JP2010267847A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置および照明装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】陽極と陰極により挟まれた少なくとも1層の発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該発光層が、リン光発光性ドーパントを含有し、かつ特定の化合物を含有する有機層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【選択図】なし
Description
しかしながら、前出の特許文献においても明らかなように、種々のフェナンスリジン化合物との併用においては、カルバゾール環を分子内に複数有する化合物でも、寿命、効率においてもまだ不十分であるのが現状であり、更なる改善が必要である。
2.前記リン光発光性ドーパントが下記一般式(1)、(2)、(3)、または(4)で表される部分構造を含む化合物の少なくとも1種であることを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.前記一般式(5)、(6)または(7)で表される部分構造を含む化合物が一般式(8)〜(13)のいずれかで表されることを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記一般式(8)〜(13)におけるX1〜X6で表される基が、芳香族炭化水素環基、あるいは芳香族複素環基であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明に係るリン光発光ドーパント(リン光発光性ドーパントともいう)である金属錯体化合物(遷移金属錯体化合物ともいう)について説明する。
また、所謂配位子としては、当該業者が周知の配位子(配位化合物ともいう)を必要に応じて配位子として併用することができる。
本発明に係る、一般式(1)、(2)、(3)または(4)のいずれかで表される部分構造を含む化合物(遷移金属錯体、金属錯体、金属錯体化合物ともいう)の形成に用いられる金属としては、元素周期表の8〜10族の遷移金属元素(単に遷移金属ともいう)が用いられるが、中でも、イリジウム、白金が好ましい遷移金属元素として挙げられる。
本発明に係る一般式(1)〜(4)のいずれかで表される部分構造を含む遷移金属錯体化合物の含有層としては、電荷を輸送する層(電荷輸送層)であれば特に制限はないが、正孔輸送層または発光層、発光層または電子阻止層が好ましく、より好ましくは発光層または電子阻止層であり、特に好ましくは発光層である。
一般式(1)〜(4)のいずれかで表される部分構造において、E1a〜E1eにより形成される環は5員の芳香族複素環を表し、例えば、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、オキサトリアゾール環、イソオキサゾール環、テトラゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、イソチアゾール環、チオフェン環、フラン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環等が挙げられる。
一般式(1)〜(4)のいずれかで表される部分構造の重合体(ポリマー)は「改訂 高分子合成の化学」化学同人「高分子合成の実験法」化学同人「第4版 実験化学講座 28「高分子合成」丸善等に記載の方法を用いて合成することができる。
100ml四つ口フラスコに2−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナンスリジン1.5g、2−エトキシエタノール13ml、水3mlを入れ、窒素吹き込み管、温度計、コンデンサーを付けて油浴スターラー上にセットした。これに、0.55gのIrCl3・3H2O、及び0.16g(0.001560モル)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下、内温100℃付近で6時間煮沸還流して反応終了とした。
50ml四つ口フラスコに、1.0g(0.0007244モル)の錯体A、0.29gのアセチルアセトン、1.0gの炭酸ナトリウム、2−エトキシエタノール24mlを入れ、窒素吹き込み管、温度計、コンデンサーを付けて油浴スターラー上にセットした。窒素気流下、内温80℃付近で1.5時間加熱攪拌した。
50ml四つ口フラスコに、0.386g(0.0005120モル)の錯体B、0.357gの2−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナンスリジン、グリセリン20mlを入れ、窒素吹き込み管、温度計、空冷管を付けて油浴スターラー上にセットした。窒素気流化内温150℃付近で4.5時間加熱攪拌して反応終了とした。
測定装置:JEOL JNM−AL400(400MHz):日本電子製。
100ml四つ口フラスコに3−メシチル−6−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナンスリジン2.3g、2−エトキシエタノール13ml、水3mlを入れ、窒素吹き込み管、温度計、コンデンサーを付けて油浴スターラー上にセットした。これに、0.55gのIrCl3・3H2O、及び0.16g(0.001560モル)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流化、内温100℃付近で6時間煮沸還流して反応終了とした。
50ml四つ口フラスコに、1.0g(0.000540モル)の錯体C、0.25gのアセチルアセトン、1.0gの炭酸ナトリウム、2−エトキシエタノール24mlを入れ、窒素吹き込み管、温度計、コンデンサーを付けて油浴スターラー上にセットした。窒素気流化、内温80℃付近で1.5時間加熱攪拌した。
50ml四つ口フラスコに、0.370g(0.0003740モル)の錯体D、0.540gの3−メシチル−6−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナンスリジン、グリセリン20mlを入れ、窒素吹き込み管、温度計、空冷管を付けて油浴スターラー上にセットした。窒素気流化内温150℃付近で4.5時間加熱攪拌して反応終了とした。
測定装置:JEOL JNM−AL400(400MHz):日本電子製。
《一般式(5)〜(7)で表される部分構造を含む有機化合物》
一般式(5)〜(7)で表される部分構造を含む有機化合物について説明する。
《分子量》
本発明の一般式(5)〜(7)で表される部分構造を含む化合物または本発明の一般式(8)〜(13)のいずれかで表される化合物の分子量の上限としては、蒸着法を用いての精製の際に不純物の含有を最小限に抑制する観点から、4000以下であることが好ましく、更に好ましくは3000以下であり、特に好ましくは2000以下である。また、分子量の下限としては、ガラス転移温度および、融点、気化温度等をある水準に保ち、化合物の耐熱性を向上させる観点から、200以上であることが好ましく、更に好ましくは300以上であり、特に好ましくは400以上である。
《物性》
本発明の一般式(5)〜(7)で表される部分構造を含む化合物は、通常50℃以上のガラス転移温度を有するが、有機電界発光素子に使用する際には、その耐熱性の観点から、ガラス転移温度は90℃以上であることが好ましく、110℃以上であることが更に好ましい。ガラス転移温度の上限は通常400℃程度である。
1H−NMR(400MHz、CDCl3) (ケミカルシフトδ,ピーク形状,プロトン数):δ=6.50(d,2H),7.45〜7.55(m,6H),7.58(d,2H),7.80〜7.90(m,8H),8.05〜8.15(m,6H),8.85〜8.95(m,4H)
例示化合物HB−134の合成
1H−NMR(400MHz、CDCl3) (ケミカルシフトδ,ピーク形状,プロトン数):δ=6.51(d,2H),7.45〜7.55(m,4H),7.59(d,2H),7.80〜7.90(m,8H),8.05〜8.15(m,4H),8.85〜8.95(m,4H)
例示化合物HC−59の合成
1H−NMR(400MHz、CDCl3) (ケミカルシフトδ,ピーク形状,プロトン数):δ=6.50(d,2H),7.45〜7.55(m,10H),7.59(d,2H),7.70〜7.90(m,16H),8.05〜8.15(m,4H),8.32(d,2H),8.85〜8.95(m,4H)
本発明のその他の化合物も上記の合成例と同様の合成方法を用い、適切な原料を用いることで収率良く合成することができる。
本発明の有機EL素子の構成層について説明する。本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極 (v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
本発明の有機EL素子においては、青色発光層の発光極大波長は430nm〜480nmにあるものが好ましく、緑色発光層は発光極大波長が510nm〜550nm、赤色発光層は発光極大波長が600nm〜640nmの範囲にある単色発光層であることが好ましく、これらを用いた表示装置であることが好ましい。また、これらの少なくとも3層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよい。更に、発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。本発明の有機EL素子としては白色発光層であることが好ましく、これらを用いた照明装置であることが好ましい。
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明に用いられるホスト化合物について説明する。
本発明に係る発光ドーパントについて説明する。
本発明に係るリン光ドーパントについて説明する。
蛍光ドーパント(蛍光性化合物)としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。
一方、陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等とも言う)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
本発明に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量且つ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
有機EL素子は空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として光が素子側面方向に逃げるためである。
本発明の有機EL素子は基板の光取り出し側に、例えば、マイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極からなる有機EL素子の作製法を説明する。
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
《有機EL素子1−1の作製》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm成膜した基板(NHテクノグラス社製NA45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
有機EL素子1−1の作製において、発光層のホスト化合物であるH−1、ドーパント化合物であるIr−12を表5に示す化合物に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子1−2〜1−21を作製した。
得られた有機EL素子1−1〜1−21を評価するに際しては、作製後の各有機EL素子の非発光面をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材としてエポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを上記陰極上に重ねて前記透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、封止して、図3、図4に示すような照明装置を形成して評価した。
有機EL素子を室温(約23〜25℃)、2.5mA/cm2の定電流条件下による点灯を行い、点灯開始直後の発光輝度(L)[cd/m2]を測定することにより、外部取り出し量子効率(η)を算出した。ここで、発光輝度の測定はCS−1000(コニカミノルタセンシング製)を用いた。
下記に示す測定法に従って、半減寿命の評価を行った。
下記に示す測定法に従って、初期劣化の評価を行った。
初期劣化=(有機EL素子1−1の輝度90%到達時間)/(各素子の輝度90%到達時間)×100
すなわち、初期劣化の値は、小さいほど初期の劣化が小さいことを示す。
各有機EL素子を室温下、2.5mA/cm2の定電流条件下による連続点灯を行った際の発光面を目視で評価した。無作為に抽出した10人による目視観察で連続点灯時間10時間経過後の各素子について、下記評価基準に則りダークスポット耐性を評価した。
×:ダークスポットを確認した人数が5人以上の場合
△:ダークスポットを確認した人数が1−4人の場合
○:ダークスポットを確認した人数が0人の場合
以上の評価結果を表1に示す。
《フルカラー表示装置の作製》
(青色発光素子の作製)
実施例1の有機EL素子1−9を青色発光素子として用いた。
実施例1の有機EL素子1−1において、Ir−12をIr−1に変更した以外は同様にして、緑色発光素子を作製し、これを緑色発光素子として用いた。
実施例1の有機EL素子1−1において、Ir−12をIr−9に変更した以外は同様にして、赤色発光素子を作製し、これを赤色発光素子として用いた。
《白色発光素子及び白色照明装置の作製−1》
実施例1の透明電極基板の電極を50mm×50mmにパターニングし、その上に実施例1と同様に正孔注入/輸送層としてα−NPDを25nmの厚さで成膜し、更に、HB−1の入った前記加熱ボートと例示化合物A−97の入ったボート及びIr−9の入ったボートをそれぞれ独立に通電して、発光ホストであるHB−1と発光ドーパントとして例示化合物A−97、及びIr−9の蒸着速度が100:5:0.6になるように調節し、膜厚30nmの厚さになるように蒸着し、発光層を設けた。
《白色発光素子及び白色照明装置の作製−2》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した基板(NHテクノグラス社製NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
《有機EL素子5−1の作製》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した基板(NHテクノグラス社製NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
有機EL素子5−1の作製において、発光層のホスト化合物である化合物E、ドーパント化合物であるIr−12を表2に示す化合物に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子5−2〜10を作製した。
得られた有機EL素子5−1〜5−10を評価するに際しては、作製後の各有機EL素子の非発光面をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材としてエポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを上記陰極上に重ねて前記透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、封止して、図3、図4に示すような照明装置を形成して評価した。
有機EL素子を室温(約23〜25℃)、2.5mA/cm2の定電流条件下による点灯を行い、点灯開始直後の発光輝度(L)[cd/m2]を測定することにより、外部取り出し量子効率(η)を算出した。
下記に示す測定法に従って、半減寿命の評価を行った。
下記に示す測定法に従って、初期劣化の評価を行った。
初期劣化=(有機EL素子5−1の輝度90%到達時間)/(各素子の輝度90%到達時間)×100
すなわち、初期劣化の値は、小さいほど初期の劣化が小さいことを示す。
有機EL素子を室温下、2.5mA/cm2の定電流条件下による連続点灯を行った際の発光面を目視で評価した。無作為に抽出した10人による目視観察で各素子について、下記評価基準に則りダークスポット耐性を評価した。
×:ダークスポットを確認した人数が5人以上の場合
△:ダークスポットを確認した人数が1−4人の場合
○:ダークスポットを確認した人数が0人の場合
以上の評価結果を表2に示す。
3 画素
5 走査線
6 データ線
A 表示部
B 制御部
101 有機EL素子
107 透明電極付きガラス基板
106 有機EL層
105 陰極
102 ガラスカバー
108 窒素ガス
109 捕水剤
Claims (16)
- 陽極と陰極により挟まれた少なくとも1層の発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該発光層が、リン光発光性ドーパントを含有し、かつ下記一般式(5)、(6)または(7)で表される部分構造を含む化合物を含有する、有機層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
E2a〜E2jはそれぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表す。E2a〜E2jにおいて窒素原子の数は0〜4であり、隣接した2つ以上のE2*が同時に窒素原子になることはない。
R2a〜R2kはそれぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。
但し、R2a〜R2dのいずれか1つがA1aとなり、R2eまたはR2hのいずれか1つがA1cとなり、R2i〜R2kのいずれか1つがA1bとなる。〕 - 前記リン光発光性ドーパントが下記一般式(1)、(2)、(3)、または(4)で表される部分構造を含む化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
R1a〜R1iはそれぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。但し、R1a〜R1hの少なくとも1つは置換基である。
ただし、R1*が結合しているE1*が酸素原子または硫黄原子である場合は、R1*は存在しない。また、R1*が結合しているE1*が窒素原子である場合は、R1*は存在しない場合もある。ここで*はa〜iの任意の文字を表す。
Mは元素周期表における8族〜10族の遷移金属元素を表す。〕 - 前記一般式(5)、(6)または(7)で表される部分構造を含む化合物が一般式(8)〜(13)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
m4〜m6、n4〜n6はそれぞれ1〜5の整数であり、m4+n4≦6、m5+n5≦6、m6+n6≦6である。
X1〜X6はそれぞれ独立に、単結合、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、または、置換基を有していてもよいアミノ基から選ばれる基を組み合わせてできるmy+ny価の基を表す。ここで、yは1〜6のいずれかを表す。
A11a、A21a、A11b、A21b、A11cおよびA21cはそれぞれ独立に、単結合、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。
E11a〜E11j、E21a〜E21j、E31a〜E31j、E41a〜E41j、E51a〜E51j、E61a〜E61jはそれぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表す。Eza〜Ezjにおいて窒素原子の数は0〜4であり、隣接した2つ以上のEZ*が同時に窒素原子になることはない。ここでzは11、21、31、41、51、61から選ばれる任意の数字を表し、*はa〜jから選ばれる任意の文字を表す。
R11a〜R11k、R21a〜R21k、R31a〜R31k、R41a〜R41k、R51a〜R51k、R61a〜R61kはそれぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。
R11a〜R11dのいずれか1つがA11aとなり、R21a〜R21dのいずれか1つがA21aとなる。
R31i〜R31kのいずれか1つがA11bとなり、R41i〜R41kのいずれか1つがA21bとなる。
R51e〜R51hのいずれか1つがA11cとなり、R61e〜R61hのいずれか1つがA21cとなる。〕 - 前記一般式(8)〜(13)におけるX1〜X6で表される基が、芳香族炭化水素環基、あるいは芳香族複素環基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式(8)〜(13)におけるX1〜X6で表される基が、フェニル基、ビフェニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、フルオレニル基、ピレニル基、アントラセニル基からさらに水素原子を1つ除いてできる2価の基、およびそれらの組み合わせからなる基であるであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式(8)〜(13)で表される化合物のガラス転移点温度が100℃以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式(8)〜(13)におけるR11a〜R11k、R21a〜R21k、R31a〜R31k、R41a〜R41k、R51a〜R51k、R61a〜R61kで表される置換基のうち、各々少なくとも一つは重合性の置換基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式(1)、(2)、(3)、または(4)におけるE1a〜E1eで構成される環が、イミダゾール環またはピラゾール環であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 構成層として、前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される部分構造を含む化合物を少なくとも1種含有する有機層を有し、該有機層がウェットプロセスを用いて形成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 構成層として、前記一般式(8)〜(13)のいずれかで表される化合物を少なくとも1種含有する有機層を有し、該有機層がウェットプロセスを用いて形成されたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 構成層として、前記一般式(8)〜(13)のいずれかで表される化合物を少なくとも1種含有する有機層が発光層であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式(8)〜(13)のいずれかで表される化合物を部分構造とする重合体を少なくとも1種含有する有機層を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される部分構造を含む化合物を部分構造とする重合体を少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式(1)、(2)、(3)、または(4)におけるMが白金またはイリジウムであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
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