JP2010264500A - タンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システム及びタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測方法 - Google Patents

タンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システム及びタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測方法 Download PDF

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【課題】高精度のタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システムを提供すること。
【解決手段】溶鋼鍋からタンディッシュ内に注湯される注入溶鋼温度推移モデルと、タンディッシュ内からモールドに注湯される出側溶鋼温度推移モデルを用いて、現チャージの溶鋼を重量比で5%〜40%注入時点で、現時点以降のタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測データを作成する。該注入溶鋼温度推移モデルは、注入開始温度から一定の勾配で昇温後、一定の勾配で降温する温度推移モデルとし、該出側溶鋼温度推移モデルは、溶鋼鍋からタンディッシュ内への溶鋼チャージが複数回行われる連続鋳造過程で、タンディッシュ内に残存する前チャージの溶鋼と、現チャージの溶鋼との混ざりを考慮しながら、現チャージの溶鋼注入開始後Δtにおける総エンタルピーを計算する温度推移モデルとする。
【選択図】図1

Description

本発明はタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システム及びタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測方法に関するものである。
鋼の連続鋳造は、転炉で精錬された溶鋼を鍋(溶鋼鍋)に受け取り、RHなどの二次精精錬処理を行った後、この鍋をタンディッシュの上方まで移動させてロングノズルを介してタンディッシュ内に注湯し、浸漬ノズルを介してその下方に設置された連続鋳造用鋳型に注湯して凝固させる方法で行われている。
チャージ内のタンディッシュにおける溶鋼温度推移は、タンディッシュ内への溶鋼注湯開始直後から上昇し、所定量注湯後にピーク温度に達し、その後下降することが知られている。
連続鋳造速度の設定に関し、凝固シェルの破壊による溶鋼流出トラブル(ブーレークアウト)を防ぎつつ、生産性を確保するために、タンディッシュ出側溶鋼温度変化を予測して、ピーク温度前後で低速設定する手法が一般的に採用されている。該ピーク温度は、溶鋼鍋からタンディッシュ内に注湯される溶鋼温度によって変動する。また、タンディッシュ内に注湯される溶鋼温度は、二次精錬最終温度や、溶鋼鍋の特性等により変動する。したがって、溶鋼鍋からタンディッシュ内へ連続して複数回行われる溶鋼チャージ毎に該ピーク温度は変動する。
したがって、ブレークアウトを防ぎつつ、生産性を確保するためには、各チャージ毎に、タンディッシュ出側溶鋼推移を実測温度値と比較して±1℃レベルで予測し、当該予測温度における許容最大鋳造速度で鋳造を行うことが好ましい。しかし、タンディッシュ出側溶鋼温度変化を正確に予測することは困難である。そこで、従来は、ブレークアウト防止の観点から、予測されるタンディッシュ出側溶鋼温度変化のピーク温度前後に更に幅を持たせた範囲で、許容最大鋳造速度よりも低速で鋳造するように鋳造速度設定をしており、生産性の観点から好ましくないという問題があった。
タンディッシュ内溶鋼温度変化を予測する技術に関し、例えば、特許文献1には、(a) タンディッシュ寸法、(b) 耐火物の要素分割データ、(c) 形態係数、(d) 耐火物物性値、(e) 耐火物初期温度、(f) タンディッシュ使用サイクル、及び(g) 鋳造時における溶鋼鍋内溶鋼温度を入力データとして入力し、耐火物やスラグと溶鋼の熱授受を計算して温度を推定する技術が開示されている。ここで、前記(g) 鋳造時における溶鋼鍋内溶鋼温度は、(a) 溶鋼鍋寸法、(b) 耐火物の要素分割データ(具体的には耐火物の厚さ方向における内壁表面,中間位置及び外壁表面の3点について温度を計算することにより耐火物の使用履歴とする)、(c) 形態係数(具体的には、ある特定の面から輻射される熱量のうち、別の面に到達する熱量の割合)、(d) 耐火物物性値(具体的には熱伝導率,膨張率)、(e) 耐火物初期温度(具体的には表面温度)、及び(f) 溶鋼鍋使用サイクルを入力データとして、伝熱計算により導かれている。
実際の取鍋内溶鋼には、二次精錬終了からタンディッシュへの注入開始までの間に鍋内の溶鋼に熱対流が発生し、鍋内上層部の溶鋼温度が高く、下層部は低くなる鍋内偏熱が発生しているが、特許文献1の上記モデルでは、当該偏熱の要素は考慮していない。このため、特許文献1の上記モデルによるタンディッシュ内溶鋼温度変化の予測精度は、実測温度値と比較して±5℃レベルに留まり、当該予測値を基に、許容最大鋳造速度を設定することは困難であるという問題があった。
特開平9−253812号公報
本発明の目的は、前記問題を解決し、ブレークアウトを防ぎつつ高い生産性の実現を可能とする、高精度のタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システム、および該システムを用いたタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測方法と連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明のタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システムは、溶鋼鍋からタンディッシュ内に注湯される注入溶鋼温度推移モデルと、タンディッシュ内からモールドに注湯される出側溶鋼温度推移モデルとを、記憶する記憶手段と、タンディッシュ出側溶鋼温度を連続測定する出側溶鋼温度連続実測手段と、タンディッシュ出側溶鋼温度推移予測データを作成する情報処理手段を有する出側溶鋼温度変化予測システムであって、該注入溶鋼温度推移モデルは、注入開始温度から一定の勾配で昇温後、一定の勾配で降温する温度推移モデルであって、該出側溶鋼温度推移モデルは、溶鋼鍋からタンディッシュ内への溶鋼チャージが複数回行われる連続鋳造過程で、タンディッシュ内に残存する前チャージの溶鋼と、現チャージの溶鋼との混ざりを考慮しながら、現チャージの溶鋼注入開始後Δtにおける総エンタルピーを計算する温度推移モデルであって、情報処理手段は、現チャージの溶鋼を重量比で5%〜40%注入時点で、タンディッシュ出側溶鋼温度連続測定手段が測定したタンディッシュ出側溶鋼連続測定温度推移と、タンディッシュ出側溶鋼温度推移モデルによる温度推移とを対比して、両者が一致するようにタンディッシュ出側溶鋼温度推移モデルの設定値を補正し、更に、出側溶鋼温度推移モデルをリバース方向に適用して現チャージの溶鋼注入開始時のタンディッシュ注入溶鋼温度を決定した後、該決定温度をタンディッシュ注入溶鋼温度推移モデルに適用してタンディッシュ注入溶鋼温度推移データを作成し、該タンディッシュ注入溶鋼温度推移データをタンディッシュ出側溶鋼温度推移モデルに適用してタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測データを作成することを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システムにおいて、注入溶鋼温度推移モデルは、注入開始温度から注入開始後10分間で5℃昇温後、一定の勾配で降温する温度推移モデルであって、該出側溶鋼温度推移モデルは、タンディッシュ内を架空の多槽構造とする多槽完全混合モデルを適用し、現チャージの溶鋼注入開始後Δtにおける各槽への溶鋼流出入量および各槽内耐火物への抜熱量を考慮して計算する温度推移モデルであることを特徴とするものである。
請求項3記載のタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測方法は、請求項1または2記載のタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システムを用いてタンディッシュ出側温度推移を予測することを特徴とするものである。
本発明に係るタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システムは、溶鋼鍋からタンディッシュ内に注湯される注入溶鋼温度推移モデルと、タンディッシュ内からモールドに注湯される出側溶鋼温度推移モデルを用いて、現チャージの溶鋼を重量比で5%〜40%注入時点で、現時点以降のタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測データを作成する。ここで、該注入溶鋼温度推移モデルは、注入開始温度から一定の勾配で昇温後、一定の勾配で降温する温度推移モデルとし、該出側溶鋼温度推移モデルは、溶鋼鍋からタンディッシュ内への溶鋼チャージが複数回行われる連続鋳造過程で、タンディッシュ内に残存する前チャージの溶鋼と、現チャージの溶鋼との混ざりを考慮しながら、現チャージの溶鋼注入開始後Δtにおける総エンタルピーを計算する温度推移モデルとした。これにより、タンディッシュ出側溶鋼推移を、実測温度値と比較して±1℃レベルで高精度に予測可能とした。
請求項3記載のンディッシュ出側溶鋼温度推移予測方法によれば、上記タンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システムを適用することにより、ブレークアウトを防ぎつつ生産性の向上を図ることが可能となる。
本発明のタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システムの概略説明図である。 注入溶鋼温度推移モデルの説明図である。 出側溶鋼温度推移モデルの説明図である。 情報処理手段の情報処理フロー説明図である。 本発明のシステム精度検証データである。 従来および本発明による鋳造速度設定パターンである。
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
図1には、本発明のタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システムの概略説明図を示している。本発明のタンディッシュ内溶鋼温度変化予測システムは、鋼の連続鋳造工程において、溶鋼鍋2からロングノズルを介してタンディッシュ1内に注湯された溶鋼が、タンディッシュ1内からモールドに注湯される際の、タンディッシュ出側溶鋼温度推移を高精度に予測し、該出側溶鋼温度(Tout)によって最大許容速度が規定される鋳造速度を最適に調整可能とするものである。
本発明のタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システムは、溶鋼鍋からタンディッシュ内に注湯される溶鋼の温度推移モデル(以下、注入溶鋼温度推移モデル3)と、タンディッシュ内からモールドに注湯される溶鋼の温度推移モデル(以下、出側溶鋼温度推移モデル4)とを、該モデル3、4を記憶する記憶手段5と、タンディッシュ出側溶鋼温度(Tout)を連続測定する出側溶鋼温度連続実測手段7と、タンディッシュ出側溶鋼温度推移予測データを作成する情報処理手段6から構成される。
(注入溶鋼温度推移モデル3)
溶鋼鍋2から注湯される溶鋼温度(Tin)の推移は、注入流量や鍋蓄熱量に関わらず、例えば図2に示す、注入溶鋼温度推移モデル3で表現される。該注入溶鋼温度推移モデル3は、「鍋内の溶鋼の平均温度」の経時変化を表わすグラフと、鍋内の偏熱程度を表す「鍋注入溶鋼温度−鍋内溶鋼平均温度」の経時変化を表わすグラフとを組み合わせて、簡易モデル化したものである。
鍋内では、耐火物近傍で冷却された溶鋼は密度が高くなるため耐火物表面近傍を底面側へ移動し、温度の高い溶鋼は鍋の中央部を上面側へ移動する対流が発生する。この熱対流の発生で、底面側の溶鋼温度は低く、上面にいく程溶鋼温度は高い状態となっている。このように、偏熱している鍋内の溶鋼平均温度は、鍋耐火物への抜熱により、一律に低下していく。したがって、前記の「鍋内の溶鋼の平均温度」の経時変化を表わすグラフは、一定の降温速度を示すグラフとなる。
また、注入が進み鍋内溶鋼の浴深が浅くなるに従って、鍋内の偏熱程度を表す「鍋注入溶鋼温度−鍋内溶鋼平均温度」の値は小さくなる。これは、溶深が浅くなるほど、熱対流が発生しにくくなるためである。
本発明では、前記の「鍋注入溶鋼温度−鍋内溶鋼平均温度」の経時変化を表わすグラフと、「鍋内の溶鋼の平均温度」の経時変化を表わすグラフとを組み合わせて得た簡易モデルを、注入溶鋼温度推移モデル3としている。
図2において、αは、二次精錬終了からCC(連続鋳造)注入スタートまでの鍋内溶鋼の温度降下率を表している。βは、鍋内平均温度降下率を表している。
α(℃/min)は、二次精錬終了時の温度測定の時刻(t)と測定温度(T)と後鍋スタートの時刻(t)を実測し、更に、下記に詳述する出側溶鋼温度推移モデル4を用いてフィティンク゛させた温度(T)を演算し、これらの値を下記(数1)式に適用して求められる。
β(℃/min)は、上記αの値を、下記(数2)式に適用して求められる。
α、βは当該チャージの鍋耐火物の蓄熱状態でほぼ決まっているため、近い値となる。しかし、転炉受鋼からの経過時間は、αに対してβが長いため、耐火物の蓄熱が進み溶鋼の抜熱量が低下するため、βはαより小さくなる。
図2には、注入溶鋼温度推移モデル3の一例として、注入開始温度から注入開始後10分間で5℃昇温後、一定の勾配で降温する温度推移モデルを示している。該温度推移モデルは、熱流動解析により、耐火物の抜熱による鍋内溶鋼熱対流を考慮しつつ、鍋注入溶鋼温度を時系列的に算出して得られたモデルである。該モデルの立ち上がり係数(10minで5℃)は、鍋の耐火物厚み、鍋形状(内径/深さ)、二次精錬終了からCC注入スタートまでの時間で変化するため、その工場に合った係数を見直すことが望ましい。
(出側溶鋼温度推移モデル4)
図3には、出側溶鋼温度推移モデル4の説明図を示している。タンディッシュ1内からモールドに注湯される溶鋼温度(Tout)の推移を求める出側溶鋼温度推移モデル4は、溶鋼鍋からタンディッシュ内への溶鋼チャージが複数回行われる連続鋳造過程で、タンディッシュ内に残存する前チャージの溶鋼と、現チャージの溶鋼との混ざりを考慮しながら、現チャージの溶鋼注入開始後Δtにおける総エンタルピーを計算するものである。
前記の総エンタルピー計算は、図3に示すように、タンディッシュ内を架空の多槽構造(V1、V2、V1´、V3、V4、V4´、V5、V5´)とする多槽完全混合モデルを適用し、現チャージの溶鋼注入開始後Δtにおける各槽への溶鋼流出入量および各槽内耐火物への抜熱量を考慮した計算式によって行われる。
該多槽完全混合モデルでは、タンディシュ内を複数の仮想的な槽に分割している。槽内は完全混合モデルとし、それを層列につないだモデルとしている。このモデルの特徴は、簡易的な計算で、TD内の流動を考慮しつつ、溶鋼エンタルピーの移動をシミュレートできることである。注入された溶鋼が、既にタンディシュ内にある溶鋼と混ざり合いながらTD出側に移動していくことをシミュレートする。コンピューターを使った数値熱流動解析のほうが精度は高いが、計算負荷が高く、実際の鋳造時間よりも計算時間が長くなるため、今回の用途に使えない。
H型タンディシュへの鍋からの溶鋼注入形態としては、図3に示すように、1つの鍋から注入し注入時間の多くを占める定常注入、2つの鍋から同時に注入しているラップ注入、鍋注入がない非ラップ注入の3パターンがある。ラップ注入とは、鍋交換時、前鍋と後鍋を同時に注入する方法で、鍋交換時の溶鋼注入が途切れないためタンディシュの溶鋼重量変化を抑制でき、また各鍋の注入量を絞ることができるため前鍋スラグの流入やタンディシュスラグの巻き込みを減らすことができるため、鍋交換部の鋳片品位を向上できる。モールドでの引き抜き量が少ない場合、ラップ注入のための鍋の絞り注入を行うと詰まりを発生させる危険性があるため、前鍋注入終了後に後鍋を注入する非ラップ注入操業を行う。
注入形態の違いで、槽列モデルの繋がり方が異なるが、図3の定常注入時を例にとり、モデル内容を詳細に説明している。図3の定常注入時の基礎式に示すように、現在と微小時間Δt経過後のi槽のエンタルピーバランスをとる。具体的には、現在のi槽内の総エンタルピーにΔtの間に流入する溶鋼エンタルピーを加え、流出する溶鋼エンタルピーを減じ、TD耐火物からの抜熱量を減じた値とΔt後のi槽の総エンタルピーが等しくなるように計算する。算出された総エンタルピーを溶鋼密度と溶鋼比熱で割り、溶鋼温度を算出する。各槽のエンタルピーの流入経路と流出経路数が異なるため、実際の式は、各槽により微妙に異なった形となる。V1、V1’、V4、V5、V4’、V5’槽はエンタルピーの流入経路が1つ、流出経路が1つであり、V2槽は流入経路が2つ、流出経路が2つであり、V3槽は流入経路が1つ、流出経路が2つであるため、それぞれのエンタルピーバランス式が異なる。
各槽の抜熱量Hiは、TD耐火物の厚み方向の温度分布を非定常伝熱計算で解き算出した耐火物表面温度と溶鋼温度に溶鋼耐火物間の熱伝達係数をかけた値とした。タンディシュ耐火物の厚み方向の温度分布を非定常伝熱解析で解析しているため、鋳造の進行とともに蓄熱され抜熱量が低下するタンディシュへの抜熱量変化も精度よくシミュレートしている。
最終的に連続鋳造の速度を決めるV5、V5’槽の溶鋼温度推移を計算して表示する。
定常注入時に比較して、ラップ注入時、非ラップ注入時は鍋の注入パターンが異なるため、V1、V2、V1’槽のエンタルピーの流出入変化に対応するようにエンタルピーバランス式を変化させている。
(情報処理手段6)
図4には、情報処理手段6の情報処理フロー説明図を示している。以下、情報処理手段6における情報処理ステップ(以下、ST)について説明する。
ST1では、現チャージの溶鋼を重量比で25%(初期鍋内溶鋼重量を100%とする)注入した時点で、前チャージに関するタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測データと、出側溶鋼温度連続実測手段7で測定したタンディッシュ出側溶鋼温度連続実測データ(現チャージ溶鋼注入開始時から現時点まで)との対比を行い、温度差ΔTを算出する。ST2では、前記ΔTを用いて、出側溶鋼温度推移モデル4の補正を行う。ST3では、前記補正後の出側溶鋼温度推移モデル4をリバース方向に適用して、現チャージのB点(図4)における溶鋼温度(Tin)を決定する。ST4では、ST3で決定した現チャージのB点温度(Tin)を注入溶鋼温度推移モデル3に適用して、現チャージの注入溶鋼温度推移データを作成する。ST5では、ST4で作成した現チャージの注入溶鋼温度推移データを出側溶鋼温度推移モデル4に適用して、現チャージのタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測データを作成する。
(モデル精度検証)
図5には、上記のタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測データと実測データを対比したモデル精度検証データを示している。図5に示すように、本発明のタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システムによれば、タンディッシュ出側溶鋼推移を±1℃レベルで予測することができる。従って、発明のタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システムで作成したタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測データを基に、当該予測温度における許容最大鋳造速度で鋳造を行うことにより、ブレークアウトを防ぎつつ高い生産性を確保できる。
図6には、従来の鋳造速度設定パターンと、本発明による鋳造速度設定パターンを示している。従来は、タンディッシュ出側溶鋼温度変化を正確に予測することが困難であり、ブレークアウト防止の観点から、ピーク温度前後に更に幅を持たせて低速設定範囲を設定していたのに対し、本発明では、タンディッシュ出側溶鋼温度変化が±1℃レベルで予測可能なため、低速設定範囲をより限定的に設定することができる。本発明の適用によって、12%の生産性向上が可能となった。
1タンディッシュ
2溶鋼鍋
3注入溶鋼温度推移モデル
4出側溶鋼温度推移モデル
5記憶手段
6情報処理手段
7出側溶鋼温度連続実測手段

Claims (3)

  1. 溶鋼鍋からタンディッシュ内に注湯される注入溶鋼温度推移モデルと、タンディッシュ内からモールドに注湯される出側溶鋼温度推移モデルとを、記憶する記憶手段と、
    タンディッシュ出側溶鋼温度を連続測定する出側溶鋼温度連続実測手段と、
    タンディッシュ出側溶鋼温度推移予測データを作成する情報処理手段を有する出側溶鋼温度変化予測システムであって、
    該注入溶鋼温度推移モデルは、注入開始温度から一定の勾配で昇温後、一定の勾配で降温する温度推移モデルであって、
    該出側溶鋼温度推移モデルは、溶鋼鍋からタンディッシュ内への溶鋼チャージが複数回行われる連続鋳造過程で、タンディッシュ内に残存する前チャージの溶鋼と、現チャージの溶鋼との混ざりを考慮しながら、現チャージの溶鋼注入開始後Δtにおける総エンタルピーを計算する温度推移モデルであって、
    情報処理手段は、現チャージの溶鋼を重量比で5%〜40%注入時点で、出側溶鋼温度連続測定手段が測定したタンディッシュ出側溶鋼連続測定温度推移と、出側溶鋼温度推移モデルによる温度推移とを対比して、両者が一致するように出側溶鋼温度推移モデルの設定値を補正し、更に、出側溶鋼温度推移モデルをリバース方向に適用して現チャージの溶鋼注入開始時のタンディッシュ注入溶鋼温度を決定した後、該決定温度を注入溶鋼温度推移モデルに適用してタンディッシュ注入溶鋼温度推移データを作成し、該データを出側溶鋼温度推移モデルに適用してタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測データを作成することを特徴とするタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システム。
  2. 注入溶鋼温度推移モデルは、注入開始温度から注入開始後10分間で5℃昇温後、一定の勾配で降温する温度推移モデルであって、
    該出側溶鋼温度推移モデルは、タンディッシュ内を架空の多槽構造とする多槽完全混合モデルを適用し、現チャージの溶鋼注入開始後Δtにおける各槽への溶鋼流出入量および各槽内耐火物への抜熱量を考慮して計算する温度推移モデルであることを特徴とする請求項1記載のタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システム。
  3. 請求項1または2記載のタンディッシュ出側溶鋼温度変化予測システムを用いてタンディッシュ出側温度推移を予測することを特徴とするタンディッシュ出側溶鋼温度推移予測方法。
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