JP2010276438A - 回転翼の非接触翼振動計測方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケーシング2に取り付けられた非接触センサ12で回転翼1を非接触で検出し、非接触センサによる回転翼の検出信号の立ち上り(トリガイン)と立ち下り(トリガアウト)の時刻から回転翼の振動を計測し、回転翼の振動時と非振動時の通過時刻のずれと立ち上りと立ち下りの時刻の差から振動振幅及び周波数を算出する。
【選択図】図3
Description
さらに、従来の波形フィット法では、検出周波数上限がセンサ間角度で制限される。センサ間角度を小さくするにはセンサピッチを小さくする必要があるが、センサ径は有限であるため、同じセンサ角度でもセンサピッチが小さくなる小径ターボ機械の計測に不向きであるなどの問題があった。
前記ケーシングに取り付けられた非接触センサで前記回転翼を非接触で検出し、
該非接触センサによる回転翼の検出信号の立ち上りと立ち下りの時刻から回転翼の振動を計測し、回転翼の振動時と非振動時の通過時刻のずれと前記立ち上りと立ち下りの時刻の差から振動振幅及び周波数を算出する、ことを特徴とするターボ機械の非接触翼振動計測方法が提供される。
この図において、Sθ1,Sθ2,Sθ3,Sθ4は、この例では4台の非接触センサ3(3−1,3−2,3−3,3−4)のキー溝センサ5からのそれぞれの取付角度である。また、BNθは、キー溝4からN番目の回転翼1の取付角度、Rは、ケーシング2の半径である。
また、以下の説明において、T1N,T2N,T3N,T4Nは、N番目の回転翼1が4台の非接触センサ3(3−1,3−2,3−3,3−4)をそれぞれ通過する時刻である。
1点法は、図1の非接触センサ3のうち1つ(ここでは非接触センサ3−1のみ)を用いて、得られた時刻情報から翼振動振幅を得る方法である。1点法の原理によれば、非接触センサ3−1で計測されるN番目の回転翼1の翼通過時刻T1Nは、数1の式(1)のように得られる。
式(1)において、ロータ回転周期Tr、ロータ回転回数r、キー溝4から1番目の回転翼1の取付角度B1θ、および非接触センサ3−1のキー溝センサ5からの取付角度Sθ1は、既知なので第1項,第2項は消去できる。
さらに、翼振動a1を固有振動数ω、減衰比ζの1自由度系と仮定すれば、a1(fb1),φ1(fb1)は固有振動数ωと励振のfb1の比βを用いて、式(4)、式(5)のように表わされる。
この図において、センサ位置に関わらず、最大最小の巾ΔTOAはamax/uとして現れることが知られている。ここでロータ回転周期Trと回転翼1の周速uは既知なので、この性質を用いれば、回転数を連続的に上下させて得られた図2のような曲線から、翼の最大振動振幅amaxを得ることができる。
ただしこの過程で周波数は未定のままである。
2点法は、図1の非接触センサ3のうち2つ(ここでは非接触センサ3−1,3−2)を用い、1点法の式(1)を2つの非接触センサ3(たとえば非接触センサ3−1,3−2)の間で引いて、数2の式(6)を得る。
さらにこれに三角関数の公式(7)を用いれば、式(8)が得られる。
その後、振動成分について、1点法と同様の方法で振動振幅を求める方法である。
4点法は、図1の4台の非接触センサ3(3−1,3−2,3−3,3−4)をすべて用いる。2点法の式(8)を4台の非接触センサに用いることにより、数3の式(9)〜式(11)が得られる。
振動項のみを残してこの関数形を満たすように振幅a1、翼振動数n1、位相φ1を求める。
1点法で得られるのは共振ピーク位置での振幅最大値のみであるが、この方法によれば、周波数、振幅、位相をピーク位置に限定されず、その周辺の任意の位置で連続的に知ることができる。
この図において、1は回転翼、2はケーシング、12は非接触センサ、4はキー溝、5はキー溝センサである。すなわち、回転翼1を囲むケーシング2に回転翼1の通過を検出する非接触センサ12を1台取り付けて、回転翼1の振動時と非振動時の通過時刻を計測するようになっている。
この図において、Sθ1i,Sθ1oは、この例では1台の非接触センサ12のキー溝センサ5からの立ち上りと立ち下りに対応する取付角度である。また、BNθは、キー溝4からN番目の回転翼1の取付角度、Rはケーシング2の半径である。
非接触センサ12は、ケーシング2に取り付けられ回転翼1を非接触で検出する。
振動計測装置14は、非接触センサ12による回転翼1の検出信号の立ち上りと立ち下りの時刻から回転翼1の振動を計測し、回転翼1の振動時と非振動時の通過時刻のずれと検出信号の立ち上りと立ち下りの時刻の差から振動振幅及び周波数を算出する。
(A)ケーシング2に取り付けられた非接触センサ12で回転翼1を非接触で検出し、
(B)非接触センサ12による回転翼1の検出信号の立ち上りと立ち下りの時刻から回転翼1の振動を計測し、回転翼1の振動時と非振動時の通過時刻のずれと検出信号の立ち上りと立ち下りの時刻の差から振動振幅及び周波数を算出する。
また、この例では、単一の非接触センサ12を用い、回転翼1の検出信号の立ち上りと立ち下りの時刻の差から、2点法の原理を用いて、振動振幅及び周波数を算出する。
図4は、本発明による非接触センサの検出信号の説明図である。この図において、横軸は経過時間、縦軸はセンサ信号である。
この図において、T1iN,T1oNは、N番目の回転翼1が1台の非接触センサ12を通過する際の検出信号の立ち上りと立ち下りの時刻である。すなわち、たとえば、同一の非接触センサ12で、トリガイン時刻T1iNとトリガアウト時刻T1oNが得られたとする。
この場合、トリガアウト時刻−トリガイン時刻は、2点法の原理を用いて、数4の式(12)となる。
1点法と同様に、翼を固有振動数ω、減衰比ζの1自由度系と仮定して振幅a1と位相φ1を有振動数ωと励振のfb1の比βの関数としたうえでβ=1のまわりで変化させた際のT1N−T2Nの振動成分(右辺第2項)の挙動は図5のようになる。
ここでR,Sθ1,Sθ2は既知で、a1は1点法により得られるから、周波数n1も得られる。この性質を用いれば、回転数を連続的に上下させて得られた図5のような曲線から、1本のセンサで翼の最大振動振幅amaxと周波数n1を同時に得ることができる。
さらに、従来の1点法で得られた振幅情報を用いることで周波数を得ることができる。従って、本発明により、1台の非接触センサ12で最大応答点の振幅、周波数を同時に得ることができる。また周波数は波形フィット法ではなく2つの波の振幅比から算出されるため、波形フィット法に見られるようなエリアジングによる周波数検出上限の制限も緩和される。
この図において、回転翼1を囲むケーシング2に回転翼1の通過を検出する非接触センサ12を3台取り付けて、回転翼1の振動時と非振動時の通過時刻を計測するようになっている。
この図において、Sθ1i,Sθ1o、Sθ2i,Sθ2o、Sθ3i,Sθ3oは、この例では3台の非接触センサ12のキー溝センサ5からのそれぞれ立ち上りと立ち下りに対応する取付角度である。
その他の構成は、図3と同一である。
式(14)〜式(16)において、3つの未知数(振幅a1、周波数fb1または次数n1、および位相φ1)に対して3本の連立方程式が成立する。振動項のみを残してこの関数形を満たすように、振幅a1、周波数n1、位相φ1を求める。
この方法によれば周波数、振幅、位相を4点法と同様、ピーク位置に限定されず任意の位置で4点法より少数のセンサで連続的に知ることができる。
また、各非接触センサで、トリガイン信号とトリガアウト信号の両方を有効に利用できるため、センサピッチを小さくでき、これにより小径ターボ機械の計測に適用できる。
3(3−1,3−2,3−3,3−4) 非接触センサ、
4 キー溝、5 キー溝センサ、
10 接触翼振動計測装置、
12(12a,12b,12c) 非接触センサ、
14 振動計測装置、
Claims (3)
- 軸心を中心に回転し周方向に等間隔に配置された複数の回転翼と、該回転翼の半径方向外方端から間隔を隔てて回転翼を囲むケーシングとを有するターボ機械の非接触翼振動計測方法であって、
前記ケーシングに取り付けられた非接触センサで前記回転翼を非接触で検出し、
該非接触センサによる回転翼の検出信号の立ち上りと立ち下りの時刻から回転翼の振動を計測し、回転翼の振動時と非振動時の通過時刻のずれと前記立ち上りと立ち下りの時刻の差から振動振幅及び周波数を算出する、ことを特徴とするターボ機械の非接触翼振動計測方法。 - 単一の非接触センサを用い、回転翼の検出信号の立ち上りと立ち下りの時刻の差から、2点法の原理を用いて、振動振幅及び周波数を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載のターボ機械の非接触翼振動計測方法。
- 3台の非接触センサを用い、回転翼の検出信号の立ち上りと立ち下りの時刻の差から、波形フィット法の原理を用いて、振幅、周波数及び位相を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載のターボ機械の非接触翼振動計測方法。
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