JP2016080401A - 翼損傷判定用装置と翼損傷判定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】翼損傷判定用装置10は、回転する回転体の翼が繰り返し通過する翼検出静止位置に来た翼を繰り返し検出する翼検出部5a〜5dと、経過時間を計測する時間計測部7と、翼検出部5a〜5dが繰り返し行った翼の検出と時間計測部7により計測された経過時間とに基づいて、翼検出部5a〜5dが翼を繰り返し検出した各時点を特定した翼検出時点データを生成する翼検出時点データ生成部9と、翼検出時点データに基づいて判定用の振動特性データを生成する特性データ生成部11と、判定基準となる翼について予め求めた基準の振動特性データを記憶する記憶部13と、判定用の振動特性データと基準の振動特性データとを比較することにより翼が損傷しているかどうかを判定する損傷判定部15とを備える。
【選択図】図2
Description
(1)計測対象の翼に歪みゲージを取り付ける。回転体の回転中に歪みゲージから出力された値に基づいて、翼の振動特性を求める。求めた振動特性に基づいて、翼が損傷しているかどうかを判断する。
(2)静止させた回転体の翼に超音波発振器と超音波受信器を取り付ける。回転体が静止した状態で、超音波発振器から翼に超音波を伝播させ、この超音波の反射波を超音波受信器で受ける。受けた反射波に基づいて、翼に損傷箇所があるかどうかを判断する。
上記(2)の検査方法では、損傷の検査対象となる全ての翼に、超音波発振器と超音波受信器を取り付ける必要がある。
また、上記(1)(2)の検査方法では、センサ(歪みゲージや超音波発振器および超音波受信器)に対する配線のため、センサを翼に取り付けたまま、回転体を回転させるのは困難であるため、回転体を回転させた状態で翼の損傷検査に用いるデータ(センサによる計測データ)を取得するのが困難である。
さらに、翼にセンサを取り付けると、翼の振動特性が変化してしまう可能性がある。
判定対象の回転体が回転している回転状態で、この回転により翼が、前記周方向において予め定めた翼検出静止位置を繰り返し通過する場合に、翼検出静止位置に来た翼を繰り返し非接触で検出する翼検出部と、
翼検出部が繰り返し翼を検出する期間において、経過時間を計測する時間計測部と、
翼検出部が繰り返し行った翼の検出と、時間計測部により計測された経過時間とに基づいて、翼検出部が翼を繰り返し検出した各時点を特定した翼検出時点データを生成する翼検出時点データ生成部と、
翼検出時点データに基づいて、判定対象となる翼について判定用の振動特性データを生成する特性データ生成部と、
判定基準となる翼について予め求めた基準の振動特性データを記憶する記憶部と、
判定用の振動特性データと基準の振動特性データとを比較することにより、判定対象の回転体における翼が損傷しているかどうかを判定する損傷判定部と、を備える、ことを特徴とする翼損傷判定用装置が提供される。
判定対象の回転体が回転している回転状態で、この回転により翼が、前記周方向において予め定めた翼検出静止位置を繰り返し通過する場合に、翼検出静止位置に来た翼を繰り返し非接触で検出する翼検出部と、
翼検出部が繰り返し翼を検出する期間において、経過時間を計測する時間計測部と、
翼検出部が繰り返し行った翼の検出と、時間計測部により計測された経過時間とに基づいて、翼検出部が翼を繰り返し検出した各時点を特定した翼検出時点データを生成する翼検出時点データ生成部と、
翼検出時点データに基づいて、判定対象となる翼について判定用の振動特性データを生成する特性データ生成部と、
判定基準となる翼について予め求めた基準の振動特性データを記憶する記憶部と、
判定用の振動特性データと基準の振動特性データとを視覚的に比較可能な形態で提示するデータ提示部と、を備える、ことを特徴とする翼損傷判定用装置が提供される。
特性データ生成部は、前記全ての翼の各々について、判定用の振動特性データを生成する。
これに対して、センサ(歪みゲージや超音波発振器および超音波受信器)を翼に取り付けて翼の損傷を検査する上述の方法では、センサを取り付けた翼についてしか、翼の損傷を検査できない。
回転体の各回転速度について、翼検出部による翼の検出と、時間計測部による経過時間の計測とに基づいて、翼検出時点データ生成部は、翼検出時点データを生成し、
回転体が一回転するのに要する時間を基準回転周期とし、翼が、翼検出静止位置に来た時点から、再び同じ翼検出静止位置に来るまでの時間を翼通過周期とし、
判定用の振動特性データと基準の振動特性データとの各々は、速度検出部が検出した回転速度と、基準回転周期に対する翼通過周期の変動量ΔTOAとの関係である。
回転体の各回転速度について、翼検出部による翼の検出と、時間計測部による経過時間の計測とに基づいて、翼検出時点データ生成部は、翼検出時点データを生成し、
判定用の振動特性データと基準の振動特性データとの各々は、速度検出部が検出した各回転速度における翼振動の周波数と振幅であってもよい。
(A)判定対象の回転体が回転している回転状態で、この回転により翼が、前記周方向において予め定めた翼検出静止位置を繰り返し通過する場合に、翼検出部により、翼検出静止位置に来た翼を繰り返し非接触で検出し、
(B)前記(A)において、翼検出部が繰り返し翼を検出する期間において、時間計測部により、経過時間を計測し、
(C)翼検出部が繰り返し行った翼の検出と、時間計測部により計測された経過時間とに基づいて、翼検出部が翼を繰り返し検出した各時点を特定した翼検出時点データを、翼検出時点データ生成部により生成し、
(D)翼検出時点データに基づいて、判定用の振動特性データを特性データ生成部により生成し、
(E)判定基準となる翼について予め求めた基準の振動特性データと、前記(D)で生成した判定用の振動特性データとを比較することにより、判定対象の回転体における翼が損傷しているかどうかを判定する、ことを特徴とする翼損傷判定方法が提供される。
その上で、損傷判定部が、判定用の振動特性データと基準の振動特性データとを比較して、翼の損傷の有無を判定する。
または、データ提示部が、判定用の振動特性データと基準の振動特性データとを視覚的に比較可能な形態で提示するので、人が、両データを見て、両データを比較して、翼の損傷の有無を判定できる。
図1(A)は、本発明の第1実施形態による翼損傷判定用装置が適用可能な回転機械の回転体1を示す。図1(B)は、図1(A)のB−B線矢視図である。
基準の振動特性データは、翼損傷判定用装置10により翼の損傷の有無を判定する対象となる回転機械と同じ機種の回転機械に関するものであってよい。ここで、機種が同じとは、形状や寸法や材質を含む構造が同じであることを意味する。
代わりに、基準の振動特性データは、翼損傷判定用装置10により翼の損傷の有無を判定する対象となる回転機械に関するデータであるが、翼の損傷が無い初期時点(例えば、この回転機械が製造された時点)に取得されたデータである。
基準の振動特性データは、上述した判定用の振動特性データと同じ方法で予め求められる。
翼検出時点データ生成部9は、翼検出部5a〜5d毎に、上述した翼検出時点データを生成する。説明の便宜上、以下において、1つの特定の翼検出部からの翼検出信号に基づく翼検出時点データについて説明する。ただし、他の翼検出部からの翼検出信号に基づく翼検出時点データについても以下と同様である。
翼検出時点データ生成部9は、各翼検出部5a〜5dからの翼検出信号がどの翼3a〜3fの検出を示しているかを、例えば、この翼検出信号が、位置基準検出部18からの基準検出信号の出力時点から同じ翼検出部が何番目に出力した翼検出信号であるかにより判断する。この判断は、予め求められた各翼5a〜5dと位置基準21との位置関係に基づいて行われる。
振動特性データは、一例では、速度検出部19により検出された回転体1の回転速度と、以下のように定義されるΔTOA(Time of Arrival)との関係(以下、ΔTOAデータともいう)である。
損傷判定部15は、基準のΔTOAデータと判定用のΔTOAデータとの間で、ΔTOAの大きさが、第1設定値よりも大きくなっている回転速度が、第1設定量以上ずれているかどうかを判断する。この判断結果が肯定である場合には、損傷判定部15は、基準のΔTOAデータと判定用のΔTOAデータとの相違度が第1基準以上であるとして、翼が損傷していると判定する。この判断結果が否定である場合には、損傷判定部15は、翼が損傷していないと判定する。
振動特性データは、別の例では、速度検出部19が検出した各回転速度における翼振動の各周波数とこの周波数での振幅である。
振動特性データは、さらに別の例では、翼振動の各周波数における翼振動の振幅と位相の一方または両方である、
または、図6(A)から分かるように、小さなクラックが生じた翼について、翼振動の振幅が最大となる周波数での振幅(部分Cの振幅)は、損傷が生じていない時の同じ翼について、翼振動の振幅が最大となる周波数での振幅(部分Aの振幅)からずれている(大きくなっている)。
したがって、このような場合、損傷判定部15は、翼が損傷していると判定する。
図7(B)において、破線で示すデータは、図7(A)の破線で示すデータと同じであり、一点鎖線で示すデータは、破線で示すデータの場合から、上述のクラックが大きくなった場合を示す。
図7(C)において、一点鎖線で示すデータは、図7(B)の一点鎖線で示すデータと同じであり、二点鎖線で示すデータは、一点鎖線で示すデータの場合から、上述のクラックの箇所に欠けが生じた場合を示す。
また、図6(A)(B)(C)と図7(A)(B)(C)から分かるように、翼に損傷(クラックや欠け)が生じると、損傷の大きさによって、翼振動の振幅がピークとなる翼振動の周波数が変化する。言い換えると、翼振動の振幅がピークとなる翼振動の周波数が変化していることは、翼に損傷が生じたことを示している。
基準の振動特性データと判定用の振動特性データとが、回転速度とΔTOAとの関係(ΔTOAデータ)であってもよい。この場合には、次のように、上述のステップS4が行われる。
また、第1設定量は、一例では、比較対象となる上述の基準回転速度×0.003である。この場合、基準回転速度が500rpmであれば、第1設定量は、500×0.003=1.5rpmである。したがって、判定用回転速度が、498.5rpm以下、または、501.5rpm以上であれば、翼が損傷していると判定される。
基準の振動特性データと判定用の振動特性データとが、各回転速度における翼振動の各周波数とこの周波数での振幅であってもよい。この場合には、次のように、上述のステップS4が行われる。
また、第2設定量は、一例では、第1設定量の場合と同様に、比較対象となる上述の基準回転速度×0.003である。
基準の振動特性データと判定用の振動特性データとが、各周波数における翼振動の振幅と位相の一方または両方であってもよい。ここで、基準の振動特性データと判定用の振動特性データとは、好ましくは、1つの回転速度について得られたものである。
ここで、第3設定値は、第1設定値の場合と同様に、対象とする機種の回転機械の回転体について実験的に予め設定されてよい。
また、第3設定量は、一例では、第1設定量の場合と同様に、比較対象となる上述の基準周波数×0.003である。
ここで、第4設定値は、第1設定値の場合と同様に、対象とする機種の回転機械の回転体について実験的に予め設定されてよい。
また、第4設定量は、一例では、比較対象となる上述の基準ピーク値の10%以上または20%以下の範囲内の値である。例えば、第4設定量が、上述の基準ピーク値の15%である場合には、判定用ピーク値と基準ピーク値との差の大きさが、基準ピーク値の15%の大きさ以上であれば、翼が損傷していると判定される。
ここで、第5設定値と第5設定量は、第1設定値の場合と同様に、対象とする機種の回転機械の回転体について実験的に予め設定されてよい。
次に、本発明の第2実施形態による翼損傷判定用装置と翼損傷判定方法について説明する。第2実施形態において、以下で説明しない点は、上述の第1実施形態と同じである。
基準の振動特性データと判定用の振動特性データとの各々は、回転速度とΔTOAとの関係(ΔTOAデータ)であってよい。
この場合、ステップS7で提示されるデータは、基準の振動特性データとしての、回転速度に対するΔTOAのグラフ(例えば、図5(A)のグラフ)と、判定用の振動特性データとしての、回転速度に対するΔTOAのグラフ(例えば、図5(B)のグラフ)とを、並べたデータであってもよいし、同じ座標軸で両グラフを表わしたデータであってもよい。ここで、同じ座標軸は、回転速度を示す軸(横軸)と、ΔTOAを示す軸(縦軸)である。
基準の振動特性データと判定用の振動特性データとが、各回転速度における翼振動の各周波数とこの周波数での振幅であってもよい。
この場合、ステップS6で提示されるデータは、キャンベル図であってよい。すなわち、提示されるデータは、基準の振動特性データのキャンベル図と判定用の振動特性データのキャンベル図とを並べたデータであってもよい。ここで、基準の振動特性データのキャンベル図と判定用の振動特性データのキャンベル図の各々において、横軸と縦軸の一方が回転速度を示し、横軸と縦軸の他方が翼振動の周波数を示し、横軸と縦軸による2次元座標空間内の各座標において、翼振動の振幅に応じた大きさの図形(例えば円)が描かれる。
基準の振動特性データと判定用の振動特性データとが、1つの回転速度に関する翼振動の各周波数における振幅と位相の一方または両方であってもよい。
この場合、ステップS6で提示されるデータは、基準の振動特性データとしての、周波数に対する振幅と位相の一方または両方のグラフ(例えば、図6(A)の実線のグラフ)と、判定用の振動特性データとしての、周波数に対する振幅と位相の一方または両方のグラフ(例えば、図6(A)の破線のグラフ)とを、並べたデータであってもよいし、同じ座標軸で両グラフを表わしたデータであってもよい。ここで、同じ座標軸は、周波数を示す軸(横軸)と、振幅と位相の一方または両方を示す軸(縦軸)である。
次に、本発明の第3実施形態による翼損傷判定用装置と翼損傷判定方法について説明する。第3実施形態において、以下で説明しない点は、上述の第1実施形態と同じである。
基準の振動特性データと判定用の振動特性データとが、回転速度とΔTOAとの関係(ΔTOAデータ)である場合には、次のように、上述のステップS4が行われる。
また、第6設定量は、一例では、第1設定量と同様に、比較対象となる上述の基準回転速度×0.003である。
基準の振動特性データと判定用の振動特性データとが、各回転速度における翼振動の各周波数とこの周波数での振幅であってもよい。この場合には、次のように、上述のステップS4が行われる。
また、第7設定量は、一例では、第6設定量の場合と同様に、比較対象となる上述の基準回転速度×0.003である。
基準の振動特性データと判定用の振動特性データとが、各周波数における翼振動の振幅と位相の一方または両方であってもよい。ここで、基準の振動特性データと判定用の振動特性データとは、好ましくは、1つの回転速度について得られたものである。
ここで、第8設定値は、第6設定値の場合と同様に、対象とする機種の回転機械の回転体について実験的に予め設定されてよい。
また、第8設定量は、一例では、第6設定量の場合と同様に、比較対象となる上述の基準周波数×0.003である。
ここで、第9設定値と第9設定量は、第6設定値の場合と同様に、対象とする機種の回転機械の回転体について実験的に予め設定されてよい。
ここで、第10設定値と第10設定量は、第6設定値の場合と同様に、対象とする機種の回転機械の回転体について実験的に予め設定されてよい。
次に、本発明の第4実施形態による翼損傷判定用装置と翼損傷判定方法について説明する。第4実施形態において、以下で説明しない点は、上述の第2実施形態と同じである。
次に、本発明の第5実施形態による翼損傷判定用装置と翼損傷判定方法について説明する。第5実施形態は、第1実施形態と第3実施形態を組み合わせたものである。第5実施形態において、以下で説明しない点は、上述の第1実施形態と第3実施形態と同じである。
損傷判定部15は、正常な基準の翼についての基準の振動特性データと、ステップS3で生成した判定用の振動特性データとの差に基づいて、翼の損傷の有無を判定する。
損傷判定部15は、特定箇所で損傷している基準の翼についての基準の振動特性データと、ステップS3で生成した判定用の振動特性データとの差に基づいて、翼の損傷の有無を判定する。
この場合、損傷判定部15が、上記の判定2において、少なくともいずれかの翼について、特定箇所に損傷が生じていると判定した場合には、第3実施形態に従った上述のステップS5も行う。
次に、本発明の第6実施形態による翼損傷判定用装置と翼損傷判定方法について説明する。第6実施形態は、第2実施形態と第4実施形態を組み合わせたものである。第6実施形態において、以下で説明しない点は、上述の第2実施形態と第4実施形態と同じである。
データ提示部17は、正常な基準の翼についての基準の振動特性データと、ステップS3で生成した判定用の振動特性データとを、互いに比較可能な形態で提示する。
損傷判定部15は、特定箇所で損傷している基準の翼についての基準の振動特性データと、ステップS3で生成した判定用の振動特性データとを、互いに比較可能な形態で提示する。
このように、第1〜第6実施形態では、回転する翼の通過を非接触で検出し、この検出に基づいて翼の損傷判定に用いる判定用の振動特性データを生成するので、翼にセンサ(例えば歪みゲージ)を取り付けることなく、回転体1を回転させたまま翼の損傷有無を判定することが可能となる。
3a,3b,3c,3d,3e,3f 翼、5a,5b,5c,5d 翼検出部、7 時間計測部、9 翼検出時点データ生成部、10 翼損傷判定用装置、11 特性データ生成部、13 記憶部、15 損傷判定部、17 データ提示部、18 位置基準検出部、19 速度検出部、21 位置基準
Claims (10)
- 回転駆動される回転体と、回転体の中心軸まわりの周方向に間隔をおいて回転体に配置された複数の翼と、を備える回転機械における翼の損傷を非接触で判定するための翼損傷判定用装置であって、
判定対象の回転体が回転している回転状態で、この回転により翼が、前記周方向において予め定めた翼検出静止位置を繰り返し通過する場合に、翼検出静止位置に来た翼を繰り返し非接触で検出する翼検出部と、
翼検出部が繰り返し翼を検出する期間において、経過時間を計測する時間計測部と、
翼検出部が繰り返し行った翼の検出と、時間計測部により計測された経過時間とに基づいて、翼検出部が翼を繰り返し検出した各時点を特定した翼検出時点データを生成する翼検出時点データ生成部と、
翼検出時点データに基づいて、判定対象となる翼について判定用の振動特性データを生成する特性データ生成部と、
判定基準となる翼について予め求めた基準の振動特性データを記憶する記憶部と、
判定用の振動特性データと基準の振動特性データとを比較することにより、判定対象の回転体における翼が損傷しているかどうかを判定する損傷判定部と、を備える、ことを特徴とする翼損傷判定用装置。 - 回転駆動される回転体と、回転体の中心軸まわりの周方向に間隔をおいて回転体に配置された複数の翼と、を備える回転機械における翼の損傷を非接触で判定するための翼損傷判定用装置であって、
判定対象の回転体が回転している回転状態で、この回転により翼が、前記周方向において予め定めた翼検出静止位置を繰り返し通過する場合に、翼検出静止位置に来た翼を繰り返し非接触で検出する翼検出部と、
翼検出部が繰り返し翼を検出する期間において、経過時間を計測する時間計測部と、
翼検出部が繰り返し行った翼の検出と、時間計測部により計測された経過時間とに基づいて、翼検出部が翼を繰り返し検出した各時点を特定した翼検出時点データを生成する翼検出時点データ生成部と、
翼検出時点データに基づいて、判定対象となる翼について判定用の振動特性データを生成する特性データ生成部と、
判定基準となる翼について予め求めた基準の振動特性データを記憶する記憶部と、
判定用の振動特性データと基準の振動特性データとを視覚的に比較可能な形態で提示するデータ提示部と、を備える、ことを特徴とする翼損傷判定用装置。 - 判定基準となる翼は、損傷が生じていない正常な翼であるか、または、特定箇所で損傷している翼である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の翼損傷判定用装置。
- 判定基準となる翼は、損傷が生じていない正常な翼であり、
損傷判定部は、判定用の振動特性データと基準の振動特性データとの相違度が、第1基準以上であるかを判断し、この判断結果が肯定である場合には、翼が損傷していると判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の翼損傷判定用装置。 - 判定基準となる翼は、特定箇所で損傷している翼であり、
損傷判定部は、判定用の振動特性データと基準の振動特性データとの相違度が第2基準以下であるかを判断し、この判断結果が肯定である場合には、翼が特定箇所で損傷していると判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の翼損傷判定用装置。 - 翼検出時点データ生成部は、回転体に配置された全ての翼の各々について、翼検出時点データを生成し、
特性データ生成部は、前記全ての翼の各々について、判定用の振動特性データを生成する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の翼損傷判定用装置。 - 回転体の回転速度を検出する速度検出部を備え、
回転体の各回転速度について、翼検出部による翼の検出と、時間計測部による経過時間の計測とに基づいて、翼検出時点データ生成部は、翼検出時点データを生成し、
回転体が一回転するのに要する時間を基準回転周期とし、翼が、翼検出静止位置に来た時点から、再び同じ翼検出静止位置に来るまでの時間を翼通過周期とし、
判定用の振動特性データと基準の振動特性データとの各々は、速度検出部が検出した回転速度と、基準回転周期に対する翼通過周期の変動量ΔTOAとの関係である、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の翼損傷判定用装置。 - 回転体の回転速度を計測する速度検出部を備え、
回転体の各回転速度について、翼検出部による翼の検出と、時間計測部による経過時間の計測とに基づいて、翼検出時点データ生成部は、翼検出時点データを生成し、
判定用の振動特性データと基準の振動特性データとの各々は、速度検出部が検出した各回転速度における翼振動の周波数と振幅である、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の翼損傷判定用装置。 - 判定用の振動特性データと基準の振動特性データとの各々は、翼振動の各周波数における振動振幅と位相の一方または両方である、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の翼損傷判定用装置。
- 回転駆動される回転体と、回転体の中心軸まわりの周方向に間隔をおいて回転体に配置された複数の翼と、を備える回転機械における翼の損傷を非接触で判定するための翼損傷判定方法であって、
(A)判定対象の回転体が回転している回転状態で、この回転により翼が、前記周方向において予め定めた翼検出静止位置を繰り返し通過する場合に、翼検出部により、翼検出静止位置に来た翼を繰り返し非接触で検出し、
(B)前記(A)において、翼検出部が繰り返し翼を検出する期間において、時間計測部により、経過時間を計測し、
(C)翼検出部が繰り返し行った翼の検出と、時間計測部により計測された経過時間とに基づいて、翼検出部が翼を繰り返し検出した各時点を特定した翼検出時点データを、翼検出時点データ生成部により生成し、
(D)翼検出時点データに基づいて、判定用の振動特性データを特性データ生成部により生成し、
(E)判定基準となる翼について予め求めた基準の振動特性データと、前記(D)で生成した判定用の振動特性データとを比較することにより、判定対象の回転体における翼が損傷しているかどうかを判定する、ことを特徴とする翼損傷判定方法。
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