JP2010265766A - 排気浄化制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化触媒の最高温度が所定温度を超えると推定される場合に最高温度を所定温度に制御する排気浄化制御装置を提供する。
【解決手段】排気浄化制御装置は、燃料添加を実行可能な場合(S400:Yes)、エアフロメータの出力信号から排気流量、ならびに排気温センサ62から酸化触媒40の上流側の排気温度を取得し(S402)、定常運転時に適用される算出式に基づいて、燃料添加弁から排気管に添加され酸化触媒に供給される基本添加燃料量を算出する(S404)。排気浄化制御装置は、基本添加燃料量を添加したときの酸化触媒の排気流れ方向の温度分布を推定し(S406)、温度分布の最高温度が所定温度を超える場合(S408:Yes)、最高温度が所定温度になるように基本添加燃料量を補正して添加燃料量とし(S410)、補正後の添加燃料量で燃料添加弁から燃料を添加する。
【選択図】図7
【解決手段】排気浄化制御装置は、燃料添加を実行可能な場合(S400:Yes)、エアフロメータの出力信号から排気流量、ならびに排気温センサ62から酸化触媒40の上流側の排気温度を取得し(S402)、定常運転時に適用される算出式に基づいて、燃料添加弁から排気管に添加され酸化触媒に供給される基本添加燃料量を算出する(S404)。排気浄化制御装置は、基本添加燃料量を添加したときの酸化触媒の排気流れ方向の温度分布を推定し(S406)、温度分布の最高温度が所定温度を超える場合(S408:Yes)、最高温度が所定温度になるように基本添加燃料量を補正して添加燃料量とし(S410)、補正後の添加燃料量で燃料添加弁から燃料を添加する。
【選択図】図7
Description
本発明は、排気管に酸化触媒と排気浄化装置とが排気上流側からこの順に設置されており、燃料添加手段から排気管内に添加される燃料を酸化触媒により酸化反応させて排気温度を上昇させる排気浄化システムに用いられる排気浄化制御装置に関する。
従来、内燃機関から排気ガスが排出される排気管に設置された排気浄化装置により、排気ガスを浄化する排気浄化システムが知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
このような排気浄化システムにおいては、排気浄化装置として、例えば排気ガス中からNOxを除去する吸蔵還元型のNOx触媒を硫黄被毒から回復させるため、あるいはDPF(Diesel Particulate Filter)が捕集したパティキュレートを燃焼してDPFを再生するために、排気管内に燃料を添加して燃料中のHC等の未燃成分を酸化反応させ、排気温度を上昇させることが知られている。
このような排気浄化システムにおいては、排気浄化装置として、例えば排気ガス中からNOxを除去する吸蔵還元型のNOx触媒を硫黄被毒から回復させるため、あるいはDPF(Diesel Particulate Filter)が捕集したパティキュレートを燃焼してDPFを再生するために、排気管内に燃料を添加して燃料中のHC等の未燃成分を酸化反応させ、排気温度を上昇させることが知られている。
例えば特許文献1では、DPFの上流側に酸化触媒を設置し、排気管内に添加された燃料の未燃成分を酸化触媒で酸化反応させることにより、DPFに流入する排気ガスの温度を上昇させている。これにより、DPFに捕集されたパティキュレートが燃焼し、DPFが再生される。
この場合、DPFが捕集しているパティキュレートの量等に基づいて、DPFが捕集しているパティキュレートを燃焼させるために必要な排気温度、つまり酸化触媒の排気流れ下流側における排気温度の目標温度が設定される。
そして、排気温センサ等により検出される酸化触媒の排気流れ上流側の排気温度と下流側の目標温度との差に基づいて、酸化触媒の下流側の排気温度を目標温度にするために必要な添加燃料量が算出される。また、酸化触媒の排気流れ上流側の排気温度と排気流量とが一定な定常運転時においては、酸化触媒の排気流れ上流側の排気温度と下流側の目標温度との差が同じ場合、排気流量が増加すると添加燃料量を増加することが知られている。
ここで、定常運転時の低負荷の場合、排気流量および添加燃料量が少ないので、添加燃料は排気流れに対して酸化触媒の前端側(上流側)で主に酸化反応する。そして、酸化触媒の前端側で酸化反応した燃料の反応熱が酸化触媒の前端側から後端側(下流側)に伝導するとともに、反応熱により温度が上昇した排気ガスが後端側に流れる。
定常運転時の低負荷においては、排気流量および添加燃料量は一定であるから、添加燃料が主に酸化反応する位置から後端側の排気温度はほぼ均一になり、目標温度と等しくなる。これにより、目標温度の排気ガスが酸化触媒の下流側に設置された排気浄化装置としてのDPFに流入する。
一方、定常運転時の高負荷の場合、排気流量および添加燃料量が増加するために、添加燃料が主に酸化反応する位置は、酸化触媒の前端側から後端側に移動する。そして、添加燃料が主に酸化反応する位置から後端側の酸化触媒に反応熱が伝導するとともに、反応熱により温度が上昇した排気ガスが後端側に流れる。
定常運転時の高負荷においても、排気流量および添加燃料量は一定であるから、添加燃料が主に酸化反応する位置よりも後端側の排気温度は均一であり、目標温度に等しくなる。その結果、目標温度の排気ガスが酸化触媒の下流側に設置された排気浄化装置としてのDPFに流入する。添加燃料が主に酸化反応する位置よりも前端側の酸化触媒では、反応熱を受けないので、後端側よりも排気温度は低くなる。
いずれにしても、内燃機関の負荷の高低に関わらず、定常運転時においては、酸化触媒から流出する排気ガスの温度は、添加燃料の酸化反応のばらつきにより多少の変動はあるものの、目標温度に等しくなる。
これに対し、例えば、アクセルが急激に踏み込まれ、内燃機関の負荷が低負荷から高負荷に急変する過渡運転時においては、定常運転時に比べ、排気流量および添加燃料量が増加するので、排気温度が目標温度に対して一時的に過度に上昇することがある。そして、排気温度とともに酸化触媒の温度も過度に上昇することがある。酸化触媒の温度および酸化触媒から流出する排気ガスの温度が目標温度に対して過度に上昇すると、酸化触媒、または酸化触媒の排気下流側の排気浄化装置が損傷することがある。
このような酸化触媒および排気温度の過度な上昇に対し、特許文献3では、酸化触媒ではないものの、DPFの排気流れ方向の温度分布からDPFの最高温度を推定し、最高温度が再生目標温度になるようにDPFの昇温量を制御しようとしている。そして、特許文献3においては、DPFの温度分布から推定した最高温度として、例えばDPFの後部の最高温度と、DPFを再生するときのベース再生目標温度との偏差が所定値を上回る場合は、再生目標温度をベース再生目標温度よりも低く設定することにより、DPFの最高温度が所定の温度を超えないようにする技術が開示されている。
そして、排気浄化装置であるDPFだけでなく、DPFの上流側に設置される酸化触媒についても、排気流れ方向の温度分布から酸化触媒の最高温度を推定し、推定された最高温度がベース目標温度を超える場合に酸化触媒の目標温度を低くすることにより、最高温度が所定の温度を超えないようにすることができると考えられる。
しかしながら、排気管に燃料を添加し、酸化触媒において燃料の未燃成分が酸化反応することにより酸化触媒から流出する排気ガスの温度を目標温度に上昇させる排気浄化システムにおいては、酸化触媒の目標温度を低くし、結果として酸化触媒の最高温度が所定の温度を超えないようにすると、例えば酸化触媒における添加燃料の酸化反応状態によっては、酸化触媒における実際の温度が本来の目標温度よりも低下することがある。
その結果、酸化触媒の損傷は防止できるものの、酸化触媒から流出し排気浄化装置に流入する排気温度が目標温度よりも低下し、排気浄化装置における排気ガスの浄化作用が不十分になる恐れがある、
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、酸化触媒の最高温度が所定温度を超えると推定される場合に最高温度を所定温度に制御する排気浄化制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、酸化触媒の最高温度が所定温度を超えると推定される場合に最高温度を所定温度に制御する排気浄化制御装置を提供することを目的とする。
請求項1から6に記載の発明によると、燃料添加手段から所定の燃料量を添加するときの酸化触媒の排気流れ方向の温度分布を温度分布推定手段が推定し、温度分布推定手段が推定する温度分布における最高温度が所定温度を超える場合、補正手段は、最高温度となる最高温度位置の酸化触媒の温度が所定温度になるように燃料添加手段から添加される添加燃料量を補正する。
これにより、酸化触媒の最高温度が所定温度を超えると推定される場合に、補正された添加燃料量に基づいて酸化触媒の温度を所定温度に制御できる。その結果、酸化触媒の温度が所定温度を超えることを防止し、酸化触媒が損傷することを防止できる。特に、内燃機関の負荷が低負荷から高負荷に急変する過渡運転時においては、酸化触媒の温度が一時的に過度に上昇しやすいので、酸化触媒の温度が所定温度になるように燃料添加手段から添加される添加燃料量を補正することにより、酸化触媒の損傷を防止できる。
また、酸化触媒の排気流れ方向において推定された温度分布の最高温度が所定温度を超える場合、添加燃料量を補正することにより最高温度位置の酸化触媒の温度が所定温度になるので、酸化触媒から流出する排気ガスの温度が所定温度よりも低下することを防止する。これにより、酸化触媒の下流側に設置された排気浄化装置による排気浄化作用の低下を防止できる。
請求項2に記載の発明によると、補正手段は、温度分布推定手段が推定する温度分布における最高温度が所定温度以下の場合、所定の燃料量を、燃料添加手段から添加される添加燃料量とする。
これにより、所定の燃料量が補正されずに排気管に添加されるので、酸化触媒から所定の燃料量に対応する所望温度の排気ガスが流出する。
ところで、酸化触媒の排気流れ上流側の排気温度と排気流量とが一定な定常運転時においては、酸化触媒の下流側の排気温度は、酸化触媒の上流側の排気温度と、内燃機関の吸気流量から算出される排気流量と、酸化触媒に供給される添加燃料量とに基づいて決定される。言い換えれば、酸化触媒の下流側の排気温度を目標値にするためには、酸化触媒の上流側の排気温度と、酸化触媒の下流側の排気温度の目標値と、内燃機関の吸気流量とに基づいて算出される添加燃料量を排気管に添加すればよい。
ところで、酸化触媒の排気流れ上流側の排気温度と排気流量とが一定な定常運転時においては、酸化触媒の下流側の排気温度は、酸化触媒の上流側の排気温度と、内燃機関の吸気流量から算出される排気流量と、酸化触媒に供給される添加燃料量とに基づいて決定される。言い換えれば、酸化触媒の下流側の排気温度を目標値にするためには、酸化触媒の上流側の排気温度と、酸化触媒の下流側の排気温度の目標値と、内燃機関の吸気流量とに基づいて算出される添加燃料量を排気管に添加すればよい。
そこで、請求項3に記載の発明によると、エアフロメータにより検出される内燃機関の吸気流量と、酸化触媒の上流側に設置された排気温センサにより検出される排気温度と、酸化触媒の下流側の排気温度の目標値とに基づいて、燃料添加手段から添加される燃料の所定量が算出される。
これにより、内燃機関の定常運転時において、酸化触媒の下流側の排気温度を目標値にすることができる。
ところで、酸化触媒の排気流れ方向の各位置における昇温温度は、排気流れ方向の温度分布において最高温度となる最高温度位置に限らず、該当位置において酸化反応する燃料により発生する発熱量により決定される。発熱量は酸化反応する燃料量により決定される。したがって、該当位置に流入する燃料量と、該当位置に流入する燃料量のうち該当位置で酸化反応する燃料量の酸化反応割合とに基づいて、該当位置における昇温温度が分かる。
ところで、酸化触媒の排気流れ方向の各位置における昇温温度は、排気流れ方向の温度分布において最高温度となる最高温度位置に限らず、該当位置において酸化反応する燃料により発生する発熱量により決定される。発熱量は酸化反応する燃料量により決定される。したがって、該当位置に流入する燃料量と、該当位置に流入する燃料量のうち該当位置で酸化反応する燃料量の酸化反応割合とに基づいて、該当位置における昇温温度が分かる。
そして、該当位置から排気上流側である酸化触媒の前端に向けて酸化反応する燃料量を酸化反応割合に基づいて順次辿っていけば、燃料添加手段から酸化触媒に供給される添加燃料量に基づいて、該当位置での昇温温度を算出できる。言い換えれば、該当位置における昇温温度に基づいて、燃料添加手段から添加される添加燃料量を算出できる。
そこで、請求項4に記載の発明によると、補正手段は、温度分布において最高温度になると推定された酸化触媒の最高温度位置の温度を所定温度にするために必要な最高温度位置における燃料の発熱量と、最高温度位置および最高温度位置の上流側での燃料の酸化反応割合とに基づいて酸化触媒に添加される燃料量を補正する。
これにより、酸化触媒の最高温度が所定温度を超えると推定される場合に、最高温度位置における酸化触媒の温度を所定温度にするために必要な添加燃料量を高精度に補正できる。
請求項5に記載の発明によると、燃料添加弁から排気管内に燃料を添加する。このように、酸化触媒専用の燃料添加弁から燃料を添加するので、所望量の燃料を高精度に添加できる。
ところで、燃料添加弁から排気管に燃料を添加する場合、添加燃料が排気管の内壁に付着するために、燃料添加弁から添加される添加燃料量よりも、酸化触媒に実施に供給される燃料量が減少することがある。また、排気管の内壁に付着した燃料の一部は蒸発する。
そこで、請求項6に記載の発明によると、補正手段は、燃料添加弁から添加される燃料が排気管の内壁に付着する付着量と、排気管に付着した燃料の蒸発量とに基づいて、燃料添加弁から添加される添加燃料量を補正する。
これにより、酸化触媒の最高温度が所定温度を超えると推定される場合に、燃料添加弁から添加される燃料のうち排気管に付着する燃料量と、付着した燃料の蒸発量と基づいて、最高温度位置における酸化触媒の温度を所定温度にするために、燃料添加弁から添加される添加燃料量を高精度に補正できる。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、またはそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
本発明の一実施形態による排気浄化システムを図1に示す。
(排気浄化システム10)
本実施形態の排気浄化システム10は、例えばコモンレール式の4気筒のディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」ともいう。)2から排気管110に排出される排気ガスを浄化するシステムである。
本発明の一実施形態による排気浄化システムを図1に示す。
(排気浄化システム10)
本実施形態の排気浄化システム10は、例えばコモンレール式の4気筒のディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」ともいう。)2から排気管110に排出される排気ガスを浄化するシステムである。
過給機20は、排気エネルギーにより回転駆動されるタービン22とともにコンプレッサ24が回転することにより、エンジン2に吸気を導入する吸気管100に圧縮された空気を供給する。圧縮空気はインタークーラ30で冷却される。吸気管100には、スロットル弁32およびエアフロメータ34が設置されている。
スロットル弁32は通常全開状態である。スロットル弁32の開度は、例えばEGR(Exhaust Gas Recirculation)ガス量を調整する場合などに制御される。スロットル開度が小さくなり吸気通路が絞られるとスロットル弁32の下流側に負圧が発生するので、EGR管102から吸気管100内に導入されるEGRガス量が増加する。
エアフロメータ34は、エンジン2に吸入される吸気流量を検出する。そして、エアフロメータ34が検出する吸気流量に基づいて、排気管110を流れる排気流量が算出される。
燃料噴射弁36には、図示しないコモンレールから高圧燃料が供給される。燃料噴射弁36は、コモンレールから供給される燃料をエンジン2に噴射する。燃料噴射弁36の噴射量および噴射時期はECU(Electronic Control Unit)70により制御される。
排気管110とエアフロメータ34の下流側の吸気管100とは、EGR管102で接続されている。そして、図示しないEGR弁が開弁することにより、EGR管102に設置されたEGRクーラ38とEGR弁とを通って、排気ガスの一部が排気管110から吸気管100に環流する。
過給機20のタービン22よりも排気流れ下流側に、酸化触媒40とDPF50とがこの順で排気管110に設置されている。
酸化触媒40は、多孔質のセラミックにより形成されたハニカム構造体で形成されており、排気流れ方向に排気通路が形成されている。酸化触媒40は、後述する燃料添加弁60から排気管110に添加された燃料を酸化反応させる。
酸化触媒40は、多孔質のセラミックにより形成されたハニカム構造体で形成されており、排気流れ方向に排気通路が形成されている。酸化触媒40は、後述する燃料添加弁60から排気管110に添加された燃料を酸化反応させる。
DPF50は、多孔質のセラミックにより形成されたハニカム構造体で形成されている。DPF50のハニカム構造体の排気流れ方向に形成された排気通路の入口側および出口側は、互い違いに封止されている。排気ガス中のパティキュレートは、入口側が封止されておらず出口側が封止されている排気通路から流入し、排気通路を形成するハニカム構造体の隔壁を通過する際に隔壁の細孔に捕集される。排気ガスは、入口側が封止されており出口側が封止されていない排気通路から流出する。
過給機20のタービン22と酸化触媒40との間の排気管110に、燃料添加弁60と排気温センサ62とが設置されている。
燃料添加弁60は、排気管110内に燃料を添加し酸化触媒40に燃料を供給する専用の電磁弁であり、ECU70により燃料添加弁60からの添加燃料量が制御される。酸化触媒40に燃料を供給する燃料添加弁60を専用に設置することにより、所望量の燃料を高精度に酸化触媒40に供給できる。
燃料添加弁60は、排気管110内に燃料を添加し酸化触媒40に燃料を供給する専用の電磁弁であり、ECU70により燃料添加弁60からの添加燃料量が制御される。酸化触媒40に燃料を供給する燃料添加弁60を専用に設置することにより、所望量の燃料を高精度に酸化触媒40に供給できる。
燃料添加弁60には、例えば、コモンレールに燃料を供給する図示しない燃料供給ポンプのフィードポンプから燃料が供給される。燃料添加弁60は、フィードポンプから供給される燃料を酸化触媒40の上流側の排気管110内に噴射し、酸化触媒40に燃料を供給する。燃料添加弁60が添加した燃料が酸化触媒40で酸化反応することにより酸化反応熱が発生し、この酸化反応熱により排気温度が上昇する。
燃料添加弁60には、燃料噴射弁36と共通のフィードポンプではなく、例えばエンジン駆動ではない専用の電動ポンプから燃料が供給される構成としてもよい。
排気温センサ62は、酸化触媒40に流入する排気温度に応じた信号を出力する温度センサである。
排気温センサ62は、酸化触媒40に流入する排気温度に応じた信号を出力する温度センサである。
ECU70は、図示しないCPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等から構成されている。ECU70は、各種センサの出力信号に基づいてエンジン運転状態を判定し、エンジン運転状態に基づいてEGR弁、燃料噴射弁36、燃料添加弁60等のアクチュエータの作動を制御する。
例えばECU70は、エンジン運転状態に基づいて、燃料噴射弁36の噴射時期、噴射量および多段噴射の噴射パターンを制御する。また、ECU70は、燃料添加弁60を駆動して燃料添加弁60から排気管110内に添加する添加燃料量を制御する。
(添加燃料制御)
ECU70は、ROMまたはフラッシュメモリ等の記憶装置に格納された制御プログラムを実行することにより、以下に説明する各手段として機能し、燃料添加弁60から添加する添加燃料量を制御する。
ECU70は、ROMまたはフラッシュメモリ等の記憶装置に格納された制御プログラムを実行することにより、以下に説明する各手段として機能し、燃料添加弁60から添加する添加燃料量を制御する。
(添加燃料量算出手段)
ECU70は、酸化触媒の排気流れ上流側の排気温度と排気流量とが一定な定常運転時において、燃料添加弁60から排気管110に添加される添加燃料量を次式(1)に基づいて算出する。
ECU70は、酸化触媒の排気流れ上流側の排気温度と排気流量とが一定な定常運転時において、燃料添加弁60から排気管110に添加される添加燃料量を次式(1)に基づいて算出する。
k・Q=c・Ga・ΔT ・・・(1)
式(1)において、k:比例定数、Q:添加燃料量、c:排気ガス比熱、Ga:排気流量、ΔT:酸化触媒40の排気流れ方向前後の温度差、である。
式(1)において、k:比例定数、Q:添加燃料量、c:排気ガス比熱、Ga:排気流量、ΔT:酸化触媒40の排気流れ方向前後の温度差、である。
ΔTは、排気温センサ62の出力信号から検出される酸化触媒40の上流側の排気温度と、DPF50を再生するために必要なDPF50に流入する排気ガスの目標温度、つまり酸化触媒40の下流側における排気ガスの目標温度との差を示している。
式(1)から算出した添加燃料量を燃料添加弁60から排気管110に添加し酸化触媒40に供給することにより、定常運転時において、酸化触媒40の下流側の排気温度を式(1)で設定した目標温度にすることができる。
(温度分布推定手段)
図2において、エンジン2に加わる負荷が低負荷であるt=t0までにおいては、高負荷時に比べ排気流量は少ない。したがって、式(1)においてΔTが同じであれば、式(1)から算出される添加燃料量も、高負荷時に比べ低負荷時の方が少ない。逆に、エンジン負荷が上昇し排気流量が増加すると、添加燃料量は増加する。
図2において、エンジン2に加わる負荷が低負荷であるt=t0までにおいては、高負荷時に比べ排気流量は少ない。したがって、式(1)においてΔTが同じであれば、式(1)から算出される添加燃料量も、高負荷時に比べ低負荷時の方が少ない。逆に、エンジン負荷が上昇し排気流量が増加すると、添加燃料量は増加する。
低負荷時の場合、排気流量および添加燃料量が少ないので、添加燃料は酸化触媒40の排気流れ方向において前端側で主に酸化反応して発熱する。そして、酸化触媒40の前端側で発生した反応熱は後端側に伝導する。これにより、定常運転の低負荷時の場合、図3のt=t0の特性に示すように、酸化触媒40の排気流れ方向の温度分布において、酸化触媒40の温度は前端側を除いてほぼ一定の目標温度になる。
次に、アクセルを急激に踏み込み、エンジン2に加わる負荷が低負荷から高負荷に急激に上昇する過渡運転が実行されると、図2に示すように排気流量が急激に上昇する。そして、定常運転時に適用される式(1)に基づいて添加燃料量が算出されると、添加燃料量も急激に上昇する。すると、添加燃料の多くが酸化触媒40の前端側で反応しきれず、過渡運転実行前の低負荷時に酸化触媒40の前端側で主に酸化反応していた添加燃料の主反応位置が後端側に移動する。
その結果、過渡運転中のt=t1、ならびに過渡運転終了後のt=t2、t=t3において、後端側に移動した主反応位置において添加燃料の酸化反応により発生する発生熱と、低負荷時に前端側で発生して後端側に伝導してきた伝導熱とが加算される。すると、図3のt=t1、t=t2、t=t3の特性に示すように、酸化触媒40の温度分布において最高温度が目標温度から過度に上昇する。
温度分布において最高温度となる最高温度位置は、過渡運転が開始されると、時間経過とともに酸化触媒40の前端側から後端側に移動する。
エンジン負荷が高負荷になり一定になると、t=t4以降においては、低負荷時において前端側で発生した反応熱が後端側に伝導し終わり、前端側から反応熱が伝導してこないので、後端側における温度分布の最高温度は式(1)で設定された目標温度と等しくなる。そして、エンジン負荷が高負荷のまま一定であれば、t=t4以降の温度分布特性はt=t4の特性とほぼ同じになる。
エンジン負荷が高負荷になり一定になると、t=t4以降においては、低負荷時において前端側で発生した反応熱が後端側に伝導し終わり、前端側から反応熱が伝導してこないので、後端側における温度分布の最高温度は式(1)で設定された目標温度と等しくなる。そして、エンジン負荷が高負荷のまま一定であれば、t=t4以降の温度分布特性はt=t4の特性とほぼ同じになる。
このように、エンジン負荷が低負荷から高負荷に急激に上昇する過渡運転が開始されたときに、定常運転時に適用される式(1)に基づいて算出された添加燃料量を燃料添加弁60から排気管110内に添加すると、酸化触媒40の最高温度が目標温度を過度に超え、酸化触媒40が高温のために損傷する恐れがある。
そこで、本実施形態では、式(1)から算出した添加燃料量(以下、基本添加燃料量とも言う。)を添加した場合の酸化触媒40の温度分布を推定し、温度分布から求めた酸化触媒40の最高温度が所定温度を超える場合には、酸化触媒40の最高温度が所定温度になるように式(1)から算出した基本添加燃料量を補正する。
尚、最高温度と比較される所定温度は、DPF50を再生するために必要であると算出される排気ガスの目標温度に誤差を考慮して所定値を加算した値でもよいし、酸化触媒40が高温のために損傷することを防止する温度範囲の上限値から損傷を確実に防止するために所定値を減算した値でもよい。いずれにしても、所定温度は、酸化触媒40の最高温度が所定温度になっても酸化触媒40が熱により損傷しない温度である。
酸化触媒40には、排気流れ方向の温度分布を推定する位置を示す温度推定点300(図4参照)が複数設定されている。これら複数の温度推定点300のうち最高温度になる位置が、酸化触媒40の最高温度位置になる。温度推定点300の間隔は、排気流れ方向に等間隔に設定されていてもよいし、過渡運転を開始したときに温度変化が大きい箇所の間隔を密に設定されていてもよい。
酸化触媒40は、温度推定点300を含む領域(以下、セルとも言う。)42に分割される。そして、ECU70は、排気温センサ62の検出信号から検出される酸化触媒40の上流側の排気温度と、エアフロメータ34が検出する吸気流量に基づいて検出される排気流量と、燃料添加弁60から酸化触媒40に供給される添加燃料量と、セル間の熱伝導量と、排気ガスと酸化触媒40との熱伝達量と、各セル42における燃料の未燃成分であるHCの酸化反応による発熱量とに基づいて、各セル42の吸熱量と放熱量との熱収支から、各セル42の温度を推定する。これにより、ECU70は、排気流れ方向における酸化触媒40の温度分布を推定する。
(補正手段)
図5および図6に、酸化触媒40の温度分布から酸化触媒40の最高温度を推定し、最高温度が所定温度を超える場合に基本添加燃料量を補正するために用いるモデルを示す。尚、図5および図6に示す補正モデルでは、各セルにおいてHCが酸化反応するときに必要な酸素は十分に供給されているものとする。
図5および図6に、酸化触媒40の温度分布から酸化触媒40の最高温度を推定し、最高温度が所定温度を超える場合に基本添加燃料量を補正するために用いるモデルを示す。尚、図5および図6に示す補正モデルでは、各セルにおいてHCが酸化反応するときに必要な酸素は十分に供給されているものとする。
(補正モデルの全体構成)
モデルA200は、推定された温度分布において最高温度になるi番目のセル42における熱収支を算出するモデルである。
モデルA200は、推定された温度分布において最高温度になるi番目のセル42における熱収支を算出するモデルである。
モデルA200は、エアフロメータ34の出力信号に基づいて算出される排気流量、i番目セル42の上流側に隣接する(i−1)番目セル42の触媒温度、i番目セル42の触媒温度、i番目セル42の下流側に隣接する(i+1)番目セル42の触媒温度、(i−1)番目セル42の排気温度、およびi番目セル42の触媒温度の目標値を入力する。
排気流量は、モデルを使用して補正量を算出するためにエアフロメータ34の出力信号に基づいて算出される今回の値である。したがって、エンジン負荷が低負荷から高負荷に増加する過渡運転時においては、排気流量は上昇している。
(i−1)番目、i番目、および(i+1)番目のセル42の触媒温度は、推定された温度分布から求めた酸化触媒40の最高温度が所定温度以下であった前回の酸化触媒40の温度分布から求められた値である。
(i−1)番目セル42の排気温度は、前回の酸化触媒40の温度分布に基づいて求められた値である。
i番目セル42の触媒温度の目標値は、基本添加燃料量を補正するか否かを判定するために最高温度と比較する所定温度に該当する。前述したように、所定温度である目標値は、DPF50を再生するために必要であると算出される排気ガスの目標温度に誤差を考慮して所定値を加算した値でもよいし、酸化触媒40が高温のために損傷することを防止する温度範囲の上限値から損傷を確実に防止するために所定値を減算した値でもよい。
i番目セル42の触媒温度の目標値は、基本添加燃料量を補正するか否かを判定するために最高温度と比較する所定温度に該当する。前述したように、所定温度である目標値は、DPF50を再生するために必要であると算出される排気ガスの目標温度に誤差を考慮して所定値を加算した値でもよいし、酸化触媒40が高温のために損傷することを防止する温度範囲の上限値から損傷を確実に防止するために所定値を減算した値でもよい。
モデルA200では、これらを入力とし、i番目セル42の熱収支に基づき、i番目セル42の触媒温度を目標値にするために必要な、i番目セル42の上流側に隣接する(i−1)番目セル42から流出する未燃成分(HC)量、すなわちi番目セル42に流入するHC量を算出する。
モデルA200に直接接続するモデルB220は、モデルA200で求めた、i番目セル42の触媒温度を目標値にするために必要な(i−1)番目セル42から流出する目標HC量と、温度分布から求めた(i−1)番目セル42の前回の触媒温度を入力とし、i番目セル42の触媒温度を目標値にするHC量を流出するために必要な、(i−1)番目セル42の上流側に隣接する(i−2)番目セル42から流出し(i−1)番目セルに流入するHC量を算出する。
そして、モデルA200において、酸化触媒40の温度分布から最高温度になると推定されたi番目セル42の触媒温度を目標値にするために必要なi番目セル42に流入するHC量を算出し、このHC量に基づいて、モデルB220において、i番目セル42から順に上流側のセル42に流入するHC量を算出していくことにより、i番目セル42の触媒温度を目標値にするために必要な1番目セルに流入するHC量が算出される。1番目セルに流入するHC量は、燃料添加弁60から添加され酸化触媒40に供給される添加燃料量である。
このようにして、i番目セル42の触媒温度を目標値にするために必要な1番目セルに流入するHC量をモデルを用いて順次辿っていくことにより、酸化触媒40の最高温度を所定温度にするために必要な、燃料添加弁60の添加燃料量を高精度に算出できる。
次に、モデルA、Bの詳細について説明する。
(モデルA)
モデルAの詳細な構成を図6の(A)に示す。ブロック202では、排気流量、(i−1)番目セル42の排気温度、i番目セル42の触媒温度を入力する。ブロック202は、これら入力からi番目セル42と排気ガスとの熱伝達量を算出する。
(モデルA)
モデルAの詳細な構成を図6の(A)に示す。ブロック202では、排気流量、(i−1)番目セル42の排気温度、i番目セル42の触媒温度を入力する。ブロック202は、これら入力からi番目セル42と排気ガスとの熱伝達量を算出する。
ブロック204は、(i−1)番目セル42、i番目セル42、および(i+1)番目セル42の触媒温度を入力する。ブロック204は、これら入力から、i番目セル42と、(i−1)番目セル42および(i+1)番目セル42との熱伝導量の収支を算出する。
ブロック206は、i番目セル42の触媒温度の目標値と、i番目セル42における熱伝達量の収支(ブロック202で算出)と、i番目セル42における熱伝導量の収支(ブロック204で算出)とを入力する。ブロック206は、これら入力から、i番目セル42の触媒温度を目標値にするために必要な、i番目セル42におけるHCの酸化反応による目標発熱量を算出する。
ブロック208は、i番目セル42における目標発熱量(ブロック206で算出)を入力し、目標発熱量を発生するために必要なHCの酸化反応量を算出する。
ブロック210は、i番目セル42の触媒温度を入力し、i番目セル42に流入するHC量のうちi番目セル42の触媒温度において酸化反応するHCの酸化反応割合を算出する。
ブロック210は、i番目セル42の触媒温度を入力し、i番目セル42に流入するHC量のうちi番目セル42の触媒温度において酸化反応するHCの酸化反応割合を算出する。
ブロック212は、i番目セル42で目標発熱量を発生するために必要なHCの酸化反応量(ブロック208で算出)と、i番目セル42の触媒温度において酸化反応するHCの酸化反応割合(ブロック210で算出)とを入力する。ブロック212は、これら入力から、i番目セル42の触媒温度を目標値にするために必要なi番目セル42に流入するHC量、すなわち(i−1)番目セル42から流出するHCの目標流出量を算出する。
(モデルB)
モデルBの詳細な構成を図6の(B)に示す。ブロック222は、k(1≦k≦i−1)番目セル42の触媒温度を入力し、k番目セル42に流入するHC量のうちk番目セル42の触媒温度において酸化反応するHCの酸化反応割合を算出する。
モデルBの詳細な構成を図6の(B)に示す。ブロック222は、k(1≦k≦i−1)番目セル42の触媒温度を入力し、k番目セル42に流入するHC量のうちk番目セル42の触媒温度において酸化反応するHCの酸化反応割合を算出する。
ブロック224は、k番目セル42に隣接する下流側の(k+1)番目セル42で算出されたk番目セル42から流出するHCの目標流出量と、k番目セル42の触媒温度において酸化反応するHCの酸化反応割合(ブロック222で算出)とを入力する。
ブロック224は、これら入力から、k番目セル42から(k+1)番目セル42に目標流出量のHCが流出するために必要な、k番目セル42に流入するHC量、すなわち(k−1)番目セル42から流出するHCの目標流出量を算出する。
モデルB220では、k=i−1からk=i−2、・・・k=1まで、(k−1)番目セル42から流出するHCの目標流出量が算出される。そして、k=1のときに0番目セル42から流出するHCの目標流出量が算出されることにより、酸化触媒40の最高温度を所定温度にするために必要な、燃料添加弁60の添加燃料量を高精度に算出できる。
(添加燃料制御ルーチン)
図7に、添加燃料制御ルーチンを示す。図7のルーチンは常時実行される。図7において、「S」はステップを表している。
図7に、添加燃料制御ルーチンを示す。図7のルーチンは常時実行される。図7において、「S」はステップを表している。
S400において、ECU70は、燃料添加を実行可能か否かを判定する。例えば、排気流量が所定量よりも少ないか、燃料添加弁60が断線等により正常に作動していない場合、ECU70は燃料添加を実行できないと判定する。燃料添加を実行できない場合(S400:No)、ECU70は本ルーチンを終了する。
燃料添加を実行可能な場合(S400:Yes)、S402においてECU70は、エアフロメータ34の出力信号から排気流量、ならびに排気温センサ62から酸化触媒40の上流側の排気温度を取得する。
S404においてECU70は、式(1)に基づいて基本添加燃料量を算出する。そして、S406においてECU70は、基本添加燃料量を添加したときの酸化触媒40の温度分布を推定する。
温度分布から求めた酸化触媒40の最高温度が所定温度を超える場合(S408:Yes)、S410においてECU70は、前述した補正モデルに基づいて、酸化触媒40の最高温度が目標値である所定温度になるように、基本添加燃料量を補正して添加燃料量とする。
一方、温度分布から求めた酸化触媒40の最高温度が所定温度以下の場合(S408:No)、S412においてECU70は、基本添加燃料量をそのまま添加燃料量とする。
S414においてECU70は、S410またはS412で設定された添加燃料量に対し、酸化触媒40に流入する前に排気管110の内壁に付着する燃料の付着量と、付着した燃料が蒸発する蒸発量とを考慮し、添加燃料量を補正する。蒸発燃料量は、さらに排気温度に基づいて算出することが望ましい。排気温度が上昇すると付着燃料の蒸発量も増加する。
S414においてECU70は、S410またはS412で設定された添加燃料量に対し、酸化触媒40に流入する前に排気管110の内壁に付着する燃料の付着量と、付着した燃料が蒸発する蒸発量とを考慮し、添加燃料量を補正する。蒸発燃料量は、さらに排気温度に基づいて算出することが望ましい。排気温度が上昇すると付着燃料の蒸発量も増加する。
これにより、酸化触媒40をS408で最高温度と比較する所定温度、あるいは式(1)に示される目標温度にするために燃料添加弁60から添加される添加燃料量を高精度に算出できる。
S416においてECU70は、S414で補正された添加燃料量に基づいて、燃料添加弁60から排気管110内に燃料を添加する。
本実施形態では、DPF50が本発明の排気浄化装置に相当し、燃料添加弁60が本発明の燃料添加手段に相当し、ECU70が本発明の排気浄化制御装置、温度分布推定手段、および補正手段に相当する。また、定常運転時において酸化触媒40の下流側の温度を目標温度にするために式(1)から算出される基本添加燃料量が、本発明の所定の燃料量に相当する。また、図7のS406が温度分布推定手段が実行する機能に相当し、S408〜S414が補正手段が実行する機能に相当する。また、図7のS402およびS404が本実施形態の添加燃料量算出手段が実行する機能に相当する。
本実施形態では、DPF50が本発明の排気浄化装置に相当し、燃料添加弁60が本発明の燃料添加手段に相当し、ECU70が本発明の排気浄化制御装置、温度分布推定手段、および補正手段に相当する。また、定常運転時において酸化触媒40の下流側の温度を目標温度にするために式(1)から算出される基本添加燃料量が、本発明の所定の燃料量に相当する。また、図7のS406が温度分布推定手段が実行する機能に相当し、S408〜S414が補正手段が実行する機能に相当する。また、図7のS402およびS404が本実施形態の添加燃料量算出手段が実行する機能に相当する。
以上説明した上記施形態では、定常運転時において、DPF50が捕集しているパティキュレートを燃焼させDPF50を再生するときに、DPF50に流入する排気ガスの温度を目標温度にするために式(1)から算出された基本添加燃料量の燃料を酸化触媒40に供給したときの酸化触媒40の排気流れ方向の温度分布を推定する。そして、温度分布から求めた酸化触媒40の最高温度が所定温度よりも高い場合には、最高温度が所定温度になるように基本添加燃料量を補正する。
これにより、酸化触媒40の最高温度を所定温度に制御できるので、酸化触媒40の温度が所定温度を超えることを防止し、酸化触媒40が高温で損傷することを防止できる。特に、エンジン負荷が低負荷から高負荷に急変する過渡運転時においては、酸化触媒40の温度が一時的に過度に上昇しやすいので、酸化触媒40の温度が所定温度になるように燃料添加弁60の添加燃料量を補正することは、酸化触媒40の損傷を防止する上で効果的である。
また、酸化触媒40の排気流れ方向において推定された温度分布の最高温度が所定温度を超える場合、最高温度となる位置の酸化触媒40の温度が所定温度になるように添加燃料量を補正するので、酸化触媒40から流出する排気ガスの温度が所定温度よりも低下することを防止する。これにより、酸化触媒40の下流側に設置されたDPF50等の排気浄化装置による排気浄化作用の低下を防止できる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、燃料添加弁60から排気管110内に燃料を添加し酸化触媒40に燃料を供給した。これに対し、エンジン2に主なトルクを発生させる燃料噴射弁36からのメイン噴射の後に、エンジン2の燃焼室で燃焼せずトルクを発生しないポスト噴射を燃料噴射弁36から実行し、このポスト噴射から噴射された燃料を酸化触媒40への添加燃料としてもよい。
上記実施形態では、燃料添加弁60から排気管110内に燃料を添加し酸化触媒40に燃料を供給した。これに対し、エンジン2に主なトルクを発生させる燃料噴射弁36からのメイン噴射の後に、エンジン2の燃焼室で燃焼せずトルクを発生しないポスト噴射を燃料噴射弁36から実行し、このポスト噴射から噴射された燃料を酸化触媒40への添加燃料としてもよい。
また、上記実施形態では、エンジン負荷が低負荷から高負荷に急激に上昇する過渡運転が実行されたときに、酸化触媒40の温度分布の最高温度が所定温度を超えると推定される例について説明した。これに対し、過渡運転が実行されるか否かにかかわらず、基本添加燃料量が添加された場合に推定される温度分布の最高温度が所定温度を超えるのであれば、酸化触媒の最高温度が所定温度になるように基本添加燃料量を補正することが望ましい。
また、排気浄化装置として、DPF50に代えて、またはDPF50に加えて、例えば吸蔵還元型のNOx触媒を設置してもよい。
また、排気浄化装置が排気ガス中から除去した有害成分を燃料添加弁から添加した燃料により浄化するのであれば、ディーゼルエンジン以外の他の内燃機関、例えばガソリンエンジン等の排気浄化システムにも本発明の排気浄化制御装置を適用できる。
また、排気浄化装置が排気ガス中から除去した有害成分を燃料添加弁から添加した燃料により浄化するのであれば、ディーゼルエンジン以外の他の内燃機関、例えばガソリンエンジン等の排気浄化システムにも本発明の排気浄化制御装置を適用できる。
上記実施形態では、添加燃料量算出手段、温度分布推定手段、補正手段の機能を、制御プログラムにより機能が特定されるECU70により実現している。これに対し、上記複数の手段の機能の少なくとも一部を、回路構成自体で機能が特定されるハードウェアで実現してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
2:ディーゼルエンジン(内燃機関)、10:排気浄化システム、34:エアフロメータ、36:燃料噴射弁、40:酸化触媒、50:DPF(排気浄化装置)60:燃料添加弁(燃料添加手段)、70:ECU(排気浄化制御装置、添加燃料量算出手段、温度分布推定手段、補正手段)、100:吸気管、110:排気管
Claims (6)
- 内燃機関から排気ガスが排出される排気管に酸化触媒と排気浄化装置とが排気上流側からこの順に設置されており、燃料添加手段から前記排気管内に添加される燃料を前記酸化触媒により酸化反応させて排気温度を上昇させる排気浄化システムに用いられる排気浄化制御装置において、
前記燃料添加手段から所定の燃料量を添加するときの前記酸化触媒の排気流れ方向の温度分布を推定する温度分布推定手段と、
前記温度分布推定手段が推定する前記温度分布における最高温度が所定温度を超える場合、前記最高温度となる最高温度位置における前記酸化触媒の温度が前記所定温度になるように前記燃料添加手段から添加される添加燃料量を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする排気浄化制御装置。 - 前記補正手段は、前記温度分布推定手段が推定する前記温度分布における最高温度が前記所定温度以下の場合、前記所定の燃料量を、前記燃料添加手段から添加される添加燃料量とすることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化制御装置。
- エアフロメータにより検出される前記内燃機関の吸気流量と、前記酸化触媒の上流側に設置された排気温センサにより検出される排気温度と、前記酸化触媒の下流側の排気温度の目標値とに基づいて、前記燃料添加手段から添加される前記所定の燃料量が算出されることを特徴とする請求項1または2に記載の排気浄化制御装置。
- 前記補正手段は、前記温度分布において最高温度になると推定された前記最高温度位置の温度を前記所定温度にするために必要な前記最高温度位置における燃料の発熱量と、前記最高温度位置および前記最高温度位置の上流側での燃料の酸化反応割合とに基づいて前記酸化触媒に添加される燃料量を補正することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の排気浄化制御装置。
- 前記燃料添加手段は燃料添加弁であり、
前記補正手段は、前記燃料添加弁から前記排気管内に添加される燃料量を補正する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の排気浄化制御装置。 - 前記補正手段は、前記燃料添加弁から添加される燃料が前記排気管の内壁に付着する付着量と、前記排気管に付着した燃料の蒸発量とに基づいて、前記燃料添加弁から添加される添加燃料量を補正することを特徴とする請求項5に記載の排気浄化制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009115623A JP2010265766A (ja) | 2009-05-12 | 2009-05-12 | 排気浄化制御装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017061878A (ja) * | 2015-09-24 | 2017-03-30 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | 内燃機関の排気浄化装置 |
-
2009
- 2009-05-12 JP JP2009115623A patent/JP2010265766A/ja active Pending
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