JP2010269901A - 移載装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明ではキャリアフレームの升目状枠の下に弾性体を置くことで気泡の発生を防止し、不良品の発生率を激減することが出来る。また、スローリークする導電性のゲル素材を用いることにより、電子部品の回路に影響することなく静電気をアースすることが出来る。
【選択図】図3
Description
近年カメラ付き携帯電話やデジタルカメラなどの普及が急速に進んでおり、これらの小型電子機器にはCCDイメージセンサ等の小型で精密な電子部品(チップ)が多用されている。
CCDの基板や半導体回路の印刷されたチップは、製作直後にはウエハリングに貼着された状態で供給されるが、実際の製品に装填するためには其々に供給しやすい形状のトレイやキャリア、エンボステープ等に配置され埃や傷が付かないように密封されたな姿で供給される。
このようなチップは一辺が5〜15ミリメートル程度の小さいものであり手作業で多数のチップを短時間で正確に移載することは困難である。
しかしチップを保持したヘッドが粘着シートに対して降下するようにして貼着するとチップの底面と粘着シート粘着面の互いが平面なので空気を挟み込んで貼着するために、気泡が発生してしまうことが多かった。
該特許文献はロッド95先端部に吸着口93を複数備えた吸着プレート92を備え、その吸着プレート92には均一な厚みの弾性体91が貼りあわされた構成となっている。
吸着されたラベル90はロッド95を伸長させる等して先端部を降下させることによりチップの表面を弾性体91によって均一に押圧してラベル90をチップの表面に皺や気泡が発生しないように貼付するように構成されている。
しかし電子部品のように電子回路等を内蔵している細密な部品を所定のキャリアフレーム22やトレイ等の区分けした部分に移載して、かつキャリアフレーム22やトレイの底面の粘着シート25の粘着部に気泡が入らないように貼着することは考えられていない。
特許文献1にはスポンジ状の素材が記載されているが、空気を含んだゲル状素材は押圧されると表面の空気が押し出されて空気穴部が吸盤状になり粘着性を発揮し粘着シート25の裏面に張り付いて不具合を発生することがある。
弾性体30はゲル状体32の下部に硬い材料を使用した基板体31を固着し、上部にフィルム体33を貼付したので繰り返し押圧されても形状変形しない。基板体31は硬いので載置板231に貼り付けて固定した状態で使用できると共に、引き剥がして繰り返し使用することができる。
弾性体30はかまぼこ形状なので粘着シート25裏面とは当初線接触しており、押圧されることにより気泡を傾斜方向に押し出すことができる。ゲル状体32は上面がフィルム体33で覆われているので図5の(3)のような変形をせず図5の(2)の形状で変形し効果的に気泡を押し出すことができる。フィルム体33によって上方のゲル状体32が変形することを抑制することにより気泡除去を効果的にすることができる。
つまりフィルム体33とかまぼこ形状との相乗効果でより効果的な気泡除去が可能になったものである。従来は真空脱泡装置にチップ20が移載されたキャリアフレーム22を入れて脱泡していたが本発明により脱泡工程を不要とした。
ゲル状体32の横部分は露出されているので吸盤性があり載置板231の壁面にべたつきながら接触するので通電は確実に行われる。このことによりチップ20が粘着シート25と接触した際に発生した静電気やそれ以前から持っていた静電気をアースすることができる。
弾性体30はキャリアフレーム22のような形式の搬送手段だけではなくて、エンボステープ等の下において同様に気泡や静電気の除去に使用することができる。
このことによって粘着シート25にチップ20が貼着された状態で後工程において両者の間に発生した気泡によって不具合を生じさせないようにしたものである。
その位置にヘッド部10がモータ102の駆動によってX方向に移動してヘッド部10の下端部に装着されたヘッド21によってチップ20を吸着しヘッド21をモータ103を駆動させてZ方向に上昇しウエハリング5から剥離して載置部19に移載する。
其々のモータにはロータリーエンコーダが内蔵されており、どちらの方向にどれだけ回転したかのパルスを制御部2に送信することで制御部2ではヘッド部10の位置やヘッド21の位置を把握するように構成されている。
モータ101はヘッド21の駆動部にベルトが掛け渡されて連結されており、モータ101の回転を制御部2によって制御することによってヘッド21を回転してチップ20の角度の微調整ができるようになっている。以上のような構成で制御部2は本体1の全体を制御している。
ヘッド21の回転はモータ101を駆動することによって回転可能になっている。以上のような制御を制御部2によって行っている。
ウエハリング5の上のチップ20にヘッド21を軽く押圧して吸着を開始しそのままヘッド21を上昇してチップ20をウエハリング5から剥離する。
以上のように制御部2によって制御されて移載が完了する。
載置部19は載置部移動テーブル16上に載置台23が固定されておりその上部に構成されている。載置台23上部には升目状枠が形成された載置板231が置かれており其々の升目状枠内には弾性体30が載置される構成になっている。
載置台23には位置決めピン233が複数取り付けられており、位置決めピン233はキャリアフレーム22に設けられた位置決め穴221と係合するように構成されていることにより、キャリアフレーム22が位置決めされるようになっている。
またキャリアフレーム22の升目状枠222は載置板231の升目状枠232と同様にチップ20の大きさに応じて適時製作されている。
ヘッド21がチップ20を吸着した状体で粘着シート25を押圧することにより弾性体30が歪み粘着シート25がZ方向に降下し粘着シート25が貼り付けられたキャリアフレーム22が位置決めピン233に位置決め穴223が沿って降下する。以上の構成によってチップ20と粘着シート25にはさまれて出来た気泡を外部に押し出すものである。
以上のように載置部19は形成されておりヘッド21によってピックアップしたチップ20を粘着シート25上に貼り付けられる。
なおチップ20は厚みが0.6ミリメートル程度で7×7ミリメートルないし12×12ミリメートルの形状をしている。
粘着シート25は加熱もしくはUV照射されると硬化して粘着性がなくなるものが使用され、後工程作業直前に粘着性がなくなるようにUV硬化ないし熱硬化するように前処理されチップ20が剥離しやすいように処理される。
接触面は当初凸状頂点部301だけであったが、斜面方向のF1、F2方向に広がるようになるので、気泡がF1,F2方向に沿って押し出され、チップ20と粘着シート25の間に空気が溜まりにくくなる。
このことにより気泡が発生しなくなり従来のようにチップ20を移載したキャリア22を脱泡装置に装填して脱泡作業を省略することが出来る。
例えばゲル状体32が上部から見て12×12ミリメートル角の正方形であれば、基板体31は11.6〜11.7ミリメートル角の様に小さく製作することが望ましい。
フィルム体33にはウレタン素材が好ましくゲル状体32の吸盤性質を除去する。PET素材は硬いのでやわらかく空気を通さないウレタン素材がフィルム体33には好ましい。
ゲル状体32の導電性は10の−8条オーム程度の抵抗を持った導電性で、通常スローリークする素材と呼ばれるものが使用されている。
但しゲル状体32の側面までフィルム体33で密封すると変形が抑制され本来の弾性力及びスローリーク導電性などの特性が損なわれる。したがってゲル状体32の側面もフィルム体33で覆う場合はゲル状体32の特性を損なわないように考慮する必要がある。
ウエハリング5に貼着されて供給されたチップ20はウエハリング台6に装填される。ウエハリング5上のチップ20はヘッド部10先端のヘッド21によって吸着されウエハリング5から剥離されて保持される。
これらの動作は本体1に備えられた制御部2によって制御される。
粘着シート25にチップ20を貼着する為にヘッド21は下降し図5の(2)の状態となり、更に粘着シート25に弾性体30の上面全体が密着するまで押圧され、チップ20全体を粘着シート25の表面251(粘着面)に貼着する。押圧力はチップ20の条件によって異なり2キログラム〜200グラム程度の力で押圧される。
図5(2)の様にヘッド21によって押圧されると粘着シート25と弾性体30との接触面は面接触となる。このとき弾性体30のかまぼこ形状によってF1,F2方向に空気が押し出され粘着シート25とチップ20間に気泡が発生しないように貼着される。
図5(3)の様な状体では粘着シート25とチップ20の間に気泡が発生する可能性が高い。
このことによりチップ20の静電気は急激な電荷の変化を伴うことなくアースすることが出来る。また、金属製のキャリアフレーム22に静電気が伝達されたとしても位置決めピン233を導電性のないものを使用していれば、チップ20の静電気はすべてゲル状体32を経由してアースされるのでチップ20の回路を破損することがなく導電性のゲル状体32を使用した相乗効果で気泡と静電気の両方が一度に除去される。
弾性体30はゲル状体32の下部に硬い材料を使用した基板体31を固着し、上部にフィルム体33を貼付したので繰り返し押圧されても形状変形しない。基板体31は硬いので載置板231に貼り付けて固定した状態で使用できると共に、貼着剥離を繰り返して使用することができる。
弾性体30はかまぼこ形状なので粘着シート25裏面とは当初線接触しており、押圧されることにより気泡を傾斜方向に押し出すことができる。ゲル状体32は上面がフィルム体33で覆われているので図5の(3)のような変形をせず図5の(2)の形状で効果的に気泡を押し出すことができる。フィルム体33によって上方のゲル状体32が変形することを抑制することにより気泡除去を効果的にすることができる。
つまりフィルム体33とかまぼこ形状との相乗効果でより効果的な気泡除去が可能になったものである。従来は真空脱泡装置にチップ20が移載されたキャリアフレーム22を入れて真空状態にして脱泡していたが本発明により脱泡工程を不要とした。
ゲル状体32の横部分は露出されているので吸盤性があり載置板231の壁面にべたつきながら接触するので通電は確実に行われる。このことによりチップ20が粘着シート25と接触した際に発生した静電気やそれ以前から何らかの摩擦等によって発生し、蓄電していた静電気をアースすることができる。
弾性体30は基板体31の上にかまぼこ形状のゲル状体32を固着させ、その上にフィルム体33を貼り付けて、トムソン型などの抜き型で成型したかまぼこ形状なので、押圧時は導電性のある側面が膨らんで載置板231の壁面に当接させることができるので、押圧されたときのみアースすることができる。したがって押圧されていないときには通電しないので外部の静電気などが弾性体30に逐電されることもない。
本件ではチップ20を貼り付けることを想定して記載したが、本装置であればガラスやプラスチック等の小部品を移動搭載する場合にも応用することができる。
本体
2
制御部
5 ウエハリング
6 ウエハリング台
7 第一のカメラ
8 第二のカメラ
9 第三のカメラ
10 ヘッド部
101 モータ(ヘッド回転用)
102 モータ(ヘッド部X方向移動用)
103 モータ(ヘッドZ方向移動用)
104 ねじ軸(ヘッド部X方向移動用)
105 ねじ軸(ヘッドZ方向移動用)
15 ウエハリング移動テーブル
16 載置部移動テーブル
19 載置部
20 チップ
21 ヘッド
22 キャリアフレーム
222 升目状枠(キャリアフレーム)
223 位置決め穴
23 載置台
231 載置板
232 升目状枠(載置板)
233 位置決めピン
235 接触部
25 粘着シート
251 表面(粘着シート粘着面)
252 裏面(粘着シート非粘着面)
30 弾性体
301 凸状頂点部
31 基板体
32 ゲル状体
33 フィルム体
90 ラベル(従来例)
91 弾性体(従来例)
92 吸着プレート(従来例)
93 吸着口(従来例)
94 曲面吸着面(従来例)
95 ロッド(従来例)
Claims (6)
- ヘッド部によって電子部品を保持して移送し粘着シート上に該電子部品を載置貼着する移載装置において、
載置台と、
前記載置台上に設置された升目状枠が形成された載置板と、
前記載置板の前記升目状枠内に接着された弾性体と、
下部に粘着シートが貼着・固定された前記弾性体用の前記升目状枠と同形状の電子部品枠を設けたキャリアフレームとからなる移載装置。
- 前記弾性体はかまぼこ形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の移載装置。
- 前記弾性体はPET素材で形成された下部と、ゲル素材で形成された弾性部と、ウレタン素材からなるフィルムが貼着された上部からなることを特徴とする請求項1記載の移載装置。
- 前記弾性体は導電性を有し前記電子部品を前記電子部品枠内の粘着シート上に押圧・載置の際、前記弾性部が側方に膨らむことにより載置台側に静電気をスローリークすることを特徴とする請求項1記載の移載装置。
- 前記弾性体は硬いPET材の上に弾性部を固着しその上にフィルムが貼着された後抜き型で成型して製作したことを特徴とする請求項1記載の移載装置。
- 前記載置板には位置決めピンが設けられ前記キャリアフレームに設けられた位置決め穴と係合することにより位置決めすることを特徴とする請求項1記載の移載装置。
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