポータ28の一端部は、第1のガラス片30に固定され、当該サポータ28の他端部は、バルブ11の排気管残部13に進入して固定されている。
バルブ11内における排気管残部13とフィラメント20との間には、柱状の第2のガラス片32が、サポータ28に融着して固定された状態で、バルブ11の管軸と略垂直な方向に沿って配置されており、この第2のガラス片32には、フィラメント20に向かって伸びる複数(図示の例では3つ)のアンカー33が固定され、当該アンカー33の先端部がフィラメント20のトビ部22に係合されており、これにより、フィラメント20は、アンカー33を介して第2のガラス片32に支持されている。
口金碍子40の底部41の外面には、当該底部41に垂直に伸びるピン状の一対の接続端子44が設けられており、接続端子44の各々は、リード線35を介して外部リード棒27に電気的に接続されている。
ここで、「光中心距離」とは、フィラメント20の中心から口金碍子の下端すなわち底部の外面までの距離を意味し、例えばスポットライトにおける反射鏡は、一般的に、光中心距離を半径とする半球面に沿って形成される。
非光反射性を付与するためには、上記の表面領域に例えば黒色塗装を施せばよい。
また、正面側の領域部分40aの内周壁面における非光反射性とされる上端領域は、当該領域部分40aの上端から下方に5mm以上の離れた位置までの領域であることが好ましい。
このような構成を採用することにより、フィラメント20からの光が口金碍子40の周壁における正面側の領域部分40aの上端面および内周壁面で反射されて生じるハレーションを抑制することができる。
また、口金碍子40の周壁における正面側の領域部分40aの上端が、他の特定の基準直線Bの高さレベルより下方に位置されることにより、フィラメント20からの光が口金碍子40の周壁における正面側の領域部分40aの上端面で反射されて生じるハレーションを抑制することができ、従って、例えばスポットライトの光源として利用したときに漏れ光を一層少なくすることができる。
このようなスポットライトにおいては、白熱電球10のフィラメント20から放射された光は、直接または反射鏡45に反射された後、レンズ46によって集光され、例えば人などの照明対象体が位置する照明対象領域に照射される。
而して、このようなスポットライトによれば、本発明の白熱電球10を有するため、フィラメント20からの光が口金碍子40に反射されて生じるハレーションが抑制されるので、漏れ光の低減化を図ることができる。
例えば、口金碍子は、図3に示す形状のものに限定されず、図6に示すように、正面側の領域部分40aの上端と背面側の領域部分40bの上端との間に段部が形成されることにより、正面側の領域部分40aが背面側の領域部分40bより高くなるよう形成されていてもよい。また、口金碍子は、図7に示すように、矩形の有底筒状であって、その正面側の外壁面および背面側の外壁面がテーパ状に形成され、背面側の領域部分40bの上端面がテーパ状とされることにより、正面側の領域部分40aが背面側の領域部分40bより高くなるよう形成されていてもよい。更に、口金碍子は、図8に示すように、矩形の有底筒状であって、その正面側の外壁面および背面側の外壁面がテーパ状に形成され、正面側の領域部分40aの上端と背面側の領域部分40bの上端との間に段部が形成されることにより、正面側の領域部分40aが背面側の領域部分40bより高くなるよう形成されていてもよい。また、口金碍子を形成する筒状体は、円形、矩形のものに限られず、六角形、その他の多角形のものであってもよい。
また、フィラメント20は、平面状に形成されたものであれば、図1に示す形状のものに限定されず、例えば図9(a)に示すように、複数のフィラメントセグメント21が平行に並ぶよう配置され、かつ、隣接するフィラメントセグメント21の両端の高さレベルが互いに異なるよう配置されてなるもの、図9(b)に示すように、4つのフィラメントセグメント21がM字型に配置されてなるもの、図9(c)に示すように、単一のフィラメントセグメント21が波状に湾曲されてなるものであってもよい。
図1〜図4に示す構成に従い、下記の仕様のバルブ、フィラメントおよび口金碍子を用いて、本発明に係る白熱電球を作製した。
バルブは、石英ガラスよりなり、排気管残部を除く全長が113mm、内径が20mm、外径が23mm、ピンチシール部の長さは25mmである。
フィラメントは、タングステンよりなり、6つのフィラメントセグメントの長さは、それぞれ14mmであり、フィラメント形成領域における管軸方向の寸法が14mm、管軸方向と垂直な方向の寸法が12.7mmである。
口金碍子の寸法は、底部の外径が35mm、高さ(軸方向の長さ)が53mmであり、上端から10mmまでの部分がテーパ部とされている。また、口金碍子の周壁における正面側の領域部分の上端面の幅(周壁の厚み)は、1.0mmである。
作製した白熱電球は、定格電力が1000W、全光束が21600lm、色温度が3020Kのものである。
また、この白熱電球は、その光中心距離が90mmであり、口金碍子の周壁における背面側の領域部分の上端が、点Sと点Pとを通過する特定の基準直線の高さレベルより下方に位置され、かつ、口金碍子の周壁における正面側の領域部分の上端が、点Rとフィラメントの下端とを通過する他の特定の基準直線の高さレベルより下方に位置されているものである。
そして、上記のスポットライトを点灯し、スポットライトからの光の照射面の照度分布を測定した。結果を図10に示す。
口金碍子を下記の仕様のものに変更したこと以外は、実施例1と同様の構成の白熱電球およびスポットライトを作製し、このスポットライトからの光の照射面の照度分布を測定した。結果を図11に示す。
11 バルブ
12 ピンチシール部
13 排気管残部
20 フィラメント
21 フィラメントセグメント
22 トビ部
23 フィラメントの一端部
24 フィラメントの他端部
25 内部リード棒
26 金属箔
27 外部リード棒
28 サポータ
30 第1のガラス片
31 アンカー
32 第2のガラス片
33 アンカー
35 リード線
40 口金碍子
40a 正面側の領域部分
40b 背面側の領域部分
41 底部
42 胴部
43 テーパ部
44 接続端子
45 反射鏡
46 レンズ
50 白熱電球
51 バルブ
52 ピンチシール部
53 排気管残部
55 フィラメント
56 フィラメントセグメント
58 口金碍子
60 反射鏡
70 レンズ
A 特定の基準直線
B 他の特定の基準直線
D 溝部
F フィラメントに係る平面
K 切欠き
O フィラメントの中心
Claims (2)
- 一端にシール部が形成された筒状のバルブと、このバルブのシール部を取り囲むよう設けられた筒状の口金碍子と、前記バルブ内において平面状に形成されたフィラメントとを有する白熱電球において、
前記バルブのシール部が下方を向くよう配置したときに、前記口金碍子の周壁は、前記フィラメントに係る平面を境界として、正面側の領域部分が背面側の領域部分より高くなるよう形成されており、
前記フィラメントの中心から当該フィラメントに係る平面に垂直な正面側の方向に光中心距離と同じ距離だけ離れた点をSとし、前記フィラメントに係る平面からそれに垂直な方向に伸びる直線と前記口金碍子の周壁における正面側の領域部分の上端の外周縁との交点をPとしたとき、前記バルブの管軸を含む前記フィラメントに係る平面に垂直な断面において、前記口金碍子の周壁における背面側の領域部分の上端が、点Sと点Pとを通過する基準直線の高さレベルより下方に位置されていることを特徴とする白熱電球。 - 前記口金碍子の下端の中心から前記フィラメントに係る平面に垂直な正面側の方向に光中心距離と同じ距離だけ離れた点をRとしたとき、前記口金碍子の周壁における正面側の領域部分の上端が、点Rと前記フィラメントの下端とを通過する他の基準直線の高さレベルより下方に位置されていることを特徴とする請求項1に記載の白熱電球。
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