JP2010271117A - 試料の加工方法および試料の作製方法 - Google Patents

試料の加工方法および試料の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】集束イオンビームを用いた試料の加工を止めるタイミングを容易に判定する。
【解決手段】試料を加工する加工方法では、まず、試料の、加工によって表面に露出させる予定の断面に、穴部が接するように、試料の断面に沿って試料に当該穴部を形成する(S101)。そして、集束イオンビームを用いて、加工によって表面に露出させる予定の上記断面と交わる方向から試料を加工し(S102)、試料の加工中の面に穴部が現れたかどうかを判定し(S103)、加工中の面に穴部が現れたときに加工を止める(S104)。
【選択図】図2

Description

本発明は、集束イオンビームを用いた、試料の加工方法に関し、さらに、当該加工方法を用いて電子顕微鏡で観測される試料を作製する方法に関する。
現在、試料の微細加工に対して集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)が利用されている。集束イオンビームは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)や走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観測される試料を作製する際に用いられる。例えば半導体メモリのような集積回路、特に集積回路の不良個所を電子顕微鏡で観測する場合に、観測用の試料がFIBを利用して作製される。走査型電子顕微鏡の場合、試料の、観測を行う予定の面を露出させる必要がある。また、透過型電子顕微鏡を用いる場合、試料を薄片化する必要がある。
集束イオンビームによる試料の加工は、次にようにして行われる。まず、試料から観測対象を含んだ領域(一次試料)が切り出される。そして、試料内部の観測対象物を電子顕微鏡で観察することができるように、一次試料の表面を、集束イオンビーム装置を用いて削る。一次試料は、その表面に観測対象物が露出するまで削られる。
特許文献1−3には、FIB加工において、試料の表面に観測対象物の位置を示すマークを形成しておき、当該マークに基づいて、加工する範囲を判断する方法が記載されている。
特許文献2では、試料の加工領域の周辺の、試料の表面にマークを形成しておき、このマークに基づいて、試料を加工する領域を判断することが記載されている。そして、試料を削る深さについては、試料の加工中に被加工面の像を観察することにより、さらなる加工が必要かどうかを判定している。
このように、加工された試料の被加工面の像を観察しながら試料を加工するとき、試料の被加工面に電子ビームを照射して、試料から発生した二次イオンまたは二次電子によって得られる像を作業者が適宜観察しながら、加工の進行状況を判断する。そして、作業者は、二次イオンまたは二次電子像から、試料の被加工面が所望の断面に達したと判断したタイミングで加工を止める。
集束イオンビームによる加工を停止するタイミングを誤ると、試料表面または試料中に、観測対象物とは異なる構造物が存在することがある。このような試料を電子顕微鏡で観測すると、観測対象物とは異なる構造物が観測の障害となり、適正な像が得られない。また、試料を薄片化する場合、試料を薄片化しすぎると観察対象物自体が加工され、観測対象物が除去されてしまう虞がある。そのため、一般に、試料を少しずつ削っては被加工面を観察する作業が繰り返される。
特許文献3では、試料の被加工面とは反対側の、当該試料の面に、予め集束イオンビームによって、底面が観測するべき面と一致するように凹部を形成し、当該凹部をマークとして利用することが記載されている。この場合、試料の被加工面に凹部の底面が露出するまで、試料の加工が続けられる。
特許文献4には、人手による修正を必要とせずに、容易に所望の加工断面を得ることを目的として、集束イオンビームによる加工方法が開示されている。この加工方法では、加工中に加工断面を撮像し、撮像された画像に基づいて、加工断面上の構造物パターンの寸法を計測する。そして、加工中に、構造物パターンの寸法の、時間当たりの変化率が所定値以下になったときに、加工を止める。このようにして、所定の構造物パターンが加工断面に露出された状態にされる。
特開2000−097823号公報 特開2005−114578号公報 特開2000−214056号公報 特開2009−004306号公報
加工中の面の二次イオン像または二次電子像を観察しながら、FIB加工の進行を制御する場合、少し試料を削った後に観察を行うという作業を繰り返す必要がある。そのため、試料の加工に要する時間は増大する。また、この作業には、経験に基づく熟練操作が必要であり、経験の浅い作業者が加工の終了を判断することは困難であった。
また、試料中の観測対象物が微細化されてきているため、試料の加工終了のタイミングを判定することは困難となってきている。特に、集積回路のような電子部品に形成されている微細な構造物を観察する場合、集積回路の微細化に伴い、作業者が観察対象物を特定することは困難となる。また、集積回路の基板上に形成されるトランジスタや配線なども複雑になってきているため、試料の表面に露出した構造物が特定の観察対象物かどうかを判定することも困難となる。特に、試料を薄片化する際には、薄片化された試料中に、所定の観察対象物が含まれているのかどうかを判定すること難しい。
特許文献3では、加工を終了するタイミングを図るために、予め試料に凹部を形成しているが、凹部の底面が試料の観測されるべき面と一致するように、凹部を形成することが難しいという課題がある。これは、集束イオンビームのエネルギーは高いため、集束イオンビームで形成される凹部の深さを高精度に制御することが難しいからである。そのため、試料の凹部の底面の位置を、加工終了のマークにしたとしても、試料の観測されるべき面を精度良く露出させることは困難である。
特許文献4に記載の加工方法では、試料中に、同じ構造物が規則正しく配置されている場合、加工断面に露出した構造物が、特定の観測対象物であるかどうかを判定できないという課題がある。
また、観測対象物自体が加工終了のタイミングを提供するため、試料を薄片化する際には、薄片化された試料の厚みが適切な厚みにならないという課題もある。透過型電子顕微鏡で観測される試料の厚みは、必ずしも薄い方が良いというわけではなく、観察目的によって薄片の厚みは調整されるべきである。また、この方法では、必ず、試料中の観察対象物自体が削られるが、目的によっては、観察対象物自体を削らない方が良いこともある。
さらに、特許文献4に記載の加工方法では、加工量が進むに従って断面形状が実質的に変化しない、配線やトランジスタなどを観測対象物とする場合、加工量が進んでもそれらの観測対象物の断面形状がほとんど変わらない。そのため、加工を終了するタイミングの判定は困難である。
したがって、集束イオンビームによって試料を加工する際に、加工を止めるタイミングを、容易に判定可能にすることが望まれる。
本発明の、試料を加工する加工方法では、まず、試料の、加工によって表面に露出させる予定の断面に、穴部が接するように、試料の断面に沿って試料に当該穴部を形成する。そして、集束イオンビームを用いて、表面に露出させる予定の断面と交わる方向から試料を加工し、試料の加工中に被加工面に穴部が現れたかどうかを判定し、被加工面に穴部が現れたときに加工を止める。
また、本発明の、電子顕微鏡で観察される試料を作製する方法では、上記の加工方法を用いて、試料を作製する。このとき、試料の内部の観測対象物に隣接して上記の穴部を形成する。
本発明によれば、表面に露出させる予定の断面に接する穴部が被加工面に現れたかどうかで加工を止めるタイミングを判定することができるため、集束イオンビームを用いた試料の加工を止めるタイミングを容易に判定することができる。
第1の実施形態で用いられる加工システムの構成を示す模式図。 第1の実施形態に係る加工方法を示すフローチャート。 穴部が形成された、加工前の試料の概略平面図。 図3のC−C線、つまり試料の露出させる予定の断面線に沿った方向から見た、試料の概略断面図。 加工後の試料の概略平面図。 図5の6A−6A方向から見た、試料の概略平面図。 薄片化された試料の概略平面図。 第2の実施形態における集束イオンビームの走査のようすを示す概略図。 形状コントラスを測定するための、電子ビームの走査範囲を示す模式図。 加工前におけるコントラス強度を示すグラフ。 加工後におけるコントラス強度を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、集束イオンビームによって試料を加工するための加工システムの一構成を示す概略図である。加工システムは、集束イオンビーム加工装置(FIB加工装置)200を有する。
FIB加工装置200は、イオンビームを発するイオンビーム源201と、イオンビーム源から発せられたイオンビームを絞る電磁レンズ202と、を有している。電磁レンズ202で集束された集束イオンビーム250は、試料203が置かれるステージ204に向けて進む。イオンビームとしては、例えばガリウムイオンビームを用いることができる。
FIB加工装置200は、試料203を観察するための電子ビーム251を発する電子ビーム源205を有することが好ましい。電子ビーム源205から発せられた電子ビーム251は、電磁レンズ206によって絞られて、ステージ204に向けて進む。試料203に電子ビーム251が照射されると、二次電子が放出される。FIB加工装置200は、この二次電子を検出する検出器207を備えている。
検出器207で検出された検出信号は、検出信号処理ユニット209に送られる。検出信号処理ユニット209で処理された検出信号は、二次電子像としてモニタ210に出力される。
FIB加工装置200は、メインコントローラ208を有している。そして、検出器207で検出された検出信号に基づいて、FIB装置を制御するために、検出信号に基づく情報を処理する情報処理ユニット215と、情報処理ユニット215からの信号をメインコントローラ208にフィードバックする信号入出力ユニット214と、を有する。信号入出力ユニット214は、作業者によって入力された情報をメインコントローラ208に送信する機能を有することが好ましい。
上記のようなFIB加工装置200を用いると、二次電子像によって、試料の被加工面を観察しながら、集束イオンビームで試料を加工することができる。
図2は、本実施形態の加工方法を示すフローチャートである。本実施形態の集束イオンビームを用いて試料を加工する加工方法では、まず、試料を準備し、試料に穴部を形成する(ステップS101)。穴部は、加工によって表面に露出させる予定の断面に、その穴部が接するように、試料の断面に沿って形成される。
次に、集束イオンビームを用いて、試料の表面に露出させる予定の断面と交わる方向から試料を切削加工する(ステップS102)。そして、試料の被加工面に上述の穴部が現れたかどうかを判定し(ステップS103)、被加工面に穴部が現れたときに加工を止める(ステップS104)。
このように、加工を終了するタイミングは、試料の被加工面に穴部が現れたかどうかで判定される。そのため、予め試料に形成されている微細な構造物パターンから、加工の終了を判定するよりも、加工終了の判定が容易になる。したがって、加工によって表面に露出させる予定の断面に接するように穴部301を形成しておくことで、露出させる予定の断面が露出し時点で、精度良く加工を終了することができる。
以下、図3〜図6を参照して、本実施形態の加工方法について詳細に説明する。図3は、試料の、穴部が形成された面の概略平面図であり、図4は、図3のC−C線に沿った、試料の概略断面図である。図3のC−C線は、試料の露出させる予定の断面を示している。また、図5は、被加工面に加工終了後の試料の、図3と同じ方向から見た概略平面図であり、図6は図5の6A−6A方向から見た試料の概略平面図である。
本実施形態では、試料203として、基体303と基体上に形成された構造物304とを有する電子部品を用いる。構造物の周りは絶縁層302で被われている。試料は、このような電子部品に限定されず、集束イオンビームで加工することができれば、どのようなものであっても良い。
まず、試料203の、加工によって表面に露出させる予定の断面(図3に示すC−C線に沿った断面)に接するように、穴部301を形成する(図3および図4参照。)。つまり、試料203の加工が終了したときに、被加工面に沿って穴部301が形成されるようになっている。穴部301は、上記のFIB加工装置200を用いて形成することができる。
穴部301を形成した後、試料203の、少なくとも穴部301が形成された面に、保護膜(不図示)を形成することが好ましい。保護膜としては、例えば白金から成る膜を用いることができる。保護膜は、加工ダメージから試料203の表面を保護する。保護膜を形成する際に、保護膜を構成する材料が、穴部301に充填されても構わない。保護膜は、以下で説明する試料の加工を開始するまでに形成される。
その後、穴部301とその周辺の領域とを含んだ、試料の一部分を、一次試料として切り出す。本実施形態では、ここまでの作業は、FIB加工装置200のステージ204上で実施される。切り出された一次試料は、FIB加工装置200に供えられた試料ホルダ300に保持される。なお、もともとの試料が十分小さい場合には、一次試料として切り出すステップを行う必要はない。
次に、FIB加工装置200を用いて、試料ホルダ300に保持された試料203を加工する。試料203は、試料の表面に露出させる予定の断面と交わる方向から加工される(図5参照。)。
集束イオンビーム250の加速電圧やプローブ電流、および加工時間などは、メインコントローラ208によって制御することができる。
なお、集束イオンビーム250は、図5に示すように、被加工面に沿った方向に照射することが好ましい。これは、試料203の被加工面に直交する方向から試料203に集束イオンビームを照射すると、集束イオンビーム250のエネルギーが高いため、表面に露出させる予定の断面を越えて試料が削られる虞があるからである。
そして、図5において点線の矢印で示されるように、集束イオンビーム250を走査し、徐々に試料203を削る。そして、試料203の被加工面に穴部301が現れたかどうかを判定し、被加工面に穴部301が現れたときに加工を止める。試料203の被加工面に穴部301が現れたかどうかは、モニタ210に出力される二次電子像から判断できる。
本実施形態によれば、試料が複雑な構造パターンを有していても、試料に予め形成されている微細な構造物パターンを観測する必要がないため、加工経験の浅い作業者であっても、容易に試料の加工を行うことができる。これにより、加工終了のタイミングを容易に判定可能となり、加工にかかる時間の削減を図ることができる。
また、本実施形態の加工方法を利用すれば、人の目に依らず、加工システムが自動的に加工を終了することも可能になる。加工終了のタイミングを自動で判定する方法として、本実施形態では、試料の被加工面の二次電子画像を利用する。
試料203の被加工面に電子ビーム251を照射すると、試料203から二次電子が放出される。この二次電子は検出器207で検出される。検出器207で検出された二次電子画像は、記憶ユニット211に格納される。これらの処理は、試料203の加工中に繰り返し行われる。
画像処理ユニット212は、あるときに得られた二次電子画像と、その1回前に得られた二次電子画像と、を比較し、これらの二次電子画像に差異があれば当該差異を認識する。2つの二次電子画像は、例えば、差分法などで比較される。
このようにして、画像処理ユニットは212、試料203の被加工面に穴部301が現れた直後に得られた二次電子画像と、その直前に得られた二次電子画像と、の差異を認識し、被加工面に穴部301が現れたことを判定することができる。
予めメインコントローラ208に、穴部301の断面形状を記憶しておき、試料203の被加工面に表れた穴部301の断面形状と比較しても良い。これにより、加工終了のタイミングの判定の精度が向上する。
画像処理ユニット212が、試料の被加工面に穴部301が現れたと判定すると、画像処理ユニット212は加工制御ユニット213へ制御信号を送る。制御信号を受けた加工制御ユニット213は、加工停止信号を、外部信号入出力ユニット214を通じてメインコントローラ208に通知する。この加工停止信号によって、FIB加工装置200は、集束イオンビームによる加工を終了する。
本実施形態では、電子ビームを試料に照射し、試料で発生した二次電子を検出することで、試料の被加工面を撮像した。しかしながら、試料の撮像方法は、これに限定されず様々な方法を用いることができる。
たとえば、二次電子の代わりに二次イオンを利用して、撮像を行っても良い。この場合、FIB加工装置200の検出器207としては、二次イオンを検出可能なものを用いる。
試料203に形成される穴部301は、図4に示すように、試料としての電子部品の基体303の中まで形成されることが好ましい。基体303の内部は、構造物が形成されている領域よりも、単純な構造をしている。そのため、試料の被加工面に穴部301が露出したかどうかを容易に判別可能だからである。
このように、構造物が形成されている領域と、構造物が形成されていない領域と、を有する試料を加工する場合、穴部301は、構造物が形成されていない領域の内部まで形成されることが好ましい。この場合、穴部301の、構造物が形成されていない領域の内部に位置する部分が、試料の被加工面に現われたかどうかを判定する。
上述のように、試料203に保護膜が形成される場合、穴部301に、保護膜を構成する材料が充填されると、充填された材料によって、穴部301が二次電子画像に鮮明に映るという利点がある。試料の表面の保護の目的と、二次電子画像に穴部を鮮明に映し出す目的と、を達するためには、保護膜を構成する材料は、例えば白金から成ることが好ましい。
試料を薄片化する場合には、図5に示すように試料の片面を加工した後に、試料の反対側の面を再び加工すれば良い(図7参照。)。この場合にも、前述したように、試料203の被加工面に穴部301が現れたタイミングで、加工を終了する。このように、試料の表面に露出される予定の断面と交わる方向の、両側から加工を行うことで、試料が薄片化される。
このとき、加工された試料203の厚みは、穴部301の径と実質的に一致する。したがって、予め集束イオンビーム250の径を制御して、穴部301の径を所定の大きさに決めておくことで、所定の厚みの薄片を形成することができる。
以上で述べた加工方法では、穴部301の位置や大きさが高い精度で形成されることが求められる。近年のFIB加工装置では、集束イオンビームの走査位置およびビーム径が、高精度に制御可能となっている。したがって、穴部301が試料の被加工面に露出したかどうかによって、加工終了のタイミングを判定することで、精度の高い加工が実現される。上記のように、加工システムが、加工終了のタイミングを判定することで、試料を加工する工程が容易になる。
例えば、FIB加工装置を用いれば、幅20nm程度の細い穴部であれば、数nm程度の誤差範囲で作製可能である。このような穴部の形成にかかる作業時間は、試料の加工の全工程にかかる作業時間と比べて非常に短く、集束イオンビームを用いた加工の経験の浅い作業者にかかる負担は小さい。
集束イオンビームを用いた試料の加工では、試料の被加工面がダメージを受け、試料の被加工面にダメージ層が形成されるという問題がある。ダメージ層が形成されると、二次電子画像が劣化するという問題がある。また、試料の被加工面を電子顕微鏡で観測する場合にも、観測された画像が劣化してしまう。
ダメージ層の厚さは、加工に用いられるイオンビームの加速電圧が大きいほど大きくなる。例えば加速電圧が30keVのガリウムイオンビームでは、ダメージ層は約25nmになり、加速電圧が5keVのガリウムイオンビームでは、ダメージ層は約7nmになる。その一方で、イオンビームの加速電圧が小さいと、加工のスピードが低下する。
したがって、試料の加工中に、集束イオンビーム250の加速電圧を自動でまたは手動で徐々に下げていくことが好ましい。これにより、加工のスピードの低下を抑制しつつ、加工終了後の試料の被加工面に形成されるダメージ層の厚みが低減される。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、イオンビームの加速電圧の自動制御の一例について説明する。図8は、本実施形態において、集束イオンビームの走査の様子を示す概略図である。
まず、第1の実施形態のステップS101において、試料203に、開口径の異なる複数の穴部を形成する。この穴部のうちの1つが、加工終了のタイミングを提供する穴部301である。他の2つの穴部301a,301bは、イオンビームの加速電圧を変化させるタイミングを提供する。
次に、試料の加工を開始する。開口径が一番大きい穴部301bが試料の被加工面に現れるまでは、加速電圧は30keVに設定される。二番目に開口径の大きい穴部301aが試料の被加工面に現れるまでは、加速電圧は16keVに設定される。その後、加工が終了するまでは、加速電圧は5keVに設定される。一番小さい開口径を有する穴部301が被加工面に現われたかどうかによって、加工終了のタイミングが判定される。
なお、ここで示す加速電圧の大きさは、一例であり、加速電圧はこれらの値に限定されるものではない。また、加速電圧は、3段階の切り替えに限らず、何段階切り替えられても良い。
このようにして、イオンビームの加速電圧を自動的に低下していくことで、試料203に形成されるダメージ層を低減することができる。
なお、複数の穴部の配置は、イオンビームの加速電圧の切り替えのタイミングを判別可能であれば、上述した配置に限定されない。また、加工時間とともに、徐々にイオンビームの加速電圧を下げても良い。
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、穴部が試料の被加工面に現われたかどうかを判定する方法が、第1の実施形態と異なっている。本実施形態では、試料からの二次電子の放出量の変化によって、穴部が試料の被加工面に現われたかどうかを判定する。
図9は、試料の加工中に、試料の被加工面に照射する電子ビーム251が走査される領域を示す概略図である。図9に示すように、電子ビームを走査する領域901は、試料としての電子部品の基体303の部分であることが好ましい。これは、試料の被加工面に穴部301が現れたことを容易に判定することができるからである。
本実施形態では、試料で発生した二次電子の表面形状コントラスト(topographic contrast)から、穴部301が試料の被加工面に現れたかどうかを判定する。表面形状コントラストとは、電子ビーム251を照射する面の形状に起因するコントラストである。二次電子の放出率が試料表面に対する電子ビームの入射角に依存する(エッジ効果)ために、試料の表面の凹凸に応じて、二次電子像にコントラスト(表面形状コントラスト)が生じる。
したがって、試料の被加工面に穴部301が現れると、試料の被加工面の表面形状が変化するため、試料からの二次電子の放出量が変化する。これにより、二次電子像のコントラスト強度が変化するため、穴部301が試料の被加工面に現われたかどうかを判定することができる。
図10は、試料の被加工面に穴部301が現れる前の、二次電子像のコントラスト強度を示すグラフである。また、図11は、試料の被加工面に穴部301が現れた後の、二次電子像のコントラスト強度を示すグラフである。図10および図11における位置P、位置Q、位置Rおよび位置Sは、図9において同一の符号で示されている位置を示している。
図10に示すように、試料の被加工面に穴部301が現れていないとき、試料の被加工面はほぼ平坦であるため、コントラスト強度は位置にほとんど依存しない。一方、図11に示すように、試料の被加工面に穴部301が現れたとき、穴部301が現れた領域(図中の位置Qから位置Rまでの領域)に対応して、二次電子のコントラスト強度は増加する。このコントラスト強度の変化を検出することによって、加工終了のタイミングを容易に判定することができる。
本実施形態の試料の加工方法は、例えば、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で観測される観測試料の作製方法として好適に適用可能である。例えば、半導体メモリのような電子部品の不良個所を観測対象物とする場合、電子部品の内部の不良個所を電気的に特定し、観測対象物に隣接して電子部品に穴部301を形成すれば良い。その後、観測対象物と穴部301とを含む領域を一次試料として切り出して、その一次試料に対して、前述したように、集束イオンビームによる加工を行う。これにより、容易に、電子顕微鏡で観察可能な試料を作製することができる。
上記に示す加工システムは、図1に示す形態に限定されず、本実施形態で示す加工方法を実施することができるように、様々変更されたものが用いられても良い。
以上、本発明の望ましい実施形態について提示し、詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない限り、さまざまな変更及び修正が可能であることを理解されたい。
200 FIB加工装置
201 イオンビーム源
202,206 電磁レンズ
203 試料
204 ステージ
205 電子ビーム源
207 検出器
208 メインコントローラ
209 検出信号処理ユニット
210 モニタ
211 記憶ユニット
212 画像処理ユニット
213 加工制御ユニット
214 信号入出力ユニット
215 情報処理ユニット
250 集束イオンビーム
251 電子ビーム
300 試料ホルダ
301,301a,301b 穴部
302 絶縁層
303 基体
304 構造物
304a 観測対象
901 電子ビームを走査する領域

Claims (13)

  1. 集束イオンビームを用いて試料を加工する加工方法であって、
    前記試料の、加工によって表面に露出させる予定の断面に、穴部が接するように、前記試料の前記断面に沿って前記試料に前記穴部を形成するステップと、
    前記集束イオンビームを用いて、前記試料の前記断面と交わる方向から前記試料を加工し、前記試料の加工中に被加工面に前記穴部が現れたかどうかの判定を行い、前記加工面に前記穴部が現れたときに加工を止めるステップと、を有する、加工方法。
  2. 前記試料の前記断面と交わる方向の両側から前記試料を加工し、前記試料の前記被加工面に前記穴部が現れたかどうかの判定を行い、前記被加工面に前記穴部が現れたときに加工を止めて、前記試料の薄片を作製する、請求項1に記載の加工方法。
  3. 作製すべき、前記試料の前記薄片の厚みに応じて、前記穴部の径を決めておく、請求項2に記載の加工方法。
  4. 前記集束イオンビームを発する装置を有する加工システムが、前記試料の前記被加工面に前記穴部が現れたかどうかの判定を行い、前記被加工面に前記穴部が現れたときに前記試料の加工を止める、請求項1から3のいずれか1項に記載に記載の加工方法。
  5. 前記集束イオンビームによる加工中に、前記試料の前記被加工面を撮像し、撮像された画像を処理して、前記被加工面に前記穴部が現れたかどうかの前記判定を行う、請求項1から4のいずれか1項に記載の加工方法。
  6. 前記集束イオンビームによる加工中に、前記試料の前記被加工面に電子ビームを照射し、前記試料で発生した二次電子を検出し、前記二次電子のコントラスト強度の変化によって、前記被加工面に前記穴部が現れたかどうかの前記判定を行う、請求項1から4のいずれか1項に記載の加工方法。
  7. 前記集束イオンビームによる加工が進むとともに、徐々に前記集束イオンビームの加速電圧を下げる、請求項1から6のいずれか1項に記載の加工方法。
  8. 前記穴部は集束イオンビームによって形成される、請求項1から7のいずれか1項に記載の加工方法。
  9. 前記試料に前記穴部を形成する前記ステップの後、前記試料を加工する前に、前記試料の表面に保護膜を形成するステップをさらに有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の加工方法。
  10. 前記試料は、構造物が形成されている領域と、構造物が形成されていない領域と、を有し、
    前記試料の、前記構造物が形成されていない前記領域の内部に形成されている部分が、前記試料の前記被加工面に現われたかどうかの前記判定を行う、請求項1から9のいずれか1項に記載の加工方法。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の加工方法を用いて、電子顕微鏡で観察される試料を作製する方法であって、
    前記試料の内部の観測対象物に隣接して前記穴部を形成する、試料を作製する方法。
  12. 前記観測対象物は、電子部品の電気的な不良個所であり、
    前記穴部を形成する前に、電気的に前記不良個所を特定するステップを有する、請求項12に記載の試料を作製する方法。
  13. 前記試料に前記穴部を形成する前記ステップの後、前記試料を加工する前に、前記観測対象物と前記穴部とを含む領域を一次試料として切り出すステップをさらに有し、
    該一次試料に対して前記集束イオンビームによる加工を行う、請求項11または12に記載の試料を作製する方法。
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