JP2010271340A - 撮像レンズ,撮像装置及び携帯端末 - Google Patents

撮像レンズ,撮像装置及び携帯端末 Download PDF

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光昭 志茂
Yasunari Fukuda
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Abstract

【課題】角度依存性の高いコートが施されたときに十分な効果を発揮することの可能な光学面を有する撮像レンズ、それを備えた撮像装置及び携帯端末を提供する。
【解決手段】撮像レンズLNは、第1,第2レンズブロックC1,C2を含む。絞りSTより物体側に負パワーの面が少なくとも1面位置し、絞りSTより像面側であって第2レンズブロックC2のレンズ基板L22より物体側に正パワーの面が少なくとも1面位置する。
【選択図】図1

Description

本発明は撮像レンズ,撮像装置及び携帯端末に関するものである。更に詳しくは、被写体の映像を撮像素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ,CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子)で取り込む撮像装置と、それを搭載した携帯端末と、例えば大量生産に適したウェハレベルレンズを含み、撮像素子の受光面上に光学像を形成する撮像レンズと、に関するものである。
コンパクトで薄型の撮像装置が、コンパクトで薄型の電子機器である携帯端末(例えば、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等)に搭載されるようになり、これにより遠隔地との相互の情報伝送が音声情報だけでなく画像情報についても可能となっている。その撮像装置に使用される撮像素子としては、CCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサ等の固体撮像素子が使用されている。
近年、携帯端末に搭載される広画角を有する撮像装置には、その小型化を目的として、微小な画素ピッチを有する撮像素子が採用されている。その傾向は、ますます加速の一途にある。このような撮像装置に用いられる撮像レンズが、特許文献1〜4で提案されている。それらは全て、標準からやや広角系の撮像レンズであり、大量生産の実現を狙ったウェハレベルレンズで構成されている。
特開2006−323365号公報 特許第3929479号公報 特許第3976781号公報 特開2008−233884号公報
特許文献1〜4で提案されているような撮像レンズは、例えば携帯端末に搭載されるため、非常に大きなコスト競争力が要求される。そして、コストを低く抑えるために、光学系のサイズを小型化したり体積を小さくすることにより、部品費を減らすことが行われている。また、部品点数を減らすために、光学系の構成要素であるレンズを削減することも行われている。そして、部品点数を削減することにより、大きなコスト競争力を持つことが可能になる。
例えば、IR(InfraRed)カットフィルターは、赤外の有害光をカットするために必要な部品であるが、これを削減するために光学部品のいずれかにIRカットコートを施せば、部品費の削減が可能である。しかしながら、IRカットコートは角度依存性が高いため、従来の撮像レンズのように入射角度や射出角度の大きい光学面を有する構成では、像性能の劣化を招いてしまう。仮に、そのような光学面にIRカットコートを施しても十分なIRカット効果は得られず、像には大きなムラが生じてしまう。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、角度依存性の高いコートが施されたときに十分な効果を発揮することの可能な光学面を有する撮像レンズ、それを備えた撮像装置及び携帯端末を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の撮像レンズは、平行平板であるレンズ基板と、その物体側面及び像側面のうちの少なくとも一方に形成され、正又は負のパワーを有するレンズ部と、を備える光学要素をレンズブロックと呼ぶとき、前記レンズ基板と前記レンズ部とは材質が異なり、前記レンズブロックを2ブロック含む撮像レンズであって、前記レンズブロックを、物体側から順に、第1レンズブロック、第2レンズブロックと呼ぶとき、絞りより物体側に負パワーの面が少なくとも1面位置し、絞りより像面側であって前記第2レンズブロックのレンズ基板より物体側に正パワーの面が少なくとも1面位置することを特徴とする。
第2の発明の撮像レンズは、上記第1の発明において、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
|θs_pt|<15 …(1)
ただし、
θs_pt:第2レンズブロックのレンズ基板の平面のうち、主光線の入射角度又は射出角度の最大値が小さい方の面における、主光線の入射角度又は射出角度の最大値(°)、
である。
第3の発明の撮像レンズは、上記第1又は第2の発明において、前記第1レンズブロック内に絞りが位置することを特徴とする。
第4の発明の撮像レンズは、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記負パワーの面が以下の条件式(2)を満足することを特徴とする。
-0.6<φ_sm/φ_all<-0.02 …(2)
ただし、
φ_sm:絞りより物体側に位置する負パワーの面の近軸のパワー、
φ_all:全系の近軸のパワー、
である。
第5の発明の撮像レンズは、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記絞りより物体側に位置する負パワーの面が、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする。
-0.6<(φ_sm(0.5)+φ_sm(0.7)+φ_sm(0.9))/(φ_all(0.5)+φ_all(0.7)+φ_all(0.9))<-0.02 …(3)
ただし、
φ_sm(0.5):最大画角の5割の画角の主光線に関する負パワーの面のサジタル方向のパワー、
φ_sm(0.7):最大画角の7割の画角の主光線に関する負パワーの面のサジタル方向のパワー、
φ_sm(0.9):最大画角の9割の画角の主光線に関する負パワーの面のサジタル方向のパワー、
φ_all(0.5):最大画角の5割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
φ_all(0.7):最大画角の7割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
φ_all(0.9):最大画角の9割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
である。
第6の発明の撮像レンズは、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記正パワーの面が以下の条件式(4)を満足することを特徴とする。
0.2<φ_sp/φ_all<2.5 …(4)
ただし、
φ_sp:絞りより像面側であって第2レンズブロックのレンズ基板より物体側に位置する正パワーの面の近軸のパワー、
φ_all:全系の近軸のパワー、
である。
第7の発明の撮像レンズは、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記絞りより像面側であって第2レンズブロックのレンズ基板より物体側に位置する正パワーの面が、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする。
0.2<(φ_sp(0.5)+φ_sp(0.7)+φ_sp(0.9))/(φ_all(0.5)+φ_all(0.7)+φ_all(0.9))<2.5 …(5)
ただし、
φ_sp(0.5):最大画角の5割の画角の主光線に関する正パワーの面のサジタル方向のパワー、
φ_sp(0.7):最大画角の7割の画角の主光線に関する正パワーの面のサジタル方向のパワー、
φ_sp(0.9):最大画角の9割の画角の主光線に関する正パワーの面のサジタル方向のパワー、
φ_all(0.5):最大画角の5割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
φ_all(0.7):最大画角の7割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
φ_all(0.9):最大画角の9割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
である。
第8の発明の撮像レンズは、上記第1〜第7のいずれか1つの発明において、前記第2レンズブロックのレンズ基板の平面のいずれか一方又は両方にIRカットコートが設けられていることを特徴とする。
第9の発明の撮像レンズは、上記第1〜第8のいずれか1つの発明において、前記負パワーの面が以下の条件式(6)を満足することを特徴とする。
nd_sm>1.50 …(6)
ただし、
nd_sm:絞りより物体側に位置する負パワーの面を構成するレンズ部の材料の屈折率、
である。
第10の発明の撮像レンズは、上記第1〜第9のいずれか1つの発明において、前記正パワーの面を2面有することを特徴とする。
第11の発明の撮像レンズは、上記第1〜第10のいずれか1つの発明において、最大画角の7割の画角の主光線について、前記第2レンズブロックの最も物体側の光学面の光線高さと、前記第1レンズブロックの最も像面側の光学面の光線高さとの差が、以下の条件式(7)を満足することを特徴とする。
0.0<(H_2f−H_1r)/f_all<0.5 …(7)
ただし、
H_2f:第2レンズブロックの最も物体側の光学面での光線高さ、
H_1r:第1レンズブロックの最も像面側の光学面での光線高さ、
f_all:全系の近軸の焦点距離、
である。
第12の発明の撮像レンズは、上記第1〜第11のいずれか1つの発明において、前記レンズ基板がガラス材料から成ることを特徴とする。
第13の発明の撮像レンズは、上記第1〜第12のいずれか1つの発明において、前記レンズ部が樹脂材料から成ることを特徴とする。
第14の発明の撮像レンズは、上記第13の発明において、前記樹脂材料がエネルギー硬化型の樹脂材料であることを特徴とする。
第15の発明の撮像レンズは、上記第13又は第14の発明において、前記樹脂材料に30ナノメートル以下の無機微粒子を分散させた状態で含むことを特徴とする。
第16の発明の撮像レンズは、上記第1〜第15のいずれか1つの発明において、格子状のスペーサ部材を介して前記レンズ基板同士又は前記レンズブロック同士をシールする工程と、一体化された前記レンズ基板及び前記スペーサ部材を前記スペーサ部材の格子枠で切断する工程と、を含む製造方法により、前記レンズブロックが製造されることを特徴とする。
第17の発明の撮像装置は、上記第1〜第16のいずれか1つの発明に係る撮像レンズと、受光面上に形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、を備え、前記撮像素子の受光面上に被写体の光学像が形成されるように前記撮像レンズが設けられていることを特徴とする。
第18の発明の携帯端末は、上記第17の発明に係る撮像装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、絞りより物体側に負パワーの面が少なくとも1面位置し、絞りより像面側であって第2レンズブロックのレンズ基板より物体側に正パワーの面が少なくとも1面位置する構成になっているので、角度依存性の高いコートが施されたときに十分な効果を発揮することの可能な光学面を有する撮像レンズを実現することができる。例えば、撮像レンズを構成する光学要素にIRカットコートのような角度依存性のあるコートを施すことができ、それによりIRカットフィルター等の部品が不要になるので、大幅なコストダウンによりコスト競争力の高い撮像レンズ、それを備えた撮像装置及び携帯端末を実現することができる。また、大量生産の可能なウェハレベルレンズから成る撮像レンズに上記構成を採用することにより、上記効果を更に低コストで実現することが可能となる。
第1の実施の形態(実施例1)の光学構成図。 第2の実施の形態(実施例2)の光学構成図。 実施例1の収差図。 実施例2の収差図。 撮像装置を搭載した携帯端末の概略構成例を模式的断面で示す図。 撮像レンズの製造工程の一例を示す概略断面図。 絞りより物体側に位置する負パワーの面の作用を示す光路図。
以下、本発明に係る撮像レンズ,撮像装置及び携帯端末等を、図面を参照しつつ説明する。本発明に係る撮像レンズは、レンズブロックを2ブロック含むものである。ただし、「レンズブロック」とは、平行平板であるレンズ基板と、その物体側面及び像側面のうちの少なくとも一方に形成され、正又は負のパワーを有するレンズ部と、を備える光学要素をいう。なお、ここで想定しているレンズ基板とレンズ部とは材質が異なっている。
この撮像レンズは、上記のようにレンズブロックを2ブロック含んでいるので、物体側から順に、第1レンズブロック及び第2レンズブロックを有するブロック配置になっている。そして、絞りより物体側に負パワーの面が少なくとも1面位置し、絞りより像面側であって第2レンズブロックのレンズ基板より物体側に正パワーの面が少なくとも1面位置する構成になっている。つまり、物体側から、少なくとも1面の負パワーの光学面、絞り、少なくとも1面の正パワーの光学面、第2レンズブロックのレンズ基板(平行平板)、が光学配置された構成になっている。
従来、この種の光学系は、小型化のために、絞りより物体側の面が正パワーを有するか、又は絞りが最も物体側に位置する構成になっている。絞りより物体側の面が正パワーの場合、軸外の光線はその正パワーによって光線角度が更に強くなる。また、最も物体側に絞りがある場合には、画角の光線角度の光が直接入ってくる。そのため、光学面に入射する光線又は光学面から射出する光線は、光軸に対して急な角度がつくような方向に曲げられる。その結果、例えば、レンズブロックを構成する平行平板上での光学面の法線と主光線との成す角度(つまり入射角度)は、20度〜40度程度となり、IRカットコート(すなわちIRカットフィルター膜)のような角度依存性の高いコートでは、個々の光線角度が大きく異なるため、像にムラが発生することになる。
本発明では、絞りより物体側に位置する負パワーの面が、物体側から入射してくる光線の角度をゆるくするように作用する。物体側から入射した光は、絞りに向かって(正確には、絞りより物体側の光学系による絞りの像(つまり入射瞳)に向かって)入射するわけであるが、光軸よりも下方から入射してきた光線は、絞りよりも前側の負パワーにより、下側へ曲げられるため、光線は光軸に対してゆるやかになる(つまり光軸に対して平行に近づく。)。そのため、この部分で、まず光線の角度をゆるくすることができる。さらに、絞りより像面側に正パワーの光学面を有しているため、絞りから射出してきた光線(例えば主光線であれば、絞り中心から射出してきた光線)は、絞りより後側の正パワーの面で下方へ曲げられることにより、光線は更にゆるやかな角度になる。そして、その正パワーの面から像面側のレンズ基板(平行平板)に入射し射出することになる。これにより、光線は光軸に対して非常にゆるい角度となって、平行平板に入射し射出することができる。
したがって、絞りより物体側に、少なくとも1面の負のパワーの面を配置し、絞りより像面側であって第2レンズブロックのレンズ基板より物体側に、少なくとも1面の正のパワーの面を配置した構成とすることにより、第2レンズブロックの平行平板部分での光線の角度をゆるくすることができる。つまり、角度依存性の高いコートが施されたときでも十分な効果を発揮することの可能な光学面を有する撮像レンズを実現することができる。例えば、第2レンズブロックのレンズ基板にIRカットコートのような角度依存性のあるコートを施すことができ、それによりIRカットフィルター、そのフィルターの保持機構部品等の部品が不要になる。したがって、大幅なコストダウンによりコスト競争力の高い撮像レンズ及びそれを備えた撮像装置を実現することが可能である。そして、その撮像レンズを備えた撮像装置を携帯端末等のデジタル機器に用いれば、そのコンパクト化,低コスト化,高性能化等に寄与することができる。また、大量生産の可能なウェハレベルレンズから成る撮像レンズに上記構成を採用することにより、上記効果を更に低コストで実現することが可能となる。こういった効果をバランス良く得るとともに、更に高い光学性能,製造性の向上等を達成するための条件等を以下に説明する。
以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
|θs_pt|<15 …(1)
ただし、
θs_pt:第2レンズブロックのレンズ基板の平面のうち、主光線の入射角度又は射出角度の最大値が小さい方の面における、主光線の入射角度又は射出角度の最大値(°)、
である。
IRカットコートのようなコートを光学面に施す場合、平面に施す方がコスト的にも品質的にも安定する。例えば、1枚の平行平板にコートを施し、その後、カットすれば、一度に大量の部品にコートを施すことが可能である。そのため、平行平板へのコートが有利である。平行平板へコートを施すために、平行平板への光線の入射角度又は平行平板からの光線の射出角度を小さくする必要がある。この角度が大きいと、角度依存性のあるコートでは、場所等により性能の差ができてしまい、像のムラ等が発生する。条件式(1)は、平行平板等にIRカットコート等の角度依存性のあるコートを施すとき、像ムラ等の発生を小さくするための条件を規定している。この条件式(1)の範囲を越えて角度が大きくなると、像ムラ等が発生してしまい実用的でなくなる。
第1レンズブロック内に絞りが位置することが望ましい。絞りより前の面が負パワーの面であり、絞りより像面側で、なおかつ、第2レンズブロックのレンズ基板(平行平板)より物体側に正パワーの面を配置する構成にすると、第2レンズブロックの平行平板における入射角度又は射出角度をゆるくすることができる。第2レンズブロックの平行平板より前の光学面としては、第1レンズブロックの両面、第2レンズブロックの前面の3面がある。このうち、負のパワーの面と正のパワーの面の2面を選択するが、その場合、絞りは、第1レンズブロックの平行平板上か、第1レンズブロックと第2レンズブロックの間に配置することになる。第1レンズブロックと第2レンズブロックとの間に絞りを配置するとなると、絞り部品が必要となり、部品費のコストアップにつながる。そのため、第1レンズブロックの平行平板部に絞りを設けると、新たに絞りの部品費用を発生することなく、絞りの機能を光学系に設けることができる。また、第1レンズブロックに絞りがあることにより、第1レンズブロックの径方向の大きさを小さくすることが可能になる。したがって、体積的に小さく構成することが可能となるため、更にコスト的なメリットがある。
前記負パワーの面は、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
-0.6<φ_sm/φ_all<-0.02 …(2)
ただし、
φ_sm:絞りより物体側に位置する負パワーの面の近軸のパワー、
φ_all:全系の近軸のパワー、
である。
図7に、絞りより物体側に位置する負パワーの面の作用を示す。例えば、第1面を負パワーの面smとすると、軸外主光線PRは斜め下方から入射瞳EPに向かって負パワーの面smに入射し、負パワーの面smで光軸AXに対して平行な方向に曲げられる(収差が無い場合)。つまり、負パワーの面smによって光線角度をゆるやかにすることができる。
収差が無い近軸の領域での負パワーの面smの作用を、更に詳しく説明する。負パワーの面smのパワーをφ_sm、負パワーの面smへの入射換算角度をθ、射出換算角度をθ’、負パワーの面smと軸外主光線PRとの交点の光軸AXからの高さをh#、負パワーの面smから入射瞳EP位置までの距離をS#とすると、
θ’=θ+φh#=θ+φ_sm・S#・θ
よって、
(θ’/θ)=1+φ_sm・S#
となる。
S#は、おおよそ全系の焦点距離と同等から1/20が普通である。そのため、
S#=f_all〜1/20・f_all → 1/φ_all〜20/φ_all
よって、
(θ’/θ)=1+φS#=1+A(φ_sm/φ_all)
であり、Aは1〜20ぐらいである。
ここで、左辺は、光線角度をどのくらいゆるやかにするかを示す比であり、0.8から0.4ぐらいが望ましい。よって、左辺が0.4でAが1の場合、(φ_sm/φ_all)は−0.6となる。また、左辺が0.4で、Aが20の場合、(φ_sm/φ_all)は−0.02となる。この範囲が光線の角度を適切にゆるくする条件であり、この条件を外れて角度をゆるくしようとすると、負のパワーが強くなりすぎるため、収差(特にコマ収差や歪曲)が悪化してしまい、性能が維持できなくなる。
上述した条件範囲を規定しているのが条件式(2)である。条件式(2)の下限を越えて、負のパワーが強くなりすぎると、コマ収差や歪曲収差が悪化して実用性能を確保できなくなる。また、条件式(2)の上限を越えて、負のパワーが弱くなりすぎると、光線の角度を十分にゆるくできなくなる。
次に、パワー(焦点距離の逆数)の計算方法を説明する。通常、共軸系のある面のパワーは、光軸上のある面と光軸との交点での面の局所曲率と、その面の前後の屈折率と、により計算することができる。しかし、軸外の場合は、若干異なる。軸外光線に対する面のパワーは、その画角の主光線と面との交わる位置で、その面の局所曲率と、その主光線のその面への入射角度と、その面の前後の屈折率と、より計算することができる。ある軸外の画角(例えば、最大画角の5割の画角)でのある面でのパワーは、その画角の主光線が、その面と交わる位置(交点)での面の局所曲率と、その面への主光線の入射角度と、その面の前後での屈折率と、により計算することができる。
上記観点から、条件式(2)で近軸のパワーを規定する代わりに軸外のパワーを規定してもよいので、例えば、前記絞りより物体側に位置する負パワーの面は、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
-0.6<(φ_sm(0.5)+φ_sm(0.7)+φ_sm(0.9))/(φ_all(0.5)+φ_all(0.7)+φ_all(0.9))<-0.02 …(3)
ただし、
φ_sm(0.5):最大画角の5割の画角の主光線に関する負パワーの面のサジタル方向のパワー、
φ_sm(0.7):最大画角の7割の画角の主光線に関する負パワーの面のサジタル方向のパワー、
φ_sm(0.9):最大画角の9割の画角の主光線に関する負パワーの面のサジタル方向のパワー、
φ_all(0.5):最大画角の5割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
φ_all(0.7):最大画角の7割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
φ_all(0.9):最大画角の9割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
である。
この条件式(3)は、軸外の中帯から周辺までの主光線に関して、絞りより物体側に位置する負パワーの面のうちの少なくとも1面のパワーを規定するものである。中帯から周辺までの光線は、特に光線の角度が急になる部分であり、この部分のパワーを規定することにより、光線の角度を更にゆるくすることが可能となる。条件式(3)の下限を越えて、負のパワーが強くなりすぎると、コマ収差や歪曲収差が悪化し、実用性能を確保できなくなる。また、条件式(3)の上限を越えて、負のパワーが弱くなりすぎると、光線の角度を十分にゆるくすることができなくなる。
前記正パワーの面は、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
0.2<φ_sp/φ_all<2.5 …(4)
ただし、
φ_sp:絞りより像面側であって第2レンズブロックのレンズ基板より物体側に位置する正パワーの面の近軸のパワー、
φ_all:全系の近軸のパワー、
である。
前述した条件式(2)の説明と同様に、絞りより後の面の条件を求めることができる。ただし、この正パワーの面の場合、絞りとの間の光学面、この正パワーの面以降の面との合成パワー等が関係するため、絞りより物体側に位置する負パワーの面よりも条件は複雑になり、収差の発生も複雑になる。したがって、解析的には単純に解くことができない。そのため、設計より求めた条件が本条件式(4)の範囲である。この条件式(4)の下限を越えてパワーが弱くなりすぎると、光線の角度を十分にゆるくすることができなくなる。また、この条件式(4)の上限を越えてパワーが強くなりすぎると、コマ収差が悪化し、性能が悪化する。よって、この条件式(4)の範囲内に設定することにより、結像性能が良好で、しかも平行平板での光線角度を十分にゆるくした撮像レンズを実現することができる。
前記条件式(3)と同様の観点から、条件式(4)で近軸のパワーを規定する代わりに軸外のパワーを規定してもよいので、例えば、前記絞りより像面側であって第2レンズブロックのレンズ基板より物体側に位置する正パワーの面は、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
0.2<(φ_sp(0.5)+φ_sp(0.7)+φ_sp(0.9))/(φ_all(0.5)+φ_all(0.7)+φ_all(0.9))<2.5 …(5)
ただし、
φ_sp(0.5):最大画角の5割の画角の主光線に関する正パワーの面のサジタル方向のパワー、
φ_sp(0.7):最大画角の7割の画角の主光線に関する正パワーの面のサジタル方向のパワー、
φ_sp(0.9):最大画角の9割の画角の主光線に関する正パワーの面のサジタル方向のパワー、
φ_all(0.5):最大画角の5割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
φ_all(0.7):最大画角の7割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
φ_all(0.9):最大画角の9割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
である。
この条件式(5)は、軸外の中帯から周辺までの主光線に関して、絞りと第2レンズブロックのレンズ基板との間に位置する少なくとも1面の正パワーの面のパワーを規定するものである。中帯から周辺までの光線は、特に光線の角度が急になる部分であり、この部分のパワーを規定することにより、光線の角度を更にゆるくすることが可能となる。条件式(5)の下限を越えて、正のパワーが弱くなりすぎると、光線の角度を十分にゆるくすることができなくなる。また、条件式(5)の上限を越えて、正のパワーが強くなりすぎると、コマ収差が悪化し、性能が悪化してしまう。したがって、この条件式(5)の範囲内に設定することにより、結像性能が良好で、しかも平行平板での光線角度を十分にゆるくした撮像レンズを実現することができる。
前記第2レンズブロックのレンズ基板の平面のいずれか一方又は両方に、IRカットコートを設けることが望ましい。前述したように、絞りを挟んで負パワーと正パワーを配置することにより、第2レンズブロックの平行平板部での光線角度をゆるくすることができる。そして、その軸外主光線の角度をほぼ15度以内とすることができるため(条件式(1)の角度範囲に相当する。)、レンズ基板の平面部にIRカットコートを施しても、IRカットコート面を通過する光線角度は小さくなる。したがって、角度依存の影響を小さくすることができるため、像のムラを小さくすることができる。レンズ基板に設けるコートはIRカットコートに限らず、その他の角度依存性の高いコート等も形成することができ、また、回折光学面を採用することもできる。
前記負パワーの面は、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
nd_sm>1.50 …(6)
ただし、
nd_sm:絞りより物体側に位置する負パワーの面を構成するレンズ部の材料の屈折率、
である。
面のパワーは、その形状と屈折率により決まる。屈折率が高ければ、その曲率を弱くしてゆるい面とすることができるが、屈折率が低いと、必要なパワーを得るために強い曲率が必要となる。絞りより前の負パワーの面は、その曲率が強くなるとコマ収差が悪化する。この問題を解消するための条件を規定しているのが、条件式(6)である。つまり、この条件式(6)は、平行平板において入射光線又は射出光線を適切なパワーでゆるくするとともに、高い光学性能を保つための条件を規定している。条件式(6)の下限を越えて、屈折率が低くなりすぎると、コマ収差が悪化するため、高い光学性能を維持することが困難になる。
前記正パワーの面を2面有することが望ましい。つまり、絞りより像面側であって第2レンズブロックのレンズ基板より物体側に正パワーの面が2面位置することが望ましい。絞りの最適な位置は、第1レンズブロックの平行平板(レンズ基板)であり、それより像面側であって、第2レンズブロックの平行平板(レンズ基板)より物体側の面は、少なくとも2面存在する。この2面を正パワーの面とすると、この部分で必要なパワーを2面で分けることができ、個々の面の曲率をゆるくすることができる。また、第1レンズブロック側の面は像面側に凸の面となるので非点収差補正に有利であり、しかも、そのパワーを調整すれば最適な補正条件に近づけることが可能となる。一方、第2レンズブロック側の面は物体側に凸の面となるが、この部分のパワーを適切に調整すれば、球面収差やコマ収差を適切に補正することが可能となる。したがって、正のパワーを有する光学面を2面用いて構成する方が性能向上のために好ましい。
最大画角の7割の画角の主光線について、第2レンズブロックの最も物体側の光学面の光線高さと、第1レンズブロックの最も像面側の光学面の光線高さとの差が、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
0.0<(H_2f−H_1r)/f_all<0.5 …(7)
ただし、
H_2f:第2レンズブロックの最も物体側の光学面での光線高さ、
H_1r:第1レンズブロックの最も像面側の光学面での光線高さ、
f_all:全系の近軸の焦点距離、
である。また、像高は正の方向(画角がマイナスの方向)とする。
第2レンズブロックの最も物体側の光学面での光線高さと、第1レンズブロックの最も像面側の光学面での光線高さとの差は、第2レンズブロックへ入射する光線の角度の大きさを表す目安となる。この差が大きいと、光軸に対する光線の傾きが大きく、この差が小さいと、光軸に対する光線の傾きは小さくなる。この差が大きく、光軸に対する光線の傾きが大きいと、第2レンズブロックの平面部での光線の傾きをゆるやかにするためには、第2レンズブロックの物体側の面のパワーを強くする必要があるが、この部分のパワーを強くしすぎると、コマ収差の原因となる。また、この差が小さいと、第2レンズブロックの物体側の面での光線高さが低くなり、第2レンズブロックの平面部での光線の傾きをゆるやかにするにはよいが、所定の像高への光線の入射角度、つまり、テレセントリック性を確保するのが困難になる。
以上のことから、この条件式(7)は、第2レンズブロックの平行平板部での光線の傾きをゆるやかにしながら、高性能を保ち、なおかつ、テレセントリック性能も確保するための条件といえる。条件式(7)の下限を越えて、その光線差が小さくなりすぎると、テレセントリック性の確保が困難になる。また、条件式(7)の上限を越えて、その差が大きくなると、コマ収差が悪化して実用性能を確保できなくなる。
レンズ基板はガラス材料から成ることが望ましい。ガラスは樹脂に比べて軟化温度が高いため、レンズ基板をガラスで構成すると、リフロー処理を行っても容易に変異せず、また低コスト化が可能である。高軟化温度のガラスでレンズ基板を構成することが、更に望ましい。レンズ基板に使用する材料がガラスの場合、樹脂に比べて、レンズ内部のひずみに起因する光学特性の劣化(レンズ内の複屈折等)を低減することができる。
レンズ部は樹脂材料から成ることが望ましい。レンズ部に使用する材料として、樹脂材料はガラス材料に比べて加工成形性が良く、また低コスト化も可能である。
上記樹脂材料はエネルギー硬化型の樹脂材料であることが望ましい。レンズ部をエネルギー硬化型の樹脂材料で構成することにより、ウェハ状のレンズ基板に対し金型で大量のレンズ部を同時に硬化させ形成することが可能となる。したがって、量産性を向上させることができる。ここでいうエネルギー硬化型の樹脂材料とは、熱によって硬化する樹脂材料、光によって硬化する樹脂材料等を指し、その硬化には熱,光等のエネルギーを与える種々の手段が使用可能である。
エネルギー硬化型の樹脂材料としては、UV硬化型の樹脂材料を用いることが望ましい。UV硬化型の樹脂材料を用いれば、硬化時間の短縮により量産性を改善することができる。また、近年では耐熱性に優れた硬化型の樹脂材料が開発されており、耐熱性の樹脂を用いることでリフロー処理に耐えるカメラモジュールに対応することができ、より安価なカメラモジュールを提供することができる。ここでいうリフロー処理とは、プリント基板(回路基板)上にペースト状のはんだを印刷し、その上に部品(カメラモジュール)を載せてから熱を加えてはんだを溶かし、センサー外部端子と回路基板とを自動溶接する処理のことである。
樹脂材料に30ナノメートル以下の無機微粒子を分散させた状態で含むことが望ましい。樹脂材料にて構成されるレンズ部に30ナノメートル以下の無機微粒子を分散させることで、温度が変化しても性能の劣化や像点位置変動を低減させることが可能となる。しかも、光透過率を低下させることなく、環境変化に関わらず優れた光学特性を有する撮像レンズを得ることができる。一般に透明な樹脂材料に微粒子を混合させると、光の散乱が生じて透過率が低下するため、光学材料として使用することは困難であるが、微粒子の大きさを透過光束の波長よりも小さくすることにより、散乱が実質的に発生しないようにすることができる。
また、樹脂材料はガラス材料に比べて屈折率が低いことが欠点であったが、屈折率の高い無機粒子を母材となる樹脂材料に分散させると、屈折率を高くできることがわかってきた。具体的には、母材となる樹脂材料に30ナノメートル以下、望ましくは20ナノメートル以下、更に望ましくは15ナノメートル以下の無機粒子を分散させることにより、任意の温度依存性を有する材料を提供することができる。
さらに、樹脂材料は温度が上昇することにより屈折率が低下してしまうが、温度が上昇すると屈折率が上昇する無機粒子を母材となる樹脂材料に分散させると、これらの性質を打ち消し合うように作用するので、温度変化に対する屈折率変化を小さくできることも知られている。また、逆に、温度が上昇すると屈折率が低下する無機粒子を母材となる樹脂材料に分散させると、温度変化に対する屈折率変化を大きくできることも知られている。具体的には、母材となる樹脂材料に30ナノメートル以下、望ましくは20ナノメートル以下、更に望ましくは15ナノメートル以下の無機粒子を分散させることにより、任意の温度依存性を有する材料を提供することができる。例えば、アクリル系樹脂に酸化アルミニウム(Al23)やニオブ酸リチウム(LiNbO3)の微粒子を分散させることにより、高い屈折率の樹脂材料が得られるとともに、温度に対する屈折率変化を小さくすることができる。
次に、屈折率の温度による変化Aについて詳細に説明する。屈折率の温度による変化Aは、ローレンツ・ローレンツの式に基づいて、屈折率nを温度tで微分することにより、以下の式(FA)で表される。
Figure 2010271340
…(FA)
ただし、式(FA)中、
α:線膨張係数、
[R]:分子屈折、
である。
樹脂材料の場合は、一般に式(FA)中の第1項に比べ第2項の寄与が小さく、ほぼ無視できる。例えば、PMMA(polymethyl methacrylate)樹脂の場合、線膨張係数αは7×10-5であり、上記式(FA)に代入すると、dn/dt=−1.2×10-4[/℃]となり、実測値とおおむね一致する。
ここで、微粒子、望ましくは無機微粒子を樹脂材料中に分散させることにより、実質的に上記式(FA)の第2項の寄与を大きくし、第1項の線膨張による変化と打ち消し合うようにさせている。具体的には、従来は−1.2×10-4程度であった変化を、絶対値で8×10-5未満に抑えることが望ましい。また、第2項の寄与を更に大きくして、母材の樹脂材料とは逆の温度特性を持たせることも可能である。つまり、温度が上昇することによって屈折率が低下するのではなく、逆に、屈折率が上昇するような素材を得ることもできる。混合させる割合は、屈折率の温度に対する変化の割合をコントロールするために、適宜増減できるし、複数種類のナノサイズの無機粒子をブレンドして分散させることも可能である。
本発明に係る撮像レンズは、画像入力機能付きデジタル機器(例えば携帯端末)への使用に適しており、これを撮像素子等と組み合わせることにより、被写体の映像を光学的に取り込んで電気的な信号として出力する撮像装置を構成することができる。撮像装置は、被写体の静止画撮影や動画撮影に用いられるカメラの主たる構成要素を成す光学装置であり、例えば、物体(すなわち被写体)側から順に、物体の光学像を形成する撮像レンズと、その撮像レンズにより形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、を備えることにより構成される。そして、撮像素子の受光面上に被写体の光学像が形成されるように、前述した特徴的構成を有する撮像レンズが配置されることにより、低コストで高い性能を有する撮像装置やそれを備えたデジタル機器(例えば、携帯端末)を実現することができる。
カメラの例としては、デジタルカメラ,ビデオカメラ,監視カメラ,車載カメラ,テレビ電話用カメラ等が挙げられ、また、パーソナルコンピュータ,携帯端末(例えば、携帯電話,モバイルコンピュータ等の小型で携帯可能な情報機器端末),これらの周辺機器(スキャナー,プリンター等),その他のデジタル機器等に内蔵又は外付けされるカメラが挙げられる。これらの例から分かるように、撮像装置を用いることによりカメラを構成することができるだけでなく、各種機器に撮像装置を搭載することによりカメラ機能を付加することが可能である。例えば、カメラ付き携帯電話等の画像入力機能付きデジタル機器を構成することが可能である。
図5に、画像入力機能付きデジタル機器の一例として、携帯端末DUの概略構成例を模式的断面で示す。図5に示す携帯端末DUに搭載されている撮像装置LUは、物体(すなわち被写体)側から順に、物体の光学像(像面)IMを形成する撮像レンズLN(AX:光軸)と、平行平面板PT(必要に応じて配置される光学的ローパスフィルター等の光学フィルター;撮像素子SRのカバーガラス等に相当する。)と、撮像レンズLNにより受光面SS上に形成された光学像IMを電気的な信号に変換する撮像素子SRと、を備えている。この撮像装置LUで画像入力機能付きの携帯端末DUを構成する場合、通常そのボディ内部に撮像装置LUを配置することになるが、カメラ機能を実現する際には必要に応じた形態を採用することが可能である。例えば、ユニット化した撮像装置LUを携帯端末DUの本体に対して着脱自在又は回動自在に構成することが可能である。
撮像素子SRとしては、例えば複数の画素を有するCCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサ等の固体撮像素子が用いられる。撮像レンズLNは、撮像素子SRの受光面SS上に被写体の光学像IMが形成されるように設けられているので、撮像レンズLNによって形成された光学像IMは、撮像素子SRによって電気的な信号に変換される。
携帯端末DUは、撮像装置LUの他に、信号処理部1,制御部2,メモリ3,操作部4,表示部5等を備えている。撮像素子SRで生成した信号は、信号処理部1で所定のデジタル画像処理や画像圧縮処理等が必要に応じて施され、デジタル映像信号としてメモリ3(半導体メモリ,光ディスク等)に記録されたり、場合によってはケーブルを介したり赤外線信号に変換されたりして他の機器に伝送される。制御部2はマイクロコンピュータから成っており、撮影機能,画像再生機能等の機能制御;フォーカシングのためのレンズ移動機構の制御等を集中的に行う。例えば、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方を行うように、制御部2により撮像装置LUに対する制御が行われる。表示部5は液晶モニター等のディスプレイを含む部分であり、撮像素子SRによって変換された画像信号あるいはメモリ3に記録されている画像情報を用いて画像表示を行う。操作部4は、操作ボタン(例えばレリーズボタン),操作ダイヤル(例えば撮影モードダイヤル)等の操作部材を含む部分であり、操作者が操作入力した情報を制御部2に伝達する。
撮像レンズLNは、前述したようにレンズブロックを2ブロック含み(物体側から順に、第1レンズブロックC1と第2レンズブロックC2から成る。)、撮像素子SRの受光面SS上に光学像IMを形成する構成になっている。撮像レンズLNで形成されるべき光学像は、例えば、撮像素子SRの画素ピッチにより決定される所定の遮断周波数特性を有する光学的ローパスフィルター(図5中の平行平面板PTに相当する。)を通過することにより、電気的な信号に変換される際に発生するいわゆる折り返しノイズが最小化されるように、空間周波数特性が調整される。これにより、色モアレの発生を抑えることができる。ただし、解像限界周波数周辺の性能を抑えてやれば、光学的ローパスフィルターを用いなくてもノイズの発生を懸念する必要がなく、また、ノイズがあまり目立たない表示系(例えば、携帯電話の液晶画面等)を用いてユーザーが撮影や鑑賞を行う場合には、光学的ローパスフィルターを用いる必要はない。
撮像レンズLNのフォーカスは、アクチュエータを用いてレンズユニット全体を光軸AX方向に移動させてもよいし、レンズの一部を光軸AX方向に移動させてもよい。例えば、第1レンズブロックC1のみでフォーカスしてやれば、アクチュエータの小型化が可能である。また、レンズを光軸方向に移動させてフォーカスさせなくても、撮像素子SRに記録された情報から、ソフトウェアによって焦点深度を深くする処理等を行うことによって、フォーカス機能を実現してもよい。その場合、アクチュエータは必要なく、小型化と低コスト化を同時に実現することができる。
撮像レンズLNは、格子状のスペーサ部材を介して前記レンズ基板同士又は前記レンズブロック同士をシールする工程と、一体化された前記レンズ基板及び前記スペーサ部材を前記スペーサ部材の格子枠で切断する工程と、を含む製造方法により、前記レンズブロックが製造されることが望ましい。例えば、全てのレンズがレンズブロックから成る撮像レンズLNでは、被写体像IMを形成する撮像レンズLN又はそれを含む撮像装置LUを複数製造する製造方法において、格子状のスペーサ部材を介してレンズ基板同士をシールする工程と、一体化されたレンズ基板及びスペーサ部材をそのスペーサ部材の格子枠で切断する工程と、を備えることにより、容易に生産することが可能となる。これにより、安価な撮像レンズの量産が可能となる。
撮像レンズLNを複数製造する製造方法には、例えばリフロー法やレプリカ法が用いられる。リフロー法では、CVD(Chemical Vapor Deposition)法による低軟化点ガラス成膜を行い、リソグラフィーとドライエッチングによる微細加工を行い、熱処理によるガラスリフローを行うことにより、ガラス基板上に多数のレンズが同時に作製される。レプリカ法では、レンズウェハ上に硬化性の樹脂を用いて金型で同時に大量のレンズ形状を転写することにより、多数のレンズが同時に作製される。いずれの方法によっても、多数のレンズを同時に作製することができるので、低コスト化が可能である。例えば、上述の方法で製造した異なるレンズ(レンズ基板上にレンズ部を作製して、1個ずつ切り離したもので、レンズ部が異なる2つのレンズ)を、平板部分同士で貼り合わせると、第1のレンズ部,第1の平行平板,第2の平行平板,第2のレンズ部の順に配列されたレンズブロックとなる。
図6に、撮像レンズLNの製造工程の一例を概略断面図で示す。第1レンズブロックC1は、平行平板から成る第1レンズ基板L12と、その一方の平面に接着された複数の第1物体側レンズ部L11と、他方の平面に接着された複数の第1像側レンズ部L13と、で構成されている。第1レンズ基板L12は1枚の平行平板で構成してもよく、上述したように2枚の平行平板を貼り合わせて構成してもよい。第2レンズブロックC2は、平行平板から成る第2レンズ基板L22と、その一方の平面に接着された複数の第2物体側レンズ部L21と、他方の平面に接着された複数の第2像側レンズ部L23と、で構成されている。第1レンズ基板L12と同様、第2レンズ基板L22は1枚の平行平板で構成してもよく、上述したように2枚の平行平板を貼り合わせて構成してもよい。また、第2レンズ基板L22の片面又は両面には、IRカットコートのような角度依存性の高いコートが施される。
格子状のスペーサ部材B1は、各レンズブロック間隔を規定して一定に保つものであり、2段格子になっていて、格子の穴の部分に各レンズ部分が配置されている。基板B2は、マイクロレンズアレイを含むウェハレベルのセンサーチップサイズパッケージ、あるいはセンサーカバーガラス等の平行平面板(図5中の平行平面板PTに相当するもの)である。基板B2上でスペーサ部材B1を介してレンズ基板同士をシールし、一体化された第1レンズ基板L12,第2レンズ基板L22及びスペーサ部材B1を、スペーサ部材B1の格子枠(破線Qの位置)で切断すると、2枚玉構成の撮像レンズが複数得られる。もちろん、レンズ基板同士をシールせずに、樹脂層を介したレンズブロック同士をシールしてもよい。このように、第1レンズブロックC1及び第2レンズブロックC2が複数組まれた状態から撮像レンズを切り離すようにすれば、レンズ間隔の調整や組み立てを撮像レンズ毎に行う必要が無いので大量生産が可能となる。しかも、スペーサ部材B1を格子形状にすることにより、それを切り離す際の印とすることができる。これは本技術分野における趣旨に添うものであり、安価なレンズ系の量産に寄与することができる。
次に、第1,第2の実施の形態を挙げて、撮像レンズLNの具体的な光学構成を更に詳しく説明する。図1,図2に、撮像レンズLNの第1,第2の実施の形態のレンズ構成をそれぞれ光学断面で示す。各実施の形態の撮像レンズLNはいずれも、撮像素子SR(図5)に対して光学像IMを形成する撮像用(例えば携帯端末用)の単焦点レンズであり、物体側から順に、第1レンズブロックC1と、第2レンズブロックC2と、の2つのレンズブロックで構成されている。
第1,第2の実施の形態において、各レンズブロックC1,C2は、物体側から順に以下のように構成されている。第1レンズブロックC1では、第1物体側レンズ部L11,第1レンズ基板L12及び第1像側レンズ部L13の順に配列されており、第1レンズ基板L12の平面部(第1物体側レンズ部L11又は第1像側レンズ部L13との境界面)には開口絞りSTが配置されている。また、第2レンズブロックC2では、第2物体側レンズ部L21,第2レンズ基板L22及び第2像側レンズ部L23の順に配列されており、第2レンズ基板L22の平面部(第2物体側レンズ部L21又は第2像側レンズ部L23との境界面)には、IRカットコートのような角度依存性の高いコートが施されている。例えば、IRカットコートを第2レンズ基板L22の平面部に施すと、その高い角度依存性にかかわらず、画面全体で均一なIRカット特性を得ることが可能となる。したがって、高いIRカット効果により、ムラの無い像を得ることができる。
物体側から像側に向かってn番目(n=1,2)のレンズブロックを第nレンズブロックCnとすると、第nレンズブロックCnは両面とも(つまり空気と接するレンズ面はすべて)非球面である。また、第n物体側レンズ部Ln1と第nレンズ基板Ln2とでは屈折率が異なっており、第nレンズ基板Ln2と第n像側レンズ部Ln3とでは屈折率が異なっている。
以下、本発明を実施した撮像レンズの構成等を、実施例のコンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1,2は、前述した第1,第2の実施の形態にそれぞれ対応する数値実施例であり、第1,第2の実施の形態を表す光学構成図(図1,図2)は、対応する実施例1,2(EX1,2)のレンズ構成をそれぞれ示している。
各実施例のコンストラクションデータでは、面データとして、左側の欄から順に、面番号,曲率半径r(mm),軸上での面間隔d(mm),d線(波長:587.56nm)に関する屈折率nd,d線に関するアッベ数vdを示す。面番号に*が付された面は非球面であり、その面形状は面頂点を原点とするローカルな直交座標系(x,y,z)を用いた以下の式(AS)で定義される。非球面データとして、非球面係数等を示す。なお、各実施例の非球面データにおいて表記の無い項の係数は0であり、すべてのデータに関してe-n=×10-nである。
z=(c・h2)/[1+√{1−(1+K)・c2・h2}]+Σ(Aj・hj) …(AS)
ただし、
h:z軸(光軸AX)に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2)、
z:高さhの位置での光軸AX方向のサグ量(面頂点基準)、
c:面頂点での曲率(曲率半径rの逆数)、
K:円錐定数、
Aj:j次の非球面係数、
である。
各種データとして、焦点距離(f,mm),Fナンバー(Fno.),半画角(ω,°),像高(y'max,mm),レンズ全長(TL,mm),バックフォーカス(BF,mm)を示す。バックフォーカスは、レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算長により表記しており、レンズ全長は、レンズ最前面からレンズ最終面までの距離にバックフォーカスを加えたものである。さらに、全系と第1,第2レンズブロックC1,C2の各パワー(mm-1)を表1に示し、絞りより物体側に位置する負パワーの面、及び絞りSTと第2レンズ基板L22との間に位置する正パワーの面(各レンズブロックC1,C2に1面ずつ存在する。)の各パワー(mm-1)を表2に示す。ただし、近軸でのパワーと、最大画角の5割,7割,9割の画角での各像高Y’(0.5),Y’(0.7),Y’(0.9)に対応する位置でのパワーと、についてそれぞれ示す。また、各条件式に対応する値を表3に示す。ただし、絞りSTと第2レンズ基板L22との間には各レンズブロックC1,C2に1面ずつ正パワーの面が存在するので、条件式(4)及び(5)については各レンズブロックC1,C2の正パワーの面での対応値を示す。
図3,図4は実施例1,2(EX1,2)の収差図(無限遠合焦状態)である。図3,図4のそれぞれにおいて、(A)は球面収差図、(B)は非点収差図、(C)は歪曲収差図である。球面収差図は、実線で示すd線(波長587.56nm)に対する球面収差量、一点鎖線で示すC線(波長656.28nm)に対する球面収差量、破線で示すg線(波長435.84nm)に対する球面収差量を、それぞれ近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(単位:mm)で表しており、縦軸は瞳への入射高さをその最大高さで規格化した値(すなわち相対瞳高さ)を表している。非点収差図において、破線Tはd線に対するタンジェンシャル像面、実線Sはd線に対するサジタル像面を、近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(単位:mm)で表しており、縦軸は像高(IMG HT,単位:mm)を表している。歪曲収差図において、横軸はd線に対する歪曲(単位:%)を表しており、縦軸は像高(IMG HT,単位:mm)を表している。なお、像高IMG HTの最大値は、像面IMにおける最大像高y'max(撮像素子SRの受光面SSの対角長の半分)に相当する。
実施例1
単位:mm
面データ
面番号 r d nd vd
物面 ∞ ∞
1* -14.021 0.050 1.57 34.0
2(絞り) ∞ 0.300 1.52 62.0
3 ∞ 0.300 1.51 56.0
4* -3.544 0.347
5* 1.128 0.400 1.51 56.0
6 ∞ 0.300 1.52 62.0
7 ∞ 0.060 1.57 34.0
8* 3.848 0.530
9 ∞ 0.350 1.47 65.0
10 ∞ 0.800
像面 ∞
非球面データ
第1面
K= 0
A4=-6.0838e-001
A6= 7.2309e+000
A8=-5.3304e+001
A10= 1.2957e+002
A12= 2.1385e+001
第4面
K= 0
A4=-2.8174e-001
A6=-7.6210e-001
A8= 2.5996e+000
A10=-2.0762e+000
A12=-3.8000e+000
第5面
K= 0
A4=-1.0737e-001
A6=-1.2223e-001
A8= 2.1538e-001
A10=-1.3100e-001
A12=-8.1506e-002
第8面
K= 1.5133e+001
A4= 3.0461e-001
A6=-4.1660e-001
A8= 5.3692e-001
A10=-2.9650e-001
A12=-1.0927e-001
各種データ
f 2.23
Fno. 2.88
ω 34.63
y'max 1.50
TL 3.33
BF 1.57
実施例2
単位:mm
面データ
面番号 r d nd vd
物面 ∞ ∞
1* -4.622 0.050 1.57 34.0
2 ∞ 0.600 1.52 62.0
3(絞り) ∞ 1.379 1.51 56.0
4* -1.692 0.050
5* 1.097 0.549 1.51 56.0
6 ∞ 0.300 1.52 62.0
7 ∞ 0.060 1.57 34.0
8* 1.230 0.506
9 ∞ 0.350 1.47 65.0
10 ∞ 0.800
像面 ∞
非球面データ
第1面
K= 0
A4=-1.1778e-001
A6= 2.3470e-001
A8=-4.2525e-001
A10= 3.7649e-001
第4面
K= 0
A4=-3.9604e-002
A6=-2.8383e-001
A8= 6.9308e-001
A10=-7.2680e-001
A12= 2.5357e-001
第5面
K=-4.5130e-001
A4=-4.5150e-002
A6=-6.8186e-002
A8= 1.2514e-001
A10=-1.0532e-001
A12= 1.6948e-002
第8面
K= 3.6728e-001
A4= 1.6389e-001
A6=-2.7609e-001
A8= 2.0617e-001
A10=-1.4262e-001
A12=-5.8064e-002
各種データ
f 2.23
Fno. 2.88
ω 34.90
y'max 1.50
TL 4.53
BF 1.54
Figure 2010271340
Figure 2010271340
Figure 2010271340
DU 携帯端末
LU 撮像装置
LN 撮像レンズ
C1,C2 第1,第2レンズブロック
L11,L21 第1,第2物体側レンズ部
L12,L22 第1,第2レンズ基板
L13,L23 第1,第2像側レンズ部
ST 開口絞り(絞り)
SR 撮像素子
SS 受光面
IM 像面(光学像)
AX 光軸
B1 スペーサ部材
1 信号処理部
2 制御部
3 メモリ
4 操作部
5 表示部

Claims (18)

  1. 平行平板であるレンズ基板と、その物体側面及び像側面のうちの少なくとも一方に形成され、正又は負のパワーを有するレンズ部と、を備える光学要素をレンズブロックと呼ぶとき、前記レンズ基板と前記レンズ部とは材質が異なり、前記レンズブロックを2ブロック含む撮像レンズであって、
    前記レンズブロックを、物体側から順に、第1レンズブロック、第2レンズブロックと呼ぶとき、絞りより物体側に負パワーの面が少なくとも1面位置し、絞りより像面側であって前記第2レンズブロックのレンズ基板より物体側に正パワーの面が少なくとも1面位置することを特徴とする撮像レンズ。
  2. 以下の条件式(1)を満足することを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ;
    |θs_pt|<15 …(1)
    ただし、
    θs_pt:第2レンズブロックのレンズ基板の平面のうち、主光線の入射角度又は射出角度の最大値が小さい方の面における、主光線の入射角度又は射出角度の最大値(°)、
    である。
  3. 前記第1レンズブロック内に絞りが位置することを特徴とする請求項1又は2記載の撮像レンズ。
  4. 前記負パワーの面が以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像レンズ;
    -0.6<φ_sm/φ_all<-0.02 …(2)
    ただし、
    φ_sm:絞りより物体側に位置する負パワーの面の近軸のパワー、
    φ_all:全系の近軸のパワー、
    である。
  5. 前記絞りより物体側に位置する負パワーの面が、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像レンズ;
    -0.6<(φ_sm(0.5)+φ_sm(0.7)+φ_sm(0.9))/(φ_all(0.5)+φ_all(0.7)+φ_all(0.9))<-0.02 …(3)
    ただし、
    φ_sm(0.5):最大画角の5割の画角の主光線に関する負パワーの面のサジタル方向のパワー、
    φ_sm(0.7):最大画角の7割の画角の主光線に関する負パワーの面のサジタル方向のパワー、
    φ_sm(0.9):最大画角の9割の画角の主光線に関する負パワーの面のサジタル方向のパワー、
    φ_all(0.5):最大画角の5割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
    φ_all(0.7):最大画角の7割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
    φ_all(0.9):最大画角の9割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
    である。
  6. 前記正パワーの面が以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像レンズ;
    0.2<φ_sp/φ_all<2.5 …(4)
    ただし、
    φ_sp:絞りより像面側であって第2レンズブロックのレンズ基板より物体側に位置する正パワーの面の近軸のパワー、
    φ_all:全系の近軸のパワー、
    である。
  7. 前記絞りより像面側であって第2レンズブロックのレンズ基板より物体側に位置する正パワーの面が、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像レンズ;
    0.2<(φ_sp(0.5)+φ_sp(0.7)+φ_sp(0.9))/(φ_all(0.5)+φ_all(0.7)+φ_all(0.9))<2.5 …(5)
    ただし、
    φ_sp(0.5):最大画角の5割の画角の主光線に関する正パワーの面のサジタル方向のパワー、
    φ_sp(0.7):最大画角の7割の画角の主光線に関する正パワーの面のサジタル方向のパワー、
    φ_sp(0.9):最大画角の9割の画角の主光線に関する正パワーの面のサジタル方向のパワー、
    φ_all(0.5):最大画角の5割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
    φ_all(0.7):最大画角の7割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
    φ_all(0.9):最大画角の9割の画角の主光線に関する全系のサジタル方向のパワー、
    である。
  8. 前記第2レンズブロックのレンズ基板の平面のいずれか一方又は両方にIRカットコートが設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  9. 前記負パワーの面が以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の撮像レンズ;
    nd_sm>1.50 …(6)
    ただし、
    nd_sm:絞りより物体側に位置する負パワーの面を構成するレンズ部の材料の屈折率、
    である。
  10. 前記正パワーの面を2面有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  11. 最大画角の7割の画角の主光線について、前記第2レンズブロックの最も物体側の光学面の光線高さと、前記第1レンズブロックの最も像面側の光学面の光線高さとの差が、以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の撮像レンズ;
    0.0<(H_2f−H_1r)/f_all<0.5 …(7)
    ただし、
    H_2f:第2レンズブロックの最も物体側の光学面での光線高さ、
    H_1r:第1レンズブロックの最も像面側の光学面での光線高さ、
    f_all:全系の近軸の焦点距離、
    である。
  12. 前記レンズ基板がガラス材料から成ることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  13. 前記レンズ部が樹脂材料から成ることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  14. 前記樹脂材料がエネルギー硬化型の樹脂材料であることを特徴とする請求項13記載の撮像レンズ。
  15. 前記樹脂材料に30ナノメートル以下の無機微粒子を分散させた状態で含むことを特徴とする請求項13又は14記載の撮像レンズ。
  16. 格子状のスペーサ部材を介して前記レンズ基板同士又は前記レンズブロック同士をシールする工程と、一体化された前記レンズ基板及び前記スペーサ部材を前記スペーサ部材の格子枠で切断する工程と、を含む製造方法により、前記レンズブロックが製造されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の撮像レンズと、受光面上に形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、を備え、前記撮像素子の受光面上に被写体の光学像が形成されるように前記撮像レンズが設けられていることを特徴とする撮像装置。
  18. 請求項17記載の撮像装置を備えたことを特徴とする携帯端末。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015040867A1 (ja) * 2013-09-20 2017-03-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 撮像光学系

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