JP2010267578A - 車両用灯具 - Google Patents

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Ryosuke Yasuda
亮介 安田
Haruo Otani
治夫 大溪
Masakazu Sato
正和 佐藤
Kazuhiro Yamazaki
一廣 山崎
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Abstract

【課題】溝部115に注入されたシール材150と空気との接触面積をより大きくすることができるので、シール材150の硬化に要する時間を短くすることができる。
【解決手段】灯具ボディ110に設けられた溝部115にシール材150を注入し、レンズ部材120に設けられた挿入部125を前記溝部115に挿入することにより前記灯具ボディ110と前記レンズ部材120とが前記シール材150を介して固定される車両用灯具10であって、前記溝部115および前記挿入部125の少なくとも一方の前記シール材150と対向する面には、前記シール材150を空気と接触させる連通部200が形成されていることを特徴とする車両用灯具10を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は車両用灯具に関し、特に車両用灯具を構成する灯具ボディおよびレンズ部材の取付部の構造に関する。
灯具前方側が開口した灯具ボディと当該開口を覆うように取り付けられたレンズ部材とにより形成された灯室内に光源が配された構造を有する車両用灯具が知られている。このような車両用灯具においては、灯具ボディの開口の周縁に設けられた溝部にシール材が注入された後、レンズ部材の外周に設けられた脚部が溝部に挿入されることにより、灯具ボディとレンズ部材とがシール性を確保しつつ固定されている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
ところで、上記シール材には、例えば湿気硬化型、あるいは熱硬化型の接着剤が用いられる。これらの接着剤は、車両用灯具の製造時において灯具ボディの溝部に注入された後、外気との間での熱交換、あるいは外気に含まれる水蒸気との接触により硬化する。
特開平10−27502号公報 特開2000−90724号公報
しかしながら、上記溝部に注入された接着剤は、溝部の周壁に囲まれた状態であることから、溝部の開口近傍を除いて外気と接触することができない。したがって、温度の低下や水分の導入を効率的に行うことができず、結果として硬化のために要する時間が長くなることが課題であった。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、灯具ボディに設けられた溝部にシール材を注入し、レンズ部材に設けられた挿入部を前記溝部に挿入することにより前記灯具ボディと前記レンズ部材とが前記シール材を介して固定される車両用灯具であって、前記溝部および前記挿入部の少なくとも一方の前記シール材と対向する面には、前記シール材を空気と接触させる連通部が形成されていることを特徴とする車両用灯具を提供する。
このような車両用灯具によれば、溝部に注入されたシール材と空気との接触面積をより大きくすることができるので、シール材の硬化に要する時間を短くすることができる。
また、本発明の車両用灯具において、前記溝部は、前記灯具ボディの本体部から伸びる底壁、および当該底壁の一端から立ち上がる側壁を有し、前記連通部は、前記側壁に設けられることが好ましい。
これにより、溝部に注入されたシール材と外気との接触面積をより大きくすることができるので、シール材の硬化をより効率的に行うことができる。
また、本発明の車両用灯具において、前記連通部は、前記溝部または挿入部の一部が貫通した貫通部であってもよい。
これにより、貫通部を通じて溝部に注入されたシール材と空気とを接触させることができるので、例えば側壁に設けた溝などを介してシール材と空気とを接触させる場合と比べて換気効率に優れる。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本発明の実施形態に係る車両用灯具10の縦断面図である。 灯具ボディ110とレンズ部材120との固定部(JO)の構造の一例を示す図である。 灯具ボディ110とレンズ部材120との固定部(JO)の構造の他の一例を示す図である。 灯具ボディ110とレンズ部材120との固定部(JO)の構造のさらに他の一例を示す図である。 灯具ボディ110とレンズ部材120との固定部(JO)の構造のさらに他の一例を示す図である。 灯具ボディ110とレンズ部材120との固定部(JO)の構造のさらに他の一例を示す図である。 連通部200を設けた挿入部125の構造の一例を示す。
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態について説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用灯具10の縦断面図である。図1に示すように、本実施形態の車両用灯具10は、前方が開口した灯具ボディ110と、当該開口を覆うように取り付けられたレンズ部材120とにより形成される灯室内に光源130およびリフレクタ140が配される構造を有する。本実施形態において、光源130は、上記灯室内の略中央に配され、リフレクタ140は、光源130の後方に配される。
なお、本明細書において、前方とは、車両用灯具10における光源130からレンズ部材120へと向かう方向(図1の上方)であり、後方とは、当該前方と反対の方向(図1の下方)である。したがって、車両用灯具10を自動車のリアコンビネーションランプに用いた場合、上記前方は即ち車両後方を示す。
灯具ボディ110は、例えば合成樹脂材料により一体に形成されている。この合成樹脂材料としては、例えばポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、ポリカーボネートABS樹脂(PC−ABS樹脂)、アクリル樹脂(PMMA)等が好ましく用いられる。レンズ部材120は、例えば透明あるいは半透明の合成樹脂材料により形成されている。この合成樹脂材料としては、例えばポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、ポリカーボネートABS樹脂(PC−ABS樹脂)、アクリル樹脂(PMMA)等が好ましく用いられる。
レンズ部材120における灯具ボディ110の開口を覆う面には、光源130からの光を集光あるいは拡散するためのレンズステップが設けられてもよい。灯具ボディ110およびレンズ部材120は、それぞれの外周縁部において互いに固定されている(図1において、灯具ボディ110とレンズ部材120とが互いに固定されている部分(固定部)を「JO」で示す)。
光源130は、灯具ボディ110およびレンズ部材120により形成される灯室内に配される。この光源130は、灯具ボディ110に固定されているソケット部132と電気的に接続し、ソケット部132を介して電源(不図示)から供給される電力により発光する。リフレクタ140は、前方側が略放物面状に凹んだ凹面を有し、その凹面の中央には光源130を通すための貫通穴が設けられている。このリフレクタ140は、灯室内における光源130の後方側に配され、光源130からの光を前方(レンズ部材120側)へ反射する。
図2は、灯具ボディ110とレンズ部材120との固定部(JO)の構造の一例を示す図である。図2において、(a)は、図1に示す断面図における固定部(JO)近傍を拡大した図を示し、(b)は、固定部(JO)の側面図を示し、(c)は、(b)におけるI−I断面矢視図を示す。
図2に示すように、灯具ボディ110の外周縁部には、溝部115が設けられている。この溝部115は、灯具ボディ110の本体部116から伸びる底壁117、および当該底壁117の一端から立ち上がる側壁118で構成され、前方側に開口を有する。
また、レンズ部材120の外周縁部には、後方側に突出する挿入部125が設けられている。この挿入部125は、シール材150が注入された溝部115に挿入されており、シール材150を介して溝部115に固定されている。シール材150は、本例において湿気硬化型接着剤あるいはホットメルトシーリング剤が好ましく用いられる。このように、灯具ボディ110の溝部115とレンズ部材120の挿入部125とをシール材150を介して固定することにより灯室内外のシール性を確保することができる。
また、レンズ部材120の外周縁部には、灯具側方へ突出するフランジ122が設けられている。レンズ部材120の挿入部125を灯具ボディ110の溝部115に挿入する際には、このフランジ122を溝部115の側壁118の上端に当接あるいは近接させることによって、レンズ部材120の前後方向における位置決めを行うことができる。
また、溝部115の側壁118におけるシール材150と対向する面には、図2(b)および図2(c)に示すように、側壁118の内側に溝状の連通部200が複数設けられている。本例において、これら複数の連通部200の幅(灯具周方向の長さ)および深さ(灯具側方の長さ)は、シール材150が硬化する前の粘度に応じて決められる。すなわち、連通部200は、車両用灯具10の製造時においてシール材150が溝部115に注入されたときに、シール材150が連通部200の内部全体に浸透する前に硬化するような幅および深さを有する。
したがって、溝部115に注入されたシール材150は、図2(c)に示すように、溝部115の側壁118と対向する側面150bのうち、連通部200が設けられた部分において側壁118から離間した状態のまま保持される。また、複数の連通部200は、それぞれ上端部において外部と連通する。したがって、シール材150は、側面150bにおける連通部200と対向する部分において空気と接触する。
このように、本実施形態の車両用灯具10では、溝部115の側壁118に複数の連通部200を設けることで、溝部115に注入されたシール材150は、溝部115の開口近傍の上面150aにおいて空気に接触するだけでなく、連通部200と対向する側面150bにおいても空気と接触するので、連通部200を設けない場合と比べて空気との接触面積が大きくなる。したがって、車両用灯具10の製造時において溝部115に注入されたシール材150を効率的に硬化させることができる。
また、溝部115における本体部116側ではなく、側壁118側に連通部200を設けることにより、灯室内の空気ではなく灯室外の空気(外気)とシール材150との接触面積を大きくすることができるので、シール材150の硬化に要する時間を短くすることができる。なお、本例において、溝部115の側壁118に設ける連通部200の数や深さ(灯具前後方向の長さ)などは、シール材150の粘度や要求されるシール材150の硬化速度に応じて適宜選択される。
図3は、灯具ボディ110とレンズ部材120との固定部(JO)の構造の他の一例を示す図である。図3において、(a)〜(c)の各図は、図2の(a)〜(c)の各図にそれぞれ対応し、図2と同じ符号を付した部分については、同様の構成であるので説明を適宜省略する。
図3(b)および図2(c)に示すように、本例の固定部においては、灯具ボディ110における溝部115の側壁118に複数の貫通部250が設けられている。上記連通部200が側壁118の内側に溝状に形成されているのに対し、本例の貫通部250は、側壁118の一部が上端から底壁117側へ切り込まれたものである。したがって、溝部115に注入されたシール材150の側面150bは、貫通部250が設けられた部分において外部に露出して空気と接触する。
本例において、これら複数の貫通部250の幅(灯具周方向の長さ)は、上記連通部200と同様に、シール材150が硬化する前の粘度に応じて決められる。すなわち、貫通部250の幅は、車両用灯具10の製造時においてシール材150が溝部115に注入されたときに、シール材150が貫通部250から外部に流出しない程度に十分小さい。
本例のように、側壁118の一部を切り込むことにより溝部115の内外を貫通する貫通部250を設けることにより、溝部115に注入されたシール材150をより効率的に空気と接触させることができる。なお、溝部115の内外を貫通する貫通部250は、図3に示す形態に限られない。貫通部250は、例えば図4に示すように、側壁118を貫通する貫通穴であってもよく、貫通部250の形状や数などは、シール材150の粘度や要求されるシール材150の硬化速度に応じて適宜選択される。
また、例えば図5に示すように、貫通部250を溝部115の底壁117に設けてもよい。本例では、溝部115に注入されたシール材150の底面150cが、貫通部250が設けられた部分において外部に露出して空気と接触するので、シール材150を効率的に硬化させることができる。
また、溝部115に注入されたときのシール材150の粘度が比較的高い場合には、例えば図6に示すように、貫通部250を溝部115の底壁117および側壁118の両方に設けてもよい。本例では、溝部115に注入されたシール材150と空気との接触面積をより大きくとることができるので、シール材150をより効率的に硬化させることができる。
また、本実施形態の車両用灯具10は、上記連通部200および貫通部250を溝部115に設ける形態に限られず、レンズ部材120の挿入部125に設けてもよい。図7は、連通部200を設けた挿入部125の構造の一例を示す。図7において、(a)は、連通部200を設けた挿入部125の側面図を示し、(b)は、(a)におけるI−I断面矢視図を示す。図7に示すように、本例の挿入部125は、片側の面に溝状の連通部200が複数設けられている。
挿入部125は、シール材150が注入された溝部115に挿入されたときに、連通部200が設けられた部分においてシール材150から離間する。また、複数の連通部200は、シール材150の注入後もそれぞれ上端部において外部と連通する。したがって、シール材150における挿入部125と対向する面のうち、連通部200が設けられた部分を空気と接触させることができるので、車両用灯具10の製造時において溝部115に注入されたシール材150を効率的に硬化させることができる。
なお、本例では、連通部200を挿入部125の片側の面に設けたが、両側の面に設けてもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができることは当業者に明らかである。
10…車両用灯具
110…灯具ボディ
115…溝部
116…本体部
117…底壁
118…側壁
120…レンズ部材
122…フランジ
125…挿入部
130…光源
132…ソケット部
140…リフレクタ
150…シール材
200…連通部
250…貫通部
JO…接合部

Claims (3)

  1. 灯具ボディに設けられた溝部にシール材を注入し、レンズ部材に設けられた挿入部を前記溝部に挿入することにより前記灯具ボディと前記レンズ部材とが前記シール材を介して固定される車両用灯具であって、
    前記溝部および前記挿入部の少なくとも一方の前記シール材と対向する面には、前記シール材を空気と接触させる連通部が形成されていることを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記溝部は、前記灯具ボディの本体部から伸びる底壁、および当該底壁の一端から立ち上がる側壁を有し、
    前記連通部は、前記側壁に設けられることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記連通部は、前記溝部または挿入部の一部が貫通した貫通部であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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