JP2010274840A - 膝保護用エアバッグ装置 - Google Patents

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孔規 田中
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【課題】乗員の膝が膨張初期のエアバッグと当たることとなっても、膝を後方に強く押圧することを抑えることができ、かつ、膝を収納部位から離すようにして座席に着座した乗員の膝を的確に保護することが可能な膝保護用エアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】膝保護用エアバッグ装置Sでは、折り畳まれたエアバッグ66を収納する収納部位46が、左右方向の幅寸法を、乗員Mの左右の膝KL,KRにおける各膝中心より左右両側に延びるような幅寸法としている。エアバッグ66が、膨張完了時に、乗員Mの膝KL,KRの前方を、左右方向の全域にわたって覆うように構成されるとともに、膨張初期に、乗員Mの左右の膝KL,KRを、それぞれ、左右の一方側の斜め後方側に向かって押圧可能な初期押圧部67cを、有している。
【選択図】図13

Description

本発明は、座席に着座した乗員の膝の前方に配置されて、膨張完了時に乗員の膝を保護可能に構成されるエアバッグを有した膝保護用エアバッグ装置に関する。
従来、膝保護用エアバッグ装置としては、運転席に着座した乗員の膝の前方となるコラムカバー内に、エアバッグを折り畳んで収納させて、コラムカバーの後面側を覆うように、エアバッグを膨張させる構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。この従来の膝保護用エアバッグ装置では、1つのエアバッグを使用しているものの、コラムカバーに、左右方向側で離隔して配置されるとともに、エアバッグの展開膨張時にそれぞれ開き可能とされる2つの扉部を、配設させ、各扉部の開き時に形成される2つの開口から、エアバッグの左側部位と右側部位とを突出させる構成であった。この膝保護用エアバッグ装置の各扉部は、断面形状を略四角筒形状としたコラムカバーの後左側と後右側とに配置されており、エアバッグの左側部位と右側部位とは、各扉部が開いて形成される開口の開口面と略直交するように、開口から、斜め後方側に向かって突出することとなり、乗員の膝を相互に離隔させるように、左右方向の外側に向かって押圧していた。
特開2002−37003公報
乗員の膝が近接した状態でエアバッグを膨張させる場合、膝関節へのダメージ(いわゆるニースライド現象)を抑えるためには、膨張するエアバッグが、膝から脛部にかけての部位に、大腿部に沿って前後方向に沿うような後方側に向かう押圧力を作用させることを、極力、抑えることが望ましい。従来の膝保護用エアバッグ装置では、各開口から突出するエアバッグの左側部位及び右側部位が、前後方向に沿って後方側に向かうのではなく、左右の一方側の斜め後方側に向かって突出し、乗員の膝を相互に離隔させるように、左右方向の外側に向かって押圧する構成であることから、近接している乗員の膝が膨張初期のエアバッグに当たることとなっても、ニースライド現象の発生を防止して、膝関節にダメージを与えることを極力抑えることが可能であった。しかし、この従来の膝保護用エアバッグ装置では、エアバッグが、コラムカバーにおける扉部間の部位に区画されるようにして、左側部位と右側部位とを左右方向で分離させるような状態として、膨張を完了させることとなり、乗員の膝の前方を、左右方向の全域にわたって覆うものではなかった。そのため、両膝がコラムカバーに接近して、コラムカバーを挟むように位置する運転者の膝は的確に保護することができるが、この構成を、インストルメントパネルやグラブボックスのグラブドア等、乗員の前方において左右方向に広がる面を覆うようにエアバッグを膨張させる構成の膝保護用エアバッグ装置に適用した場合、エアバッグの収納部位から膝を離すようにして着座している乗員が、膝の位置を左右方向の中央側(換言すれば、分離されている部位側)にずらすように前進移動した際に、膨張を完了させたエアバッグによって膝を円滑に保護する点に改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、乗員の膝が膨張初期のエアバッグと当たることとなっても、膝を後方に強く押圧することを抑えることができ、かつ、膝を収納部位から離すようにして座席に着座した乗員の膝を的確に保護することが可能な膝保護用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る膝保護用エアバッグ装置は、座席に着座した乗員の膝の前方に配置されて、内部に膨張用ガスを流入させて膨張可能に収納部位内に折り畳まれて収納されるとともに、膨張完了時に乗員の膝を保護可能に構成されるエアバッグを有した膝保護用エアバッグ装置であって、
収納部位が、左右方向の幅寸法を、乗員の左右の膝における各膝中心より左右両側に延びるような幅寸法として、折り畳まれたエアバッグを、収納させる構成とされ、
収納部位の周囲に、膨張完了時のエアバッグの前面側を略全面にわたって支持可能とする左右方向に略沿って配置される支持面を有した支持部材が、配設されて、
エアバッグが、膨張完了時に、乗員の膝の前方を左右方向の全域にわたって覆うように構成されるとともに、膨張初期に、乗員の左右の膝を、それぞれ、左右の一方側の斜め後方側に向かって押圧可能な初期押圧部を、有していることを特徴とする。
本発明の膝保護用エアバッグ装置では、膨張するエアバッグが、膨張初期に、まず、初期押圧部を膨張させるように膨張することから、乗員の膝が膨張初期のエアバッグと当たっても、初期押圧部が、乗員の左右の膝を、それぞれ、左右の一方側の斜め後方側に向かって押圧することとなる。そのため、折り畳まれたエアバッグを収納する収納部位が、左右方向の幅寸法を、乗員の左右の膝における各膝中心より左右両側に延びるような寸法としていても、収納部位内から後方へ突出しつつ膨張するエアバッグが、乗員の膝から脛部にかけての部位に、大腿部に沿って前後方向に沿うような後方側に向かう押圧力(換言すれば、大腿部を腰骨に向かって圧縮させるような押圧力)を作用させることを、極力、抑えることができ、ニースライド現象の発生を抑えて、膝関節に与えるダメージを極力低減させることができる。また、本発明の膝保護用エアバッグ装置では、エアバッグは、膨張完了時に、乗員の膝の前方を、左右方向の全域にわたって覆うように構成されていることから、膝を収納部位から離すようにして座席に着座した乗員の膝を保護する場合に、前進移動する乗員の膝の位置が左右方向の中央側にずれた際にも、膨張を完了させたエアバッグによって膝を円滑に保護することができる。
したがって、本発明の膝保護用エアバッグ装置では、乗員の膝が膨張初期のエアバッグと当たることとなっても、膝を後方に強く押圧することを抑えることができ、かつ、膝を収納部位から離すようにして座席に着座した乗員の膝を的確に保護することができる。
また、本発明の膝保護用エアバッグ装置において、初期押圧部は、乗員の左右の膝を、相互に離隔させるように左右方向の外側に向かって押圧可能に、後面側の左右方向に沿う横断面を、中央を後方側に向かって突出させる凸形状に構成してもよく、さらには、乗員の左右の膝を、相互に接近させるように左右方向の内側に向かって押圧可能に、後面側の左右方向に沿う横断面を、中央を前方側に向かって凹ませる凹形状に構成してもよい。
そして、本発明の膝保護用エアバッグ装置は、エアバッグを左右方向の幅寸法を広くして折り畳んで収納させた状態であっても、乗員の膝関節にダメージを極力与えない状態で、エアバッグを膨張させる構成であることから、座席に着座した乗員の膝との距離が近く、かつ、搭載スペースの奥行きを広く確保できない助手席の前方に配置されるグラブボックスのグラブドア内に収納されているタイプの膝保護用エアバッグ装置に、好適である。
本発明の一実施形態である膝保護用エアバッグ装置を内蔵したグラブドアの車両搭載状態を示す斜視図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置を搭載した状態のインストルメントパネル付近の車両の前後方向に沿った概略縦断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置を内蔵したグラブドアの車両搭載状態の概略縦断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置を内蔵したグラブドアの車両搭載状態の概略拡大縦断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置を内蔵したグラブドアの車両搭載状態の概略横断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置に使用されるエアバッグを構成するバッグ本体の正面図である。 図6のバッグ本体の縦断面図であり、図6のVII−VII部位に対応する。 実施形態の膝保護用エアバッグに使用されるエアバッグを構成する膨張規制部材の平面図と横断面図である。 図8の膨張規制部材を構成する後側カバー布、左側カバー布、及び、右側カバー布を、平らに展開した状態を示す展開図である。 図6のバッグ本体に、図8の膨張規制部材の後側カバー布を縫着させた状態を示す正面図である。 実施形態のエアバッグの折畳工程を説明する概略図である。 実施形態のエアバッグの折畳工程を説明する概略図であり、図11の後の工程を説明する図である。 車両搭載状態の実施形態の膝保護用エアバッグ装置において、エアバッグの膨張初期状態を示す概略横断面図である。 車両搭載状態の実施形態の膝保護用エアバッグ装置において、エアバッグの膨張過程を示す概略横断面図である。 車両搭載状態の実施形態の膝保護用エアバッグ装置において、エアバッグの膨張過程を示す概略横断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置において、エアバッグの膨張完了状態を示す概略横断面図である。 本発明の他の形態であるエアバッグの正面図である。 図17のエアバッグの縦断面図であり、図17のXVIII−XVIII部位に対応する。 図17のエアバッグの横断面図であり、膨張初期と膨張完了状態とを示す。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態では、図1,2に示すように、インストルメントパネル(以下、「インパネ」と省略する)4の下部側に装着されたグラブボックス13のグラブドア20内に搭載されて、助手席に着座した乗員Mの前方側に配設される膝保護用エアバッグ装置Sを例に採り、説明する。実施形態の場合、膝保護用エアバッグ装置Sは、左右方向の中央を、グラブドア20の左右方向の中央と略一致させ、かつ、図示しない助手席の左右方向の中央と略一致させるように、配置されている。すなわち、膝保護用エアバッグ装置Sは、グラブドア20内において、左右方向の中央を、助手席に着座した乗員Mの左右方向の中央と略一致させるような位置に、搭載されている。
なお、本明細書では、左右、前後、上下の各方向に関し、特に断らない限り、膝保護用エアバッグ装置Sを搭載したグラブドア20がグラブボックス13の開口14aを閉じている傾斜した状態(上端20a側を下端20b側より水平方向に沿って前方側に配置させた状態、図2参照)を基準とするもので、左右方向は、直進時の車両の左右方向に対応し、前後方向は、直進時の車両の前後の方向であって、グラブドア20の厚さ方向TDに沿う方向を基準とし、上下方向VDは、直進時の車両の上下の方向であって、グラブドア20の厚さ方向TDと直交する方向を基準とするものである(図3参照)。
膝保護用エアバッグ装置Sが配設されるグラブボックス13は、ボックスタイプ(若しくはドアタイプ)として、ポリプロピレン等の硬質合成樹脂から形成されるボックス本体14と、ボックス本体14の後部側の開口14aを開閉可能に塞ぐグラブドア20と、を備えて構成されている。ボックス本体14は、図2に示すように、下壁15、下壁15の上方で下壁15に対向するように配設される上壁16、下壁15と上壁16との左右両端を相互に連結して相互に左右方向で対向する左右の側壁17,17、及び、前壁18、を備えて、後部側に長方形状の開口14aを有した略直方体の箱形状としている。前壁18は、下壁15、上壁16、及び、左右の側壁17,17の前縁側に連結されて、開口14aに対向するように、略上下方向に沿って配設されている。そして、左右の側壁17,17には、下端の後端側に、グラブドア20の開閉時のヒンジ部を構成するヒンジピン19が配設されるとともに、ボディ1側に固定される図示しないブラケット部が配設されている。また、左右の側壁17には、上端の後端側に、グラブドア20を閉じた際にグラブドア20側から突出するラッチを係止する図示しない係止凹部も、形成されている。
なお、上壁16には、インパネ4の連結部4aにボルト5止めされる連結片16aが配設されている(図2,3参照)。このボルト5止め部位は、装飾パネル6によって覆われている。また、グラブボックス13の下方には、アンダーカバー11が配設されている。
グラブドア20は、ボックス本体14の開口14aを閉じた際に、図示しないラッチを、ばね等の付勢手段により、左右の側壁17,17の係止凹部に挿入させることにより、略上下方向に沿って開口14aを塞いだ状態を維持されることとなる。そして、レバー36(図1参照)を引いて、ラッチを係止凹部から離脱させるように引き込ませれば、グラブドア20の上端20a側を、ヒンジピン19に軸支された下端20b側を回転中心として、後方側に回転させることができて、グラブドア20が開き、開口14aを開口させることとなる(図2の二点鎖線参照)。なお、グラブドア20の開き時には、下端20b付近に設けられた図示しない突片が、ボックス本体14に設けられたストッパに当接して、開き前の前面20c側を略水平方向に沿わせるようにして、配置されることとなる。また、ヒンジピン19の周囲には、グラブドア20の急激な開きを規制するダンパ機構が配設されている。
ちなみに、上記のヒンジピン19、レバー36、図示しないラッチ、突片、ストッパ、ダンパ機構等は、この種のグラブボックスにおいて公知の構成である。
実施形態のグラブドア20は、図2〜5に示すように、開口14aを閉口させるように閉じた際の後面20d側のアウタパネル部21と、前面20c側のインナパネル部27と、の間に、膝保護用エアバッグ装置Sを配設させている。実施形態の場合、アウタパネル部21とインナパネル部27とは、外周縁の端部を相互に突き合わせるように、上下方向に略沿って前後方向で相互に対向するように配設されるもので、それぞれの外表面側には、ひけや見切り線を覆うように、意匠性を考慮して、合成皮革や天然皮革、ファブリック等からなる表皮37,38が貼着されている(図4参照)。
アウタパネル部21は、図4,5に示すように、グラブドア20の後面20d側における外表面側に配置されるもので、フィラー入りのポリプロピレン等の硬質合成樹脂から形成されている。アウタパネル部21における膝保護用エアバッグ装置Sの上下の部位には、インナパネル部27側に延びてインナパネル部27側に固着される多数の板状若しくは棒状の補強リブ22が、配設されている(図4参照)。また、アウタパネル部21における膝保護用エアバッグ装置Sの後方側の領域には、それぞれ、長方形板状とした上ドア部23と下ドア部24とが配設されている。上ドア部23と下ドア部24とには、周囲に、膨張するエアバッグ66に押されて破断する薄肉の破断予定部25が、形成されている。破断予定部25は、アウタパネル部21の前面側に、連続的若しくは断続的に形成される凹溝から構成されるもので、後方から見て、略「日」の字形状に形成されている(図1参照)。そして、上ドア部23は、前面側を後述するハウジング部31の上ドア部33に溶着され、膨張するエアバッグ66に押された際、破断予定部25を破断させて、周囲から分離されて、上ドア部33とともに、上開きで開くように構成されている。下ドア部24は、上ドア部23の下方に配置されて、前面側をハウジング部31の下ドア部34に溶着され、膨張するエアバッグ66に押された際、破断予定部25を破断させて、周囲から分離されて、下ドア部34とともに、下開きで開くように構成されている。
実施形態の場合、グラブドア20の後面20dを構成するアウタパネル部21は、左右方向に沿った断面において、周囲のインパネ4からなだらかに連ならせるように、構成されている(図5参照)。そして、アウタパネル部21とインパネ4とにおいて上ドア部33,下ドア部24の左右両側に位置する部位と、アウタパネル部21において上ドア部33,下ドア部24の上下両側に位置する部位と、は、エアバッグ66の膨張完了時にエアバッグ66の前面側を支持する支持部材を構成するもので、後面を、左右方向に略沿わせるように構成されている。そして、このアウタパネル部21とインパネ4とにおいて上ドア部33,下ドア部24の左右両側に位置する部位と、アウタパネル部21において上ドア部33,下ドア部24の上下両側に位置する部位との後面が、エアバッグ66の膨張完了時に、エアバッグ66の前面側を略全面にわたって支持する支持面SFを構成している(図5,16参照)。
インナパネル部27は、図4に示すように、膝保護用エアバッグ装置Sの前方側に配置されるカバーパネル29と、その周囲のグラブドア20の前面側に配置される前面壁部28と、を備えて構成されている。カバーパネル29は、フィラー入りのポリプロピレン等の硬質合成樹脂から形成され、前面壁部28は、オレフィン系等の熱可塑性エラストマーから形成されている。実施形態の場合、アウタパネル部21とインナパネル部27とは、補強リブ22、上ドア部23、及び、下ドア部24の部位を利用した振動溶着により、結合され、カバーパネル29は、膝保護用エアバッグ装置Sをグラブドア20内に搭載した際に、適宜、接着剤やファスナ構造等を利用して、前面壁部28の結合溝28aに嵌合させて、前面壁部28に結合されている。なお、カバーパネル29は、前面壁部28に結合された際、前面壁部28とともに、グラブドア20の前面20c側を面一とするように、設定されている。
前面壁部28は、図4に示すように、膝保護用エアバッグ装置Sの上下左右と後方側とを囲うハウジング部31を、備える構成とされている。ハウジング部31は、膝保護用エアバッグ装置Sの上下左右を覆う筒状の周壁部32を備え、周壁部32の上下で対向する上壁部32aと下壁部32bとには、上下方向に貫通する複数の係止孔32cが、左右方向に沿って並設されている。これらの係止孔32cには、膝保護用エアバッグ装置Sのケース46の各係止爪49a,50aが挿入されて、係止爪49a,50aに周縁を係止されることとなる。
ハウジング部31における膝保護用エアバッグ装置Sの後方側には、上ドア部23や下ドア部24と同様に、それぞれ長方形板状とした上ドア部33と下ドア部34とが配設されている。上ドア部33は、上端側に開き時のヒンジ部33aとなるU字状に湾曲した部位を設けて、上開きで開くように構成されている。下ドア部34は、上ドア部33の下方に配設されるもので、下端側に開き時のヒンジ部34aとなるU字状に湾曲した部位を設けて、下開きで開くように構成されている。破断予定部35は、後方から見て、一文字状に形成されている。そして、上ドア部33と下ドア部34との左右両側は、ハウジング部31の周壁部32と分離されている。なお、上ドア部33の下端と下ドア部34の上端との間には、破断予定部35を設けずに、予め、隙間を設けるようにして、上下に分離させておいてもよい。
膝保護用エアバッグ装置Sは、図3〜5に示すように、エアバッグ66、インフレーター54、ケース46、及び、エアバッグカバー40、を備えて構成されている。エアバッグカバー40は、グラブドア20の後面20d側に配置される扉配設部41と、ケース46の周壁部48の周囲に配置される周壁部44と、を備えて構成されている。扉配設部41は、アウタパネル部21とインナパネル部27のハウジング部31との上ドア部23,33や下ドア部24,34、及び、その周縁の破断予定部25,35やヒンジ部33a,34a付近から構成されている。そして、このエアバッグカバー40の扉配設部41は、振動溶着により一体的に結合された上ドア部23,33相互からなる上扉部42と、振動溶着により一体的に結合された下ドア部24,34相互からなる下扉部43と、を備えて構成されている。そして、膨張するエアバッグ66に押されれば、図4の二点鎖線に示すように、上扉部42は、上ドア部23,33の周囲の破断予定部25,35を破断させて、上ドア部33のヒンジ部33aを回転中心として、上開きで開き、下扉部43は、下ドア部24,34の周囲の破断予定部25,35を破断させて、下ドア部34のヒンジ部34aを回転中心として、下開きで開くこととなる。エアバッグカバー40の周壁部44は、ハウジング部31の周壁部32から構成されている。
ケース46は、エアバッグ66の収納部位を構成するもので、折り畳まれたエアバッグ66とインフレーター54とを収納してグラブドア20内に取り付けられて、後部側にエアバッグ66の突出用開口46aを設けた箱形状としている。実施形態の場合、ケース46は、左右方向に沿った長尺状として、かつ、厚さ寸法を薄くした扁平な直方体形状とされるもので、詳細には、左右方向の幅寸法W1(図5参照)を、乗員Mの左右の膝KL,KRにおける各膝中心KC,KC間の離隔距離L1(図16参照)より大きくして、乗員Mの左右の膝KL,KRにおける各膝中心KC,KCより左右両側に延びるような幅寸法として、構成されている。ケース46は、板金素材をプレス加工して形成されるもので、略四角筒形状の周壁部48と、周壁部48の前面側を塞ぐように配置される前面壁47と、を備えて構成されている。
前面壁47は、略上下方向に沿って配設されるもので、実施形態の場合、周壁部48の上壁49近傍となる上端近傍部位に、後方側に向かって略「く」字形状に突出する突出部位47aを有し、この突出部位47aにおける下側の壁部を取付壁部47bとして、インフレーター54を取り付ける構成とされている。この突出部位47aは、前面壁47における左右の全域にわたって形成されるもので、ケース46の強度補強のために、配設されている。また、取付壁部47bには、インフレーター54の固定ボルト63を挿通可能な複数の挿通孔47cが、形成されている。周壁部48における上下で対向する上壁49及び下壁50には、インナパネル部27におけるハウジング部31の上壁部32aと下壁部32bとに設けられた係止孔32cに挿入されて、係止孔32cの周縁を係止する係止爪49a,50aが、形成されている。また、周壁部48における左右で対向する左壁51及び右壁52の所定箇所には、図示しないが、ケース46をアウタパネル部21に固定するための取付片が、形成されている。また、右壁52には、インフレーター54の本体部55の元部側の端部(元部端56a)をケース46から突出させる挿通孔52aが、形成されている(図5参照)。
エアバッグ66に膨張用ガスを供給するインフレーター54は、図4,5に示すように、外形形状を略円柱状として、軸方向を左右方向に沿わせるようにしてエアバッグ66内に配設されている。実施形態の場合、インフレーター54は、略円柱状の本体部55と、本体部55をケース46に固定する固定部59と、を備えている。本体部55は、略円柱状の大径部56と、大径部56の先端側に形成されて大径部56より小径とされる小径部57と、を備えて構成され、小径部57に、インフレーター54の作動時に膨張用ガスを吐出する複数のガス吐出口57aを配設させている。大径部56における小径部57から離れた元部端56aの端面には、図5に示すように、所定のエアバッグ作動回路から延びるリード線RのコネクタCを結合させた図示しないターミナルが、配設されている。
固定部59は、本体部55の二倍弱の長さ寸法として左右方向に沿って延びる略長方形板状のベース部60と、本体部55における元部端56a近傍の外周側を固定する円環状のベルト部61と、本体部55における小径部57の外周側を覆うように配置される筒状のカバー部62と、を備えて構成され、ベース部60には、複数の固定ボルト63が、配設されている。実施形態の場合、ベース部60は、左右方向の幅寸法を、ケース46の左右方向の幅寸法より、若干、小さくするように、構成されて、固定ボルト63は、ベース部60における左右両端付近と左右方向の中央付近との3箇所に、配設されている。そして、実施形態の場合、インフレーター54とエアバッグ66とは、インフレーター54を内部に配置させたエアバッグ66を、エアバッグ66から突出している固定ボルト63を挿通孔47cから突出させるようにして、ケース46内に収納させ、挿通孔47cから突出している各固定ボルト63にナット64を締結させることにより、ケース46に取り付けられている。
エアバッグ66は、実施形態の場合、内部に膨張用ガスを流入させて膨張可能な袋状のバッグ本体67と、バッグ本体67の膨張初期に初期押圧部67cを形成する初期押圧部形成手段PMとしての膨張制御部材75と、を備えている。実施形態の場合、初期押圧部形成手段PMとしての膨張制御部材75は、折り畳まれたバッグ本体67(折り完了体88)の外周側を覆うように配置されて膨張初期のバッグ本体67の膨張形状を制御する構成である。
バッグ本体67は、膨張時に、図1,3の二点鎖線に示すように、グラブドア20の後面20d側に設けられる上扉部42と下扉部43とが開いて形成される突出用開口46aから後方に突出して、グラブドア20の後面20dに沿うように、膨張を完了させるもので、図6,7に示すように、膨張完了形状を、乗員Mの左右の膝KL,KRを保護可能に、左右方向の幅寸法を大きくした横長の略長方形板状として、構成されている。詳細には、バッグ本体67は、膨張完了形状を、上側を幅広とした略台形形状とされるとともに、膨張完了時における最も幅広となる部位の左右方向の幅寸法W2(図6参照)を、ケース46の左右方向の幅寸法W1(図5参照)より大きくして、実施形態の場合、グラブドア20の左右方向の幅寸法W3(図5参照)より大きくするように、設定されている。また、バッグ本体67は、上下方向の幅寸法を、膨張完了時に、乗員Mの左右の膝KL,KRから脛部LPの上下の中央付近にかけて、を保護可能な寸法に、設定されている。実施形態の場合、ケース46の左右方向の幅寸法W1は300mmに設定され、バッグ本体67の膨張完了時の左右方向の幅寸法W2は、550mmに設定されている。また、上述した乗員Mの左右の膝KL,KRにおける各膝中心KC,KC間の離隔距離L1は、200mm程度である。
バッグ本体67は、図6,7に示すように、相互に対向するように配置されて、膨張完了時に乗員M側となる乗員側壁部68と、膨張完了時にグラブドア20側となる車体側壁部69と、を、備えている。実施形態の場合、バッグ本体67は、ポリアミド糸やポリエステル糸等からなる織布から形成されており、外形形状を略同一とした乗員側壁部68と車体側壁部69との外周縁相互を縫着(結合)させて構成されるとともに、内部に、乗員側壁部68と車体側壁部69とを連結して膨張時の乗員側壁部68と車体側壁部69との離隔距離を規制するテザー73を配設させて構成されている。車体側壁部69における上下の中央付近であって、右縁付近となる部位には、インフレーター54における本体部55の元部端56aを突出可能な挿入孔70が、形成され、挿入孔70の左側の領域には、インフレーター54における固定部59の固定ボルト63を突出可能な複数の挿通孔71(実施形態の場合、3個)が、左右方向に沿って並設されている。
テザー73は、膨張完了時のバッグ本体67の上下の中央よりやや下方であって、インフレーター54の配置領域より下方、換言すれば、車体側壁部69における挿入孔70及び挿通孔71の下方となる位置に、配設されるもので、長手方向を左右方向に沿わせた帯状として、短手方向側の両縁を、それぞれ、車体側壁部69及び乗員側壁部68に縫着(結合)させることにより、車体側壁部69と乗員側壁部68とを連結している。実施形態の場合、テザー73は、バッグ本体67の左右方向側の縁部との間に、隙間を設けるようにして、配置されている。
初期押圧部形成手段PMとしての膨張制御部材75は、バッグ本体67を折り畳んで形成される折り完了体88の外周側を覆うように構成されるもので、実施形態の場合、バッグ本体67と同様に、ポリアミド糸やポリエステル糸等からなる織布から、形成されている。また、実施形態の場合、膨張制御部材75は、幅寸法W4(図8参照)を、折り完了体の上下方向の幅寸法W5(図12のB参照)と略一致させた帯状として、長手方向側の両端を、それぞれ、折り完了体88の前面側の左右両端近傍において突出している固定ボルト63L,63Rに連結させることにより、折り完了体88における上下を除いた外周側を覆うように構成されている。詳細には、膨張制御部材75は、図8,9に示すように、それぞれ、幅寸法を一致させた略帯状とされ、折り完了体88の後面88a側を覆う後側カバー布76と、折り完了体88の左面側から左側の固定ボルト63Lにかけての領域を覆う左側カバー布78Lと、折り完了体88の右面側から右側の固定ボルト63Rにかけての領域を覆う右側カバー布78Rと、から構成されるもので、これらの後側カバー布76,左側カバー布78L,右側カバー布78Rを、直列的に連結させて、帯状とされるとともに、左右対称形とされている。
後側カバー布76は、左右方向の幅寸法を、折り完了体88の左右方向の幅寸法と略一致させて、折り完了体88の後面側を略全域にわたって覆い可能とされるもので、左右方向の中央付近を、折り完了体88における後面88a側の上下左右の中央付近の部位(中央部位88b)であって、平らに展開した状態のバッグ本体67における乗員側壁部68の上下左右の中央付近となる位置(中央部位68a)に、縫合糸T1を用いて縫着(結合)させている(図5,10参照)。後側カバー布76をバッグ本体67(乗員側壁部68)に縫着させる縫合部位77は、左右方向に沿った2箇所に形成されており、実施形態の場合、バッグ本体67の折畳時において、後述する上ロール折り部位86と下ロール折り部位87との後面側を後側カバー布76によって覆い可能なように(図11,12参照)、後側カバー布76の上下の中央付近のみに、形成されている。
左側カバー布78L及び右側カバー布78Rは、図8,9に示すように、外形形状を左右対称形として、それぞれ、後側カバー布76から離れた先縁78a側に、各固定ボルト63L,63Rを挿通可能な挿通孔78bを有して、後側カバー布76側となる元部縁78c側を、後側カバー布76の左縁76a及び右縁76bに、それぞれ、連結させるように、構成されている。詳細には、各左側カバー布78L及び右側カバー布78Rは、後側カバー布76の外周側(折り完了体88の後面88a側)において、各元部縁78cを後側カバー布76の左縁76a及び右縁76bと一致させつつ、元部縁78c側の部位を後側カバー布76側に折り返すようにして形成される折り返し部79L,79Rを、後側カバー布76に、縫合糸T2を用いて縫着させることにより、後側カバー布76に連結されている(図8参照)。各折り返し部79L,79Rは、折り完了体88における後述する左側折畳部89及び右側折畳部90の後面側を、それぞれ、略全面にわたって覆うように、左右方向の幅寸法を、左側折畳部89及び右側折畳部90の左右方向の幅寸法と略一致させている(図5参照)。各折り返し部79L,79Rを後側カバー布76に縫着させている縫合部位80L,80Rは、実施形態の場合、左右方向に沿った略直線状として、折り返し部79L,79Rの左右の略全域にわたって形成されるとともに、上下方向に沿って2本並設されている。この縫合部位80L,80Rを構成する縫合糸T2は、バッグ本体67内に膨張用ガスが流入して、バッグ本体67がケース46の突出用開口46aから突出した後、折りを解消しつつ膨張する過程において、破断可能な強度に設定されている。
これらの各折り返し部79L,79Rは、バッグ本体67の膨張初期において、折り完了体88の後面88a側に配置される左側折畳部89及び右側折畳部90の後方側への突出を抑制し、折り完了体88の後面88a側において、左側折畳部89と右側折畳部90との間の部位である上下左右の中央部位88b(バッグ本体67における乗員側壁部68の中央部位68a)の後方側への突出を促進させるためのものである。詳細には、各折り返し部79L,79Rを後側カバー布76に縫着させている各縫合部位80L,80Rは、バッグ本体67の展開膨張時に、左右方向の中央側となる元部80a側の部位を構成している縫合糸T2を破断させ、バッグ本体67の膨張に伴って、破断された縫合糸T2を順次、元部80a側から先端80b側にかけて抜いたり、一度に複数箇所を破断させるようにして、後側カバー布76と左側カバー布78L,右側カバー布78Rと、の連結状態を解除することとなる。この各縫合部位80L,80Rを構成する縫合糸T2の抜けは、バッグ本体67の膨張初期に、折り返し部79L,79Rに覆われていない折り完了体88の後面88a側における上下左右の中央部位88bが後方側へ突出する際に、この中央部位88b近傍に縫着されている後側カバー布76の中央部位76c(縫合部位77の近傍部位)も、中央部位88bの突出に伴って、後方側へ突出することとなり、この後側カバー布76の中央部位76cの後方移動に伴って、元部80a側から先端80b側に向かって伝播するものである。そして、バッグ本体67(折り完了体88)におけるこの中央部位88b(乗員側壁部68の中央部位68a)が、実施形態の場合、バッグ本体67の膨張初期に、乗員Mの左右の膝KR,KLを、相互に離隔させるように、それぞれ左右方向の外側となる斜め後方側に向かって押圧する初期押圧部67cを、構成することとなり、バッグ本体67の膨張初期に、後面88a側の左右方向に沿う横断面を、中央を後方側に向かって突出させる凸形状に構成されることとなる(図5,13,14参照)。
次に、エアバッグ66の製造と折り畳みとについて、説明をする。バッグ本体67は、予め製造しておく。また、膨張制御部材75も、各左側カバー布78L,右側カバー布78Rの折り返し部79L,79Rを、それぞれ、後側カバー布76の左縁76a側と右縁76b側とに、縫合糸T2を用いて、縫合部位80L,80Rを形成するように縫着させて、予め製造しておく。そして、まず、平らに展開した状態のバッグ本体67における乗員側壁部68の上下左右の中央付近(中央部位68a)に、膨張制御部材75の後側カバー布76の中央付近(中央部位76c)を、縫合部位77を形成するように、縫合糸T1を用いて縫着させる。その後、バッグ本体67を折り畳む。具体的には、バッグ本体67は、挿通孔71から固定ボルト63(63L,63R)を突出させるように内部にインフレーター54の固定部59を収納させて平らに展開した状態で、上下方向の幅寸法を縮める上下縮小折りと、左右方向の幅寸法を縮める左右縮小折りと、を経て折り畳まれる。
まず、平らに展開した状態のバッグ本体67において、図11のAに示すように、挿通孔71(固定部59)より上側となる上側部位83と、挿通孔71より下側となる下側部位84と、を、それぞれ、上縁67a,下縁67b側を、車体側壁部69側に向かって巻くように、ロール折りして上ロール折り部位86と下ロール折り部位87とを形成し、この上ロール折り部位86と下ロール折り部位87とを乗員側壁部68側に載せるように折り返して、上下方向の幅寸法をケース46内に収納可能に縮められた上下縮小折りエアバッグ85を形成する(図11のB参照)。このとき、上ロール折り部位86と下ロール折り部位87とは、膨張制御部材75の後側カバー布76により覆われるように、後側カバー布76と乗員側壁部68との間に介在されることとなる。その後、図11のB及び図12のAに示すように、上下縮小折りエアバッグ85の左縁85a側と、右縁85b側と、を、それぞれ、乗員側壁部68側(車両搭載時における後面側)に載せるように、左右方向に沿った折目を付けて蛇腹折りして、左側折畳部89と右側折畳部90とを形成すれば、図12のAに示すように、上下左右の幅寸法をケース46内に収納可能に縮められた折り完了体88を、形成することができる。なお、この折り完了体88は、ケース46の形状にあわせて、左右方向の幅寸法を大きくした扁平な略直方体状とされており、左側折畳部89及び右側折畳部90は、折り完了体88の後面88a側における左右両端側に配置されている。すなわち、折り完了体88の後面88a側における左右方向の中央付近は、上下縮小折りエアバッグ85の上ロール折り部位86と下ロール折り部位87とが、露出している。
次いで、折り完了体88の周囲に、膨張制御部材75を配置させる。具体的には、図12のBに示すように、平らに展開させた状態の後側カバー布76によって、折り完了体88の後面88a側を覆い、折り返し部79L,79Rの部位で折り返された各左側カバー布78L,右側カバー布78Rによって、折り完了体88の左面側と右面側とを覆いつつ、各左側カバー布78L,右側カバー布78Rの先縁78a側に形成される挿通孔78bに、折り完了体88から突出している固定ボルト63L,63Rを挿通させれば、膨張制御部材75により、折り完了体88の外周側を覆うことができる。
その後、折り崩れ防止用の図示しないラッピング材により、膨張制御部材75にくるまれた状態の折り完了体88の周囲を覆い、各固定ボルト63(63L,63R)を、ケース46における取付壁部47bの挿通孔47cから突出させつつ、折り畳まれたエアバッグ66をケース46内に収納する。さらに、インフレーター54の本体部55を、ケース46の挿通孔52aを経て、エアバッグ66(バッグ本体67)内の固定部59のベルト部61内とカバー部62内とに挿入させて、各固定ボルト63(63L,63R)にナット64を締結させれば、インフレーター54とエアバッグ66とをケース46に取り付けることができる。
その後、ケース46を、カバーパネル29を取り外した状態のグラブドア20のハウジング部31における周壁部32(エアバッグカバー40の周壁部44)内に、挿入させて、ケース46の各係止爪49a,50aをエアバッグカバー40の周壁部44(ハウジング部31の周壁部32)における各係止孔32cに挿入させて、その周縁に係止させる。次いで、ケース46の所定箇所に形成されている図示しない取付片を、アウタパネル部21に固定させれば、膝保護用エアバッグ装置Sをグラブドア20に組み付けることができる。なお、グラブドア20は、予め、アウタパネル部21と、インナパネル部27のハウジング部31及び前面壁部28と、を、振動溶着で結合させておく。
膝保護用エアバッグ装置Sをグラブドア20に組み付けた後には、カバーパネル29を、膝保護用エアバッグ装置Sの前方側を覆うように、結合溝28aに嵌合させて、インナパネル部27の前面壁部28に結合させ、表皮37,38を貼着させれば、膝保護用エアバッグ装置Sを内蔵したグラブドア20を製造することができる。なお、表皮38は、アウタパネル部21とインナパネル部27との振動溶着前、あるいは、振動溶着後におけるカバーパネル29のインナパネル部27への結合前に、アウタパネル部21に貼着してもよい。
その後、グラブドア20をボックス本体14に組み付けて、ボックス本体14を車両に取り付けるとともに、ボックス本体14とインナパネル部27とに設けた図示しない挿通孔を経て、インフレーター54の本体部55にエアバッグ作動回路から延びるリード線Rを結線すれば、グラブボックス13とともに膝保護用エアバッグ装置Sを車両に搭載することができる。
実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、車両への搭載後、所定のエアバッグ作動回路からの作動信号が、リード線Rを経てインフレーター54の本体部55に入力されれば、インフレーター54が、本体部55のガス吐出口57aから膨張用ガスを吐出する。すると、エアバッグ66におけるバッグ本体67が、内部に膨張用ガスを流入させて膨張し、エアバッグカバー40の上扉部42と下扉部43とを押して、上下方向に両開きで開かせ、ケース46の突出用開口46aから後方側へ突出し、さらに、折りを解消しつつ展開膨張して、乗員Mの左右の膝KL,KRの前方側で膨張を完了させる(図3の二点鎖線及び図16参照)。そして、膨張を完了させたエアバッグ66のバッグ本体67によって、前進移動してくる乗員Mの左右の膝KL,KRを的確に受け止めて保護することができる。なお、膨張を完了したバッグ本体67は、前面側を、グラブドア20の開いた上扉部42や下扉部43の裏面側や、アウタパネル部21及びインパネ4において上扉部42や下扉部43の左右両側に位置する部位の後面側(支持面SF)によって、支持されることとなる。
そして、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、膨張するエアバッグ66のバッグ本体67が、膨張初期に、まず、初期押圧部67cを膨張させるように膨張することとなる。詳細には、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、バッグ本体67を折り畳んで形成される折り完了体88の周囲を、膨張制御部材75が覆っており、この膨張制御部材75は、折り完了体88の後面88a側に配置される左側折畳部89及び右側折畳部90の展開を抑制する折り返し部79L,79Rを有していることから、バッグ本体67は、膨張初期に、折り完了体88の後面88a側において、左側折畳部89と右側折畳部90との間となる左右方向の中央付近に位置する部位、換言すれば、折り返し部79L,79Rに覆われていない折り完了体88の後面88a側における上下左右の中央部位88b(乗員側壁部68の中央部位68a)を、初期押圧部67cとして、ケース46の突出用開口46aから後方側へ突出させるように、膨張することとなる(図13参照)。そして、この初期押圧部67cは、後面88a側の左右方向に沿う横断面を、中央を後方側に向かって突出させる凸形状に構成されることとなる。そのため、乗員Mの膝KL,KRが、膨張初期のエアバッグ66(バッグ本体67)と当たっても、初期押圧部67cが、乗員Mの左右の膝KL,KRの間に侵入するように後方側に突出することとなって、各膝KL,KRと当たり、各膝KL,KRを、それぞれ、相互に離隔させるように、左右方向の外側に向かうような斜め後方側に向かって押圧することとなる。
詳細に説明すれば、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、インフレーター54から膨張用ガスが吐出されると、まず、初期押圧部67cがケース46の突出用開口46aから後方側に向かって突出することとなるが、このとき、初期押圧部67c(中央部位88b)の後面側を覆っている膨張制御部材75の後側カバー布76の中央部位76cが、初期押圧部67cとともに、後方側に向かって突出することとなる(図13参照)。この初期押圧部67cは、図13,14に示すように、膝KL,KRをグラブドア20の後面に相対させるようにして着座している乗員Mの左右の膝KL,KRの間に侵入しつつ、後方側に突出することとなる。そして、初期押圧部67cの後方側への突出に伴って、後側カバー布76の中央部位76cがさらに後方移動すれば、各折り返し部79L,79Rの折り返しの基点付近の部位、換言すれば、各折り返し部79L,79Rを後側カバー布76に縫着させている縫合部位80L,80Rの元部80a側の部位に、応力集中が生じ、この部位を構成している縫合糸T2が、破断されることとなる。その後、初期押圧部67cが、乗員Mの左右の膝KL,KRと当たって、乗員Mの左右の膝KL,KRを押し開くように、押圧しつつ、さらに、後方移動すれば、各縫合部位80L,80Rが、縫合糸T2を順次、元部80a側から先端80b側にかけて抜くようにして、後側カバー布76と左側カバー布78L,右側カバー布78Rと、の連結状態を解除することとなる(図15参照)。そして、後側カバー布76と左側カバー布78L,右側カバー布78Rとの連結状態が解除されれば、左側折畳部89,右側折畳部90が、それぞれ、折りを解消して、バッグ本体67が左右に広く展開しつつ、膨張を完了させることとなる。
また、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、乗員Mが、左右の膝KL,KRとグラブドア20との距離を大きくして、膝KL,KRを収納部位(グラブドア20)から離すようにして座席に着座している場合にも、バッグ本体67は、各縫合部位80L,80Rを形成する縫合糸T2を破断させつつ、同様に膨張して、図16に示すように、乗員Mの膝KL,KRの前方を、左右方向の全域にわたって覆うように、配置されることとなる。
そのため、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、折り畳まれたエアバッグ66を収納する収納部位としてのケース46が、左右方向の幅寸法W1を、乗員Mの左右の膝KL,KRにおける各膝中心KC,KCより左右両側に延びるような寸法としていても、ケース46内から後方へ突出しつつ膨張するエアバッグ66(バッグ本体67)が、乗員Mの膝KL,KRから脛部LPにかけての部位に、大腿部LTに沿って前後方向に沿うような後方側に向かう押圧力(換言すれば、大腿部LTを腰骨に向かって圧縮させるような押圧力)を作用させることを、極力、抑えることができて、膨張初期のエアバッグ66(バッグ本体67)が乗員Mの膝KL,KRと当たることとなっても、ニースライド現象の発生を抑えて、膝関節に与えるダメージを極力低減させることができる。また、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、エアバッグ66(バッグ本体67)は、膨張完了時に、乗員Mの膝KL,KRの前方を、左右方向の全域にわたって覆うように構成されていることから(図16参照)、膝KL,KRを収納部位(グラブドア20)から離すようにして座席に着座している乗員Mの膝KL,KRを保護する場合に、前進移動する乗員Mの膝KL,KRの位置が左右方向の中央側にずれた際にも、膨張を完了させたバッグ本体67によって膝KL,KRを円滑に保護することができる。
したがって、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、乗員Mの膝KL,KRが膨張初期のエアバッグ66(バッグ本体67)と当たることとなっても、膝KL,KRを後方に強く押圧することを抑えることができ、かつ、膝を収納部位から離すようにして座席に着座した乗員Mの膝KL,KRを的確に保護することができる。
その結果、座席に着座した乗員Mの膝KL,KRとの距離が近く、かつ、搭載スペースの奥行きを広く確保できない助手席の前方に配置されるグラブボックス13のグラブドア20内に、好適に収納させることができる。
また、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、後側カバー布76の中央部位76cは、縫合部位77によって、折り完了体88における後面88aの中央部位88b(バッグ本体67の乗員側壁部68の中央部位68aであり、初期押圧部67cを構成する部位)と縫着されている。そのため、バッグ本体67の膨張初期において、初期押圧部67cが後方へ突出するように膨張する際に、後側カバー布76が、初期押圧部67cに対して位置ずれすることなく、初期押圧部67cの膨張時に、各縫合部位80L,80Rを形成する縫合糸T2を、迅速かつ円滑に破断させることができる。
実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、エアバッグ66を、バッグ本体67と、バッグ本体67を折り畳んで形成される折り完了体88の周囲を覆う初期押圧部形成手段PMとしての膨張制御部材75と、から構成し、この膨張制御部材75によって、バッグ本体67の膨張初期に、左右方向の中央付近に配置される初期押圧部67cを、まず、後方に突出させる構成であるが、初期押圧部形成手段PMは、膨張制御部材に限られるものではなく、例えば、エアバッグを折り畳んで形成される折り完了体の周囲を覆う折り崩れ防止用のラッピング材や、エアバッグ内に配置される整流布、あるいは、インフレーター自体のガス流れ制御手段や、エアバッグカバーの扉部の開きを制御する制御手段等を例示することができる。さらに、図17〜19に示すエアバッグ93のように、エアバッグ93内に、初期押圧部形成手段PMとして、膨張途中で車体側壁部69Aと乗員側壁部68Aとの連結を解除可能な膨張制御用テザー94を設けて、膨張初期の形状を制御するように構成してもよい。
図17〜19に示すエアバッグ93は、内部に、初期押圧部形成手段PMとしての膨張制御用テザー94を有する以外は、前述のバッグ本体67と同様の構成であり、同一の部材には、同一の図符号の末尾に「A」を付して、詳細な説明を省略する。初期押圧部形成手段PMとしての膨張制御用テザー94は、実施形態の場合、左右方向の中央を、エアバッグ93の左右方向の中央と一致させるようにして、構成されている。詳細には、膨張制御用テザー94は、帯状の2枚のテザー用基布95,95の隣り合う短手方向側の縁部相互を、略全域にわたって縫合糸T3を利用して縫着させて構成されるもので、各テザー用基布95,95において、短手方向側の他方の縁部を、それぞれ、縫合糸T3より破断強度を大きくした縫合糸T4を利用して、車体側壁部69A,乗員側壁部68Aに縫着させている。この膨張制御用テザー94は、テザー73Aの上方において、テザー73Aの上方の領域の上下の略中央となる位置に、左右方向に沿って連続的に配置されている。詳細には、膨張制御用テザー94は、平らに展開した状態のエアバッグ93において、インフレーターを収納する挿入孔70A及び挿通孔71Aの上方の領域であって、左右方向の幅寸法をもっとも幅広とした領域の左右の中央付近となる位置に、配置されるもので、左右方向側の幅寸法W7を、テザー73Aより小さくして、エアバッグ93の左右方向の幅寸法W6の1/4程度として、構成されている。また、この膨張制御用テザー94は、幅寸法W7を、テザー73Aの幅寸法W8の1/2程度として、構成されている。また、テザー用基布95,95を縫着させている縫合部位96を形成している縫合糸T3は、エアバッグ93を車両に搭載させた際に、エアバッグ93内に膨張用ガスが流入して、エアバッグ93が図示しないケースから突出し、折りを解消しつつ膨張する過程において、破断可能な強度に設定されている。
このような構成のエアバッグ93も、図示しないが、前述のバッグ本体67と同様に折り畳んで、ケース内に収納させ、車両に搭載することができる。そして、このエアバッグ93を使用した膝保護用エアバッグ装置では、膨張初期に、エアバッグ93が左右に広く展開されることとなり、このとき、図示しないインフレーターから吐出される膨張用ガスは、テザー73と膨張制御用テザー94とによって、左右方向の外方に向かうように、エアバッグ93内に流入することから、まず、膨張制御用テザー94の左右両側の領域が、厚く膨張することとなる。換言すれば、膨張制御用テザー94を含めた上端側の領域が、後面側の左右方向に沿う横断面を、中央を前方側に向かって凹ませる凹形状に膨らむこととなる。そして、このエアバッグ93では、この膨張制御用テザー94を含めた上端側の領域が、初期押圧部93aとして、作用することとなり、乗員Mが、膝KL,KRを、収納部位を構成する図示しないケース(グラブドア)に近接させるように着座している場合、初期押圧部93aの左右両端側の部位93b,93bが、乗員Mの左の膝KLの左方と、右の膝KRの右方とに突出するように膨張することとなって、この初期押圧部93aの左右両端側の部位93b,93bが、乗員Mの膝KL,KRと当たり、各膝KL,KRを、それぞれ、相互に接近させるように、左右方向の内側に向かうような斜め後方側に向かって押圧することとなる(図19の二点鎖線参照)。そして、さらに、エアバッグ93内に膨張用ガスが流入されて、初期押圧部93aの左右両端側の部位93b,93bが、乗員側壁部68Aと車体側壁部69Aとをさらに離隔させるように厚く膨張すれば、膨張制御用テザー94の各テザー用基布95を縫着させている縫合部位96が、左右両端付近の縫合糸T3を破断させることとなる。そして、この破断された縫合糸T3が、左右方向の中央側にかけて抜けて、図19のBに示すように、テザー用基布95相互の連結状態が解除されることとなる。その結果、膨張制御用テザー94による乗員側壁部68Aと車体側壁部69Aとの連結状態が解除されて、エアバッグ93が左右方向の全域にわたって厚く膨張を完了させることとなる。
また、上記構成のエアバッグ93を使用した膝保護用エアバッグ装置において、乗員Mが膝KL,KRを収納部位(図示しないケース)から離すようにして座席に着座している場合には、エアバッグ93は、膨張途中において膨張制御用テザー94による乗員側壁部68Aと車体側壁部69Aとの連結状態を解除された状態で、左右の全域にわたって厚く膨張した状態で、乗員Mの膝KL,KRの前方を、左右方向の全域にわたって覆うように、配置されることとなる。
そのため、上記構成のエアバッグ93を使用した膝保護用エアバッグ装置においても、ケース内から後方へ突出しつつ膨張するエアバッグ93が、乗員Mの膝KL,KRから脛部LPにかけての部位に、大腿部LTに沿って前後方向に沿うような後方側に向かう押圧力(換言すれば、大腿部LTを腰骨に向かって圧縮させるような押圧力)を作用させることを、極力、抑えることができ、膨張初期のエアバッグ93が乗員Mの膝KL,KRと当たることとなっても、ニースライド現象の発生を抑えて、膝関節に与えるダメージを極力低減させることができ、かつ、膝KL,KRを収納部位(グラブドア20)から離すようにして座席に着座している乗員Mの膝KL,KRを保護する場合には、前進移動する乗員Mの膝KL,KRの位置が左右方向の中央側にずれた際にも、膨張を完了させたエアバッグ93によって膝KL,KRを円滑に保護することができる。
なお、実施形態では、膨張完了時のエアバッグ66(バッグ本体67)は、膨張完了時の左右方向の幅寸法W2を、グラブドア20の左右方向の幅寸法W3より大きくした幅広として、構成されていることから、インパネ4において、グラブドア20(アウタパネル部21)の左右両側の領域も、膨張完了時のエアバッグ66の前面側を支持する支持面SFを構成している。しかしながら、この支持面SFは、必ずしもインパネから構成されなくともよく、膨張完了時のエアバッグの左右方向の幅寸法が、グラブドアの左右方向の幅寸法と一致あるいはグラブドアの左右方向の幅寸法より小さく設定されている場合には、膨張完了時のエアバッグの前面側を支持する支持面は、グラブドアのみから、構成されることとなる。
また、実施形態では、膝保護用エアバッグ装置Sは、左右方向の中央を、助手席に着座した乗員Mの左右方向の中央と略一致させるような位置に、搭載されていることから、初期押圧部形成手段PMとしての膨張制御部材75や膨張制御用テザー94も、初期押圧部67c,93aを左右対称形に形成可能に、左右対称形として構成されている。しかしながら、車両によっては、膝保護用エアバッグ装置(収納部位)が、左右方向の中央を、助手席の左右方向の中央(助手席に着座した乗員の左右方向の中央)と一致させない位置に搭載される場合もある。そして、このように、膝保護用エアバッグ装置が、助手席に対して左右方向のいずれか一方にずれた位置に搭載される場合、初期押圧部を、左右方向の中央を膝保護用エアバッグ装置(収納部位)に対してずらし、助手席の左右方向の中央と略一致させて膨張させるように、構成すれば、乗員の両膝を、略均等に押圧することができる。具体的には、膝保護用エアバッグ装置を、助手席に対して左右方向のいずれか一方にずれた位置に搭載させる場合、初期押圧部によって乗員の両膝を略均等に押圧するためには、初期押圧部において、膝保護用エアバッグ装置の左右方向の中心から乗員の片膝の膝中心までの距離が大きい側の部位を大きく膨らませる必要がある。
そのため、例えば、初期押圧部形成手段PMとして膨張制御部材75を使用し、膝保護用エアバッグ装置を、左右方向の中央を助手席の左右方向の中央より左側にずらすようにして、搭載させる場合、膨張制御部材を、左側カバー布に形成される折り返し部及び縫合部位の左右方向の幅寸法を、右側カバー布に形成される折り返し部及び縫合部位の左右方向の幅寸法より、大きくして、初期押圧部が、右膝側に大きく膨張するように、構成すれば、初期押圧部が、膨張初期に、左右方向の中央を、助手席の左右方向の中央に略一致させるように、膝保護用エアバッグ装置(収納部位)の左右方向の中央から右側にずれるような態様となることから、膨張した初期押圧部によって、乗員の左膝と右膝とを相互に離隔させるように、略均等に、押し開くことができる。
また、内部に、初期押圧部形成手段PMとしての膨張制御用テザー94を配設させる構成の場合には、この膨張制御用テザーを、左右方向の中央をエアバッグの左右方向の中央に対してずらした位置に配置させれば、初期押圧部の形状を左右非対称形とすることができ、乗員の左膝とを相互に接近させるように、略均等に押圧することができる。
さらに、実施形態では、助手席の前方に配置されるグラブボックスのグラブドア内に収納される膝保護用エアバッグ装置を例に採り説明したが、膝保護用エアバッグ装置の搭載位置はこれに限られるものではなく、例えば、後部座席の前方に、搭載する構成としてもよい。
4…インパネ(インストルメントパネル)、
13…グラブボックス、
20…グラブドア、
40…エアバッグカバー、
46…ケース(収納部位)、
46a…突出用開口、
54…インフレーター、
66…エアバッグ、
67…バッグ本体、
67c…初期押圧部、
68…乗員側壁部、
69…車体側壁部、
75…膨張制御部材、
93…エアバッグ、
93a…初期押圧部、
94…膨張制御用テザー、
KL,KR…膝、
KC…膝中心、
LP…脛部、
LT…大腿部、
M…乗員、
PM…初期押圧部形成手段、
SF…支持面、
S…膝保護用エアバッグ装置。

Claims (4)

  1. 座席に着座した乗員の膝の前方に配置されて、内部に膨張用ガスを流入させて膨張可能に収納部位内に折り畳まれて収納されるとともに、膨張完了時に乗員の膝を保護可能に構成されるエアバッグを有した膝保護用エアバッグ装置であって、
    前記収納部位が、左右方向の幅寸法を、前記乗員の左右の膝における各膝中心より左右両側に延びるような幅寸法として、折り畳まれた前記エアバッグを、収納させる構成とされ、
    前記収納部位の周囲に、膨張完了時の前記エアバッグの前面側を略全面にわたって支持可能とする左右方向に略沿って配置される支持面を有した支持部材が、配設されて、
    前記エアバッグが、膨張完了時に、前記乗員の膝の前方を左右方向の全域にわたって覆うように構成されるとともに、膨張初期に、前記乗員の左右の膝を、それぞれ、左右の一方側の斜め後方側に向かって押圧可能な初期押圧部を、有していることを特徴とする膝保護用エアバッグ装置。
  2. 前記初期押圧部が、前記乗員の左右の膝を、相互に離隔させるように左右方向の外側に向かって押圧可能に、後面側の左右方向に沿う横断面を、中央を後方側に向かって突出させる凸形状に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  3. 前記初期押圧部が、前記乗員の左右の膝を、相互に接近させるように左右方向の内側に向かって押圧可能に、後面側の左右方向に沿う横断面を、中央を前方側に向かって凹ませる凹形状に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグが、助手席の前方に配置されるグラブボックスのグラブドア内に、収納されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の膝保護用エアバッグ装置。
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