JP2010267571A - 照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】LEDなどの固体発光素子からなる光源において、ハロゲン電球などに匹敵する高い演色性を有し、店舗用の光源として好適する照明装置を提供する。
【解決手段】本発明の照明装置は、基体1上に実装された青色LEDチップ2aと蛍光体含有層2bとからなり、色温度2500〜3200Kの白色光を発する白色光発光部2と、白色光発光部2からの光を反射する反射体3と、この反射体3と前記白色光発光部2とからなる発光ユニット4の上面に配置された可視光選択吸収層6とを備えている。可視光選択吸収層6は、575〜600nmの波長域に吸収ピークを有する可視光選択吸収材料を、透光性材料に含有・分散させて構成される。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の照明装置は、基体1上に実装された青色LEDチップ2aと蛍光体含有層2bとからなり、色温度2500〜3200Kの白色光を発する白色光発光部2と、白色光発光部2からの光を反射する反射体3と、この反射体3と前記白色光発光部2とからなる発光ユニット4の上面に配置された可視光選択吸収層6とを備えている。可視光選択吸収層6は、575〜600nmの波長域に吸収ピークを有する可視光選択吸収材料を、透光性材料に含有・分散させて構成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)ランプ等の照明装置に関する。
従来から、店舗における食品や衣類などの商品を照明する装置としては、演色性の高い白熱電球やハロゲン電球が使用されている。さらに、暖色系の色(特に赤色)を良好に(鮮やかに)見せるようにしたものでは、波長580nm付近の黄色光を吸収するネオジウムガラスを前面ガラスとして使用した白熱電球やハロゲン電球が使用されている。
演色性は、自然光に近い照明を基準光にして光源による色の見え方を評価したものであり、JISに定められている試験色を、試料光源と基準光で照明したときの色ずれの大きさを数値化した演色評価数で表される。演色評価数には、平均演色評価数Raと特殊演色評価数Riがあり、平均演色評価数Raは、試験No.1〜8の演色評価数値の平均値として表される。特殊演色評価数Riは、試験No.9〜15の個々の特殊演色評価数値として表される。これらの演色評価数は、基準光源である白色光源による色彩を忠実に再現しているかを指数で表したもので、原則として100に近いほど演色性が良い。
近年、長寿命で信頼性が高く、また低消費電力、耐衝撃性、高純度表示色、軽薄短小化の実現などの特徴を有することから、発光ダイオード(LED)などの固体発光素子を用いた照明装置(LEDランプ)が使用され始めている。
LEDランプで白色発光を実現する代表的な方式としては、(1)青、緑および赤の各色に発光する3つのLEDチップを使用する方式、(2)青色発光のLEDチップと黄色光ないし橙色光を発光する黄色系蛍光体とを組み合わせる方式、(3)紫外線発光のLEDチップと青色、緑色および赤色の三色混合蛍光体(RGB蛍光体)とを組み合わせる方式、の3つが挙げられる。これらのうち、一般的には(2)の方式が広く実用化されている。
一般照明用としてのLEDランプにおいては、高い発光効率に加え、前記した演色性が重視されている。従来からのLEDランプにおいては、平均演色評価数Raが低いうえに、とりわけ試験No.9の特殊演色評価数値R9が低く赤の見え方が悪いため、食品や衣類などの商品の照明には不向きであった。
この点を改善するため、黄色系蛍光体に加えて赤色蛍光体と緑色蛍光体をそれぞれ混合して用い、演色性を向上させたLEDランプが提案されている。しかし、発光スペクトルのピークがブロードになるため、前記白熱電球やハロゲン電球と同等の高い演色性を得ることは困難であった。
また、LEDチップから発光される光の色と蛍光体により波長変換される光量を厳密に制御するために、LEDチップから発光され蛍光体により波長変換されなかった光を、フィルタ材料により吸収するように構成した発光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような発光装置も演色性という点では十分に高いとはいえず、赤色を中心とする色を有する商品を照明するための照明装置として用いることができなかった。
本発明は、上記したような問題を解決するためになされたものであって、LEDなどの固体発光素子からなる光源において、高い演色性を有し、特に赤色の見え方が改善され、食品や衣類のような商品を陳列する店舗用の光源として好適する照明装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の照明装置は、青色光を放射する発光素子と、前記発光素子から放射される青色光により励起されて発光する蛍光体を含有し、前記発光素子を被覆する層とを備え、前記青色光と前記蛍光体からの光との混色により色温度2500〜3200Kの白色光を発する白色光発光部と;前記白色光発光部から発光される白色光を透過する透光性材料と、前記透光性材料に含有・分散された575〜600nmの波長域に吸収ピークを有する可視光選択吸収材料とを有し、前記白色光発光部の前面に配置された可視光選択吸収層と;を具備することを特徴とする。
請求項2記載の照明装置は、請求項1記載の照明装置において、前記可視光選択吸収層の吸収ピークにおける最大吸収率が40%以上であり、かつこの吸収ピークにおいて、吸収率が最大吸収率の1/2以上を示す波長領域の幅が80nm以下であることを特徴とする。
請求項3記載の照明装置は、請求項1または2記載の照明装置において、前記可視光選択吸収層における前記可視光選択吸収材料の含有割合が0.01〜0.5重量%であり、かつ層厚が10〜50μmであることを特徴とする。
上記した請求項1〜請求項3記載の発明において、用語の定義および技術的意味は、特に指定しない限り以下の通りである。
青色光を放射する発光素子は、青色光を放射し、放射した青色光により蛍光体を励起して可視光を発光させるものである。本発明で用いられる青色光を放射する発光素子としては、青色発光タイプのLEDチップなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
蛍光体は、前記発光素子から放射された青色光により励起されて発光するものである。蛍光体の発光ピークの波長、すなわち発光スペクトルのピーク波長(主波長)は、575〜600nmの範囲とすることが好ましい。
白色光発光部は、前記発光素子とその上に被覆された前記蛍光体の層とから構成され、発光素子から発光される青色光と蛍光体から発光される光(例えば、黄色光ないし橙色光)との混色により、電球色に相当する2500〜3200Kの色温度の白色光を発光する。後述する可視光選択吸収層を透過した後の白色光の色温度は、2400〜3200Kであることが好ましい。
可視光選択吸収層は前記白色光発光部の前面に配置される。前面は、白色光の取り出し方向に沿って前方を意味する。耐久性の観点から、可視光選択吸収層は白色光発光部の光取り出し側の面に直接配置されるのではなく、適当な距離(例えば5mm以上)をおいて配置されることが好ましい。
透光性材料は、白色光発光部から発光される白色光を透過する材料であり、可視光選択吸収層のベース成分となる。透光性材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、あるいはこれらの樹脂をシリカのような無機材料により複合化した有機−無機複合材料などが使用される。
このような透光性材料中に含有・分散される可視光選択吸収材料は、575〜600nmの波長域に吸収ピークを有する。このような可視光選択吸収材料としては、シアニン系、スクアリリウム系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系ポリメチン系などの各種化合物、有機金属化合物などが挙げられる。
このような可視光選択吸収材料の可視光選択吸収層全体に対する含有割合は、可視光選択吸収層の層厚により異なるが、層厚を10〜50μmとし、可視光選択吸収材料の含有割合を0.01〜0.5重量%とすることが好ましい。すなわち、可視光選択吸収材料の含有割合を高くすると層厚を薄くすることができるが、層厚を薄くし過ぎると他の光学特性が低下して好ましくないため、層厚は10μm以上とし、含有割合は0.5重量%以下とすることが好ましい。また、層厚を厚くし過ぎると可視光選択吸収層が剥がれやすくなるため、層厚は50μm以下とし、含有割合を0.01重量%以上とすることが好ましい。
請求項1記載の照明装置によれば、青色発光素子とその上に被覆された蛍光体(例えば、黄色系蛍光体)とから構成される白色光発光部の前面に、575〜600nmの波長域に吸収ピークを有する可視光選択吸収材料を含む層が配置されているので、白色光発光部から発光される白色光から、波長575〜600nmの光の一部が前記可視光選択吸収材料により吸収される。そのため、演色性が高く、食品、衣類などの商品の照明用として好適する照明装置を得ることができる。
請求項2〜請求項3記載の照明装置によれば、色温度が2400〜3200Kで平均演色評価数Raが90以上と極めて演色性が高く、かつ色の偏差(黒体輻射の軌跡からの偏差;duv)が+0.005〜−0.015と優れた発光特性を有する照明装置を実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の照明装置の一実施形態であるLEDランプを示す断面図であり、図2は図1の一部を拡大して示す図である。
実施形態のLEDランプ10は、基体1と、基体1上に実装された白色光発光部2と、白色光発光部2からの光を反射する反射体3と、この反射体3と前記白色光発光部2とからなる発光ユニット4の上面に配置された透光性の支持層5と、この支持層5の上に形成された可視光選択吸収層6と、これらを収容するケース本体7とを備えている。
基体1は回路基板からなる。回路基板は、熱伝導性の良好な金属例えばアルミニウム(Al)の円形平板状の基板の表面(上面)に、シリコーン樹脂等の電気絶縁層を介して、例えば銅箔から成る回路パターンが形成された構造を有する。
この基体1上に、複数個(例えば8個)の白色光発光部2が配設されている。各々の白色光発光部2は、青色光を放射するLEDチップ2aとこのLEDチップ2aを被覆する蛍光体を含有する層2bとから構成される。LEDチップ2aは、例えば窒化ガリウム(GaN)系半導体からなり、印加された電気エネルギーにより主波長が420〜480nm(例えば460nm)の青色光を放射する。
蛍光体としては、LEDチップ2aから放射される青色光により励起されて、主波長が575〜600nmの黄色光ないし橙色光を発光する黄色系蛍光体が使用される。このような黄色系蛍光体としては、RE3(Al,Ga)5O12:Ce蛍光体(REはY、GdおよびLaから選ばれる少なくとも1種を示す。)等のYAG蛍光体、AE2SiO4:Eu蛍光体(AEはSr、Ba、Ca等のアルカリ土類元素である。)等の珪酸塩蛍光体などが例示される。
このような黄色系蛍光体は、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの透明樹脂に混合・分散されている。すなわち、LEDチップ2aは黄色系蛍光体を含有する樹脂層により被覆され封止されている。そして、LEDチップ2aから放射される青色光と黄色系蛍光体からの光との混色により、色温度2500〜3200Kの白色光を発するように構成されている。
このように構成される8個の白色光発光部2が、基体1である回路基板上に、1個を中心にしてその周りに7個がほぼ同心円状に等間隔で配設され、各白色光発光部2のLEDチップ2aが基体1である回路基板の回路パターンに接続されている。なお、各LEDチップ2aは回路パターンにより直列に接続されている。
反射体3は、耐候性、耐熱性および電気絶縁性を有する合成樹脂、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート(PC)などの合成樹脂により、円盤状に一体に形成されている。そして、上面側に、内面が回転放物面状をなし、底部に貫通孔を有する同一形状および寸法の複数個(8個)の凹部3aが形成され、各凹部3aの内面などにはAlが蒸着され鏡面加工が施されている。各凹部3aは個別反射部を構成しており、各個別反射部(凹部3a)は、その底面の貫通孔を介して露出するように配置された各白色光発光部2の配光領域をそれぞれ囲むように、基体1上に配置されている。
このように8個の凹部3aを有する反射体3と8個の白色光発光部2とが組み合わされて、平板状の発光ユニット4が形成されている。そして、この発光ユニット4の上面(光出射側の面)に、ポリエチレンテフタレート(PET)などの透光性材料から成る支持層5が配置され、その上に可視光選択吸収層6が形成されている。可視光選択吸収層6と発光ユニット4の白色光発光部2との間には、支持層5と反射体3とが介在しているので、可視光選択吸収層6は白色光発光部2から適当な距離(例えば5mm以上)だけ離隔されることになり、十分な耐久性を有する。なお、可視光選択吸収層6は支持層5の下面側(発光ユニット4に対向する面側)に形成してもよい。
可視光選択吸収層6は、透光性材料に可視光選択吸収材料を所定の含有割合となるように添加し、均一に分散させた材料から構成される。透光性材料は、可視光選択吸収層6のベース成分となるもので、白色光発光部2から発光される白色光を透過する。透光性材料としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、あるいはこれらの樹脂をシリカのような無機材料により複合化した有機−無機ハイブリッド材料などを使用することができる。有機−無機ハイブリッド材料は、有機成分としての樹脂と無機成分としてのシリカ(ガラス)とを分子レベルで複合化してなる材料である。
可視光選択吸収材料としては、575〜600nmの波長域に吸収スペクトルのピーク(吸収ピーク)を有する有機材料を使用する。このような有機材料としては、シアニン系、スクアリリウム系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系ポリメチン系などの各種化合物、有機金属化合物などが挙げられる。なお、これらの材料は、従来からプラズマディスプレイパネル(PDP)などでネオンの発光抑制に使用されているものであり、それらの材料を使用することができる。
このような可視光選択吸収材料の含有量は、可視光選択吸収層6全体の0.01〜0.5重量%の割合とし、可視光選択吸収層6の層厚は10〜50μmとすることが好ましい。可視光選択吸収材料の含有割合を高くすると層厚を薄くすることができるが、層厚を薄くし過ぎると他の光学特性が低下するため、層厚は10μm以上とし、含有割合は0.5重量%以下とすることが好ましい。また、層厚を厚くし過ぎると剥がれやすくなるため、層厚は50μm以下とし、可視光選択吸収材料の含有割合を0.01重量%以上とすることが好ましい。
ケース本体7は、熱伝導性の良好な金属、例えばAlで構成され、横断面がほぼ円形をなす一端部に径の大きな開口部を、他端部に径の小さな開口部を一体に形成し、外周面が一端から他端に向かい順次径が小さくなるテーパー面をなすよう形成されている。このようなケース本体7の大径開口部近傍の内周面には、支持段部7aが一体に形成され、この支持段部7aに基体1が載置されている。そして、基体1上に発光ユニット4および支持層5上に形成された可視光選択吸収層6が配置されており、こうしてこれら全体がケース本体7内に収容されている。
また、ケース本体7の大径開口端部、すなわち発光ユニット4からの白色光の出射側の開口端部には、アクリル樹脂からなる透明なカバー部材8が配置されている。なお、ケース本体7内の発光ユニット4とカバー部材8との間には、発光ユニット4からの出射光を制御する光制御部材9を設けることができる。光制御部材9は、発光ユニット4からの出射光を反射する反射部材で構成されており、光制御部材9を設けることで照明装置全体として所望の配光を得ることができる。
発光ユニット4より下側(出射方向と反対側)のケース本体7内部には、発光素子であるLEDチップ2aに電流を供給し点灯させる点灯装置(図示を省略。)が収納されている。点灯装置の点灯回路は、例えば、交流電圧を直流電圧に変換して各LEDチップ2aに供給するように構成されている。点灯回路を有する回路基板の出力端子に、LED給電用の電線が接続され、基体1に実装され直列に接続された各LEDチップ2aに接続されている。
このように構成される実施形態のLEDランプ10においては、LEDチップ2aとその上に被覆された蛍光体含有層2bとから構成される白色光発光部2の前面に、575〜600nmの波長域に吸収ピークを有する可視光選択吸収材料を含む層が配置されているので、白色光発光部2から発光される色温度2500〜3200Kの白色光から、波長575〜600nmの光(黄色光ないし橙色光)の一部が可視光選択吸収材料により吸収された後の光が発せられる。吸収後の光は、発光効率の低下は若干見られるが、平均演色評価数Raおよび特殊演色評価数R9が高くなっているなど、演色性が向上している。
したがって、高演色で食品、衣類などの商品の照明用として好適する照明装置を得ることができる。より具体的には、色温度が2400〜3200Kで平均演色評価数Raが90以上と極めて演色性が高く、かつ色の偏差(duv)が+0.005〜−0.015と優れた発光を実現することができる。
以上、本発明の照明装置として電球形のLEDランプについて説明したが、本発明の照明装置はこのような構造に限定されず、本発明の趣旨に反しない範囲においてかつ必要に応じて、適宜その構成を変更することができる。
次に、本発明の具体的実施例およびその評価結果について記載する。
実施例1、比較例1
以下に示すようにして、図1に構成を示したLEDランプ10を作製した。まず、平板状の発光ユニット4を作製し、この発光ユニット4を、基体1である回路基板上に配設した。LEDチップ2aは波長450nmの青色光を発光するものとし、このLEDチップ2aを、主波長575〜600nmの黄色系蛍光体を含有するシリコーン樹脂層により封止した。こうして形成された色温度3000K前後の電球色に相当する白色光を発光する白色光発光部2を、回路基板上に配置されたPBT製の反射体3の個別反射部(凹部3a)内に配置し、LEDチップ2aを回路基板の回路パターンに電気接続した。
以下に示すようにして、図1に構成を示したLEDランプ10を作製した。まず、平板状の発光ユニット4を作製し、この発光ユニット4を、基体1である回路基板上に配設した。LEDチップ2aは波長450nmの青色光を発光するものとし、このLEDチップ2aを、主波長575〜600nmの黄色系蛍光体を含有するシリコーン樹脂層により封止した。こうして形成された色温度3000K前後の電球色に相当する白色光を発光する白色光発光部2を、回路基板上に配置されたPBT製の反射体3の個別反射部(凹部3a)内に配置し、LEDチップ2aを回路基板の回路パターンに電気接続した。
次いで、こうして回路基板上に実装された平板状の発光ユニット4の上に、支持層5であるPETフィルム(厚さ0.1mm)の片面に厚さ31μmの可視光選択吸収層6を形成した積層部材を、可視光選択吸収層6が上側(光出射側)になるように配置した。ここで、可視光選択吸収層6は、エポキシ−シリカハイブリッド樹脂に、ポリメチン系可視光選択吸収材料を0.05重量%の割合で含有・分散させた樹脂組成物を、塗布し硬化させることにより形成した。なお、使用したポリメチン系可視光選択吸収材料は、CHCl3中において波長590nmに吸収ピークを有するものである。こうして、図1に構成を示した実施例1のLEDランプ10を作製した。
また、片面に可視光選択吸収層6が形成された積層部材を配置する代わりに、可視光選択吸収層を持たないPETフィルムを配置し、比較例1のLEDランプを作製した。
次に、こうして実施例1および比較例1で得られたLEDランプを点灯し、発光スペクトルを測定した。そして、発光の色温度、色の偏差(duv)、平均演色評価数Raおよび特殊演色評価数R9(赤色)をそれぞれ求めた。発光スペクトルの測定は、分光光度計を用い位置を固定して行なった。測定された発光スペクトルを図3に示す。また、発光の色温度、偏差(duv)、平均演色評価数Raおよび特殊演色評価数R9の値を表1に示す。なお、図3の発光スペクトルにおいて、縦軸は、比較例1のLEDランプの発光ピークの強度を1(基準)としたときの相対エネルギー分布を示す。
表1から明らかなように、実施例1のLEDランプによれば、可視光選択吸収層を持たない比較例1のLEDランプとほぼ同じ色温度の発光において、Raが90以上と極めて演色性の高い発光が得られる。また、特殊演色評価数R9(赤色)についても良好な値が得られる。さらに、実施例1のLEDランプによれば、色の偏差(duv)が十分に小さく、特性に優れた光が得られる。
実施例2、比較例2
実施例1と同様にして、図1に構成を示したLEDランプ10を作製した。まず、波長450nmの青色光を発光するLEDチップ2aを、主波長575〜600nmの黄色系蛍光体を含有するシリコーン樹脂層により被覆・封止し、色温度3000K前後の白色光を発光する白色光発光部2を形成した。この白色光発光部2を、回路基板上に配置されたPBT製の反射体3の凹部3a内に配置し、LEDチップ2aを回路基板の回路パターンに接続した。こうして、基体1である回路基板に実装された複数の白色光発光部2と反射体3とを組合わせ、平板状の発光ユニット4を作製した。
実施例1と同様にして、図1に構成を示したLEDランプ10を作製した。まず、波長450nmの青色光を発光するLEDチップ2aを、主波長575〜600nmの黄色系蛍光体を含有するシリコーン樹脂層により被覆・封止し、色温度3000K前後の白色光を発光する白色光発光部2を形成した。この白色光発光部2を、回路基板上に配置されたPBT製の反射体3の凹部3a内に配置し、LEDチップ2aを回路基板の回路パターンに接続した。こうして、基体1である回路基板に実装された複数の白色光発光部2と反射体3とを組合わせ、平板状の発光ユニット4を作製した。
次いで、この発光ユニット4の上に、PETフィルム(厚さ0.1mm)の片面に厚さ42μmの可視光選択吸収層6を形成した積層部材を、可視光選択吸収層6が上側(光出射側)になるように配設し、実施例2のLEDランプ10を作製した。ここで、実施例2においては、エポキシ樹脂に、ポリメチン系可視光選択吸収材料を0.05重量%の割合で含有・分散させた樹脂組成物を、塗布し硬化させることにより、可視光選択吸収層6を形成した。この実施例2と前記した実施例1における可視光選択吸収層6の波長400〜800nmの光の透過スペクトルを、図4に示す。
図4からわかるように、実施例1および2において設けられた可視光選択吸収層6は、黄色光の575〜600nmの波長域に吸収ピークを有し、この吸収ピークにおける最大吸収率は40%以上となっている。また、吸収率が最大吸収率の1/2以上を示す波長領域の幅が80nm以下となっている。なお、可視光選択吸収層6のベース成分であるエポキシ−シリカハイブリッド樹脂(実施例1)およびエポキシ樹脂(実施例2)は、400〜800nmの波長域の光を吸収しないので、前記した光吸収特性は、これらの樹脂に含有・分散された可視光選択吸収材料の吸収特性を示すものである。
さらに、片面に可視光選択吸収層6が形成された積層部材を配置する代わりに、可視光選択吸収層を持たないPETフィルムを配置し、比較例2のLEDランプを作製した。
こうして実施例2および比較例2で得られたLEDランプを点灯し、実施例1と同様にして発光スペクトルを測定した。そして、実施例2および比較例2のLEDランプについて、発光の色温度、色の偏差(duv)、平均演色評価数Raおよび特殊演色評価数R9をそれぞれ求めた。測定結果を表2に示す。また、実施例2のLEDランプおよび比較例2のLEDランプの発光スペクトルを、それぞれ図5に示す。
表2から明らかなように、実施例2のLEDランプによれば、可視光選択吸収層を持たない比較例2のLEDランプとほぼ同じ色温度の発光において、Raが90以上と演色性が高く、色の偏差(duv)が−0.01前後とややマイナスであり、ネオジウムガラスを前面ガラスとして使用した白熱電球やハロゲン電球と同様に、さらに暖色系の色(特に赤色)を良好に(鮮やかに)見せることができる。
1…基体、2…白色光発光部、2a…LEDチップ、2b…蛍光体含有層、3…反射体、3a…凹部、4…発光ユニット、5…支持層、6…可視光選択吸収層、8…カバー部材、10…LEDランプ。
Claims (3)
- 青色光を放射する発光素子と、前記発光素子から放射される青色光により励起されて発光する蛍光体を含有し、前記発光素子を被覆する層とを備え、前記青色光と前記蛍光体からの光との混色により色温度2500〜3200Kの白色光を発する白色光発光部と;
前記白色光発光部から発光される白色光を透過する透光性材料と、前記透光性材料に含有・分散された575〜600nmの波長域に吸収ピークを有する可視光選択吸収材料とを有し、前記白色光発光部の前面に配置された可視光選択吸収層と;
を具備することを特徴とする照明装置。 - 前記可視光選択吸収層の吸収ピークにおける最大吸収率が40%以上であり、かつこの吸収ピークにおいて、吸収率が最大吸収率の1/2以上を示す波長領域の幅が80nm以下であることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
- 前記可視光選択吸収層における前記可視光選択吸収材料の含有割合が0.01〜0.5重量%であり、かつ層厚が10〜50μmであることを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
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