JP2010275679A - 漆塗りと天然染料を用いた染色方法及びその製品 - Google Patents

漆塗りと天然染料を用いた染色方法及びその製品 Download PDF

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Abstract

【課題】鉱物性天然染料を希薄した染液に被染色物を浸染する方法及びその製品を提供する。
【解決手段】鉱物性天然染料は、特定の色を帯びた鉱物質を粉砕した石彩粉末に漆の木から抽出した樹液を透明に加工した透明漆と、油桐の木から抽出した樹液を透明に加工した明油で配合して製造する。希薄溶剤に混合して希薄させた染液に服地を一定時間浸染すれば、漆の木の樹液(透明漆)と油桐の木の樹液(明油)の成分及び染料の色素が被染色物の繊維中に浸透及び吸収され、透明な漆の成分により染色物に防腐性、防虫性、抗菌性及び殺菌性を与えることにより、染色物を保護するだけでなく、人体に有用に作用し、油桐の木の樹液が有する弾性塗膜により繊維の表面を保護することにより、色相が鮮明で、かつ繊維の表面に光沢があり、頻繁に洗濯をしても脱色や色落ちがなく、耐久性が強化され、被染色物の寿命を延長させる効果がある。
【選択図】なし

Description

本発明は、被染色物(服地、織物、窓戸紙、その他の天然繊維)を染色するにおいて、鉱物性天然染料を用いた天然染料方法及びその製品に関し、より詳細には、特定の色を帯びた鉱物質を微細に粉砕した石彩粉末に、漆の木から抽出した樹液を透明に加工した透明漆と、油桐の木から抽出した樹液を透明に加工した明油で配合して製造した天然染料を、松あるいは楠から抽出した希薄溶剤に溶いて希薄した染液に被染色物を浸染する漆塗りと天然染料を用いた染色方法及びその製品に関する。
数千年にわたって用いられてきた天然染料は、原料の採取が制約的であり、また染料の抽出過程が複雑である。さらに染色作業においても工程が複雑で多くの労働力が要求されるため、19世紀以降に化学染料が開発されるに伴って天然染料は次第に使用量が減少傾向にある。
しかし、韓国民族衣裳である「ハンボク」のような伝統衣装の研究と復元作業が活発になり、環境及び自然の保護が強調されながら化学染料の短所である水質汚染の問題を解決するために、より環境にやさしい植物染料に関する関心が高まり、天然染料の短所である再現性を克服するための研究も活発に進められている。
伝統的な服地の染色技法は、化学薬品による染色方法が用いられる前には主に自然から得られる素材、即ち、植物性、動物性、鉱物性の原料を用いて染色してきた。
一例として、植物性染料は、色合いを持っている植物の花びらや実、幹、根、葉などから採したことを、例えば赤色は、紅花という花びらから、黄色は、クチナシ子の実や草雌黄の樹液から、青色は、タデ科に属するあいの幹と葉から、ウコン色は、ショウガ科に属するウコンの根と幹から採取して染料に用いた。
この他にも染料の原料によって紅花染め、蘇芳染め、跌染め、ゴミシ染め、キハダ染め、クチナシ染め、ウコン染め、オウレン染め、エンジュ染め、カリヤス染め、ヤマカイドウ染め、紫草染め、藍染め、あい染め、紅染めなどの多様な染色方法がある。
前述した染色方法は、染色による色相別に区分した染色方法であって、例示的に従来のいくつかの染色技法を説明する。
蘇芳染は、蘇芳または蘇木、蘇芳木,蘇芳、丹木、木紅、多木という木の中の赤い中身を取って煎じた液を用いて染色する。濃い浅紅色を所望する際は、ミョウバンで媒染し、紺碧を所望する際は、酢酸鉄で媒染する。
跌染めは、いわば茜根染め法とも呼ばれるが、赤色の染料として用いられるもう一つの染料植物の染色法である。この茜根蔓の黄赤色を帯びるひげ根は、昔から薬剤と染料として使われてきた。染色法がややこしく、溶解が難しく、媒染剤(ミョウバン)を必ず用いなければならない代表的な媒染染料である。木綿(白い布)の染色時には、灰汁で媒染を行った後、ミョウバンで処理する。
灰汁による媒染法は、先に冷たい灰汁に浸漬して置く。約50〜60℃の水に茜根を水出しした後、再び浸して暫く置くと、鮮明な黄色を帯びた赤色にきれいに染まる。灰汁の媒染の代わりに鉄媒染にすれば褐色になる。
紅色染は、紅染または赤色染とも呼ばれるが、紅花、蘇芳、跌(茜根)などを用いて紅色に染色する際に用いられる。紅花による紅染法、即ち紅花染めは、花びらをそのまま、または発酵させ、ふるいに欠けた溶液に熱湯を入れて黄汁を除去する。次に、灰汁を入れて最初の水は捨て、再度熱湯を入れて水出ししたものを取る。この溶液が紅色になるとゴミシ汁を入れて染浴を作り、布を浸して50〜60℃で所望の濃度になるまで染色を行う。さらに濃い赤色に染色したいときには、紅花とゴミシ液の沈殿物を乾燥させ、粉にして染色する。
ゴミシ染めは、木蓮科に属する落葉蔓性の潅木として、その実が酸味、苦味、辛味、塩味、甘味の5つの味を有するゴミシを原料とした染色方法であって、まずゴミシを煮出しした液を水で適当な濃度に希薄し、染液を作った後、染液に布を入れて沸騰して染色する。ゴミシは、紅色に染色する際に使われる染料である。
黄色系列の染色は、ウコン、オウレン、エンジュ、キハダ、クチナシ、カリヤス、ヤマカイドウなどの植物を原料として黄色の染色を行うが、キハダ染めは、キハダの木の皮を陽光で干し、冷たい水で水出しした溶液に一晩浸して染色を行い、灰汁を加える。藍染めを行った後、キハダ染めを行うと、緑色の染色物が得られる。
クチナシ染めは、媒染剤なしでも染色できる染料であって、茜根科に属するクチナシの実を干して水出しし、この溶液を煎じて酸を添加し、染色する。寿衣のような麻織物の染色に主に使われる。
ウコン染めは、インドの伝統料理である「カレー」の原料として、ウコンまたは深黄と呼ばれる直接染料である。ショウガ科の多年生植物であるウコンの根をちぎったり、水出しした溶液で染色する。
前述したような染色原料及び染色方法の他にも、多様な原料とそれによる染色技法があるが、それに関する説明は省略する。
しかし、前記のような植物性材料を用いた染色技術は、染料の材料によって独特の染色技術だけによって染色できるため、同じ方法で染色する化学的染色方法とは異なり、染色方法は原料ごとに異なるため、非常に煩雑かつ不便であり、染料として植物性原料を用いるため、色はきれいものの鮮明度が落ちて薄く、染色した服を長期間保管すれば、紙魚のような害虫により服が損傷しやすく、頻繁に洗濯することにより色あせたり脱色する短所がある。
それに対し、鉱物性材料を用いた染色方法は、洗濯時に脱色の程度が植物性染料に比べて少なく、色が濃い長所があるが、再現性が落ち、染料の原料を採取しにくく、価格が高価であるという短所がある。
本発明は、前述したように従来の染色による問題を解決するために、本発明者が数年間の試行錯誤を繰り返しながら成し遂げた結果を提案する。
本発明の目的は、被染色物を鉱物性天然染料で染色することにより、染色物に防腐及び防虫、殺菌作用を与え、染色の色相が鮮明で濃く、色相が脱色しにくく、環境汚染を全く発生させない鉱物性天然染料を用いた染色方法及びその製品を提供することであり、特に特定の色を帯びた鉱物質を微細に粉砕した石彩粉末に、漆の木から抽出した樹液を透明に加工した透明漆と、油桐の木から抽出した樹液を透明に加工した明油で配合した鉱物性天然染料を、松あるいは楠から抽出した希薄溶剤に希薄して染色する漆塗りと天然染料を用いた染色方法及びその製品を提供することにある。
本発明による漆塗りと天然染料を用いた染色方法及びその製品は、被染色物を天然染料で染色するにおいて天然染料の色素を溶出させるために松から抽出した樹脂に水を入れて蒸留するか、あるいは楠から抽出した樹脂に水を入れて蒸留した希薄溶剤を製造する第1段階と、特定の色相を帯びた鉱物質を粉砕した石彩粉末に油桐の木の実を絞って得た樹液を徐々に沸騰させ透明に製造された明油と、漆の木から抽出した生漆を精製した後、紫外線を一定時間照射し、透明に製造された透明漆をそれぞれ混合して鉱物性天然染料を製造する第2段階と、第1段階の希薄溶剤に前記天然染料を希薄した染液に被染色物を一定時間浸染する第3段階、及び、浸染をした被染色物を染液から取り出し、一定時間乾かす第4段階の工程によって達成できる。
本発明による天然染料は、希薄溶剤に混合して希薄させた染液に服地を一定時間浸染すれば、漆の木の樹液(透明漆)と油桐の木の樹液(明油)の成分及び染料の色素が被染色物の繊維中に浸透及び吸収され、透明漆が持っている防腐、防虫、及び抗菌及び殺菌作用により染色物を保護するだけでなく、人体に有用に作用し、油桐の木の樹液が持っている弾性塗膜により繊維の表面を保護することにより、色相が鮮明で、かつ繊維の表面に光沢があり、頻繁な洗濯をしても脱色や色落ちがなく、耐久性が強化され、被染色物の寿命を延長させる効果がある。
以下、本発明による漆塗りと天然染料を用いた染色方法及びその製品について詳細に説明する。
本発明による天然染料は、特定の色を帯びた鉱物質を粉砕した石彩粉末と、石彩粉末に粘結剤を添加し、所定の粘結力を有する鉱物性天然染料と、天然染料の色素と粘結剤を湧出させるとともに、染液の濃度と粘性を調節する希薄溶剤で構成されている。
本発明による石彩粉末は、自然に分布している特定の色を帯びた鉱物質を、ボールミル(ball mill)を用いて2,500メッシュ(mesh)に極めて微細に粉末化したものであって、石彩粉末の粒径は、石彩粉末の有した色素が希薄溶剤により十分にそして最大限溶出するように極めて微細に粉砕するのが望ましい。
色彩染料は、石彩粉末に添加され、漆と明油(粘結剤)に含まれた粘性と接着成分により染色された染色物に防水、防虫、防腐、殺虫及び媒染効果を提供する。
本発明による粘結剤の採用例としては、漆の木の樹液と油桐の木(Aleurites fordi Hemsi)の実の樹液を採用した。
漆の木に傷をつけると、傷を保護するために漆の木から樹液が流れ出るが、これを生漆という。生漆は、灰白色の乳状液で、ウルシオール(urushiol)が約70%であり、その他にゴム質(4〜8%)、窒素物質(2〜3%)、酵素(laccase)と水分(10〜20%)を含んでいる。
生漆の特徴は、初期には灰白色を帯び、時間が経つにつれて劣化により徐々に黒く変わりながら不透明になり、粘性が大きく、特有の臭いがあり、特に防水、防虫、防腐、殺虫及び媒染効果を有しているので、木器や工芸品の塗装材及び締切材として主に使われている。
生漆は、化学的に性質の異なる多数の成分が樹皮の組織内に分離されており、表皮に傷ができると、多量のウルシオール、水分及び多糖体を含有するエマルジョン状態に混合されるが、その状態が均一でなく、過量の酵素を含有しており、湿度の低い環境でも迅速な表面の硬化が起こる。
このような生漆の成分組成は、木製品に漆塗りをする際、急速な重合作用に起因して漆塗膜の欠陥原因になるシワが発生しやすく、多量の多糖類による漆塗膜の変色と紫外線による塗膜の劣化が発生する。
生漆を用いた漆塗りは、数千年が経っても漆塗膜がそのまま維持される程に耐久性に優れた伝統塗料であって、現在も強力な耐久性が要求される製品に使われている。
漆塗膜は、各種の有機溶媒に全く腐食しない強力な耐化学性を有しているため、強力な耐食性を要求する産業用塗料、オイル貯蔵タンク、送油管、LNG貯蔵タンク、化学工場の配管設備など、多様な用途の産業用塗料としても開発される。
生漆を透明に製造する方法としては、漆の木から抽出した樹液(以下、生漆という)から異物や不純物を除去した後、ここに紫外線を約2時間照射しながら生漆を攪拌すれば、多量の多糖類による劣化により色が透明(以下、「透明漆」という)に変化するが、その性質は維持される。紫外線照射装置は、医療用紫外線ランプを使用した。
生桐油は、油桐の木(桐とも呼ばれる)の実から抽出したオイルであって、油桐の木の実を圧縮機で加圧すれば薄い乳白色のオイルが抽出されるが、乾燥が速く、粘性が高くて、乾燥後に厚くて弾力ある塗膜を形成し、オイルは、平滑作用があり、昔からオンドルの部屋の床紙や傘紙の塗膜油としてよく使われてきた。最近は、建築用ペイントやニス、印刷用インクの原料としても活用されることもある。
生桐油を透明に製造する方法としては、容器に生桐油を入れて沸騰すれば(これを熟桐油という)、乳白色の生桐油が次第に透明に変化するが、これを明油という。明油は、生桐油から明油に変わっても物理的、化学的性質はそのまま維持される。
前述したように、有色の生漆及び生桐油を石彩粉末に混合すれば、石彩粉末の色と生漆と生桐油の色が混ぜられ、予測し難い色が作られるので、所望のカラーを作るために透明漆と透明桐油を用いる。
本発明では、透明漆と明油の和が18〜22重量部(残りは石彩粉末)になるように添加し、パンを作るために小麦粉を練るときにその練りこねたものが手にくっつかない程度の粘度を有する天然染料を製造した。
このように天然染料は、粘度によって希薄溶剤の添加割合を調節するが、天然染料の希薄割合が増加するほど透明漆と明油の溶出量が増加し、染液の流動性が低くなり、染色効率が低下する。
本発明で希薄溶剤に対する天然染料の希薄割合は、希薄溶剤100重量部に対して天然染料は少なくとも0.5重量部、最大45重量部に希薄した染液を用いた。
もし天然染料の希薄割合が45重量部を超えると、漆と明油の成分が染液に過度に溶出して染液の粘性が増加するので、染色物に形成される透明漆と明油の塗膜が厚くなり、染色物の乾燥時間が遅延する。
そして、もし石彩染料を希薄溶剤に60重量部以上希薄させる場合、染液は粘性が増加し、染液が被染色物に十分に浸透できず、染色が不均一になることがある。
逆に、天然染料を希薄溶剤に0.5重量部以下に希薄すれば、染料色素の溶出量が低くなり、染色の色合いも曇って薄くなる。
天然染料の色素と透明漆及び明油の成分を染液に溶出させ、染液の濃度を希薄させるための希薄溶剤の製造方法について説明する。
希薄溶剤は、天然染料の色素と漆を溶出させながら服地の繊維中に色素と漆の成分が容易に浸透できるように界面を活性化させ、均一の色相に染色できるようにする作用をする。
本発明では、希薄溶剤として松節油または樟脳油のいずれかを採用したが、その製造方法は次の通りである。
松節油の製造方法については、松の幹を刃物でV字形に切るか、螺旋状に溝を掘り、破裂口から流れ出る樹脂に同量の水を入れ、蒸留して製造する。
松節油は、蒸留する前には松脂の香りよりも強いが、蒸留後には松の香りが微量残留し、透明な無色を帯び、粘性が水と類似する。
松節油は、飲用しても人体に無害であり、水と比較して乾燥速度がほぼ類似する。主に夏に採取する。
樟脳油は、楠の幹に傷をつけると、傷から流れ出た樹脂に同量の水を入れ、これを蒸留して製造したものであり、透明な液状で、松節油に比べて乾燥速度が遅い。そして粘度は、松節油とほぼ類似しており、同様に夏に採取する。
松節油は、樟脳油に比べて乾燥速度が速いので、大気温度の低い冬期には、松節油を希薄溶剤として用いるのが望ましく、気温の高い夏期には、樟脳油を希薄溶剤として用いるのが望ましい。
前述したように製造された松節油と樟脳油の内、いずれの希薄溶剤を選択しても漆成分と明油成分を溶出させることができ、色素を被染色物に染色することができる。
前述したように、希薄溶剤、即ち松節油と樟脳油のいずれか一つを染液筒に所望の量を入れ、その中に天然染料を所望の割合で入れて希薄溶剤をかき混ぜ、天然染料を溶解させた後、その染液に被染色物を入れ、手で被染色物を揉んだり、棒で裏返しながらかき混ぜると、染料の色素と透明漆及び明油の成分が繊維中に浸透して染色される。
一定時間が経過すれば、被染色物を取り出して十分に乾燥させれば、目的とする色に染色された染色物が得られる。
上記のような本発明の染色方法を順次整理すれば次の通りである。
第1段階は、希薄溶剤を製造する過程であって、天然染料で服地を染色するにおいて、染液に染料の色素を溶出させるために、松の外皮を破裂させ、その破裂部から抽出した樹脂に水を入れて蒸留した松節油希薄溶剤あるいは楠の樹脂に水を入れて蒸留した樟脳油希薄溶剤を製造する。
第2段階は、天然染料の製造過程であって、特定の色相を有する鉱物質の原石を微細に粉砕した石彩粉末に、油桐の木の実を絞って得た樹液を徐々に沸騰して透明に製造された明油と、漆の木から抽出した生漆を精製した後、紫外線を照射して透明に製造した透明漆とを混合すれば、天然染料が製造される。
第3段階は、被染色物を染色する過程であって、第1段階で製造された希薄溶剤を染液筒に入れ、その染液筒に第2段階で製造された天然染料を溶かした染液に被染色物を入れ、一定時間(約30分)浸染する。
第4段階は、染液に浸染された服地を取り出して乾燥させる過程であって、乾燥方法は特に制限しない。
前述したように天然染料で染色された染色物は、公知となった熱処理を通じて漆の成分を中和させ、染色を完成する。
上記のように製造された染色物は、漆と明油に含まれている成分が劣化及び硬化するに伴って服地の繊維の表面に極めて微細な塗膜が形成される。
以上で説明したように、本発明による漆塗りと天然染料を用いた染色方法によれば、染色物は、漆の成分により防腐性、防虫性、抗菌性、殺菌性及び抗菌性が作用するので、染色物が害虫により損傷するのを防止することができ、また透明漆と明油が有する光沢効果により、染色物に光沢があり、色相が鮮明で、ほぼ脱色及び変色しない染色製品が得られ、誰でも統一した方法で簡便に染色することができる。

Claims (2)

  1. 被染色物を鉱物性天然染料で染色するにおいて、染料の色素を溶出させるために、松の外皮を破裂させ、その破裂部から抽出した樹脂に水を入れて蒸留するか、または楠の樹脂に水を入れて蒸留した希薄溶剤を製造する第1段階、
    特定の色を帯びた鉱物質を粉砕した石彩粉末に、油桐の木の実を絞って得た樹液を徐々に沸騰して透明に製造された明油と、漆の木から抽出した生漆を精製した後、紫外線を照射して透明に製造した透明漆とをそれぞれ混合し、天然染料を製造する第2段階、
    希薄溶剤に天然染料を入れて希薄した染液に、被染色物を一定時間浸染する第3段階、及び、
    浸染された被染色物を取り出し、一定時間乾燥する第4段階
    の工程からなることを特徴とする漆塗りと天然染料を用いた染色方法。
  2. 請求項1に記載の方法によって染色された製品。
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