JP2010265004A - ウェーハケース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各金属製の容器本体と蓋とを、第1,第2の波形シール部を有したシール構造で密閉するウェーハケースとし、第1,2の波形シール部を含む容器本体および蓋の各シール面の表面粗度を0.8S〜1.6Sとした。そのため、高いシール性を確保しながら、ウェーハケースの素材を原因とした半導体ウェーハの有機物汚染を解消できる。
【選択図】図1
Description
また、この発明は、航空輸送直後でも蓋が開け易く、かつ蓋開閉に伴う容器本体および蓋の各シール部の損傷を防止することができるウェーハケースを提供することを目的としている。
この発明は、軽微な衝突傷や軽微な擦り傷から、容器本体の表面および蓋の表面を保護することができるウェーハケースを提供することを目的としている。
この発明は、1個のウェーハケースで同一サイズの半導体ウェーハを2枚以上収納し、搬送および保管が可能になるウェーハケースを提供することを目的としている。
半導体ウェーハの口径は、150mm、200mm、300mm、450mmなど任意である。
半導体ウェーハの比抵抗値は任意である。例えば、0.001〜2000Ω・cmでもよい。
アルミニウム合金としては、例えばJIS A5052と、JIS A5056とに規定されたアルミニウムとマグネシウムとを2.2〜2.8%含む合金を採用することができる。アルミニウム合金のうち、強度および加工性に優れていることからJIS A5052が最適である。また、加工後に硬質アルマイト処理を施し、容器本体の表面および蓋の表面を硬化させた方法が、耐腐食性、耐摩耗性、および耐衝撃性を向上させるという理由により好ましい。
第1の波形シール部は、容器本体のシール面の全域に形成しても、容器本体のシール面の一部のみに形成してもよい。また、第2の波形シール部は、蓋のシール面の全域に形成しても、蓋のシール面の一部のみに形成してもよい。
「環状の山部」とは、断面形状が山形の環状突条をいう。「環状の谷部」とは、断面形状が谷形の環状溝をいう。
「環状の山部と環状の谷部とがウェーハケースの内外方向へ交互に連続する」とは、容器本体に形成された山部と谷部との場合、山部および谷部が容器本体の開口部の軸線を同心軸として、交互に同心配置されている状態をいう。また、蓋の山部と谷部との場合、山部および谷部が蓋の中心線を中心にして交互に同心配置されている状態をいう。
ウェーハケースの内部には、半導体ウェーハを支持する各種の保持具、各種のスペーサを設けることができる。これらの部材の素材としては、アルミニウム、ニッケル、白金またはこれらの合金を採用することができる。
ウェーハ保持手段は、同一径の半導体ウェーハを、1個の容器本体に2枚以上結合させて収納可能な構造を有している。具体的には、厚さ1mm以上で、Oリング形もしくは十字形、トライアングル形の金属からなるスペーサと、このスペーサがウェーハ間に装填された複数の半導体ウェーハを分離可能に結合するウェーハ結合構造体とを備えている。
中底板および中上板の素材としては、例えばアルミニウム、ニッケルなどを採用することができ、容器本体または蓋と同じ素材でもよい。
中底板および中上板の形状は、平面視して円形、三角形、四角形以上の多角形を採用することができる。その他、任意形状でもよい。
中底板および中上板の大きさは、例えば半導体ウェーハと略同じか、それより大きくてもよい。中底板の厚さは、スペーサを介して重ね合わされた複数の半導体ウェーハを挟持可能であれば任意である。
スペーサの素材としては、例えばアルミニウム、ニッケルなどを採用することができ、容器本体、蓋または中底板や中上板と同じ素材でもよい。
スペーサは、厚さが1mm未満ではケース収納時の半導体ウェーハの撓みを十分に防止することができない。スペーサの好ましい厚さは、1〜10mmである。この範囲であれば、軽量で、かつケース収納時の半導体ウェーハの撓みを良好に防止することができる。
また、ウェーハ間にスペーサが装填された複数の半導体ウェーハを、中底板と中上板とにより挟み込む保持構造を採用したので、1個のウェーハケースを使用し、同一径の複数の半導体ウェーハの搬送、保管が可能になる。また、中底板と中上板とを、各半導体ウェーハより大径としたので、ウェーハ搬送中、重ね合わされた半導体ウェーハがウェーハケース内で移動し、ケース内壁にウェーハ外周部が衝突して破損するというおそれがほとんどない。
中底板および中上板の素材は、ウェーハケース内での塵の発生を抑えるため、例えば容器本体および蓋と同じように、金属が好ましい。
容器本体12は、アルミニウム合金(アルミニウムに2.2〜2.8%のマグネシウムを含み、硬質アルマイト処理により表面が硬化されたもの)製の平面視して正方形状の容器である。容器本体12は、平面視して正方形状の底板12bと、底板12bの4つの辺部上に一体形成された4枚の厚肉な外側板12aとを有している。各外側板12aの上端面が、容器本体12のシール面となる。容器本体12の一方の両端部の外面には、一対の厚肉なハンドル34が配設されている。
天板13bの外周部の下面には、高さが外側板13aの高さと略同じ環状支柱13dが、天板13bと一体形成されている。環状支柱13dの下部には、後述する中上板32を上方から押圧する複数の押圧突起20の元部が、環状支柱13dの周方向へ所定ピッチで埋設されている。押圧突起20の素材は、ステンレス製である。天板13bの中央部の上面には、水平軸を中心にして回動自在な取っ手21が設けられている。
蓋13の外側板13aの各辺の長さ方向の両端部には、容器本体12のバッグ留め金具19が掛止される留めリング22が配設されている。ウェーハケース10の閉蓋時、蓋13を閉じて容器本体12の開口部を塞ぎ、各バッグ留め金具19のリングを各留めフック22に掛止することで、蓋13が容器本体12に当接され、ウェーハケース10が密封される。
図1〜図3に示すように、シール構造14は、容器本体12のシール面に形成され、かつ環状の2条の山部23と環状の2条の谷部24とが、ウェーハケース10の内外方向へ交互(波形状)に連続した第1の波形シール部25と、蓋13のシール面に形成され、第1の波形シール部25に噛合可能な環状の2条の山部23と環状の2状の谷部24とが、ウェーハケース10の内外方向へ交互に連続した第2の波形シール部26とを有している。
図1および図2に示すように、ウェーハ保持手段33は、各シリコンウェーハ11の間に装填されるOリング形状の4枚のスペーサ30と、これらのスペーサ30が各ウェーハ間に1枚ずつ装填された5枚のシリコンウェーハ11を分離可能に結合するボルトナット構造体50とを備えている。
すなわち、5枚のシリコンウェーハ11は、各ウェーハ間にスペーサ30が1つずつ装填されながら、容器本体12の厚さ方向に平行に積み重ねられることで、ウェーハ群11Aとして構成される。ウェーハ群11Aは、容器本体12の底板12b上に載置される4枚の中底板31と、最上層のシリコンウェーハ11の上に載置される4枚の中天板32とによって挟まれ、この状態のままウェーハ保持手段33により保持される。以下、これらの構成部品を具体的に説明する。
また、図6〜図8に示すように、各スペーサ30Cは、幅方向の中間を通る中心線の長さが60mmの円弧形状の板片で、容器本体12の周方向に90°毎に合計4つ配置されている。各スペーサ30Cの寸法は、内径が280mm、外径が300mm、厚さが5mmである。各スペーサ30Cの長さ方向の両端部には、表裏面を貫通して貫通孔30aが形成されている。各スペーサ30Cの外辺部の下面は、シリコンウェーハ11の厚さ分だけ平坦に肉盛りされている。
このように、上下に隣り合うシリコンウェーハ11間にスペーサ30を挿入しながら、5枚のシリコンウェーハ11を積み重ねる。その結果、1個のウェーハケース10を使用し、直径が同じ5枚のシリコンウェーハ11の搬送および保管を行うことができる。
図1および図2に示すように、容器本体の底板12bの上面(外周部を除く領域)に、中底板31を載置する。その後、中底板31上に、直径300mmのシリコンウェーハ11の外周部を載置する。次に、載置されたシリコンウェーハ11上にOリング状のスペーサ30を一つ載置し、そのスペーサ30の上に2枚目のシリコンウェーハ11を載置する。このとき、各シリコンウェーハ11とスペーサ30とは、平面視して各外縁を一致させる。それ以降は、この重ね合わせの作業を繰り返すことで、計5枚のシリコンウェーハ11からなるウェーハ群11Aを形成し、これを容器内に収納する。それから、ウェーハ群11Aの最上段のシリコンウェーハ11の上面に中上板32を載置する。また、Oリング形状のスペーサ30に替えて、図3に示す十字形状のスペーサ30A、図4に示す三角形状のスペーサ30Bおよび図6〜図8に示す円弧形状(三日月形状)のスペーサ30Cを用いる場合にも、スペーサ30と同じ扱いにより、ウェーハ群11Aを形成する。
また、容器本体12の密閉時には、蓋13の天板13bの各押圧突起20が、中上板32の外周部を上方から押圧する。これにより、ウェーハ移送中におけるウェーハケース10の内部空間でのウェーハ群11Aの移動を抑制することができる。
さらにまた、中底板31と中上板32とを、各シリコンウェーハ11より大径としたので、ウェーハ搬送中、重ね合わされたシリコンウェーハ11がウェーハケース10の内部空間で移動し、ケース内壁にウェーハ外周部が衝突して破損するおそれがない。
従来のウェーハケースとしては300mmFOSBを用いた。300mmFOSBは、容器本体がポリカーボネート製で、蓋がポリカーボネート製のSEMI M31という構造のシリコンウェーハ梱包用のケースである。
伊万里市の工場内で、実施例1のウェーハケース10と従来のウェーハケースとに、同時洗浄された実施例1のシリコンウェーハを各1枚ずつ収納し、飛行機により高度10000mに達する輸送テストを行った。輸送時間は100時間、高度10000mの気圧は800hPaであった。
分析の結果、従来のウェーハケースを使用した航空輸送では、シリコンウェーハの表面の有機物汚染量は0.452ng/cm2であった。これに対して、実施例1のウェーハケースを使用した場合では、シリコンウェーハの表面の有機物汚染量は0.004ng/cm2と2桁低い結果が得られた(図9のグラフ)。
Claims (2)
- 複数枚の半導体ウェーハが収納される金属製の容器本体と、
前記各半導体ウェーハの間に装填され、該各半導体ウェーハを前記容器本体の厚さ方向に所定間隔で保持する金属製のスペーサと、
前記各半導体ウェーハより大径な円板で、かつ該スペーサを介して積層された複数枚の半導体ウェーハを、前記容器本体の厚さ方向の両側方から挟み込む中底板および中上板と、
前記容器本体の開口部をシール構造を介して密閉する金属製の蓋とを備え、
前記シール構造は、前記蓋に当接される前記容器本体のシール面に形成され、かつ環状の山部と環状の谷部とが前記ウェーハケースの内外方向へ交互に連続する第1の波形シール部と、前記容器本体に当接される前記蓋のシール面に形成され、かつ前記第1の波形シール部の前記山部または前記谷部に噛合可能な環状の山部と環状の谷部とが、前記ウェーハケースの内外方向へ交互に連続する第2の波形シール部とを有し、前記第1の波形シール部を含む前記容器本体のシール面の表面粗度と、前記第2の波形シール部を含む前記蓋の表面粗度とを、0.8S〜1.6Sとしたウェーハケース。 - 前記スペーサは、平面視して十字形または三角形で、かつその外接円の直径が前記半導体ウェーハの直径と同一で、厚さが1mm以上のものである請求項1に記載のウェーハケース。
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