JP2010270267A - インクジェット用インク組成物、それを用いたインクカートリッジおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット用インク組成物、それを用いたインクカートリッジおよびインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発泡性が低く、またノズルプレート面へのインク組成物の固着がなく、これらにより吐出安定性に優れ、文字にじみ、色境界にじみ等のない水素インク組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも着色剤、分散剤、ポリマー粒子、水溶性有機溶媒、水および下記一般式で示される基を有するフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物。
Figure 2010270267

【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インク組成物、該インクジェット用インク組成物を用いたインクカートリッジおよびインクジェット記録装置に関する。
インク組成物にフッ素系の界面活性剤を含有させることにより、インク中で着色剤を安定に分散させてインク組成物の紙への濡れ性を向上、また、発色性が高く、文字のにじみ(フェザリング)や色境界のにじみ(ブリーディング)の少ない画像を得ようとの試みは行われてはいる。しかしながら、フッ素原子が保有する作用で表面張力が低下するため、ノズル面に対しても濡れ性が上がり、ノズル周辺部にインクが付着して不均一なインク溜まりが発生しインク滴の吐出方向が曲げられたり、また大きなばらつきが発生したりして吐出安定性の低下に繋がることがある。また一般に界面活性剤は発泡性を有し、フッ素系界面活性剤もその点では同様であるが、疎水基(フッ素含有基)の長さや構造あるいは親水基の長さや構造により発泡性が異なってくることも事実である(例えば特許文献1参照)。
本発明の目的は、インクジェット用インク組成物、特に水系インク組成物において、該インク組成物の発泡性が低くまたノズルプレート面へのインク組成物の固着がなく、これらにより吐出安定性に優れ、文字のにじみ(フェザリング)、色境界のにじみ(ブリーディング)等のないさらに画像の色再現性、耐久性、耐光性、画像の乾燥性、耐擦過性、両面印刷性などが良好である画像を提供することにある。更に、該インクジェット用インク組成物を用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の第1は、少なくとも着色剤、分散剤、ポリマー粒子、水溶性有機溶媒、水および下記一般式(I)で示されるフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物に関する。
Figure 2010270267
式中、Zは、
Figure 2010270267
または
Figure 2010270267
であり、
Xは、COO、CO−NHまたはSO−NHであり、そしてYはC2m+1(mは14〜22の整数)または(CH−Q〔pは2または3、QはOHまたはN(CHである〕
である。
本発明の第2は、前記一般式(I)で示されるフッ素系界面活性剤において、Zが前記〔化2〕である
Figure 2010270267
Figure 2010270267
Figure 2010270267
Figure 2010270267
Figure 2010270267
の化合物を単独または二種以上を含むものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク組成物に関する。
本発明の第3は、請求項1および2に記載のインクジェット用インク組成物を容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジに関する。
本発明の第4は、請求項1および2に記載のインクジェット用インク組成物に刺激を印加し、該インクジェット用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有するインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドのノズルプレート面がシリコン樹脂を含有する撥インク層を有することを特徴とするインクジェット記録装置に関する。
インクジェット用インク組成物において、特異な構造を有するフッ素系界面活性剤を用いることにより、該インク組成物の発泡性が低くまたノズルプレート面へのインク組成物の固着がなく、これらにより吐出安定性に優れ、文字のにじみ(フェザリング)、色境界のにじみ(ブリーディング)等のないさらに画像の色再現性、耐久性、耐光性、画像の乾燥性、耐擦過性、両面印刷性などが良好である画像を提供することができる。
インクジェット記録装置の一実施形態について説明する図。
以下、上記本発明の実施の形態について詳しく説明する。
本発明は、フッ素系界面活性剤を用いるインクジェット用インク組成物おいて、上述したような欠点を改善すべく検討した結果、特異な構造を有するフッ素系界面活性剤を用いることで、本目的が達成できることを見出した。
即ち、本発明になる上記一般式(I)で示されるフッ素系の界面活性剤化合物における疎水基は、下記のような構造となる。
Figure 2010270267
Figure 2010270267
上記の構造ではC(炭素原子)は側鎖状に並び塊状のパーフルオロアルケニル基となる。このように塊状のパーフルオロアルケニル基が存在することで、界面活性剤の発泡性が抑制される。またフッ素原子自体の作用で撥水性が発揮され、ノズルプレートへのインク固着性が改善される。しかしながら、一方で表面張力の低下によるノズル面に対して濡れ性が上がり周辺部にインクが付着してインク吐出安定性が低下する可能性もあるが、本発明では前記疎水基の塊状構造ゆえに立体効果が得られ、適度な濡れ性が確保されと共に吐出安定性に優れることを見出した。
上記の一般式(I)で示されるフッ素系界面活性剤は、例えば以下の構造のものが挙げられる。なお、以下の化合物例において、C17O−とあるのは、上記の化合物例1の構造を意味し、C11O−とあるのは、上記の化合物例2の構造を意味する。
Figure 2010270267
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Figure 2010270267
Figure 2010270267
Figure 2010270267
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フッ素系界面活性剤のインク中への添加量としては、0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%であるが、本発明では特にこれに限定されるものではない。これら界面活性剤は、単独または二種以上を混合して用いることも可能であり、また他の界面活性剤と混合して用いることも可能である。
本発明のインク組成物に用いられる着色剤として特に限定はないが、例えば以下に挙げる顔料が好適に用いられる。また、これら顔料は複数種類を混合して用いても良い。本発明で用いられる着色剤であるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであり、一次粒径が10〜50nm、BET法による比表面積が50〜400平方メートル/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。
有機顔料としてアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラツク、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉等が挙げられる。これらの着色剤は、高分子分散剤や界面活性剤を用いて水性媒体に分散させることでインクジェット用インク組成物とすることができる。このような有機顔料粉体を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を用いることができる。
水溶性樹脂の具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、これらの中でも重量平均分子量3000〜20000のものが、インクジェット用インク組成物に用いた場合に、分散液の低粘度化が可能であり、かつ分散も容易であるという利点があるので特に好ましい。
また、本発明で分散剤として使用できる水溶性界面活性剤の具体例としては、下記のものが挙げられる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等が挙げられる。又、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。更に両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。又、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
本発明のインク組成物を所望の物性にするため、あるいは乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止するためなどの目的で、色材の他に、水溶性有機溶媒を使用する。水溶性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が含まれる。湿潤剤は、特に乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを目的に添加される。湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエ−テル類;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノ−ル等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。
また、浸透剤はインク組成物と被記録材の濡れ性を向上させ、浸透速度を調整する目的で添加される。浸透剤としては、下記式(II)〜(V)で表されるものが好ましい。すなわち、下記式(II)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤、式(III)のアセチレングリコール系界面活性剤、下記式(IV)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤ならびに式(V)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系界面活性剤は、液の表面張力を低下させることができるので、濡れ性を向上させ、浸透速度を高めることができる。
Figure 2010270267
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Figure 2010270267
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前記式(II)〜(V)の化合物以外では、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類を用いることができるが、特にジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
本発明で用いられるポリマー粒子は樹脂エマルジョンの状態で使用され、ポリウレタン系、スチレンアクリル系、アクリルシリコン系から選ばれた少なくとも1種類以上であることが好ましい。特に水系顔料分散体にはポリウレタン系樹脂エマルジョンが紙への定着性等の点でより好ましい。
樹脂エマルジョンは、インク組成物の調製原料として使用する際、または本発明のインク組成物調整後において、O/W型のエマルジョンとして存在するものである。ポリウレタン系樹脂のエマルジョンには、比較的親水性の通常のポリウレタン系樹脂を外部に乳化剤を使用してエマルジョン化したものと、樹脂自体に乳化剤の働きをする官能基を共重合等の手段で導入した自己乳化型のエマルジョンがある。いずれも使用可能であるが、インク組成物の成分の組み合わせによって、顔料及びエマルジョン粒子の分散安定性に若干の差違があるので注意を要する。顔料や分散剤との各種組み合わせにおいて、常に分散安定性に優れているのはアニオン型自己乳化型ポリウレタンのエマルジョン樹脂である。その際、顔料の固着性・分散安定性の面でポリウレタン系樹脂はポリエステル型よりポリカーボネート型である場合の方が好ましく、さらにポリエステル型、ポリカーボネート型よりエーテル型である場合の方が好ましい。理由は定かではないが、非エーテル型は耐溶剤性に弱いものが多く、インクの高温保存時に粘度が凝集しやすい。また、理由は定かではないが、水系顔料分散体及び水系顔料インクに前記樹脂エマルジョンを添加し、加熱処理をすることで、処理時間短縮が可能である。
本発明のインク組成物の表面張力は、20〜60dyne/cmであることが好ましく、被記録材との濡れ性と液滴の粒子化の両立の観点からは30〜50dyne/cmであることがさらに好ましい。
本発明のインク組成物の粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましく、吐出安定性の観点からは3.0〜10.0cPであることがさらに好ましい。
本発明のインク組成物のpHは3〜11であることが好ましく、接液する金属部材の腐食防止の観点からは6〜10であることがさらに好ましい。
本発明のインク組成物は防腐防黴剤を含有することができる。防腐防黴剤を含有することによって、菌の繁殖を押さえることができ、保存安定性、画質安定性を高めることができる。防腐防黴剤としてはベンゾトリアゾール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。
本発明のインク組成物は防錆剤を含有することができる。防錆剤を含有することによって、ヘッド等の接液する金属面に被膜を形成し、腐食を防ぐことができる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が使用できる。
本発明のインク組成物は酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を含有することによって、腐食の原因となるラジカル種が生じた場合にも酸化防止剤がラジカル種を消滅させることで腐食を防止することができる。酸化防止剤としては、フェノール系化合物類、アミン系化合物類が代表的であるが、フェノール系化合物類としては、ハイドロキノン、ガレート等の化合物、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のヒンダードフェノール系化合物が例示され、アミン系化合物類としては、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N′−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジフェニルエチレンジアミン、フェノチアジン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4′−テトラメチル−ジアミノジフェニルメタン等が例示される。また、硫黄系化合物としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルβ,β′−チオジブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が例示され、リン系化合物類としては、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールフォスファイト等が例示される。
本発明のインク組成物はpH調整剤を含有することができる。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類、硼酸、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等を用いることができる。
本発明のインクジェット用インク組成物の調製方法としては、着色剤を分散させる従来公知のインクの調製方法でよく、例えばまず着色剤を公知の分散機にて分散し、必要に応じて遠心分離、濾過等により粗大粒子等を取り除き、着色剤分散液(ミルベース)を得る。次に湿潤剤、浸透剤、界面活性剤、水等を混合し、均一に混合するように攪拌を行い、ついでこの混合液に対してポリマー粒子、酸化チタン、消泡剤を添加攪拌し、その後ミルベース、pH調整剤、pH緩衝材を添加し攪拌してインク組成物を得る。得られたインク組成物は、インク材料由来やインク製造過程で発生した粗大粒子を取り除くため、濾過工程を経ることが望ましい。濾過に用いるフィルター孔径は、直径0.5μm〜10μmが望ましく、より好ましくは3μm〜7μmが製造効率とインク吐出信頼性の面から好ましい。
製造されたインクはインクカートリッジに充填されるが、充填されるインクは脱気されたものが望ましく、好ましくは溶存酸素濃度が5ppm以下である。
本発明においては、前記インク飛翔手段におけるインクジェットヘッドのノズルプレート面が、シリコン樹脂を含有する撥インク層を有する。前記シリコン樹脂は、SiとOからできたシロキサン結合を基本骨格とした樹脂であり、オイル、レジン、エラストマー等の種々の形態で市販されており、本発明で重要な撥インク性以外にも耐熱性、離型性、消泡性、粘着性等種々の特性を備えている。
シリコン樹脂は常温硬化、加熱硬化、紫外線硬化型等があり、作製方法、使用用途に応じて選択できる。このシリコン樹脂を含有する撥インク層をノズル面上に形成する方法としては、液状のシリコン樹脂材料を真空蒸着する方法や、シリコンオイルをプラズマ重合することにより形成する方法、スピンコート、ディッピング、スプレーコート等の塗布により形成する方法、電着法等が挙げられる。
前記撥インク層を形成する際には、電着法以外ではノズル孔及びノズル板裏面をフォトレジスト、水溶性樹脂等でマスキングし、撥インク層形成後、レジストを剥離除去すればノズル板表面のみに、シリコン樹脂を含有する撥インク層を形成することができる。
この場合、アルカリ性の強い剥離液を使用すると撥インク層へダメージを与えるので、注意が必要である。
前記シリコン樹脂を含む撥インク層の厚みは、0.1μm〜5.0μmが好ましく、0.1μm〜1.0μmがより好ましい。
前記厚みが、0.1μm未満であると、ワイピングに対する耐久性が悪化し、長期間使用時に撥インク性が低下してしまうことがあり、5.0μmを超えると、必要以上の厚みの撥インク層であるため製造コストが高くなることがある。
前記撥インク層の表面粗さ(Ra)は、0.2μm以下が好ましい。
前記表面粗さRaを0.2μm以下にすることで、ワイピング時の拭き残しを低減することができる。
図1を参照しながら、本発明のインクジェット記録装置の一実施形態について説明する。本実施形態の記録装置はインクジェットプリンタであって、印刷用紙等の記録媒体に対し、例えば4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクを吐出して画像形成するものである。
インクジェットプリンタ1は、各色のインクを吐出する4個のインクジェットヘッド11と、4個のインクジェットヘッド11を搭載したキャリッジ12と、図示しない駆動系によりキャリッジ12が主走査方向(図の左右方向)に移動するのをガイドするガイドロッド13と、印刷用紙Pを副走査方向(図の上下方向)に搬送する用紙搬送機構14とを備えている。用紙搬送機構14は、図示しない駆動系により回転する搬送ローラ15、テンションローラ16、およびこれらの間に掛け渡された搬送ベルト17を有している。
各インクジェットヘッド11は、圧電素子からなる圧電アクチュエータを備えている。もちろん、インクを吐出するための他のアクチュエータ、例えば、サーマルアクチュエータ、形状記憶合金アクチュエータまたは静電アクチュエータを備えたものでもよい。
さらに、インクジェットプリンタ1は、各色のインクを収容した4個のインクカートリッジ18と、キャリッジ12に搭載され、各インクジェットヘッド11に連なる4個のサブタンク19と、各インクカートリッジ18と各サブタンク19とを連通するインク供給チューブ(図示省略)とを備えており、各インクカートリッジ18に収容された各色のインクが、各サブタンク19を介して各インクジェットヘッド11に供給されるようになっている。つまり、インク供給チューブ、サブタンク19およびインクジェットヘッド11のヘッド内流路により、インクジェットプリンタ1の液体流路が構成されている。なお、インク供給チューブには、インクカートリッジ18内のインクをサブタンク19へ供給するための供給ポンプ(図示省略)が付設されている。
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されないものである。なお実施例中の部数は重量部を表わすものである。
調製例1(ミルベースの調製)
(ブラックミルベース)
カーボンブラック(MONARCH880、CABOT社製) 20部
ノニオン系界面活性剤〔RT−100、竹本油脂(株)製〕 5部
純水 80部
(イエローミルベース)
C.I.Pigment Yellow 74 20部
〔イエローNo.34、大日精化(株)製〕
ノニオン系界面活性剤〔RT−100、竹本油脂(株)製〕 5部
純水 80部
(マゼンタミルベース)
C.I.Pigment Red 122 20部
(クロモフタールJETマゼンタDMQ、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
ノニオン系界面活性剤〔RT−100、竹本油脂(株)製〕 5部
純水 80部
(シアンミルベース)
C.I.Pigment Blue 15.3 20部
〔クロモファインブルー A−220JC、大日精化(株)製〕
ノニオン系界面活性剤〔RT−100、竹本油脂(株)製〕 5部
純水 80部
上記のそれぞれの混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で循環分散し、その後遠心分離機による遠心濾過を行って粗大粒子やごみを除去し、平均粒子径70nmの水系ブラックミルベースA、イエローミルベースA、マゼンタミルベースA、シアンミルベースAをそれぞれ得た。
調製例2(ミルベースの調製)
(ブラックミルベース)
カーボンブラック(NIPex150、デグサ社製) 20部
アニオン系界面活性剤〔A−51−B、竹本油脂(株)製〕 5部
純水 80部
(イエローミルベース)
C.I.PigmentYellow 74 20部
〔イエローNo.34、大日精化(株)製〕
アニオン系界面活性剤〔A−51−B、竹本油脂(株)製〕 5部
純水 80部
(マゼンタミルベース) 20部
C.I.Pigment Red 122
(クロモフタールJETマゼンタDMQ、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
アニオン系界面活性剤〔A−51−B、竹本油脂(株)製〕 5部
純水 80部
(シアンミルベース)
C.I.Pigment Blue 15.3 20部
〔クロモファインブルー A−220JC、大日精化(株)製〕
アニオン系界面活性剤〔A−51−B、竹本油脂(株)製〕 5部
純水 80部
上記のそれぞれの混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で循環分散し、その後遠心分離機による遠心濾過を行って粗大粒子やごみを除去し、平均粒子径70nmの水系ブラックミルベースB、イエローミルベースB、マゼンタミルベースB、シアンミルベースBをそれぞれ得た。
実施例1
(インク組成物の調製)
上記で得られた各色ミルベースBを用いて下記インク処方によりインク組成物を調整し30分攪拌後、孔径0.5μmのメンブランフィルターでろ過し、さらに真空脱気してインク組成物を得た。
(ブラックインク組成物1)
ブラックミルベースB 40.0部
グリセリン 8.5部
ジエチレングリコール 17.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例4のフッ素系界面活性剤 2.0部
アクリル樹脂エマルション 13.7部
2−ピロリドン 2.0部
純水 14.8部
(イエローインク組成物)
イエローミルベースB 50.0部
グリセリン 3.5部
ジエチレングリコール 23.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例4のフッ素系界面活性剤 2.0部
アクリル樹脂エマルション 10.0部
純水 9.0部
(マゼンタインク組成物)
マゼンタミルベースB 60.0部
グリセリン 2.5部
ジエチレングリコール 20.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例4のフッ素系界面活性剤 2.0部
アクリル樹脂エマルション 6.0部
純水 7.0部
(シアンインク組成物)
シアンミルベースB 45.0部
グリセリン 4.5部
ジエチレングリコール 24.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例4のフッ素系界面活性剤 2.0部
アクリル樹脂エマルション 10.0部
純水 12.0部
得られた各色インク組成物をインクカートリッジに充填した。
次にインクジェットプリンター(リコー製IPSiO GX5000)に、シリコン樹脂を含有するノズルプレート面を有するインクジェットヘッドを装着し、これに得られたインクカートリッジを装着し、ゼロックス株社製PPC用紙4200に印刷パターンチャートを印字をし、得られたインク記録物の画像濃度をXriteにて測定した。得られた画像はベタ部の濃度は均一で、文字のエッジ部のにじみも見られず良好なものであった。
また得られたインク組成物の吐出安定性については、インク記録物を印刷した後、プリンタヘッドにキャップした状態でプリンタを40℃の環境下で1ヶ月放置した。放置後のプリンタの吐出状態が初期の吐出状態に回復するか否かを下記のクリーニング動作回数によって評価した(表1)。
○:1回の動作により回復した。
△:2回〜3回の動作により回復した。
×:3回以上の動作によっても回復がみられなかった。
インク組成物の保存試験を行ったところ、1回の動作で回復し、得られたインク記録物は鮮明であった。
さらに3000枚の連続印字を行い、印字画像でベタ部白抜け、すじ、噴射乱れ、等を見た。3000枚印字後の画像でも異常は見られなかった。さらにシリコン樹脂を含有するノズルプレート面を有するインクジェットヘッドを装置より取り出し、ノズルプレート面を顕微鏡で観察したところ、プレート面にインク組成物等の付着は見られなかった。
実施例2
各色ミルベースBを用いて、以下の処方によるインク組成物を調合した。
30分攪拌後、孔径0.5μmのメンブランフィルターでろ過し、さらに真空脱気してインク組成物を得た。
(ブラックインク組成物)
ブラックミルベースB 40.0部
グリセリン 8.5部
ジエチレングリコール 17.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例5のフッ素系界面活性剤 1.5部
アクリル樹脂エマルション 13.7部
2−ピロリドン 2.0部
純水 15.3部
(イエローインク組成物)
イエローミルベースB 50.0部
グリセリン 3.5部
ジエチレングリコール 22.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例5のフッ素系界面活性剤 1.5部
アクリル樹脂エマルション 10.0部
純水 11.0部
(マゼンタインク組成物)
マゼンタミルベースB 60.0部
グリセリン 2.5部
ジエチレングリコール 17.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例5のフッ素系界面活性剤 1.5部
アクリル樹脂エマルション 6.0部
純水 11.0部
(シアンインク組成物)
シアンミルベースB 45.0部
グリセリン 4.5部
ジエチレングリコール 24.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例5のフッ素系界面活性剤 1.5部
アクリル樹脂エマルション 10.0部
アミノ変性シリコンオイル 10.0部
純水 2.5部
得られた各色インク組成物をインクカートリッジに充填した。
実施例1と同様に、シリコン樹脂を含有するノズルプレート面を有するインクジェットヘッドを装着したインクジェットプリンターにこれに得られたインクカートリッジを装着し、ゼロックス株社製PPC用紙4200に印刷パターンチャートを印字をし、得られたインク記録物の画像濃度をXriteにて測定した。得られた画像はベタ部の濃度は均一で、文字のエッジ部のにじみも見られず良好なものであった。
また得られたインク組成物の保存試験を行なったところ、1回の動作で回復し吐出性も安定していた。得られたインク記録物も鮮明であった。
さらに3000枚の連続印字を行い、印字画像でベタ部白抜け、すじ、噴射乱れ、等を見た。3000枚印字後の画像でも異常は見られず、ノズルプレート面を顕微鏡で観察したところ、プレート面にインク組成物等の付着は見られなかった(表1)。
実施例3
各色ミルベースBを用いて、以下の処方によるインク組成物を調合した。
30分攪拌後、孔径0.5μmのメンブランフィルターでろ過し、さらに真空脱気してインク組成物を得た。
(ブラックインク組成物)
ブラックミルベースB 40.0部
グリセリン 8.5部
ジエチレングリコール 17.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例6のフッ素系界面活性剤 2.0部
アクリル樹脂エマルション 13.7部
2−ピロリドン 2.0部
純水 14.8部
(イエローインク組成物)
イエローミルベースB 50.0部
グリセリン 3.5部
ジエチレングリコール 22.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例6のフッ素系界面活性剤 2.0部
アクリル樹脂エマルション 10.0部
純水 10.5部
(マゼンタインク組成物)
マゼンタミルベースB 60.0部
グリセリン 2.5部
ジエチレングリコール 17.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例6のフッ素系界面活性剤 2.0部
アクリル樹脂エマルション 6.0部
純水 10.5部
(シアンインク組成物)
シアンミルベースB 45.0部
グリセリン 4.5部
ジエチレングリコール 24.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例6のフッ素系界面活性剤 2.0部
アクリル樹脂エマルション 10.0部
アミノ変性シリコンオイル 10.0部
純水 2.0部
得られた各色インク組成物をインクカートリッジに充填した。
実施例1と同様に、シリコン樹脂を含有するノズルプレート面を有するインクジェットヘッドを装着したインクジェットプリンターにこれに得られたインクカートリッジを装着し、ゼロックス株社製PPC用紙4200に印刷パターンチャートを印字をし、得られたインク記録物の画像濃度をXriteにて測定した。得られた画像はベタ部の濃度は均一で、文字のエッジ部のにじみも見られず良好なものであった。
また得られたインク組成物の保存試験を行なったところ、1回の動作で回復し吐出性も安定していた。得られたインク記録物も鮮明であった。
さらに3000枚の連続印字を行い、印字画像でベタ部白抜け、すじ、噴射乱れ、等を見た。3000枚印字後の画像でも異常は見られず、ノズルプレート面を顕微鏡で観察したところ、プレート面にインク組成物等の付着は見られなかった(表1)。
実施例4
各色ミルベースAを用いて、以下の処方によるインク組成物を調合した。
30分攪拌後、孔径0.5μmのメンブランフィルターでろ過し、さらに真空脱気してインク組成物を得た。
(ブラックインク組成物)
ブラックミルベースA 40.0部
グリセリン 8.5部
ジエチレングリコール 17.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例8(参考)のフッ素系界面活性剤 1.2部
化合物例3のフッ素系界面活性剤 0.8部
アクリル樹脂エマルション 13.7部
2−ピロリドン 2.0部
純水 14.8部
(イエローインク組成物)
イエローミルベースA 50.0部
グリセリン 3.5部
ジエチレングリコール 22.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例8(参考)のフッ素系界面活性剤 1.2部
化合物例3のフッ素系界面活性剤 0.8部
アクリル樹脂エマルション 10.0部
純水 10.5部
(マゼンタインク組成物)
マゼンタミルベースA 60.0部
グリセリン 2.5部
ジエチレングリコール 17.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例8(参考)のフッ素系界面活性剤 1.2部
化合物例3のフッ素系界面活性剤 0.8部
アクリル樹脂エマルション 6.0部
純水 10.5部
(シアンインク組成物)
シアンミルベースA 45.0部
グリセリン 4.5部
ジエチレングリコール 24.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
化合物例8(参考)のフッ素系界面活性剤 1.2部
化合物例3のフッ素系界面活性剤 0.8部
アクリル樹脂エマルション 10.0部
アミノ変性シリコンオイル 10.0部
純水 2.0部
得られた各色インク組成物をインクカートリッジに充填した。
実施例1と同様に、シリコン樹脂を含有するノズルプレート面を有するインクジェットヘッドを装着したインクジェットプリンターにこれに得られたインクカートリッジを装着し、ゼロックス株社製PPC用紙4200に印刷パターンチャートを印字をし、得られたインク記録物の画像濃度をXriteにて測定した。得られた画像はベタ部の濃度は均一で、文字のエッジ部のにじみも見られず良好なものであった。
また得られたインク組成物の保存試験を行なったところ、1回の動作で回復し吐出性も安定していた。得られたインク記録物も鮮明であった。
さらに3000枚の連続印字を行い、印字画像でベタ部白抜け、すじ、噴射乱れ、等を見た。3000枚印字後の画像でも異常は見られず、ノズルプレート面を顕微鏡で観察したところ、プレート面にインク組成物等の付着は見られなかった。
比較例1
各色ミルベースAを用いて下記インク処方によりインク組成物を調整し、30分攪拌後、孔径0.5μmのメンブランフィルターでろ過し、さらに真空脱気してインク組成物を得た。
(ブラックインク組成物)
ブラックミルベースA 40.0部
グリセリン 8.5部
ジエチレングリコール 17.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
アニオン系界面活性剤 2.5部
(F−410、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩)
アクリル樹脂エマルション 13.7部
2−ピロリドン 2.0部
純水 14.3部
(イエローインク組成物)
イエローミルベースA 50.0部
グリセリン 3.5部
ジエチレングリコール 23.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
アニオン系界面活性剤 2.5部
(F−410、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩)
アクリル樹脂エマルション 10.0部
純水 8.5部
(マゼンタインク組成物)
マゼンタミルベースA 60.0部
グリセリン 2.5部
ジエチレングリコール 20.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
アニオン系界面活性剤 2.5部
(F−410、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩)
アクリル樹脂エマルション 6.0部
純水 6.5部
(シアンインク組成物)
シアンミルベースA 45.0部
グリセリン 4.5部
ジエチレングリコール 24.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
アニオン系界面活性剤 2.5部
(F−410、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩)
アクリル樹脂エマルション 10.0部
純水 11.5部
得られた各色インク組成物をインクカートリッジに充填した。
実施例1と同様に、シリコン樹脂を含有するノズルプレート面を有するインクジェットヘッドを装着したインクジェットプリンターにこれに得られたインクカートリッジを装着し、ゼロックス株社製PPC用紙4200に印刷パターンチャートを印字をし、得られたインク記録物の画像濃度をXriteにて測定した。得られた画像はベタ部の濃度は不均一で、文字のエッジ部のにじみが見られた。
また得られたインク組成物の保存試験を行なったところ、3回の動作でも回復しなかった。得られたインク記録物はすじ状でヘッド抜けが見られ、画像濃度が低かった。カートリッジを開けて中を観察したところカートリッジ内で発泡が見られた。
3000枚の連続印字を行なったところ、途中から印字画像にベタ部白抜け、すじなどの異常画像はさらにひどくなり、途中1000枚印字後の画像で画像濃度も低く、細線の乱れも見られた。ノズルプレート面を顕微鏡で観察したところ、プレート面にインク組成物の付着が見られた(表1)。
比較例2
ミルベースAを用いて、以下の処方によるインク組成物を調合した。
30分攪拌後、孔径0.5μmのメンブランフィルターでろ過し、さらに真空脱気してインク組成物を得た。
(ブラックインク組成物6)
ブラックミルベースA 40.0部
グリセリン 8.5部ジエチレングリコール 17.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
ノニオン系界面活性剤 2.5部
(FS−300、ポリオキシアルキレン−2−パーフルオロアルキルエチルエーテル)
アクリル樹脂エマルション 13.7部
2−ピロリドン 2.0部
純水 14.3部
(イエローインク組成物)
イエローミルベースA 50.0部
グリセリン 3.5部
ジエチレングリコール 22.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
ノニオン系界面活性剤 2.5部
(FS−300、ポリオキシアルキレン−2−パーフルオロアルキルエチルエーテル)
アクリル樹脂エマルション 10.0部
純水 10.0部
(マゼンタインク組成物)
マゼンタミルベースA 60.0部
グリセリン 2.5部
ジエチレングリコール 17.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
ノニオン系界面活性剤 2.5部
(FS−300、ポリオキシアルキレン−2−パーフルオロアルキルエチルエーテル)
アクリル樹脂エマルション 6.0部
純水 10.0部
(シアンインク組成物)
シアンミルベースA 45.0部
グリセリン 4.5部
ジエチレングリコール 24.5部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
ノニオン系界面活性剤 2.5部
(FS−300、ポリオキシアルキレン−2−パーフルオロアルキルエチルエーテル)
アクリル樹脂エマルション 10.0部
純水 11.5部
得られた各色インク組成物をインクカートリッジに充填した。
実施例1と同様に、シリコン樹脂を含有するノズルプレート面を有するインクジェットヘッドを装着したインクジェットプリンターにこれに得られたインクカートリッジを装着し、ゼロックス株社製PPC用紙4200に印刷パターンチャートを印字をし、得られたインク記録物の画像濃度をXriteにて測定した。得られた画像はベタ部の濃度は均一で、文字のエッジ部のにじみも見られず良好なものであった。
また得られたインク組成物6の保存試験を行なったところ、3回の動作で回復しなかった。
得られたインク記録物はすじ状でヘッド抜けが見られた。カートリッジを開けて中を観察したところカートリッジ内で発泡が見られた。
3000枚の連続印字を行なったところ、途中から印字画像にベタ部白抜け、すじなどの異常画像はさらにひどくなり、1000枚印字後の画像では画像濃度も低く、細線の乱れも見られた。ノズルプレート面を顕微鏡で観察したところ、プレート面にインク組成物の付着が見られた(表1)。
Figure 2010270267
1 インクジェットプリンタ
11 インクジェットヘッド
12 インクジェットヘッド11を搭載したキャリッジ
13 ガイドロッド
14 用紙搬送機構
15 搬送ローラ
16 テンションローラ
17 搬送ベルト
18 インクカートリッジ
19 サブタンク
P 印刷用紙
特開2008−260926号公報

Claims (4)

  1. 少なくとも着色剤、分散剤、ポリマー粒子、水溶性有機溶媒、水および下記一般式(I)で示されるフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物。
    Figure 2010270267
    式中、Zは、
    Figure 2010270267
    または
    Figure 2010270267
    であり、
    Xは、COO、CO−NHまたはSO−NHであり、そしてYはC2m+1(mは14〜22の整数)または(CH−Q〔pは2または3、QはOHまたはN(CHである〕
    である。
  2. 前記一般式(I)で示されるフッ素系界面活性剤において、Zが前記〔化22〕である
    化合物を単独または二種以上を含むものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク組成物。
  3. 請求項1および2に記載のインクジェット用インク組成物を容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  4. 請求項1および2に記載のインクジェット用インク組成物に刺激を印加し、該インクジェット用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有するインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドのノズルプレート面がシリコン樹脂を含有する撥インク層を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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