JP2010274031A - 医療用精製水の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】RO処理水を貯水タンク2に送って貯水する工程、貯水タンク2のRO処理水をEDI装置3に送ってEDI処理水を得る工程、EDI処理水を第3ライン14から貯水タンク2に返送して、RO処理水とEDI処理水の混合水を得る工程と、前記混合水を第2ライン13から再度EDI装置3に送って処理する工程を繰り返す循環工程を有している。循環工程では、貯水タンク2内のエンドトキシン(ET)濃度を測定装置20でモニターしながらEDI処理水の循環量を調節する。
【選択図】図1
Description
非特許文献2には、貯水タンク装置以降のラインに薬剤注入器を設けて循環・洗浄させることが記載されている。この方法では従来から指摘されてきた殺菌薬剤の残留問題が解決されず、また精製水製造を停止させて行う洗浄法であるため、洗浄と同時に精製水製造を行うことができない。
逆浸透膜処理装置(以下「RO処理装置」という)、貯水タンク、電気再生式脱イオン装置(以下「EDI装置」という)を有する医療用精製水の製造装置を用いた医療用精製水の製造方法であって、
前記製造装置が、前記RO処理装置による処理水(以下「RO処理水」という)を前記貯水タンクに溜めることができ、前記貯水タンクに溜めた処理水を前記EDI装置に供給し、処理水(以下「EDI処理水」という)を得ることができ、
RO処理装置から貯水タンクにRO処理水を送る第1ラインと、貯水タンク内の水をEDI装置に送る第2ラインと、EDI装置からRO処理水が貯水された貯水タンクにEDI処理水を返送する第3ラインを有し、EDI装置から第3ラインを用いた貯水タンクへの送水と、貯水タンクから第2ラインを用いたEDI装置への送水を組み合わせた循環ラインが形成されたものであり、
RO処理装置にて得られたRO処理水を第1ラインから貯水タンクに送って貯水する第1工程と、
貯水タンクに貯水されたRO処理水を第2ラインからEDI装置に送って処理し、EDI処理水を得る第2工程を有しており、
更にEDI処理水を第3ラインから貯水タンクに返送して、RO処理水とEDI処理水の混合水を得る第3工程と、前記混合水を第2ラインから再度EDI装置に送って処理する第4工程を繰り返す循環工程を有しており、
循環工程に移行したとき、貯水タンク内のエンドトキシン(以下「ET」という)濃度をモニターしながらEDI処理水の循環量を調節することでET濃度を低下させる、医療用精製水の製造方法を提供する。
逆浸透膜処理装置(以下「RO処理装置」という)、貯水タンク、電気再生式脱イオン装置(以下「EDI装置」という)を有しており、
前記RO処理装置による処理水(以下「RO処理水」という)を前記貯水タンクに溜めることができ、前記貯水タンクに溜めた処理水を前記EDI装置に供給し、処理水(以下「EDI処理水」という)を得ることができる医療用精製水の製造装置であって、
RO処理装置から貯水タンクにRO処理水を送る第1ラインと、貯水タンク内の水をEDI装置に送る第2ラインと、EDI装置からRO処理水が貯水された貯水タンクにEDI処理水を返送する第3ラインを有し、EDI装置から第3ラインを用いた貯水タンクへの送水と、貯水タンクから第2ラインを用いたEDI装置への送水を組み合わせた循環ラインが形成されており、
前記貯水タンクにエンドトキシン(以下「ET」という)測定装置が接続されている、医療用精製水の製造装置を提供する。
ROポンプ4を作動させ、原水供給ライン11から水道水をRO処理装置1に送って処理して、RO処理水を得る。その後、得られたRO処理水を第1ライン12から貯水タンク2に送って貯水する。なお、原水となる水道水は、必要に応じて、軟水装置、活性炭、ミクロフィルター等で前処理することもできる。
次に、EDI供給ポンプ5を作動させて、貯水タンク2に貯水されたRO処理水を第2ライン13からEDI装置3に送って処理し、EDI処理水を得る。
供給液量が、好ましくは50〜4500L/hrであり、
EDI水量(脱塩水量)が、好ましくは30〜4000L/hrであり、
濃縮水流量が、好ましくは供給液量の5%〜20%の流量であり、
印加電圧は30〜1000Vが好ましく、印加電流は0.5〜6A、印加電流密度で0.1〜4A/dm2が好ましい。
次に、EDI処理水を第3ライン14から貯水タンク2に返送して、RO処理水とEDI処理水の混合水を得る。
EDI装置運転時の印加電流密度が0.1〜4A/dm2の範囲であり、貯水タンク2内のET濃度が20EU/L以上であるときには、ET濃度が20EU/L未満になるまでEDI処理水の全量を貯水タンク2に返送し、その後はEDI処理水の一部量を返送しながら医療用精製水を取水する工程と、
貯水タンク2内のET濃度が20EU/L以上になったとき、医療用精製水の取水を中止し、再度、ET濃度が20EU/L未満になるまでEDI処理水の全量を貯水タンク2に返送する工程を繰り返す方法を適用できる。
EDI装置運転時の印加電流密度が0.1〜4A/dm2の範囲であり、貯水タンク2内のET濃度が20EU/L以上であるときには、ET濃度が10EU/L以下になるまでEDI処理水の全量を貯水タンク2に返送し、その後はEDI処理水の一部量を返送しながら医療用精製水を取水する工程と、
貯水タンク2内のET濃度が10EU/Lを超えたとき、医療用精製水の取水量を減少させながら、再度、ET濃度が10EU/L以下になるまでEDI処理水の全量を貯水タンク2に返送する工程を繰り返す方法を適用できる。
(1)EDI装置3と貯水タンク2間の循環工程の開始(貯水タンク2中のET濃度のモニター開始)/RO処理水の貯水タンク2への送水停止(RO処理装置1の運転停止)。
(2)医療用精製水の取水・使用開始/貯水タンク2中のET濃度モニターの継続。
(3)貯水タンク2の水量低下に伴い、RO処理水の貯水タンク2への送水開始(RO処理装置1の運転開始)/EDI装置3と貯水タンク2間の循環工程の停止(貯水タンク2中のET濃度のモニターは停止又は継続)。
(4)上記(1)〜(3)の繰り返し。(1)のEDI装置3から貯水タンク2へのEDI処理水の返送は、ET濃度に応じて全量返送又は一部量返送を選択実施する。
(1)EDI装置3と貯水タンク2間の循環工程の開始(貯水タンク2中のET濃度のモニター開始)。
(2)循環工程と並行して、RO処理水の貯水タンク2への送水量の調整(貯水タンク2の水量に応じて、RO処理装置1の運転を適宜停止乃至開始)/貯水タンク2中のET濃度モニターの継続。
(3)医療用精製水の取水・使用開始/貯水タンク2中のET濃度モニターの継続。
(4)RO処理水の貯水タンク2への送水量の調整(貯水タンク2の水量に応じて、RO処理装置1の運転を適宜停止乃至開始)/貯水タンク2中のET濃度モニターの継続。(1)のEDI装置3から貯水タンク2へのEDI処理水の返送は、ET濃度に応じて全量返送又は一部量返送を選択実施する。
また、実施例で使用した生菌数測定装置を用いれば、菌数を直接、蛍光検出して測定するため迅速な菌数測定が可能であり、貯水タンク2中の菌数を該生菌数測定装置でモニターしながら前記の循環工程を行うことによって菌数レベルでも高品質の精製水を安定して供給することができる。
なお、生菌数の測定は、培養法が用いられることが多いが、実施例で使用した直接法の生菌数測定装置は、迅速な測定が可能であると同時に、培養法に比べて10倍以上の感度を有するとされており、最近、血液透析治療で求められている超純粋透析液基準の0.1cfu/ml未満の低濃度レベルの菌数を測定する場合においても好適な測定方法と期待される。
RO処理装置1:オルガノ(株)製のRO装置(RO水製造能力:600L/hr)
貯水タンク2:容量2000L、材質:ポリエチレン
EDI装置3:ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製EDI2000(EDI電極面積:4.2dm2)
ET濃度測定装置(手動式)20:トキシノメータミニ(和光純薬(株)製)
生菌数測定装置:Panasonic バイオプローラ BP−2(パナソニック(株)製)
2.EDI運転条件
EDI脱塩水量:2000L/hr
EDI濃縮水量:200L/hr
EDI電極水量:10L/hr
印加電圧:407V
印加電流:1.5A(印加電流密度:0.36A/dm2)
図1に示す製造フローにて医療用精製水を製造した。運転は、貯水タンク2に1000LのRO水が溜まった時点で、EDI装置3の運転を開始した。EDI装置3の運転開始から、EDI処理水の全量を貯水タンク2に循環させながら、貯水タンク2中のET濃度をET濃度測定装置20で測定した。循環運転の詳細は、下記のとおりであった。
<40分間の全量循環運転時>
・EDI装置3から貯水タンク2への返送量総計:1000L
・貯水タンク2の平均水量(循環運転の開始から所定時間経過時までの間の平均値であり、5分ごとに貯水タンク2の水量を計測し、その平均値から求めた。):935L
貯水タンク2中のET濃度と生菌数、EDI装置3の脱塩水中のET濃度と生菌数の測定結果は下記のとおりであった。
・貯水タンク2中のET濃度:18.5EU/L
・EDI装置3の脱塩水中のET濃度:0.89EU/L(ET除去率=95.2%)
・貯水タンク2中の生菌数:4.0個/ml
・EDI装置3の脱塩水中の生菌数:3個/10ml(除菌率92.5%)
・一部量の返送:1150L/hr
貯水タンク2中のET濃度と生菌数、EDI装置3の脱塩水中のET濃度と生菌数の測定結果は下記の通りであった。
・貯水タンク2中のET濃度:9.5EU/L
・EDI装置3の脱塩水中のET濃度:0.44EU/L(ET除去率=95.4%)
・貯水タンク2中の生菌数:1.8個/ml
・EDI装置3の脱塩水中の生菌数:1個/10ml(除菌率94.4%)
2 貯水タンク
3 EDI装置
4 ROポンプ
5 EDI供給ポンプ
11 原水(水道水)供給ライン
12 第1ライン
13 第2ライン
14 第3ライン
15 精製水の取水ライン
20 手動又は自動のET濃度測定装置
Claims (5)
- 逆浸透膜処理装置(以下「RO処理装置」という)、貯水タンク、電気再生式脱イオン装置(以下「EDI装置」という)を有する医療用精製水の製造装置を用いた医療用精製水の製造方法であって、
前記製造装置が、前記RO処理装置による処理水(以下「RO処理水」という)を前記貯水タンクに溜めることができ、前記貯水タンクに溜めた処理水を前記EDI装置に供給し、処理水(以下「EDI処理水」という)を得ることができ、
RO処理装置から貯水タンクにRO処理水を送る第1ラインと、貯水タンク内の水をEDI装置に送る第2ラインと、EDI装置からRO処理水が貯水された貯水タンクにEDI処理水を返送する第3ラインを有し、EDI装置から第3ラインを用いた貯水タンクへの送水と、貯水タンクから第2ラインを用いたEDI装置への送水を組み合わせた循環ラインが形成されたものであり、
RO処理装置にて得られたRO処理水を第1ラインから貯水タンクに送って貯水する第1工程と、
貯水タンクに貯水されたRO処理水を第2ラインからEDI装置に送って処理し、EDI処理水を得る第2工程を有しており、
更にEDI処理水を第3ラインから貯水タンクに返送して、RO処理水とEDI処理水の混合水を得る第3工程と、前記混合水を第2ラインから再度EDI装置に送って処理する第4工程を繰り返す循環工程を有しており、
循環工程に移行したとき、貯水タンク内のエンドトキシン(以下「ET」という)濃度をモニターしながらEDI処理水の循環量を調節することでET濃度を低下させる、医療用精製水の製造方法。 - 循環工程における貯水タンク内のET濃度が20EU/L未満になるようにEDI処理水の循環量を調節する、請求項1記載の医療用精製水の製造方法。
- 循環工程において、
貯水タンク内のET濃度が20EU/L以上であるときには、前記ET濃度が20EU/L未満になるまでEDI処理水の全量を貯水タンクに返送し、その後はEDI処理水の一部量を返送しながら医療用精製水を取水する工程と、
貯水タンク内のET濃度が20EU/L以上になったとき、医療用精製水の取水を中止し、再度、前記ET濃度が20EU/L未満になるまでEDI処理水の全量を貯水タンクに返送する工程を繰り返す、請求項1記載の医療用精製水の製造方法。 - 循環工程において、
貯水タンク内のET濃度が20EU/L以上であるときには、前記ET濃度が10EU/L未満になるまでEDI処理水の全量を貯水タンクに返送し、その後はEDI処理水の一部量を返送しながら医療用精製水を取水する工程と、
貯水タンク内のET濃度が10EU/Lを超えたとき、医療用精製水の取水量を減少させながら、再度、前記ET濃度が10EU/L未満になるまでEDI処理水の全量を貯水タンクに返送する工程を繰り返す、請求項1記載の医療用精製水の製造方法。 - 逆浸透膜処理装置(以下「RO処理装置」という)、貯水タンク、電気再生式脱イオン装置(以下「EDI装置」という)を有しており、
前記RO処理装置による処理水(以下「RO処理水」という)を前記貯水タンクに溜めることができ、前記貯水タンクに溜めた処理水を前記EDI装置に供給し、処理水(以下「EDI処理水」という)を得ることができる医療用精製水の製造装置であって、
RO処理装置から貯水タンクにRO処理水を送る第1ラインと、貯水タンク内の水をEDI装置に送る第2ラインと、EDI装置からRO処理水が貯水された貯水タンクにEDI処理水を返送する第3ラインを有し、EDI装置から第3ラインを用いた貯水タンクへの送水と、貯水タンクから第2ラインを用いたEDI装置への送水を組み合わせた循環ラインが形成されており、
前記貯水タンクにエンドトキシン(以下「ET」という)測定装置が接続されている、医療用精製水の製造装置。
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