JP2010275993A - エンジン及びハイブリッド車両用エンジンシステム - Google Patents

エンジン及びハイブリッド車両用エンジンシステム Download PDF

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Takayuki Fuyugashira
孝之 冬頭
Kisaburo Hayakawa
喜三郎 早川
Ichiro Taruya
一郎 樽谷
Hideto Inagaki
英人 稲垣
Ryo Masuda
糧 増田
Yoshihiro Hotta
義博 堀田
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Abstract

【課題】エンジンにおいて、重量の過度な増大を招くことなく、かつ、高速運転の実現を有効に可能としつつ、少ない気筒数である場合でも、往復運動部が発生する慣性力による振動を低減することである。
【解決手段】エンジン40は、互いに同軸上に対向して配置された2個のシリンダ部58と、各シリンダ部58の内側に配置され、2本の連結ロッド34に連結された2個のピストン36と、各連結ロッド34の端部に連結され、互いに離れて配置された2本のクランク軸32と、連結歯車60とを備える。連結歯車60は、各クランク軸32に固定されたクランク軸歯車64と噛合し、車輪に連結された動力伝達軸50,52に動力を伝達するために使用する。各クランク軸32は同方向に回転し、連結歯車60は各クランク軸32と逆方向に回転する。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも2個のシリンダ部と、少なくとも2個のピストンと、2本のクランク軸とを備えるエンジンと、エンジン及びモータの、少なくとも一方を主駆動源として走行駆動するハイブリッド車両用エンジンシステムに関する。
従来からエンジンとモータとを備え、エンジンとモータとの少なくとも一方を主駆動源として走行駆動するハイブリッド車両が考えられ、一部で実用化されている。このようなハイブリッド車両に使用するエンジンシステムとして、例えば、図12の構造が知られている。図12は、従来から考えられているハイブリッド車両用エンジンシステムの1例の略図である。エンジンシステムは、エンジン10のクランクシャフトの端部に設けられた出力軸12とモータ(MG1)14の回転軸とを同軸上に配置し、出力軸12とモータ14の回転軸との間に遊星歯車機構により構成する動力分割機構16を設けている。動力分割機構16は、モータ14の回転軸に減速機構18を介して連結したリングギヤ20と、リングギヤ20の内側に噛合する複数のプラネタリギヤ22と、複数のプラネタリギヤ22と噛合するサンギヤ24とを備える。サンギヤ24は、発電機(MG2)26と連結している。この場合、発電機26の筒状の回転軸の内側に同軸上にエンジン10の出力軸12を挿入している。出力軸12の先端部には、ダンパ28を介して、複数のプラネタリギヤ22を支持するキャリア30を連結している。また、リングギヤ20は、図示しない減速機構等を介して図示しない車輪に連結した駆動軸と連結している。モータ14は、車両の減速時に回転軸の回転により発電する発電機としての機能も有する。発電機26は、エンジン10の始動時に電力が供給されることにより駆動し、動力分割機構16を介してエンジン10を始動させるモータとしての機能も有する。
また、特許文献1には、自動二輪車用として、クランクケースをクランク軸と直交する左右分割面に沿って左、右ケースに分割可能とした並列2気筒エンジンのバランサ装置において、バランサシリンダを気筒軸と反対側に延びるように、かつ左右ケースの両方にまたがるように配置するとともに、該左右ケースのいずれかに固定し、該バランサシリンダ内にバランサピストンを摺動自在に挿入し、該バランサピストンをバランサコンロッドによりクランク軸のバランサピンに連結したバランサ装置が記載されている。
また、特許文献2には、クランクケースに併設する同一回転半径のクランクピンを持つ2本のクランク軸を、回転同期手段により同期回転させるとともに、クランク軸に対し反対側に配設され、かつ、直交する共通の対向シリンダ内をそれぞれ反対に往復動するピストンとクランクピンとに両端を軸着するコネクティングロッドを介して、ピストンがそれぞれ別のクランク軸に連動するように構成する対向シリンダ型機関が記載されている。
また、特許文献3には、クランクケースに一定の間隔を置いて平行する状態に軸支され、それぞれにフライホイルが取り付けられた2本のクランク軸と、2本のクランク軸を1対1の回転比率で互いに逆方向に連動回転させるクランク軸連動機構と、各クランク軸に一組ずつ取り付けられたコネクティングロッド及びピストンとを具備する無振動クランク装置が記載されている。無振動クランク装置では、各組のピストンは、2本のクランク軸のクランク軸中心を結ぶクランク軸直交線の延長線上に配置したシリンダ内に摺嵌されて、同一線上を往復動するように各クランク軸のクランクピンに連結されている。
特開2002−21932号公報 特開平10−141082号公報 特公平3−57310号公報
上記の図12に示したハイブリッド車両用エンジンシステムの場合、従来から、直列4気筒やV型6気筒のエンジン等の多気筒エンジンを組み込んで構成することが考えられている。この場合、図12に示したエンジンシステムに、軽量車両用として小型で少気筒エンジンである2気筒エンジンを単純に組み込んで構成しようとすると、以下の(1)から(3)の改良すべき不都合が生じる可能性がある。
(1) まず、第1の不都合として、従来構造の2気筒エンジンでは、重量の過度な増大を招くことなく、かつ、高速運転の実現を有効に可能としつつ、ピストン等の往復運動部が発生する慣性力による振動を低減することが難しいという不都合がある。すなわち、単純な直列2気筒エンジンの場合には、相当な振動が残ってしまうため、好ましくない。これに対して、2気筒エンジンを構成するシリンダ部及びピストンを同一の水平面上に配置する構造が、従来から考えられている。図13は、(a)が2個のピストンを同一の水平面上に配置する、従来から考えられているエンジンの1例を示す略図であり、(b)は、(a)から2個ずつのピストン及び連結ロッドを取り出して(a)の下方から上方に見た略図である。
図13に示すエンジンでは、クランク軸32の長さ方向(図13のy軸方向)の2個所に連結ロッド34が連結され、連結ロッド34の端部にピストン36が連結されている。各ピストン36は図示しないシリンダ部内に摺動可能に配置されている。各ピストン36及びシリンダ部は、同一水平面上に配置される。このような構造では、ピストン36、連結ロッド34等の往復運動部が発生する慣性力をある程度を打ち消すことができる可能性はあるが、2個のピストン36及び各ピストン36を配置するシリンダ部の中心軸がクランク軸32の長さ方向に関して離れて(オフセットされて)配置されるため、ピストン36の往復運動に伴ってクランク軸32に、図13の互いに直交するx軸及びy軸の交点である原点oを中心とする矢印α方向の大きなモーメントが生じてしまう。このため、エンジンの振動を低減する面から改良の余地がある。
これに対して、特許文献1に記載の並列2気筒エンジンの場合、2気筒の中間部とクランク軸を介して対向するように錘ピストンであるバランサピストンを配置している。この構成において、バランサピストン及びバランサコンロッドと、片側のピストン及びコンロッドと、他側のピストン及びコンロッドとの重量比が2:1:1になるようにすれば、往復運動部の慣性力を相殺できる可能性がないとはいえない。ただし、この構造では、バランサピストン及びコンロッドは片側及び他側の2気筒のピストン及びコンロッドのそれぞれに対して2倍の重量を有するようになるので、過度に重量が増大する可能性があり、摩擦抵抗も増大する要因となる。
これに対して、特許文献2及び特許文献3に記載された構造の場合、2本のクランク軸のそれぞれにコネクティングロッドを介してピストンを連結し、2本のクランク軸を歯車部により互いに逆方向に回転させている。また、各シリンダ部およびピストンが同一直線上に配置されている。このため、ピストンとコネクティングロッドとが生成する往復方向の慣性力は相殺できる可能性がある。ただし、小型で、かつ軽量なエンジンでは、比出力の低下を補うためにエンジン回転数を高めに設定することが考えられ、この場合には、次に述べるような別の改良すべき不都合が生じる可能性がある。
すなわち、特許文献2及び特許文献3に記載された構造の場合には、高速運転の実現が困難であるという不都合が生じる可能性がある。すなわち、これらの従来技術の構造では、ピストン及びシリンダ部の中心軸に対し直交する仮想平面に対し、2個のピストンとコネクティングロッドとが対象形に配置され、運転時にも仮想平面に対し対象形を維持しながら運動する。そして、クランク軸及びコネクティングロッドの容積が大となる側の端部の周辺部の回転部では、互いに慣性力が静的バランス状態でバランスできる可能性はある。また、残った往復運動部の慣性力を互いに対向する往復運動部の慣性力で打ち消しあえる可能性はある。ただし、より高回転で運転するために各シリンダ軸に設けたカウンタウェイトの重量を大きくして、各シリンダ軸とその軸支持部分との間での摩擦抵抗の低減を図ろうとすると、各シリンダ部及び各ピストンを同一の水平面上に配置する場合に上下方向の振動を発生しやすくなる。これについて、図14を用いてより詳しく説明する。
図14は、2本のクランク軸に連結した2個のピストンを水平方向の同軸上に対向配置し、2本のクランク軸を互いに逆方向に回転させるエンジンにおける不都合を説明するための略図である。図14の構成は、上記の特許文献1,2に記載された従来構造に対応する。図14に示すように、互いに離れるように配置した2本のクランク軸32を互いに逆方向(図14の矢印β1、β2方向)に回転させる場合、それぞれのクランク軸32側の回転部の水平方向の慣性力、及び往復運動部の慣性力をバランスできる可能性はある。ただし、エンジンを高速運転させるべく、クランク軸32の回転支持部の摩擦抵抗を低減しようとして、クランク軸32の連結ロッド34の結合側とは反対側に設けるカウンタウェイト38の重量を増大させると、2本のクランク軸32の回転部の慣性力において、それぞれ図14に矢印で方向を表すアンバランスな慣性力ΔF1、ΔF2が生じる。このようなアンバランスな慣性力ΔF1、ΔF2のうち、水平方向の成分は、互いに逆方向であり打ち消される可能性があるが、上下方向の成分は同じ向きとなるため、残ったままとなり、エンジンを振動させる加振力となる。このような理由から、特許文献1及び特許文献2に記載された構造の場合には、高速運転の実現が困難であるという不都合が生じる可能性がある。
(2) また、ハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、2気筒エンジンを単純に組み込んで構成しようとした場合の第2の不都合として、エンジン10(図12)と、エンジン10以外のモータ14及び動力分割機構16とが別のユニットとして連結される構造であるため、全体の容積が大きくなりやすいという不都合がある。この不都合は、上記の特許文献1から特許文献3に記載のエンジンを組み込んだとしても同様に生じる。
(3) また、ハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、2気筒エンジンを単純に組み込んで構成しようとした場合の第3の不都合として、エンジン10(図12)の出力軸12、または出力軸12とキャリア30との間に連結した軸の周囲に同軸上に発電機26を設けているため、発電機26の容積を過度に大きくすることなく、発電機26の回転数を増大させることが難しいという不都合がある。この不都合も、上記の特許文献1から特許文献3に記載のエンジンを組み込んだとしても同様に生じる。
このような事情から、本発明者は、エンジン及びハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、上記の不都合(1)から(3)のうち、少なくとも(1)の不都合を解消すべく本発明を発明するに至ったものである。
本発明は、エンジン及びハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、重量の過度な増大を招くことなく、かつ、高速運転の実現を有効に可能としつつ、エンジンが少ない気筒数である場合でも、往復運動部が発生する慣性力による振動を低減することを目的とする。また、本発明の別の目的は、ハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、全体の容積を小さく抑えるとともに、発電機の容積を過度に大きくすることなく、発電機の回転数を増大させることができる構造を実現することである。
本発明に係るエンジンは、互いに同軸上に対向して配置された少なくとも2個のシリンダ部と、各シリンダ部の内側に配置され、2本の連結ロッドに連結された少なくとも2個のピストンと、各連結ロッドの端部に連結され、互いに離れるように配置された2本のクランク軸と、各クランク軸に固定されたクランク軸歯車と噛合し、車輪に連結された駆動軸にクランク軸からの動力を伝達するための連結歯車と、を備え、各クランク軸は同方向に回転し、連結歯車は各クランク軸と逆方向に回転することを特徴とするエンジンである。
また、本発明に係るエンジンにおいて、好ましくは、それぞれ2本のクランク軸のいずれか1に固定された歯車と直接または別の歯車を介して噛合する吸気用タイミング歯車及び排気用タイミング歯車と、各タイミング歯車にそれぞれ固定された吸気用カム軸及び排気用カム軸と、それぞれ各クランク軸を収容するクランクケースに対し揺動変位可能に、かつ、各カム軸に2個ずつ対向するように支持され、各カム軸の回転によりその先端が揺動変位するカム軸側ロッカーアームと、各シリンダ部に燃料と空気との混合気を給排するための吸気弁及び排気弁と、吸気弁及び排気弁にそれぞれ連結された弁側ロッカーアームと、各弁側ロッカーアームと、各カム軸側ロッカーアームとの間に連結され、カム軸側ロッカーアームの揺動変位によりカム軸側ロッカーアーム側に引かれることにより、吸気弁または排気弁を開弁するプルロッドとを備える。
また、本発明に係るハイブリッド車両用エンジンシステムは、エンジンと、モータとを備え、エンジン及びモータのうち、少なくとも一方を主駆動源として走行駆動するハイブリッド車両用エンジンシステムであって、エンジンは、互いに同軸上に対向して配置された少なくとも2個のシリンダ部と、各シリンダ部の内側に配置され、2本の連結ロッドに連結された少なくとも2個のピストンと、各連結ロッドの端部に連結され、互いに離れるように配置された2本のクランク軸と、各クランク軸に固定されたクランク軸歯車と噛合し、車輪に連結された駆動軸に直接または他の歯車機構または変速機構を介して連結され、駆動軸にクランク軸からの動力を伝達するための連結歯車と、を備え、各クランク軸は同方向に回転し、連結歯車は各クランク軸と逆方向に回転することを特徴とするハイブリッド車両用エンジンシステムである。
また、本発明に係るハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、好ましくは、上方から見た場合に2本のクランク軸の間に配置され、発電機に連結されるサンギヤと、複数のプラネタリギヤと、複数のプラネタリギヤに連結されたキャリアと、リングギヤとを含む遊星歯車機構と、リングギヤとモータとの間に連結された連結軸と、連結軸に固定された出力歯車と、駆動軸に直接または別の歯車機構を介して連結され、出力歯車と噛合する駆動歯車と、を備え、キャリアは、直接または他の部材を介して連結歯車に同軸上に連結されており、連結歯車は、各クランク軸歯車の間に互いに噛合するように連結されている。
また、本発明に係るハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、好ましくは、キャリアと連結歯車との間に設けられた弾力付与手段を備える。
また、本発明に係るハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、好ましくは、モータと連結軸との間に設けられたモータ側遊星歯車式減速機構と、発電機とサンギヤとの間に設けられた発電機側遊星歯車式減速機構と、を備え、モータの回転軸と、発電機の回転軸と、遊星歯車機構の中心軸とを同軸上に配置している。
また、本発明に係るハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、好ましくは、モータは、ステータと、ステータの径方向内側に配置され、ステータに対し相対回転可能な内側ロータと、ステータと内側ロータとの間に相対回転可能に配置される外側ロータとを含み、内側ロータは、連結歯車と同軸上に連結されたロータ側回転部材に同軸上に固定された複合ロータ式モータであり、さらに、駆動軸と外側ロータとの間の動力伝達経路に設けられた変速機構を備える。
また、本発明に係るハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、好ましくは、ロータ側回転部材と連結歯車との間に設けられた弾力付与手段を備える。
また、本発明に係るハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、好ましくは、それぞれ2本のクランク軸のいずれか1に固定された歯車と直接または別の歯車を介して噛合する吸気用タイミング歯車及び排気用タイミング歯車と、各タイミング歯車にそれぞれ固定された吸気用カム軸及び排気用カム軸と、それぞれ各クランク軸を収容するクランクケースに対し揺動変位可能に、かつ、各カム軸に2個ずつ対向するように支持され、各カム軸の回転によりその先端が揺動変位するカム軸側ロッカーアームと、各シリンダ部に燃料と空気との混合気を給排するための吸気弁及び排気弁と、吸気弁及び排気弁にそれぞれ連結された弁側ロッカーアームと、各弁側ロッカーアームと、各カム軸側ロッカーアームとの間に連結され、カム軸側ロッカーアームの揺動変位によりカム軸側ロッカーアーム側に引かれることにより、吸気弁または排気弁を開弁するプルロッドとを備える。
本発明のエンジン及びハイブリッド車両用エンジンシステムによれば、重量の過度な増大を招くことなく、かつ、高速運転を有効に実現可能としつつ、エンジンが少ない気筒数である場合でも、往復運動部が発生する慣性力による振動を低減することができる。また、本発明のハイブリッド車両用エンジンシステムによれば、全体の容積を小さく抑えるとともに、発電機の容積を過度に大きくすることなく、発電機の回転数を増大させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るエンジンを備えるハイブリッド車両用エンジンシステムを示す略断面図である。 エンジンシステムをクランクケースに収容した状態で図1の下方から上方に見た略透視図である。 図2の略A−A断面図である。 図3の略B−B断面図である。 第1の実施の形態のエンジンシステムを搭載した車両を示す略図である。 図5の下方から上方に見た略透視図である。 第1の実施の形態の効果を説明するための2個ずつのピストン及び連結ロッドとクランクシャフトとを示す略図である。 本発明の第2の実施の形態に係るハイブリッド車両用エンジンシステムを示す略断面図である。 エンジンシステムをクランクケースに収容した状態で図8の下方から上方に見た略透視図である。 モータ駆動装置と組み合わせて示す、図8のC部拡大図である。 本発明の第3の実施の形態に係るハイブリッド車両用エンジンシステムを示す略断面図である。 従来から考えられているハイブリッド車両用エンジンシステムの1例の略図である。 (a)が2個のピストンを同一の水平面上に配置する、従来から考えられているエンジンの1例を示す略図であり、(b)は、(a)から2個ずつのピストン及び連結ロッドを取り出して(a)の下方から上方に見た略図である。 2本のクランク軸に連結した2個のピストンを水平方向の同軸上に対向配置し、2本のクランク軸を互いに逆方向に回転させるエンジンにおける不都合を説明するための略図である。
[本発明に係る第1の実施の形態]
以下、本発明に係る実施の形態を図面にしたがって説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るエンジンを備えるハイブリッド車両用エンジンシステムを示す略断面図である。図2は、エンジンシステムをクランクケースに収容した状態で図1の下方から上方に見た略透視図である。図3は、図2の略A−A断面図である。図4は、図3の略B−B断面図である。図5は、本実施の形態のエンジンシステムを搭載した車両を示す略図である。図6は、図5の下方から上方に見た略透視図である。図7は、本実施の形態の効果を説明するための2個ずつのピストン及び連結ロッドとクランクシャフトとを示す略図である。
本実施形態に係るハイブリッド車両用エンジンシステムは、エンジン40と、モータ14と、発電機26と、モータ側減速機構42と、発電機側減速機構44と、遊星歯車機構46とを備える。また、エンジンシステムは、以下に説明するように、エンジン40からの動力を遊星歯車機構46や、差動歯車機構48を介して、減速しながら、左右の車輪66(図5、図6)のそれぞれに連結した2本の駆動軸である動力伝達軸50,52に伝達可能とするとともに、モータ14からの動力をモータ側減速機構42を介して動力伝達軸50,52に伝達可能としている。また、エンジン40とモータ14との少なくとも一方により発電機側減速機構44を介して発電機26を駆動可能としている。
このようなハイブリッド車両用エンジンシステムは、エンジン40及びモータ14のうち、少なくとも一方を主駆動源として走行駆動するハイブリッド車両54(図5、図6)に搭載して使用する。エンジン40は、それぞれクランクケース56(図2、図4)の内側に設けられ、互いに同軸上に対向して配置された2個のシリンダ部58と、各シリンダ部58の内側に配置され、2本の連結ロッド34にそれぞれ連結された2個のピストン36と、各連結ロッド34の端部に回転可能に連結された2本のクランク軸32と、連結歯車60と、後述する動弁機構62とを備える。2本のクランク軸32は、クランクケース56に、互いに離れるように配置された状態で回転可能に収容支持されている。2本のクランク軸32のクランクケース56に対する回転支持部の中心軸同士は、互いに平行である。また、各クランク軸32の両側にカウンタウェイト38を連結している。
連結歯車60は、各クランク軸32の一端寄り部分(図1の下端寄り部分)に固定されたクランク軸歯車64と噛合する。また、連結歯車60は、車輪66(図5、図6)に連結した2本の動力伝達軸50,52に、ダンパ68と、遊星歯車機構46と、連結軸70に固定した出力歯車72と、遊星歯車式の差動歯車機構48とを介して連結し、各動力伝達軸50,52にエンジン40の動力を伝達する。図2に示すように、連結歯車60は、2個のクランク軸歯車64の間にそれぞれのクランク軸歯車64と噛合するように設けられているので、各クランク軸32は互いに同方向に回転し、連結歯車60は各クランク軸32と逆方向に回転する。
また、連結歯車60の一端部(図1の上端部)外周寄り部分に軸方向に突出する筒部を設けるとともに、筒部の内側に周方向複数個所に設けた弾力付与手段である、振動吸収用のダンパ68を介して、遊星歯車機構46を構成するキャリア74を連結している。このため、キャリア74は、ダンパ68を介して連結歯車60に同軸上に連結される。
遊星歯車機構46は、図1に示すように上方から見た場合に2本のクランク軸32の間に配置され、発電機26に連結されるサンギヤ76と、複数のプラネタリギヤ78を回転可能に支持するピニオン軸と、複数のプラネタリギヤ78にピニオン軸を介して連結されたキャリア74と、リングギヤ80とを含む。複数のプラネタリギヤ78は、各ピニオンの端部に回転可能に支持している。また、サンギヤ76は、複数のプラネタリギヤ78の内径側に噛合させ、リングギヤ80は、複数のプラネタリギヤ78の外径側に噛合させている。リングギヤ80は、サンギヤ76と反対側にサンギヤ76と同軸上の連結軸70を一体に設けている。そして、連結軸70に上記の出力歯車72を固定している。
連結軸70は、モータ側減速機構42を介してモータ14の回転軸に連結している。モータ側減速機構42は、遊星歯車式の減速機構である。すなわち、モータ側減速機構42を構成するキャリアを連結軸70に固定するとともに、複数のプラネタリギヤの外径側にクランクケース56(図2、図4)に固定の部分に固定したリングギヤを噛合させ、サンギヤをモータ14の回転軸に同軸に固定している。このようなモータ側減速機構42では、サンギヤと連結軸70とが同軸上に配置されている。このように構成するため、遊星歯車機構46のリングギヤ80と、モータ14との間に、モータ側減速機構42と連結軸70とが設けられる。
また、遊星歯車機構46のサンギヤ76は、発電機側減速機構44を介して発電機26の回転軸に連結している。発電機側減速機構44は、遊星歯車式の減速機構である。すなわち、発電機側減速機構44を構成するキャリアを、遊星歯車機構46を構成するサンギヤ76に固定するとともに、複数のプラネタリギヤの外径側にクランクケース56(図2、図4)に固定の部分に固定したリングギヤを噛合させ、サンギヤを発電機26の回転軸に同軸に固定している。遊星歯車機構46を構成するサンギヤ76と、発電機側減速機構44を構成するサンギヤとは、同軸上に配置している。このように構成するため、遊星歯車機構46のサンギヤ76と、発電機26との間に発電機側減速機構44が設けられる。また、発電機26及びモータ14の回転軸と、遊星歯車機構46の中心軸とは同軸上に配置される。
また、連結軸70に固定した出力歯車72と、差動歯車機構48を構成するリングギヤ82の外周面に設けた駆動歯車とを噛合させている。差動歯車機構48は、遊星歯車式であり、リングギヤ82の内側に噛合させた複数のプラネタリギヤと、複数のピニオンギヤの内径側に噛合させたサンギヤとを備える。複数のプラネタリギヤを支持したキャリアと、サンギヤとの一方を、左右の動力伝達軸50,52の一方に固定し、キャリアとサンギヤとの他方を、左右の動力伝達軸50,52の他方に固定している。なお、差動歯車機構48は、このような遊星歯車式の構成に限定するものではなく、一般的に使用されている、左右両側のサイドギヤと、各サイドギヤに自転かつ公転可能に係合させるピニオンギヤとを有する差動機構等、種々の構成を採用できる。
また、本実施の形態では、エンジン40の動弁機構62を構成するために吸気弁駆動用と排気弁駆動用とのそれぞれで1個ずつのカム軸を設け、各カム軸が、2個ずつの吸気弁または排気弁を駆動させるようにしている。このために、図3に示すように、動弁機構62は、2個のクランク軸32のうち、片側(図3の左側)のクランク軸32の他端部(図3の上端部)に固定した吸気用カム軸駆動歯車86と、吸気用カム軸駆動歯車86に噛合させた吸気用中間歯車88と、吸気用中間歯車88に噛合させた吸気用タイミング歯車90と、吸気用タイミング歯車90に固定した吸気用カム軸92とを含む。
また、動弁機構62は、片側(図3の左側)のクランク軸32の一端部(図3の下端部)に固定した排気用カム軸駆動歯車94と、排気用カム軸駆動歯車94に噛合させた排気用中間歯車96と、排気用中間歯車96に噛合させた排気用タイミング歯車98と、排気用タイミング歯車98に固定した排気用カム軸100とを含む。吸気用カム軸92と排気用カム軸100とは、クランクケース56(図2、図4)内で、連結歯車60よりも下側であって、2本のクランク軸32の間の下側の空間に、互いに独立した状態で、かつ互いに同軸上に配置されている。さらに、2個のクランク軸32の片側のクランク軸32により、カム軸駆動歯車86,94と、中間歯車88,96と、タイミング歯車90,98とを介して、クランク軸32の速度の1/2の速度に減速して、各カム軸92,100を駆動するように構成している。
また、吸気用カム軸92の長さ方向2個所位置に吸気用カム102を固定し、吸気用カム軸92と平行に、吸気用カム軸92の両側に2本のロッカーアーム軸104を配置している。また、各ロッカーアーム軸104にカム軸側吸気用ロッカーアーム106を固定している。すなわち、各ロッカーアーム軸104の一端部に各カム軸側吸気用ロッカーアーム106を固定している。また、各カム軸側吸気用ロッカーアーム106の中間部を吸気用カム102と対向させている。
また、排気用カム軸100の長さ方向2個所位置に排気用カム108を固定し、排気用カム軸100を、上記の2本のロッカーアーム軸104の間に各ロッカーアーム軸104と平行に配置している。また、各ロッカーアーム軸104の他端部に各カム軸側排気用ロッカーアーム110を固定している。また、各カム軸側排気用ロッカーアーム110の中間部を排気用カム108と対向させている。各ロッカーアーム軸104は、クランクケース56(図2、図4)に対し回転可能に支持されているので、吸気用及び排気用の各カム軸側ロッカーアーム106,110は、各ロッカーアーム軸104の中心軸を中心とする揺動変位可能に支持される。そして、各カム軸側ロッカーアーム106,110は、対向するカム軸92,100の回転によりそれぞれの先端が揺動変位する。
また、各シリンダ部58のピストン36と反対側にシリンダヘッド112を設けており、各シリンダヘッド112に吸気流路114と排気流路116とを設けている。また、各シリンダヘッド112に弁側吸気用ロッカーアーム118と弁側排気用ロッカーアーム120とを揺動可能に支持し、各ロッカーアーム118,120の先端部に吸気弁と排気弁とをそれぞれ連結している。吸気弁及び排気弁は、各シリンダ部58内に燃料と空気との混合気を給排するためのものである。また、各弁側吸気用ロッカーアーム118の先端部と、各カム軸側吸気用ロッカーアーム106との間に炭素繊維複合材等の軽量素材、またはワイヤにより構成される吸気用プルロッド122を連結している。また、各弁側排気用ロッカーアーム120の先端部と、各カム軸側排気用ロッカーアーム110との間に炭素繊維複合材等の軽量素材、またはワイヤにより構成される排気用プルロッド124を連結している。各吸気弁は、対応する弁側吸気用ロッカーアーム118が吸気用プルロッド122により揺動されることにより駆動され、開弁または閉弁が行われる。各排気弁は、対応する弁側排気用ロッカーアーム120が排気用プルロッド124により揺動されることにより駆動され、開弁または閉弁が行われる。すなわち、各プルロッド122,124は、カム軸側ロッカーアーム106,110の揺動変位によりカム軸側ロッカーアーム106,110側に引かれることにより、吸気弁または排気弁を開弁する。
このようなエンジンシステムは、図5、図6に示すようにハイブリッド車両54に搭載した状態で使用される。車両54への搭載状態では、エンジンシステムの2本の動力伝達軸50,52が左右方向(図5の上下方向、図6の表裏方向)に伸びるように配置され、各ピストン36(図1等)及び各シリンダ部58(図1等)は、車両54の水平方向である前後方向(図5、図6の左右方向)に配置される。図5、図6に示す例では、エンジンシステムは、車両54の前側(図5、図6の左側)に配置され、前側の車輪66を駆動するために使用されるが、上下方向の高さが小さくなるため、車両54前部のエンジン40上側の空間を利用して、前側トランクルーム126(図6)を設けている。また、エンジン40は、車両54の左右方向のほぼ中央軸上で、かつ上下方向に関して車軸とほぼ同位置か車軸よりも下側の空間、例えば床下の空間に配置している。さらに、車両54の後席128の後側にモータ14(図1等)駆動用のバッテリ130を配置している。バッテリ130は、充放電可能な直流電源であり、例えば二次電池である。
このようなエンジンシステムは、次のようにエンジン40の動力を車輪66へ伝達する。すなわち、図1、図2に示すように、エンジン40の作動時には、吸気弁及び排気弁の作動に伴って、シリンダ部58内での混合気の燃焼によりピストン36が往復運動する。このピストン36の往復運動により2本のクランク軸32が互いに同方向に回転し、連結歯車60が逆方向に回転する。連結歯車60の動力は、ダンパ68、キャリア74、プラネタリギヤ78、リングギヤ80を介して連結軸70に伝達される。そして、連結軸70の回転力は、連結軸70に固定された出力歯車72と差動歯車機構48とを介して、減速されつつ、左右の動力伝達軸50,52に、対応する動力の配分に応じて伝達され、左右の車輪66(図5、図6)が駆動される。
また、エンジン40の作動に伴って、遊星歯車機構46を構成するサンギヤ76が回転することにより、発電機側減速機構44を介して、発電機26が駆動され、発電機26で発電した電力がバッテリ130(図6)に充電される。また、モータ14の駆動時には、モータ14の動力がモータ側減速機構42で減速されつつ連結軸70に伝達され、連結軸70から差動歯車機構48を介して左右の動力伝達軸50,52に伝達される。
このようなエンジン及びハイブリッド車両用エンジンシステムによれば、本実施の形態のように、エンジン40が少ない気筒数である2気筒エンジンである場合でも、ピストン36及び連結ロッド34等の往復運動部が発生する慣性力による振動を低減することができる。これについて図7を用いて詳しく説明する。なお、以下の図7を用いた説明では、説明の理解容易化のために図7の左右を、「左右」とする。本実施の形態のように、2本のクランク軸32が互いに離れるように配置されることで、上記の図13に示した構成の場合と異なり、ピストン36がクランク軸32の長さ方向(図7の表裏方向)に対し離れて配置されることがなくなる。このため、図3に示すように、上方向から下方向に見た場合に、各ピストン36の往復運動に伴って、各クランク軸32に大きなモーメントが作用することを抑制できる。
さらに、上記の図14に示したように単純に2本のクランク軸32を離れて配置し、互いのクランク軸32を逆方向に回転させる場合と異なり、クランク軸32によって図7のz方向である上下方向に振動が発生することを抑制できる。すなわち、図7に示すように、左右のピストン36に生じる慣性力は、左右のピストン36が同一軸上で対向するため完全に打ち消しあい、左右の連結ロッド34に生じる慣性力のうち、ピストン36の往復方向成分もピストン36の場合と同様に完全に打ち消しあう。また、クランク軸32と、連結ロッド34の容積が大きくなる、すなわち重量が大となる端部とを含む回転部では、クランク軸32に設けるカウンタウェイト38の重量を適切に設定し、上下方向の慣性力が完全に相殺してゼロになるようにすることで、左右それぞれの回転部だけでも慣性力をある程度打ち消しあうことができる。また、残った回転部の上下方向の慣性力は、左右の対向する回転部で互いに完全に打ち消しあうことができる。この場合、例えばエンジン40の高回転化と摩擦抵抗低減のためにカウンタウェイト38を増大させるときに、各クランク軸32周りに正バランスの状態から慣性力の増分である図7の矢印方向のΔF1´とΔF2´とが生じる。ただし、左右両側で、これらの増分ΔF1´,ΔF2´は、図7の点Oに対し対象関係にあるので、慣性力の増分ΔF1´,ΔF2´の上下方向成分及び左右方向成分のいずれも打ち消すことができる。なお、慣性力の増分ΔF1´,ΔF2´は左右にずれた位置で作用するため、各回転部での上下左右方向の慣性力を打ち消すことができても、エンジン40を回転させようとする方向の点O周りのモーメントは残る。ただし、このモーメントは、エンジン40のトルク変動方向の中心である、連結歯車60の中心軸、すなわち、2個のクランク軸32間の軸中心に作用するため、実用上の問題は生じにくい。このように、本実施の形態によれば、往復運動部が発生する慣性力による振動を低減することができる。
しかも、本実施の形態では、上記の特許文献1に記載された構造の場合と異なり、大きな重量を必要とするバランサピストンを設けずに済むため、重量の過度な増大を防止できる。また、本実施の形態によれば、上記の特許文献2及び特許文献3に記載された構造の場合と異なり、高速運転を有効に実現できる。
また、本実施の形態によれば、上記の図12に示した従来のハイブリッド車両用エンジンシステムの場合と異なり、動力分割機構16(図12参照)に対応する遊星歯車機構46を、両側の1個ずつのシリンダ部58、ピストン36、及び連結ロッド34を含む単気筒エンジン部分同士の間ではさみ込む構成となっている。このため、エンジン40と、遊星歯車機構46とを一体化することができ、ハイブリッド車両用エンジンシステム全体の容積を小さく抑えることができる。
さらに、本実施の形態のハイブリッド車両用エンジンシステムによれば、上記の図12に示した従来のハイブリッド車両用エンジンシステムの場合と異なり、発電機26の回転軸を、エンジン40のクランク軸32の周囲に同軸上に配置する必要がなくなる。すなわち、エンジン40及びキャリア74の間での動力伝達部と、発電機26及びサンギヤ76の間での動力伝達部とが互いに同軸の2重構造となることがなくなる。このため、発電機26とエンジン40との間に、本実施の形態のように発電機側減速機構44を設けることが可能となり、発電機26の容積を過度に大きくすることなく、発電機26の回転数を増大させることができる。この結果、ハイブリッド車両用エンジンシステム全体の容積をより小さく抑えることができる。
さらに、発電機側減速機構44とモータ側減速機構42とに遊星歯車機構46を使用するとともに、発電機26とモータ14との回転軸と遊星歯車機構46の中心軸とを同軸上に配置しているため、ハイブリッド車両用エンジンシステム全体の容積をより小さくすることができる。なお、発電機側減速機構44とモータ側減速機構42とは、遊星歯車機構を使用するものに限定するものではなく、種々の減速機構を採用することもできる。
また、本実施の形態のハイブリッド車両用エンジンシステムでは、エンジン40と遊星歯車機構46とを一体化した状態でクランクケース56内に配置しているため、エンジン40と、遊星歯車機構46とを別のユニットとして構成する場合に比べて、クランクケース56内の潤滑油により、エンジン40と、遊星歯車機構46とのそれぞれを潤滑することができ、図示しない潤滑油ポンプの数を少なくできるとともに、低コスト化と、さらなる軽量化とを図れる。
また、本実施の形態を構成する動弁機構62では、動弁機構62を使用するエンジン40が2本のクランク軸32を有するのにもかかわらず、動弁機構のために必要となる空間の容積を小さくでき、しかも、エンジン40の全長と重量とが過度に増大するのを防止できる。すなわち、本実施の形態では、シリンダヘッド112が図1の左右両側端部に2個配置される構造であるため、両側のシリンダヘッド112の動弁機構にオーバーヘッドカムシャフト(OHC)方式を採用すると仮定すると、シリンダヘッド112の図1の左右方向長さが大きくなり、エンジン40の図1の左右方向の全長及び重量が過度に増大する要因となる。これに対して、本実施の形態では、図3に示すように、互いに同軸上に独立して配置される吸気用及び排気用の2本のカム軸92,100を、2本のクランク軸32の間の中間に配置し、各カム軸92,100に対向するカム軸側ロッカーアーム106,110によりプルロッド122,124を介して吸気弁及び排気弁のそれぞれを駆動する構成を採用している。また、クランクケース56内の2本のクランク軸32の間の下側の空間に、カム軸92,100及びカム軸側ロッカーアーム106,110を配置している。このため、各カム軸92,100の回転により、両側の2個のシリンダヘッド112部の2個の吸気弁または2個の排気弁を駆動でき、しかもカム軸92,100及びカム軸側ロッカーアーム106,110の占める容積を小さくできる。したがって、動弁機構62のために必要となる空間の容積を小さくすることができ、しかも、エンジン40の全長と重量とが過度に増大するのを防止できる。また、プルロッド122,124を採用しているため、プルロッド122,124の剛性を高くする必要がない。このため、本実施の形態では、たわみを防止するために剛性を高くする必要があるため、重量が増大しやすくなるプッシュロッドを採用する場合に比べて、エンジン40をより軽量化することができる。
なお、本実施の形態において、各タイミング歯車90,98内に、油圧可変バルブタイミング機構として、油圧機構を利用した構造を内蔵することもできる。例えば、各タイミング歯車90,98の内径側に内側リングを設け、各タイミング歯車90,98の内周面と内側リングの外周面との間に形成される油圧室の容積を油圧を変化することで内側リングに固定したカム軸92,100と、各タイミング歯車90,98との位相差を変えることもできる。このようにすれば、吸気用と排気用とのそれぞれで互いに独立して開弁時期を変更することもできる。また、本実施の形態では、吸気用と排気用とのカム軸駆動歯車86,94及び中間歯車88,96をいずれも片側(図3の左側)のクランク軸32により駆動するように構成しているが、吸気用と排気用との歯車を、互いに別のクランク軸32により駆動するように構成することもできる。
また、本実施の形態のハイブリッド車両用エンジンシステムは、上記の図5から図6に示したように、クランクケース56は、車両54の左右方向のほぼ中央軸上で、かつ上下方向に関して車軸とほぼ同位置か車軸よりも下側の空間、例えば床下の空間に配置することができる。このため、車両54の軽量化のために要求が高いエンジン40の低重心化に寄与しやすくなり、車両54の安定性の向上を図りやすくなる。また、モータ14及び発電機26は、クランクケース56の外側に取り付けることもできる。
[本発明に係る第2の実施の形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態に係るハイブリッド車両用エンジンシステムを示す略断面図である。図9は、エンジンシステムをクランクケースに収容した状態で図8の下方から上方に見た略透視図である。図10は、モータ駆動装置と組み合わせて示す、図8のC部拡大図である。
図8、図9に示すように、本実施の形態のエンジンシステムは、上記の第1の実施の形態と異なり、モータとは別に発電機を設けていない。その代わりに、本実施の形態のエンジンシステムは、複合ロータ式モータ132と、ベルト式無段変速機構(CVT)134とを備える。また、エンジンシステムは、エンジン40を構成する2本のクランク軸32の間に、クランク軸歯車64を介して連結歯車60を連結する、すなわちクランク軸歯車64と連結歯車60とを噛合させるとともに、連結歯車60にダンパ68を介して連結される複合ロータ式モータ132により、エンジン40により駆動される発電機の機能も持たせている。
すなわち、図10に詳しく示すように、モータ132は、クランクケース56(図9)に固定されたステータ136と、ステータ136の径方向内側に配置されステータ136に対し相対回転可能な内側ロータ138と、ステータ136と内側ロータ138との間に配置される外側ロータ140とを含む。外側ロータ140は、ステータ136及び内側ロータ138に対し相対回転可能としている。
内側ロータ138は、回転軸142に固定され、すなわち機械的に連結され、回転軸142は、連結歯車60と、複数のダンパ68を介して、連結歯車60と同軸上に連結されたロータ側回転部材144に連結されている。このため、内側ロータ138は、ロータ側回転部材144に同軸上に固定されており、内側ロータ138には、クランク軸32からの動力が伝達される。また、外側ロータ140は、ベルト式無段変速機構134を構成する入力軸146(図8)と機械的に連結され、入力軸146は無段変速機構134と、無段変速機構134を構成する出力軸148(図8)に固定された出力歯車72と、差動歯車機構48と、動力伝達軸50,52とを介して、車輪66(図5、図6参照)に機械的に連結されている。すなわち、動力伝達軸50,52と外側ロータ140との間の動力伝達経路に、無段変速機構134を設けている。このため、車輪66には、外側ロータ140からの動力が無段変速機構134で変速されてから伝達される。無段変速機構134は、入力軸146と出力軸148とを互いに平行に回転可能にクランクケース56(図9)に固定の部分に対し回転可能に支持されている。また、入力軸146の周囲に設けた一対の入力側リングと、出力軸148の周囲に設けた一対の出力側リングとの間にベルト150を掛け渡している。一対の入力リング同士の間、及び、一対の出力リング同士の間の幅は、いずれも図示しない制御部により運転状態に応じて制御する。
モータ132の構成をより詳しく説明すると、ステータ136は、固定子鉄心であるステータコア152と、ステータコア152の周方向複数個所に配設された複数相(例えば3相)の固定子導体であるステータ巻線154とを含む。複数相のステータ巻線154に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、ステータ巻線154は、ステータ136の周方向に回転する回転磁界を発生することができる。
内側ロータ138は、ロータコア156と、ロータコア156の周方向複数個所に配設された複数相(例えば3相)の回転子導体であるロータ巻線158とを含む。複数相のロータ巻線158に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、ロータ巻線158は、内側ロータ138の周方向に回転する回転磁界を発生することができる。
外側ロータ140は、ロータコア159と、ロータコア159の周方向複数個所に配設され界磁束を発生する内側永久磁石160及び外側永久磁石162を含む。外側永久磁石162は、ロータコア159の外周部にステータ136と対向して配設されており、内側永久磁石160は、ロータコア159の内周部に内側ロータ138と対向して配設されている。なお、内側永久磁石160と外側永久磁石162とのうち、一方を省略し、他方により一方の機能を兼用させることもできる。
また、内側ロータ138と外側ロータ140との間にクラッチ164を設けて、クラッチ164の係合/解放により、内側ロータ138が連結された回転軸142と、外側ロータ140が連結された入力軸146との機械的係合及びその解除を選択的に行うことを可能としている。クラッチ164を係合させて、内側ロータ138と外側ロータ140とを機械的に係合させることで、内側ロータ138と外側ロータ140とが一体となって等しい回転速度で回転する。一方、クラッチ164を解放して、内側ロータ138と外側ロータ140との機械的係合を解除することで、内側ロータ138と外側ロータ140との回転速度差が許容される。クラッチ164は、例えば油圧や電磁力を利用してその係合/解放を切り替えることが可能であり、さらに、クラッチ164に供給する油圧力や電磁力を調整することで、クラッチ164の締結力を調整することもできる。
また、モータ132の駆動のために、モータ駆動装置として、蓄電装置であるバッテリ130と、インバータ166と、整流器168と、昇圧コンバータ170と、図示しない制御部である電子制御ユニットとを設けている。バッテリ130、インバータ166、整流器168、昇圧コンバータ170、電子制御ユニットは、いずれも車両のクランクケース56(図9)外側に配置している。昇圧コンバータ170は、DC/DCコンバータである。昇圧コンバータ170の代わりに、降圧コンバータまたは昇降圧コンバータを使用することもできる。インバータ166は、スイッチング素子を含み、スイッチング素子のスイッチング動作によりバッテリ130から供給される直流電力を交流(例えば3相交流)に変換して、ステータ巻線154の各相に供給可能である。この場合には、ステータ136と外側ロータ140との間にトルクを作用させることができ、エンジン40(図8、図9)が動力を発生していない場合でも、外側ロータ140を回転駆動させ、いわゆるEV走行を行わせることができる。
また、回転軸142に複数相(例えば3相の)スリップリング172を固定し、クランクケース56(図9)に固定の部分に支持されたブラシ174をスリップリング172に摺接させている。スリップリング172は、対応する相のロータ巻線158及びブラシ174と電気的に接続されている。ブラシ174からの電力は整流器168へ供給される。スリップリング172及びブラシ174により、ロータ巻線158から交流電力を取り出すための電力伝達部を構成することができ、取り出された交流電力は整流器168へ供給される。
エンジン40(図8、図9)の動力により内側ロータ138が回転駆動し、内側ロータ138の回転速度が外側ロータ140の回転速度よりも高くなると、ロータ巻線158に誘導起電力が発生する。電子制御ユニットが、昇圧コンバータ170の出力電圧がバッテリ130の電圧よりも高くなるように制御することにより、ロータ巻線158に誘導電流が流れ、内側ロータ138と外側ロータ140との間にトルクが作用して外側ロータ140が回転駆動する。このように、回転軸142から内側ロータ138、外側ロータ140、入力軸146に、図10の矢印γ方向にトルクが伝達される伝達経路は、機械パスに相当する。
また、ロータ巻線158で発生した交流電力は、スリップリング172及びブラシ174の摺接部を介して取り出され、整流器168で整流して直流に変換する。昇圧コンバータ170は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子のスイッチング動作により整流器168で整流された直流電力を昇圧(電圧変換)して出力する。そして、昇圧コンバータ170で昇圧された直流電力は、インバータ166で交流に変換されてからステータ巻線154の各相へ供給可能としている。インバータ166は、昇圧コンバータ170で昇圧された直流電力とバッテリ130からの直流電力との少なくとも一方を交流に変換してステータ巻線154の各相へ供給可能としている。このため、ステータ136と外側ロータ140との間にトルクが作用する。このように、内側ロータ138から、スリップリング172、ブラシ174、整流器168、昇圧コンバータ170、インバータ166、ステータ136に、図10の矢印δ方向に電気的エネルギが伝達される経路は、電気パスに相当する。なお、昇圧コンバータ170で昇圧された直流電力をバッテリ130に回収することもできる。すなわち、モータ132は、エンジン40により駆動される発電機26としての機能も有する。
また、内側ロータ138と外側ロータ140との間に作用するトルクは、昇圧コンバータ170の昇圧比である、スイッチング素子のデューティ比を変更することにより、制御可能である。また、クラッチ164を解除した状態で、内側ロータ138と外側ロータ140との回転差を許容することができるため、車輪66(図5、図6参照)の回転が停止してもエンジン40(図8)がストールすることはなく、トルクコンバータとしての機能を発揮できる。一方、クラッチ164を機械的に係合させることにより、すなわちクラッチ164をロックアップさせることにより、エンジン40からの動力を入力軸146にそのまま伝達することができる。
このような複合ロータ式モータ132を備えるエンジンシステムによれば、電子制御ユニットが昇圧コンバータ170における昇圧比を制御することで、エンジン40の運転状態を制御できる。
なお、図示は省略するが、バッテリ130とブラシ174との間にクランキング用インバータを、電気的に接続し、バッテリ130からの直流電力をクランキング用インバータで交流電力に変換してからブラシ174とスリップリング172とを介してロータ巻線158に供給し、内側ロータ138を回転駆動することでエンジン40を始動させることもできる。すなわち、ロータ巻線158への供給電力を用いてエンジン40のクランキングを行うこともできる。
このような本実施の形態の場合も、重量の過度な増大を招くことなく、かつ、高速運転の実現を有効に可能としつつ、エンジン40が少ない気筒数である2気筒である場合でも、往復運動部が発生する慣性力による振動を低減することができる。その他の構成及び作用については、上記の第1の実施の形態と同様であるため、同等部分は同一符号を付して、重複する説明を省略する。
なお、本実施の形態でベルト式無段変速機構134(CVT)の代わりに、一般的に使用されているオートマチックトランスミッション機構(AT)や、マニュアルトランスミッション機構(MT)を使用することもできる。
[本発明に係る第3の実施の形態]
図11は、本発明の第3の実施の形態に係るハイブリッド車両用エンジンシステムを示す略断面図である。本実施の形態のエンジンシステムでは、上記の図8から図10に示した第2の実施の形態の構成において、エンジン40aを2気筒ではなく4気筒としている。すなわち、エンジン40aを構成する2本のクランク軸32のそれぞれ2個所位置に連結ロッド34を連結し、各連結ロッド34に連結したピストン36を図示しないシリンダ部に配置している。この場合、各クランク軸32の長さ方向片側(図11の上側)に連結したピストン36は、互いに同軸上に対向配置している。また、各クランク軸32の長さ方向他側(図11の下側)に連結したピストン36は、互いに同軸上に対向配置している。また、各ピストン36が同一の水平面上で往復運動するように構成している。このような本実施の形態の場合も、上記の各実施の形態と同様に、エンジン40aの往復運動部が発生する慣性力による振動を低減することができる。その他の構成及び作用については、上記の図8から図10に示した第2の実施の形態と同様であるため、重複する説明を省略する。
なお、本実施の形態では、上記の第2の実施の形態の構成、すなわち、複合ロータ式モータ132を組み合わせているが、本実施の形態は、上記の図1から図7に示した第1の実施の形態と組み合わせることもできる。すなわち、第1の実施の形態において、エンジン40を4気筒とすることもできる。また、上記の各実施の形態において、エンジン40,40aを6気筒以上の構成とすることもできる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
10 エンジン、12 出力軸、14 モータ、16 動力分割機構、18 減速機構、20 リングギヤ、22 プラネタリギヤ、24 サンギヤ、26 発電機、28 ダンパ、30 キャリア、32 クランク軸、34 連結ロッド、36 ピストン、38 カウンタウェイト、40,40a エンジン、42 モータ側減速機構、44 発電機側減速機構、46 遊星歯車機構、48 差動歯車機構、50,52 動力伝達軸、54 ハイブリッド車両、56 クランクケース、58 シリンダ部、60 連結歯車、62 動弁機構、64 クランク軸歯車、66 車輪、68 ダンパ、70 連結軸、72 出力歯車、74 キャリア、76 サンギヤ、78 プラネタリギヤ、80,82 リングギヤ、84 カム軸、86 吸気用カム軸駆動歯車、88 吸気用中間歯車、90 吸気用タイミング歯車、92 吸気用カム軸、94 排気用カム軸駆動歯車、96 排気用中間歯車、98 排気用タイミング歯車、100 排気用カム軸、102 吸気用カム、104 ロッカーアーム軸、106 カム軸側吸気用ロッカーアーム、108 排気用カム、110 カム軸側排気用ロッカーアーム、112 シリンダヘッド、114 吸気流路、116 排気流路、118 弁側吸気用ロッカーアーム、120 弁側排気用ロッカーアーム、122 吸気用プルロッド、124 排気用プルロッド、126 前側トランクルーム、128 後席、130 バッテリ、132 複合ロータ式モータ、134 ベルト式無段変速機構、136 ステータ、138 内側ロータ、140 外側ロータ、142 回転軸、144 ロータ側回転部材、146 入力軸、148 出力軸、150 ベルト、152 ステータコア、154 ステータ巻線、156 ロータコア、158 ロータコア、160 内側永久磁石、162 外側永久磁石、164 クラッチ、166 インバータ、168 整流器、170 昇圧コンバータ、172 スリップリング、174 ブラシ。

Claims (9)

  1. 互いに同軸上に対向して配置された少なくとも2個のシリンダ部と、
    各シリンダ部の内側に配置され、2本の連結ロッドに連結された少なくとも2個のピストンと、
    各連結ロッドの端部に連結され、互いに離れるように配置された2本のクランク軸と、
    各クランク軸に固定されたクランク軸歯車と噛合し、車輪に連結された駆動軸にクランク軸からの動力を伝達するための連結歯車と、を備え、
    各クランク軸は同方向に回転し、連結歯車は各クランク軸と逆方向に回転することを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンにおいて、
    それぞれ2本のクランク軸のいずれか1に固定された歯車と直接または別の歯車を介して噛合する吸気用タイミング歯車及び排気用タイミング歯車と、
    各タイミング歯車にそれぞれ固定された吸気用カム軸及び排気用カム軸と、
    それぞれ各クランク軸を収容するクランクケースに対し揺動変位可能に、かつ、各カム軸に2個ずつ対向するように支持され、各カム軸の回転によりその先端が揺動変位するカム軸側ロッカーアームと、
    各シリンダ部に燃料と空気との混合気を給排するための吸気弁及び排気弁と、
    吸気弁及び排気弁にそれぞれ連結された弁側ロッカーアームと、
    各弁側ロッカーアームと、各カム軸側ロッカーアームとの間に連結され、カム軸側ロッカーアームの揺動変位によりカム軸側ロッカーアーム側に引かれることにより、吸気弁または排気弁を開弁するプルロッドとを備えることを特徴とするエンジン。
  3. エンジンと、モータとを備え、
    エンジン及びモータのうち、少なくとも一方を主駆動源として走行駆動するハイブリッド車両用エンジンシステムであって、
    エンジンは、
    互いに同軸上に対向して配置された少なくとも2個のシリンダ部と、
    各シリンダ部の内側に配置され、2本の連結ロッドに連結された少なくとも2個のピストンと、
    各連結ロッドの端部に連結され、互いに離れるように配置された2本のクランク軸と、
    各クランク軸に固定されたクランク軸歯車と噛合し、車輪に連結された駆動軸に直接または他の歯車機構または変速機構を介して連結され、駆動軸にクランク軸からの動力を伝達するための連結歯車と、を備え、
    各クランク軸は同方向に回転し、連結歯車は各クランク軸と逆方向に回転することを特徴とするハイブリッド車両用エンジンシステム。
  4. 請求項3に記載のハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、
    上方から見た場合に2本のクランク軸の間に配置され、発電機に連結されるサンギヤと、複数のプラネタリギヤと、複数のプラネタリギヤに連結されたキャリアと、リングギヤとを含む遊星歯車機構と、
    リングギヤとモータとの間に連結された連結軸と、
    連結軸に固定された出力歯車と、
    駆動軸に直接または別の歯車機構を介して連結され、出力歯車と噛合する駆動歯車と、を備え、
    キャリアは、直接または他の部材を介して連結歯車に同軸上に連結されており、
    連結歯車は、各クランク軸歯車の間に互いに噛合するように連結されていることを特徴とするハイブリッド車両用エンジンシステム。
  5. 請求項4に記載のハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、
    キャリアと連結歯車との間に設けられた弾力付与手段を備えることを特徴とするハイブリッド車両用エンジンシステム。
  6. 請求項4または請求項5に記載のハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、
    モータと連結軸との間に設けられたモータ側遊星歯車式減速機構と、
    発電機とサンギヤとの間に設けられた発電機側遊星歯車式減速機構と、を備え、
    モータの回転軸と、発電機の回転軸と、遊星歯車機構の中心軸とを同軸上に配置したことを特徴とするハイブリッド車両用エンジンシステム。
  7. 請求項3に記載のハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、
    モータは、
    ステータと、
    ステータの径方向内側に配置され、ステータに対し相対回転可能な内側ロータと、
    ステータと内側ロータとの間に相対回転可能に配置される外側ロータとを含み、
    内側ロータは、連結歯車と同軸上に連結されたロータ側回転部材に対し同軸上に固定された複合ロータ式モータであり、
    さらに、
    駆動軸と外側ロータとの間の動力伝達経路に設けられた変速機構を備えることを特徴とするハイブリッド車両用エンジンシステム。
  8. 請求項7に記載のハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、
    ロータ側回転部材と連結歯車との間に設けられた弾力付与手段を備えることを特徴とするハイブリッド車両用エンジンシステム。
  9. 請求項3から請求項8のいずれか1に記載のハイブリッド車両用エンジンシステムにおいて、
    それぞれ2本のクランク軸のいずれか1に固定された歯車と直接または別の歯車を介して噛合する吸気用タイミング歯車及び排気用タイミング歯車と、
    各タイミング歯車にそれぞれ固定された吸気用カム軸及び排気用カム軸と、
    それぞれ各クランク軸を収容するクランクケースに対し揺動変位可能に、かつ、各カム軸に2個ずつ対向するように支持され、各カム軸の回転によりその先端が揺動変位するカム軸側ロッカーアームと、
    各シリンダ部に燃料と空気との混合気を給排するための吸気弁及び排気弁と、
    吸気弁及び排気弁にそれぞれ連結された弁側ロッカーアームと、
    各弁側ロッカーアームと、各カム軸側ロッカーアームとの間に連結され、カム軸側ロッカーアームの揺動変位によりカム軸側ロッカーアーム側に引かれることにより、吸気弁または排気弁を開弁するプルロッドとを備えることを特徴とするハイブリッド車両用エンジンシステム。
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