JP2009036414A - ヒートポンプ式ドライ空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】再熱せずに給気の温湿度制御ができて省エネとなり、空調のための設備コストと運転コストを低減できるヒートポンプ式ドライ空調システムを得る。
【解決手段】 1台の空調機1と複数の室内B…の間で空気を循環させると共に屋外と各室内Bの間で空気を換気させて空調する空調システムであって、空調機1が、各室内Bからの還気を熱交換するヒートポンプAの給気側熱交換器6と、ヒートポンプAの圧縮機13と、給気側熱交換器6の通過還気を加湿する加湿器9と、給気用送風機10と、を備える。給気側熱交換器6及び加湿器9の通過還気にバイパス還気を一次混合させるためのバイパスダンパ11を、設ける。空調機1からの一次混合空気と換気用室内供給空気を二次混合させて室内Bに給気するように構成する。室内Bの検出温湿度が設定温湿度になるように圧縮機13とバイパスダンパ11と加湿器9と送風機10を制御する温湿度制御手段を、設ける。
【選択図】図1
【解決手段】 1台の空調機1と複数の室内B…の間で空気を循環させると共に屋外と各室内Bの間で空気を換気させて空調する空調システムであって、空調機1が、各室内Bからの還気を熱交換するヒートポンプAの給気側熱交換器6と、ヒートポンプAの圧縮機13と、給気側熱交換器6の通過還気を加湿する加湿器9と、給気用送風機10と、を備える。給気側熱交換器6及び加湿器9の通過還気にバイパス還気を一次混合させるためのバイパスダンパ11を、設ける。空調機1からの一次混合空気と換気用室内供給空気を二次混合させて室内Bに給気するように構成する。室内Bの検出温湿度が設定温湿度になるように圧縮機13とバイパスダンパ11と加湿器9と送風機10を制御する温湿度制御手段を、設ける。
【選択図】図1
Description
本発明はヒートポンプ式ドライ空調システムに関するものである。
従来の外気混合形の空調機では外気と還気を混合した後、冷温水コイルなどで冷却や除湿、加熱などを行っている。ところが、このような方式の空調機では、例えば夏期の冷房運転の場合、冷却減湿後に再熱しなければ給気の湿度制御ができないため、還気風量分の空気を余分に冷却、再熱するエネルギーが必要で運転コストが高くなる。しかも、熱源水回路を4管式として冷水コイルと温水コイルに冷水と温水を別々に流して運転する空調機の場合、4管式の熱源水回路では配管距離が長くて設備コストがかかり、冷水と温水を同時に作る必要があるため熱源機の運転コストや設備コストもかかる。
また、変風量ダクト方式(VAV)による多室個別空調において、VAV風量変動による静圧変化を圧力センサにて検出し、その変動に応じて空調機側の風量制御を行っているため、制御が複雑でコスト高となる問題があった。また、地中熱を利用し空調を行うシステムで、地中熱交換器を地表近くの地中に埋設した場合、太陽熱の影響を受けやすく、冬期に夜間運転を行って地中熱交換器で長時間連続して採熱を続けると、周辺の地中温度が低下し続けて、熱媒が凍結する問題がある。このような熱媒凍結を防止するために不凍液を使用するとなると土壌汚染の心配が残ることになる。また、地中熱交換器で必要な熱量を得るためには、深層部に向け縦穴を特殊な掘削機械で長時間かけて掘らねばならず、しかも穴の崩れ防止や泥土や湧水などの処理も必要で、非常に手間と時間がかかりコスト高となる問題がある。そのために、一つの穴にU字状地中熱交換器の容量の大きくしたものを埋めたり、一つの穴に複数本を埋めたりしており、U字状地中熱交換器では往路も復路も同じ経路を熱媒が流れるため、例えば冬期では、熱媒が地表へ戻る際、せっかく採熱温調した熱媒が地上近くで放熱して、熱ロスが生じる問題がある。
本発明は上記課題を解決するため、圧縮式のヒートポンプを有する1台の空調機と複数の室内の間で空気を循環させると共に屋外と前記各室内の間で空気を換気させて空調するヒートポンプ式ドライ空調システムであって、前記空調機が、前記各室内からの還気を冷却・加熱切換自在として熱交換する前記ヒートポンプの給気側熱交換器と、前記ヒートポンプの容量制御自在な圧縮機と、前記給気側熱交換器の通過還気を加湿する加湿量制御自在な加湿器と、前記空調機と前記各室内の間で空気を循環させる風量制御自在な給気用送風機と、を備え、前記給気側熱交換器及び前記加湿器の通過還気に前記給気側熱交換器及び前記加湿器をバイパスさせたバイパス還気を一次混合させるための風量制御自在なバイパスダンパを、設け、前記空調機からの一次混合空気と換気用室内供給空気を二次混合させて前記室内に給気するように構成し、前記室内の検出温湿度が設定温湿度になるように前記圧縮機と前記バイパスダンパと前記加湿器と前記給気用送風機を制御する温湿度制御手段を、設けたことを最も主要な特徴とする。
請求項1の発明によれば、夏期の冷房運転の場合、給気側熱交換器で冷却減湿した除湿空気と、(前記除湿空気より高温の)バイパス還気と、を所定比率で一次混合し、この一次混合空気と、(前記一次混合空気より高温の)換気用室内供給空気と、を所定比率で二次混合することで再熱器などを使用せずに室内を設定温湿度に精度良く空調できる。さらに、負荷変動に応じてバイパス還気風量と圧縮機容量と送風機風量を増減させることで室内送風空気の温湿度を精度良く制御できる。負荷の少ない還気だけを冷却すればよいので処理熱量が少なくて済み、再熱するエネルギーが不要で省エネとなり、運転コストを削減できる。給気側熱交換器が1つで済みコストダウンを図れる。冬期の暖房運転の場合、給気側熱交換器で加熱し、加湿器で加湿して絶対湿度を調整した加湿空気と、(前記加湿空気より低温の)バイパス還気と、を所定比率で一次混合し、この一次混合空気と、(前記一次混合空気より低温の)換気用室内供給空気と、を所定比率で二次混合することで室内を設定温湿度に精度良く空調できる。さらに、負荷変動に応じてバイパス還気風量と圧縮機容量と給気風量と加湿量を増減させることで室内送風空気の温湿度を精度良く制御できる。
請求項2の発明によれば、空調機の送風機を使用せずに24時間換気ができ省エネとなる。高価な圧力センサなどを使用せずに多室個別空調制御が簡単にできる。変風量ユニットの風量変動に応じて空調機の送風機風量と圧縮機容量を適正に調整して給気量と冷暖房能力のバランスをとり、室内送風量のしぼりすぎによる気流の不均一や温度ムラなどを防止できる。
請求項3の発明によれば、換気ユニットの排熱回収により空調機負荷が減り、一層省エネとなる。
請求項4の発明によれば、地中熱を利用した熱源なのでチラーなどの熱源機と比べて大幅に省エネ化を図れる。
請求項5の発明によれば、冬期に加熱装置で熱媒を加熱して熱源の熱量不足を補うことができる。冬期に夜間運転する場合、加熱装置で熱媒の凍結を防止でき、長時間の連続空調運転を行えると共に、環境汚染の心配の無い水を熱媒として使用でき、不凍液を使わずに済む。さらに、冬期で空調機の弱運転時または停止時のときに、加熱装置を用いて地中熱交換器から地中へ放熱して蓄熱し、その蓄熱を利用して運転を行うこともでき、電力の平準化と省エネに役立つ。
請求項6の発明によれば、地中熱交換器の往路管部を細くて長い渦巻き状として地表近くに埋め、熱媒を地熱流に対してカウンターフローで流して、熱交換効率を良くしつつ地中で広範囲に分散して少しずつ熱交換させることにより、熱媒を温度調節するために必要とされる地熱量を得ることができ、かつ地中から奪う単位体積当りの地熱量を少なくできる。往路管部は継ぎ目のない1本の管を巻設するだけよいので加工が簡単になり、バネ状に巻設して伸縮性をもたせてあるので免震性に優れ、地震に対する耐久性が十分で、破損による熱媒漏れなどを防止できる。地中熱交換器の復路管部は地上に熱媒を戻すだけでよいので短くてよく、地中との再熱交換による熱ロスが皆無で、熱交換効率の向上を図れて熱媒温度が安定する。往路管部の埋設用穴は地表近くをパワーショベルなどの普通の掘削機械で浅く掘るだけでよく、掘削の時間と費用の削減を図れて施工が容易となる。
請求項7の発明では、圧力損失が減少して熱交換効率が向上するので小型の送風機を用いることができ騒音低減を図れる。給気側熱交換器も小型化でき空調機をコンパクト化できる。
請求項2の発明によれば、空調機の送風機を使用せずに24時間換気ができ省エネとなる。高価な圧力センサなどを使用せずに多室個別空調制御が簡単にできる。変風量ユニットの風量変動に応じて空調機の送風機風量と圧縮機容量を適正に調整して給気量と冷暖房能力のバランスをとり、室内送風量のしぼりすぎによる気流の不均一や温度ムラなどを防止できる。
請求項3の発明によれば、換気ユニットの排熱回収により空調機負荷が減り、一層省エネとなる。
請求項4の発明によれば、地中熱を利用した熱源なのでチラーなどの熱源機と比べて大幅に省エネ化を図れる。
請求項5の発明によれば、冬期に加熱装置で熱媒を加熱して熱源の熱量不足を補うことができる。冬期に夜間運転する場合、加熱装置で熱媒の凍結を防止でき、長時間の連続空調運転を行えると共に、環境汚染の心配の無い水を熱媒として使用でき、不凍液を使わずに済む。さらに、冬期で空調機の弱運転時または停止時のときに、加熱装置を用いて地中熱交換器から地中へ放熱して蓄熱し、その蓄熱を利用して運転を行うこともでき、電力の平準化と省エネに役立つ。
請求項6の発明によれば、地中熱交換器の往路管部を細くて長い渦巻き状として地表近くに埋め、熱媒を地熱流に対してカウンターフローで流して、熱交換効率を良くしつつ地中で広範囲に分散して少しずつ熱交換させることにより、熱媒を温度調節するために必要とされる地熱量を得ることができ、かつ地中から奪う単位体積当りの地熱量を少なくできる。往路管部は継ぎ目のない1本の管を巻設するだけよいので加工が簡単になり、バネ状に巻設して伸縮性をもたせてあるので免震性に優れ、地震に対する耐久性が十分で、破損による熱媒漏れなどを防止できる。地中熱交換器の復路管部は地上に熱媒を戻すだけでよいので短くてよく、地中との再熱交換による熱ロスが皆無で、熱交換効率の向上を図れて熱媒温度が安定する。往路管部の埋設用穴は地表近くをパワーショベルなどの普通の掘削機械で浅く掘るだけでよく、掘削の時間と費用の削減を図れて施工が容易となる。
請求項7の発明では、圧力損失が減少して熱交換効率が向上するので小型の送風機を用いることができ騒音低減を図れる。給気側熱交換器も小型化でき空調機をコンパクト化できる。
図1と図2は、本発明のヒートポンプ式ドライ空調システムの実施例を示しており、圧縮式のヒートポンプAを有する1台の空調機1と複数の室内B…の間で空気を循環させると共に屋外と各室内Bの間で空気を換気させて空調する。実線及び点線の白抜き矢印は送風方向を示す。このヒートポンプ式ドライ空調システムは、熱媒を熱源とする圧縮式のヒートポンプAを有する空調機1と、この1台の空調機1と複数の室内B…の間で空気を個別に循環させる循環風路7と、屋外と各室内Bの間で空気を個別に換気させる換気風路19と、温湿度制御手段24と、VAV制御手段15と、送水ポンプ2にて熱媒を矢印方向に循環させる熱源水回路3と、この熱源水回路3に接続されて熱媒を温度調節する地中熱交換器4と、を備えている。熱源水回路3には、熱媒を加熱するボイラーや空冷ヒートポンプ式チラーなどの加熱装置16を、地中熱交換器4よりも下流で接続する。
空調機1のケーシング8内には、ヒートポンプAと、各室内Bからの還気を冷却・加熱切換自在として熱交換する給気側熱交換器6と、可変容量式で容量制御自在な圧縮機13と、給気側熱交換器6の通過還気を加湿する加湿量制御自在な加湿器9と、空調機1から循環風路7へ送風して循環させる可変風量式の風量制御自在な給気用送風機10と、給気側熱交換器6及び前記加湿器9の通過還気に給気側熱交換器6及び加湿器9をバイパスさせたバイパス還気を一次混合させるための可変風量式の風量制御自在なバイパスダンパ11と、を設け、空調機1からの一次混合空気と換気用室内供給空気を二次混合させて室内Bに給気するように構成する。なお、圧縮機13、加湿器9、送風機10及びバイパスダンパ11は比例制御方式とするのが好ましいが他の制御方式であってもよい。ケーシング8には、還気取入口及び給気口を設け、これらと複数の室内B…を、循環風路7を介して各々連通させる。
循環風路7は、空調機1から複数の室内Bに一次混合空気を分流送風するための複数の分岐送風路12…を有する給気路31と、各室内Bからの還気を空調機1に送る還気路32と、から成り、分岐送風路12毎に、この分岐送風路12の送風量を調整自在な変風量ユニット5を、設ける。換気風路19は、屋外から複数の室内Bに換気用室内供給空気を分流送風するための複数の分岐供給路33…を有する換気供給路34と、各室内Bからの換気用屋外排出空気を屋外に送る換気排出路35と、から成る。図例では、分岐供給路33を分岐送風路12に個別に対応させて各変風量ユニット5の下流で連通させ、変風量ユニット5の通過一次混合空気と換気用室内供給空気を二次混合させて室内Bに給気するように構成しているが、他の構成で一次混合空気と換気用室内供給空気を二次混合させて室内Bに給気するも自由である。この換気風路19には、図示省略の送風ファンを備えると共に屋外からの外気と複数の室内Bからの空気を全熱交換して屋外と各室内Bの間で空気を換気する換気ユニット30を、設ける。
ヒートポンプAは、循環冷媒に対して圧縮・凝縮・膨張・蒸発の工程順を繰返し、この循環冷媒と熱交換する給気用空気と熱媒(熱源水)に対して冷媒蒸発工程で吸熱を冷媒凝縮工程で放熱を各々行うもので、循環冷媒の蒸発工程と凝縮工程であって互いに異なる工程を行う給気側熱交換器6及び熱源側熱交換器20と、循環冷媒を圧縮する圧縮機13と、循環冷媒を膨張させる電子膨張弁等の減圧機構14と、給気側熱交換器6及び熱源側熱交換器20の蒸発工程と凝縮工程を切換えるバルブ等の冷媒流路切換機構21と、を少なくとも備え、これらを冷媒が循環するように配管接続して成る。この給気側熱交換器6のフィンチューブは低圧損の楕円管にするのが好ましいが、円形管にするも自由である。
温湿度制御手段24は、所定の室内Bの検出温湿度が設定温湿度になるように圧縮機13とバイパスダンパ11と加湿器9と給気用送風機10を制御する。この温湿度制御手段24は、各室内Bの温湿度を個別に設定する設定器27と、換気用室内供給空気の温湿度と各室内Bの温湿度を個別に検出する検出器28と、所定の室内Bの設定温湿度及び検出温湿度と換気用室内供給空気の検出温湿度とから所定の室内Bの検出温湿度が設定温湿度になるように圧縮機13への容量増減信号とバイパスダンパ11への風量増減信号と加湿器9への加湿量増減信号と給気用送風機10への風量増減信号とを出力する制御器29と、を備える。
VAV制御手段15は、分岐送風路12毎の変風量ユニットボリュームポイントと分岐送風路内径比ポイントとの積算値を全分岐送風路分合計すると共にその合計積算値の全変風量ユニット最大ボリューム時合計積算値に対する比に基いて給気用送風機10の風量制御及びヒートポンプAの圧縮機13の容量制御を行う。変風量ユニット5は、室内Bの熱負荷に応じて自動又は手動で駆動され、各分岐送風路12の送風量を個別に制御する。例えば「切」が0ポイント、「弱」が2ポイント、「中」は3ポイント、「強」は4ポイントのように、送風量変動に対する変風量ユニットボリュームポイントを設定する。なお、変風量ユニット5は分岐送風路12毎に設けているが、図例と異なる部位に設けるも自由である。分岐送風路12は、その分岐送風路内径(断面積)によって送風量が変わるので、変風量ユニット上流側の分岐送風路内径比ポイントを補正係数として、例えば表1のように設定する。
この変風量ユニットボリュームポイントと分岐送風路内径比ポイントの積算値を分岐送風路12毎に算出し、それらを全分岐送風路分合計する。その合計積算値が全変風量ユニット最大ボリューム時合計積算値に対して何割あるかによって、送風機10の送風量と圧縮機13の容量を変動させる。例えば表2のように分岐送風路12の内径(mm)が75、100、100、200であったとすると、全変風量ユニット最大ボリューム時の合計積算値が48となる。そして、空調機運転中の変風量ユニットボリュームポイントが、分岐送風路No1が4(強)、分岐送風路No2が3(中)、分岐送風路No3が2(弱)、分岐送風路No4が3(中)の場合、合計積算値が35となるので、送風機10と圧縮機13を定格出力の73%(35/48×100)で駆動し、全体の給気バランスをとり省エネ化を図る。なお、前記の各ポイント数値は一例で変更は自由であり、送風機10の風量制御のみを行うVAV制御手段15に、構成するも自由である。
地中の地表近くに埋設される地中熱交換器4は、熱媒が渦巻き状に下りながら流れる樹脂製の往路管部22と、この往路管部22から出た熱媒を地上へ戻す復路管部23と、を備えている。地中熱交換器4の往路管部22を細くて長い渦巻き状として地表近くに埋め、熱媒を地熱流に対してカウンターフローで流して、熱交換効率を良くしつつ地中で広範囲に分散して少しずつ熱交換させることにより、熱媒を温度調節するために必要とされる地熱量を得ることができ、かつ地中から奪う単位体積当りの地熱量を少なくできる。往路管部22は継ぎ目のない1本の管を巻設するだけよいので加工が簡単になり、バネ状に巻設して伸縮性をもたせてあるので免震性に優れ、地震に対する耐久性が十分で、破損による熱媒漏れなどを防止できる。地中熱交換器4の復路管部23は地上に熱媒を戻すだけでよいので短くてよく、地中との再熱交換による熱ロスが皆無で、熱交換効率の向上を図れて熱媒温度が安定する。往路管部22の埋設用穴は地表近くをパワーショベルなどの普通の掘削機械で浅く掘るだけでよく、掘削の時間と費用の削減を図れて施工が容易となる。
この往路管部22は下方に向かって順次縮径するように巻設し、一巻き毎に地中熱交換器4の往路管部22の径の大きさを変えることで管部同士の熱交換領域の重複部をなくし、地中の広い範囲で満遍なく熱交換させて地中温度の早期回復を図り、かつ熱交換効率を向上させる。しかも、下方に向かって順次縮径するように巻設した往路管部22では、その形状に合わせて埋設用穴は擂り鉢状でよいので掘りやすく、一層施工が容易となる。また往路管部22は扁平管とする。これにより短径側外面から管中央部の熱媒への伝熱が早く、熱交換効率がさらに良くなり、扁平管なので曲げやすく、往路管部22を渦巻き状に簡単に形成することができる。
熱源水回路3には、地中熱交換器4に対して熱媒を流通・バイパス切換自在な第1切換機構17と、加熱装置16に対して熱媒を流通・バイパス切換自在な第2切換機構18と、を設ける。第1切換機構17は、熱源水回路3に地中熱交換器4の熱媒入口を三方弁などの第1の切換弁25を介して接続しかつ第1切換弁25の下流で地中熱交換器4の熱媒出口を接続して成る。第2切換機構18は、熱源水回路3に加熱装置16の熱媒入口を三方弁などの第2の切換弁26を介して接続しかつ第2切換弁26の下流で加熱装置16の熱媒出口を接続して成る。なお、図示省略するが切換機構17、18は、二方弁を、各機器4、16の熱媒入口と熱媒出口の間の熱源水回路3と、各機器4、16の熱媒入口に、各々設けて構成したり、その他の種々の構成とするも自由である。
図1と図2のヒートポンプ式ドライ空調システムでは、設定器27で設定された温湿度に応じて給気側熱交換器6にて還気を冷却又は加熱し、給気側熱交換器6及び加湿器9をバイパスしたバイパス還気を一次混合し、この一次混合空気と換気用室内供給空気を二次混合し、室内Bに給気して空調しつつ、換気ユニット30にて換気する。室内B毎に設定温湿度が異なる場合は、制御器29にて各設定温湿度を比較して基準となる1つの設定温湿度を選択し、その基準設定温湿度に該当する所定の室内Bの検出温湿度が設定温湿度になるように信号出力して制御し、基準と設定温湿度が異なる室内Bは変風量ユニット5で送風量を増減して温湿度制御する。例えば、冷房運転の場合は最低の設定温湿度を基準とし、暖房運転の場合は最高の設定温湿度を基準とすればよいが、これ以外の基準とするも自由である。
夏期に冷房運転をする場合は、給気側熱交換器6で冷却減湿した除湿空気と、バイパス還気と、を所定比率で一次混合し、この一次混合空気と換気用室内供給空気とを所定比率で二次混合すると、バイパス還気と換気用室内供給空気で、これよりも低温低湿の前記除湿空気を再熱するのと同じ効果が得られ、給気を温湿度制御できる。冬期に暖房運転する場合、給気側熱交換器6で加熱し、加湿器9で加湿して絶対湿度を調整した加湿空気と、バイパス還気と、を所定比率で一次混合し、この一次混合空気と換気用室内供給空気とを所定比率で二次混合することで、給気を温湿度制御できる。中間期などほとんど負荷の無い場合は、空調機1を停止して換気だけを行い省エネ化を図ることができる。本発明では、例えば熱交換した還気にバイパス還気を混合せずに、換気用の外気のみを混合する場合と比べると、処理熱量が少なくて済み精度良く温湿度制御ができる。また熱交換した還気・外気混合空気にバイパスさせた還気・外気混合空気を一次混合し、この一次混合空気と換気用外気を二次混合する場合と比べると、処理熱量が少なくて済み精度良く温湿度制御ができる。
なお、本発明は前記各実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更自由である。それぞれ図示省略するが、空気を熱源とするヒートポンプAとしたり、バイパスダンパ11を空調機1でなく循環風路7側に設けてもよい。さらに、換気ユニット30は、バイパス機構により全熱交換の有無を選択できる構造のものや、全熱交換しない構造のものに変更するも自由である。また、給気側熱交換器6の通過風量を制御できるダンパを設けたり、給気側送風機10を給気側熱交換器6の風上に設けて押込み式に送風してバイパス還気と一次混合するも自由である。
1 空調機
3 熱源水回路
4 地中熱交換器
5 変風量ユニット
6 給気側熱交換器
9 加湿器
10 給気用送風機
11 バイパスダンパ
12 分岐送風路
13 圧縮機
15 VAV制御手段
16 加熱装置
17 第1切換機構
18 第2切換機構
22 往路管部
23 復路管部
24 温湿度制御手段
30 換気ユニット
A ヒートポンプ
B 室内
3 熱源水回路
4 地中熱交換器
5 変風量ユニット
6 給気側熱交換器
9 加湿器
10 給気用送風機
11 バイパスダンパ
12 分岐送風路
13 圧縮機
15 VAV制御手段
16 加熱装置
17 第1切換機構
18 第2切換機構
22 往路管部
23 復路管部
24 温湿度制御手段
30 換気ユニット
A ヒートポンプ
B 室内
Claims (7)
- 圧縮式のヒートポンプAを有する1台の空調機1と複数の室内B…の間で空気を循環させると共に屋外と前記各室内Bの間で空気を換気させて空調するヒートポンプ式ドライ空調システムであって、前記空調機1が、前記各室内Bからの還気を冷却・加熱切換自在として熱交換する前記ヒートポンプAの給気側熱交換器6と、前記ヒートポンプAの容量制御自在な圧縮機13と、前記給気側熱交換器6の通過還気を加湿する加湿量制御自在な加湿器9と、前記空調機1と前記各室内B…の間で空気を循環させる風量制御自在な給気用送風機10と、を備え、前記給気側熱交換器6及び前記加湿器9の通過還気に前記給気側熱交換器6及び前記加湿器9をバイパスさせたバイパス還気を一次混合させるための風量制御自在なバイパスダンパ11を、設け、前記空調機1からの一次混合空気と換気用室内供給空気を二次混合させて前記室内Bに給気するように構成し、前記室内Bの検出温湿度が設定温湿度になるように前記圧縮機13と前記バイパスダンパ11と前記加湿器9と前記給気用送風機10を制御する温湿度制御手段24を、設けたことを特徴とするヒートポンプ式ドライ空調システム。
- 空調機1から複数の室内Bに一次混合空気を分流送風するための分岐送風路12毎に、この分岐送風路12の送風量を調整自在な変風量ユニット5を、設け、前記変風量ユニット5の通過一次混合空気と換気用室内供給空気を二次混合させて前記室内Bに給気するように構成し、前記分岐送風路12毎の変風量ユニットボリュームポイントと分岐送風路内径比ポイントとの積算値を全分岐送風路分合計すると共にその合計積算値の全変風量ユニット最大ボリューム時合計積算値に対する比に基いて前記空調機1の給気用送風機10の風量制御のみ又はこの給気用送風機10の風量制御及びヒートポンプAの圧縮機13の容量制御を行うVAV制御手段15を、設けた請求項1記載のヒートポンプ式ドライ空調システム。
- 屋外からの外気と複数の室内Bからの空気を全熱交換して屋外と前記各室内Bの間で空気を換気する換気ユニット30を、設けた請求項1又は2記載のヒートポンプ式ドライ空調システム。
- 熱媒を熱源とするヒートポンプAとし、前記熱媒を循環させる熱源水回路3と、この熱源水回路3に接続されて前記熱媒を温度調節する地中熱交換器4と、を備えた請求項1、2又は3記載のヒートポンプ式ドライ空調システム。
- 熱源水回路3に熱媒を加熱する加熱装置16を地中熱交換器4よりも下流で接続し、前記熱源水回路3に、前記地中熱交換器4に対して熱媒を流通・バイパス切換自在な第1切換機構17と、前記加熱装置16に対して熱媒を流通・バイパス切換自在な第2切換機構18と、を設けた請求項1、2、3又は4記載のヒートポンプ式ドライ空調システム。
- 地中の地表近くに埋設される地中熱交換器4が、熱媒が渦巻き状に下りながら流れる樹脂製の往路管部22と、この往路管部22から出た前記熱媒を地上へ戻す復路管部23と、を備えた請求項1、2、3、4又は5記載のヒートポンプ式ドライ空調システム。
- 給気側熱交換器6のフィンチューブを楕円管とした請求項1、2、3、4、5又は6記載のヒートポンプ式ドライ空調システム。
Priority Applications (1)
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