JP2010274663A - 液体噴射装置、記録装置および電界発生ユニット - Google Patents

液体噴射装置、記録装置および電界発生ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】エアロゾルの発生を防止する。
【解決手段】記録用紙170上を往復移動しつつノズルプレート166の開口から記録用紙170に向かって液体を噴射する記録ヘッド164と、液体が噴射される方向についてノズルプレート166に対向した位置において記録用紙170を裏面から支持して位置決めするプラテン150とを備えた液体噴射装置であって、プラテン150に装着されプラテン150上に支持された記録用紙170に対して電気的に結合されるリブ電極156と、一端をリブ電極156に接続され他端をノズルプレート166に接続されノズルプレート166およびリブ電極156の間の電位差を一定に保つ電位差発生手段330とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は液体噴射装置、記録装置および電界発生ユニットに関する。より詳細には、液体噴射ヘッドに装着されたノズルプレートの開口から吐出させた液体を被記録物に付着させる液体噴射装置および記録装置並びにそれらの装置に装着して使用し得る電界発生ユニットに関する。
液体噴射装置では、記録画像の解像度向上への要求に従って、昨今の液体噴射装置においてノズルプレートの開口から吐出される液滴は数pl程度にまで微細化されている。このような微細な液滴は質量が非常に小さいので、いったん吐出されると雰囲気の粘性抵抗等により運動エネルギーを急速に失う。具体的には、例えば3pl未満の液滴は、大気中で3mm程度の行程を飛翔すると速度が略ゼロになる。運動エネルギーを失った微細な液滴は、重力加速度による落下運動と雰囲気の粘性抵抗力とが殆どつり合い、落下し切るまでに長い時間を要する。
また、より大きな運動エネルギーを液滴に与えるべく、噴射ヘッドからの液体の噴射速度を上昇させることも考えられた。しかしながら、実際にノズルプレートからの噴射速度を高くすると、液滴がノズルプレートから離脱するときに、インクミストと呼ばれる非常に微細な液滴が生じやすくなる。また、各液滴に作用する雰囲気の粘性抵抗も一層大きくなるので、液滴の到達距離はかえって短くなることが判っている。
上記のようなさまざまな現象の結果として生じた浮遊する液滴はエアロゾルと呼ばれ、液体噴射ヘッドの移動領域の周辺に浮遊する。エアロゾルの一部は、液体噴射装置の外部にまで浮遊して、液体噴射装置の周辺に付着して汚損する。また、エアロゾルの多くは、やがて液体噴射装置内の各部に付着する。殊に、プラテン等の被記録物の搬送経路にエアロゾルが付着した場合は、次に搬送される被記録物が汚染される。また、液体噴射装置の電気回路、ロータリースケール、リニアスケールあるいは各種光学センサ等にエアロゾルが付着した場合は、装置自体の誤動作を招くこともある。更に、エアロゾルが付着したものにユーザが触れるとユーザの手も汚される。
下記特許文献1に記載された液体噴射装置では、ノズルプレートと被処理物との間に電界を形成して、被処理物に向かうクーロン力を液滴に作用させる。これにより、液滴を確実に被処理物に到達させて、エアロゾルの発生を防止できることが記載されている。また、引用文献1では、被処理物に印加する電圧の極性を反転させることにより、帯電した液体が被処理物に付着することにより生じる被処理物の帯電を防止することも提案している。
特開2005−186290号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構造は、被処理物に対する電圧印加手段だけではなく、印加電圧の極性を反転させる切り替え手段、切り替えのタイミングを計るための制御手段等を必須の構成要素としている。従って、引用文献1に記載の構造を実現するためには、液体噴射装置の規模や製造コストが上昇することが避けられなかった。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態として、導電性のノズルプレートを有し、被記録物上を往復移動しつつノズルプレートの開口から被記録物に向かって液体を噴射する液体噴射ヘッドと、液体が噴射される方向についてノズルプレートに対向した位置において被記録物を裏面から支持して位置決めするプラテンとを備えた液体噴射装置であって、更に、プラテンに装着され、プラテンの上に支持された被記録物に対して電気的に結合される電位制御電極と、一端を電位制御電極に接続され他端をノズルプレートに接続され、ノズルプレートおよび電位制御電極の間の電位差を一定に保つ電位差発生手段とを備え、プラテン上において、ノズルプレートおよび被記録物の間に電界を発生させてノズルプレートの開口から噴射された液体を被記録物に向かって電気的に引き付けさせる液体噴射装置が提供される。これにより、ノズルプレートおよび被記録物の間に電界が形成される。これにより、噴射された液滴が確実に被記録物に到達するので、エアロゾルの発生が防止される。また、この電界を発生させるノズルプレートおよび被記録物の間の電位差は、電位差発生手段により一定に保たれている。従って、被記録物に帯電した液体が付着しても電界は一定に保たれるので、印加電圧の切り替え手段あるいは切り替えタイミングを制御する制御手段を設ける必要がない。
また、上記液体噴射装置において、電位制御電極が、プラテンにおいて被記録物の裏面に当接する部位に装着された導電性部材を含んでいてもよい。これにより、電位制御電極がノズルプレートの直下で被記録物に触れてその電位を制御するので、被記録物の電位を効率よく制御できる。
また、上記液体噴射装置において、電位制御電極が、液体が噴射される方向についてプラテンを貫通して装着された導電性部材を含み、一端において被記録物に接し、他端において電位差発生手段に電気的に接続されていてもよい。これにより、電位制御電極を電位差発生手段に接続するための配線を、プラテンの裏面で行うことができる。従って、液体噴射装置内のレイアウトが容易になる。
また、上記液体噴射装置において、電位制御電極が、被記録物の搬送経路に関してプラテンの直前および直後の少なくとも一方において被記録物に対して接触する導電性部材を含んでいてもよい。これにより、任意の場所、任意の材料を選択して電位制御電極を形成できる。
更に、本発明の第2の形態として、導電性のノズルプレートを有し、被記録物上を往復移動しつつノズルプレートの開口から被記録物に向かって液体を噴射する液体噴射ヘッドと、液体が噴射される方向についてノズルプレートに対向した位置において被記録物を裏面から支持して位置決めするプラテンとを備えた液体噴射装置に装着する電界発生ユニットであって、プラテンに装着され、プラテンの上に支持された被記録物に対して電気的に結合される電位制御電極と、一端を電位制御電極に接続され他端をノズルプレートに接続され、ノズルプレートおよび電位制御電極の間の電位差を一定に保つ電位差発生手段とを備え、プラテン上において、ノズルプレートおよび被記録物の間に電界を発生させてノズルプレートの開口から噴射された液体を被記録物に向かって電気的に引き付けさせる電界発生ユニットが提供される。これにより、上記したエアロゾルの発生防止機能を、当初はそのような機能を有していなかった既存の液体噴射装置に付加することができる。
また、本発明の第3の形態として、導電性のノズルプレートを有し、被記録物上を往復移動しつつノズルプレートの開口から被記録物に向かってインクを吐出する記録ヘッドと、インクが吐出される方向についてノズルプレートに対向した位置において被記録物を裏面から支持して位置決めするプラテンとを備えた記録装置であって、更に、プラテンに装着され、プラテンの上に支持された被記録物に対して電気的に結合される電位制御電極と、一端を電位制御電極に接続され他端をノズルプレートに接続され、ノズルプレートおよび電位制御電極の間の電位差を一定に保つ電位差発生手段とを備え、プラテン上において、ノズルプレートおよび被記録物の間に電界を発生させてノズルプレートの開口から吐出されたインクを被記録物に向かって電気的に引き付けさせる記録装置が提供される。これにより、記録装置においても、エアロゾルの発生を防止できる。
なお、上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションも発明となり得る。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。ただし、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態のひとつであるインクジェット式記録装置10を概観する斜視図であり、ここでは、カバーとしての上ケース110を開いた状態で描かれている。同図に示すように、このインクジェット式記録装置10は、装置の基部となる下ケース120と、下ケース120と共に筐体を形成する上ケース110と、下ケース120の後部に装着されたペーパサポート130と、下ケース120の前面に形成された排出トレー140とを備えている。また、このインクジェット式記録装置10は、下ケース120内に水平に配置されたプラテン150と、プラテン150の上方に配置されたキャリッジ160とを筐体の内側に備えている。なお、図1では、ペーパサポート130に、被記録物としての記録用紙170が装入されている。
上記のようなインクジェット式記録装置10では、ペーパサポート130に収容された記録用紙170が、図示されていない給送部により1枚ずつ内部に取り込まれ、次いで、やはり図示されていない搬送部によりプラテン150上に送り出される。更に、図示されていない排出部により排出トレー140に送り出される。なお、給送部、搬送部および排出部の各々では、記録用紙170は、回転駆動される駆動ローラおよび駆動ローラに連れ回される従動ローラに挟まれて給送、搬送または排出される。
また、このインクジェット式記録装置10では、プラテン150の上方で、キャリッジ160が記録用紙170の搬送方向と直交する方向に往復移動する。従って、記録用紙170の搬送とキャリッジ160の往復移動とを交互に行うことにより、記録用紙170の上面全体をキャリッジ160で走査できる。これにより、キャリッジ160は、記録用紙170上面の任意の領域で記録動作できる。
図2は、図1に示したインクジェット式記録装置10の内部機構20を、側面部212、214を含むフレーム210ごと抜き出して示す斜視図である。同図に示すように、この内部機構20は、後方に略鉛直に配置されたフレーム210と、その両側端部から互いに平行に前方に向かって延在する1対の側面部212、214とによって画成される領域の内側に主に形成されている。
同図に示す通り、この内部機構20において、キャリッジ160は、自身を貫通するガイド軸220に支持されている。ガイド軸220は、その端部を側面部212および214に支持され、フレーム210に平行に、且つ、水平に配置されている。従って、キャリッジ160はガイド軸220に沿って水平に移動できる。
キャリッジ160の後方には、1対のプーリ232、234と、プーリ232、234に掛けわたされたタイミングベルト230がフレーム210の前面に配置されている。一方のプーリ234はキャリッジモータ236により回転駆動される。また、タイミングベルト230はキャリッジ160の後部に結合されている。従って、キャリッジモータ236の動作に応じてキャリッジ160を往復移動させることができる。
キャリッジ160は、上方からインクカートリッジ162を装荷されると共に、その下面に記録ヘッド164を備えている。また、記録ヘッド164は、インクを吐出するための開口を含む金属製のノズルプレート166をその下面に備えている。従って、インクは、キャリッジ160から下方に向かって吐出される。更に、キャリッジ160は、テープ状の多芯ケーブル240を介して、フレーム210後方の電子回路250に結合されている。多芯ケーブル240は、キャリッジ160の移動に従って柔軟に撓むので、キャリッジ160の往復移動を妨げることはない。
キャリッジ160が往復移動する領域の下方には、プラテン150が配置されている。プラテン150は、キャリッジ160の下を通過する記録用紙170を下方から支持して、ノズルプレート166と記録用紙170との間隔を一定に維持する。また、プラテン150の上面には陥没部152が形成されており、陥没部152に吸収部材260が収容されている。吸収部材260は、記録ヘッド164から記録用紙170の存在していない領域に向かって吐出されたインクを収受する。
なお、インクジェット式記録装置10の稼働時間が経過するにつれて吸収部材260にはインクが付着していく。インクが付着した吸収部材260に記録用紙170が接触すると記録用紙170の裏面がインクにより汚染される。そこで、プラテン150の上面にリブ状の部位を形成して記録用紙170を下方から持ち上げて支持することにより、両者の間隔を保って接触を防止している。具体的には、記録用紙170および吸収部材260の間には、2〜4mm程度の間隙が設けられている。なお、ノズルプレート166の表面と記録用紙170の表面との間にも1mm程度の間隔が維持される。
また、吸収部材260は、表面における液体の吸収速度を重視して材料を選択されている。このため、それ自体の吸収容量には限りがある。そこで、より吸収容量の大きな廃液吸収部材262をプラテン150の下方に配置し、これと吸収部材260とを一部で接触させている。廃液吸収部材262は、その吸収容量と共に、毛細管現象による吸収力の大きな材料が選択されており、吸収部材260から大量のインクを吸収することができる。
なお、吸収部材260は、ノズルプレート166から吐出されながら記録用紙170に付着しなかったインクを直接に受け止める。このとき、吸収部材260の吸収速度が遅いと、吸収部材260の表面に衝突する衝撃でインクがいわゆるミルククラウンを生じる。ミルククラウンの周縁からは微細なインク滴が生じ、これもまたエアロゾル発生の原因となるので、吸収部材260は、吸収速度の高い、換言すれば、空隙率が高いことが有利である。
また、図示は省略したが、吸収部材260は、図2においてプラテン150の下方に配置されている廃液吸収部材262と部分的に連通している。このため、吸収部材260に吸収されたインクは、より高い吸収力を有する廃液吸収部材262に順次吸収されるので、吸収部材260の吸収力は長期間にわたって持続する。
一方、プラテン150の後方には、搬送駆動ローラ282および搬送従動ローラ284が配置されて、搬送部280を形成している。搬送駆動ローラ282は、フレーム210の後方に配置された搬送モータ286により回転駆動されている。また、搬送従動ローラ284は、記録用紙170を搬送駆動ローラ282に対して押し付けている。従って、搬送駆動ローラ282の回転に伴って、搬送従動ローラ284が連れ回されると共に、記録用紙170はプラテン150上に送り出される。プラテン150上では、前記したようにキャリッジ160からインクが吐出されるので、記録用紙170上にインクにより画像を記録することができる。
また、プラテン150の前方には、排出駆動ローラ292および排出従動ローラ294が配置され、排出部290を形成している。排出駆動ローラ292は、前記した搬送モータ286から分配された動力により回転駆動されている。また、排出従動ローラ294は、プラテン150を通り過ぎた記録用紙170を排出駆動ローラ292に対して押し付けている。従って、排出駆動ローラ292の回転に伴って、排出従動ローラ294が連れ回されると共に、記録用紙170はプラテン150上から外部へと送り出される。
更に、この内部機構20では、プラテン150の側面部212側の側方に、キャップ部材270が配置されている。キャップ部材270は上下に移動でき、キャリッジ160が側面部212に近いホームポジションで停止したときに上昇してノズルプレート166の下面を封止する。また、キャップ部材270の内部はポンプユニット272に結合されている。ポンプユニット272は、ノズルプレート166表面に付着したインクを吸引できる。ポンプユニット272に吸引されたインクは、図示されていないパイプを介して、廃液吸収部材262に吸収される。
更に、プラテン150とキャップ部材270との間には、ワイピング手段274が配置されている。キャップ部材270による封止から開放されたキャリッジ160がその上方を通過するとき、ワイピング手段274はノズルプレート166の下面を払拭して清浄にする。
図3は、上記のようなインクジェット式記録装置10に形成されるエアロゾル発生防止機構31の構造を模式的に示す断面図である。同図に示すように、プラテン150は、上向きに突出したリブ部154を備えており、その上端で下方から支持することにより記録用紙170を上下方向に位置決めしている。更に、リブ部154の上端には、金属製のリブ電極156が装着されている。リブ電極156は、短絡保護抵抗320を介して電位差発生手段330の正極に電気的に接続されると共に、記録用紙170の下面に接している。従って、電位差発生手段330が動作したとき、記録用紙170は、電位差発生手段330の正極と同電位となる。
一方、ノズルプレート166は電位差発生手段330の負極に接続されている。従って、記録用紙170およびノズルプレート166の間には、電位差発生手段330が発生する電位差に応じた電位差が生じており、両者の間には電位差に応じた電界Eが形成されている。なお、電位差発生手段330は定電圧発生回路であり、何らかの原因によりノズルプレート166およびリブ電極156の間の電位差が変化した場合は、その電位差が当初の値となるように出力を調整する。このように、リブ電極156は、記録用紙170に対する電位制御電極を形成している。
上記エアロゾル発生防止機構31において、リブ電極156は、ステンレス、ニッケル鍍金された鉄、ジュラルミン、クロムまたはモリブデンを含む鉄、タングステン、チタン、チタンを含む合金等の耐摩耗性が高く、導電性の高い金属により形成できる。また、炭素、金属、導電性ポリマー等の材料を用いて、埋め込み、貼付けまたは二体成形によりプラテン150と一体に形成することもできる。更に、セレン、シリコン等のアモルファス半導体若しくは金属をリブ部154に部分蒸着して形成することもできる。
図4は、上記エアロゾル発生防止機構31の動作を説明するための模式図である。図中に示すように、ノズルプレート166にはインクを吐出する複数の開口168が形成されている。また、図中に矢印Xで示すように、ここではノズルプレート166は、キャリッジ160の移動に伴って図上で右から左に向かって移動している。
ところで、ノズルプレート166の開口168から押し出されるインクは、インク滴342となる直前の瞬間に、ノズルプレート166から下垂するインク柱340を形成する。このとき、インク柱340の先端Aとノズルプレート166下面のインク柱340付近の領域Bとの間に、いわゆる避雷針効果により電荷が蓄積される。
即ち、ここでいう避雷針効果とは、インク柱340の先端A(図中では下端)を頂点とする頂角50°から60°の円錐形で包囲されるノズルプレート166表面の領域Bがインク滴342の帯電に寄与することをいう。この避雷針効果により、インク滴342は、インク柱340の水平断面積に対応する電荷よりも大きく、ノズルプレート166と同じ極性の電荷qを有する。
一方、このエアロゾル発生防止機構31においては、ノズルプレート166とリブ電極156および記録用紙170との間に電界Eが形成されている。上記のように、インク滴342は電荷qで帯電しているので、電界Eからクーロン力F(qE)による運動エネルギーを得、減速されることなく下方に移動して記録用紙170に到達する。このように、電界E中では、インク滴344は確実に記録用紙170に到達するので、エアロゾルの発生が防止される。
なお、図1から図4までに示したようなインクジェット式記録装置10においてインク滴342にクーロン力を作用させてエアロゾル化を防止するには、電界Eの電界強度を100kV/m程度とすることが望ましい。また、このような電界を形成すべくノズルプレート166を一方の電極として電位差を形成した場合、ノズルプレート166から吐出された液滴に蓄積される電荷は4×10−14Q程度である。
一方、記録用紙170が普通上質紙またはそれに多孔質シリカ等をコーティングしたものであった場合、その体積抵抗率は10〜1013Ωcm程度である。このような記録用紙170に導電性を有するインクが浸透した場合、その体積抵抗率は10〜10Ωcmに低下する。また、インクの付着した記録用紙170の表面抵抗率は10〜10Ω/□程度となる。
従って、十分に導電性が高い金属等により形成されたリブ電極156を記録用紙170に触れさせて電位差発生手段330と接続した場合は、記録用紙170自体および記録用紙170上のインクを経て、記録用紙170の電位が電位差発生手段330の出力電圧に一致するように制御することができる。また、帯電したインク滴342が記録用紙170上に堆積した場合も、インク滴342の電荷は記録用紙170自体およびそれに既に付着しているインク344を介して放電されるので、記録用紙170の電位が変動することがない。
また、上記実施形態では、リブ電極156を電位差発生手段330の正極側に、ノズルプレート166を電位差発生手段330の負極側に、それぞれ接続している。しかしながら、すべての極性を反転させて接続しても同様の機能が実現される。また、電位差発生手段330の一端の電位を接地電位とすることにより、エアロゾル発生防止機構31内の配線を簡略化することもできる。
図5は、他の実施形態に係るエアロゾル発生防止機構32の構造を模式的に示す断面図である。なお、図5において、他の図と共通の構成要素には同じ参照符号を付して重複する説明を省く。
同図に示すように、この実施形態に係るエアロゾル発生防止機構32の構造は、そのリブ電極156の形状に固有の特徴がある。即ち、このリブ電極156は、プラテン150のリブ部154を上下に貫通して、プラテン150の下面にその下端を露出している。従って、リブ電極156および電位差発生手段330からの配線をプラテン150の下部で結合することができる。このような構造によれば、リブ電極156およびエアロゾル発生防止機構32としての機能は図3に示したエアロゾル発生防止機構31と同じではあるが、配線がユーザの目につかないので、安全性および商品性が高い。
図6は、また他の実施形態に係るエアロゾル発生防止機構33の構造を模式的に示す断面図である。なお、図6において、他の図と共通の構成要素には同じ参照符号を付して重複する説明を省く。
同図に示すように、この実施形態に係るエアロゾル発生防止機構33の構造は、そのリブ電極156の形状に固有の特徴がある。即ち、このリブ電極156は、プラテン150表面全体に形成された導電層157により形成されている。このような導電層157は、プラテン150に対する塗布または蒸着の他、プラテン150と共に二体成形することにより形成することもできる。このような構造によれば、電位制御電極としての導電層157およびエアロゾル発生防止機構32としての機能は図3に示したエアロゾル発生防止機構31と同じではあるが、記録用紙170およびリブ電極156の接触面積が極限まで広くなり、両者は安定に同電位となる。従って、エアロゾル発生防止機構32としての動作も安定する。
図7は、また他の実施形態に係るエアロゾル発生防止機構34の構造を模式的に示す断面図である。図7においても、他の図と共通の構成要素には同じ参照符号を付して、重複する説明を省く。
同図に示す実施形態では、記録用紙170に対する電気的接続を得る手段として、複数の導電ブラシ350がプラテン150の直近に配置されている。各導電ブラシ350は、導電性と弾性を兼ね備えた部材により形成されており、一端を電位差発生手段330に電気的に接続されている。また,導電ブラシ350の他端は、記録用紙170に複数箇所で接している。即ち、記録用紙170の搬送方向について、プラテン150の直前では、記録用紙170の表面および裏面に導電ブラシ350が配置され、それぞれ、記録用紙170の表面および裏面に接している。また、プラテン150の直後では、記録用紙170の裏面側に導電ブラシ350が配置され、記録用紙170の裏面に接している。
このような形態は、導電ブラシ350という専用の部材を導入してければならない。しかしながら、導電ブラシ350は、電気的接続を得るための専用部品なので、配置が自由に選択できる。従って、エアロゾル収集に関与するプラテン150、ノズルプレート166等の直近に配置することができ、記録用紙170の電位を効率よく制御できる。なお、導電ブラシ350は、ステンレス等の金属線材の他、炭素または金属粉を含有させた樹脂繊維等によっても形成で聞く。
以上詳細に説明したように、このインクジェット式記録装置10は、ノズルプレート166と記録用紙170の間に電界を形成することにより液滴を能動的に収集してエアロゾルの発生を防止できる。また、電位制御電極を介して電位差発生手段330に結合することにより、記録用紙170の電位を一定に維持できるので、印加電圧の反転等の複雑な制御が不要になる。従って、エアロゾルの発生しない液体噴射装置を簡素な構造で実現できる。更に、電界発生ユニットの形態で供給することにより、既存の液体噴射装置において同様の機能を実現することもできる。
なお、上記実施例では、インクジェット式記録装置10を例に挙げて具体的な構成を説明したが、この液体噴射装置は、例えば、液晶ディスプレイ用カラーフィルタの製造における色材噴射装置、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の製造における電極形成装置、バイオチップ製造に使用する試料噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド、付け爪に絵や文字等を描く装置等としても実施でき、更に、これらに限定されない。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることは当業者に明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
インクジェット式記録装置10の全体を概観する斜視図。 インクジェット式記録装置10の内部機構20を抜き出して示す斜視図。 ひとつの実施形態に係るエアロゾル発生防止機構31の構造を示す断面図。 エアロゾル発生防止機構31の動作を説明する模式図。 他の実施形態に係るエアロゾル発生防止機構32の構造を示す断面図。 また他のエアロゾル発生防止機構33の構造を示す断面図。 更に他のエアロゾル発生防止機構34の構造を示す断面図。
10 インクジェット式記録装置、20 内部機構、31、32、33、34 エアロゾル発生防止機構、110 上ケース、120 下ケース、130 ペーパサポート、140 排出トレー、150 プラテン、152 陥没部、154 リブ部、156 リブ電極、157 導電層、160 キャリッジ、162 インクカートリッジ、164 記録ヘッド、166 ノズルプレート、170 記録用紙、210 フレーム、212、214 側面部、220 ガイド軸、230 タイミングベルト、232、234 プーリ、236 キャリッジモータ、240 多芯ケーブル、250 電子回路、260 吸収部材、262 廃液吸収部材、270 キャップ部材、272 ポンプユニット、274 ワイピング手段、280 搬送部、282 搬送駆動ローラ、284 搬送従動ローラ、286 搬送モータ、290 排出部、292 排出駆動ローラ、294 排出従動ローラ、320 短絡保護抵抗、330 電位差発生手段、340 インク柱、342、344 インク滴、350 導電ブラシ

Claims (6)

  1. 導電性のノズルプレートを有し、被記録物上を往復移動しつつ前記ノズルプレートの開口から前記被記録物に向かって液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記液体が噴射される方向について前記ノズルプレートに対向した位置において前記被記録物を裏面から支持して位置決めするプラテンと
    を備えた液体噴射装置であって、更に、
    前記プラテンに装着され、前記プラテンの上に支持された前記被記録物に対して電気的に結合される電位制御電極と、
    一端を前記電位制御電極に接続され他端を前記ノズルプレートに接続され、前記ノズルプレートおよび前記電位制御電極の間の電位差を一定に保つ電位差発生手段と
    を備え、
    前記プラテンの上において、前記ノズルプレートおよび前記被記録物の間に電界を発生させて前記ノズルプレートの開口から噴射された液体を前記被記録物に向かって電気的に引き付けさせる液体噴射装置。
  2. 前記電位制御電極が、前記プラテンにおいて前記被記録物の裏面に当接する部位に装着された導電性部材を含む請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記電位制御電極が、前記液体が噴射される方向について前記プラテンを貫通して装着された導電性部材を含み、一端において前記被記録物に接し、他端において前記電位差発生手段に電気的に接続されている請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 前記電位制御電極が、前記被記録物の搬送経路に関して前記プラテンの直前および直後の少なくとも一方において前記被記録物に対して接触する導電性部材を含む請求項1に記載の液体噴射装置。
  5. 導電性のノズルプレートを有し、被記録物上を往復移動しつつ前記ノズルプレートの開口から前記被記録物に向かって液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記液体が噴射される方向について前記ノズルプレートに対向した位置において前記被記録物を裏面から支持して位置決めするプラテンと
    を備えた液体噴射装置に装着する電界発生ユニットであって、
    前記プラテンに装着され、前記プラテンの上に支持された前記被記録物に対して電気的に結合される電位制御電極と、
    一端を前記電位制御電極に接続され他端を前記ノズルプレートに接続され、前記ノズルプレートおよび前記電位制御電極の間の電位差を一定に保つ電位差発生手段と
    を備え、
    前記プラテンの上において、前記ノズルプレートおよび前記被記録物の間に電界を発生させて前記ノズルプレートの開口から噴射された液体を前記被記録物に向かって電気的に引き付けさせる電界発生ユニット。
  6. 導電性のノズルプレートを有し、被記録物上を往復移動しつつ前記ノズルプレートの開口から前記被記録物に向かってインクを吐出する記録ヘッドと、
    前記インクが吐出される方向について前記ノズルプレートに対向した位置において前記被記録物を裏面から支持して位置決めするプラテンと
    を備えた記録装置であって、更に、
    前記プラテンに装着され、前記プラテンの上に支持された前記被記録物に対して電気的に結合される電位制御電極と、
    一端を前記電位制御電極に接続され他端を前記ノズルプレートに接続され、前記ノズルプレートおよび前記電位制御電極の間の電位差を一定に保つ電位差発生手段と
    を備え、
    前記プラテンの上において、前記ノズルプレートおよび前記被記録物の間に電界を発生させて前記ノズルプレートの開口から吐出されたインクを前記被記録物に向かって電気的に引き付けさせる記録装置。
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