JP2010270822A - トルクコンバータのスリップ制御装置 - Google Patents

トルクコンバータのスリップ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両の発進時におけるスリップ制御の過渡応答特性を改善できるトルクコンバータのスリップ制御装置を提供する。
【解決手段】 第1の目標スリップ回転補正値ωSLPTC1と実スリップ回転速度ωSLPRとのスリップ回転偏差ωSLPERの低周波数領域のゲインを高周波数領域のゲインよりも小さく設定した周波数特性を有し、スリップ回転偏差ωSLPERを入力して第1フィードバック出力FBOUT1を出力する第1コントローラ104cと、スリップ回転偏差ωSLPERの低周波数領域のゲインを高周波数領域のゲインよりも大きく設定した周波数特性を有し、スリップ回転偏差ωSLPERを入力して第2フィードバック出力FBOUT2を出力する第2コントローラ104dと、車両の発進時、第1コントローラ104cによるフィードバック制御から第2コントローラ104dによるフィードバック制御へと切り替える。
【選択図】 図6

Description

本発明は、トルクコンバータのスリップ制御装置に関する。
従来、トルクコンバータのスリップ制御では、ロックアップクラッチが解放状態からスリップ状態へ移行するスリップ制御の過渡状態のとき、フィードバック補償器の積分動作を禁止している。この記載に関係する技術の一例は、特許文献1に開示されている。
特開平8−233095号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、スリップ制御開始から一定期間を過渡状態としてフィードバック補償器の積分動作を禁止するのみであるため、車両の発進時にスリップ制御を実施したとき、ロックアップクラッチのトルク容量の立ち上がり遅れに伴う制御偏差がフィードバック補償器の積分器に蓄積されることで、スリップ回転が規範回転に対して大きくアンダーシュートし、スリップ回転が振動するという問題があった。
本発明の目的は、車両の発進時におけるスリップ制御の過渡応答特性を改善できるトルクコンバータのスリップ制御装置を提供することにある。
本発明では、車両の発進時、クラッチ油圧の応答遅れの大きさに応じて、目標スリップ回転と実スリップ回転との偏差の低周波数領域のゲインを高周波数領域のゲインよりも小さく設定した第1のフィードバック補償器によるフィードバック制御から、前記偏差の低周波数領域のゲインを高周波数領域のゲインよりも大きく設定した第2のフィードバック補償器によるフィードバック制御へと切り替える。
よって、本発明では、制御誤差の積分値が積分器へ蓄積されるのを抑制できるため、スリップ回転の過渡状態における規範回転に対するスリップ回転のアンダーシュートを抑えることができる。この結果、車両の発進時におけるスリップ制御の過渡応答特性を改善できる。
実施例1のトルクコンバータのスリップ制御装置の構成図である。 トランスミッションコントローラ5においてスリップ制御を実行するための制御構成図である。 スリップ回転ゲインマップである。 エンジン全性能マップである。 ロックアップクラッチ締結容量マップである。 スリップ回転指令値演算部104の制御構成図である。 第1コントローラ104cおよび第2コントローラ104dのスリップ回転偏差ωSLPERに対する第1フィードバック出力FBOUT1および第2フィードバック出力FBOUT2の周波数特性を示すボード線図である。 ロックアップ差圧推定値演算部111の制御構成図である。 トルクコンバータ1のトルク容量係数特性マップである。 トルクコンバータ1のトルク比特性マップである。 差圧−フィードバック係数算出マップである。 エンジン回転数−フィードバック係数算出マップである。 従来のスリップ制御におけるロックアップ差圧の応答遅れ特性を示す図である。 従来のスリップ制御装置において、停車状態からアクセル開度一定で発進し、エンジン回転の吹け上がりを抑えるように目標スリップ回転を設定し、所定の車速にてロックアップする走行シーンのシミュレーション結果である。 実施例1のスリップ制御装置において、停車状態からアクセル開度一定で発進し、エンジン回転の吹け上がりを抑えるように目標スリップ回転を設定し、所定の車速にてロックアップする走行シーンのシミュレーション結果である。
以下、本発明のトルクコンバータのスリップ制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
[全体構成]
図1は、実施例1のトルクコンバータのスリップ制御装置の構成図である。
トルクコンバータ1は、エンジンから駆動輪へ至る車両の駆動伝達経路上であって、エンジンと自動変速機(無段変速機を含む)との間に介装し、内部作動流体を介して入出力要素間での動力伝達を行う。このトルクコンバータ1は、出力要素(タービンランナ)と共に回転するロックアップクラッチ2を内蔵する。このロックアップクラッチ2は、入力要素(ポンプインペラ)側を締結したとき、トルクコンバータ1を、入出力要素間を直結したロックアップ状態とする。
ロックアップクラッチ2は、その両側におけるトルクコンバータアプライ圧PAとトルクコンバータレリーズ圧PRとの差圧PA-PRに応動する。レリーズ圧PRがアプライ圧PAよりも高い場合、ロックアップクラッチ2は解放して入出力要素間を直結せず、トルクコンバータ1はスリップ制限しないコンバータ状態で機能する。レリーズ圧PRがアプライ圧PAよりも低い場合、ロックアップクラッチ2は締結して入出力要素間を直結し、トルクコンバータ1はロックアップ状態で機能する。ここで、ロックアップクラッチ2の締結力、つまり、クラッチ締結容量は、上記の差圧PA-PRにより決定し、この差圧が大きいほどロックアップクラッチ2の締結力は増大してクラッチ締結容量は増大する。
差圧PA-PRは周知のロックアップ制御バルブ3により制御し、このロックアップ制御バルブ3は、アプライ圧PAおよびレリーズ圧PRを向かい合わせに作用させ、さらにアプライ圧PAと同方向にばね3aのばね力を、またレリーズ圧PRと同方向にばね力を作用させ、同時にレリーズ圧PRと同方向に信号圧PSをそれぞれ作用させる。ロックアップ制御バルブ3は、これらによる力が釣り合うよう差圧PA-PRを決定する。ここで、信号圧PSは、エンジンにより駆動するオイルポンプのポンプ圧PPを元圧としてロックアップソレノイド4が駆動デューティDに応じて作り出すもので、トランスミッションコントローラ5は、ロックアップソレノイド4を通じて差圧PA-PRを制御する。
トランスミッションコントローラ5は、車両の走行状態やドライバの運転状況を示す各種信号を入力する。電源電圧センサ6は、バッテリの供給電圧を検出する。インペラ回転センサ7は、トルクコンバータ1への入力回転を検出する。タービン回転センサ8は、トルクコンバータ1からの出力回転を検出する。出力軸回転センサ9は、自動変速機の出力軸回転を検出する。スロットル開度センサ10は、エンジンのスロットル開度を検出する。ATF温度センサ11は、自動変速機の作動油(ATF;Automatic Transmission Fluid)の温度を検出する。
トランスミッションコントローラ5は、各入力信号に基づきロックアップ締結や解除などの制御演算を行う。そして、トランスミッションコントローラ5は、制御演算結果に基づき、ロックアップソレノイド4の駆動デューティDを決定すると共に、電源電圧センサ6からの電源電圧信号に応じて駆動デューティDの補正を行う。
また、トランスミッションコントローラ5は、CANなどの車内通信網13に接続し、エンジンコントローラ12など他のコントローラと通信を行っている。例えば、エンジンコントローラ12からエンジントルク推定値などを受信する。
ここで、エンジンコントローラ12は、アクセル開度、車速、エンジン回転速度などの車両状態から算出した目標エンジントルク、または車内通信網13を介して受信したエンジントルク指令値に従い、エンジントルクを制御する。
[スリップ制御]
図2は、トランスミッションコントローラ5においてスリップ制御を実行するための制御構成図である。以下に示す演算は、あらかじめ定められた所定の制御周期、例えば20ms毎に定期的に行うものとする。
前置補償器101A,101Bは、目標スリップ回転指令値ωSLPTを、設計者の意図する応答特性となるように設定した補償用フィルタを通過させることにより、目標スリップ回転補正値ωSLPTC1SLPTC2を算出する。
まず、第1の前置補償器101Aでは、目標スリップ回転指令値ωSLPTに基づき、下記の式(1)を参照して第1の目標スリップ回転補正値ωSLPTC1を算出する。
ωSLPTC1 = GR(S)・ωSLPT …(1)
ただし、GR(S)は規範モデルであり、設計者の意図する目標応答が得られるような伝達関数を設定する。
次に、第2の前置補償器101Bでは、目標スリップ回転指令値ωSLPTに基づき、下記の式(2)を参照して第2の目標スリップ回転補正値ωSLPTC2を算出する。
ωSLPTC2 = GM(S)・ωSLPT …(2)
ただし、GM(S) = GR(s) / P(s) …(3)
であり、GM(S)はフィードフォワード補償器、P(s)は制御対象であるトルクコンバータ2のスリップ回転部分をモデル化した伝達関数である。
実スリップ回転演算部102は、ポンプインペラの回転速度(インペラ回転速度)ωiからタービンランナの回転速度(タービン回転速度)ωtを減算してトルクコンバータ1の実スリップ回転速度ωSLPRを算出する。ここで、インペラ回転速度ωiはエンジン回転速度と、タービン回転速度ωtは自動変速機の入力軸回転速度と等価な速度である。
スリップ回転偏差演算部103は、第1の目標スリップ回転補正値ωSLPTC1と実スリップ回転速度ωSLPRとの間のスリップ回転偏差ωSLPERを算出する。
ωSLPER = ωSLPTC1 - ωSLPR …(4)
スリップ回転指令値演算部104は、第2の目標スリップ回転補正値ωSLPTC2とスリップ回転偏差ωSLPERとから、スリップ回転偏差ωSLPERを無くすためのスリップ回転指令値ωSLPCを算出する。スリップ回転指令値演算部104によるスリップ回転指令値演算の詳細については後述する。
スリップ回転速度ゲイン演算部105は、図3に示すスリップ回転ゲインマップを参照し、現在のタービン回転速度ωtに対応したスリップ回転ゲインgSLPCを求める。スリップ回転ゲインgSLPCは、タービン回転速度ωtが大きくなるほど小さくなる特性とする。
目標コンバータトルク演算部106は、タービン回転速度ωtのときにスリップ回転指令値ωSLPCを達成するための目標コンバータトルクTCNVCを、下記の式(5)を参照して算出する。
TCNVC = ωSLPC / gSLPC …(5)
エンジン出力トルク推定部107は、エンジン回転数と等価であるインペラ回転数ωiおよびスロットル開度TVOから、図4に示すエンジン全性能マップを参照してエンジントルクマップ値TESを検索し、これにエンジンの動特性を時点数TEDの一次遅れとした場合のフィルタを通過させて、エンジントルク推定値TEを算出する。
TE = T / (1 + TED・S) …(6)
ここで、式(6)に代えて、CANなどの車内通信網13を介して得られる情報をエンジントルク推定値TEとしてもよい。
目標ロックアップクラッチ締結容量演算部108は、エンジントルク推定値TEから目標コンバータトルクTCNVCを減算して目標ロックアップクラッチ締結容量(クラッチトルク指令値)TLUを算出する。
TLU = TE - TCNVC …(7)
ロックアップクラッチ締結圧指令値演算部109は、図5に示すロックアップクラッチ締結容量マップを参照し、ロックアップクラッチ締結圧TLUを達成するためのロックアップクラッチ締結圧指令値PLUCを検索する。
ソレノイド駆動信号演算部110は、アプライ圧PAとレリーズ圧PRの差をロックアップクラッチ締結圧指令値PLUCとするためのロックアップデューティSDUTYを決定する。
ロックアップ差圧推定値演算部(ロックアップ差圧推定手段)111は、目標ロックアップクラッチ締結容量TLUと、エンジントルク推定値TEと、インペラ回転速度ωiと、タービン回転速度ωtとを入力し、ロックアップ差圧推定値PLUOBSを算出する。ロックアップ差圧推定演算部111によるロックアップ差圧推定演算の詳細については後述する。
[スリップ回転指令値演算]
図6は、スリップ回転指令値演算部104の制御構成図である。
比例要素104aは、スリップ回転偏差ωSLPERにフィードバック係数αを乗算してα・ωSLPERを算出する。なお、フィードバック係数αの算出方法について後述する。
比例要素104bは、スリップ回転偏差ωSLPERに(1-α)を乗算して(1-α)・ωSLPERを算出する。
2つの比例要素104a,104bによりフィードバック補償器切り替え手段を構成する。
第1コントローラ(第1のフィードバック補償器)104cは、α・ωSLPERに伝達関数GC1(s)を乗算して第1フィードバック出力(第1のスリップ回転指令値)FBOUT1を算出する。
FBOUT1 = GC1(s)・α・ωSLPER …(8)
なお、伝達関数GC1(s)は下記の式(9)とする。
GC1(s) = (n51s5+n41s4+n31s3+n21s2+n11s+n01) / (d51s5+d41s4+d31s3+d21s2+d11s+d01)
第2コントローラ(第2のフィードバック補償器)104dは、(1-α)・ωSLPERに伝達関数GC2(s)を乗算して第2フィードバック出力(第2のスリップ回転指令値)FBOUT2を算出する。
FBOUT2 = GC2(s)・(α-1)・ωSLPER …(10)
なお、伝達関数GC2(s)は下記の式(11)とする。
GC2(s) = (n52s5+n42s4+n32s3+n22s2+n12s+n02) / (d52s5+d42s4+d32s3+d22s2+d12s+d02) …(11)
図7は、第1コントローラ104cおよび第2コントローラ104dのスリップ回転偏差ωSLPERに対する第1フィードバック出力FBOUT1および第2フィードバック出力FBOUT2の周波数特性を示すボード線図である。
まず、図7(a)はゲイン線図であり、第1コントローラ104cは、低周波数領域のゲインが高周波数領域のゲインよりも小さくなるゲイン特性とする。低周波数領域のゲインは負の値を取り、高周波になるほどゲインを大きくする。高周波数領域のゲインは正の値をとる。つまり、第1コントローラ104cは、比例動作と微分動作を含むPD制御器に相当する。
一方、第2コントローラ104dは、低周波数領域のゲインが高周波数領域のゲインよりも大きくなるゲイン特性とする。ゲインは常に正の値をとり、低周波数領域では、高周波になるほどゲインを小さくする。つまり、第2コントローラ104dは、比例動作、微分動作および積分動作を含むPID制御器に相当する。
次に、図7(b)は位相線図であり、第1コントローラ104cは、低周波数領域では位相進み、高周波数領域では位相遅れとなる位相特性とする。
一方、第2コントローラ104dは、低周波数領域では位相遅れ、高周波数領域では位相進みとなる位相特性とする。
加算器104eは、第1フィードバック出力FBOUT1と第2フィードバック出力FBOUT2とを加算し、第1スリップ回転指令値ωSLPC1を算出する。
ωSLPC1 = FBOUT1 + FBOUT2 …(12)
加算器104fは、第1スリップ回転指令値ωSLPC1と第2スリップ回転指令値ωSLPC2とを加算し、スリップ回転指令値ωSLPCを算出する。
[ロックアップ差圧推定値演算]
図8は、ロックアップ差圧推定値演算部111の制御構成図である。
速度比算出部111aは、タービン回転速度ωtとインペラ回転速度ωiとから、トルクコンバータ1の速度比e(ωti)を算出する。
コンバータトルク算出部111bは、インペラ回転速度ωiとタービン回転速度ωtから、トルクコンバータ1の出力トルク(タービントルク)であるコンバータトルクtCNVCを算出する。
コンバータトルク算出部111bは、まず、図9に示すようなトルクコンバータ1のトルク容量係数特性マップを用いて、速度比eからトルク容量係数Cを検索し、トルク容量係数Cとインペラ回転速度ωiの二乗との積からトルクコンバータ1の入力トルク(ポンプトルク)tpを算出する。
tp = C・ωi・ωi …(13)
続いて、図10に示すようなトルクコンバータ1のトルク比特性マップを用いて、速度比eからトルク比tを検索し、トルク比tとポンプトルクtpとからコンバータトルクtCNVCを算出する。
tCNVC = t・tp …(14)
加算器111cは、目標ロックアップクラッチ締結容量TLUとコンバータトルクtCNVCとを加算して変速機入力トルクTATを算出する。
比較器111dは、エンジントルク推定値TEから変速機入力トルクTATを減算してエンジントルク推定値TEのうちインペラの加速度変化に使用された消費トルクTωを算出する。
比例要素111eは、消費トルクTωにトルクコンバータ1の入力側、すなわちインペラのイナーシャJeの逆数1/Jeを乗算してインペラ角加速度Δω'iを算出する。
比較器111fは、エンジン回転数と等価であるインペラ回転速度ωiからエンジン回転推定値ωiobsを減算してインペラ回転推定誤差Δωiを算出する。エンジン回転推定値ωiobsについては後述する。
比例要素111gは、インペラ回転推定誤差ΔωiにオブザーバゲインKOBSを乗算してインペラ回転推定誤差Δωiを無くすためのインペラ角加速度補正値Δω'icを算出する。ここで、オブザーバゲインKOBSは、ロックアップ差圧推定値PLUOBSを実際の差圧へ速やかに追従させる値とする。
加算器111hは、インペラ角加速度Δω'iとインペラ角加速度補正値Δω'icとを加算してエンジン回転加速度推定値ω'iobsを算出する。
比例要素111iは、エンジン回転加速度推定値ω'iobsを積分してエンジン回転推定値ωiobsを出力する。
比例要素111jは、インペラ角加速度補正値Δω'icにインペラのイナーシャJeを乗算し、ロックアップクラッチ2に目標ロックアップクラッチ締結容量TLUに応じたロックアップクラッチ締結圧指令値PLUCを与えたときの実際のロックアップクラッチ締結容量との誤差である締結容量誤差ΔTLUOBSを出力する。
上記速度比算出部111a、コンバータトルク算出部111b、加算器111c、比較器111d、比例要素111e、比較器111f、比例要素111g、加算器111h、比例要素111i、比例要素111jにより、目標ロックアップクラッチ締結容量TLU、エンジントルク推定値TE、インペラ回転速度ωiおよびタービン回転速度ωtを入力とし、締結容量誤差TLUOBSを出力とするインペラのスリップ回転モデルを構成している。
比較器111kは、目標ロックアップクラッチ締結容量TLUから締結容量誤差ΔTLUOBSを減算してロックアップクラッチ締結容量推定値TLUOBSを出力する。
ロックアップクラッチ差圧推定値算出部111mは、ロックアップクラッチ締結容量推定値TLUOBSを達成するためのロックアップ差圧推定値PLUOBSを算出する。ロックアップクラッチ締結容量TLUとロックアップ差圧PLUとの関係は一定であるため、この関係をあらかじめマップ化しておくことで、ロックアップクラッチ締結容量推定値TLUOBSからロックアップ差圧推定値PLUOBSを簡単に求めることができる。
[フィードバック係数算出]
スリップ回転指令値演算部104におけるフィードバック係数αの算出方法について説明する。
スリップ回転指令値演算部104は、ロックアップ差圧推定値演算部111の推定したロックアップ差圧推定値PLUOBSを差圧相当値とし、図11に示す差圧−フィードバック係数算出マップを検索してフィードバック係数αを算出する。図11のマップにおいて、フィードバック係数αは、差圧PLUがゼロと第1所定値P1との間に有る場合には1とし、第1所定値P1と第2所定値P2(>P1)との間にある場合は差圧が大きいほど減少させ、第2所定値P2を越える場合にはゼロとする。
また、フィードバック係数αを算出する方法として、上記方法に代えて、エンジントルク推定値TEと、インペラ回転速度ωiと等価であるエンジン回転数Neとから、図12に示すエンジン回転数−フィードバック係数算出マップを検索する方法を用いてもよい。図12のマップにおいて、フィードバック係数αは、エンジントルク推定値TEが一定の場合には、エンジン回転数Neが高くなるほど小さな値とし、エンジン回転数Neが一定の場合には、エンジントルク推定値TEが大きくなるほど大きな値とする。
次に、作用を説明する。
[発進時のスリップ制御について]
無段変速機を含む自動変速機の動力伝達系に挿入されたトルクコンバータのロックアップ制御は、トルクコンバータのすべりに起因する燃費の悪化を低減するために、トルク増大作用や変速ショック吸収機能を必要としない運転領域において、トルクコンバータの入出力要素間をロックアップクラッチの締結により直結状態としている(ロックアップモード)。ロックアップ制御では、上記ロックアップモードと、ロックアップクラッチを完全解放し、流体を介してトルク伝達を行うコンバータモードと、ロックアップクラッチを半締結状態とし、所定のスリップ状態を維持するスリップモードとの3つのモードを運転状態に応じて切り替えている。
ロックアップクラッチの各動作モードの切り替えは、ロックアップ差圧を変化させることにより行い、最小圧の場合にはコンバータ状態、最大圧の場合にはロックアップ状態となるように設計されている。
このうち、スリップモードにおいて設定した目標スリップ回転と実際のスリップ回転が等しくなるようにロックアップ差圧を制御するスリップ制御としては、既に様々な方法が提案されている。例えば、スリップ制御を車両発進時から適用することで、従来はトルクコンバータのトルク容量で決まっていた車両の発進性能を可変とすることができる。すなわち、従来の発進時においては、ドライバのアクセル踏み込みによってエンジン回転が無駄に吹け上がることが多かったが、スリップ制御を適用することで、エンジン回転を抑えると共に、入力トルクをトルクコンバータとロックアップクラッチの双方で伝達し、より大きなトルクを伝達できる。これにより、発進時の燃費と運転性能の向上を図ることができる。
[油圧の応答遅れに起因するスリップ回転のアンダーシュートについて]
ここで、発進時にエンジン回転数の吹け上がりを抑えるためには、トルクコンバータの入力トルクであるエンジントルクの立ち上がりに応じてロックアップクラッチのトルク容量を上昇させる必要がある。このとき、実施例1に示したような2way方式のロックアップクラッチの場合には、トルク容量を発生させるロックアップ差圧の立ち上がり応答が遅いため、エンジン回転の吹け上がりを抑制できないという問題がある。
すなわち、2way方式のロックアップクラッチでは、ロックアップコントロールバルブにより、リリース側の圧力であるレリーズ圧と、アプライ側のアプライ圧を調圧し、その2つの差圧によってトルク容量をコントロールする。クラッチ解放状態ではレリーズ圧がアプライ圧よりも高く、クラッチ締結状態ではアプライ圧がレリーズ圧よりも高い。クラッチを解放から締結に移行させるには、解放状態のレリーズ圧がアプライ圧よりも高い状態から、アプライ圧を徐々に上昇させ、アプライ圧とレリーズ圧が等しくなった時点でレリーズ圧を徐々に減算させることによりクラッチを締結させる。このとき、ロックアップ差圧は、アプライ圧からレリーズ圧を減算した値で定義され、ロックアップ差圧が正の領域でトルク容量が発生する。
ところが、2way方式のロックアップクラッチでは、油圧機構の特性により、アプライ圧とレリーズ圧が等しい時点(トルク容量がゼロ)において、おけるレリーズ圧の減圧側の初期応答に遅れがあるため、ロックアップ差圧のゼロ付近の立ち上がりに遅れが生じる(図13)。このため、発進時のトルク容量の立ち上がりが遅く、エンジントルクに対して適切なトルク容量を実現できず、エンジン回転が吹け上がってしまう。
上述したように、上記特許文献1には、ロックアップクラッチの解放状態からスリップ状態へ移行する過渡状態における実スリップ量の応答波形を滑らかにし、かつ定常状態でのスロットル開度変動などの外乱に対する応答波形を速やかに設定することを目的とし、スリップ制御の過渡時に実スリップ量を目標スリップ量に追従させるフィードバック補償器の積分動作を禁止する技術が開示されている。
ところが、この従来技術では、スリップ制御開始から一定期間を過渡状態としてフィードバック補償器の積分動作を禁止するのみであるため、車両発進時のスリップ制御中は制御誤差に応じて積分動作が開始される。このため、トルク容量の立ち上がりが遅い油圧(ロックアップ差圧)領域である発進初期から、上記従来技術を用いてスリップ制御を実施した場合、油圧の応答遅れに起因するスリップ回転の偏差がフィードバック補償器の積分器に蓄積されることで、スリップ回転が規範回転に対して大きくアンダーシュートし、スリップ回転の振動を招く。
図14は、上記従来技術において、停車状態からアクセル開度一定で発進し、エンジン回転の吹け上がりを抑えるように目標スリップ回転を設定し、所定の車速にてロックアップする走行シーンのシミュレーション結果であり、横軸は時間軸である。
アクセルを踏み込んだ直後から、目標スリップ回転に追従するようにロックアップ締結指令値を制御し、ロックアップクラッチを作動させているが、ロックアップ差圧の応答遅れの影響により、実スリップ回転が吹け上がり、フィードバック補償器の積分器に制御誤差が蓄積されることで、スリップ回転が規範応答に対して大きくアンダーシュートしているのがわかる。
また、上記従来技術では、比例動作、微分動作および積分動作を前提として設計されたPID制御器に対し、ロックアップ制御の過渡時には所定期間にわたって積分動作を禁止する構成である。このため、PID制御器として最適化されたフィードバック制御器において積分動作を禁止することでPD制御器として使用したとしても、PD制御器として最適な性能が得られず、応答性および安定性において十分な性能を補償できない。
[フィードバック補償器切り替え作用]
これに対し、実施例1のスリップ回転指令値演算部104では、ロックアップクラッチ2の油圧の応答遅れが大きくなる発進初期には、PD制御器である第1コントローラ104cによるフィードバック制御を選択し、その後、PID制御器である第2コントローラ104dによるフィードバック制御へと切り替える。
このため、発進初期の油圧の応答遅れが大きな2way方式のロックアップクラッチ2を備えたトルクコンバータ1において、発進直後は第1コントローラ104cのPD制御を用いて過渡応答特性(安定性)を改善し、油圧の応答遅れが無い定常領域では、第2コントローラ104dのPID制御を用いて定常特性(目標値追従性/外乱抑圧性)を改善し、実スリップ量を目標スリップ量に追従させることができる。
また、スリップ回転指令値演算部104は、第1および第2コントローラ104c,104dの入力段に、第1コントローラ104cと第2コントローラ104dとを切り替えるフィードバック補償器切り替え手段として比例要素104a,104bを設けた、これら比例要素104a,104bは、ロックアップ差圧PLUが増加するのに応じて、目標スリップ回転補正値ωSLPTC1に対する第1コントローラ104cの出力(第1フィードバック出力FBOUT1)の比率を徐々に小さくすると同時に、第2コントローラ104dの出力(第2フィードバック出力FBOUT2)の比率を徐々に大きくする。
このため、フィードバック補償器を第1コントローラ104cから第2コントローラ104dへ切り替える際、フィードバック出力の連続性を保つことができ、フィードバック制御の特性が急変するのを抑制できる。また、第1コントローラ104cと第2コントローラ104dは、それぞれ独立に最適なゲイン設計を行うことができるため、ロバスト設計手法であるH∞、μ設計法等で設計した高次元のコントローラとすることが可能である。つまり、第1コントローラ104cをPD制御器として、第2コントローラ104dをPID制御器としてそれぞれ最適な性能が得られるように設計できる。
また、スリップ回転指令値演算部104では、ロックアップクラッチ2のトルク容量を決定する制御量であるロックアップ差圧PLUに応じたフィードバック係数αに基づいて、第1コントローラ104cと第2コントローラ104dとを切り替えている。つまり、定常特性を補償できる制御領域、言い換えると、積分動作を開始する領域をロックアップ差圧PLUから判定している。すなわち、ロックアップ差圧PLUがゼロから所定値までの区間で油圧応答が遅くなるため、実油圧と強い相関のある制御量であるロックアップ差圧PLUから油圧の応答遅れの無い領域の判定が可能となり、積分動作を速やかに開始することで定常偏差の無いスリップ回転応答を実現できる。
また、実施例1では、第1コントローラ104cと第2コントローラ104dとを切り替える他の方法として、エンジントルク推定値TEとエンジン回転数と等価であるインペラ回転速度ωiとを引数とし、あらかじめ設定したエンジン回転数−フィードバック係数算出マップ(図12)を検索する方法を示した。
ロックアップクラッチ2の実油圧は、入力トルク(エンジントルク)とエンジン回転数とに強い相関がある。よって、この関係から油圧の応答遅れの無い領域を判定し、フィードバック補償器をPD制御器からPID制御器へと切り替えて積分動作を速やかに開始することで、定常偏差の無いスリップ回転応答を実現できる。
[ロックアップ差圧推定作用]
ロックアップ差圧推定値演算部111では、図8に示したようなスリップ回転モデルに目標ロックアップクラッチ締結容量TLUを入力して得られたエンジン回転推定値ωiobsと実際のエンジン回転数(インペラ回転数ωi)とを比較して締結容量誤差ΔTLUOBSを求め、これを目標ロックアップクラッチ締結容量TLUから減算してロックアップクラッチ締結容量推定値TLUOBSを算出することで、ロックアップ差圧推定値PLUOBSを算出している。
ロックアップ差圧PLUを求めるに当たり、トルクコンバータ2に油圧センサを取り付けることは困難であり、さらにコスト面からも好ましくない。そこで、実施例1では、スリップ回転モデルを使用したオブザーバを用いることで、油圧センサを用いることなく高精度の差圧推定を可能としている。
図15は、実施例1のスリップ制御装置において、停車状態からアクセル開度一定で発進し、エンジン回転の吹け上がりを抑えるように目標スリップ回転を設定し、所定の車速にてロックアップする走行シーンのシミュレーション結果であり、横軸は時間軸である。
ロックアップ差圧相当値(ロックアップ差圧推定値PLUOBS)が第1所定値P1に到達するまで、フィードバック係数αは1であり、フィードバック補償器として第1コントローラ104cの計算結果(第1フィードバック出力FBOUT1)を出力し、第2コントローラ104dの入力はゼロであるため、油圧の応答遅れによる誤差が積分値として蓄積されない。
時点taでは、差圧相当値がP1となる。ロックアップ差圧相当値が第1所定値P1以上の領域では、油圧の応答遅れが小さな領域であり、第1コントローラ104cと第2コントローラ104dの計算結果(α・FBOUT1 + (1-α)・FBOUT2)をフィードバック補償器の計算値としており、第2コントローラ104dの積分特性により定常偏差が小さくなるようにスリップ制御している。このように制御することで、フィードバック補償器出力の連続性を保ちつつ、規範応答に対しアンダーシュートすることなくスリップ回転を追従させることが可能となった。
以下、実施例1の効果を列挙する。
(1) 第1の目標スリップ回転補正値ωSLPTC1と実スリップ回転速度ωSLPRとのスリップ回転偏差ωSLPERの低周波数領域のゲインを高周波数領域のゲインよりも小さく設定した周波数特性を有し、スリップ回転偏差ωSLPERを入力して第1フィードバック出力FBOUT1を出力する第1コントローラ104cと、スリップ回転偏差ωSLPERの低周波数領域のゲインを高周波数領域のゲインよりも大きく設定した周波数特性を有し、スリップ回転偏差ωSLPERを入力して第2フィードバック出力FBOUT2を出力する第2コントローラ104dと、車両の発進時、第1コントローラ104cによるフィードバック制御から第2コントローラ104dによるフィードバック制御へと切り替えるフィードバック補償器切り替え手段(比例要素104a,104b)と、を備えた。これにより、車両の発進時におけるスリップ制御の過渡応答特性を改善できる。
(2) フィードバック補償器切り替え手段は、ロックアップクラッチ2のトルク容量を決定する制御量に基づいて、第1コントローラ104cによるフィードバック制御から第2コントローラ104dによるフィードバック制御へと切り替える。これにより、ロックアップクラッチ2のクラッチ油圧の応答遅れが生じる領域と応答遅れのない領域とを精度よく判定でき、積分動作を速やかに開始して定常偏差を抑制できる。
(3) フィードバック補償器切り替え手段は、フィードバック補償器を切り替えるとき、スリップ回転指令値ωSLPCに対する第1フィードバック出力FBOUT1と第2フィードバック出力FBOUT2の重み付けを徐々に変化させる。これにより、フィードバック制御特性の急変を抑制でき、PD制御からPID制御へと滑らかに移行できる。
(4) 制御量を、ロックアップクラッチ2に作用するアプライ圧PAとレリーズ圧PRとの差圧PA-PRとしたため、ロックアップクラッチ2のクラッチ油圧の応答遅れが生じる領域と応答遅れのない領域とを精度よく判定でき、積分動作を速やかに開始して定常偏差を抑制できる。
(5) 目標ロックアップクラッチ締結容量TLUを入力し、実際のクラッチトルクとの誤差である締結容量誤差ΔTLUOBSを出力するスリップ回転モデルを有し、目標ロックアップクラッチ締結容量TLUから締結容量誤差ΔTLUOBSを除いてロックアップ差圧推定値PLUOBSを算出するロックアップ差圧推定値演算部111を備える。これにより、油圧センサを用いることなく高精度の差圧推定が可能となる。
(6) フィードバック補償器切り替え手段は、制御量をエンジントルク推定値TEとエンジン回転数(インペラ回転速度ωi)とに基づいて推定するため、油圧センサを用いることなく、ロックアップクラッチ2のクラッチ油圧の応答遅れが生じる領域と応答遅れのない領域とを精度よく判定できる。
(7) フィードバック補償器切り替え手段は、エンジントルク推定値TEとエンジン回転数(インペラ回転速度ωi)とを引数として第1コントローラ104cによるフィードバック制御と第2コントローラ104dによるフィードバック制御とを切り替える領域をあらかじめ規定したエンジン回転数−フィードバック係数算出マップを備える。これにより、複雑な演算が不要となるため、クラッチ油圧の応答遅れが無くなったとき、第1コントローラ104cによるフィードバック制御から第2コントローラ104dによるフィードバック制御へと素早く切り替えることができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、スリップ回転モデルを用いて差圧相当値を推定する方法を示したが、ロックアップクラッチ締結圧指令値PLUCの1演算周期前の値を差圧相当値としてもよい。また、油圧センサで計測したアプライ圧PAとレリーズ圧PRとの差圧PA-PRを用いてもよい。
1 トルクコンバータ
2 ロックアップクラッチ
104a 比例要素(フィードバック補償器切り替え手段)
104b 比例要素(フィードバック補償器切り替え手段)
104c 第1コントローラ(第1のフィードバック補償器)
104d 第2コントローラ(第2のフィードバック補償器)
111 ロックアップ差圧推定値演算部(ロックアップ差圧推定手段)

Claims (7)

  1. 運転状態に応じてエンジンと自動変速機との間に介装したトルクコンバータの入出力要素間の実スリップ回転をロックアップクラッチの締結により目標スリップ回転指令値に制御するトルクコンバータのスリップ制御装置において、
    前記目標スリップ回転と実スリップ回転との偏差の低周波数領域のゲインを高周波数領域のゲインよりも小さく設定した周波数特性を有し、前記目標スリップ回転と実スリップ回転との偏差を入力して第1のスリップ回転指令値を出力する第1のフィードバック補償器と、
    前記偏差の低周波数領域のゲインを高周波数領域のゲインよりも大きく設定した周波数特性を有し、前記偏差を入力して第2のスリップ回転指令値を出力する第2のフィードバック補償器と、
    車両の発進時、クラッチ油圧の応答遅れの大きさに応じて、前記第1のフィードバック補償器によるフィードバック制御から前記第2のフィードバック補償器によるフィードバック制御へと切り替えるフィードバック補償器切り替え手段と、
    を備えたことを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装置。
  2. 請求項1に記載のトルクコンバータのスリップ制御装置において、
    前記フィードバック補償器切り替え手段は、前記ロックアップクラッチのトルク容量を決定する制御量に基づいて、前記第1のフィードバック補償器によるフィードバック制御から前記第2のフィードバック補償器によるフィードバック制御へと切り替えることを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装置。
  3. 請求項2に記載のトルクコンバータのスリップ制御装置において、
    前記フィードバック補償器切り替え手段は、フィードバック補償器を切り替えるとき、前記スリップ回転指令値に対する前記第1のスリップ回転指令値と前記第2のスリップ回転指令値の重み付けを徐々に変化させることを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のトルクコンバータのスリップ制御装置において、
    前記制御量を、前記ロックアップクラッチに作用するアプライ圧とレリーズ圧との差圧としたことを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装置。
  5. 請求項4に記載のトルクコンバータのスリップ制御装置において、
    前記スリップ回転指令値に応じたクラッチトルク指令値を入力し、実際のクラッチトルクとの誤差を出力するスリップ回転モデルを有し、前記スリップ回転指令値から前記誤差を除いてロックアップ差圧を推定するロックアップ差圧推定手段を備えることを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装置。
  6. 請求項2または請求項3に記載のトルクコンバータのスリップ制御装置において、
    前記フィードバック補償器切り替え手段は、前記制御量をエンジントルクとエンジン回転数とに基づいて推定することを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装置。
  7. 請求項6に記載のトルクコンバータのスリップ制御装置において、
    前記フィードバック補償器切り替え手段は、エンジントルクとエンジン回転数とを引数として前記第1のフィードバック補償器によるフィードバック制御と前記第2のフィードバック補償器によるフィードバック制御とを切り替える領域をあらかじめ規定したマップを備えることを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装置。
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