JP2010267750A - 真空搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大気圧に伴う変形を抑えつつ基板の搬送状態を視認可能にした真空搬送装置を提供する。
【解決手段】有底多角筒状をなして内部に搬送ロボットRを搭載した搬送容器11がその上部開口に取付けられた容器蓋体20によりその内部を密閉可能に構成されてなる真空搬送チャンバ10と、搬送容器11の外周面に連結されて真空搬送チャンバ10の内部と連通可能である複数の真空処理チャンバ14とを具備し、真空搬送チャンバ10が1つの真空処理チャンバ14から他の真空処理チャンバ14へ基板Sを搬送する真空搬送装置であって、容器蓋体20は、水平方向から見て搬送容器11の内部から外部に突出する弧状をなす断面が同水平方向に延びるかたちで構成された透明体23を具備する。
【選択図】図1
【解決手段】有底多角筒状をなして内部に搬送ロボットRを搭載した搬送容器11がその上部開口に取付けられた容器蓋体20によりその内部を密閉可能に構成されてなる真空搬送チャンバ10と、搬送容器11の外周面に連結されて真空搬送チャンバ10の内部と連通可能である複数の真空処理チャンバ14とを具備し、真空搬送チャンバ10が1つの真空処理チャンバ14から他の真空処理チャンバ14へ基板Sを搬送する真空搬送装置であって、容器蓋体20は、水平方向から見て搬送容器11の内部から外部に突出する弧状をなす断面が同水平方向に延びるかたちで構成された透明体23を具備する。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体基板やガラス基板等の基板を真空雰囲気の下で搬送する搬送チャンバを備えた真空搬送装置に関するものであり、特に、搬送チャンバが透明な蓋体を具備する真空搬送装置に関するものである。
半導体デバイスの製造工程や表示パネルの製造工程においては、これら半導体デバイスや表示パネルの構成要素になる基板が真空チャンバへ搬送されて、真空雰囲気を用いた成膜処理や熱処理等の製造処理がその基板に対して実行される。こうした真空雰囲気で多数の異なる製造処理を実行する製造装置の一つとしては、基板を搬送する搬送ロボットが搭載された真空チャンバである搬送チャンバの周囲にこれと連通可能にして製造処理を実行する複数の処理チャンバが連結された、所謂クラスター方式の真空搬送装置が一般に採用されている。こうしたクラスター方式が採用されることによって、一枚の基板に必要とされる複数の異なる製造処理が一つの真空搬送装置で実行可能になり、さらには複数枚の基板に対する枚様式の製造処理が同時期に実行可能にもなり、半導体デバイスや表示パネルの生産性の向上が可能となる。
一方、上述する処理チャンバの構成要素であるチャンバ本体に関しては、要求された製造処理が高い再現性の下で実現されるために、その製造処理の内容に応じた機械的耐久性や熱的耐久性が必要とされており、これら処理チャンバの連結先であり、また各処理チャンバを支持する支持部でもある搬送チャンバにも、これもまた同種の機械的耐久性や熱的耐久性が要求されることになる。真空チャンバに対するこの種の機械的耐久性や熱的耐久性は、チャンバ本体の基材がアルミニウム等の金属で構成されることにより一般に確保されている。
ただし、チャンバ本体の全体が上述する金属で構成される場合には、処理空間であるチャンバ内部が不透明な金属で覆われるかたちになり、チャンバ内における製造処理の進行状態や基板の搬送状態がチャンバの外方から視認不能になってしまう。特に各処理チャンバへ基板を搬送する搬送チャンバには各種の製造処理に適した態様で基板が搬送されていることがその機能上において重要であり、こうした搬送状態の判断が不能となる構成にあっては、搬送ロボットの搬送動作に不具合等が発生したとしても、これに適した対処が実現不能になってしまう。そこで上述の真空搬送装置においては、こうした搬送処理上の問題が解消されるべく、例えば特許文献1及び特許文献2に記載の技術のように、真空チャンバの蓋体である容器蓋体の一部もしくは全部を平板状のガラスや樹脂等の透明部材で構成する提案がなされている。
ところで、各処理チャンバの構成要素であるチャンバ本体にはその製造処理に応じた真空度の確保もその機能上において重要であり、これら処理チャンバに連結される搬送チャンバにおいても、こうした処理チャンバと共通する真空系を構成する上でその真空度の確保が同じく重要となる。真空チャンバにてこうした真空度を確保するためには、チャンバ
本体の気密性の確保は当然のこと、大気圧に相当する外力がチャンバ本体に加わり続けるために、こうした外力に耐え得る機械的強度もチャンバ本体そのものに必要とされる。しかも処理対象物である基板の大型化が進行する、言い換えれば真空チャンバの大型化が進行する近年にあっては、こうした外力までもが一層に増大することとなり、チャンバ本体に要求される機械的強度もこれに伴い増大することになる。
本体の気密性の確保は当然のこと、大気圧に相当する外力がチャンバ本体に加わり続けるために、こうした外力に耐え得る機械的強度もチャンバ本体そのものに必要とされる。しかも処理対象物である基板の大型化が進行する、言い換えれば真空チャンバの大型化が進行する近年にあっては、こうした外力までもが一層に増大することとなり、チャンバ本体に要求される機械的強度もこれに伴い増大することになる。
これに対して、チャンバ本体の全てが上述の金属からなる構成であれば、このような真空度に伴う外力に対しても十分な機械的強度が確保可能である。だがチャンバ内部に対する視認性が確保されるべく上述のごとく容器蓋体の一部もしくは全部が上記透明部材で構成される場合にあっては、平板状の透明部材が上述の外力を受けてチャンバ内へ湾曲するかたちに変形してしまい、その結果、搬送チャンバを用いた真空系においてその真空度の低下を招く虞がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、大気圧に伴う変形を抑えつつ基板の搬送状態を視認可能にする真空搬送装置を提供することである。
上記課題を解決するための手段及びその作用効果を以下に記載する。
請求項1に記載の真空搬送装置は、有底多角筒状をなして内部に搬送装置を搭載した搬送容器がその上部開口に取付けられた容器蓋体により前記内部を密閉可能に構成されてなる第1の真空チャンバと、前記搬送容器の外周面に連結されて前記第1の真空チャンバの内部と連通可能である複数の第2の真空チャンバとを具備し、前記第1の真空チャンバが1つの前記第2のチャンバから他の前記第2の真空チャンバへ基板を搬送する真空搬送装置であって、前記容器蓋体は、前記搬送容器の内部から外部に突出する弧状に曲率を有した板状の透明体を具備することを要旨とする。
請求項1に記載の真空搬送装置は、有底多角筒状をなして内部に搬送装置を搭載した搬送容器がその上部開口に取付けられた容器蓋体により前記内部を密閉可能に構成されてなる第1の真空チャンバと、前記搬送容器の外周面に連結されて前記第1の真空チャンバの内部と連通可能である複数の第2の真空チャンバとを具備し、前記第1の真空チャンバが1つの前記第2のチャンバから他の前記第2の真空チャンバへ基板を搬送する真空搬送装置であって、前記容器蓋体は、前記搬送容器の内部から外部に突出する弧状に曲率を有した板状の透明体を具備することを要旨とする。
請求項1に記載の真空搬送装置によれば、搬送容器の内部が容器蓋体の一部である透明体を通して視認可能になり、基板搬送が適切に実行されているか否かが容易に把握可能となる。このような構成では容器蓋体を構成する透明体に大気圧に相当する外力が加わり続けるため、各真空チャンバの真空度が確保される上においては、こうした外力に耐え得る機械的強度が透明体に必要とされる。上述する透明体の構造によれば、その断面が搬送容器の内部から外部に突出する弧状をなすことから、大気圧に相当する外力が透明体に作用しても、その弧状をなす断面の中央では、それに作用する外力の方向が弧状をなす断面の中央から両端へ向かう方向に二分されることになる。それゆえ上述の真空搬送装置によれば、水平方向に沿う単純な平板状が透明体として採用される態様に比べ、大気圧による透明体の変形、ひいては大気圧による容器蓋体の変形が抑えられることとなる。
請求項2に記載の真空搬送装置は、前記透明体が、一つの水平方向から見て前記搬送容器の内部から外部に突出する弧状に曲率を有した断面が前記一つの水平方向に延びるかたちで構成されることを要旨とする。
請求項2に記載の真空搬送装置によれば、一つの水平方向から見て弧状をなす断面が同水平方向に延びるかたちで透明体が構成されることから、透明体そのもの構造の大幅な複雑化が抑えられることとなり、こうした透明体の製造を容易なものとすることもできる。
請求項3に記載の真空搬送装置は、前記透明体は、前記搬送容器の内部から外部に突出する球面状に曲率を有することを要旨とする。
請求項3に記載の真空搬送装置によれば、透明体に作用する外力をより効果的に分散させることができ、大気圧による透明体の変形、ひいては大気圧による容器蓋体の変形が抑えられることとなる。
請求項3に記載の真空搬送装置によれば、透明体に作用する外力をより効果的に分散させることができ、大気圧による透明体の変形、ひいては大気圧による容器蓋体の変形が抑えられることとなる。
請求項4に記載の真空搬送装置の前記透明体は、複数の透明体がシール部材を挟んで互いに離間するかたちで積み重なる積層構造体であることを要旨とする。
透明体を構成する複数の透明板の各々が互いに離間した構造であるため、当該透明体を構成する透明板の各々が仮に機械的に微少な変形をするとしても、こうした変形が透明板間の間隙においてなされることになる。複数の透明板が密着するかたちで積層構造が構成される場合にあっては、こうした変形により透明板同士が擦れることになり、透明板自体の機械的な強度が経時的に低下してしまう虞がある。一方、請求項3に記載の真空搬送装置によれば、透明板同士の機械的な接触(擦れ)等が抑えられるため、透明体の機械的な強度に関して、その経時的な安定性を確保可能にもなる。
透明体を構成する複数の透明板の各々が互いに離間した構造であるため、当該透明体を構成する透明板の各々が仮に機械的に微少な変形をするとしても、こうした変形が透明板間の間隙においてなされることになる。複数の透明板が密着するかたちで積層構造が構成される場合にあっては、こうした変形により透明板同士が擦れることになり、透明板自体の機械的な強度が経時的に低下してしまう虞がある。一方、請求項3に記載の真空搬送装置によれば、透明板同士の機械的な接触(擦れ)等が抑えられるため、透明体の機械的な強度に関して、その経時的な安定性を確保可能にもなる。
また、透明体には、大気圧に相当する外力に対し機械的に耐え得る厚さが必要とされる。こうした厚さの透明体が一枚の板部材から構成される場合、単純に機械的な厚さだけでなく、厚さ方向における化学な組成や機械的な強度の均一性をも、同部材には要求されることになる。このため、上記透明体が一枚の板部材から構成される場合には、上述した厚さが増えるに連れて、上記均一性が得られるような非常に複雑な製造技術が必要となってしまい、ひいては真空搬送装置の製造技術について煩雑化を招くことになる。
この点、請求項4に記載の真空搬送装置によれば、互いに離間した複数の透明板からなる積層構造体により透明体が構成されることから、機械的な耐性を同じくする透明体を構成する上で、透明板ごとの厚さを薄くすることが可能になり、上述するような製造技術にかかわる問題を軽減可能にもなる。
請求項5に記載の真空搬送装置は、前記透明体は、前記搬送容器の内部との境界が前記搬送容器の内部からのガスの放出を抑制する無機膜により構成されていることを要旨とする。
請求項5に記載の真空搬送装置によれば、透明体と搬送容器との境界が無機膜により構成されるため、透明体に必要とされる気密性がこうした無機膜により実現される。そのため透明体に要求される気密性がこうした無機膜によっても発現されることになるため、同じ気密性が実現させる上で、透明体に関わる設計の自由度が拡張されることとなる。また、無機膜を除いた構成が同じとなる透明体と比較して、このような無機膜を有する分だけ、透明体の気密性が向上されることにもなる。
請求項6に記載の真空搬送装置は、前記透明体が透明ガラスからなることを要旨とする。上述する透明体の構成材料としては、透明樹脂や透明ガラスが挙げられるが、機械的な剛性や光学的な透明性のいずれにおいても、透明ガラスは透明樹脂よりも優れた特性が得られやすい。つまり、機械的な剛性や光学的な透明性を同じくする構成下であれば、透明体の構成材料が透明ガラスであることにより、透明体そのものの薄型化が可能になる。この点、請求項5に記載の真空搬送装置によれば、こうした透明ガラスにより透明体が構成されることから、上述するように、透明体の薄型化が可能にもなり、これの製造面における負荷が軽減可能にもなる。
請求項7に記載の真空搬送装置において、前記容器蓋体は、前記搬送容器の上部開口の端面と相似形である多角形状の断面が鉛直方向に延びるかたちで構成された一つの金属枠体を具備し、その金属枠体に囲まれた領域の全体に前記透明体が広がるかたちで構成されていることを要旨とする。
請求項7に記載の真空搬送装置によれば、搬送容器の上部開口の全体に透明体が広がることから、搬送容器の内部の略全体が視認可能なかたちとなり、搬送容器の内部における
基板搬送の把握がより確実なものとなる。そのうえ透明体の外縁が金属製の枠体により囲まれることから、透明体と搬送容器との連結構造が複雑化する場合であれ、こうした連結構造の機械的な強度が金属製の枠体により十分に確保可能なものとなる。
基板搬送の把握がより確実なものとなる。そのうえ透明体の外縁が金属製の枠体により囲まれることから、透明体と搬送容器との連結構造が複雑化する場合であれ、こうした連結構造の機械的な強度が金属製の枠体により十分に確保可能なものとなる。
請求項8に記載の真空搬送装置は、前記搬送容器の上部開口が矩形孔であることを要旨とする。
請求項8に記載の真空搬送装置によれば、透明体が上部開口に対応した矩形をなすことから、搬送容器の内部がより効果的に視認可能なかたちとなり、そのうえ透明体そのもの構造の複雑化が抑えられることにもなる。
請求項8に記載の真空搬送装置によれば、透明体が上部開口に対応した矩形をなすことから、搬送容器の内部がより効果的に視認可能なかたちとなり、そのうえ透明体そのもの構造の複雑化が抑えられることにもなる。
請求項9に記載の真空搬送装置において、前記透明体は、水平方向から見て前記搬送容器の内部から外部に突出する半楕円弧状をなすことを要旨とする。
請求項9に記載の真空搬送装置によれば、透明体の断面が半楕円弧状をなすことから、こうした透明体の断面が単純な半円弧状に構成される場合と比較して、搬送容器から突出する透明体の突出量が抑えられることとなり、真空搬送装置が占有する鉛直方向の空間に関して、その大幅な拡大が抑制されることにもなる。
請求項9に記載の真空搬送装置によれば、透明体の断面が半楕円弧状をなすことから、こうした透明体の断面が単純な半円弧状に構成される場合と比較して、搬送容器から突出する透明体の突出量が抑えられることとなり、真空搬送装置が占有する鉛直方向の空間に関して、その大幅な拡大が抑制されることにもなる。
以下、本発明を具体化した真空搬送装置の一実施形態について図1〜図3を参照して説明する。図1は本実施形態にかかる真空搬送装置を構成する第1の真空チャンバである真空搬送チャンバの斜視構造を示す斜視図であり、図2は同真空搬送チャンバにおいてその蓋体である容器蓋体を開けた状態の斜視構造を示す斜視図であり、図3は容器蓋体の断面構造を示す図2のA−A線断面図である。
図1に示されるように、真空搬送装置を構成する真空搬送チャンバ10は、アルミニウム等の金属からなる有底矩形筒状をなして、その内部にシリコンウェハ等の基板Sを収容可能にする搬送容器11を具備している。搬送容器11の内部には、例えば収容された2枚の基板Sが搬送容器11の周方向に回動可能な大きさからなる内部空間が設けられている。搬送容器11の上部開口には、水平面に沿って矩形枠状をなす開口端面11aが形成されており、この開口端面11aでシールされるかたちに搬送容器11の開口全体が閉じられることにより、搬送容器11を含んだ有底有蓋筒状をなす真空槽が構成される。こうした構成からなる搬送容器11には図示されない排気系が連結されており、上記開口全体が閉じられた状態でその排気系が稼動することにより、基板Sの収容された上記内部空間が所定の真空度で維持されることになる。この搬送容器11の周壁は上述の開口端面11aが下方に延びるかたちに構成されており、搬送容器11の周壁を構成する4つの周壁部12の各々が水平面と直交する平面である外周面12aを有している。
上記4つの周壁部12の各々には、搬送容器11の内部とその外部との間を水平方向に沿って貫通して搬送容器11の周方向に延びる一対の搬送孔12bが周方向に配列されている。搬送容器11に収容された基板Sは外周面12aと直交する方向である水平方向に沿って搬送されて、これらの搬送孔12bを通して搬送容器11の内部と外部との間で搬送される。そのため各搬送孔12bの長手方向の長さは、例えば基板Sが円盤状のシリコンウェハである場合には同基板Sの直径よりも大きい長さで構成されている。また4つの周壁部12の各々には、搬送容器11の内部とその外部との間で連通と非連通とを搬送孔12bごとに切り替えるゲートバルブ機構13が搬送孔12bごとに配設されている。こ
のゲートバルブ機構13がそれに対応する搬送孔12bの連通と非連通とを切り替えることにより、そのゲートバルブ機構13に対応する搬送孔12bで基板搬送の許可と禁止とが切り替えられる。
のゲートバルブ機構13がそれに対応する搬送孔12bの連通と非連通とを切り替えることにより、そのゲートバルブ機構13に対応する搬送孔12bで基板搬送の許可と禁止とが切り替えられる。
上記4つの周壁部12の各々には、真空搬送装置を構成する真空処理チャンバ14と真空搬送チャンバ10とを連結可能にする連結部15がこれもまた搬送孔12bごとに配設されている。第2の真空チャンバである真空処理チャンバ14は1つの周壁部12に設けられた一対の連結部15に支持されるかたちで真空搬送チャンバ10に連結されており、真空搬送チャンバ10には最大で4つの真空処理チャンバ14が連結されることになる。こうした真空処理チャンバ14はアルミニウム等の金属からなる有底有蓋筒状をなすこれも真空槽であり、2枚の基板Sを収容可能にして図示されない排気系に連結されており、その排気系が稼動することによりその内部空間で所定の真空度が維持される。複数の真空処理チャンバ14のうちの1つは、例えば真空搬送装置の外部から投入される複数枚の基板Sを貯留して真空搬送装置と外部との間で基板Sを搬入搬出する所謂ロード・アンロードチャンバであり、他の真空処理チャンバ14は、例えば収容した基板Sに対して製造処理の1つである成膜処理や熱処理等を実行する所謂プロセスチャンバである。つまり複数の真空処理チャンバ14のうちの1つは真空搬送チャンバ10を構成する4つの周壁部12から選択された周壁部12に連結された例えばロード・アンロードチャンバであり、他の真空処理チャンバ14はこのロード・アンロードチャンバに搬入された基板Sに所定の製造処理を施す例えばプロセスチャンバである。
上記搬送容器11の内部には、一つの真空処理チャンバ14に収容された基板Sを他の真空処理チャンバ14へ搬送するための搬送装置である搬送ロボットRが同内部の中心位置に搭載されている。搬送ロボットRは、基板Sを保持可能にするハンドをその先端に有したアームを具備しており、搬送元である真空処理チャンバ14内と真空搬送チャンバ10内との間、および搬送先である真空処理チャンバ14内と真空搬送チャンバ10内との間でそのアームを水平面に沿って並進させる。また搬送ロボットRは、真空搬送チャンバ10の内部空間において、搬送元の真空処理チャンバ14と対向する位置から搬送先の真空処理チャンバ14と対向する位置へそのアームを水平面に沿って回転させる。こうしたアームの並進および回転によって搬送元の真空処理チャンバ14から搬送先の真空処理チャンバ14へと基板Sが搬送されるとき、搬送元に収容された基板Sは、まず搬送元と真空搬送チャンバ10の中心位置とが結ばれるかたちの並進方向の搬送軌跡を描き、次いで真空搬送チャンバ10の中心位置が中心となる回転方向に沿う軌跡を描き、最後に真空搬送チャンバ10の中心位置と搬送先とが結ばれるかたちの並進方向に沿う搬送軌跡を描く。
搬送ロボットRの上側には、搬送容器11の上側全体が覆われるかたちで、搬送容器11の蓋体としての容器蓋体20が配設されている。容器蓋体20は、上記搬送容器11の開口端面11aと相似形の矩形環状をなす金属枠体21と、この金属枠体21で囲まれた領域の全体に広がる透明体23とから構成されている。これら金属枠体21と透明体23との結合部には、これらの間の気密性が確保されるべく、矩形環状をなすシール部材24a(図3参照)が挟入されている。また上述の開口端面11aと金属枠体21の底面との間にも、金属枠体21の底面であるシール面と開口端面11aとが整合する状態で金属枠体21と開口端面11aとの間の気密性が確保されるべく、上述の開口端面11aに沿った矩形環状をなす図示されないシール部材が配設されている。また金属枠体21の一辺は、その一辺に沿って延びる蓋体ヒンジ22を介して開口端面11aの一辺に連結されており、その一辺に沿って延びる回転軸心22aが回転中心になるかたちで、容器蓋体20が真空搬送チャンバ10に対して回転可能に支持されている。
こうした構成からなる容器蓋体20においては、金属枠体21の底面と開口端面11a
とが整合する状態である閉状態では、搬送容器11の内部全体が容器蓋体20により密閉されて、所定の真空度を有した真空槽がこれら搬送容器11と容器蓋体20とにより構成される。こうした閉状態にあっては、真空搬送チャンバ10の内部空間が搬送容器11と容器蓋体20とで覆われるといえども、金属枠体21で囲まれた領域の全体が透明体23で構成されることから、真空搬送チャンバ10の内部空間はその全体が視認可能な状態となる。つまり真空下における基板Sの搬送状態が搬送容器11の内部全体にわたり視認可能な状態となり、たとえ搬送ロボットの搬送動作に不具合等が発生した場合であっても、これに適した対処が実現可能となる。なお、こうした閉状態から容器蓋体20が略直立するまで回転した状態である開状態では、図2に示されるように搬送容器11の内部全体が開放されることとなり、真空搬送チャンバ10の内部空間の全体がメンテナンス可能な状態となる。
とが整合する状態である閉状態では、搬送容器11の内部全体が容器蓋体20により密閉されて、所定の真空度を有した真空槽がこれら搬送容器11と容器蓋体20とにより構成される。こうした閉状態にあっては、真空搬送チャンバ10の内部空間が搬送容器11と容器蓋体20とで覆われるといえども、金属枠体21で囲まれた領域の全体が透明体23で構成されることから、真空搬送チャンバ10の内部空間はその全体が視認可能な状態となる。つまり真空下における基板Sの搬送状態が搬送容器11の内部全体にわたり視認可能な状態となり、たとえ搬送ロボットの搬送動作に不具合等が発生した場合であっても、これに適した対処が実現可能となる。なお、こうした閉状態から容器蓋体20が略直立するまで回転した状態である開状態では、図2に示されるように搬送容器11の内部全体が開放されることとなり、真空搬送チャンバ10の内部空間の全体がメンテナンス可能な状態となる。
図3に示されるように、容器蓋体20の構成要素である透明体23は、上述の閉状態において、基板Sの搬送方向でもある一つの水平方向から見て、搬送容器11の内部から外部に突出する弧状の断面を備え、その弧状の断面が同水平方向に延びるかたちで構成されている。つまりこの透明体23は、上述の閉状態において、一つの水平方向に外部に突出する曲率があるかたちで構成されており、かつ、一対の真空処理チャンバ14が対向する方向である他の水平方向に曲率が無いかたちで構成されている。こうした透明体23は、例えば一対の真空処理チャンバ14が対向する方向である一つの水平方向に延びる半円筒状あるいは半楕円筒状に具体化できる。この透明体23が半円筒状に構成される場合、その機械的な耐久性が確保されるべく、曲率を示す水平方向の幅が開口幅Lであるとすると、その曲率半径Rsが1L〜4Lにより構成される。
この透明体23は、3枚の透明板(透明ガラス板23a,23b,23c)がこれらの積層方向に互いに離間するかたちで積層された積層構造体である。各透明ガラス板23a,23b,23cは、これらによって構成される透明体23と同じく、水平方向から見て、搬送容器11の内部から外部へ突出する弧状の断面を備え、その弧状の断面が同水平方向に延びるかたちで構成されている。積層される一対の透明ガラス板23a,23b及び23b,23cの間には、それぞれ上述したシール部材24aと同じく、透明ガラス板23a,23b,23cの外縁に沿うかたちの矩形環状のシール部材24b,24cが挟入されている。このような構成からなる透明体23には、各透明ガラス板23a,23b,23cの間に、シール部材24b,24cの厚さに相当する間隙が構成される。
こうした透明体23には、大気圧に相当する外力に対し機械的に耐え得る厚さ、例えば数cmの厚さが必要とされる。こうした透明体23は、例えば一枚の板部材から構成することも可能であるが、こうした場合、単純に機械的な厚さだけでなく、厚さ方向における化学な組成や機械的な強度の均一性をも、同部材に要求されることになる。このため、上記透明体23が一枚の板部材から構成される場合には、上述した厚さが増えるに連れて、上記均一性が得られるような非常に複雑な製造技術が必要となってしまい、ひいては真空搬送装置の製造技術について煩雑化を招くことになる。
この点、上述する構成からなる透明体23であれば、機械的な耐性を同じくする透明体23を構成する上で、構成要素ごとの厚さを薄くすることが可能になり、上述するような製造技術にかかわる問題も軽減可能になる。そのうえ、透明体23を構成する複数の透明ガラス板23a,23b,23cの各々が互いに離間した構造であるため、透明ガラス板23a,23b,23cの各々が仮に機械的に微少な変形をするとしても、こうした変形に伴う部材の変位が各透明ガラス板23a,23b,23c間の間隙に吸収されることになる。複数の透明ガラス板23a,23b,23cが密着するかたちで積層構造体が構成される場合にあっては、こうした変形により透明ガラス板同士が擦れることになり、透明ガラス板23a,23b,23cそのものの機械的な強度が経時的に低下してしまう虞が
ある。一方、上述する構成であれば透明ガラス板同士の機械的な接触(擦れ)等が抑えられるため、透明体23の機械的な強度に関して、その経時的な安定性をも確保可能になる。
ある。一方、上述する構成であれば透明ガラス板同士の機械的な接触(擦れ)等が抑えられるため、透明体23の機械的な強度に関して、その経時的な安定性をも確保可能になる。
なお、これら透明ガラス板23a,23b,23cの厚みが同じ厚さで構成される場合には、透明ガラス板23a,23b,23cの構造について共通化を図ることが可能になるため、透明体23の構成がより簡便なものにもなる。また透明ガラス板23a,23b,23cの各々に加わる外力が異なる場合には、例えば透明ガラス板間の間隙における圧力が異なる場合には、こうした外力が大きくなる透明ガラス板ほど、その厚みを大きくする構成であってもよい。
さらに透明ガラス板間の間隙では、そこにおける圧力が、搬送容器11の内圧よりも高く、かつ、大気圧よりも低くなる構成が好ましい。例えば、搬送容器11の内圧をP1、大気圧をP2とすると、以下のように、これらの差圧が各間隙に等しく分散されるかたちの圧力構成が好ましい。こうした圧力構成においては、透明ガラス板23a,23b,23cの各々について、それを挟む2つの空間の差圧が略等しくなる。このため、各透明ガラス板に作用する外力の均等化を図ることが可能にもなり、各透明ガラス板の厚みが等しくなる構成であれば、透明ガラス板ごとの機械的な耐久性がより確実に確保可能にもなる。
・透明ガラス板23a,23b間の間隙の圧力:(P2−P1)・1/3
・透明ガラス板23b,23c間の間隙の圧力:(P2−P1)・2/3
この透明体23における搬送容器11側の面(内面)は、透明体23を構成する各透明ガラス板23a,23b,23cよりも気密性が高い金属膜やシリコン窒化膜等の無機膜23sで覆われている。こうした構成により、透明体23に必要とされる気密性が無機膜23sにより実現される。そのため透明体23に要求される気密性がこうした無機膜23sによっても発現されることになるため、同じ気密性が実現させる上で、透明体23に関わる設計の自由度が拡張されることとなる。また、無機膜23sを除いた構成が同じとなる透明体と比較して、このような無機膜23sを有する分だけ、透明体23の気密性が向上されることにもなる。なお、このような無機膜23sは、透明体23の内面のみに限られず、各透明ガラス板23b,23cにおける搬送容器11側の面に設けることも可能である。こうした構成であれば、透明体23の内部に複数の無機膜23sが積層されることになるため、より一層に気密性が発現されるにもなる。
・透明ガラス板23a,23b間の間隙の圧力:(P2−P1)・1/3
・透明ガラス板23b,23c間の間隙の圧力:(P2−P1)・2/3
この透明体23における搬送容器11側の面(内面)は、透明体23を構成する各透明ガラス板23a,23b,23cよりも気密性が高い金属膜やシリコン窒化膜等の無機膜23sで覆われている。こうした構成により、透明体23に必要とされる気密性が無機膜23sにより実現される。そのため透明体23に要求される気密性がこうした無機膜23sによっても発現されることになるため、同じ気密性が実現させる上で、透明体23に関わる設計の自由度が拡張されることとなる。また、無機膜23sを除いた構成が同じとなる透明体と比較して、このような無機膜23sを有する分だけ、透明体23の気密性が向上されることにもなる。なお、このような無機膜23sは、透明体23の内面のみに限られず、各透明ガラス板23b,23cにおける搬送容器11側の面に設けることも可能である。こうした構成であれば、透明体23の内部に複数の無機膜23sが積層されることになるため、より一層に気密性が発現されるにもなる。
こうした構成からなる透明体23には、上述の閉状態において、真空搬送チャンバ10の真空度が確保される限り、大気圧に相当する外力が真空搬送チャンバ10の外部から内部へと加え続けられる。だが、上述する透明体23の構造によれば、一つの水平方向から見たその断面が搬送容器11の内部から外部に突出する弧状をなすことから、こうした大気圧に相当する外力が透明体23に作用しても、その弧状をなす断面の中央では、それに作用する外力が弧状をなす断面の中央から両端へ二分されることになる。それゆえ上述の真空搬送装置によれば、透明体23の構造として水平方向に沿う単純な平板状が採用される態様に比べ、大気圧による透明体23の変形、ひいては大気圧による容器蓋体20の変形が抑えられることとなる。また、透明体23が水平方向にも弧状をなす場合には、より効果的に大気圧による透明体23の変形、ひいては大気圧による容器蓋体20の変形が抑えられることとなる。そのうえ透明体23の断面が半楕円弧状に構成される場合にあっては、搬送容器11から突出する透明体23の突出量が半円弧状のものに比べて抑えられることとなり、真空搬送装置が占有する鉛直方向の空間に関して、その大幅な拡大が抑制されることにもなる。
以上説明したように、上記実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態によれば、搬送容器11の内部が容器蓋体20の一部である透明体
23を通して視認可能なかたちとなり、基板Sの搬送が適切に実行されているか否かが容易に把握可能となる。しかもその透明体23の構造によれば、一つの水平方向から見たその断面が搬送容器11の内部から外部に突出する弧状をなすことから、大気圧に相当する外力が透明体23に作用しても、その弧状をなす断面の中央では、それに作用する外力の方向が弧状をなす断面の中央から両端へ二分される、つまり透明体23の面方向へ分散されることになる。それゆえ、こうした構成からなる真空搬送装置によれば、透明体23の構造として水平方向に沿う単純な平板状が採用される態様に比べ、大気圧による透明体23の変形、ひいては大気圧による容器蓋体20の変形が抑えられることとなる。そのうえ弧状をなす断面が水平方向に延びるかたちで透明体23が構成されることから、透明体23そのもの構造の大幅な複雑化が抑えられることとなり、こうした透明体23の製造を容易なものとすることもできる。
(1)上記実施形態によれば、搬送容器11の内部が容器蓋体20の一部である透明体
23を通して視認可能なかたちとなり、基板Sの搬送が適切に実行されているか否かが容易に把握可能となる。しかもその透明体23の構造によれば、一つの水平方向から見たその断面が搬送容器11の内部から外部に突出する弧状をなすことから、大気圧に相当する外力が透明体23に作用しても、その弧状をなす断面の中央では、それに作用する外力の方向が弧状をなす断面の中央から両端へ二分される、つまり透明体23の面方向へ分散されることになる。それゆえ、こうした構成からなる真空搬送装置によれば、透明体23の構造として水平方向に沿う単純な平板状が採用される態様に比べ、大気圧による透明体23の変形、ひいては大気圧による容器蓋体20の変形が抑えられることとなる。そのうえ弧状をなす断面が水平方向に延びるかたちで透明体23が構成されることから、透明体23そのもの構造の大幅な複雑化が抑えられることとなり、こうした透明体23の製造を容易なものとすることもできる。
(2)上記実施形態によれば、透明体23に必要とされる剛性及び気密性が、各透明ガラス板23a,23b,23cと、透明体23の内面を覆う無機膜23sとにより実現される。そのため透明体23に関わる設計の自由度が拡張されることとなり、さらには透明ガラス板のみから上述の透明体23を構成する場合に比べ、透明体23の剛性及び気密性が向上されることにもなる。
また、透明体23の内面が高い気密性を有した無機膜23sで覆われるため、例えば真空搬送チャンバ10が一旦開状態となる場合には、大気等が透明体23の内部へ進入し難くもなる。このため、真空搬送チャンバ10の内部が大気に開放された後にも、透明体23から真空搬送チャンバ10内への脱ガスが抑えられるため、同真空搬送チャンバ10内における真空度がより円滑に復帰可能となる。
(3)上記実施形態によれば、互いに離間した複数の透明ガラス板23a,23b,23cからなる積層構造体により透明体23が構成されることから、機械的な耐性を同じくする透明体23を構成する上で、透明体23の構成要素ごとの厚さを薄くすることが可能になり、透明体23の製造技術にかかわる煩わしさを軽減可能にもなる。
(4)そのうえ、透明体23を構成する複数の透明ガラス板23a,23b,23cの各々が互いに離間した構造であるため、透明ガラス板同士の擦れ等が抑えられ、透明体23の機械的な強度に関して、その経時的な安定性を確保可能にもなる。
(5)透明体23の構成材料としては、上述する透明ガラスの他、透明樹脂も適用可能であるが、機械的な剛性や光学的な透明性のいずれにおいても、透明ガラスは透明樹脂よりも優れた特性が得られやすい。上記実施形態によれば、こうした透明ガラスにより透明体23が構成されることから、上述するように、透明体23の薄型化が可能にもなり、これの製造面における負荷が軽減可能にもなる。
(6)上記実施形態によれば、搬送容器11の上部開口の全体に透明体23が広がることから、搬送容器11の内部の略全体が視認可能なかたちとなり、搬送容器11の内部における基板Sの搬送状態の把握がより確実なものとなる。そのうえ透明体23の外縁が金属枠体21により囲まれることから、透明体23と搬送容器11との連結構造が蓋体ヒンジ22等を介する複雑な構成であれ、こうした連結構造の機械的な強度が金属枠体21により十分に確保可能なものとなる。
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態においては、搬送容器11の開口端面11aが鉛直方向から見て矩形をなし、これと整合するかたちで透明体23の外縁も鉛直方向から見て矩形をなす。これを変更して、搬送容器11が有低五角筒状や有低六角筒状をなして、開口端面11aが鉛直
方向から見て五角形状や六角形状をなす構成であってもよい。なおこれと整合するかたちで透明体23も鉛直方向から見て五角形状や六角形状をなす構成であってもよい。
・上記実施形態においては、搬送容器11の開口端面11aが鉛直方向から見て矩形をなし、これと整合するかたちで透明体23の外縁も鉛直方向から見て矩形をなす。これを変更して、搬送容器11が有低五角筒状や有低六角筒状をなして、開口端面11aが鉛直
方向から見て五角形状や六角形状をなす構成であってもよい。なおこれと整合するかたちで透明体23も鉛直方向から見て五角形状や六角形状をなす構成であってもよい。
・上記実施形態においては、開口端面11aが鉛直方向に延びるかたちで金属枠体21が構成されて、その金属枠体21に囲まれた領域の全体に透明体23が広がるかたちで容器蓋体20が構成されている。これを変更して、例えば開口端面11aおよび開口端面11aに囲まれた領域の一部が鉛直方向に延びるかたちで金属枠体21が構成されてもよい。すなわち金属枠体21の形状は、容器蓋体20と搬送容器11との間で気密性が確保されて、かつ透明体23の外縁が囲まれる形状であればよく、透明体23と開口端面11aとの間で気密性が十分に確保されて透明体23と蓋体ヒンジ22とが連結できる場合にあっては、金属枠体21そのものが割愛される構成であってもよい。
・上記実施形態においては、透明体23の内面が無機膜23sで覆われる例を説明したが、これを変更して、透明ガラス板23a,23b,23cにより気密性が十分に確保できる場合にあっては、この無機膜23sが割愛される構成であってもよい。
・上記実施形態における透明体23は、一つの水平方向から見て搬送容器11の内部から外部に突出する弧状に曲率を有した断面が同水平方向に延びる形状に限らず、搬送容器11の内部から外部に突出する弧状に曲率を有した板状であればよく、例えば搬送容器11の内部から外部に突出する球面状に曲率を有する形状に具体化することも可能である。こうした構成によれば、透明体23に作用する外力を鉛直方向から見て等方的に分散させることができ、大気圧による透明体23の変形、ひいては大気圧による容器蓋体20の変形がより効果的に抑えられることとなる。
S…基板、R…搬送ロボット、10…真空搬送チャンバ、11…搬送容器、11a…開口端面、12…周壁部、12a…外周面、12b…搬送孔、13…ゲートバルブ機構、14…真空処理チャンバ、20…容器蓋体、21…金属枠体、22…枠体ヒンジ、23…透明体、23a,23b,23c…透明ガラス板。
Claims (9)
- 有底多角筒状をなして内部に搬送装置を搭載した搬送容器がその上部開口に取付けられた容器蓋体により前記内部を密閉可能に構成されてなる第1の真空チャンバと、
前記搬送容器の外周面に連結されて前記第1の真空チャンバの内部と連通可能である複数の第2の真空チャンバとを具備し、
前記第1の真空チャンバが1つの前記第2のチャンバから他の前記第2の真空チャンバへ基板を搬送する真空搬送装置であって、
前記容器蓋体は、
前記搬送容器の内部から外部に突出する弧状に曲率を有した板状の透明体を具備する
ことを特徴とする真空搬送装置。 - 前記透明体は、
一つの水平方向から見て前記搬送容器の内部から外部に突出する弧状に曲率を有した断面が前記一つの水平方向に延びるかたちで構成されることを特徴とする請求項1に記載の真空搬送装置。 - 前記透明体は、
前記搬送容器の内部から外部に突出する球面状に曲率を有することを特徴とする請求項1に真空搬送装置。 - 前記透明体は、
互いに離間した複数の透明板がシール部材を挟んで積み重なるかたちに構成された積層構造体である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の真空搬送装置。 - 前記透明体は、
前記搬送容器の内部との境界が前記搬送容器の内部からのガスの放出を抑制する無機膜により構成されている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の真空搬送装置。 - 前記透明体が透明ガラスからなる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の真空搬送装置。 - 前記容器蓋体は、
前記搬送容器の上部開口の端面と相似形である多角形状の断面が鉛直方向に延びるかたちで構成された一つの金属枠体を具備し、その金属枠体に囲まれた領域の全体に前記透明体が広がるかたちで構成されている
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の真空搬送装置。 - 前記搬送容器の上部開口が矩形孔である
ことを特徴とする請求項7に記載の真空搬送装置。 - 前記透明体は、
水平方向から見て前記搬送容器の内部から外部に突出する半楕円弧状をなす
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の真空搬送装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2009117065A JP2010267750A (ja) | 2009-05-13 | 2009-05-13 | 真空搬送装置 |
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JP2009117065A JP2010267750A (ja) | 2009-05-13 | 2009-05-13 | 真空搬送装置 |
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