JP2010272290A - マイクロ波漏洩抑制部材およびマイクロ波加熱炉 - Google Patents

マイクロ波漏洩抑制部材およびマイクロ波加熱炉 Download PDF

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Abstract

【課題】挿通孔と軸部材との間の隙間からのマイクロ波の漏洩を抑制可能なマイクロ波漏洩抑制部材およびマイクロ波加熱炉を提供することを課題とする。
【解決手段】マイクロ波漏洩抑制部材4は、軸方向から見て、導電性の壁部材200を貫通する挿通孔22と、挿通孔22に変位可能に挿通される軸部材3と、の間の隙間に配置される。マイクロ波漏洩抑制部材4は、導電性を有し、軸部材3の外周面に弾接し、周方向に並ぶ複数の爪部401を備える。隣り合う任意の一対の爪部401間の隙間C1は、マイクロ波Mの波長よりも小さく設定されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、隙間からのマイクロ波の漏洩を抑制するマイクロ波漏洩抑制部材、およびこのマイクロ波漏洩抑制部材を備えるローラハースキルンタイプのマイクロ波加熱炉に関する。
例えば、特許文献1には、マイクロ波と電熱ヒータとを併用して被加熱物を加熱するローラハースキルンタイプのマイクロ波加熱炉が開示されている。マイクロ波加熱炉は、多数のローラを備えている。多数のローラは、被加熱物の搬送方向に沿って並べられている。多数のローラは、各々、自身の軸回りに回転可能である。上流側のローラから下流側のローラに次々と被加熱物が受け継がれることにより、被加熱物は炉内を搬送される。
ところで、ローラを回転させるためには、ローラに回転方向の駆動力を加える必要がある。また、ローラを回転可能に支持する必要がある。このため、ローラの軸方向両端は、ハウジングに穿設されたローラ挿通孔を介して、炉外に突出している。軸方向一端は、スプロケット、チェーンなどを介して、モータの回転軸に連結されている。軸方向他端は、回転可能に支持されている。
特開2008−282628号公報
しかしながら、ローラの軸方向両端が炉外に突出していると、ローラ挿通孔とローラとの間の隙間から、マイクロ波が炉外に漏洩するおそれがある。この点、特許文献1には、電熱ヒータからのマイクロ波の漏洩を抑制するマイクロ波漏洩防止構造が開示されている。特許文献1のマイクロ波漏洩防止構造は、炉殻の貫通孔とヒータとの間の隙間を封止している。貫通孔つまり炉殻と、ヒータと、は共に不動体である。また、炉殻の貫通孔とヒータとの間の隙間は、変形しない。
これに対して、ローラは、被加熱物を搬送するために、搬送時は常時回転している。すなわち、ローラ挿通孔とローラとの間の隙間は、不動体と動体との間に区画されている。このため、特許文献1のマイクロ波漏洩防止構造を、ローラ挿通孔とローラとの間の隙間からのマイクロ波の漏洩の抑制に、転用することは困難である。
また、ローラ挿通孔とローラとの間の隙間は、例えばローラ挿通孔に対するローラの偏心などにより変形する。この点においても、特許文献1のマイクロ波漏洩防止構造を、ローラ挿通孔とローラとの間の隙間からのマイクロ波の漏洩の抑制に、転用することは困難である。
本発明のマイクロ波漏洩抑制部材およびマイクロ波加熱炉は、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、挿通孔と軸部材との間の隙間からのマイクロ波の漏洩を抑制可能なマイクロ波漏洩抑制部材およびマイクロ波加熱炉を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明のマイクロ波漏洩抑制部材は、軸方向から見て、導電性の壁部材を貫通する挿通孔と、該挿通孔に変位可能に挿通される軸部材と、の間に区画される環状の隙間に配置されるマイクロ波漏洩抑制部材であって、導電性を有し、前記軸部材の外周面に弾接し、周方向に並ぶ複数の爪部を備え、隣り合う任意の一対の該爪部間の隙間は、マイクロ波の波長よりも小さいことを特徴とする(請求項1に対応)。
本発明のマイクロ波漏洩抑制部材は、複数の爪部を備えている。複数の爪部は、マイクロ波の空間伝導経路である、挿通孔と軸部材との間に区画される環状の隙間に配置されている。
軸部材は、挿通孔に対して、例えば、回転方向、軸方向、径方向(偏心方向)、互いの軸同士が交差する方向(傾斜方向)、あるいはこれらを適宜組み合わせた方向などに、変位可能である。
複数の爪部は、軸部材の外周面に弾接している。このため、軸部材が径方向に変位する場合は、複数の爪部が軸部材の径方向変位に追随して弾性的に変形することにより、当該径方向変位を吸収することができる。すなわち、軸部材が径方向に変位する場合であっても、挿通孔と軸部材との間に区画される環状の隙間を封止することができる。
また、複数の爪部は、軸部材の外周面に固定されていない。このため、軸部材が回転方向、あるいは軸方向に変位する場合は、複数の爪部に対して軸部材が摺動することにより、当該変位を許容することができる。すなわち、軸部材が回転方向、あるいは軸方向に変位する場合であっても、挿通孔と軸部材との間に区画される環状の隙間を封止することができる。
このように、本発明のマイクロ波漏洩抑制部材によると、軸部材の変位を許容した状態で、マイクロ波が、挿通孔と軸部材との間の隙間から、漏洩するのを抑制することができる。
また、加工精度や設計誤差や組付誤差などにより、挿通孔と軸部材とが同軸上に配置されていない場合であっても、複数の爪部が弾性的に変形することにより、挿通孔と軸部材との間に区画される環状の隙間を封止することができる。
また、爪部に対して軸部材が摺動することにより、仮に、爪部が摩耗する場合であっても、摩耗量に応じて爪部は弾性変形することができる。このため、爪部は、軸部材に接触し続けることができる。したがって、挿通孔と軸部材との間に区画される環状の隙間を封止することができる。
また、隣り合う任意の一対の爪部間の隙間は、漏洩抑制対象であるマイクロ波の波長よりも小さく設定されている。このため、マイクロ波が、隣り合う任意の一対の爪部間の隙間から、漏洩するのを抑制することができる。
(1−1)好ましくは、上記(1)の構成において、隣り合う任意の一対の前記爪部間の隙間は、前記マイクロ波の波長の1/4以下である構成とする方がよい。こうすると、さらにマイクロ波の漏洩を抑制することができる。さらに好ましくは、上記(1)の構成において、隣り合う任意の一対の前記爪部間の隙間は、前記マイクロ波の波長の1/40以下である構成とする方がよい。こうすると、さらにマイクロ波の漏洩を抑制することができる。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、さらに、複数の前記爪部の径方向外側に連なる環状の基部を有し、該基部は、前記挿通孔の少なくとも一部を区画する挿通筒に固定される構成とする方がよい(請求項2に対応)。
本構成によると、複数の爪部の径方向外側に、環状の基部に連なっている。言い換えると、環状の基部から、径方向内側に向かって、複数の爪部が延在している。このため、複数の爪部を、個別に、挿通孔と軸部材との間の隙間に設置する場合と比較して、爪部の設置作業が容易になる。また、隣り合う任意の一対の爪部同士の位置関係は、不動である。このため、隣り合う任意の一対の爪部間の隙間を、所定の間隔に設定しやすい。
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記基部は、前記挿通筒の外周面に固定され、複数の前記爪部は、各々、該挿通筒の軸方向端部で前記挿通孔の内側に折り込まれ径方向内側に延在する梁部と、該梁部に連なり前記軸部材の前記外周面に弾接する先端部と、を有する構成とする方がよい(請求項3に対応)。
本構成によると、複数の爪部が、挿通孔の軸方向内側に折り込まれている。このため、複数の爪部を挿通孔の軸方向外側に配置する場合(この場合も、上記(1)の構成に含まれる。複数の爪部は、軸部材の軸方向から見て、挿通孔と軸部材との間の隙間に配置されていればよい。)と比較して、マイクロ波漏洩抑制部材の軸方向長さを短くすることができる。
また、本構成によると、複数の爪部は、各々、挿通筒の軸方向端部を略支点として、弾性的に揺動可能である。このため、先端部の揺動角度を大きくすることができる。したがって、軸部材の変位量が大きい場合であっても、複数の爪部は、軸部材の変位に追随して弾性的に変形可能である。
(4)好ましくは、上記(3)の構成において、前記先端部は、前記梁部に連なり前記軸部材の前記外周面に弾接する弾接部と、該弾接部に連なり該軸部材の該外周面に接触しない返し部と、を有する構成とする方がよい(請求項4に対応)。
本構成によると、弾接部の先方に返し部が配置されている。このため、返し部が配置されていない場合と比較して、複数の爪部に対して、軸部材を軸方向に移動させる際、複数の爪部が軸部材を引っ掻きにくい。したがって、例えば、挿通筒から軸部材を引き抜く場合や、挿通筒に軸部材を挿入する場合に、複数の爪部が軸部材を傷つけるのを、抑制することができる。
(5)好ましくは、上記(3)または(4)の構成において、前記基部は、前記挿通筒の前記外周面に固定される前は有端の帯状であって、さらに、締結力により該基部を該外周面に巻き付けるクランプ部材を有する構成とする方がよい(請求項5に対応)。
本構成によると、挿通筒に対するマイクロ波漏洩抑制部材の着脱作業が容易である。また、例えば、挿通筒から軸部材を引き抜く場合、クランプ部材の締結力を小さくし、挿通筒に対する基部の巻き付け力を緩めた状態で軸部材を引っ張ることにより、マイクロ波漏洩抑制部材が環装された状態で、軸部材を引き抜くことができる。すなわち、軸部材と複数の爪部との位置関係が不動のまま、軸部材を引き抜くことができる。このため、複数の爪部が軸部材を傷つけるのを、抑制することができる。
(6)また、上記課題を解決するため、本発明のマイクロ波加熱炉は、外壁と、該外壁の内部に区画され前記マイクロ波を用いて被加熱物を加熱する加熱室と、各々、該外壁を貫通すると共に該加熱室と外部とを連通し該被加熱物の搬送方向に並ぶ複数のローラ挿通孔と、を有するハウジングと、各々、ローラ挿通孔に挿通され、軸回りに回転することにより、該加熱室において該被加熱物を搬送する複数のローラと、を備え、複数の該ローラを回転させ、上流側の該ローラから下流側の該ローラに該被加熱物を受け渡すことにより、該被加熱物を搬送するローラハースキルンタイプのマイクロ波加熱炉であって、さらに、上記(1)ないし上記(5)のいずれかのマイクロ波漏洩抑制部材を備え、前記壁部材は前記外壁であり、前記挿通孔は前記ローラ挿通孔であり、前記軸部材は前記ローラであることを特徴とする(請求項6に対応)。
本発明のマイクロ波加熱炉によると、マイクロ波漏洩抑制部材の複数の爪部は、マイクロ波の空間伝導経路である、ローラ挿通孔とローラとの間に区画される環状の隙間に配置されている。
ローラは、ローラ挿通孔に対して、例えば、回転方向、軸方向、径方向(偏心方向)、互いの軸同士が交差する方向(傾斜方向)、あるいはこれらを適宜組み合わせた方向などに、変位可能である。
複数の爪部は、ローラの外周面に弾接している。このため、ローラが径方向に変位する場合は、複数の爪部がローラの径方向変位に追随して弾性的に変形することにより、当該径方向変位を吸収することができる。すなわち、ローラが径方向に変位する場合であっても、ローラ挿通孔とローラとの間に区画される環状の隙間を封止することができる。
また、複数の爪部は、ローラの外周面に固定されていない。このため、ローラが回転方向、あるいは軸方向に変位する場合は、複数の爪部に対してローラが摺動することにより、当該変位を許容することができる。すなわち、ローラが回転方向、あるいは軸方向に変位する場合であっても、ローラ挿通孔とローラとの間に区画される環状の隙間を封止することができる。
このように、本発明のマイクロ波加熱炉によると、ローラの変位を許容した状態で、マイクロ波が、ローラ挿通孔とローラとの間の隙間から、漏洩するのを抑制することができる。
また、加工精度や設計誤差や組付誤差などにより、ローラ挿通孔とローラとが同軸上に配置されていない場合であっても、複数の爪部が弾性的に変形することにより、ローラ挿通孔とローラとの間に区画される環状の隙間を封止することができる。
また、爪部に対してローラが摺動することにより、仮に、爪部が摩耗する場合であっても、摩耗量に応じて爪部は弾性変形することができる。このため、爪部は、ローラに接触し続けることができる。したがって、ローラ挿通孔とローラとの間に区画される環状の隙間を封止することができる。
また、隣り合う任意の一対の爪部間の隙間は、漏洩抑制対象であるマイクロ波の波長よりも小さく設定されている。このため、マイクロ波が、隣り合う任意の一対の爪部間の隙間から、漏洩するのを抑制することができる。
本発明によると、挿通孔と軸部材との間の隙間からのマイクロ波の漏洩を抑制可能なマイクロ波漏洩抑制部材およびマイクロ波加熱炉を提供することができる。
本発明の一実施形態であるマイクロ波加熱炉の長手方向一部の斜視図である。 図1のII−II方向断面図である。 同マイクロ波加熱炉の前壁部分の拡大斜視図である。 同マイクロ波加熱炉のローラ挿通筒部分の拡大斜視図である。 同マイクロ波加熱炉のローラ挿通筒とマイクロ波漏洩抑制部材との分解斜視図である。 図2の枠VI内の拡大図である。 図6の枠VII内の拡大図である。 図7に示す部分を、後方から見た拡大図である。 同マイクロ波加熱炉の、ローラが変位する場合における、図6に対応する部分の拡大図である。
以下、本発明のマイクロ波加熱炉の実施の形態について説明する。なお、以下の説明は、本発明のマイクロ波漏洩抑制部材の説明を兼ねるものである。
<マイクロ加熱炉の構成>
まず、本実施形態のマイクロ波加熱炉の構成について説明する。図1に、本実施形態のマイクロ波加熱炉の長手方向(左右方向)一部の斜視図を示す。図2に、図1のII−II方向断面図を示す。
図1、図2に示すように、マイクロ波加熱炉1は、ローラーハースキルンタイプの加熱炉である。マイクロ波加熱炉1は、ハウジング2と、ローラ3と、マイクロ波漏洩抑制部材4と、電熱ヒータ5と、マイクロ波発生装置6と、スターラ7と、モータ8と、を備えている。なお、マイクロ波加熱炉1の左側が、上流側(搬入側)に相当する。また、マイクロ波加熱炉1の右側が、下流側(搬出側)に相当する。
[ハウジング2]
ハウジング2は、ハウジング本体20と、加熱室21と、ローラ挿通孔22と、アプリケータ23と、ローラ挿通筒24と、駆動側ブラケット25と、従動側ブラケット26と、駆動側軸受部27と、従動側軸受部28と、駆動側ケース29aと、従動側ケース29bと、を備えている。ローラ挿通筒24は、本発明の挿通筒に含まれる。
ハウジング本体20は、外壁200と、断熱材201と、を備えている。外壁200は、ステンレス鋼製(SUS製)であって、薄肉の角筒状を呈している。外壁200は、左右方向に延在している。外壁200は、電気的に接地されている。断熱材201は、セラミックファイバー製あるいは耐火煉瓦製であって、厚肉の角筒状を呈している。断熱材201は、外壁200の内側に配置されている。
ハウジング本体20には、ローラ挿通筒取付孔202と、アプリケータ取付孔203と、ヒータ挿通孔204と、が穿設されている。これらの孔は、各々、左右方向(マイクロ波加熱炉1の長手方向)に所定間隔ずつ離間して、複数配置されている。また、これらの孔は、後述する加熱室21と、加熱室21の外部と、を連通している。
ローラ挿通筒取付孔202は、ハウジング本体20の前壁および後壁に、多数配置されている。前壁の多数のローラ挿通筒取付孔202と、後壁の多数のローラ挿通筒取付孔202と、は前後方向に対向している。
ヒータ挿通孔204は、ハウジング本体20の前壁および後壁に、多数配置されている。前壁の多数のヒータ挿通孔204は、前壁の多数のローラ挿通筒取付孔202を挟んで、上下二段に配置されている。後壁の多数のヒータ挿通孔204は、後壁の多数のローラ挿通筒取付孔202を挟んで、上下二段に配置されている。前壁の多数のヒータ挿通孔204と、後壁の多数のヒータ挿通孔204と、は前後方向に対向している。アプリケータ取付孔203は、ハウジング本体20の上壁に、所定数だけ配置されている。
加熱室21は、断熱材201の内側に区画されている。すなわち、加熱室21は、断熱材201および外壁200により、外側から二層に囲まれている。
アプリケータ23は、SUS製であって、有底角筒状を呈している。アプリケータ23は、下方に開口している。アプリケータ23は、アプリケータ取付孔203に伏設されている。アプリケータ23の前壁には、導波管取付孔230が配置されている。
駆動側ブラケット25は、SUS製であって、L字状を呈している。駆動側ブラケット25は、ハウジング本体20の後壁に配置されている。駆動側軸受部27は、円筒状を呈している。駆動側軸受部27は、駆動側ブラケット25の立壁(後壁)後面に、多数配置されている。
図3に、本実施形態のマイクロ波加熱炉の前壁部分の拡大斜視図を示す。なお、図3においては、説明の便宜上、ローラ3を透過して示す。図3に示すように、従動側ブラケット26は、SUS製であって、L字状を呈している。従動側ブラケット26は、ハウジング本体20の前壁に配置されている。従動側ブラケット26の上縁には、凹部260が形成されている。凹部260は、左右方向に並んで、多数配置されている。従動側軸受部28は、多数の転動体280を備えている。多数の転動体280は、凹部260の前側と後側とに、二つずつ、交互に配置されている。対になる二つの転動体280は、凹部260を挟んで、左右両側に配置されている。凹部260には、後述するローラ3の前端が挿通されている。凹部260を挟んで配置される二つの転動体280は、ローラ3の前端を回転可能に支持している。
図4に、本実施形態のマイクロ波加熱炉のローラ挿通筒部分の拡大斜視図を示す。図5に、同マイクロ波加熱炉のローラ挿通筒とマイクロ波漏洩抑制部材との分解斜視図を示す。図6に、図2の枠VI内の拡大図を示す。なお、図4においては、説明の便宜上、ローラ3を透過して示す。
図3〜図6に示すように、ローラ挿通筒24は、SUS製であって、円筒状を呈している。ローラ挿通筒24は、螺合部240と、段差部241と、金具取付部242と、を備えている。螺合部240は、ローラ挿通筒24の後部分に配置されている。螺合部240の外周面には、ネジ部が形成されている。一方、ローラ挿通筒取付孔202の外壁貫通区間202aにも、ネジ部が形成されている。双方のネジ部が噛合することにより、螺合部240つまりローラ挿通筒24は、ローラ挿通筒取付孔202に、取り付けられている。段差部241は、ローラ挿通筒24の前部分に配置されている。段差部241は、後述するクランプリング41の位置決めに用いられる。金具取付部242は、段差部241の前方に配置されている。金具取付部242は、後述する金具40の取付に用いられる。ローラ挿通孔22は、ローラ挿通筒24の筒内空間と、ローラ挿通筒取付孔202の断熱材貫通区間202bと、により構成されている。
なお、ハウジング本体20の後壁側のローラ挿通筒24の構成は、上記前壁側のローラ挿通筒24の構成と、同様である。また、ハウジング本体20の後壁側のローラ挿通筒24の配置は、上記前壁側のローラ挿通筒24の配置と、前後対称である。
図1、図2に戻って、駆動側ケース29aは、SUS製であって、前方に開口する箱状を呈している。駆動側ケース29aは、ハウジング本体20の後壁に伏設されている。駆動側ケース29aは、後壁側のローラ挿通筒24、駆動側ブラケット25、電熱ヒータ5の後端、ローラ3の後端、を外部から遮断している。
従動側ケース29bは、SUS製であって、後方に開口する箱状を呈している。従動側ケース29bは、ハウジング本体20の前壁に伏設されている。従動側ケース29bは、前壁側のローラ挿通筒24、従動側ブラケット26、電熱ヒータ5の前端、ローラ3の前端、を外部から遮断している。
[電熱ヒータ5]
電熱ヒータ5は、加熱室21に熱を供給している。電熱ヒータ5は、炭化ケイ素製(SiC製)であって、円筒状を呈している。電熱ヒータ5は、前後方向に延在している。電熱ヒータ5は、左右方向に並んで、加熱室21に、多数配置されている。多数の電熱ヒータ5は、後述するローラ3を挟んで、上下二段に配置されている。電熱ヒータ5の前後方向両端は、各々、ヒータ挿通孔204を介して、加熱室21からハウジング本体20の外部に突出している。
[マイクロ波発生装置6]
マイクロ波発生装置6は、加熱室21にマイクロ波Mを供給している。マイクロ波発生装置6は、マグネトロン60と、導波管61と、を備えている。マグネトロン60は、アプリケータ23の前方に、所定数だけ配置されている。マグネトロン60は、2.45GHzのマイクロ波Mを発生する。
導波管61は、マグネトロン60と、アプリケータ23内部と、を連通している。すなわち、導波管61の一端は、マグネトロン60に連結されている。一方、導波管61の他端は、導波管取付孔230に連結されている。
[モータ8、スターラ7]
モータ8は、アプリケータ23の上方に、所定数だけ配置されている。スターラ7は、アプリケータ23の内部に、所定数だけ配置されている。スターラ7の回転軸は、アプリケータ23の上底壁を貫通して、モータ8の回転軸に連結されている。スターラ7は、軸回りに回転可能である。導波管61から供給されるマイクロ波Mは、回転するスターラ7に反射することにより、加熱室21に拡散される。
[ローラ3]
ローラ3は、SiC製であって、円筒状を呈している。ローラ3は、前後方向に延在している。ローラ3は、左右方向に並んで、加熱室21に多数配置されている。ローラ3の前端は、ローラ挿通孔22を介して、加熱室21からハウジング本体20の外部に突出している。ローラ3の前端は、従動側軸受部28の一対の転動体280(図3参照)に、回転可能に支持されている。ローラ3の後端は、ローラ挿通孔22を介して、加熱室21からハウジング本体20の外部に突出している。ローラ3の後端は、駆動側軸受部27に、回転可能に支持されている。また、ローラ3の後端には、スプロケット30が連結されている。所定数のローラ3のスプロケット30には、チェーン(図略)が巻装されている。チェーンは、モータ(図略)の回転軸に連結されている。すなわち、ローラ3は、モータの駆動力により、軸回りに回転可能に支持されている。
被加熱物Wは、回転するローラ3により、図1に白抜き矢印で示すように、加熱室21を左側から右側に向かって搬送される。搬送中、被加熱物Wは、マイクロ波Mおよび電熱ヒータ5により、所定の温度パターンで加熱される。
[マイクロ波漏洩抑制部材4]
図4〜図6に示すように、マイクロ波漏洩抑制部材4は、金具40と、クランプリング41と、を備えている。クランプリング41は、本発明のクランプ部材に含まれる。金具40は、ローラ挿通孔22を封止している。金具40は、基部400と、爪部401と、を備えている。基部400は、環状を呈している。基部400は、金具取付部242の外周面に配置されている。爪部401は、細板状を呈している。爪部401は、基部400の前縁から多数突設されている。多数の爪部401は、ローラ挿通孔22の孔軸を略中心とする、放射状に配置されている。周方向に隣り合う任意の一対の爪部401間の隙間C1は、マイクロ波Mの波長の1/40以下になるように、設定されている。多数の爪部401は、各々、梁部402と、先端部403と、を備えている。
梁部402は、基部400の前縁から金具取付部242に沿って前方に延在し、ローラ挿通筒24の前端でローラ挿通孔22の内側に折り込まれている。折り込まれた梁部402は、径方向内側かつ後方に延在している。
先端部403は、弾接部403aと、返し部403bと、を備えている。弾接部403aは、梁部402の先端に連なっている。弾接部403aは、ローラ3の外周面に弾接している。すなわち、図6に細線で示すように、ローラ3挿通前の金具40の内径D1は、ローラ3の外径D2よりも、小さい。このため、ローラ3を金具40の径方向内側に挿通することにより、爪部401は、ローラ挿通筒24の前端付近を支点として、図6に白抜き矢印で示すように、径方向外側に拡がるように弾性変形する。このため、弾接部403aは、ローラ3の外周面に弾接している。言い換えると、弾接部403aには、ローラ3挿通前の状態(自然状態)に復帰する分の径方向内向きの付勢力が、蓄積されている。
図7に、図6の枠VII内の拡大図を示す。図8に、図7に示す部分を、後方から見た拡大図を示す。図7に示すように、ローラ3の径方向から見て、弾接部403aの表面は、ローラ3の外周面に向かって膨らむ曲面状を呈している。一方、ローラ3の外周面は、前後方向に延びる平面状を呈している。このため、弾接部403aは、ローラ3の外周面に、点Aで接触している。また、図8に示すように、ローラ3の軸方向から見て、弾接部403aの表面は、平面状を呈している。一方、ローラ3の外周面は、曲面状を呈している。このため、弾接部403aは、ローラ3の外周面に、点Aで接触している。このように、ローラ3の径方向から見ても、軸方向から見ても、弾接部403aは、ローラ3の外周面に略点接触している。なお、弾接部403aとローラ3の外周面との間の微小な隙間は、マイクロ波Mの波長よりも小さくなるように、設定されている。返し部403bは、弾接部403aの先端に連なっている。返し部403bは、ローラ3の外周面に接触していない。
図4〜図6に戻って、クランプリング41は、金具40をローラ挿通筒24の前端に固定している。クランプリング41は、金属製であって、留め具410と、リング本体411と、を備えている。リング本体411は、基部400の外周面に巻装されている。すなわち、リング本体411と、金具取付部242と、により、基部400は、径方向両側から挟持、固定されている。留め具410のボルト410aを回転させることにより、リング本体411の周長を調整することができる。すなわち、基部400に対するクランプリング41の締結力を調整することができる。
なお、ハウジング本体20の後壁側のマイクロ波漏洩抑制部材4の構成は、上記前壁側のマイクロ波漏洩抑制部材4の構成と、同様である。また、ハウジング本体20の後壁側のマイクロ波漏洩抑制部材4の配置は、上記前壁側のマイクロ波漏洩抑制部材4の配置と、前後対称である。
<マイクロ波漏洩抑制部材4の取付方法>
次に、ローラ挿通筒24に対するマイクロ波漏洩抑制部材4の取付方法について説明する。図5に示すように、ローラ挿通筒24にマイクロ波漏洩抑制部材4を取り付ける前において、金具40は帯状(略直線状)を呈している。ローラ挿通筒24にマイクロ波漏洩抑制部材4を取り付ける場合は、まず、図5に白抜き矢印で示すように、金具40を丸め、略環状にする。次いで、金具40を、ローラ挿通筒24の前端に装着する。それから、クランプリング41を、ローラ挿通筒24の前方から、基部400の外周面に環装する。そして、クランプリング41を、段差部241に当接させる。最後に、ボルト410aを回転させ、リング本体411を締め付ける。このようにして、ローラ挿通筒24にマイクロ波漏洩抑制部材4を取り付ける。
<ローラ3の抜出方法>
次に、加熱室21からのローラ3の抜出方法について説明する。加熱室21からローラ3を抜き出す場合は、まず、図2に示すように、駆動側ケース29a、従動側ケース29bを、ハウジング本体20から取り外す。次いで、ローラ3の後端を、スプロケット30から取り外す。それから、ローラ3の前端側のマイクロ波漏洩抑制部材4のクランプリング41の締結力を緩める。続いて、ローラ3の前端を把持し、ローラ3を前方から引っ張る。この際、ローラ3の後端側のマイクロ波漏洩抑制部材4の金具40は、ローラ3の外周面に摺接する。一方、ローラ3の前端側のマイクロ波漏洩抑制部材4は、ローラ3に環装されたまま移動する。すなわち、ローラ3の前端側のマイクロ波漏洩抑制部材4は、ローラ挿通筒24から分離して、ローラ3と一体的に移動する。なお、ローラ3を後端側から抜き出す場合も同様である。このように、ローラ3を抜き出す場合は、ローラ3の抜出側のクランプリング41を緩め、抜出側のマイクロ波漏洩抑制部材4を、ローラ3と共に移動させる。
<マイクロ波漏洩抑制部材4の動き>
次に、ローラ3が変位する場合のマイクロ波漏洩抑制部材4の動きについて説明する。図9に、本実施形態のマイクロ波加熱炉の、ローラが変位する場合における、図6に対応する部分の拡大図を示す。図9に白抜き矢印Y1で示すように、被加熱物Wがローラ3の上方を通過すると、被加熱物Wの重さにより、ローラ3が下方に変位する。このため、ローラ挿通孔22とローラ3との間の隙間のローラ3の上方部分が拡がる。反対に、ローラ挿通孔22とローラ3との間の隙間のローラ3の下方部分が狭まる。ここで、前述したように、弾接部403aには、ローラ3挿通前の状態(自然状態)に復帰する分の付勢力が、蓄積されている。このため、図9に白抜き矢印Y2で示すように、ローラ3の上方部分の爪部401は、当該付勢力を消費して、下方に変形する。したがって、弾接部403aは、ローラ3の外周面に接触したままである。一方、図9に白抜き矢印Y3で示すように、ローラ3の下方部分の爪部401は、さらに付勢力を蓄積して、下方に変形する。したがって、弾接部403aは、ローラ3の外周面に接触したままである。
なお、ローラ3が上方、左右方向に変位する場合も、同様である。このように、多数の爪部401は、ローラ挿通筒24に対するローラ3の変位に追随して弾性的に変形し、ローラ挿通孔22とローラ3との間の隙間を、継続的に封止している。
なお、加工精度や設計誤差や組付誤差などにより、ローラ挿通孔22とローラ3とが同軸上に組み付けられていない場合も、同様に、多数の爪部401がローラ挿通孔22に対するローラ3の偏心に追随して弾性的に変形し、ローラ挿通孔22とローラ3との間の隙間を、封止している。
<作用効果>
次に、本実施形態のマイクロ波加熱炉1の作用効果について説明する。本実施形態のマイクロ波加熱炉1は、マイクロ波漏洩抑制部材4を備えている。マイクロ波漏洩抑制部材4は、多数の爪部401を備えている。多数の爪部401は、マイクロ波Mの空間伝導経路である、ローラ挿通孔22とローラ3との間に区画される環状の隙間に配置されている。多数の爪部401は、ローラ3の外周面に弾接している。このため、図6に示すように、ローラ3の回転を確保した状態で、マイクロ波Mが、ローラ挿通孔22とローラ3との間の隙間から、漏洩するのを抑制することができる。
また、例えば被加熱物Wの重さなどにより、ローラ3が径方向に変位する場合であっても、図9に示すように、多数の爪部401は、ローラ3の変位に追随して弾性的に変形可能である。このため、ローラ3が径方向に変位しても、マイクロ波Mが、ローラ挿通孔22とローラ3との間の隙間から、漏洩するのを抑制することができる。
また、例えば加熱室21の熱により、ローラ3が熱膨張する場合であっても、つまりローラ3が軸方向に変位する場合であっても、多数の爪部401に対してローラ3が摺動することにより、ローラ3の変位を許容することができる。
また、加工精度や設計誤差や組付誤差などにより、ローラ挿通孔22とローラ3とが同軸上に配置されていない場合であっても、多数の爪部401が弾性的に変形することにより、ローラ挿通孔22とローラ3との間の隙間を封止することができる。
例えば、多数のローラ3間における形状のばらつきが大きい場合であっても、言い換えると、多数の隙間(ローラ挿通孔22とローラ3との間の隙間)において隙間の大きさや形状などが一定でない場合であっても、共通のマイクロ波漏洩抑制部材4を配置することにより、当該隙間を封止することができる。このため、ローラ3の加工精度が低くても、確実にマイクロ波Mの漏洩を抑制することができる。したがって、ローラ3の製作コストを削減することができる。
また、ローラ3が回転することにより、仮に、爪部401が摩耗する場合であっても、摩耗量に応じて爪部401は弾性変形することができる。すなわち、図6に示すように、爪部401は、径方向内向きの付勢力を有している。このため、摩耗量に応じて当該付勢力を消費することにより、爪部401はローラ3に接触し続けることができる。したがって、摩耗により爪部401が図6に細線で示す自然状態になるまで、ローラ挿通孔22とローラ3との間の隙間を封止し続けることができる。
また、図5に示すように、隣り合う任意の一対の爪部401間の隙間C1は、マイクロ波Mの波長の1/40以下に設定されている。このため、マイクロ波Mが、隣り合う任意の一対の爪部401間の隙間から、漏洩するのを抑制することができる。
また、マイクロ波漏洩抑制部材4は、ハウジング2の外壁200を介して、電気的に接地されている。また、外壁200と、ローラ挿通筒24と、金具40と、により、加熱室21のマイクロ波Mに対する、導体遮蔽構造を形成することができる。
また、本実施形態のマイクロ波加熱炉1によると、環状の基部400から、径方向内側に向かって、多数の爪部401が延在している。このため、多数の爪部401を、個別に、ローラ挿通孔22とローラ3との間の隙間に設置する場合と比較して、爪部401の設置作業が容易になる。また、隣り合う任意の一対の爪部401同士の位置関係は、不動である。このため、図5に示すように、隣り合う任意の一対の爪部間の隙間C1を、所定の間隔に設定しやすい。
また、本実施形態のマイクロ波加熱炉1によると、全ての爪部401が、ローラ挿通孔22の軸方向内側に折り込まれている。このため、全ての爪部401をローラ挿通孔22の軸方向外側に配置する場合と比較して、マイクロ波漏洩抑制部材4の軸方向長さを短くすることができる。
また、本実施形態のマイクロ波加熱炉1によると、多数の爪部401は、各々、ローラ挿通筒24の前端付近を略支点として、弾性的に揺動可能である。このため、図6に示すように、先端部403の揺動半径を大きくすることができる。したがって、先端部403の揺動角度(揺動幅)を大きくすることができる。例えば、ローラ3の径方向変位量が大きい場合であっても、多数の爪部401は、ローラ3の変位に追随して弾性的に変形可能である。
また、本実施形態のマイクロ波加熱炉1によると、弾接部403aの先方に返し部403bが配置されている。このため、返し部403bが配置されていない場合と比較して、多数の爪部401に対して、ローラ3を軸方向に移動させる際、多数の爪部401がローラ3を引っ掻きにくい。したがって、例えば、ローラ挿通筒24からローラ3を引き抜く場合や、ローラ挿通筒24にローラ3を挿入する場合に、多数の爪部401がローラ3を傷つけるのを、抑制することができる。
また、本実施形態のマイクロ波加熱炉1によると、クランプリング41により金具40をローラ挿通筒24に巻き付けている。このため、ローラ挿通筒24に対するマイクロ波漏洩抑制部材4の着脱作業が容易である。また、ローラ挿通孔22を介してローラ3を加熱室21から外部に抜き出す場合、クランプリング41の締結力を小さくし、基部400のローラ挿通筒24外周面に対する巻き付け力を緩めた状態でローラ3を外部から引っ張ることにより、抜出側のマイクロ波漏洩抑制部材4が環装された状態で、ローラ3を抜き出すことができる。すなわち、ローラ3と多数の爪部401との位置関係が不動のまま、ローラ3を抜き出すことができる。このため、多数の爪部401がローラ3を傷つけるのを、抑制することができる。
なお、抜出反対側のマイクロ波漏洩抑制部材4の多数の爪部401は、ローラ3の外周面に摺接する。しかしながら、ローラ3は、多数の爪部401の内側を、加熱室21に入る方向、つまり多数の爪部401が径方向外側に拡がる方向(図6参照)に移動する。このため、多数の爪部401が、ローラ3の外周面に引っかかりにくい。
また、本実施形態のマイクロ波加熱炉1によると、図7、図8に示すように、弾接部403aは、ローラ3の外周面に、点接触している。このため、ローラ3に対する、多数の爪部401の摺動抵抗が小さい。したがって、ローラ3の回転抵抗が大きくなるのを、抑制することができる。
また、本実施形態のマイクロ波加熱炉1によると、多数の爪部401は、ローラ3の軸方向から見て、径方向に延在している。このため、ローラ3が順方向に回転する場合であっても逆方向に回転する場合であっても、同様にマイクロ波Mの漏洩を抑制することができる。
また、本実施形態のマイクロ波加熱炉1によると、例えば電子レンジの蓋部分に配置されているような汎用のフィンガー部材を加工することにより、金具40を作製することができる。このため、金具40延いてはマイクロ波漏洩抑制部材4の製造コストを削減することができる。
<その他>
以上、本発明のマイクロ波加熱炉の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
例えば、マイクロ波加熱炉1に電熱ヒータ5を配置しない形態で実施してもよい。すなわち、熱源としてマイクロ波Mのみを用いるマイクロ波加熱炉1として、本発明のマイクロ波加熱炉を具現化してもよい。
また、各部材の材質も特に限定しない。外壁200、ローラ挿通筒24、金具40は、導電性を有していればよい。これらの部材は、例えば、アルミニウム、鉄、カーボンにより形成してもよい。また、ローラ3は、アルミナ製、ムライト製としてもよい。また、ローラ3は、金属製(例えば、SUS製、インコネル製、ハステロイ製)としてもよい。好ましくは、ローラ3は、爪部401に対する摺動抵抗が小さい材料で作製する方がよい。
また、マイクロ波漏洩抑制部材4の爪部401の本数は、特に限定しない。また、爪部401を、ローラ挿通孔22の軸方向外側に配置してもよい。また、爪部401の先端部403を球状にしてもよい。こうすると、ローラ3の外周面に対する先端部403の摺動抵抗が、さらに小さくなる。
また、ローラ3を加熱室21から外部に抜き出す場合は、マイクロ波漏洩抑制部材4をローラ挿通筒24に装着したまま、ローラ3だけを外部に抜き出してもよい。こうすると、クランプリング41の締結力を緩めなくて済む。
また、マグネトロン60から発射されるマイクロ波Mの周波数は、2.45GHzの他、800MHz〜30GHzであってもよい。また、被加熱物Wの処理に応じて、適宜、加熱室21に、窒素ガス、アルゴンガス、一酸化炭素ガスなどの雰囲気ガスを供給してもよい。
また、ローラ挿通筒24は、外壁200の外面に全周溶接してもよい。こうすると、ローラ挿通筒24やローラ挿通筒取付孔202に、ネジ部を形成する必要がない。このため、ローラ挿通筒24を容易に外壁200に装着することができる。
また、本発明のマイクロ波漏洩抑制部材は、マイクロ波加熱炉1の他、電子レンジなどのマイクロ波処理装置に用いてもよい。また、マイクロ波処理装置の用途も特に限定しない。例えば、食品乾燥、化学反応用として、マイクロ波処理装置を用いてもよい。
また、本発明のマイクロ波漏洩抑制部材は、スターラ7の回転軸の周囲に配置してもよい。また、本発明のマイクロ波漏洩抑制部材は、温度測定用の熱電対の周囲に配置してもよい。こうすると、熱膨張による熱電対の軸方向変位を許容しつつ、熱電対の周囲からのマイクロ波Mの漏洩を抑制することができる。
上記実施形態のマイクロ波加熱炉1を用いて、マイクロ波漏洩試験を行った。図2に示すように、全てのマグネトロン60のマイクロ波Mの総出力は、48kWに設定した。マイクロ波Mの周波数は、2.45GHzに設定した。マイクロ波Mの波長は、122.445mmである。また、外壁200の肉厚は、6mmとした。また、断熱材201の肉厚は、200mmとした。また、従動側ケース29bの肉厚は、6mmとした。
また、図6に示すように、ローラ3の外径D2は、38mmとした。また、ローラ挿通筒24の軸方向長さは、50mmとした。また、ローラ挿通筒24の内径(直径)は、52.5mmとした。また、図5に示すように、隣り合う任意の一対の爪部401間の隙間C1は、3mmとした。
図2に示すように、マイクロ波Mの測定は、加熱室21と、外壁200と従動側ケース29bとの間の空間と、従動側ケース29bの外部と、で行った。測定には、リークディテクターを使用した。測定回数は10回とし、その平均値を測定値とした。
測定の結果、外壁200と従動側ケース29bとの間の空間における漏洩マイクロ波Mの電力密度は、4mW/cmであった。また、従動側ケース29bの外部における漏洩マイクロ波Mの電力密度は、0mW/cmであった。
測定の結果から、マイクロ波漏洩抑制部材4により、マイクロ波Mの漏洩を充分抑制できることが判った。並びに、従動側ケース29bの外部における電力密度を、極めて小さくできることが判った。
1:マイクロ波加熱炉、2:ハウジング、3:ローラ、4:マイクロ波漏洩抑制部材、5:電熱ヒータ、6:マイクロ波発生装置、7:スターラ、8:モータ。
20:ハウジング本体、21:加熱室、22:ローラ挿通孔、23:アプリケータ、24:ローラ挿通筒(挿通筒)、25:駆動側ブラケット、26:従動側ブラケット、27:駆動側軸受部、28:従動側軸受部、29a:駆動側ケース、29b:従動側ケース、30:スプロケット、40:金具、41:クランプリング(クランプ部材)、60:マグネトロン、61:導波管。
200:外壁、201:断熱材、202:ローラ挿通筒取付孔、202a:外壁貫通区間、202b:断熱材貫通区間、203:アプリケータ取付孔、204:ヒータ挿通孔、230:導波管取付孔、240:螺合部、241:段差部、242:金具取付部、260:凹部、280:転動体、400:基部、401:爪部、402:梁部、403:先端部、403a:弾接部、403b:返し部、410:留め具、410a:ボルト、411:リング本体。
C1:隙間、D1:内径、D2:外径、M:マイクロ波、W:被加熱物。

Claims (6)

  1. 軸方向から見て、導電性の壁部材を貫通する挿通孔と、該挿通孔に変位可能に挿通される軸部材と、の間に区画される環状の隙間に配置されるマイクロ波漏洩抑制部材であって、
    導電性を有し、前記軸部材の外周面に弾接し、周方向に並ぶ複数の爪部を備え、
    隣り合う任意の一対の該爪部間の隙間は、マイクロ波の波長よりも小さいことを特徴とするマイクロ波漏洩抑制部材。
  2. さらに、複数の前記爪部の径方向外側に連なる環状の基部を有し、
    該基部は、前記挿通孔の少なくとも一部を区画する挿通筒に固定される請求項1に記載のマイクロ波漏洩抑制部材。
  3. 前記基部は、前記挿通筒の外周面に固定され、
    複数の前記爪部は、各々、該挿通筒の軸方向端部で前記挿通孔の内側に折り込まれ径方向内側に延在する梁部と、該梁部に連なり前記軸部材の前記外周面に弾接する先端部と、を有する請求項2に記載のマイクロ波漏洩抑制部材。
  4. 前記先端部は、前記梁部に連なり前記軸部材の前記外周面に弾接する弾接部と、該弾接部に連なり該軸部材の該外周面に接触しない返し部と、を有する請求項3に記載のマイクロ波漏洩抑制部材。
  5. 前記基部は、前記挿通筒の前記外周面に固定される前は有端の帯状であって、
    さらに、締結力により該基部を該外周面に巻き付けるクランプ部材を有する請求項3または請求項4に記載のマイクロ波漏洩抑制部材。
  6. 外壁と、該外壁の内部に区画され前記マイクロ波を用いて被加熱物を加熱する加熱室と、各々、該外壁を貫通すると共に該加熱室と外部とを連通し該被加熱物の搬送方向に並ぶ複数のローラ挿通孔と、を有するハウジングと、
    各々、ローラ挿通孔に挿通され、軸回りに回転することにより、該加熱室において該被加熱物を搬送する複数のローラと、
    を備え、
    複数の該ローラを回転させ、上流側の該ローラから下流側の該ローラに該被加熱物を受け渡すことにより、該被加熱物を搬送するローラハースキルンタイプのマイクロ波加熱炉であって、
    さらに、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のマイクロ波漏洩抑制部材を備え、
    前記壁部材は前記外壁であり、前記挿通孔は前記ローラ挿通孔であり、前記軸部材は前記ローラであることを特徴とするマイクロ波加熱炉。
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