JP2010267457A - 捲回式電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電を繰り返しても電池容器の変形を抑制することができる捲回式電池を提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池10は、電池缶4を備えている。電池缶4の対向する2面には、正極外部端子5および負極外部端子6が互いに反対方向外側に向けて突設されている。電池缶4は、扁平状を呈しており、正極外部端子5および負極外部端子6を結ぶ方向と交差する方向の断面が長円状に形成されている。電池缶4には、正極板および負極板がセパレータを介して対向するように捲回された3つの電極群1a、1b、1cが1列に並置されて収容されている。正極板および負極板では、アルミニウム箔および銅箔の両面にそれぞれ活物質が塗着されている。各電極群は、捲回軸と交差する断面が円形状に形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は捲回式電池に係り、特に、活物質がそれぞれ塗工された正負極板がセパレータを介して捲回された電極群と、電極群を電解液に浸潤させて収容する電池容器と、を備えた捲回式電池に関する。
従来二次電池は、パソコンや携帯機器など小型民生用機器の電源として広く使用されている。また、環境に配慮した自動車として電気自動車およびハイブリッド自動車の開発が進む中、大型二次電池の開発が進められ、一部実用化されている。一般に、二次電池を高容量化するために正負極板の面積増大が図られている。このため、矩形状に形成した正負極板のそれぞれ複数枚をセパレータを介して交互に積層した積層電極群や長尺状に形成した正負極板をセパレータを介して円柱状に捲回した円柱状電極群が用いられている。これらの積層電極群や円柱状電極群は、電極群の形状にあわせた電池容器に収容されている。一方、電気自動車等に用いられる大型二次電池では、高出力化を図るために複数個の二次電池を配列した組電池が構成されている。換言すれば、小型民生用や電気自動車用等に関わらず、二次電池の高出力化、高エネルギー密度化および長寿命化が重要な課題となっている。
ところが、円柱状電極群を円筒状電池容器に収容した二次電池では、組電池を構成したときに隣り合う二次電池間に余剰の空間が形成され、エネルギー密度を損なうことがある。これに対して、角型電池容器に電極群を収容した二次電池では、円筒状電池容器を用いた二次電池と比べて、組電池におけるエネルギー密度の向上が期待できる。角型電池容器を用いる場合、積層電極群では最外側の極板が電池容器に内接するように収容される。また、正負極板が扁平状に捲回された扁平捲回電極群が構成されその平面部分が電池容器に内接するように収容される。一方、1つの電池容器に複数個の電極群を収容した二次電池として、例えば、矩形状(角型)に捲回された電極群の複数個を角型電池容器に収容した二次電池の技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2003−31202号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、矩形状の電極群を積層配置して角型電池容器に収容することを前提としており、充放電サイクルの繰り返しにより正負極板の厚み増大が生じたときは、捲回圧のかからない電極群の平面部分で膨らみが顕著となり、電池容器の膨らみとして外形に現れる、という問題がある。また、積層電極群、扁平捲回電極群のいずれを用いたときでも、充放電サイクルの繰り返しにより正負極板が厚み方向に膨張することがある。正負極板が膨張するとその応力が直接に電池容器の平面部分にかかるので、電池容器の膨らみとして外形に表れる。このため、電池容器の耐性の問題から電池寿命を低下させることがあり、上述した組電池の場合には組電池の構造を損なうこともある。正負極板の厚み方向への膨張は、活物質粒子の結晶構造の膨張に起因するため、電池容器の強度等で抑止することが難しい。このような電池容器の膨らみは電池性能の劣化だけでなく、組電池を構成している場合には組電池枠の破損等を招く原因となるため忌避されるべき現象である。これに対して、円筒状電池容器に円柱状電極群を収容した二次電池では、正負極板の厚み方向への膨張が生じても膨張の応力が電池容器の外周全体に分散されるため、積層電極群、扁平捲回電極群を収容した二次電池と比べて、電極群自体の膨張を抑制することが期待できる。
本発明は上記事案に鑑み、充放電を繰り返しても電池容器の変形を抑制することができる捲回式電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、活物質がそれぞれ塗工された正負極板がセパレータを介して捲回され捲回軸と交差する方向の断面が円形状の複数個の電極群と、前記複数個の電極群を一列に並置し電解液に浸潤させて収容する扁平状の電池容器と、を備えたことを特徴とする捲回式電池である。
本発明では、断面円形状の複数個の電極群を一列に並置し電解液に浸潤させて扁平状の電池容器に収容することで、正負極板の積層電極群や扁平捲回電極群を電池容器に収容し同じ体積に構成した電池と比べて、充放電の繰り返しにより正負極板の厚み方向への膨張が生じても電池容器の変形を抑制することができる。
この場合において、複数個の電極群がいずれも電気的に並列に外部端子に接続されていてもよい。このとき、複数個の電極群が、活物質の種類、正負極板の厚みおよびセパレータの厚みを異なるようにしてもよい。複数個の電極群がいずれも同じかまたは同等の外径を有するようにすることができる。また、複数個の電極群と電池容器との間に中空状の複数のスペーサが配されており、スペーサが、電池容器の内面に沿う平面部と、複数個の電極群のうち少なくとも2個の電極群に沿う断面円弧状の背面部とを有し、背面部が平面部の背面側に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、断面円形状の複数個の電極群を一列に並置し電解液に浸潤させて扁平状の電池容器に収容することで、正負極板の積層電極群や扁平捲回電極群を電池容器に収容し同じ体積に構成した電池と比べて、充放電の繰り返しにより正負極板の厚み方向への膨張が生じても電池容器の変形を抑制することができる、という効果を得ることができる。
本発明を適用した実施形態のリチウムイオン二次電池を構成する電極群の配置を模式的に示す斜視図である。 実施形態のリチウムイオン二次電池の外観を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は右側面図である。 実施形態のリチウムイオン二次電池の電池缶内に配されるスペーサを示し、(A)は電池缶内での電極群とスペーサとの位置関係を示す断面図であり、(B)はスペーサの断面図である。 実施例および比較例のリチウムイオン二次電池の充放電サイクル試験におけるサイクル数に対する直流内部抵抗の推移を示すグラフである。 実施例および比較例のリチウムイオン二次電池の充放電サイクル試験におけるサイクル数に対する電池缶の最大厚みの推移を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明を適用したリチウムイオン二次電池の実施の形態について説明する。
(構成)
図2(A)に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、ニッケルメッキが施されたスチール製で扁平状の電池缶4を備えている。図2(A)(B)に示すように、電池缶4には、左側面の略中央部に正極外部端子5が突設されている。図2(B)(C)に示すように、電池缶4の右側面の略中央部には、負極外部端子6が突設されている。換言すれば、正極外部端子5および負極外部端子6は、電池缶4の対向する2面からそれぞれ互いに反対方向外側に向けて突出している。図2(C)に示すように、電池缶4は、正極外部端子5および負極外部端子6を結ぶ方向と交差する断面が長円状に形成されており、厚みtを有している。すなわち、電池缶4は、厚みt方向に対向する2面が平行な平面部8a、8bを有している。また、厚みt(1辺の大きさ)が他の2辺の大きさより小さい扁平状を呈している。
図1に示すように、電池缶4には、正極板および負極板がセパレータを介して対向するように捲回された3つの電極群1a、1b、1cが収容されている。電極群1a、1b、1cは、捲回軸が平面部8a、8bと平行になるように1列に並置されて電池缶4に収容されている。各電極群は、捲回軸と交差する方向の断面が円形状に形成されている。各電極群には、それぞれ、一側端面に露出した正極無地部と他側端面に露出した負極無地部とにそれぞれ円盤状の集電部品3が接合されている。集電部品3には、正極側、負極側それぞれに、短冊状の集電タブ2が接合されている。集電タブ2は、長手方向中央部で湾曲しており、一側端部が集電部品3に接合されている。集電タブ2の他側端部は、捲回軸方向の外側に向けて突出している。すなわち、正極側と負極側とでは、集電タブ2の他側端部が互いに反対方向に突出している。3つの電極群1a、1b、1cの正極側に突出した集電タブ2はいずれも正極外部端子5に電気的に接続されており、負極側に突出した集電タブ2はいずれも負極外部端子に電気的に接続されている。このとき、パッキン等を介して電池容器との電気的絶縁が保たれている。すなわち、3つの電極群1a、1b、1cは、並列接続されている。
電極群1a、1b、1cは、正極板と負極板とが、これら両極板が直接接触しないようにセパレータを介して捲回されている。セパレータとしては、本例では、ポリプロピレンおよびポリエチレンの微多孔膜が用いられている。正極無地部と負極無地部とが、それぞれ電極群の互いに反対側の両端面に露出している。電極群1a、1b、1cには、電池缶4との電気的接触を防止するために絶縁被覆が施されている。
電極群1a、1b、1cは、外径が同じとなるように形成されている。各電極群の外径が電池缶4の厚みtより若干小さくなるように設定されている。各電極群をそれぞれ構成する正極板、負極板は、各電極群で異なる厚みを有している。すなわち、電極群1a、1b、1cでは、それぞれの正極板の厚みをXa、Xb、Xcとしたときに、Xa>Xb>Xcとなるように形成されている。また、電極群1a、1b、1cのそれぞれの負極板の厚みをYa、Yb、Ycとしたときに、Ya>Yb>Ycとなるように形成されている。換言すれば、厚みXaの正極板と厚みYaの負極板とが組み合わされ電極群1aが形成されている。同様に、厚みXbの正極板と厚みYbの負極板とが組み合わされ電極群1bが形成され、厚みXcの正極板と厚みYcの負極板とが組み合わされ電極群1cが形成されている。
電極群1a、1b、1cを構成する正極板は、いずれも正極集電体としてアルミニウム箔を有している。アルミニウム箔の両面には、正極活物質を含む正極合剤が略均等に塗着されている。正極活物質には、例えば、コバルト、マンガン、ニッケルを含むリチウム−遷移金属複合酸化物の粉末が用いられている。正極合剤には、正極活物質以外に、導電剤の炭素粉末およびバインダ(結着材)のポリフッ化ビニリデン樹脂(以下、PVDFと略記する。)等が配合されている。
アルミニウム箔への正極合剤の塗着時には、ノルマル−メチルピロリドン(以下、NMPと略記する。)等の分散溶媒で粘度調整される。すなわち、リチウム−遷移金属複合酸化物粉末と、炭素粉末と、NMPにPVDFを溶解させたバインダ液とを均一混練した合剤スラリが調製される。合剤スラリがアルミニウム箔に均一厚みとなるように塗布され、乾燥させて正極板が作製される。このとき、塗布量を変えて3種類の正極板が作製される。すなわち、電極群1a用の正極板での塗布量をX1(g/cm)としたときに、電極群1b用の正極板での塗布量X2(g/cm)および電極群1c用の正極板での塗布量X3(g/cm)がX1>X2>X3の関係を満たすように塗布量が調整され、3種類の正極板が作製される。3種類の正極板では、正極合剤の塗布部分の密度が等しくなるようにプレス整形されている。アルミニウム箔の長寸方向一側の側縁には、正極合剤の非塗着部(正極無地部)が形成されている。
一方、各電極群を構成する負極板は、それぞれ負極集電体として銅箔を有している。銅箔の両面には、負極活物質としてリチウムイオンを可逆に吸蔵、放出可能な黒鉛等の炭素材料の粉末を含む負極合剤が略均等に塗着されている。負極合剤には、負極活物質以外に、PVDF等のバインダが配合されている。銅箔への負極合剤の塗着時には、NMP等の分散溶媒で粘度調整される。すなわち、炭素材料粉末と、NMPにPVDFを溶解させたバインダ液とを均一混練した合剤スラリが調製される。合剤スラリが銅箔に均一厚みとなるように塗布され、乾燥させて負極板が作製される。このとき、塗布量を変えて3種類の負極板が作製される。すなわち、電極群1a用の負極板での塗布量をY1(g/cm)としたときに、電極群1b用の負極板での塗布量Y2(g/cm)および電極群1c用の負極板での塗布量Y3(g/cm)がY1>Y2>Y3の関係を満たすように塗布量が調整され、3種類の負極板が作製される。3種類の負極板では、負極合剤の塗布部分の密度が等しくなるようにプレス整形されている。銅箔の長寸方向一側の側縁には、正極板と同様に、負極合剤の非塗着部(負極無地部)が形成されている。
図3(A)に示すように、電池缶4内では、収容された電極群1a、1b、1cと、電池缶4との間に、2つのスペーサ7が介在している。スペーサ7は、各電極群の捲回軸と交差する断面が、1列に並べられた電極群1a、1b、1cの一側の周面(側面)と、電池缶4の平面部8a、8bの内面とに沿う形状に形成されている。すなわち、図3(B)に示すように、スペーサ7は、電池缶4の平面部8a、8bの内面に沿う平面部7aを有している。また、スペーサ7は、平面部7aの背面側に、電極群1a、1b、1cに沿う断面円弧状の背面部7bを有している。背面部7bでは、中央部に半分の円弧状(半円状)の凹部が形成されており、両端部にそれぞれ四半分の円弧状の凹部が形成されている。各凹部の間には凸部が形成されており、この凸部が隣り合う電極群の間に形成される窪み部分に合うように形成されている。スペーサ7は密閉された中空状に形成されている。スペーサ7には、各電極群を浸潤する電解液で劣化することなく、絶縁性を有する材質が用いられている。スペーサ7は、各電極群の長手方向に沿う両側の側面にそれぞれ配されている。このとき、2つのスペーサ7では、それぞれの背面部7bの凸部先端が接触するように配されている。
電池缶4内には、非水電解液が注液されている。非水電解液には、炭酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル等のカーボネート系有機溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF)等のリチウム塩を1M/L(モル/リットル)程度の濃度で溶解したものが用いられている。作製されたリチウムイオン二次電池10では、初充電により電池機能が付与される。
(作用等)
次に、本実施形態のリチウムイオン二次電池10の作用等について説明する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池10では、円柱状に形成された3つの電極群1a、1b、1cが扁平状の電池缶4に収容されている。円柱状の電極群では、充放電の繰り返しにより正負極板の厚み方向への膨張が生じても、膨張による応力が電極群の外周側全体に略均等に分散される。このため、矩形状の正負極板を交互に積層した積層電極群や長尺状の正負極板を扁平状に捲回した扁平捲回電極群を扁平状の電池缶に収容し同じ体積に構成したリチウムイオン二次電池と比べて、充放電の繰り返しによる電極群自体の膨張が小さく抑制される。これにより、充放電の繰り返しにより正負極板の厚み方向への膨張が生じても電池缶4の変形を微小にととどめる(抑制する)ことができる。
また、3つの電極群1a、1b、1cを電池缶4に収容した構成では、積層電極群や扁平捲回電極群を電池缶に収容した構成と比べると電池缶内に余剰の空間が形成されるため、電池単体で考えると体積エネルギー密度の点では不利となる。しかしながら、リチウムイオン二次電池10では、上述したように、使用中に電池缶4の変形を微小に留めることができる。このため、複数個のリチウムイオン二次電池を配列し枠で固定して組電池を構成する場合などに電池間の空隙をより狭く設計することができ、組電池枠の破損を起こりにくくすることができる。従って、実用上の支障を少なくし利点を多くする構成とすることができる。
更に、本実施形態のリチウムイオン二次電池10では、3つの電極群1a、1b、1cが一列に並置されて電池缶4に収容されており、各電極群を構成する正負極板が異なる厚みに形成されている。つまり、電極群1a、電極群1b、電極群1cをそれぞれ構成する正負極板の厚みがこの順に小さくなるように形成されているため、薄膜塗工された電極群と厚く塗工された電極群とが組み合わされることで、高出力と容量特性とを両立させることができる。また、急速な電力の入出力が必要なときには薄い正負極板を有する電極群1cから充放電が行われるので、リチウムイオン二次電池10では制御用の回路を付与することなく、様々な電力負荷に自動対応することが可能となる。
また更に、リチウムイオン二次電池10では、使用中の電池缶4の変形が最小限に抑えられることから、円柱状の電極群を個別に円筒状の電池缶に収容したリチウムイオン二次電池を並べて並列接続した場合と比べてエネルギー密度の向上を図ることができる。更に、3つの電極群1a、1b、1cに対して電解液が共通のため、各電極群を異なる設計とした場合にも特別な制御回路を付与することなく電池機能を発揮させることができる。
更にまた、本実施形態のリチウムイオン二次電池10では、電池缶4と電極群1a、1b、1cとの間に密閉された中空状のスペーサ7が配されている。スペーサ7は、各電極群の捲回軸と交差する断面が、並置された電極群1a、1b、1cと、電池缶4の平面部8a、8bの内面とに沿う形状に形成されている。このため、スペーサ7の内部に電解液が浸入しないことから、スペーサ7の体積分で電解液の量を減らすことができるので、電池動作に必要最低限の電解液を電池缶4内に存在させる構造とすることができる。これにより、リチウムイオン二次電池10の軽量化を図ることができ、エネルギー密度を向上させることができる。また、スペーサ7は、背面部7bの凸部が隣り合う電極群の間に形成される窪み部分に合うように形成されている。このため、各電極群が電池缶4内でスペーサ7により固定されるので、衝撃や振動に対する耐久性を向上させた電池構造を実現することができる。
なお、本実施形態では、リチウムイオン二次電池10を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態と同様に正負極板が捲回された捲回式の電極群を電池缶に収容した構造を取り得る電池系であれば、いずれの二次電池に対しても適用可能であり、上述した効果の得られることはいうまでもない。また、本実施形態では、電極群1a、1b、1cが捲回軸と交差する方向の断面が円形状に形成された例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。上述したように、断面が楕円状や長円状の扁平捲回電極群では使用中に電極群自体が膨張しやすいため好ましくないが、捲回時のバラツキを考慮すれば、ほぼ円形状であればよい。
また、本実施形態では、電池缶4に3つの電極群1a、1b、1cを収容する例を示したが、本発明は電池缶に収容される電極群の数や、電極群を構成する正負極板等の仕様の違いに制限されるものではない。例えば、電極群の数を2つまたは4つ以上とすることも可能である。また、正負極板の厚さを変えること以外に、正負極の活物質の種類やセパレータの厚みを変えるようにしてもよいことはもちろんである。更に、本実施形態では、各電極群を外径が同じとなるように形成する例を示したが、本発明はこれに制限されるものではなく、外径のバラツキが5%程度までの同等の外径であればよい。
更に、本実施形態では、各電極群の捲回軸と交差する断面が長円状の電池缶4を用いる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。円柱状に形成された複数の電極群を一列に並べて収容できればよく、厚み方向に対向する2面が平行な平面部を有する扁平状であればよい。例えば、捲回軸と交差する断面を角型とした直方体状とすることも可能である。また、本実施形態では、スチール製の電池缶4を例示したが、本発明は電池缶の材質に制限されるものではなく、通常電池容器として用いられる材質としてもよい。
また更に、本実施形態では、電池缶4の左右側面にそれぞれ正極外部端子5、負極外部端子6を設ける例を示したが、本発明は正負極外部端子の位置に制限されるものではない。また、本実施形態では、正極活物質としてリチウム−遷移金属複合酸化物、負極活物質として黒鉛等の炭素材料、電解液としてカーボネート系有機溶媒にリチウム塩を溶解させた非水電解液を例示したが、本発明はこれらの材料に制限されるものではない。通常、リチウムイオン二次電池の材料として用いられるいずれの材料を用いてもよい。
更にまた、本実施形態では、特に言及していないが、電極群1a、1b、1cが捲回中心に、例えば円筒状等の軸芯を有していてもよい。軸芯を用いることで、正負極板、セパレータを捲回しやすくすることができる。軸芯を用いて電極群を形成した後に軸芯を抜き取るようにしてもよいことはもちろんである。
また、本実施形態では、スペーサ7の各電極群の捲回軸と交差する断面形状を説明し、各電極群の捲回軸方向の長さについては特に言及していないが、本発明は捲回軸方向の長さに制限されるものではない。例えば、各電極群の捲回軸方向の長さの全体にわたる長さを有していてもよく、また、捲回軸方向の一部分に対応する長さとすることも可能である。更に、本実施形態では、3つの電極群に沿う背面部7bを有する2個のスペーサ7を配する例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。電池缶4に収容される複数の電極群のうち少なくとも2個の電極群に沿う背面部を有していればよい。このようにすれば、電極群の数を大きくしたときに、2個の電極群に沿う背面部を有する複数のスペーサを並べることで容易に対応することができる。
次に、本実施形態に従い作製したリチウムイオン二次電池10の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例についても併記する。
(実施例1)
実施例1では、次のようにしてリチウムイオン二次電池10を作製した。すなわち、正極板の作製では、正極合剤の塗布量X1、X2、X3がX1=1.25・X2=1.5・X3の関係を満たすように正極合剤をアルミニウム箔にそれぞれ塗布し、3種類の正極板が同一の合剤密度となるようにそれぞれの厚みにプレス成形した。負極板の作製では、負極合剤の塗布量Y1、Y2、Y3がY1=1.25・Y2=1.5・Y3の関係を満たすように負極合剤を銅箔にそれぞれ塗布し、3種類の負極板が同一の合剤密度となるようにそれぞれの厚みにプレス成形した。得られた正極板と負極板とをセパレータを介して円筒形状の軸芯の周りに渦巻状に捲回し、3種類の電極群1a、1b、1cを作製した。このとき、各電極群の外径が同じとなるように正極板、負極板の捲回長を調整した。
(比較例1)
比較例1では、実施例1の電極群1bを構成する正極板および負極板、すなわち、塗布量X2の正極板および塗布量Y2の負極板を用い、電池容量が実施例1のリチウムイオン二次電池10の電池容量と同じになるように扁平状に捲回して扁平捲回電極群を作製した。この扁平捲回電極群を扁平状の電池缶に収容して比較例1のリチウムイオン二次電池を作製した。すなわち、比較例1のリチウムイオン二次電池は、本実施形態のリチウムイオン二次電池10の優位性をわかりやすく説明するために、従来電池として電極設計した電池である。
(評価1)
実施例1および比較例1のリチウムイオン二次電池について、電池容量、体積エネルギー密度および重量エネルギー密度を測定した。この結果、実施例1のリチウムイオン二次電池10では、電池容量が21Ah、体積エネルギー密度が158Wh/L、重量エネルギー密度が90Wh/kgであった。一方、比較例1のリチウムイオン二次電池では、電池容量が設計通り実施例1のリチウムイオン二次電池10と同じ21Ahであったのに対し、体積エネルギー密度が182Wh/L、重量エネルギー密度が98Wh/kgを示した。
実施例1のリチウムイオン二次電池10では、円柱状の電極群1a、1b、1cを1列に並べたことから、各電極群の間にデッドスペースが形成されたため、比較例1のリチウムイオン二次電池よりエネルギー密度では劣る結果となった。しかしながら、リチウムイオン二次電池10では、電池缶4内にスペーサ7を配したため、体積エネルギー密度が比較例1のリチウムイオン二次電池に対して14%減であったのに比べて、重量エネルギー密度では8%減に留まることが判った。
(評価2)
実施例1および比較例1のリチウムイオン二次電池について、充放電サイクル試験を行い、直流内部抵抗および電池缶の最大厚さを計測した。充放電サイクル試験(寿命試験)では、1C(21A)の電流値で4.2V〜3.0Vの間で充放電サイクルを500サイクル繰り返した。このとき、100サイクルごとに各リチウムイオン二次電池の直接内部抵抗および電池缶の最大厚さを測定した。
図4、図5に示すように、実施例1のリチウムイオン二次電池10では、比較例1のリチウムイオン二次電池に比べて、サイクルを繰り返しても直流内部抵抗、電池缶最大厚さともに変化が小さいことが判った。このことは、リチウムイオン二次電池10では、電極群1a、1b、1cをいずれも円柱状としたことから、充放電による活物質の不可逆な膨張が生じてもその応力が外周側に略均等に分散され、各電極群自体の膨張が抑制されたためと考えられる。更には、電極群自体の膨張が抑制されたことで、正負極板内での物質移動距離の増大が抑制され、比較例1のリチウムイオン二次電池に比べてサイクルを繰り返したときの直流内部抵抗の数値の増大速度が小さくなることが判った。これらの結果から、実施例1のリチウムイオン二次電池10では、電池缶の寸法変化が小さく抑制されるため、例えば、組電池としたときの組電池枠の破損が抑制されるなどの実用上有用な効果を期待できることが判明した。
また、充放電サイクル試験の初期において、実施例1のリチウムイオン二次電池10の直流内部抵抗が比較例1のリチウムイオン二次電池より低くなっている。このことは、リチウムイオン二次電池10では、比較例1のリチウムイオン二次電池に比べて薄い正負極板を捲回した電極群1cが電池缶4内に収容されたためと考えられる。従って、複数の電極群を異なる設計とすることにより、負荷に応じた出力を得られやすくなる、という利点もあることが明らかとなった。
本発明は充放電を繰り返しても電池容器の変形を抑制することができる捲回式電池を提供するものであるため、捲回式電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
1a、1b、1c 電極群
4 電池缶(電池容器)
7 スペーサ
10 リチウムイオン二次電池(捲回式電池)

Claims (5)

  1. 活物質がそれぞれ塗工された正負極板がセパレータを介して捲回され捲回軸と交差する方向の断面が円形状の複数個の電極群と、
    前記複数個の電極群を一列に並置し電解液に浸潤させて収容する扁平状の電池容器と、
    を備えたことを特徴とする捲回式電池。
  2. 前記複数個の電極群は、いずれも電気的に並列に外部端子に接続されたことを特徴とする請求項1に記載の捲回式電池。
  3. 前記複数個の電極群は、前記活物質の種類、前記正負極板の厚みおよび前記セパレータの厚みが異なることを特徴とする請求項2に記載の捲回式電池。
  4. 前記複数個の電極群は、いずれも同じかまたは同等の外径を有していることを特徴とする請求項3に記載の捲回式電池。
  5. 前記複数個の電極群と前記電池容器との間に中空状の複数のスペーサが配されており、前記スペーサは、前記電池容器の内面に沿う平面部と、前記複数個の電極群のうち少なくとも2個の電極群に沿う断面円弧状の背面部とを有し、前記背面部が前記平面部の背面側に形成されたことを特徴とする請求項3に記載の捲回式電池。
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