JP2010276217A - 蓄熱式調湿空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】換気(外気導入)に伴う調温・調湿(除湿)の空調負荷増大を軽減し、空調環境を維持できる省エネルギー型の蓄熱式調湿空調システムを安価に提供する。
【解決手段】従来のデシカントロータに替えて、高分子収着剤による水蒸気吸脱着モジュール(4)と水蓄熱装置(7)あるいは氷蓄熱装置を組み合わせ、流路切り替えのためのダンパー制御を用いて除湿運転モードと再生運転モードの交互運転を可能とした。これにより安価で高性能な省エネルギー型の蓄熱式調湿空調システムを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は連続換気を行う、オフィス、商業施設、体育館、イベント会場、ホテル、工場、などの空調空間を所定の温度・湿度状態に保つ省エネルギー型換気空調システム技術に関する。
近年、地球温暖化の傾向が顕著となっている。その対策として主たる温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を削減すべく電力ならびに化石燃料の高効率使用(省エネルギー活動)が進められている。その一方で、工場やオフィス、イベント会場などでの換気需要は年々増大し、換気に伴う外気処理(潜熱負荷、顕熱負荷)を如何に高効率に処理するかが大きな課題となっている。具体的な換気時のエネルギー的問題として、高温多湿状態にある外気を直接室内へ導入すると、空調機での除湿負荷が増大する結果、空調機のエネルギー消費量が大幅に増大する点が挙げられる。特に夏季の昼間(午後2時頃)に高まる冷房除湿負荷に伴う空調エネルギー消費は民生・業務・産業分野の消費エネルギーピーク増大の一因となっており、発電設備の部分負荷運用に伴う運転効率悪化など早期に解決すべき課題と言える。
ところが、これまでの冷凍機を使用する調湿空調システムでは、冷却除湿と過冷却された空気を再加熱する方式であったため、多大なエネルギーを消費せざるを得なかった。また、この解決策として、シリカゲルやゼオライトなどの除湿剤を担持した通風可能なデシカントロータと冷凍機を組み合わせたハイブリッド型の調湿空調システムが提案・実用化されているが除湿能力が不十分な上、高価な設備となることから普及する状況には無い。
例えば、従来、吸湿剤(デシカント剤)を使用する除湿装置が知られている。しかし、この種の除湿装置は、吸湿剤の再生(脱着)に都市ガスや電力という高級なエネルギーを使用するケースが多くあったため、結果的に性能が悪く、装置が大型で高価となるなどの問題を抱えていた。
また、省エネルギー空調設備として、シリカゲルやゼオライトなどの除湿材を通風可能なロータ形状とし、これを一定速度(毎時10回転以上)で回転させつつ、その半円部分で空気中の水分を吸着し、残りの半円部分で除湿材を乾燥させるデシカント装置と冷凍機を組み合わせたハイブリッド型の調湿空調システムが提案・実用化されている(例えば、特許文献1,2を参照。国内では(株)西部技研のDSTシリーズのFF方式デシカント除湿機などがある。)。
これら装置では、除湿剤をロータ形状として連続回転させ、ロータ面に摺動シールを接触させて空気流路を分割している。そのため、ロータ摺動面の硬度を確保した上で、摺動面を平滑化する作業が不可欠で、かつ摺動シールの磨耗対策が必要となることから、装置価格や保守コストが増大すると共に摺動シールを介しての空気漏洩などの課題を有している。また、ロータ摺動面の硬度確保の必要からロータ母材に紙や繊維性の樹脂を使用する際には、硬化処理が不可欠となり、担持される吸着剤の性能確保が困難となるなどの問題がある。
これらの他にも、除湿剤をロータ形状とせずに容器内に充填し(本発明での水蒸気吸脱着ユニットに相当)、この容器に対し交互に処理空気ならびに再生空気を送る構成とする提案(例えば、特許文献3を参照。)がある。しかしながら、通気ダクトに対して除湿剤を内包する複数の容器を毎時10回以上の間隔で移動させる構成であることから、装置構成が複雑となり大容量システムとしては不向きであり、また、冷却手段はあくまで通過空気の顕熱処理が目的であることから、本発明のように冷却手段により通過空気の潜熱処理までを考慮した運用ならびに構成では無く、高度な調湿への対応という課題を有している。
米国特許第6557365号明細書 米国特許第4719761号明細書 特開平10−009633号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、外気導入(換気)に伴う除湿あるいは室内気の除湿が必要となる民生・業務・産業分野での空調において、除湿の潜熱負荷ならびに再加熱の顕熱負荷を軽減することで電力やガスなどの消費エネルギーを低減し、安価で高性能な蓄熱式調湿空調システムの提供するものである。
より具体的には、工場や建築物の換気空調において、特に夏季の昼間(午後2時頃)に高まる冷房除湿に伴う空調ピーク負荷を、新規の蓄熱式調湿空調システムにて低減すると共に、単位電力量当たりの二酸化炭素排出比率の低い夜間電力を活用すると共に、従来から使用される水蓄熱装置や氷蓄熱装置の大幅な効率改善と運用改善を達成して、安全で快適な室内空調環境を提供することを目的としている。すなわち、本発明の主たる目的は、換気が必要な空調システムにおいて、除湿時の空調機消費エネルギーを削減できる蓄熱式調湿空調システムを提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に係る本発明では、紙または樹脂膜に吸湿性を有する微細粒子を担持させた吸湿平板と、該吸湿平板をコルゲート加工した吸湿波板を相互に接着させた後に、巻回あるいは積層して通気性を確保した円筒または矩形形状の水蒸気吸脱着素子とし、これを円筒形状あるいは矩形状の水蒸気吸脱着モジュール内に通過空気の漏洩が発生しないように固定し、その上で、水蒸気吸脱着モジュールを水蒸気吸脱着ユニット内に1個または複数個を設置することで水蒸気吸脱着ユニットを形成するようにしたので通過する空気風量に応じ簡単に吸着剤量の調整が可能となると共に、水蒸気吸脱着モジュールの量産効果による低価格化も達成される。
その結果、従来の連続回転方式のデシカントロータを使用するシステムでは基本的に不可能であった紙や樹脂を母材とする水蒸気吸脱着素子を追加加工せずに使用することが可能となるので、システムの軽量化や価格低減が容易に達成される。
また、除湿処理対象空気を、水蓄熱装置あるいは氷蓄熱装置から供給される冷水(冷媒)を使用する熱交換器(冷却手段)にて所定温度まで冷却した後に水蒸気吸脱着ユニットへ導く構成としているので、水蒸気吸脱着ユニット内に設置される水蒸気吸脱着素子に担持される吸湿剤は常に相対湿度が100%に近い空気を対象とする吸湿運転が可能となり、吸湿剤となる吸着剤あるいは発明者によりその特性が明確化されている高分子収着剤は最も高い吸湿率条件にての吸湿作用を発揮できる。
高分子収着剤に付いては、たとえば「革新的高機能収着剤による高度ヒートサイクルの展開」日本機会学会誌、vol.104 No.987,pp.32,2001年2月、あるいは「吸湿能力2倍以上の新素材:高分子収着剤の展開」建築設備と配管工事、PP.32−36、2006年1月 などに概要が紹介されている。
一方再生運転モードでは、夜間電力を使用して冷熱を製造する水蓄熱装置や氷蓄熱装置から排出される温排熱を直接使用したり、または一時蓄熱した後に、通過する外気の加熱手段へ導き、高温化(相対湿度低下)した後に水蒸気吸脱着ユニットへ導く構成としているので、水蒸気吸脱着ユニット内に設置される水蒸気吸脱着素子の再生のために必要な熱エネルギーを全て排熱でまかなうことが可能となる。
この結果、再生運転モードでは、水蓄熱装置あるいは氷蓄熱装置に使用される冷凍機の運転効率向上を含めて、高い省エネルギー運転が達成される。
また、水蒸気吸脱着ユニット内に設置される水蒸気吸脱着素子の量は、水蒸気吸脱着モジュールの個数を調整することで加減できる構成としたので、設備容量に応じて水蒸気吸脱着モジュールを設計・製造する手間が省け、かつ量産効果による低価格化が可能となっている。
請求項2に係る本発明では、冷却手段を通過した後の空気温度が所定値となるように、冷却手段に循環する冷水等の温度と流量を調整するため、導入する外気条件に関わらず(外気は結露条件以下まで冷却され)、冷却手段を通過後の空気の相対湿度は100%近傍まで上昇させることが可能となる。その結果、水蒸気吸脱着ユニット内に設置される水蒸気吸脱着素子に担持される吸湿剤は最も高い吸湿率条件にての吸湿作用を発揮できると共に、通過空気は吸湿に伴う絶対湿度の低下と温度上昇は空気線図上の等エンタルピー線にほぼ従って変動させることが可能となる。
結果的に特段の制御手段を使用せずとも水蒸気吸脱着ユニットを通過した後の空気条件をほぼ確定させることが可能となる。
請求項3に係る本発明では、水蒸気吸脱着ユニット内に設置される水蒸気吸脱着素子に担持される吸湿剤として高分子収着剤を使用したので、他の吸湿剤に比して相対湿度100%近傍の空気を対象とする吸湿率が格段に高い特性での除湿運転モードが可能となり、結果的に同一量の水分を吸湿する条件における吸湿剤使用量が低減でき、結果的に水蒸気吸脱着ユニットの小型化、軽量化が達成できる。
請求項4に係る本発明では、夜間の運転を専ら水蒸気吸脱着ユニットの再生を行う再生運転モードとし、昼間の運転を専ら水蒸気吸脱着ユニットによる外気あるいは通過空気の除湿を行う除湿運転モードとしたので、夜間の冷熱製造時に水蓄熱装置や氷蓄熱装置から排出される排熱を吸湿剤の再生に利用することが可能となるほか、昼間の除湿運転モードにおける冷却手段への冷熱供給において水蓄熱装置や氷蓄熱装置からの冷水利用が可能となる。この結果、水蓄熱装置や氷蓄熱装置への冷水の還り温度を高温化することが可能となり、蓄熱装置の蓄熱容量が拡大されると共に、特に氷蓄熱装置での解氷率が向上するメリットが発生する。
請求項5に係る本発明では、夜間の冷熱製造時に水蓄熱装置や氷蓄熱装置から排出される排熱を温水の形で蓄熱する構成としたので、水蓄熱装置や氷蓄熱装置に使用される冷凍機の運転に関わらず、再生運転モードを導入可能となる。その結果、再生運転モードと除湿運転モードの切り替え自由度が向上し、特に、水蒸気吸脱着ユニットの小型化が達成できる。
請求項6に係る本発明では、除湿運転モード時において運転継続と共に水蒸気吸脱着ユニット内に吸湿された水分量が増大し、水蒸気吸脱着素子に担持される吸湿剤の状態も変化する。このため、除湿運転モードでは運転開始時点と運転終了時点での水蒸気吸脱着ユニット通過後の空気条件が変動するが、水蒸気吸脱着ユニットをバイパスする空気流路と当該空気流路内に空気流量を調整するダンパーを設置したので、水蒸気吸脱着ユニットを通過した空気と水蒸気吸脱着ユニットをバイパスした空気を混合することで、所定の空気条件(温度、湿度)が達成可能となる。
以上説明したとおり本発明によれば、紙または樹脂膜に吸湿性を有する微細粒子を担持させた吸湿平板と、該吸湿平板をコルゲート加工した吸湿波板を相互に接着させた後に、巻回あるいは積層して円筒または矩形形状の水蒸気吸脱着素子とし、これを円筒形状あるいは矩形状の水蒸気吸脱着モジュール内に通過空気の漏洩が発生しないように固定したのでハニカム状の開口部を有する水蒸気吸脱着素子が形成される。その上で、水蒸気吸脱着モジュールを水蒸気吸脱着ユニット内に1個または複数個を設置することで水蒸気吸脱着ユニットを形成するようにしたので除湿処理空気風量に応じて使用する吸湿剤の量を水蒸気吸脱着モジュールの個数を調整することで段階的ではあるが簡単に設定可能となる。
このように、水蒸気吸脱着ユニットの構成を適用することで、水蒸気吸脱着モジュールの加工を最小限として、かつ摺動部位を排除し、モジュールを規格化することで量産効果が得られ、高い基本性能を維持したままでシステムの低価格化が達成される。
また運転モードに応じて、水蒸気吸脱着ユニットを通過する空気の切り替を最小で2つのダンパーにて行うようにし、大量の換気を行う場合であってもシステムの可動部を最小化したので、システムの信頼性や保守性が向上した。
さらに、低温再生能力が高く、相対湿度が100%近い条件で高い吸着性能を示す高分子収着剤を吸湿剤として使用したので、40℃程度の熱源があれば十分な吸脱着性能が確保可能となった。
さらにまた、本発明では夜間の再生運転モードにて、吸湿剤の再生に水蓄熱装置や氷蓄熱装置が夜間に排出する冷凍機排熱(その温度は概ね40℃以上)を利用することから、追加的なエネルギー消費はファン動力程度であり、極めて省エネ性の高い状態で吸湿剤の再生が可能である。
一方、昼間の除湿運転モードでは、建物(空調対象空間)への供給空気の温度と湿度を一定に保つため、冷却手段通過後の空気の温度と湿度を一定とした後に水蒸気吸脱着ユニットへ供給する制御を加えたので、水蒸気吸脱着ユニットを通過した後の空気状態を特定の条件に設定することが可能となる。
これらの効果から、高い普及性を有し、高性能で安価な蓄熱式除湿空調システムが実現される。
本発明による第一の実施例である蓄熱式調湿空調システムの構成を示す構成概要図 本発明による第一の実施例での除湿運転モード時の各部通過空気状態を説明する空気線図例 本発明による第一の実施例での再生運転モード時の各部通過空気状態を説明する空気線図例 本発明で使用する高分子収着剤の20℃吸着等温線を他の吸湿剤(シリカゲルや活性炭など)との対比で示した特性図 本発明による第二の実施例である蓄熱式調湿空調システムの構成を示す構成概要図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。図1は、本発明による第一の蓄熱式調湿空調システムの構成を示す構成概要図である。図2は、図1に示す本発明による第一の実施例による除湿運転モードにおける各部を通過する空気の状態を空気線図上に示したものである。図3は、同様に図1に示す本発明による第一の実施例による再生運転モードにおける各部を通過する空気の状態を空気線図上に示したものである。図4は、本発明に使用される吸湿剤である高分子収着剤の吸湿率を従来の吸湿剤との比較にて示した20℃吸着等温線を示した図である。図5は、本発明による第二の蓄熱式調湿空調システムの構成を示す構成概要図である。
〔蓄熱式調湿空調システムの構成〕
本発明による第一の実施例である蓄熱式調湿空調システムは図1に示すように、除湿運転モードにおいてはダクトを経由した外気を通気ファン(1)へ導き、その後に冷却手段(2)を経由して水蒸気吸脱着ユニット(4)へ導いた後に、ダンパー(6)を経由して空調対象の空間へ給気される構成である。
この時、冷却手段(2)はその内部に水蓄熱装置(7)の冷水蓄熱槽(8)からの冷水が通水されており、冷却手段(2)を経由した空気は所定の温度と相対湿度に調整される。
一方、再生運転モードにおいて、外気は同様にダクトを経由した後に通気ファン(1)へ導かれ、その後に加熱手段(3)を経由して水蒸気吸脱着ユニット(4)へ通過後、ダンパー(5)を経由して排気される構成である。
この時、加熱手段(3)はその内部に水蓄熱装置(7)の温水蓄熱槽(9)からの温水が通水されており、加熱手段(3)を経由した空気は昇温され相対湿度を低下させた後に水蒸気吸脱着ユニット(4)へ供給される。
第一の実施例では冷却手段(2)と加熱手段(3)は同一の熱交換器であり、除湿運転モード時には冷水蓄熱槽(8)からの冷水を循環させ、再生運転モード時には温水蓄熱槽(9)からの温水を循環するようにしてある。
本発明による第一の実施例では、夜間電力による水蓄熱装置(7)運転時に排出される温熱を温水蓄熱槽(9)にて蓄え、同時に製造される冷熱を冷水蓄熱槽(8)にて蓄える構成としてあるので、除湿運転モードと再生運転モードの切り替えは比較的自由に行うことが可能である。
勿論、除湿空調負荷の発生は主に昼間であるから、夜間は専ら再生運転モードを実施し、昼間に除湿運転モードを実施することも可能である。
この様な運転時にシステムを通過する空気の状態に付いて、図2および図3を用いて説明する。
図2は除湿運転モードにおける空気の状態変化を示した空気線図である。
外気[A]は通気ファン(1)により冷却手段(2)にて、その状態を[B]を経由して[C]まで除湿冷却される。状態[C]は理論的に相対湿度100%であるが、冷却手段(2)通過後にダクトなどからの加熱のため若干昇温すると共に、冷却手段(C)の冷却効果が不十分な通過空気などとの混合のため、相対湿度が90%程度の状態[D]となる。その後、水蒸気吸脱着ユニット(4)にて吸湿剤の効果で乾燥されるが、原理的に等エンタルピー変化に近いために温度が上昇し状態[E]となる。
状態[E]は給気条件であることが望ましいが、水蒸気吸脱着ユニット(4)に貯蔵された水分量などの条件によっては、等エンタルピー線上を移動するので、給気条件に合致させるべく、冷却手段(2)を通過した後の状態[D]の空気をバイパスさせて混合するなどの追加的手段を用いて調整することになる。
図3は再生運転モードにおける空気の状態変化を示した空気線図である。
外気[F]は通気ファン(1)により加熱手段(3)を経て、水蒸気吸脱着ユニット(4)へ送気される。この時、加熱手段にて状態[G]まで昇温され相対湿度が低下する。状態[G]にて水蒸気吸脱着ユニット(4)へ流入した空気は、水蒸気吸脱着ユニット(4)からの水蒸気を取り込むと共に顕熱を水蒸気吸脱着ユニットへ与えて温度低下し状態[H]となり、外部へ排気される。
この様な運転により、除湿運転モードでは空調対象空間へ所定の温度と相対湿度に調整された空気が連続的に供給され、再生運転モードでは外気などを用いて水蒸気吸脱着ユニット(4)内の吸湿剤が再生され、次の除湿運転モードへの準備が整えられる。
この様な運転を行う蓄熱式調湿空調システムにおいて、吸湿剤として高分子収着剤を利用することのメリットを図4にて説明する。
図4は高分子収着剤、シリカゲル剤、活性炭の20℃吸着等温線を示したものである。図から判る様に高分子収着剤は全相対湿度領域(横軸)で高い吸湿率(縦軸)を示すと共に、特に相対湿度が90%を超える領域で吸湿率が急激に増大するという特性がある。
本発明ではこの特性に着目している。
すなわち、除湿運転モードで冷却手段(2)を通過した後の状態[C、D]の空気は相対湿度が90%以上であるため、この高分子収着剤を用いる水蒸気吸脱着ユニット(4)は大量の水分を吸湿することが可能となる。換言すれば、同一量の水分を吸湿するために使用する吸湿剤の重量が少なくて済むことになる。その結果、除湿運転モードにて必要となる吸湿剤の量から決定される水蒸気吸脱着ユニット(4)の重量、サイズなどが低減・小型化できる事となり、結果的に蓄熱式調湿空調システムの小型軽量化や低価格化が達成できる。
図5は本発明による第二の実施例の構成概略図である。
この蓄熱式調湿空調システムでは、除湿運転モードは第一の実施例と同様に水蓄熱装置の冷水蓄熱槽からの冷水を用いるが、再生運転モードでは水蓄熱装置に使用される冷凍機が空冷ヒートポンプであることから、凝縮器冷却に使用された外気を直接導入する。すなわち第一の実施例における加熱手段(3)が空冷ヒートポンプの凝縮器(10)となる事例である。
この様な構成とすることで、蓄熱式調湿空調システムの設置条件や運用などに若干の制約が発生するが、システム全体の構成が単純化され、設備コストの大幅な削減が可能となる。
1 通気ファン(A)
2 冷却手段
3 加熱手段
4 水蒸気吸脱着モジュール
5 ダンパー(I)
6 ダンパー(II)
7 水蓄熱装置(水冷ヒートポンプ型)
8 冷水蓄熱槽
9 温水蓄熱槽
10 空冷ヒートポンプの凝縮器
11 ダンパー
12 ダンパー
13 制御装置(図示されていない)

Claims (6)

  1. 水蒸気吸脱着ユニット、通気ファン、加熱手段及び冷却手段と、これら構成要素を連結する通風ダクトならびに通過空気の流れ方向を決めるダンパーとを接続し、通気ファン(A)を経て加熱手段を通過した外気を水蒸気吸脱着ユニットへ流下させた後にダンパー(I)を開き、ダンパー(II)を閉として外部へ排気する再生運転モードと、外気などの処理対象空気を、通気ファン(A)にて冷却手段を通過させた後にダンパー(I)を閉じ、ダンパー(II)を開き水蒸気吸脱着ユニットを通過させた後に室内などの調湿・調温対象の空間へ導く除湿運転モードとを交互に繰り返す調湿・調温システムであって、再生運転モードと除湿運転モードの各運転時間を30分以上とし、ならびに、前記ダンパー(I),(II)ならびに通気ファン(A)を制御手段にて一元管理すると共に、当該冷却手段は夜間電力などを利用する水蓄熱装置あるいは氷蓄熱装置から供給される冷水を利用した結露処理が可能な構成とし、かつ、当該加熱手段は前記水蓄熱装置あるいは氷蓄熱装置に使用される冷凍機の温排熱を活用する構成とし、当該水蒸気吸脱着ユニット内に設置される水蒸気吸脱着モジュールは紙または樹脂膜に吸湿性を有する微細粒子を担持させた吸湿平板と、該吸湿平板をコルゲート加工した吸湿波板を相互に接着させた後に、巻回あるいは積層することで通気性を有する円筒または矩形形状とした水蒸気吸脱着素子を内包する構成とし、当該水蒸気吸脱着モジュールを水蒸気吸脱着ユニット内に1個または複数個を設置することで水蒸気吸脱着ユニットを形成することを特徴とする蓄熱式調湿空調システム。
  2. 冷却手段を通過した後の空気温度が所定値となるように、冷却手段に循環する冷水等の温度と流量を調整することを特徴とする請求項1記載の蓄熱式調湿空調システム。
  3. 水蒸気吸脱着素子に使用される吸湿性を有する微細粒子は高分子収着剤であることを特徴とする請求項1又は2記載の蓄熱式調湿空調システム。
  4. 夜間の運転は専ら水蒸気吸脱着モジュールの再生(脱着)を行う再生運転モードとして、昼間の運転は専ら水蒸気吸脱着モジュールによる外気あるいは通過空気の除湿を行う除湿運転モードとしたことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の蓄熱式調湿空調システム。
  5. 加熱手段は夜間電力などを利用する水蓄熱装置あるいは氷蓄熱装置からの排熱を温水として蓄熱した蓄熱槽から供給される温水を利用することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の蓄熱式調湿空調システム。
  6. 水蒸気吸脱着ユニットをバイパスする空気流路を設置すると共に、当該バイパスを通過する空気流量を調整する個別のダンパーを通風ダクトに設置したことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の蓄熱式調湿空調システム。
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