JP2008062575A - 液体噴射装置および記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電界によるエアロゾル収機構300を備えた記録部110において、接続ケーブル430を伝うインクが電圧源270に到達することを防止する。
【解決手段】記録用紙150の表面に液体を吐出する記録ヘッドと、記録用紙150の裏面に当接して記録用紙150するプラテン230と、吐出されながら記録用紙150に付着しなかった液体を吸収する吸収部材236と、吸収部材236に隣接して配置された電極310と、接続ケーブル430を介して電極310に結合され、電極310に対して電圧を印加してノズルプレートおよび電極310の間に電位差を発生させる電圧源270とを備えた記録部110であって、更に、接続ケーブル430の一部に対して、接続ケーブル430の長手方向について側方から当接して、電極310から電圧源270に向かって接続ケーブル430の表面を伝う液体を塞き止めるクランプ部500を備える。
【選択図】図9

Description

本発明は液体噴射装置および記録装置に関する。より詳細には、液体噴射ヘッドに装着されたノズルプレートの開口から吐出させた液体を被記録物に付着させる液体噴射装置および記録装置に関する。
液体噴射装置において被記録物の周縁部に余白を残すことなく液体を付着させる場合、被記録物および液体噴射ヘッドの間の不可避な位置ずれを見込んで、被記録物の寸法よりも僅かに広い領域に対して液体を噴射される。このため、被記録物の両側縁部および前後縁部の近傍では、被記録物の存在しない領域に対しても液体が噴射される。そこで、被記録物よりも遠方において液体噴射ヘッドに対向する位置に吸収部材を配置して、噴射されながら被記録物に付着しなかった液体を吸収させている。これにより、被記録物に付着しなかった液体による周囲の汚染が防止される。
ところで、被記録物に液体が付着すると、その部分が伸びて被記録物に皺を生じる場合がある。この皺が吸収部材に接触すると、吸収部材にすでに吸収されていた液体が被記録物を汚染する。そこで、多くの液体噴射装置では、被記録物の皺の高さを見込んで、被記録物および吸収部材の間に2〜4mm程度の間隙が設けられる。また、同様に接触による汚染を防止する目的で、ノズルプレートおよび被記録物の間にも1mm程度の間隔がとられている。従って、ノズルプレートから吸収部材までの間には3〜5mm程度の間隔がある。
一方、液体により被記録物に形成される画像の解像度を向上させる目的で、ノズルプレートの開口から吐出される液滴は一層微細化される傾向にあり、単一の液滴に着目すると、その大きさは数pl程度までになっている。このような微細な液滴は自身の質量が非常に小さいので、ノズルプレートからいったん吐出されると、雰囲気の粘性抵抗等により運動エネルギーを急速に失う。例えば、8pl未満の液滴は、大気中で3mm程度の行程を飛翔すると速度が略ゼロになることが判っている。このように運動エネルギーを失った微細な液滴は、重力加速度による落下運動と雰囲気の粘性抵抗力とが殆どつり合い、落下し切るまでに長い時間を要する。落下するまでの間の液滴は空中に浮遊することになり、これはエアロゾルと呼ばれている。
このようにして発生したエアロゾルは、一部は液体噴射装置の外部にまで浮遊し、周辺に付着する。また、エアロゾルの多くは液体噴射装置内の各部に付着する。プラテン等の被記録物の搬送経路にエアロゾルが付着した場合、再付着により次に搬送される被記録物が汚染される。また、液体噴射装置に搭載された電気回路、リニアスケール、ロータリエンコーダ、光学センサ等にエアロゾルが付着した場合は、装置自体の誤動作を招く場合もある。更に、エアロゾルが付着したものにユーザが触れると、ユーザの手も汚される。
下記特許文献には、電界によりエアロゾルを能動的に収集する機能を備えた液体噴射装置が開示されている。ここに開示された液体噴射装置では、被記録物に付着しなかった液滴を付着、吸収させる目的で、ノズルプレートに対向する位置に吸収部材が配置される。また、吸収部材の表面に、一方の電極となる金属部材が配置され、液体を噴射する開口を有する金属製ノズルプレートが他方の電極とされる。
これら電極およびノズルプレートに互いに異なる電圧が印加されると、両者の間に電界が形成される。一方、ノズルプレートから吐出される液滴は、ノズルプレートから吐出される瞬間に、いわゆる避雷針効果によりノズルプレートと同極に帯電する。従って、エアロゾルとなり得るような微小な液滴も、電界から受けるクーロン力の作用により、減速されることなく電極に向って飛翔し続け、自身の電荷と逆極性の電位にある電極に吸着される。更に、電極に吸着された液滴は、電極に隣接して配置された吸収部材に毛細管現象により吸収される。
特開2004−202867号公報
上記のように、エアロゾルが帯電していることを利用して、電界によりエアロゾルを抑制する液体噴射装置がある。しかしながら、電界を形成する目的で配置された電極は吸収部材に隣接して配置されるので、不可避に液体が付着する。また、電極に電圧を印加するには、何らかの接続ケーブルを電極に接続する。このような接続ケーブルの他端は電位差発生手段に接続される。
このため、液体噴射装置の稼働時間が長くなるにつれて、液滴として付着した液体も蓄積されて液化する。液化した液体はケーブルの表面を伝播して、やがて電位差発生手段に到達する場合がある。また、接続ケーブルの多くは細い芯線を多数束ねて形成される。このために、接続ケーブルの内部に液体が入った場合は、芯線間で生じる毛管現象により、接続ケーブルの他端、即ち、電位差発生手段の内部にまで液体が到達する場合がある。
ところで、エアロゾルを収集する目的で電界を形成するには、電位差発生手段は、比較的高圧の電圧を発生する。例えば、液体噴射装置のひとつであるインクジェット式記録装置では、画像形成に係る内部機構に供給される電力が数ボルトから数十ボルトであるのに対して、電界形成には100ボルトを越える電圧を印加する場合もある。一方、液体噴射装置で取り扱われる液体の多くは何らかの電解質を含み、それ自体が導電性を有する。このため、何らかの理由で液体が電位差発生手段の内部に浸入した場合には、適切な電位差が発生されないばかりか、危険でもある。
上記課題を解決する目的で、本発明の第1の形態として、開口を有する導電性のノズルプレートを有し、開口から被記録物の表面に向かって液体を噴射する液体噴射ヘッドと、被記録物を挟んでノズルプレートに対向した位置に配置され、被記録物の裏面に当接して被記録物を支持するプラテンと、開口からの液体の噴射方向について被記録物よりも遠方に、ノズルプレートに対向して配置され、開口から噴射されながら被記録物に付着しなかった液体を吸収する吸収部材と、吸収部材に隣接して配置された電極と、接続ケーブルを介して電極に結合され、電極に対して電圧を印加してノズルプレートおよび電極の間に電位差を発生させる電位差発生手段とを備えた液体噴射装置であって、更に、接続ケーブルの一部に対して、接続ケーブルの長手方向について側方から当接して、電極から電位差発生手段に向かって接続ケーブルの表面を伝う液体を塞き止める塞止部を備える液体噴射装置が提供される。これにより、接続ケーブルを伝ってきた液体が電位差発生手段に到達することが防止され、比較的高電圧を発生する電位差発生手段を安全に稼働させることができる。
また、ひとつの実施形態によると、上記液体噴射装置において、塞止部は、接続ケーブルを挟むクランプ手段である。これにより、容易且つ効果的に液体を阻止できる。
また、他の実施形態によると、塞止部は、接続ケーブルの曲げ剛性に打ち勝って、接続ケーブルを小さな曲率で曲げた状態で保持するケーブル案内手段である。これにより、接続ケーブルの内部に浸透した液体も阻止できる。
また他の実施形態によると、接続ケーブルに対して複数の塞止部が設けられる。これにより、一層確実に液体を阻止できる。
また他の実施形態によると、電位差発生手段は、重力加速度の方向について、吸収部材に吸収された液体の液面よりも高い位置に配置される。これにより、接続ケーブルの表面および内部を液体が伝った場合でも、液体が電位差発生手段に到達する前に平衡状態となるので、電位差発生手段まで液体が伝うことを防止できる。
また他の実施形態によると、接続ケーブルは、単芯線である。これにより、芯線相互の間隙で生じる毛管現象による液体の伝播を解消できる。
また他の実施形態によると、接続ケーブルは、電極から電位差発生手段に至る過程で、吸収部材に吸収された液体の液面および電位差発生手段のいずれよりも、重力加速度の方向について低い位置を通過する。これにより、液体が接続ケーブルを伝播した場合においても、液体は接続ケーブルの最も低いところに滞留する。従って、液体が電位差発生手段まで到達することが防止される。
更に、本発明の第2の形態として、開口を有する導電性のノズルプレートを有し、開口から被記録物の表面に向かって液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置において、被記録物を挟んでノズルプレートに対向した位置に配置され、被記録物の裏面に当接して被記録物を支持するプラテンであって、開口からの液体の噴射方向について被記録物よりも遠方に、ノズルプレートに対向して配置され、開口から噴射されながら被記録物に付着しなかった液体を吸収する吸収部材と、吸収部材に隣接して配置された電極と、接続ケーブルを介して電極に結合され、電極に対して電圧を印加してノズルプレートおよび電極の間に電位差を発生させる電位差発生手段と、更に、接続ケーブルの一部に対して、接続ケーブルの長手方向について側方から当接して、電極から電位差発生手段に向かって接続ケーブルの表面を伝う液体を塞き止める塞止部とを備えるプラテンが提供される。これにより、プラテンを単体で供給して交換することにより、既存の液体噴射装置においても上記効果を享受できる。
また更に、本発明の第3の形態として、開口を有する導電性のノズルプレートを有し、開口から被記録物の表面に向かってインクを吐出する記録ヘッドと、被記録物を挟んでノズルプレートに対向した位置に配置され、被記録物の裏面に当接して被記録物を支持するプラテンと、開口からのインクの吐出方向について被記録物よりも遠方に、ノズルプレートに対向して配置され、開口から吐出されながら被記録物に付着しなかったインクを吸収する吸収部材と、吸収部材に隣接して配置された電極と、接続ケーブルを介して電極に結合され、電極に対して電圧を印加してノズルプレートおよび電極の間に電位差を発生させる電位差発生手段とを備えた記録装置であって、更に、接続ケーブルの一部に対して、接続ケーブルの長手方向について側方から当接して、電極から電位差発生手段に向かって接続ケーブルの表面を伝うインクを塞き止める塞止部を備える記録装置が提供される。これにより、記録装置においても上記の効果を享受できる。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。従って、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態のひとつであるインクジェット式記録装置を含む記録読取複合機100の外観を示す斜視図である。同図に示すように、この記録読取複合機100は、記録部110と、その上に重ねられた読取部120とを併せて形成される。
読取部120は、記録読取複合機100全体の上ケース122を兼ねた筐体内に形成される。上ケース122の上面には、読み取るべき原稿を押せる読取テーブルが配置され、更に、読取テーブル上の原稿を押さえる原稿押さえを兼ねた上カバー124が装備される。
一方、記録部110は、記録読取複合機100全体の下ケース112を兼ねた筐体内において、ケース底部111の上に形成される。この図では、上ケース122の後方に、後述する給送部210のペーパサポート212が見えている。また、下ケース112の前面には、後述する排出部240の排出トレイ248を裏面に内蔵する前カバー114が、閉じた状態で描かれる。
更に、この記録読取複合機100は、上カバー124の前側に、操作パネル130を備えている。操作パネル130には、表示パネル132の他、複数の操作ボタン134、パイロットランプ136等が設けられ、この記録読取複合機100をスタンドアローンで動作させる場合に、各種の指示を入力し、また、動作状態等を表示することができる。
上記のような記録読取複合機100においては、上カバー124を開いて読取部120の上に載せた原稿に対して、その下面から原稿の画像が読み取られる。また、ペーパサポート212に装入された記録用紙150は、後述する内部機構200により、記録部110の内部を前方に向かって搬送され、その途中で画像を記録される。
図2は、図1に示した記録読取複合機100の記録部110の内部機構200を抜き出して示す斜視図である。また、図3は、同じ内部機構200を、上方から見下ろした様子を示す平面図である。同図に示すように、内部機構200は、ケース底部111と、その上に略直立するフレーム202と、フレーム202の後方に配置された給送部210と、フレーム202の前方に順次配置された搬送部220、プラテン230および排出部240とを備えている。
給送部210は、縦に装入された記録用紙150の背面を支持するペーパサポート212と、記録用紙150の図上右側の側端部を位置決めするサイドサポート214と、記録用紙150の図上左側の側端部に当接して記録用紙150の傾きを防止するスライドサポート216とを備える。スライドサポート216は、ペーパサポート212の表面で水平に移動させることができ、幅が異なる記録用紙150が装入された場合も、記録用紙150の側端部に当接させることができる。給送部210は更に、フレーム202に隠れた給送ローラ218等を備え、記録部110が記録動作する場合に、ペーパサポート212に装入された複数の記録用紙150を1枚ずつ内部機構200に取り込む。
なお、この内部機構200は、後述する排出トレイ248の下方にも、前面に開口した水平なペーパサポート211を備える。このペーパサポート211は、内部機構200の前方から水平に装入された記録用紙150を下方から支持する。また、ペーパサポート211に装入された記録用紙150も、給送部210を利用して搬送部220に記録用紙150を送り込むことができる。なお、ペーパサポート211は延長部213を備え、それ自体の奥行きよりも長い記録用紙150も支持できる。
搬送部220は、フレーム202の直前に配置され、取り込まれた記録用紙150の上面に当接して連れ回される搬送従動ローラ224を備えている。搬送従動ローラ224の直下には、図示されていない搬送モータにより回転駆動される搬送駆動ローラが配置される。従って、内部機構200に取り込まれた記録用紙150は、搬送従動ローラ224により搬送駆動ローラに押し付けられ、搬送駆動ローラの回転に従ってプラテン230の上に送り込まれる。
プラテン230は、上方に向かって突出した複数のリブ234を備える。リブ234は、送り込まれた記録用紙150の下面にその先端を当接させ、記録用紙150の高さ方向の位置決めをする。プラテン230の上方を通り過ぎた記録用紙150は、やがて排出部240に到達する。なお、プラテン230の構造については、図4を参照して別途詳述する。
排出部240は、プラテン230の前側に配置され、プラテン230上を通過して送り込まれた記録用紙150に対して、その上面に当接して連れ回される排出従動ローラ244を備えている。排出従動ローラ244の直下には、図示されていな回転伝達機構を介して搬送モータにより回転駆動された排出駆動ローラが配置される。記録用紙150は、排出従動ローラ244により搬送駆動ローラに押し付けられ、排出駆動ローラの回転に従って記録用紙150を記録部110の前方に送り出す。排出部240の前側には、排出トレイ248が配置され、記録部110の外部に排出された記録用紙150は排出トレイ248の上に蓄積される。
更に、この内部機構200は、プラテン230の上方で往復移動するキャリッジ250を備える。即ち、キャリッジ250は、フレーム202の前面側に設けられた長手方向に延びる案内部材(不図示)に沿って、長手方向に水平に移動できるように装着される。また、フレーム202の前面には、一対のプーリ251の間に張り渡されたタイミングベルト253が配置される。更に、キャリッジ250は、その背面においてタイミングベルト253に連結される。
一方、プーリ251の一方はキャリッジモータ255により回転駆動されるので、キャリッジ250は、タイミングベルト253の変位に従って移動する。従って、キャリッジモータ255の動作と回転方向を制御することにより、キャリッジ250を、プラテン230上で任意の領域の上方に移動させることができる。また、キャリッジ250は、その下面に、ノズルプレート252を含む記録ヘッド(不図示)を備える。従って、キャリッジ250は、プラテン230上の任意の領域に向かってインクを吐出させることができる。
以上のような構造を有する内部機構200を備えた記録読取複合機100においては、前方のペーパサポート211または後方のペーパサポート212に装入された記録用紙150が、給送部210により1枚ずつ搬送部220に取り込まれる。搬送部220に取り込まれた記録用紙150は、プラテン230の上方を通過して排出部240に到達し、排出部240により内部機構200の外部に送り出される。
また、記録用紙150がプラテン230の上方に存在しているとき、キャリッジ250はプラテン230上を往復移動しつつ、下方に向かってインクを吐出する。従って、記録用紙150表面の任意の領域に対してインクを吐出して付着させることができる。更に、記録用紙150を1行分ずつ間欠的に搬送する一方、搬送が中断している期間にキャリッジ250を往復移動させることにより、記録用紙150の表面全体に画像を記録することができる。
なお、フレーム202の背面には、上記のような一連の記録動作を制御する制御部260が搭載される。制御部260は、この記録読取複合機100に接続された情報処理装置等を介して入力された指示、あるいは、操作パネル130から入力された指示に基づき、記録部110が適切な動作をするように制御する。また、制御部260は、この記録部110が記録する画像情報を受け取るインターフェースでもある。制御部260が受け取る画像情報は、当該画像を表す情報の他に、記録画像の解像度、色数等の記録品質、寸法、材質等の被記録物情報も含む場合がある。
更に、図2および図3に示す内部機構200は、後述する電界形成のための高電圧を発生する電圧源270を、フレーム202の上端左側に備えている。フレーム202の上端は、重力加速度方向について、この内部機構200における最も高い位置である。従って、この電圧源270に対する接続ケーブル430は、電圧源270から常に低い方に向かって配線される。
図4は、上記の内部機構200におけるプラテン230の詳細な構造を示す分解斜視図である。同図に示すように、プラテン230は、プラテン本体232と、プラテン本体232に収容された電極310および吸収部材236、238とを備える。
プラテン本体232は樹脂材料により一体成形され、その上面から上方に向かって突出した複数のリブ234と、上面から陥没して、底部231および側壁部233を含んで形成された幅の広い収容部235と、リブ234の形成された領域の側方に形成された幅の狭い収容部237とを備える。このプラテン230の上方を記録用紙150が通過する場合は、リブ234の上端が記録用紙150の下面に当接して、記録用紙150の高さ方向の位置決めをする。
また、吸収部材236、238は、プラテン本体232、237内を充填する寸法を有する。また、吸収部材236、238は、その表面における液体の吸収速度を重視して材料が選択される。このため、吸収部材236、238が保持できるインクの量には限りがある。そこで、これらの吸収部材236および238よりも容量が大きな廃液吸収部材が、プラテン230の下方に別途配置される場合もある。
更に、このプラテン230は、幅の広い収容部235の内部において、吸収部材236の下に電極310を備える。電極310は、収容部235の底部231を概ね覆うように配置される。また、電極310の一端には、収容部235の側壁部233を乗り越えて外部に延在する連結部312と、プラテン230の外側に露出した端子部314とが一体に形成される。この端子部314を介して、制御部260の制御の下に動作する電圧源270の一端に接続することにより、電極310に電圧を印加することができる。電圧源270の他端は、キャリッジ250に装備されたノズルプレート252に接続され、これにより、ノズルプレート252および電極310の間に電位差を生じさせ、電界を形成させることができる。
なお、上記の吸収部材236、238の材料としては、ポリエチレン、ポリウレタン等の樹脂材料を発泡させたものを好ましく例示できる。また、吸収部材236を電極310と同電位とすることを目的として、表面抵抗が10Ω以下となるような導電性の材料により形成することも好ましい。このような材料としては、ポリエチレン、ポリウレタン等の樹脂に金属、炭素等の導電性材料を混入した上で発泡させたもの、ポリエチレン、ポリウレタン等の樹脂発泡材に金属、炭素等の導電性材料を付着させたもの、または、メッキしたもの等を例示できる。また、ポリエチレン、ポリウレタン等の樹脂発泡材に電解質溶液を含浸させたものを用いることもできる。
一方、電極310の材料としては、インクに対して耐食性のある金属、例えば金、ステンレスまたはニッケルの線材、板材または箔材、あるいは、これらの金属でメッキした線材、板材または箔材、若しくは、これらの材料を組み合わせた網状または格子状の部材で形成できる。また、他の態様として、プラテン230の収容部235の底部231に直接形成した導電性の塗膜層、メッキ層、厚膜層、薄膜層等を電極310として使用することもできる。
図5は、図4に示した部品を組み立てた状態のプラテン230の形状を示す斜視図である。同図に示すように、収容部235に収容された電極310は、その端子部314に挿通されたネジ410により、プラテン本体232に対して固定される。また、このネジ410は、接続ケーブル430の端部に装着された圧着端子420を端子部314と共締めしており、接続ケーブル430および電極310の電気的接続も形成する。
図6は、図5に示したプラテン230を下方から見た様子を示す斜視図である。同図に示すように、圧着端子420から延在する接続ケーブル430は、プラテン本体232の下面に沿って取り出され、この図には図示しない電圧源270に接続される。
図7は、記録部110の内部機構200に形成されたエアロゾル収集機構300の構造と動作を説明する模式図である。同図に示すように、インクを吐出する開口254を有するノズルプレート252は、例えば金属製で、導電性を有する。また、ノズルプレート252は、電圧源270の負極に接続される。一方、電圧源270の正極は、プラテン230に収容された電極310に接続される。また、電極310に重ねてプラテン230に収容された吸収部材236は導電性を有するので、吸収部材236全体が電極310と同じ電位になる。従って、電圧源270の発生した電位差による電界Eは、ノズルプレート252の下面と吸収部材236の表面との間に均一に形成される。なお、すべての極性を反転させて接続しても同様の機能が実現できる。
記録動作におけるノズルプレート252は、開口254を通じてインク311を下方に吐出する。ここで、開口254の直下に記録用紙150が存在している場合は、吐出されたインク311が記録用紙150の上面に付着して画像319を形成する。一方、記録用紙150の縁部に余白無くインク311を付着させようとした場合、記録用紙150の側縁部並びに先端および後端において、一部の開口254の直下に記録用紙150が存在しない場合がある。
このような場合、開口254から吐出することによって生じたインク滴317に与えられた運動エネルギーは雰囲気の粘性抵抗により急速に失われる。このため、一部のインク滴317、導電性吸収部材236に到達する遥か前にその運動エネルギーを失う。インク滴317の質量は非常に小さいので、運動エネルギーを失うと、重力加速度による落下運動と雰囲気による粘性抵抗力とが殆どつり合い、以降の落下速度が極めて遅くなる。このようにして、ノズルプレート252の下方に浮遊するエアロゾルが発生する。また、インク滴317の一部がちぎれて一段と微細なインク滴であるサテライト・インク315が生じる場合があり、これもエアロゾルとなる。
しかしながら、このエアロゾル収集機構300では、既に説明した通り、吸収部材236の表面とノズルプレート252の下面との間に電界Eが形成されている。従って、電荷qを有するインク滴317は、電界Eから受けるクーロン力Fe(qE)により運動エネルギーを得、減速されることなく下方に移動して吸収部材236に到達する。
なお、開口254から押し出されるインク311は、ノズルプレート252から離脱してインク滴317となる直前の瞬間に、ノズルプレート252から下垂するインク柱313を形成する。このとき、インク柱313の先端Aとノズルプレート252の下面におけるインク柱313付近の領域Bとの間に、いわゆる避雷針効果により電荷が蓄積される。この避雷針効果により、インク滴317は、インク柱313の水平断面積に対応する電荷よりも大きな電荷qで帯電する。なお、避雷針効果は、インク柱313の先端A(図中では下端)を頂点とする頂角50°から60°の円錐形で包囲されるノズルプレート252表面の領域Bがインク滴317の帯電に寄与する現象をいう。これにより、インク滴317はより大きなクーロン力を受け、その運動量を失うことなく電界E内を吸収部材236まで飛翔する。
図8は、図5に示した電極310に対する電気的接続の構造を拡大して示す斜視図であり、図5において点線P1で囲った部分に対応する。図13から図15までに示すように、接続ケーブル430は、導体芯線432を絶縁被覆434により被覆してなる。接続ケーブル430の端部では、絶縁被覆434が除去され、導体芯線432が露出ている。一方、圧着端子420は、ネジ410を挿通する環状部422と、接続ケーブル430の導体芯線432を挿通する圧着スリーブ部424とを有する。従って、接続ケーブル430の端部に露出した導体芯線432を圧着スリーブ部424に挿入した上で、圧着スリーブ部424をかしめて減径して、導体芯線432を把持すると共に、電気的接続も確保する。
図9は、図8に示した接続構造を、プラテン230の下面から見た様子を示す斜視図であり、図6において点線P2で囲った部分に対応する。同図に示すように、圧着端子420を介して電極310の端子部314に接続された接続ケーブル430は、プラテン本体232の下面に沿って側方に延在し、プラテン230の側面から取り出されて、電圧源270に結合される。
ところで、図8に示す通り、電極310の連結部312はプラテン230の上面に露出しており、端子部314も連結部312に直接につながる。また、接続ケーブル430の導体芯線は、自身の絶縁被覆434および圧着端子420の圧着スリーブ部424の間に露出している。従って、このプラテン230を備えた記録部110が稼働するうちには、これらの部分にもインクが付着し、接続ケーブル430の絶縁被覆434の表面を伝うと共に、内部の導体芯線432の間隙にも浸入する。しかしながら、図9に示す通り、このプラテン本体232は、その下面にクランプ部500を備え、これら接続ケーブル430に付着したインクが電圧源270に向かって伝播することを防止している。
図10は、プラテン230の裏面に形成されたクランプ部500の形状を抜き出して示す斜視図である。同図に示すように、クランプ部500は、プラテン本体232の下面から起立した一対の柱状部510、520を有する。一対の柱状部510、520の間隔は接続ケーブル430の直径よりも僅かに小さく、ここに接続ケーブル430を押し込むことにより、柱状部510、520は接続ケーブル430に対して側方から強く当接して、これを把持する。
このように、クランプ部500においては、柱状部510、520が接続ケーブル430の表面に側方から接しているので、接続ケーブル430の表面にインクが伝ってきた場合も、クランプ部500を越えて伝播することがない。従って、接続ケーブル430を伝ったインクが電圧源270に到達することもない。なお、クランプ部500に滞留した液体が大量になると、柱状部510、520の先端から滴下する。また、図6および図9は単一のクランプ部500を設けた例を描いているが、複数のクランプ部500を設けることにより、インクを塞止する効果を一層確実にすることもできる。
図11は、他の実施形態として、プラテン230の下面に形成されたケーブル案内部600の形状を示す平面図である。同図に示すように、ケーブル案内部600は、プラテン本体232の下面から突出する3本の柱状部610、620、630を有する。また、接続ケーブル430は、柱状部610、620、630の間を縫って屈曲される。
即ち、図上で下側の柱状部610は接続ケーブル430の左側に接し、次の柱状部620は右側に接し、更に、最後の柱状部は再び左側に接する。また、柱状部610、620、630の各々の径は小さく、また、相互の間隔も狭い。従って、接続ケーブル430は、柱状部610、620、630の間を小さな曲率で曲がりつつ通過する。
上記のようなケーブル案内部600において、接続ケーブル430自体の弾性により、柱状部610、620、630は、接続ケーブル430を側方から強く圧迫する。このため、接続ケーブル430の表面を伝ったインクは、柱状部610、620、630に塞止され、ケーブル案内部600を越えて伝播することがない。また、小さく屈曲されるので、接続ケーブル430内部の導体芯線432の間隙に浸透したインクも、ケーブル案内部600を越えて伝播することがない。なお、接続ケーブル430として、単一の太い導体芯線432を有する単芯線を用いることにより、内部へのインクの浸透を防止することもできる。
図12は、図11に示したケーブル案内部600を側方から見た様子を示す側面図である。同図に示すように、プラテン本体232の下面から突出する柱状部610、620、630は、相互に高さが異なっている。このような形状により、最も長い柱状部610から接続ケーブル430を順次かけることにより、狭い柱状部610、620、630の間に、容易に接続ケーブル430を装着することができる。
図13は、接続ケーブル430の断面構造を示す、図11に点線Sで示す箇所における断面図である。同図に示すように、細い複数の導体芯線432は、鞘状の絶縁被覆434により包囲される。導体芯線432相互の間にはそれぞれに間隙があり、接続ケーブル430が屈曲しやすい構造を有する。しかしながら、この間隙にインクが入り込んだ場合は、接続ケーブル430内をインクが伝播する。
図14は、ケーブル案内部600に装着された接続ケーブル430の内部の状態を示す、図11に点線Sで示す箇所における断面図である。同図に示すように、ケーブル案内部600においては、柱状部610、630が絶縁被覆434の弾性に打ち勝って柱状部610、630が接続ケーブル430を側方から圧迫する。このため、接続ケーブル430の内部においても、導体芯線432は相互に押し付けられ、接続ケーブル430内部の間隙は非常に狭くなる。これにより、接続ケーブル430の内部をインクが伝播し難くなると共に、仮に伝播した場合もその量は僅かになる。従って、接続ケーブル430内を伝ったインクが電圧源270に到達することが効果的に抑制される。
なお、いずれの実施形態においても、電極310に接続された接続ケーブル430の一端は、プラテン230の上面から取り出された端子部314に接続され、プラテン本体232の下面を通過した後、電圧源270に接続される。また、図2および図3を参照して説明した通り、電圧源270は、記録部110の内部機構200において最も高い位置に配置される。従って、プラテン230に収容された吸収部材236から接続ケーブル430を経過して電圧源270に至るインクの伝播経路に着目した場合、プラテン230側と電圧源270側の間には、そのいずれの端部よりも低い部分が形成される。従って、電圧源270にインクが到達するには、重力に逆らって上昇しなければならず、電圧源270へのインクの到達を抑制できる。
更に、図15は、接続ケーブル430に装着する塞止部材700の形状および装着方法の一例を示す斜視図である。接続ケーブル430が水平に近い状態で配線される場合、付着したインクが接続ケーブル430の表面を伝って電圧源270に向かって流れる。しかしながら、同図に示すように、接続ケーブル430の中間部に塞止部材700を装着することにより、インクの伝播を止めることかできる。
即ち、塞止部材700は、環状の形状を有し、一部に切り込み部710を形成される。従って、切り込み部710を通過させることにより、接続ケーブル430の任意の箇所に装着できる。また、塞止部材700の内径は、接続ケーブル430の外径と等しい。従って、接続ケーブル430に装着した状態では、塞止部材700は接続ケーブル430に密着する。このような塞止部材700を接続ケーブル430の中間部に装着することにより、接続ケーブル430の表面を伝うインクは塞止部材700により塞止され、その先まで伝播することがない。従って、接続ケーブル430の表面を伝ったインクが電圧源270に到達することが効果的に防止される。
また、上記のようなクランプ部500またはケーブル案内部600を備えたプラテン230またはプラテン本体232を単体で供給することもできる。これにより、電極310への接続ケーブル430を備えた既存の液体噴射装置において、プラテン230またはプラテン本体232を交換することにより、接続ケーブル430を伝うインクに起因する障害を防止できる。
なお、ここでは記録読取複合機100の記録部110を例に挙げて説明したが、液体噴射装置としては、液体噴射ヘッドとして材噴射ヘッドを備えた液晶ディスプレイのカラーフィルタ製造装置、液体噴射ヘッドとして電極材(電導ペースト)噴射ヘッドを備えた有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成装置、液体噴射ヘッドとして生体有機物噴射ヘッドおよび精密ピペットを備えたバイオチップ製造装置等を例示できる。また、被記録物とは、液体噴射ヘッドから噴射された液体を付着され得るものを一般に指し、記録用紙の他に、回路基板、円板形光記録媒体、プレパラート等も含まれる。
更に、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることは当業者に明らかである。また、その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
記録読取複合機100の全体を概観する斜視図である。 記録部110の内部機構200を抜き出して示す斜視図である。 内部機構200を上方から見た様子を示す平面図である。 プラテン230単独の構造を示す分解斜視図である。 図4に示した部品を組み立てた状態のプラテン230を示す斜視図である。 図5に示したプラテン230の裏面(下面)を示す斜視図である。 エアロゾル収集機構300の動作を説明する概念図である。 図5に示したプラテン230における電気的な接続構造を拡大して示す斜視図である。 図8に示した接続構造近傍におけるプラテン本体232の裏面の構造を示す図である。 プラテン230の裏面に形成されたクランプ部500の形状を示す図である。 プラテン230の裏面に形成されたケーブル案内部600の形状を示す平面図である。 図11に示したケーブル案内部600を側方から見た様子を示す図である。 接続ケーブル430の断面形状を示す図である。 図11および図12に示した状態における接続ケーブル430の内部の状態を示す断面図である。 接続ケーブル430に装着する塞止部材700の形状および装着方法を示す斜視図である。
符号の説明
100 記録読取複合機、110 記録部、111 ケース底部、112 下ケース、114 前カバー、120 読取部、122 上ケース、124 上カバー、130 操作パネル、132 表示パネル、134 操作ボタン、136 パイロットランプ、150 記録用紙、200 内部機構、202 フレーム、210 給送部、211、212 ペーパサポート、213 延長部、214 サイドサポート、216 スライドサポート、218 給送ローラ、220 搬送部、224 搬送従動ローラ、230 プラテン、231 底部、232 プラテン本体、233 側壁部、234 リブ、235、237 収容部、236、238 吸収部材、240 排出部、244 排出従動ローラ、248 排出トレイ、250 キャリッジ、251 プーリ、252 ノズルプレート、253 タイミングベルト、254 開口、255 キャリッジモータ、260 制御部、270 電圧源、300 エアロゾル収集機構、310 電極、311 インク、312 連結部、313 インク柱、314 端子部、315 サテライト・インク、317 インク滴、319 画像、410 ネジ、420 圧着端子、 422 環状部、424 圧着スリーブ部、430 接続ケーブル、432 導体芯線、434 絶縁被覆、500 クランプ部、510、520、610、620、630 柱状部、600 ケーブル案内部、700 塞止部材、710 切り込み部

Claims (9)

  1. 開口を有する導電性のノズルプレートを有し、前記開口から被記録物の表面に向かって液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記被記録物を挟んで前記ノズルプレートに対向した位置に配置され、前記被記録物の裏面に当接して前記被記録物を支持するプラテンと、
    前記開口からの液体の噴射方向について前記被記録物よりも遠方に、前記ノズルプレートに対向して配置され、前記開口から噴射されながら前記被記録物に付着しなかった液体を吸収する吸収部材と、
    前記吸収部材に隣接して配置された電極と、
    接続ケーブルを介して前記電極に結合され、前記電極に対して電圧を印加して前記ノズルプレートおよび前記電極の間に電位差を発生させる電位差発生手段と
    を備えた液体噴射装置であって、
    更に、前記接続ケーブルの一部に対して、前記接続ケーブルの長手方向について側方から当接して、前記電極から前記電位差発生手段に向かって前記接続ケーブルの表面を伝う液体を塞き止める塞止部を備える液体噴射装置。
  2. 前記塞止部は、前記接続ケーブルを挟むクランプ手段である請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記塞止部は、前記接続ケーブルの曲げ剛性に打ち勝って、前記接続ケーブルを小さな曲率で曲げた状態で保持するケーブル案内手段である請求項1または請求項2までのいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  4. 前記接続ケーブルに対して複数の前記塞止部が設けられた請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記電位差発生手段は、重力加速度の方向について、前記吸収部材に吸収された液体の液面よりも高い位置に配置される請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記接続ケーブルは、単芯線である請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  7. 前記接続ケーブルは、前記電極から前記電位差発生手段に至る過程で、前記吸収部材に吸収された液体の液面および前記電位差発生手段のいずれよりも、重力加速度の方向について低い位置を通過する請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  8. 開口を有する導電性のノズルプレートを有し、前記開口から被記録物の表面に向かって液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置において、前記被記録物を挟んで前記ノズルプレートに対向した位置に配置され、前記被記録物の裏面に当接して前記被記録物を支持するプラテンであって、
    前記開口からの液体の噴射方向について前記被記録物よりも遠方に、前記ノズルプレートに対向して配置され、前記開口から噴射されながら前記被記録物に付着しなかった液体を吸収する吸収部材と、
    前記吸収部材に隣接して配置された電極と、
    接続ケーブルを介して前記電極に結合され、前記電極に対して電圧を印加して前記ノズルプレートおよび前記電極の間に電位差を発生させる電位差発生手段と、
    更に、前記接続ケーブルの一部に対して、前記接続ケーブルの長手方向について側方から当接して、前記電極から前記電位差発生手段に向かって前記接続ケーブルの表面を伝う液体を塞き止める塞止部と
    を備えるプラテン。
  9. 開口を有する導電性のノズルプレートを有し、前記開口から被記録物の表面に向かってインクを吐出する記録ヘッドと、
    前記被記録物を挟んで前記ノズルプレートに対向した位置に配置され、前記被記録物の裏面に当接して前記被記録物を支持するプラテンと、
    前記開口からのインクの吐出方向について前記被記録物よりも遠方に、前記ノズルプレートに対向して配置され、前記開口から吐出されながら前記被記録物に付着しなかったインクを吸収する吸収部材と、
    前記吸収部材に隣接して配置された電極と、
    接続ケーブルを介して前記電極に結合され、前記電極に対して電圧を印加して前記ノズルプレートおよび前記電極の間に電位差を発生させる電位差発生手段と
    を備えた記録装置であって、
    更に、前記接続ケーブルの一部に対して、前記接続ケーブルの長手方向について側方から当接して、前記電極から前記電位差発生手段に向かって前記接続ケーブルの表面を伝うインクを塞き止める塞止部を備える記録装置。
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