JP2010266305A - 磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010266305A
JP2010266305A JP2009117208A JP2009117208A JP2010266305A JP 2010266305 A JP2010266305 A JP 2010266305A JP 2009117208 A JP2009117208 A JP 2009117208A JP 2009117208 A JP2009117208 A JP 2009117208A JP 2010266305 A JP2010266305 A JP 2010266305A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detector
magnet
position detection
detection device
detectors
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009117208A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5191946B2 (ja
Inventor
Tsutomu Takeya
努 竹谷
Daisuke Tsuchiya
大輔 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2009117208A priority Critical patent/JP5191946B2/ja
Publication of JP2010266305A publication Critical patent/JP2010266305A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5191946B2 publication Critical patent/JP5191946B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

【課題】 磁石と、この磁石に対向して移動する2つの検知器を用いて、磁石と可動部との相対検知を正確にできるようにした位置検知装置を提供する。
【解決手段】 磁石2の円形の表面2aがN極に着磁され、背面2bがS極に着磁されている。可動部10には、第1の検知器11と第2の検知器12がY方向に間隔2・Aを空けて搭載されている。第1の検知器11に2つのGMR素子が搭載されて、tanθ1に対応する出力が得られ、第2の検知器12に2つのGMR素子が搭載されてtanθ2に対応する出力が得られる。検知回路では、tanθ1に対応する出力およびtanθ2に対応する出力と、2つの検知器11,12の距離に関する定数Aとから、可動部10の中心10a移動位置(X,Y)を演算できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁石で発生する磁界の向きを検知できる磁気抵抗効果素子を使用して、平面に沿って移動する可動部の位置を知ることができる位置検知装置に関する。
以下の特許文献1ないし3には、磁石と、この磁石から発せられた磁界を検知する検知器を使用した位置検知装置が開示されている。
これら文献に記載の位置検知装置は、いずれも、検知器にホール素子などの磁界の強度を検知できる素子が設けられており、磁石の表面から発せられる磁界のうちの前記表面に直交する向きの磁界の強度を前記検知器で検知することにより、磁石と検知器との対向位置を知ろうとしている。
しかし、前記文献に記載のものは、検知器が、ホール素子などのように、磁石の表面に垂直な磁界強度のみを検知できるものであるため、検知器で位置を識別できる領域が限定される。例えば、磁石の表面がN極で裏側がS極に着磁され、前記表面に検知器が対向しているものでは、磁石の表面の中心から一方の側へ離れていくときと、前記中心から他方の側へ離れていくときとで、前記表面に垂直な磁界の強度の変化が同じである。そのため、検知器が前記中心を跨いで移動すると、検知器で磁界の強度を検知したとしても、その位置が中心を跨いで一方の領域であるのか他方の領域であるのかを識別できない。
以下の特許文献4には、円形の磁石が移動するときに、この磁石から発せられる磁界を検知する磁気センサが開示されている。この磁気センサには、4個の巨大磁気抵抗効果素子が設けられ、そのうちの2個の巨大磁気抵抗効果素子で、磁石から出る磁束の+X方向の成分と−X方向の成分が個別に検知され、他の2個の巨大磁気抵抗効果素子で、磁石から出る磁束の+Y方向の成分と−Y方向の成分が個別に検知される。そして、磁束のX方向の成分を検知する2個の巨大磁気抵抗効果素子の抵抗値の変化の差を求め、磁束のY方向の成分を検知する2個の巨大抵抗磁気効果素子の抵抗値の変化の差を求めることで、磁石の位置を認識しようとしている。
しかし、個々の巨大磁気抵抗効果素子は、正方向と負方向の互いに逆向きの磁束の識別ができない構造であるため、磁石の移動位置を正確に知るためには、合計4個の巨大磁気抵抗効果素子から得られる検知出力を、複雑に演算することが必要である。
特開2005−331401号公報 特開2005−69744号公報 特開2004−69695号公報 特開2006−276983号公報
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、対を成す検知器を距離を空けて配置して一緒に移動させることで、可動部の移動位置を高精度に検知できる磁気抵抗効果素子を使用した位置検知装置を提供することを目的としている。
また、本発明は、温度などの使用環境が変化したときも、常に正確な位置情報を得ることができる磁気抵抗効果素子を使用した位置検知装置を提供することを目的としている。
本発明は、固定部と、この固定部に対向して移動する可動部とを有し、前記固定部と前記可動部の一方に磁石が他方に検知器が設けられた位置検知装置において、
前記磁石は、互いに直交するX基準線とY基準線との交点である中心から法線方向に向く磁界成分を発生し、
前記検知器はY基準線と平行な方向に間隔を空けて一対設けられ、それぞれの前記検知部は、前記X基準軸または前記Y基準軸に対する前記磁界成分の傾き角度の変化に対応した検知出力を得るものであり、
対を成す前記検知部を結ぶ線が前記Y基準軸と平行状態を保ったまま、前記可動部がX−Y平面内で動くときに、それぞれの前記検知部から得られる検知出力に基づいて前記可動部の移動方向と移動量とを演算する検知回路が設けられていることを特徴とするものである。
本発明の位置検知装置は、対を成す検知器がY基準線と平行な方向に間隔を空けて配置され、それぞれの検知器で検知された磁界成分の角度の情報を下に演算することで、可動部が平面に沿って移動したときに、その移動位置を正確に知ることができる。
本発明は、それぞれの検知器がGMR素子を有しており、対を成す前記検知器のそれぞれに設けられた前記GMR素子は、固定磁性層の磁化の固定方向が前記X基準軸と平行であるものとして構成できる。
または、本発明は、対を成す前記検知器のそれぞれに、固定磁性層の磁化の固定方向が前記X基準軸に向けられたGMR素子と、固定磁性層の磁化の固定方向が前記Y基準軸に向けられたGMR素子の双方が搭載されていることが好ましい。
それぞれの検知器に、磁化の固定方向がX基準軸に向けられたGMR素子と、磁化の固定方向がY基準軸に向けられたGMR素子の双方を搭載することで、温度変化など環境変化による素子の検知感度の変動などの影響を受けずに、磁界成分の角度の情報に基づいて、可動部の移動位置を高精度に知ることが可能である。
本発明は、前記検知回路では、前記X基準軸または前記Y基準軸に対する前記磁界成分の角度と、対を成す前記検知器の距離とで、前記可動部の位置が特定される。
可動部の移動位置を、変数である角度情報と、定数である検知器の距離の情報から演算できるので、検知回路での演算が容易である。
例えば、本発明は、前記磁石は円形またはリング形であり、表裏両面となる一方の表面と他方の表面とで、異なる磁極に着磁されており、対を成す前記検知器が、いずれかの前記表面に対向して、前記表面と平行な前記X−Y平面内を移動するものである。
あるいは、本発明は、前記磁石はリング形であり、外周面と内周面とで異なる磁極に着磁されており、対を成す前記検知器が、前記外周面に対向した状態で、磁石の表面と平行な前記X−Y平面内を移動するものである。
また前記磁石は、長円形又は楕円形であってもよい。
本発明は、磁石と可動部とが移動平面に沿って相対的に動いたときに、対を成す検知器で検知される磁界成分の角度情報と、固定値である対を成す検知器の距離の情報とから、可動部の移動位置を高精度に検知することが可能である。
また、対を成す検知器のそれぞれに、磁化の固定方向がX基準軸に向けられたGMR素子と、磁化の固定方向がY基準軸に向けられたGMR素子の双方を搭載することで、温度変化など環境変化による素子の検知感度の変動などにかかわりなく、可動部の移動位置を高精度に知ることが可能である。
本発明の第1の実施の形態の位置検知装置を示す斜視図、 (A)は磁石と、可動部に設けられた対を成す検知器との位置関係を示す平面図、(B)はその側面図、 第1の実施の形態の位置検知装置に設けられた検知器を示す説明図、 第1の実施の形態の位置検知装置に設けられた検知器の回路構成図、 (A)は磁気抵抗効果素子の構造を示す平面図、(B)は磁気抵抗効果素子の固定磁性層の磁化方向と、バイアス磁界の方向を示す説明図、 磁気抵抗効果素子の素子部の断面図、 本発明の第2の実施の形態の位置検知装置を示すものであり、(A)は磁石と、可動部に設けられた対を成す検知器との位置関係を示す平面図、(B)はその側面図、 第2の実施の形態の位置検知装置に設けられた検知器を示す説明図、 第2の実施の形態の位置検知装置に設けられた検知器の回路構成図、 本発明の第3の実施の形態の位置検知装置を示すものであり、磁石と、可動部に設けられた対を成す検知器との位置関係を示す平面図、 本発明の第4の実施の形態の位置検知装置を示すものであり、(A)は磁石と、可動部に設けられた対を成す検知器との位置関係を示す平面図、(B)はその側面図、
図1と図2に示す位置検知装置1は、磁石2とこの磁石2に対向する可動部10を有している。
磁石2は、表面2aと背面2bが互いに平行となるように均一な厚さ寸法を有している。図1および図2(A)では、任意のX基準軸をX0軸として示し、任意のY基準軸をY0軸で示している。X0軸とY0軸は直交軸であり、X−Y座標の基準である。X0軸とY0軸を含む面と平行な面が移動平面であり、この移動平面は前記表面2aと平行である。磁石2が固定されて、可動部10が前記移動平面内においてX−Y座標内の任意の位置へ移動する。あるいは、可動部10が固定されて、磁石2が前記移動平面内においてX−Y座標内の任意の位置へ移動する。
磁石2の表面2aと背面2bは円形またはリング形であり、図1と図2では、円の中心すなわち磁石2の中心を「O」で示している。中心OはX0軸とY0軸の交点である。図1と図2(B)に示すように、磁石2は表面2aの全域がN極に着磁され、背面2bの全域がS極に着磁されており、磁力線は、表面2aの全域から出て背面2bの全域に向かう。前記可動部10は、前記表面2aから所定の高さ離れた位置で、X0軸とY0軸を含む移動平面内を移動する。ただし、可動部10がS極に着磁された背面2bに対向し、この背面2bから離れた位置で、X0軸とY0軸を含む移動平面内を移動するものであってもよい。
図1には、磁石2のN極の表面2aから出る磁力線のうちのX0軸上とY0軸上から発生する磁力線を破線で示している。X0軸上で発生する磁力線は、X0軸を含み表面2aと垂直な平面内にベクトルが位置しており、磁力線のベクトルは、中心からX0軸の(+)側とX0軸の(−)側に向けられ、且つ外周に向かうにしたがって徐々にX0軸との角度が浅くなる。これは、Y0軸上での磁力線においても同じである。また、中心Oを通過する任意の法線上においても、X0軸上ならびにY0軸上と同様に、磁力線のベクトルは、その法線を含み表面2aと垂直な面内において、外周に向けられている。
すなわち、磁石2の表面2aに対向する部分では、磁力線が、中心Oから放射状に向けられている。磁石2が円形の場合に、表面2aの任意の位置における磁力線のベクトルの向きは、中心Oを通る半径に沿って且つ外周側に向けられている。半径に添って外周側に向けられている磁力線のベクトルの法線と平行な成分が、本発明での磁界成分である。
図1と図2(A)に示すように、可動部10には、第1の検知器11と第2の検知器12が搭載されている。第1の検知器11の中心11aと第2の検知器12の中心12aとを結ぶ連結線Lは、Y基準軸であるY0軸と平行に延びている。前記連結線Lにおいて、第1の検知器11の中心11aと第2の検知器12の中心12aとの中点が、可動部10の中心10aである。第1の検知部11の中心11aと可動部10の中心10aとの距離はAであり、第2の検知部12の中心12aと可動部10の中心10aとの距離はAであり、互いに同一の距離である。ただし、中心11aと中心10aとの距離と、中心12aと中心10aとの距離が相違していてもよい。
磁石2と可動部10とがX−Y平面内において相対的に移動するが、前記連結線LがY0軸と平行な姿勢を保ったまま、連結線LがY0軸に対して傾斜することなく可動部10が移動する。このとき、検知回路13では、可動部10の中心10aの移動方向と移動量が演算される。あるいは、可動部10の中心10aの座標位置が間欠的にあるいは連続的に演算される。
図3に示すように、第1の検知器11には、2つの検知素子20x1と20y1が搭載されている。検知素子20x1と20y1は微小な素子であり、それぞれ第1の検知器11の中心11aに位置している。第2の検知器12には、2つの検知素子20x2と20y2が搭載されている。検知素子20x2と20y2も微小な素子であり、2つの検知素子20x2と20y2は、第2の検知器12の中心12aに位置している。
検知素子20x1と20y1および検知素子20x2と20y2は、その構造が実質的に同じ巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)である。図5および図6は、検知素子20x1と20y1および検知素子20x2と20y2として使用される磁気抵抗効果素子20を示している。
磁気抵抗効果素子20は、複数の素子部21が互いに平行に形成され、個々の素子部21の前後端部が、接続電極28,29によって2つずつ接続され、さらに、図示上下両端部に位置する素子部21に引き出し電極31,32が接続されている。よって、各素子部21は直列に接続され、ミアンダ型パターンが構成されている。
図6の断面図に示すように、個々の素子部21は、基板22の上に、反強磁性層23、固定磁性層24、非磁性導電層25、および自由磁性層26の順に積層されて成膜され、自由磁性層26の表面が保護層27で覆われている。
反強磁性層23は、Ir−Mn合金(イリジウム−マンガン合金)などの反強磁性材料で形成されている。固定磁性層24はCo−Fe合金(コバルト−鉄合金)などの軟磁性材料で形成されている。非磁性導電層25はCu(銅)などである。自由磁性層26は、Ni−Fe合金(ニッケル−鉄合金)などの軟磁性材料で形成されている。保護層27はTa(タンタル)の層である。
素子部21では、反強磁性層23と固定磁性層24との反強磁性結合により、固定磁性層24の磁化の方向が固定されている。図5(B)に示すように、個々の素子部21では、固定磁性層24の磁化の固定方向(P方向)が、素子部21の長手方向と直交している。
図5(A)に示すように、素子部21の右側にマグネット33が左側にマグネット34が設けられて、各素子部21に対し長手方向と平行な向きにバイアス磁界が与えられており、このバイアス磁界により自由磁性層26の磁化がB方向に向けられて短磁区化されている。磁気抵抗効果素子20は、固定磁性層24の磁化の固定方向(P方向)と、自由磁性層26の磁化の方向との関係で電気抵抗が変化する。磁気抵抗効果素子20の素子部21に対して、図5(B)の図示上方(固定方向Pと平行な(+)方向)へ外部磁界が与えられて、自由磁性層26内の磁化が(+)方向に向けて飽和すると、電気抵抗が極小になる。図5(B)の図示下方(固定方向Pと平行な(−)方向)へ外部磁界が与えられて、自由磁性層26内の磁化の向きが(−)方向に向けて飽和すると、電気抵抗が極大になる。また、自由磁性層26において飽和している磁化の向きと、固定磁性層24の磁化の固定方向Pとの角度に応じて、磁気抵抗効果素子20の抵抗値が変化する。
図2(A)と図3に示すように、第1の検知器11に搭載されている検知素子20x1は、固定磁性層24の磁化の固定方向がPx1方向、すなわち(−)X方向であり、第1の検知器11に搭載されている検知素子20y1は、固定磁性層24の磁化の固定方向がPy1方向、すなわち(+)Y方向である。第2の検知器12に搭載されている検知素子20x2は、固定磁性層24の磁化の固定方向がPx2方向、すなわち(−)X方向であり、第2の検知器12に搭載されている検知素子20y2は、固定磁性層24の磁化の固定方向がPy2方向、すなわち(−)Y方向である。
図4(A)に示すように、第1の検知器11に搭載されている一方の検知素子20x1に固定抵抗Rが直列に接続されて、検知素子20x1と固定抵抗Rに電圧Vccが印加されている。検知素子20x1と固定抵抗Rとの中点電圧は、検知素子20x1の抵抗値の変化に応じて変化する。第1の検知器11に搭載されている他方の検知素子20y1に固定抵抗Rが直列に接続されて、検知素子20y1と固定抵抗Rに電圧Vccが印加されている。検知素子20y1と固定抵抗Rとの中点電圧は、検知素子20y1の抵抗値の変化に応じて変化する。
図2(A)では、第1の検知器11が、(+)Yと(−)Xの領域に位置しており、この位置では、検知素子20x1の自由磁性層26と、検知素子20y1の自由磁性層26の磁化は、共に半径r1に沿ってその外周方向に向けられて飽和している。
半径r1方向とX0軸とが成す角度をθ1とすると、図4(A)に示す、検知素子20x1と固定抵抗Rとの中点電位は、a・cosθ1に相当する出力となり、検知素子20y1と固定抵抗Rとの中点電位は、a・sinθ1に相当する出力となる。a・cosθ1ならびにa・sinθ1の極大値と極小値との中間の原点は、Vcc/2である。aは、定数であり、Vcc/2の絶対値である。
図4(B)に示すように、第2の検知器12に搭載されている検知素子20x2と20y2も、それぞれが固定抵抗Rと直列に接続され、且つ電源電圧Vccが印加されている。
図2では、第2の検知器12が、(−)Xと(−)Yの領域に位置しており、この位置では、検知素子20x2と自由磁性層26と、検知素子20y2の自由磁性層26とが、共に半径r2方向に沿ってその外周方向に向けられて飽和している。
半径r2方向とX0軸とが成す角度をθ2とすると、図4(B)に示す、検知素子20x2と固定抵抗Rとの中点電位は、a・cosθ2に相当する出力となり、検知素子20y2と固定抵抗Rとの中点電位は、a・sinθ2に相当する出力となる。
図1に示す検知回路13では、図4(A)において中点電位として得られるa・cosθ1とa・sinθ1との比からtanθ1を求めることができる。第1の検知器11に搭載された同じ構成の検知素子20x1と20y1の出力の比からtanθ1が求められるため、温度変化などの環境変化があったとしても、tanθ1の値はその変化の影響をほとんど受けない。また、電源を投入して検知動作を開始したときに、イニシャライズ動作を行うことなく、その直後に第1の検知器11の位置に応じてtanθ1を求めることができる。同様にして、図4(B)において中点電位として得られるa・cosθ2とa・sinθ2との比からtanθ2を求めることができる。
次に、可動部10の中心10aの移動位置を求める演算を説明する。
図2(A)では、可動部10の中心10aが原点O0から位置(X,Y)へ移動した状態を示している。このとき、第1の検知器11の中心11aは、原点O1から位置(X1,Y1)へ移動し、第2の検知器12の中心12aは、原点O2から位置(X2,Y2)へ移動する。
X1=X2=Xであり、Y1=Y+Aで、Y2=Y−Aである。また、tanθ1=Y1/X1={(Y+A)/X}であるから、X・tanθ1=Y+Aであり、tanθ2=Y2/X2={(Y−A)/X}であるからX・tanθ2=Y−Aである。
以上からX={2A/(tanθ1−tanθ2)}であり、Y=A・{(tanθ1+tanθ2)/(tanθ1−tanθ2)}である。すなわち、可動部10の中心10aの座標(X,Y)が、2つの検知器11,12で検知される角度θ1とθ2、および第1の検知器11と第2の検知器12との距離から得られる定数Aに基づいて算出することができる。
角度θ1とθ2および定数Aとで、磁石2と可動部10の相対位置を演算できるため、演算が容易である。また、図4(A)に示すように、第1の検知器11において、温度変化などによって検知素子20x1,20y1の特性が変化し、中点電圧が変化したとしても、同じ検知素子20x1,20y1から得られる中電電圧の比からtanθ1が求められる。これは第2の検知器12において得られるtanθ2においても同じである。第1の検知器11に設けられた2つの検知素子の出力の比でtanθ1が求められ、第2の検知器12に設けられた2つの検知素子の出力の比でtanθ2が求められるため、可動部10の中心10aを、磁石2の中心Oに一致させて原点検知の修正などを行う必要がない。
また、磁石2の磁界の強度や検知素子20x1,20y1,20x2,20y2の感度などの要素の影響を受けることなく、相対位置の演算が可能である。
可動部10の中心10aの移動範囲は、第1の検知器11に設けられた2つの検知素子と第2の検知器12に設けられた2つの検知素子の自由磁性層26が、磁石2の表面2aにおいて法線方向に向く磁界成分で飽和できる範囲であればどの領域であっても、その位置を検知できる。例えば、図2(A)に示す磁石2の中心Oの周囲の領域2cでは、法線方向の磁界成分が弱いので、第1の検知部11と第2の検知部12がこの領域2cに入らない範囲で、可動部10の移動位置を検知できる。
また、第1の検知器11と第2の検知器12との距離2Aを、前記領域2cの直径よりも大きくしておくことで、第1の検知器11と第2の検知器12が前記領域2cに入り込むことがなく、可動部10の中心10aが、前記領域2cの内部に位置しているときの、その中心10aの座標位置(X,Y)を求めることができる。
図7ないし図9は本発明の第2の実施の形態の位置検知装置101を示している。
図7(A)(B)に示すように、位置検知装置101は、円形またはリング形の磁石2の表面2aに可動部110が対向しており、可動部110に第1の検知器111と第2の検知器112が搭載されている。第1の検知器111と第2の検知器112は、Y0軸と平行な方向に間隔を空けて配置されており、その距離は第1の実施の形態と同様に2・Aである。
図8に示すように、第1の検知器111には、1つの検知素子20xaが搭載されている。検知素子20xaは巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)であり、固定磁性層24の磁化の固定方向Pxaは、X0軸と平行な向きである。第2の検知器112には、1つの検知素子20xbが搭載されている。検知素子20xbは巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)であり、固定磁性層24の磁化の固定方向Pxaは、X0軸と平行な向きである。
この位置検知装置101は、図9に示すように、検知素子20xaと固定抵抗Rが直列に接続されてその中点電位が検出されて、a・cosθ1に対応する出力が得られ、検知素子20xbと固定抵抗Rが直列に接続されてその中点電位が検出されて、a・cosθ2に対応する出力が得られる。
a・cosθ1とa・cosθ2と、定数2・Aとから、可動部110の中心110aの移動位置を検知できる。例えば、{√(1−a・cos2θ)/a・cosθ}からtanθを求めることで、第1の実施の形態と同じ演算で、前記中心110aの座標位置(X,Y)を求めることができる。
ただし、温度変化など基く検知素子20xa,20xbの特性の変化によって、a・cosθ1とa・cosθ2の値が変動することがあるため、例えば、可動部110の中心110aを磁石2の中心Oに一致させたときに、θ1とθ2がゼロであるように回路上で調整してから移動位置の検知を行うことが好ましい。
図10は本発明の第3の実施の形態を示す位置検知装置201の平面図である。
この位置検知装置201に使用されている磁石102は、X0軸に短半径が向けられ、Y0軸に長半径が向けられた長円形または楕円形である。可動部10は、図2に示した第1の実施の形態と同じであり、第1の検知器11と第2の検知器12を有している。または、図7に示した第2の実施の形態と同じであり、第1の検知器111と第2の検知器112を有している。
この位置検知装置201は、磁石102と可動部10の相対位置がY0軸方向に長い操作装置などに適している。
図11(A)は本発明の第4の実施の形態を示す位置検知装置301の平面図であり、図11(B)はその側面図である。
この位置検知装置301に使用されている磁石302はリング形状であり、X0軸を挟んで(+)Y側で、外周側がS極で内周側がN極に着磁され、(−)Y側では、外周側がN極で内周側がS極に着磁されている。
可動部10は、図2に示した第1の実施の形態と同じであり、第1の検知器11と第2の検知器12を有している。または、図7に示した第2の実施の形態と同じであり、第1の検知器111と第2の検知器112を有している。
図11(B)に示すように、この位置検知装置301では、第1の検知器11と第2の検知器12が、磁石302の外周面の外側で移動する。磁石302の外周面の外側では、磁石302の法線方向に向く磁界成分を有しているため、第1の実施の形態などと同様にして可動部10の移動位置を検知できる。ただし、X0軸を挟んで(+)Y側と(−)Y側とで法線方向に沿う磁界の向きが逆であるため、第1の検知器11が(+)Y側で動き、第2の検知器12が(−)Y側で動く範囲で移動位置が検知されることが好ましい。
1,101,201,301 位置検知装置
2,102,202,302 磁石
10,110 可動部
11,111 第1の検知器
12,112 第2の検知器
13 検知回路
20 磁気抵抗効果素子
20x1,20x2,20y1,20y2,20xa,20xb 検知素子

Claims (7)

  1. 固定部と、この固定部に対向して移動する可動部とを有し、前記固定部と前記可動部の一方に磁石が他方に検知器が設けられた位置検知装置において、
    前記磁石は、互いに直交するX基準線とY基準線との交点である中心から法線方向に向く磁界成分を発生し、
    前記検知器はY基準線と平行な方向に間隔を空けて一対設けられ、それぞれの前記検知部は、前記X基準軸または前記Y基準軸に対する前記磁界成分の傾き角度の変化に対応した検知出力を得るものであり、
    対を成す前記検知部を結ぶ線が前記Y基準軸と平行状態を保ったまま、前記可動部がX−Y平面内で動くときに、それぞれの前記検知部から得られる検知出力に基づいて前記可動部の移動方向と移動量とを演算する検知回路が設けられていることを特徴とする位置検知装置。
  2. それぞれの検知器がGMR素子を有しており、対を成す前記検知器のそれぞれに設けられた前記GMR素子は、固定磁性層の磁化の固定方向が前記X基準軸と平行である請求項1記載の位置検知装置。
  3. 対を成す前記検知器のそれぞれには、固定磁性層の磁化の固定方向が前記X基準軸に向けられたGMR素子と、固定磁性層の磁化の固定方向が前記Y基準軸に向けられたGMR素子の双方が搭載されている請求項1記載の位置検知装置。
  4. 前記検知回路では、前記X基準軸または前記Y基準軸に対する前記磁界成分の角度と、対を成す前記検知器の距離とで、前記可動部の位置が特定される請求項1ないし3のいずれかに記載の位置検知装置。
  5. 前記磁石は円形またはリング形であり、表裏両面となる一方の表面と他方の表面とで、異なる磁極に着磁されており、対を成す前記検知器が、いずれかの前記表面に対向して、前記表面と平行な前記X−Y平面内を移動する請求項1ないし4のいずれかに記載の位置検知装置。
  6. 前記磁石はリング形であり、外周面と内周面とで異なる磁極に着磁されており、対を成す前記検知器が、前記外周面に対向した状態で、磁石の表面と平行な前記X−Y平面内を移動する請求項1ないし4のいずれかに記載の位置検知装置。
  7. 前記磁石は長円形又は楕円形である請求項1ないし6のいずれかに記載の位置検知装置。
JP2009117208A 2009-05-14 2009-05-14 磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置 Active JP5191946B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009117208A JP5191946B2 (ja) 2009-05-14 2009-05-14 磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009117208A JP5191946B2 (ja) 2009-05-14 2009-05-14 磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010266305A true JP2010266305A (ja) 2010-11-25
JP5191946B2 JP5191946B2 (ja) 2013-05-08

Family

ID=43363410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009117208A Active JP5191946B2 (ja) 2009-05-14 2009-05-14 磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5191946B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005331401A (ja) * 2004-05-20 2005-12-02 Konica Minolta Photo Imaging Inc 位置検出装置、手振れ補正機構及び撮像装置
JP2006276983A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Yamaha Corp ポインティングデバイス用の磁気センサ
JP2008170273A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Alps Electric Co Ltd 磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置
WO2008114615A1 (ja) * 2007-03-20 2008-09-25 Alps Electric Co., Ltd. 磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置
JP2008286588A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Alps Electric Co Ltd 位置検知装置
JP2009014454A (ja) * 2007-07-03 2009-01-22 Tokai Rika Co Ltd 位置検出装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005331401A (ja) * 2004-05-20 2005-12-02 Konica Minolta Photo Imaging Inc 位置検出装置、手振れ補正機構及び撮像装置
JP2006276983A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Yamaha Corp ポインティングデバイス用の磁気センサ
JP2008170273A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Alps Electric Co Ltd 磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置
WO2008114615A1 (ja) * 2007-03-20 2008-09-25 Alps Electric Co., Ltd. 磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置
JP2008286588A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Alps Electric Co Ltd 位置検知装置
JP2009014454A (ja) * 2007-07-03 2009-01-22 Tokai Rika Co Ltd 位置検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5191946B2 (ja) 2013-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10989769B2 (en) Magneto-resistive structured device having spontaneously generated in-plane closed flux magnetization pattern
JP4768066B2 (ja) 磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置
JP2016170167A (ja) 磁気センサ
JP5976797B2 (ja) シフト位置検知装置
JP2016017830A (ja) 磁気センサ
JP4832358B2 (ja) 位置検知装置
US10883857B2 (en) Integrated magnetic structure
US20230358828A1 (en) Magnetic sensor and magnetic sensor system
JP2014126476A (ja) 位置検知装置
US20200057121A1 (en) Magnetic field sensing device
JP2018013391A (ja) 変位検出装置
JP5191946B2 (ja) 磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置
WO2018198901A1 (ja) 磁気センサー
WO2018199068A1 (ja) 磁気センサー
JP5497621B2 (ja) 回転角度検出装置
JP2008170273A (ja) 磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置
JP2020094883A (ja) 磁気センサ装置
JPWO2008139930A1 (ja) 磁気抵抗効果素子を用いた位置検知装置
JP2019052891A (ja) 磁気センサ
JP6954327B2 (ja) 位置検出装置
JP4992641B2 (ja) 回転角検出装置および回転角検出方法
JP5012423B2 (ja) 回転角検出装置および回転角検出方法
JP2022061879A (ja) 磁気センサ及び磁気センサ装置
JP2010002293A (ja) ポテンションメータ
JP2017194457A (ja) 周期磁界検出するセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120911

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5191946

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160208

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350