JP2010264600A - 記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 印字した画像の堅牢性及び光学濃度が良好な記録媒体を提供すること。
【解決手段】 基材と、基材上に2層以上のインク受容層を備えた記録媒体であって、該2層以上のインク受容層のうち、最表面のインク受容層は、乾燥塗工量が5g/m以上、20g/m以下であり、2価の金属化合物が接触したアルミナ水和物を含有し、該最表面のインク受容層における2価の金属の元素量とアルミニウムの元素量の割合[(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)]は、0.001以上、0.03以下であることを特徴とする記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、記録媒体に関する。
記録画像の堅牢性を向上させる目的で、インクジェット記録等に用いられる記録媒体のインク受容層中に、金属イオンや金属塩を共存させることが知られている。特許文献1には、記録画像の堅牢性、インク吸収性、インク定着性、高い色濃度等を目的として、アルミナ水和物を含有するインク受容層中に、水溶性の金属塩又は難溶性の金属化合物を単純に含ませた記録媒体が開示されている。特許文献2には、耐水性、耐光性、高い色濃度を目的として、多孔性無機顔料、カチオン性樹脂、及び常温で水への溶解度が1%以下のマグネシウム化合物を含む記録媒体が開示されている。特許文献3には、記録画像の堅牢性を向上させる目的で、シリカを1価以上の金属イオンの化合物や塩で表面処理することが記載されている。これは、金属の金属石鹸、水酸化物、塩又は酸化物によりシリカを表面処理するものである。シリカの表面処理法として、シリカ合成時の90℃の加熱条件下での金属塩を加えて20分間の熟成することが開示されている。
特開2000−177235号公報 特開昭61−57380号公報 特開昭63−166586号公報
しかし、本発明者らの検討によれば、上記従来技術には以下のような課題があることが分かった。特許文献1の記録媒体は、水溶性の金属塩を単に含浸又は分散しているだけであり、印字後、水溶性の金属塩はインク受容層表面に留まらず、溶液と共にインク受容層内に浸透しやすい。その結果、画像堅牢性はやや良好となるものの、色材がインク受容層内に浸透しやすく、画像の光学濃度が十分高いものではなかった。特許文献2の記録媒体は、画像堅牢性は良好になるものの、その効果は十分ではなかった。これは、印字しても必ずしも染料がマグネシウム化合物粒子の近傍に存在しているとは限らず、マグネシウム化合物添加の効果が十分に得られにくいためと考えられる。特許文献3に記載のシリカの表面処理方法では、金属が水に溶解しやすい状態で存在しているために、塗工液中の金属が溶出して、塗工液が増粘しやすいという課題があった。また、製造した記録媒体の発色性を高めることは困難であった。これは、溶出した金属イオンにより塗工液が凝集し易く、インク受容層の透明性が下がるためと考えられる。
本発明の目的は、印字した画像の堅牢性及び光学濃度が良好な記録媒体を提供することである。
本発明は、基材と、基材上に2層以上のインク受容層を備えた記録媒体であって、該2層以上のインク受容層のうち、最表面のインク受容層は、乾燥塗工量が5g/m以上、20g/m以下であり、2価の金属化合物が接触したアルミナ水和物を含有し、該最表面のインク受容層における2価の金属の元素量とアルミニウムの元素量の割合[(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)]は、0.001以上、0.03以下であることを特徴とする記録媒体である。
本発明によれば、印字した画像の堅牢性及び光学濃度が良好な記録媒体を提供することができる。
本発明の記録媒体の一例を表す。 (a)アルミナ水和物の表面に付着水が存在しない場合、(b)アルミナ水和物の表面に付着水が存在する場合を表す。 アンモニアを用いた昇温脱離試験(TPD)におけるアンモニアに由来する質量スペクトル(m/z=16)の測定結果である。aはアルミナ水和物のチャートであり、bは酢酸マグネシウム4水和物が接触したアルミナ水和物のチャートである。 アンモニアを用いた昇温脱離試験(TPD)における水に由来する質量スペクトル(m/z=18)の測定結果である。aはアルミナ水和物のチャートであり、bは酢酸マグネシウム4水和物が接触したアルミナ水和物のチャートである。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明の記録媒体は、図1に示すように、基材(101)と、基材上にインク受容層(102)、インク受容層(103)を備えた記録媒体である。
2層以上のインク受容層のうち、最表面のインク受容層(103)は、乾燥塗工量が5g/m以上、20g/m以下である。また、最表面のインク受容層は、2価の金属化合物が接触したアルミナ水和物を含有する。最表面のインク受容層における2価の金属の元素量とアルミニウムの元素量の割合[(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)]は、0.001以上、0.03以下である。この最表面のインク受容層により、印字した画像の堅牢性及び光学濃度が良好となる。
画像の堅牢性向上のメカニズムについて説明する。本発明者らは、無機顔料に染着した色材のガス劣化メカニズムを以下のように推測した。推測したメカニズムを、図2を用いて、以下に説明する。
表面に水分子が吸着していないアルミナ水和物の状態を図2(a)に示す。図2(a)では、アルミナ水和物にはルイス酸点(501)及び塩基点(502)が存在している。しかしながら、大気中の水分や染色するためのインク等を付与すると、図2(a)中のルイス酸点(501)に水分子が吸着して、図2(b)に示すようにブレンステッド酸点(601)に変化する。このブレンステッド酸点に吸着している水分子がオゾン等のガスの影響を受けると、オゾンと付着水との相互作用によりラジラルが発生する。そして、該ラジカルがアルミナ水和物表面に染着している色材に対し、強く酸化を行い、色材が分解する。この結果、色材の劣化が生じる。
そこで、本発明者らは、無機顔料表面のルイス酸点に吸着している水分子とオゾンガスの相互作用によるラジカル発生反応をいかに抑えるかが重要であると考えた。その結果、2価の金属化合物をアルミナ水和物に接触させたアルミナ水和物は、耐ガス性が向上することを見出した。これは、アルミナ水和物の表面に2価の金属化合物を接触させることで、アルミナ水和物が酸機能を示さなくなるためであると考えられる。なお、本発明におけるアルミナ水和物の表面とは、アルミナ水和物の表面の他、多孔質化したアルミナ水和物の空孔の内壁面も含むものである。
無機顔料表面の酸機能は、昇温脱離試験(TPD測定)等のガス吸着法により調べることができる。例えば、アンモニアを用いた昇温脱離試験(TPD)の測定結果を図3と図4に示す。図3はアンモニアに由来する質量スペクトル(m/z=16)の測定データである。図中のaは、アルミナ水和物のチャートであり、bは酢酸マグネシウム・4水和物が接触したアルミナ水和物である。t=約200℃弱でaとbに違いが見られる。t=約200℃弱のピークは、物理吸着したアンモニアを示すものと考えられる。本発明のbは物理吸着したアンモニアが確認できないことから、アンモニア分子の物理吸着の元になる化学吸着点である酸点(酸機能を有する部分)が低減したことを推測できる。これより、酢酸マグネシウム・4水和物が付着したアルミナ水和物は、アルミナ水和物表面に接触した酢酸マグネシウム・4水和物により、アルミナ水和物の酸点が潰れて、アルミナ水和物表面の酸機能が低下したと考えられる。また、t=約400℃強のピークが、aとb共にピークが観察された。しかし、このピークは、水に由来する質量スペクトル(m/z=18)の挙動を示す図4のピークと対応していることより、アルミナ水和物の結晶構造変化(アルミナ水和物→γアルミナ)に伴う脱水に因るものと考えられる。
本発明において、2価の金属は、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれる1種以上の金属であることが好ましい。これらの金属を含有した金属化合物を用いることで、耐ガス性をより良好なものとすることが出来る。2価の金属化合物としては、アルカリ土類金属と、酢酸イオン、シュウ酸イオンなどの有機酸イオンや、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、ハロゲンイオン、水酸化イオンなど無機酸イオンとの塩、あるいは上記金属の酸化物が好ましい。
また、アルミナ水和物に2価の金属を接触させると、2価の金属が活性ラジカルの発生を抑制するため、耐光性も良好なものとなる。
本発明の記録媒体は、最表面のインク受容層における2価の金属の元素量とアルミニウムの元素量の割合[(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)]が、0.001以上、0.03以下である。好ましくは0.005以上である。また、好ましくは0.02以下である。0.001よりも低いと、堅牢性に対する十分な効果が得られない。0.03よりも高いと、塗工液が増粘して不安定になりやすく、また印字画像の光学濃度が低下しやすい。
2価の金属化合物が接触したアルミナ水和物を、通常のインク受容材として用いると、塗工液が凝集しやすいため、インク受容層の透明性が下がりやすい。また、インク受容層の細孔径が大きくなるために、画像形成においてインクが受容層深くに沈みこみやすくなり、画像の光学濃度が低下するという課題がある。
しかし、本発明では、2価の金属化合物が接触したアルミナ水和物を含有したインク受容層、即ち最表面のインク受容層の乾燥塗工量を、5g/m以上、20g/m以下としている。このことにより、インクの沈みこみを抑制し、画像の光学濃度を高くすることができる。即ち、画像の堅牢性と光学濃度がともに良好な記録媒体を得ることができる。最表面のインク受容層の乾燥塗工量が5g/mよりも少ないと、十分な堅牢性効果が得られない。また、20g/mよりも多いと、色材がインク受容層深くに沈むため、画像の光学濃度が低下する。最表面のインク受容層の乾燥塗工量は、8g/m以上であることが好ましい。
インク受容層は、無機顔料とバインダーを有することが好ましい。特に最表面以外のインク受容層は、無機顔料とバインダーを有することが好ましい。これにより、最表面のインク受容層と、次のインク受容層との境界面で、特に染料の沈み込みを抑えることができ、光学濃度の高い画像を形成することができる。無機顔料としては、一般にインクジェット記録媒体に用いられているものを用いることができる。例えば、アルミナ水和物、酸化アルミ、合成シリカ、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト等の塗工用顔料を単独又は併用する。比表面積が大きくインクの吸収性に優れた無機顔料がより好ましく、例えばアルミナ水和物、合成シリカが挙げられる。バインダーとしては、ポリビニルアルコール又はその変性体;澱粉又はその変性体;ゼラチン又はその変性体;カゼイン又はその変性体;アラビアゴム;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体;SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス;官能基変性重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス;ポリビニルピロリドン;無水マレイン酸又はその共重合体;アクリル酸エステル共重合体等の従来公知のバインダーを使用することができる。なお、本発明においては、バインダーとしてポリビニルアルコールを使用することが好ましく、ポリビニルアルコールと他の従来公知のバインダーを併用することも好ましい。バインダーの配合量は、アルミナ水和物に対して、3質量%以上、50質量%以下とすることが好ましい。
次に、アルミナ水和物に2価の金属化合物を接触させる方法について説明する。例えば、2価の金属化合物存在下で水酸化アルミニウム又はアルミナ水和物を水熱合成処理する方法が挙げられる。この方法では、アルミナ水和物の結晶を成長させながら2価の金属化合物を結晶構造中に取り込むことができ、担持された2価の金属化合物の溶出を抑制できる。なお、水熱合成における温度、圧力の条件に関しては、Al−HO系状態図でベーマイト相の安定な領域であることが好ましい。したがって、水熱処理の温度は150℃以上、圧力は100気圧以下であることが好ましい。これは温度150℃未満では、ベーマイトを得ることができないためである。また、350℃以上の温度に長時間処理するとベーマイト相はα−アルミナ相に変化するため好ましくない。したがって、温度条件は好ましくは150℃以上350℃未満が好ましい。また、圧力が100気圧を越えた場合、得られる粒子の形状が肉厚の大きな粗大なものとなるためである。開放系では水熱系が成り立たないので、圧力は10気圧以上が好ましい。
アルミナ水和物に2価の金属化合物を接触させる方法は、2価の金属化合物の存在下でアルミナ水和物を焼成する方法であってもよい。具体的には、まずアルミナ水和物と2価の金属化合物との分散体のスラリーを攪拌器で混合する。また、必要に応じて、各種の酸、アルカリ等のpH調整剤、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の分散安定化剤等を添加してもよい。次いで、これらの混合状態のスラリーを焼成する。焼成する方法としては、炉を用いる方法やスプレードライ法等があるが、アルミナ水和物表面に2価の金属化合物を均一に分散するため、スプレードライ法がより好ましい。スプレードライ法による加熱温度、即ち環境温度(気相温度)は、スラリーに用いた溶剤を蒸発させる温度が好ましく、350℃以上の温度ではベーマイト相がα−アルミナ相に変化するため、高温処理はベーマイト相生成には好ましくない。したがって、溶剤に水を用いた場合に、100℃以上300℃以下とすることが好ましい。
アルミナ水和物に2価の金属化合物を接触させる方法としては、2価の金属化合物を溶解した溶液を、アルミナ水和物を溶剤に分散させた分散体のなかに添加して攪拌し、次いでアンモニア水等のアルカリを加えて中和する方法で作製することもできる。アルミナ水和物は、このような方法で作製した後、必要に応じて水等の溶剤により洗浄することで、過剰な2価の金属化合物を除去することができる。
なお、本発明において好適なアルミナ水和物は、下記式(1)により表されるものである。
Al3−n(OH)2n・mHO (1)
上記式中、nは0、1、2又は3のいずれかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の範囲にある値を表す。ただし、mとnは同時に0にはならない。mHOは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数又は整数でない値をとることができる。又、この種の材料を加熱するとmは0の値に達することがあり得る。
アルミナ水和物は、公知の方法で製造することができる。一般的な例として、アルミニウムアルコキシドの加水分解やアルミン酸ナトリウムの加水分解を行う方法が挙げられる(米国特許4,242,271号明細書、米国特許4,202,870号明細書)。また、他の例として、アルミン酸ナトリウムの水溶液に硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の水溶液を加えて中和を行う方法が挙げられる(特公昭57−447605号公報)。
本発明において好適なアルミナ水和物は、X線回折法による分析でベーマイト構造若しくは非晶質を示すものが好ましい。特に、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報等に記載されているアルミナ水和物が好ましい。
また、アルミナ水和物は、製造過程において細孔物性の調整を行ってもよい。例えば、アルミナ水和物をインク受容材として用いるためには、細孔容積が0.3〜1.0ml/gであるアルミナ水和物を用いることが好ましく、より好ましくは0.35〜0.9ml/gである。また、BET法で求められるBET比表面積が50〜350m/gであるアルミナ水和物を用いることが好ましく、より好ましくは100〜250m/gである。前記BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料のもつ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、又は容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ比表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積をかけて、比表面積が得られる。また、アルミナ水和物は、数平均粒子径が1nm以上、100nm以下であることが好ましい。より好ましくは50nm以下である。尚、これら数平均粒子径は透過型電子顕微鏡(TEM)により求めることができる。
次に、本発明の記録媒体の作製方法について説明する。本発明の記録媒体は、先に説明した2価の金属化合物を接触させたアルミナ水和物とバインダーを少なくとも含む塗工液を、インク受容層を設けた基材上に塗工、乾燥して形成することが好ましい。塗工液に用いる分散媒としては、水が好ましい。
また、一般に、アルミナ水和物を分散させるにあたり、酸を用いることでアルミナ水和物が容易に解膠され、均一な分散体となり得ることから、本発明の分散液に酸を添加することが好ましい。解膠剤となる酸としては、一般に知られている酸の中で、酢酸、蟻酸、シュウ酸などの有機酸;硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸が挙げられる。
本発明の塗工液には、必要に応じて、その他の添加剤を添加することもできる。その他の添加剤として、架橋剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを挙げることができる。
なお、本発明の塗工液には、架橋剤としてホウ酸化合物を1種以上含有させることが好ましい。このようにすることは、インク受容層の形成上極めて有効である。ホウ酸化合物としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸、次ホウ酸、及びホウ酸塩等が使用できる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩であることが好ましい。具体的には、例えば、ホウ酸のナトリウム塩(Na・10HO、NaBO・4HO等)、カリウム塩(K・5HO、KBO等)等のアルカリ金属塩;ホウ酸のアンモニウム塩(NH・3HO、NHBO等)等を挙げることができる。塗工液の経時安定性と、クラック発生の抑制効果の点から、オルトホウ酸を用いることが好ましい。ホウ酸化合物の配合量は、バインダーに対して、オルトホウ酸として1.0質量%以上、15.0質量%以下とすることが好ましい。ただし、この範囲内でも製造条件等によってはクラックが発生する場合があるので、適宜調整をする。又、上記範囲を超える場合は、塗工液の経時安定性が低下する場合がある。即ち、記録媒体の生産時には塗工液を長時間に渡って使用するので、ホウ酸化合物の含有量が多いとその間に塗工液の粘度の上昇やゲル化物の発生が起こすことがある。したがって、場合によっては、塗工液の交換やコーターヘッドの清掃等が頻繁に必要となり、生産性が著しく低下してしまう。
次に、基材(101)について説明する。基材(101)としては、例えば、フィルム、キャストコート紙、バライタ紙、レジンコート紙(両面がポリオレフィンなどの樹脂で被覆された樹脂皮膜紙)などの紙類からなるものなどが好ましく使用される。フィルムとしては、例えば、透明な熱可塑性樹脂フィルムを使用することができる。透明な熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリアセテート、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートなどが挙げられる。
また、上記以外にも、適度なサイジングが施された紙である無サイズ紙やコート紙、無機物の充填若しくは微細な発泡により不透明化されたフィルムからなるシート状物質(合成紙など)を使用することもできる。また、ガラス又は金属などからなるシートなどを使用しても良い。さらに、これらの基材とインク受容層との接着強度を向上させるため、基材の表面にコロナ放電処理や各種アンダーコート処理を施すことも可能である。
このような基材に、上記の塗工液を同時塗工、或は逐次塗工してインク受容層が形成される。
2層以上のインク受容層の塗工に用いる装置としては、例えばスロットダイコーター、スライドダイコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、バーコーター等が挙げられる。同時塗工の場合は、専用の多層式スロットダイコーター、多層式スライドダイコーター、多層式カーテンコーター等の同時多層塗工装置を好適に用いることが好ましい。インク受容層は、基材の少なくとも片面に設けられているが、カールの防止、両面へのインクジェット記録等の目的のために基材の両面に設けてもよい。
最表面以外のインク受容層は、インク吸収性を考慮して、乾燥塗工量を30g/m以上とすることが好ましく、また60g/m以下とすることが好ましい。乾燥塗工量が30g/m未満の場合は、特に、シアン、マゼンタ、イエローの3色のインクに、ブラックインクの他、複数の淡色インクが加えられているようなプリンタに用いた場合に、十分なインク吸収性が得られない場合がある。即ち、インク溢れが生じ、ブリーディングとなる場合が発生したりする場合がある。一方、乾燥塗工量が60g/mを超える場合には、クラックの発生を抑え切れないことが生じる恐れがある。なお、乾燥塗工量が30g/m以上であると高温高湿環境下においても十分なインク吸収性を示すインク受容層が得られ、乾燥塗工量が60g/m以下であるとインク受容層の塗工ムラがさらに生じにくくなり、安定した厚みのインク受容層を製造できる。
このように形成されるインク受容層は、高インク吸収性、高定着性等の目的及び効果を達成する上から、その細孔物性が、下記の条件を満足するものであることが好ましい。まず、インク受容層の細孔容積は0.1ml/g以上、1.0ml/g以下であることが好ましい。即ち、細孔容積が上記範囲に満たない場合は十分なインク吸収性能が得られず、インク吸収性の劣ったインク受容層となり、場合によっては、インクが溢れ、画像に滲みが発生する恐れがある。一方、細孔容積が上記範囲を超える場合は、インク受容層にクラックや粉落ちが生じ易くなるという傾向がある。又、インク受容層のBET比表面積は20m/g以上、450m/g以下であることが好ましい。上記範囲にない場合は十分な光沢性が得られないことがあり、又ヘイズが増加するため(透明性が低下するため)、画像が「白もや」がかかったようになる恐れがある。さらに、この場合には、インク中の染料吸着性の低下を生じる恐れもある。一方、上記範囲を超えると、インク受容層にクラックが生じ易くなる。
以下、実施例、比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。尚、以下に「部」または「%」とあるのは、特に断らない限り質量基準である。また、2価の金属およびアルミニウムの元素量は、誘導結合プラズマ発光分析(ICP−OES)で測定した。
<基材の作製>
下記のようにして基材を作製した。まず、下記組成の紙料を調整した。
・パルプスラリー 100質量部
(濾水度450mlCSF(Canadian Standarad Freeness)の広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)80質量部と、濾水度480mlCSFの針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)20質量部との混合物)
・カチオン化澱粉 0.60質量部
・重質炭酸カルシウム 10質量部
・軽質炭酸カルシウム 15質量部
・アルキルケテンダイマー 0.10質量部
・カチオン性ポリアクリルアミド 0.030質量部
次に、この紙料を長網抄紙機で抄造し3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。この後、サイズプレス装置で、固形分が1.0g/mとなるように酸化澱粉水溶液を含浸させ、乾燥させた。この後、マシンカレンダー仕上げをして、坪量170g/m、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mNの基紙Aを得た。
基紙A上に、低密度ポリエチレン(70質量部)と、高密度ポリエチレン(20質量部)と、酸化チタン(10質量部)からなる樹脂組成物を25g/m塗布した。さらに、裏面に、高密度ポリエチレン(50質量部)と、低密度ポリエチレン(50質量部)からなる樹脂組成物を25g/m塗布することにより、樹脂被覆した基材を得た。
<下層用塗工液Aの作製>
純水中に、アルミナ水和物(Sasol社製、商品名:Disperal HP14)を23質量%となるように添加した。さらに、酢酸を、アルミナ水和物に対して2.0質量%となるように加え攪拌し、アルミナゾルを作製した。
次に、ポリビニルアルコールPVA235(商品名、クラレ(株)製、重合度:3500、ケン化度:88%)をイオン交換水中に溶解させて、固形分8.0質量%のPVA水溶液を得た。そして、前記アルミナゾルに、前記作製したPVA溶液を、アルミナ水和物の固形分に対してPVA固形分換算で10質量%となるように混合した。さらに、3.0質量%ホウ酸水溶液を、アルミナ水和物の固形分に対してホウ酸固形分換算で1.7質量%となるように混合して下層用塗工液Aを作製した。
<上層(最表面)用塗工液aの作製>
アルミナ水和物(Sasol社製、商品名:Disperal HP14)60gと純水800gを混合し、この混合物に酢酸マグネシウム・4水和物1.29g(Mgの元素量/Alの元素量=0.006)を添加した。得られた分散体をスプレードライ法で乾燥させて、酢酸マグネシウムを接触させたアルミナ水和物1を得た。尚、乾燥温度(気相温度)は170℃とした。アルミナ水和物1の酸点強度を、アンモニアガスを用いて表面活性能を調べる昇温脱離試験(TPD法)により調べた。この結果、酸点は確認されず、酢酸マグネシウムがアルミナ水和物に接触していることが確認できた。
次に、下層用塗工液Aにおいて、アルミナ水和物に変えて、前記の酢酸マグネシウムを接触させたアルミナ水和物1を用いた以外は、同様にして上層用塗工液aを作製した。
<上層(最表面)用塗工液bの作製>
アルミナ水和物(Sasol社製、商品名:Disperal HP14)60gと純水800gを混合し、この混合物に酢酸カルシウム・1水和物2.11g(Caの元素量/Alの元素量=0.012)を添加した。得られた分散体をスプレードライ法で乾燥させて、酢酸カルシウムを接触させたアルミナ水和物2を得た。尚、乾燥温度(気相温度)は170℃とした。アルミナ水和物2の酸点強度を、アンモニアガスを用いて表面活性能を調べる昇温脱離試験(TPD法)により調べた。この結果、酸点は確認されず、酢酸カルシウムがアルミナ水和物に接触していることが確認できた。
次に、下層用塗工液Aにおいて、アルミナ水和物に変えて、前記の酢酸カルシウムを接触させたアルミナ水和物2を用いた以外は、同様にして上層用塗工液bを作製した。
<上層(最表面)用塗工液cの作製>
アルミナ水和物(Sasol社製、商品名:Disperal HP14)60gと純水800gを混合し、この混合物に酢酸カルシウム・1水和物2.11g(Caの元素量/Alの元素量=0.012)を添加した。得られた分散体をスプレードライ法で乾燥させて、酢酸カルシウムを接触させたアルミナ水和物2を得た。尚、乾燥温度(気相温度)は170℃とした。次に、アルミナ水和物2と純水1Lを混合し、この混合物を遠心分離機により固液分離して固体を回収する方法で洗浄を行った。洗浄は合計3回行い、酢酸カルシウムを接触させたアルミナ水和物3を得た。プラズマ発光分析(ICP)により、アルミナ水和物3の(Caの元素量/Alの元素量)を測定したところ、洗浄によりCaが一部溶出した結果、0.001となった。アルミナ水和物3の酸点強度を、アンモニアガスを用いて表面活性能を調べる昇温脱離試験(TPD法)により調べた。この結果、酸点は確認されず、酢酸カルシウムがアルミナ水和物に接触していることが確認できた。
次に、下層用塗工液Aにおいて、アルミナ水和物に変えて、前記の酢酸カルシウムを接触させたアルミナ水和物3を用いた以外は、同様にして上層用塗工液cを作製した。
<上層(最表面)用塗工液dの作製>
アルミナ水和物(Sasol社製、商品名:Disperal HP14)60gと純水800gを混合し、この混合物に酢酸カルシウム・1水和物5.28g(Caの元素量/Alの元素量=0.03)を添加した。得られた分散体をスプレードライ法で乾燥させて、酢酸カルシウムを接触させたアルミナ水和物4を得た。尚、乾燥温度(気相温度)は170℃とした。アルミナ水和物4の酸点強度を、アンモニアガスを用いて表面活性能を調べる昇温脱離試験(TPD法)により調べた。この結果、酸点は確認されず、酢酸カルシウムがアルミナ水和物に接触していることが確認できた。
次に、下層用塗工液Aにおいて、アルミナ水和物に変えて、前記の酢酸カルシウムを接触させたアルミナ水和物4を用いた以外は、同様にして上層用塗工液dを作製した。
<上層(最表面)用塗工液eの作製>
アルミナ水和物(Sasol社製、商品名:Disperal HP14)60gと純水800gを混合し、この混合物に酢酸カルシウム・1水和物0.106g(Caの元素量/Alの元素量=0.0006)を添加した。得られた分散体をスプレードライ法で乾燥させて、酢酸カルシウムを接触させたアルミナ水和物5を得た。尚、乾燥温度(気相温度)は170℃とした。アルミナ水和物5の酸点強度を、アンモニアガスを用いて表面活性能を調べる昇温脱離試験(TPD法)により調べた。この結果、酸点は確認されず、酢酸カルシウムがアルミナ水和物に接触していることが確認できた。
次に、下層用塗工液Aにおいて、アルミナ水和物に変えて、前記の酢酸カルシウムを接触させたアルミナ水和物5を用いた以外は、同様にして上層用塗工液eを作製した。
<上層用塗工液fの作製>
アルミナ水和物(Sasol社製、商品名:Disperal HP14)60gと純水800gを混合し、この混合物に酢酸カルシウム・1水和物7.04g(Caの元素量/Alの元素量=0.04)を添加した。得られた分散体をスプレードライ法で乾燥させて、酢酸カルシウムを接触させたアルミナ水和物6を得た。尚、乾燥温度(気相温度)は170℃とした。アルミナ水和物6の酸点強度を、アンモニアガスを用いて表面活性能を調べる昇温脱離試験(TPD法)により調べた。この結果、酸点は確認されず、酢酸カルシウムがアルミナ水和物に接触していることが確認できた。
次に、下層用塗工液Aにおいて、アルミナ水和物に変えて、前記の酢酸カルシウムを接触させたアルミナ水和物6を用いた以外は、同様にして上層用塗工液fを作製した。
<実施例1>
前記の下層用塗工液Aをスライドダイコーターにより乾燥後の塗工量が30g/mとなるように前記の基材に塗工、乾燥してインク受容層(下層)を形成した。更に、下層表面に純水を塗布し、塗布した下層の上に、前記の上層用塗工液aを、ダイコーターにより乾燥塗工量が8g/mとなるように塗工した。塗工後乾燥して、最表面のインク受容層(上層)を形成し、本発明の実施例1の記録媒体を作製した。また、最表面層のインク受容層の(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)を、プラズマ発光分析(ICP)により測定し、表1に示した。
<実施例2、3>
下層用塗工液Aおよび上層用塗工液aの乾燥塗工量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2、3の記録媒体を作製した。また、最表面層のインク受容層の(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)を、プラズマ発光分析(ICP)により測定し、表1に示した。
<比較例1〜3>
下層用塗工液Aおよび上層用塗工液aの乾燥塗工量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1〜3の記録媒体を作製した。また、比較例1、2の記録媒体に関しては、最表面層のインク受容層の(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)を、プラズマ発光分析(ICP)により測定し、表1に示した。
<実施例4>
基材上に、基材に近い方から順に、下層用塗工液Aを乾燥塗工量が25g/m、上層用塗工液bを乾燥塗工量が5g/mとなるように同時重層塗工した。なお、上記2層の塗工液の塗工は、スライドダイコーターを用いて行った。次に、これを40℃で乾燥して、実施例4の記録媒体を作製した。また、最表面層のインク受容層の(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)を、プラズマ発光分析(ICP)により測定し、表1に示した。
<実施例5、6>
下層用塗工液Aおよび上層用塗工液bの乾燥塗工量を表1に示すように変更した以外は実施例4と同様にして、実施例5、6の記録媒体を作製した。また、最表面層のインク受容層の(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)を、プラズマ発光分析(ICP)により測定し、表1に示した。
<比較例4、5>
下層用塗工液Aおよび上層用塗工液bの乾燥塗工量を表1に示すように変更した以外は実施例4と同様にして、比較例4、5の記録媒体を作製した。また、最表面層のインク受容層の(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)を、プラズマ発光分析(ICP)により測定し、表1に示した。
<実施例7>
基材上に、基材に近い方から順に、下層用塗工液Aを乾燥塗工量が10g/m、上層用塗工液cを乾燥塗工量が20g/mとなるように同時重層塗工した。なお、上記2層の塗工液の塗工は、スライドダイコーターを用いて行った。次に、これを40℃で乾燥して、実施例7の記録媒体を作製した。また、最表面層のインク受容層の(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)を、プラズマ発光分析(ICP)により測定し、表1に示した。
<実施例8>
下層用塗工液Aおよび上層用塗工液cの乾燥塗工量を表1に示すように変更した以外は実施例7と同様にして、実施例8の記録媒体を作製した。また、最表面層のインク受容層の(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)を、プラズマ発光分析(ICP)により測定し、表1に示した。
<実施例9>
基材上に、基材に近い方から順に、下層用塗工液Aを乾燥塗工量が10g/m、上層用塗工液dを乾燥塗工量が20g/mとなるように同時重層塗工した。なお、上記2層の塗工液の塗工は、スライドダイコーターを用いて行った。次に、これを40℃で乾燥して、実施例9の記録媒体を作製した。また、最表面層のインク受容層の(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)を、プラズマ発光分析(ICP)により測定し、表1に示した。
<実施例10>
下層用塗工液Aおよび上層用塗工液dの乾燥塗工量を表1に示すように変更した以外は実施例9と同様にして、実施例10の記録媒体を作製した。また、最表面層のインク受容層の(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)を、プラズマ発光分析(ICP)により測定し、表1に示した。
<比較例6>
基材上に、基材に近い方から順に、下層用塗工液Aを乾燥塗工量が10g/m、上層用塗工液eを乾燥塗工量が20g/mとなるように同時重層塗工した。なお、上記2層の塗工液の塗工は、スライドダイコーターを用いて行った。次に、これを40℃で乾燥して、比較例6の記録媒体を作製した。また、最表面層のインク受容層の(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)を、プラズマ発光分析(ICP)により測定し、表1に示した。
<比較例7>
下層用塗工液Aをスライドダイコーターにより乾燥後の塗工量が30g/mとなるように前記の基材に塗工、乾燥してインク受容層を形成し、比較例7の記録媒体を作製した。
<比較例8>
基材上に、基材に近い方から順に、下層用塗工液Aを乾燥塗工量が10g/m、上層用塗工液fを乾燥塗工量が20g/mとなるように同時重層塗工した。なお、上記2層の塗工液の塗工は、スライドダイコーターを用いて行った。次に、これを40℃で乾燥して、比較例8の記録媒体を作製した。また、最表面層のインク受容層の(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)を、プラズマ発光分析(ICP)により測定し、表1に示した。
<比較例9>
下層用塗工液Aおよび上層用塗工液fの乾燥塗工量を表1に示すように変更した以外は比較例8と同様にして、比較例9の記録媒体を作製した。また、最表面層のインク受容層の(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)を、プラズマ発光分析(ICP)により測定し、表1に示した。
[記録媒体の評価]
実施例1〜10および比較例1〜9の記録媒体を用い、記録画像の画像堅牢性(耐ガス性と耐光性)と光学濃度の2項目を評価した。
[記録画像の作製]
上記各記録媒体の最表面のインク受容層に、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色の単色パッチを、光学濃度(O.D.)がそれぞれ1.0になるに印字して、記録画像を作製した。なお、印字には、インクジェット方式を用いたフォト用プリンタ(商品名:PIXUS IP8600、インク:BCI−7、キヤノン製)を用いた。
[画像堅牢性]
(耐ガス性試験)
上記の記録画像に対して、オゾンウエザオメーター(型式:OMS−HS、スガ試験機社製)を用いて、オゾン暴露試験を行った。
・試験条件
暴露ガス組成:オゾン3ppm
試験時間:16時間
試験槽内温湿度条件:24℃、60%RH
・耐オゾン性の評価方法
上記の記録画像の試験前後の画像濃度を分光光度計(商品名:スペクトリノ、グレタグマクベス社製)を用いて測定し、次の式より濃度残存率を求め、以下に記述する判定基準に基づき判定した。
濃度残存率(%)=(試験後の画像濃度/試験前の画像濃度)×100
[判定基準]
○ シアン濃度残存率80%以上。
△ シアン濃度残存率70%以上80%未満。
× シアン濃度残存率70%未満。
[耐光性試験]
上記の記録画像に対して、キセノンフェザーメーター(型式:XL−750、スガ試験機(株)製)を用いて、キセノン暴露試験を行った。
・試験条件
積算照射:11000KLX
試験槽内温湿度条件:23℃、50%RH
・耐キセノン性の評価方法
上記の記録物の試験前後の画像濃度を分光光度計(商品名:スペクトリノ、グレタグマクベス社製)を用いて測定し、次の式より濃度残存率を求め、以下に記述する判定基準に基づき判定した。
濃度残存率(%)=(試験後の画像濃度/試験前の画像濃度)×100
[判定基準]
○ シアン濃度残存率90%以上。
△ シアン濃度残存率80%以上90%未満。
× シアン濃度残存率80%未満。
[光学濃度(O.D.)]
上記各記録媒体の最表面のインク受容層に、インクジェット方式を用いたフォト用プリンタ(商品名:PIXUS IP8600、インク:BCI−7、キヤノン製)を用いて、ブラックのベタ画像(100%デューティー)の印字を行った。この後、ブラック印字部の反射濃度をX−Rite社製310TR(商品名)で測定した。
[判定基準]
○ 基準の記録媒体の値に対して低下が5%未満。
× 基準の記録媒体の値に対して低下が5%以上。
以上の評価結果を表1に示した。
表1より、実施例1〜10の記録媒体は、耐ガス性、耐光性、光学濃度(O.D.)がいずれも良好であることが分かる。これに対し、比較例1、4の記録媒体は、2価の金属化合物が接触したアルミナ水和物を含有したインク受容層の乾燥塗工量が少なく、耐ガス性、耐光性が良好でなかった。比較例3、7の記録媒体は、2価の金属化合物が接触したアルミナ水和物を含有したインク受容層を設けなかったため、耐ガス性、耐光性が良好でなかった。逆に、比較例2、5の記録媒体は、2価の金属化合物が接触したアルミナ水和物を含有したインク受容層の乾燥塗工量を多くしすぎたため、印字画像の光学濃度が低くなった。比較例6の記録媒体は、最表面のインク受容層において、アルミニウムの元素量に対する2価の金属の元素量が少なく、耐ガス性、耐光性が良好でなかった。逆に、比較例8、9の記録媒体は、最表面のインク受容層において、アルミニウムの元素量に対する2価の金属の元素量が多すぎ、印字画像の光学濃度が低くなった。

Claims (3)

  1. 基材と、基材上に2層以上のインク受容層を備えた記録媒体であって、
    該2層以上のインク受容層のうち、最表面のインク受容層は、乾燥塗工量が5g/m以上、20g/m以下であり、2価の金属化合物が接触したアルミナ水和物を含有し、
    該最表面のインク受容層における2価の金属の元素量とアルミニウムの元素量の割合[(2価の金属の元素量)/(アルミニウムの元素量)]は、0.001以上、0.03以下であることを特徴とする記録媒体。
  2. 該2価の金属化合物が接触したアルミナ水和物は、アルミナ水和物を2価の金属化合物の存在下でスプレードライ法で乾燥することで得られる請求項1に記載の記録媒体。
  3. 該2価の金属は、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれる1種以上の金属である請求項1または2に記載の記録媒体。
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